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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183948
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】エレベーター及び動吸振器
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B66B11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097772
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金山 泰裕
(72)【発明者】
【氏名】前田 亮
(72)【発明者】
【氏名】村田 祐輔
【テーマコード(参考)】
3F306
【Fターム(参考)】
3F306AA12
3F306DA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】乗りかごの質量を軽減することができ、かつ乗りかごに生じる振動を軽減できるエレベーター及び動吸振器を提供する。
【解決手段】エレベーターは、乗りかごと、釣合おもり50と、動吸振器60と、を備えている。動吸振器60は、釣合おもり50の上下方向の下端部52aに着脱可能に取り付けられ、ばね63を有する。また、動吸振器60には、緩衝器40と対向する位置に、緩衝器40との接触を避けるための開口部及び/又は空間90が形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に設けられた昇降路内を昇降移動する乗りかごと、
主ロープを介して前記乗りかごに懸架される釣合おもりと、
前記釣合おもりの上下方向の下端部に着脱可能に取り付けられ、ばねを有する動吸振器と、を備え、
前記動吸振器には、前記釣合おもりの上下方向の下方に設置された緩衝器と対向する位置に、前記緩衝器との接触を避けるための開口部及び/又は空間が形成されている
エレベーター。
【請求項2】
前記動吸振器は、
複数の動吸振器用ウエートと、
前記動吸振器用ウエートが設置される支持プレートと、を有し、
前記支持プレートには、前記開口部が形成され、
前記動吸振器用ウエートには、開口部及び/又は空間が形成される
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記動吸振器用ウエートは、前記支持プレートに形成した前記開口部を間に挟んで、前記支持プレートの幅方向の両側に配置され、
前記動吸振器用ウエートの間に、前記空間が形成される
請求項2に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記動吸振器は、前記釣合おもりの枠体の下端部に着脱可能に固定される固定部を有する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項5】
前記動吸振器は、前記支持プレートよりも上下方向の下方に配置され、複数の前記動吸振器用ウエートのうち所定の枚数の前記動吸振器用ウエートが設置されるウエート支持板と、を有し、
複数の前記動吸振器用ウエートは、
前記ウエート支持板に設置される第1ウエート群と、
前記支持プレートに設置される第2ウエート群に分けられる
請求項2に記載のエレベーター。
【請求項6】
前記動吸振器は、前記支持プレートよりも上下方向の下方に配置されるばね受け部を有し、
前記ばねは、前記支持プレートと前記ばね受け部の間に介在される
請求項5に記載のエレベーター。
【請求項7】
主ロープを介して乗りかごに懸架される釣合おもりの上下方向の下端部に着脱可能に固定される固定部と、
複数の動吸振器用ウエートと、
前記動吸振器用ウエートが設置される支持プレートと、を備え、
前記動吸振器用ウエート及び前記支持プレートにおける前記釣合おもりの上下方向の下方に設置された緩衝器と対向する位置には、前記緩衝器との接触を避けるための開口部及び/又は空間が形成されている
動吸振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター及び動吸振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターには、乗りかごが昇降移動時に生じる振動を低減させるための機構が設けられている。乗りかごの振動を低減させる技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
特許文献1には、かご室とかご枠とから構成された乗りかごのかご枠下方の左右に、支持部材を介してかご下プーリを設け、このかご下プーリに主ロープを巻き掛けて乗りかごを駆動するようにした技術が記載されている。そして、特許文献1には、左右の支持部材を連結部材で連結し、この連結部材とかご枠間に、ばねにより支持され上下動する動吸振体を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-168980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、近年では、乗りかごの質量を軽減するために、重量物である動吸振器を乗りかごに設置しないことが求められている。しかしながら、動吸振器を設置しない場合、乗りかごが昇降移動時に生じる振動を低減させることができない、という問題を有していた。
【0006】
本目的は、上記の問題点を考慮し、乗りかごの質量を軽減することができ、かつ乗りかごに生じる振動を軽減できるエレベーター及び動吸振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するため、エレベーターは、建築構造物に設けられた昇降路内を昇降移動する乗りかごと、主ロープを介して乗りかごに懸架される釣合おもりと、動吸振器と、を備えている。動吸振器は、釣合おもりの上下方向の下端部に着脱可能に取り付けられ、ばねを有する。また、動吸振器には、釣合おもりの上下方向の下方に設置された緩衝器と対向する位置に、緩衝器との接触を避けるための開口部及び/又は空間が形成されている。
【0008】
また、動吸振器は、主ロープを介して乗りかごに懸架される釣合おもりの上下方向の下端部に着脱可能に固定される固定部と、複数の動吸振器用ウエートと、動吸振器用ウエートが設置される支持プレートと、を備えている。そして、動吸振器用ウエート及び支持プレートにおける釣合おもりの上下方向の下方に設置された緩衝器と対向する位置には、緩衝器との接触を避けるための開口部及び/又は空間が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成のエレベーター及び動吸振器によれば、乗りかごの質量を軽減することができ、かつ乗りかごに生じる振動を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。
図2】実施の形態例にかかるエレベーターを示す平面図である。
図3】実施の形態例にかかるエレベーターの釣合おもりを示す正面図である。
図4】実施の形態例にかかるエレベーターの釣合おもりに動吸振器を取り付けた状態を示す斜視図である。
図5】実施の形態例にかかるエレベーターの釣合おもりに動吸振器を取り付けた状態を示す正面図である。
図6】実施の形態例にかかるエレベーターの釣合おもりが最下部まで移動した状態を示す正面図である。
図7】実施の形態例にかかる動吸振器を示す正面図である。
図8】実施の形態例にかかる動吸振器を示す斜視図である。
図9】実施の形態例にかかる動吸振器が最下部まで移動した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、エレベーター及び動吸振器の実施の形態例について、図1図9を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0012】
[実施の形態例]
1-1.エレベーターの構成例
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターの構成例を示す概略構成図である。図2は、エレベーターを示す平面図である。
【0013】
図1に示すように、建築構造物内に形成された昇降路の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベーターである。また、図1に示す例では、いわゆる2:1ローピング方式のエレベーター100を示す。
【0014】
図1及び図2に示すように、エレベーター100は、昇降路1内を昇降する乗りかご4と、巻上機3と、主ロープ13と、主ロープ13を介して乗りかご4に懸架される釣合おもり50と、調速機5と、緩衝器40と、制御装置30と、を有している。緩衝器40は、昇降路1における上下方向の下部、すなわち昇降路1のピットに配置されている。そして、緩衝器40は、後述する乗りかご4及び釣合おもり50の上下方向の下方にそれぞれ配置される。
【0015】
乗りかご4は、昇降路1内に立設された一対のガイドレール2、2により昇降方向に昇降可能に支持されている。ガイドレール2は、昇降路1の壁面1Aに固定されたレールブラケット20に指示されている。また、乗りかご4の上下方向の下部には、不図示のせり上げ用プーリが設けられている。せり上げ用プーリには、主ロープ13が巻き掛けられる。
【0016】
さらに、乗りかご4には、不図示の非常止め装置と、調速機5に巻き掛けられるガバナロープ12と連結する連結部とを有している。これにより、乗りかご4の昇降速度は、ガバナロープ12を介して調速機5により検出される。そして、乗りかご4の昇降速度が所定の速度を超えると、調速機5は、非常止め装置を作動させる。これにより、乗りかご4は、非常止め装置により停止する。
【0017】
調速機5は、上部ガバナプーリ6と、下部ガバナプーリ9と、ガバナウエート10と、ガバナロープ12と、を有している。上部ガバナプーリ6は、昇降路1の頂部において、マシンビーム3Aの近傍に配置される。この上部ガバナプーリ6には、ガバナロープ12が巻き掛けられる。
【0018】
下部ガバナプーリ9は、上部ガバナプーリ6の上下方向の下方、すなわち昇降路1のピットに配置される。この下部ガバナプーリ9は、ガイドレール2に固定された支持ブラケットに回転可能に支持されている。そして、下部ガバナプーリ9には、ガバナロープ12が巻き掛けられる。また、下部ガバナプーリ9には、ガバナウエート10が設置されている。ガバナウエート10により上部ガバナプーリ6と下部ガバナプーリ9に巻き掛けられたガバナロープ12に所定の張力を付与している。
【0019】
図1及び図2に示すように、巻上機3は、昇降路1の上下方向の頂部に設置されたマシンビーム3Aに設置される。そして、巻上機3は、制御装置30と電気的に接続されている。制御装置30により巻上機3の駆動が制御される。巻上機3の綱車には、主ロープ13が巻き掛けられている。そして、主ロープ13は、乗りかご4のせり上げ用プーリや、後述する釣合おもり50のおもり側プーリ51、不図示のプーリに巻き掛けられる。
【0020】
釣合おもり50は、昇降路1内に立設された一対のガイドレール2、2により昇降方向に昇降可能に支持されている。
【0021】
1-2.釣合おもりの構成例
次に、図3を参照して釣合おもり50の構成について説明する。
図3は、釣合おもり50を示す正面図である。
【0022】
図3に示すように、釣合おもり50における上下方向の下部には、緩衝器40が設置されている。釣合おもり50は、おもり側プーリ51と、枠体52と、積層された複数のおもり部材53と、を有している。
【0023】
枠体52は、中空の略矩形状に形成されている。枠体52の上下方向の上部には、おもり側プーリ51が回転可能に設置されている。また、枠体52における上下方向と直交する幅方向の側面部には、ガイドレール2(図1及び図2参照)を摺動するスライダが設けられている。また、枠体52内には、複数のおもり部材53が設置されている。なお、枠体52に設置するおもり部材53の枚数は、調整可能に構成されている。
【0024】
そして、枠体52の上下方向の下端部52aは、ピットに設置された緩衝器40と対向する。このような構成を有する釣合おもり50には、動吸振器60が着脱可能に取り付けられる。
【0025】
2.動吸振器の構成例
次に、図4から図9を参照して動吸振器60の構成について説明する。
図4は、釣合おもり50に動吸振器60を取り付けた状態を示す斜視図、図5は、釣合おもり50に動吸振器60を取り付けた状態を示す正面図である。図6は、動吸振器60を取り付けた釣合おもり50が最下部まで移動した状態を示す正面図である。また、図7は、動吸振器60を示す正面図、図8は、動吸振器60を示す斜視図である。そして、図9は、動吸振器60が最下部まで移動した状態を示す斜視図である。
【0026】
図4及び図5に示すように、釣合おもり50における枠体52の下端部52aには、動吸振器60が着脱可能に取り付けられている。図7及び図8に示すように、動吸振器60は、支持プレート61と、複数の動吸振器用ウエート62と、弾性部材であるばね63と、固定部64と、複数の固定ロッド65と、複数のストッパロッド66と、ばね支持ロッド70と、を有している。また、動吸振器60は、ウエート支持板67と、第1連結部68と、第2連結部69とを有している。
【0027】
固定ロッド65及びストッパロッド66、ばね支持ロッド70は、それぞれ4本ずつ設けられている。固定ロッド65及びストッパロッド66、ばね支持ロッド70は、それぞれその軸方向が上下方向と平行に配置される。また、固定ロッド65及びばね支持ロッド70は、幅方向の両端部に配置され、ストッパロッド66は、固定ロッド及びばね支持ロッド70よりも幅方向の両端部から中間部よりに配置されている。
【0028】
固定ロッド65の上下方向の上端部には、固定部64が設置されている。固定ロッド65の上端部には、雄ねじが形成されており、枠体52の下端部52aに挿通する。そして、不図示のナットを固定ロッド65の上端部に締め込むことで、ナットと固定部64で枠体52の下端部52aを挟持する。これにより、図4及び図5に示すように、動吸振器60は、枠体52の下端部52aに固定される。なお、動吸振器60の固定方法としては、上述した固定方法に限定されるものではなく、着脱可能に固定できる固定方法であればよく、その他各種の固定方法が適用される。
【0029】
また、固定ロッド65及びばね支持ロッド70の上下方向の下端部には、第2連結部69が設置されている。第2連結部69は、支持プレート61よりも上下方向の下方に配置される。第2連結部69は、幅方向及び上下方向とも直交する前後方向に配置された2つの固定ロッド65を連結する。また、第2連結部69は、幅方向及び上下方向とも直交する前後方向に配置された2つのばね支持ロッド70を連結する。
【0030】
ばね支持ロッド70の上下方向の上端部には、第1連結部68が設置されている。第1連結部68は、前後方向に配置された2つのばね支持ロッド70を連結する。また、第1連結部68には、固定ロッド65が上下方向に貫通している。
【0031】
固定ロッド65及びばね支持ロッド70の上下方向の中間部には、支持プレート61が固定されている。支持プレート61は、略平板状の部材により形成されている。支持プレート61は、幅方向の両端部に配置された固定ロッド65及びばね支持ロッド70を連結する。また、支持プレート61の幅方向の中間部には、開口部61aが形成されている。
【0032】
ばね支持ロッド70には、ばね63が取り付けられている。ばね63は、ばね受け部を示す第2連結部69と支持プレート61の間に介在される。また、ばね63の上端部と支持プレート61の下面部との間には、ばね受け座71が設けられている。ばね63として、圧縮コイルばねが適用される。なお、ばね63としては、例えば、板ばねや皿ばね等その他各種のばね部材を適用できるものである。
【0033】
支持プレート61の幅方向の両端部において、固定ロッド65及び支持ロッド70よりも中間部よりには、ストッパロッド66が取り付けられる。ストッパロッド66は、支持プレート61から上下方向の下方に向けて突出している。ストッパロッド66の上下方向の下端部には、ウエート支持板67が固定されている。そのため、ウエート支持板67は、支持プレート61よりも上下方向の下方に配置される。
【0034】
ウエート支持板67は、前後方向に配置された2つのストッパロッド66を連結する。ウエート支持板67には、複数の動吸振器用ウエート62が積層されている。また、複数の動吸振器用ウエート62は、支持プレート61の上下方向の上面部にも積層されている。そのため、複数の動吸振器用ウエート62は、ウエート支持板67に設置された第1ウエート群と、支持プレート61に設置された第2ウエート群に分けられる。
【0035】
また、複数の動吸振器用ウエート62は、支持プレート61に設けた開口部61aを間に挟むようにして、幅方向の両側に配置される。そのため、複数の動吸振器用ウエート62における幅方向の中間部には、空間90(図5及び図7参照)が形成される。
【0036】
乗りかご4に振動が生じると、乗りかご4に生じた振動は、主ロープ13を介して釣合おもり50に伝達される。そして、釣合おもり50に伝達された振動により動吸振器60が振動することで、乗りかご4に生じた振動を打ち消すことができる。このように、本例のエレベーター100によれば、乗りかご4の質量を増加させることなく、乗りかご4に生じる振動を抑制することができる。
【0037】
また、支持プレート61に設置される動吸振器用ウエート62(第2ウエート群)の枚数とウエート支持板67に設置される動吸振器用ウエート62(第1ウエート群)の枚数を調整することで、動吸振器60の固有振動数を容易に調整することができる。れにより、建築構造物に設置されたエレベーター100の振動特性に応じて、動吸振器60の固有振動数を調整することができ、乗りかご4に生じる振動を低減することができる。
【0038】
また、上述したように、図5及び図6に示すように、釣合おもり50の下方には、支持台41に設置された緩衝器40が配置されている。そのため、釣合おもり50を最下部まで移動させると、釣合おもり50の下端部に設けた動吸振器60が緩衝器40に接触するおそれがある。これに対して、本例の動吸振器60は、支持プレート61に開口部61aが形成されていると共に、複数の動吸振器用ウエート62の幅方向の中間部には、空間90が形成されている。
【0039】
これにより、図6及び図9に示すように、釣合おもり50を最下部まで移動した場合、緩衝器40は、複数の動吸振器用ウエート62に設けた空間90及び支持プレート61に設けた開口部61a内に挿入される。これにより、釣合おもり50の下端部に動吸振器60を取り付けても、動吸振器60と緩衝器40が接触することを防ぐことができる。
【0040】
また、本例では、動吸振器用ウエート62を幅方向の中間部に空間90を空けて、幅方向の両側に配置する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支持プレート61と同様に、動吸振器用ウエート62も幅方向の中間部に開口部を形成してもよい。
【0041】
さらに、空間90及び開口部61aを設ける位置は、幅方向の中間部に限定されるものではなく、緩衝器40が設置された位置に応じて適宜設定されるものであり、緩衝器40の上下方向の上方において緩衝器40と対向する位置であればよい。
【0042】
さらに、本例の動吸振器60は、釣合おもり50の下端部に着脱可能に取り付けられる。そのため、このように、本例の動吸振器60によれば、新規のエレベーターだけでなく、既設のエレベーターのリニューアル工事の際に、容易に釣合おもり50に後付することができる。
【0043】
なお、動吸振器60を釣合おもり50に後付した場合、動吸振器60の重量だけ乗りかご4との重量バランスが変化する。しかしながら、一般的に、釣合おもり50における枠体52に設置するおもり部材53の枚数は、調整可能に構成されている。そのため、動吸振器60の重量分だけ釣合おもり50のおもり部材53の枚数を減らすことで、釣合おもり50及び動吸振器60の重量を所望の重量に調整することができる。その結果、動吸振器60を後付した場合でも、乗りかご4との重量バランスに変化が生じることを防止できる。
【0044】
本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0045】
なお、上述した実施の形態例では、エレベーターとして2:1ローピング方式のエレベーターを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、1:1ローピング方式のエレベーターや、コンペンロープを有するエレベーターにも適用できるものである。
【0046】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…昇降路、 1A…壁面、 3…巻上機、 4…乗りかご、 5…調速機、 13…主ロープ、 40…緩衝器、 41…支持台、 51…おもり側プーリ、 52…枠体、 52a…下端部、 53…おもり部材、 60…動吸振器、 61…支持プレート、 61a…開口部、 62…動吸振器用ウエート、 63…ばね(弾性部材)、 64…固定部、 65…固定ロッド、 66…ストッパロッド、 67…ウエート支持板、 68…第1連結部、 69…第2連結部(ばね受け部)、 70…支持ロッド、 90…空間、 100…エレベーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9