(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183955
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】マッサージ機及び施療機構
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61H7/00 323N
A61H7/00 323L
A61H7/00 322Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097782
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD01
4C100AD11
4C100AD25
4C100BA01
4C100BB03
4C100BB05
4C100BC03
4C100BC11
4C100BC20
4C100CA06
4C100DA04
4C100DA05
(57)【要約】
【課題】被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができるマッサージ機を提供することができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、前記施療機構は、左右一対設けられ、通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、前記被施療者の首を押圧する作用部と、少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、前記左右対の第1施療子の離隔距離は、前記左右対の作用部の離隔距離よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、
前記施療機構は、左右一対設けられ、
通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、
前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、
前記被施療者の首を押圧する作用部と、
少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、
前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、
前記左右対の第1施療子の離隔距離は、前記左右対の作用部の離隔距離よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、
前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、
前記施療機構は、左右一対設けられ、
通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、
前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、
前記被施療者の首を押圧する作用部と、
少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、
前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、
前記左右対の第1施療子の左右間隔は、前記左右対の作用部の左右間隔よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、
前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、
前記施療機構は、左右一対設けられ、
通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、
前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、
前記被施療者の首を押圧する作用部と、
少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、
前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、
前記左右対の第1施療子の取付位置は、前記左右対の作用部の取付位置よりも左右方向外側に位置するように前記施療子保持部に対して取り付けられており、
前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
前記作用部は、前記第1施療子よりも前方に位置していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記作用部の揺動軌跡は、前記第1施療子の揺動軌跡と一致することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記施療子保持部の揺動方向を規制する斜板カムを更に有し、
前記施療子保持部は、前記斜板カムを介して前記出力軸に取り付けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記作用部は、上下方向において前記第1施療子の基端側に取り付けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記作用部は、弾性を有する突起又はエアセルで構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記作用部は、可撓性を有する支持部材を介して左右方向に亘って一体的に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記施療機構は、被施療者の背部を押圧する第2施療子を更に備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項11】
左右一方設けられた施療機構であって、
前記施療機構は、
通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、
被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、
被施療者の首を押圧する作用部と、
少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、
前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、
前記左右対の第1施療子の離隔距離は、前記左右対の作用部の離隔距離よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、又は、
前記左右対の第1施療子の左右間隔は、前記左右対の作用部の左右間隔よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、又は、
前記左右対の第1施療子の取付位置は、前記左右対の作用部の取付位置よりも左右方向外側に位置するように前記施療子保持部に対して取り付けられており、 前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とする施療機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者の肩等の患部に対して人の手指による肩揉みに近い挟み揉みマッサージをするために複数の第1施療指を有するマッサージユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、椅子に着座した被施療者の肩を押圧する施療子を複数備え、複数の施療子が互いに近接又は離反することで、被施療者の肩の掴み揉みを行うことができるマッサージ機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-010854号公報
【特許文献2】特開2004-033583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2に記載のマッサージユニットは、被施療者の肩部を前方及び後方から挟み揉みするものであり、首部をマッサージすることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、前記施療機構は、左右一対設けられ、通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、前記被施療者の首を押圧する作用部と、少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、前記左右対の第1施療子の離隔距離は、前記左右対の作用部の離隔距離よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とすることを特徴とする。
このような構成とすることにより、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができる。
【0006】
また、本発明は、少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、前記施療機構は、左右一対設けられ、通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、前記被施療者の首を押圧する作用部と、少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、前記左右対の第1施療子の左右間隔は、前記左右対の作用部の左右間隔よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とする。
このような構成とすることにより、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができる。
【0007】
また、本発明は、少なくとも被施療者の肩にマッサージを行う施療機構であって、前記施療機構は、左右一対設けられ、通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、前記被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、前記被施療者の首を押圧する作用部と、少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、前記左右対の第1施療子の取付位置は、前記左右対の作用部の取付位置よりも左右方向外側に位置するように前記施療子保持部に対して取り付けられており、前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とする。
このような構成とすることにより、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージするする。
【0008】
また、前記作用部は、前記第1施療子よりも前方に位置していることが好ましい。
このような構成とすることにより、作用部と第1施療子が互いに干渉するのを防ぐことができる。
【0009】
また、前記作用部の揺動軌跡は、前記第1施療子の揺動軌跡と一致することが好ましい。
このような構成とすることにより、第1施療子の揺動に合わせて作用部を揺動させることができる。
【0010】
また、前記施療子保持部の揺動方向を規制する斜板カムを更に有し、前記施療子保持部は、前記斜板カムを介して前記出力軸に取り付けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、3次元的なマッサージ動作をすることができる。
【0011】
また、前記作用部は、上下方向において前記第1施療子の基端側に取り付けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、作用部と第1施療子が互いに干渉するのを防ぐことができる。
【0012】
また、前記作用部は、弾性を有する突起又はエアセルで構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者に対する体感を異ならせることができる。
【0013】
また、前記作用部は、可撓性を有する支持部材を介して左右方向に亘って一体的に形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者の首部を安定して支持することができる。
【0014】
また、前記施療機構は、被施療者の背部を押圧する第2施療子を更に備えることが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療者の背部をマッサージすることができる。
【0015】
また、本発明は、左右一方設けられた施療機構であって、前記施療機構は、通電により回転する上下方向に延出する出力軸を有する駆動部と、被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子と、被施療者の首を押圧する作用部と、少なくとも前記第1施療子を保持する施療子保持部と、前記施療子保持部を揺動させるための揺動機構と、を有し、前記左右対の第1施療子の離隔距離は、前記左右対の作用部の離隔距離よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、又は、前記左右対の第1施療子の左右間隔は、前記左右対の作用部の左右間隔よりも大きくなるように前記施療子保持部に対して取り付けられており、又は、前記左右対の第1施療子の取付位置は、前記左右対の作用部の取付位置よりも左右方向外側に位置するように.前記施療子保持部に対して取り付けられており、前記作用部は、前記施療子保持部に取り付けられ、前記第1施療子とともに揺動することを特徴とする。
このような構成とすることにより、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る施療機構全体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る施療機構の駆動部を示す図であり、(a)正面図であり、(b)は駆動部を分解した斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る左側の施療機構を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る左側の施療機構の一部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る左側の施療機構に取り付けられる作用部取付部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の状態から押出エアセルを取り外した状態の斜視図であり、(c)は、平面図であり、(d)は(c)の状態から押出エアセルを取り外した状態の平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る支持部材を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る作用部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【
図10】
図9の状態から首エアセルを取り外した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る施療機構と第2施療子の関係を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る施療機構を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る施療機構を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る施療機構を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。
【
図15】第1施療子と作用部の揺動軌跡を示す図である。
【
図16】本発明の他の実施形態に係る作用部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の状態から首エアセルを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図17】本発明の他の実施形態に係る作用部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[マッサージ機の全体構成]
以下、本発明のマッサージ機1の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る施療機構60全体を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1のブロック図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、
図1に示す使用状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0019】
図1~
図3に示すとおり、本発明のマッサージ機1は、主として、被施療者が着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられた被施療者の上半身を支持する背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられた被施療者の脚及び/又は足を支持するフットレスト部4と、座部2の左右両側には、被施療者の腕を載置する肘掛部5と、背凭れ部3の側方に取り付けられた施療機構60(60L、60R)と、を有している。座部2、背凭れ部3、フットレスト部4、肘掛部5は、被施療者の身体を背面側から支持する身体支持部として機能する。マッサージ機1の各所には、被施療者の身体を押圧することでマッサージを行うマッサージ部が設けられていてもよい。また、背凭れ部3の内部には、被施療者の背部を押圧する第2施療子としてのエアセル40が設けられている。
【0020】
図1、
図3に示すとおり、背凭れ部3は、座部2の下方に設けられたアクチュエータ11aにより、座部2に対して前後にリクライニング可能に構成されており、
図1に示す起立姿勢から背凭れ面が床面と略水平となるリクライニング姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。フットレスト部4は、座部2の下方に設けられたアクチュエータ11bにより、座部2に対して上下に揺動可能に構成されており、
図1に示す垂下姿勢から膝を伸ばした状態で脚又は足が支持される上昇姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。
【0021】
図1、
図3に示すとおり、座部2の下方には、施療機構60を構成するエアセル41L,41Rや作用部Aを構成する押出エアセル33L,33R、首エアセル34L,34Rに対してエアを給排気するポンプ10a及びバルブ10bを有する給排気装置10と、マッサージ機1の各種動作を制御する制御部9と、が設けられている。
制御部9は、プログラマブルなマイコン等を有しており、アクチュエータ11a,11b、施療機構60L,60R、給排気装置10を駆動制御する。制御部9には、被施療者が操作するコントローラ12が電気的に接続されている。マッサージ機1は、記憶部(図示せず)に予め記憶されたプログラム(マッサージコース)に従って動作する他、被施療者によるコントローラ12からの指示に従って動作する。
【0022】
[座部の構成]
図1に示すとおり、座部2は、被施療者が着座するための着座面を有する。座部2の下方には、座部2を支持する脚フレーム6が設けられている。座部2の上面には、被施療者の臀部及び/又は大腿部の背面をマッサージするための臀部背面マッサージ部を設けてもよい。また、座部2の側面に被施療者の臀部及び/又は大腿部の側面をマッサージするための臀部側面マッサージ部を設けてもよい。
【0023】
[背凭れ部の構成]
図1に示すとおり、背凭れ部3は、被施療者の上半身を支持する。背凭れ部3は、硬質の背フレーム3a(
図11参照)と、背凭れ部3の側部に設けられた施療機構60L,60Rと、背フレーム3aを被覆するカバー部材3cと、により構成されている。背フレーム3aは、金属部材及び/又は樹脂部材により構成されている。また、背フレーム3aは、左右中央に形成された前後方向に開口する開口部3bを有し、正面視で略門型をなしている。また、カバー部材3cは、開口部3bを前方から覆っている。開口部3bの内部には、施療機構60L,60Rを上下に昇降させるための昇降機構83と、第2施療子40と、が設けられている。施療機構60L,60R、昇降機構83、第2施療子40については、後述する。
【0024】
[フットレスト部の構成]
図1に示すとおり、フットレスト部4は、座部2に対して上下回動自在に取り付けられている。フットレスト部4は、被施療者の下腿を支持することができる。なお、被施療者の足裏を支持する足裏支持部(図示せず)を設けてもよい。フットレスト部4や足裏支持部(図示せず)には、下腿や足裏をマッサージする脚マッサージ部を設けてもよい。
【0025】
[肘掛部の構成]
図1に示すとおり、座部2の左右両側には、被施療者の手先と前腕を支持する肘掛部5が設けられている。肘掛部5には、載置面が設けられており、被施療者は、載置面に被施療者の手先や前腕を載置することができる。載置面には、手先や前腕をマッサージする腕マッサージ部が設けられていてもよい。
【0026】
図4は、本発明の一実施形態に係る施療機構60の駆動部90(より詳しくは、左側の施療機構90Lの駆動部90L)を示す図であり、(a)正面図であり、(b)は駆動部90を分解した斜視図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る左側の施療機構60Lを示す斜視図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る左側の施療機構60L(より詳しくは、左側の施療機構60Lの作用部取付部39Lから押出エアセル33Lを取り外した状態)の一部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る左側の施療機構60Lに取り付けられる作用部取付部39Lを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の状態から押出エアセル33Lを取り外した状態の斜視図であり、(c)は、平面図であり、(d)は(c)の状態から押出エアセル33Lを取り外した状態の平面図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る支持部材20を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図9は、本発明の一実施形態に係る作用部Aを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図10は、
図9の状態から首エアセル34L,34Rを取り外した状態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る施療機構60と第2施療子40の関係を示す図である。
【0027】
[施療機構の構成]
図1、
図2に示すとおり、本実施形態に係る施療機構60は、背凭れ部3に対して左右一対設けられている。背凭れ部3の左側には、施療機構60Lが設けられている。背凭れ部3の右側には、施療機構60Rが設けられている。更に、施療機構60には、被施療者の首を押圧する作用部Aが取り付けられている。作用部Aについては、後述する。
【0028】
施療機構60について説明する。なお、施療機構60Lと施療機構60Rは、左右対称の構成となっているため、施療機構60Lを例に説明するものとし、施療機構60Rについては、説明を省略する。
図5、9に示すとおり、施療機構60Lは、通電により回転する上下方向に延出する出力軸44Lを有する駆動部90Lと、被施療者の肩を上方から押圧する第1施療子50Lと、被施療者の首を押圧する作用部Aを構成する押出エアセル33Lと、少なくとも第1施療子50Lを保持する施療子保持部35Lと、施療子保持部35Lを揺動させるための揺動機構Cと、から主として構成されている。
駆動部90Lを駆動させることにより、施療子保持部35Lは、揺動機構Cを介して、第1施療子50Lと作用部Aを揺動させることができる。揺動機構Cについては、後述する。
【0029】
[第1施療子の構成]
図5、6に示すとおり、第1施療子50Lは、施療子保持部35Lに対して取り付けられている。より詳しくは、第1施療子50Lは、先端が丸みを帯びた略円柱形状をなしており、上方から下方に向かって突出している。第1施療子50Lは、施療子保持部35Lに対して取り付けられている。より詳しくは、第1施療子50Lの基端側(上下方向上側)は、施療子保持部35Lの下面に対して取り付けられている。
つまり、第1施療子50Lは、施療子保持部35Lの下面から下方に向かって突出して設けられている。そうすることで、第1施療子50Lにより、座部2に着座した被施療者の肩部を上方から押圧することができる。
【0030】
[施療子保持部の構成]
施療子保持部35Lは、第1施療子50Lを保持するためのものである。施療子保持部35Lは、所定の厚さを有する略小判型の形状となっている。施療子保持部35Lは、保持板36Lの一端側(左右方向右側)に対して取り付けられている。より詳しくは、施療子保持部35Lの上面は、保持板36Lの下面に対して取り付けられている(
図2(a)、
図5参照)。施療子保持部35Lの下面には、第1施療子50Lが取り付けられている。
つまり、保持板36L、施療子保持部35L、第1施療子50Lの位置関係は、上下方向上側から順に、保持板36L、施療子保持部35L、第1施療子50Lとなるように構成されている(
図2(a)、
図5参照)。
【0031】
なお、保持板36Lは、施療子保持部35Lの揺動方向を規制する斜板カム51Lを介して出力軸44Lに取り付けられている。施療子保持部35Lは、保持板36Lに取り付けられているため、出力軸44Lが回転して保持板36Lが揺動すると、施療子保持部35Lも保持板36Lとともに揺動するようになっている。保持板36Lと斜板カム51Lについては、後述する。
【0032】
[駆動部の構成]
図4は、左側の施療機構60Lの駆動部90Lを示す図である。
図4に示すとおり、駆動部90Lは、モータM1と、モータM1の回転を制御する基板46Lと、モータM1の回転を減速して施療機構60Lに伝達するための減速機構93Lと、上下方向に伸びる出力軸44Lと、で構成されている。より詳しくは、モータM1は、モータM1から伸びる駆動軸が下方に向かって伸びるように基板46Lに対して、下向きに取り付けられている。つまり、モータM1の駆動軸の軸方向と出力軸44Lの軸方向は、同じ方向(上下方向)となっている。
【0033】
駆動軸には、駆動軸の回転を減速して出力軸44Lに伝達するためのウォーム47Lが設けられている。ウォーム47Lは、左右方向を軸方向とする第1ギア48Lと噛み合っている。出力軸44Lの上方には、第2ギア70Lが設けられている。第1ギア48Lは、第2ギア70Lと噛み合っている。
つまり、ウォーム47Lは、第1ギア48Lと噛み合い、第1ギア48Lは、第2ギア70Lと噛み合う。駆動軸の回転は、ウォーム47L、第1ギア48L、第2ギア70Lの順に減速されていき、出力軸44Lに伝達される。ウォーム47L、第1ギア48L、第2ギア70Lは、モータM1の回転を減速して施療機構60Lに伝達するための減速機構93Lとして機能する。減速機構93Lは、ケース45Lによって覆われている。
【0034】
出力軸44Lの下方には、斜板カム51Lが取り付けられている。より詳しくは、出力軸44Lの下方には、出力軸44Lに対して直交する方向にピン49Lが挿通されている。斜板カム51Lは、ピン49Lを介して出力軸44Lに取り付けられている。
つまり、出力軸44Lが回転することで出力軸44Lに挿通されたピン49Lも回転する。斜板カム51Lは、ピン49Lを介して出力軸44Lに対して取り付けられているため、出力軸44Lの回転に伴って斜板カム51Lも回転する。よって、斜板カム51Lは、空回りすることなく、出力軸44Lの回転に合わせて回転することができる。
【0035】
斜板カム51Lは、カム本体43Lとカム本体43Lに対して傾斜して取り付けられたベアリング42Lと、から構成されている。斜板カム51Lは、揺動機構Cの一部を構成している。斜板カム51Lは、出力軸44Lに対して偏心して取り付けられている。カム本体43Lに対して傾斜して取り付けられたベアリング42Lには、保持板36Lが取り付けられている。
つまり、保持板36Lは、斜板カム51Lによって、ベアリング42Lによる上下方向の揺動に加えて、偏心による前後左右方向の揺動の3次元的な揺動動作を実現することができる。
【0036】
斜板カム51Lは、保持板36Lに対して取り付けられている。より詳しくは、斜板カム51Lは、保持板36Lに設けられた孔37Lに挿通されて取り付けられている。孔37Lの周囲には、斜板カム51Lが露出するのを防ぐためのカバー88が取り付けられている(
図5参照)。
斜板カム51Lは、保持板36Lに対して取り付けられているため、斜板カム51Lの回転に伴って保持板36Lも揺動する。保持板36Lには、施療子保持部35Lを介して取り付けられた第1施療子50Lと、被施療者の首を押圧する作用部A(より詳しくは、作用部取付部39L)が取り付けられている。そのため、保持板36Lが揺動することで、第1施療子50Lと作用部Aも一緒に揺動することとなる。作用部Aについては、後述する。
【0037】
[揺動機構の構成]
揺動機構Cについて、説明する。
揺動機構Cは、施療子保持部35Lを揺動させるためのものである。揺動機構Cは、複数の部材から構成されている。
図5に示すとおり、揺動機構Cは、斜板カム51Lと、斜板カム51Lが取り付けられた施療子保持部35Lと、施療子保持部35Lに取り付けられたブラケット55Lと、ブラケット55Lに取り付けられたリンク部材57Lと、から構成されている。
【0038】
揺動機構Cは、リンク部材57Lと出力軸44Lの2つで支持されている。リンク部材57Lは、円柱形の棒状の部材である。より詳しくは、一端が球状となったボールジョイントである。リンク部材57Lの他端には、左右方向に伸びる孔(図示せず)が設けられている。リンク部材57Lの一端は、駆動部90Lに対して取り付けられており、リンク部材57Lの他端は、孔(図示せず)に対して挿通されたピン89を介して左右方向を軸方向として、ブラケット55Lに対して取り付けられている。
【0039】
ブラケット55Lは、正面視で両辺が上方に向かって折り曲げられた凹字型の板状の部材で構成されており、両辺は、側面視で略三角形の形状となっている。ブラケット55Lの底面には、エアセル41Lの反力を受けるための金属製の支持板56Lが取り付けられている。
ブラケット55Lの側面には、2つの孔が設けられている。1つはブラケット55Lの上端に設けられており、もう1つは、ブラケット55Lの後端に設けられている。
ブラケット55Lの上端に設けられた孔は、リンク部材57Lの他端に設けられた孔と同じ径となっている。この2つの孔に対して、ピン89を挿通させることで、ピン89を支点としてブラケット55Lを上下方向に揺動させることができる。ブラケット55Lの後端に設けられた孔(図示せず)に対してピン(図示せず)を挿通させることで、ピン(図示せず)を支点としてブラケット55Lを上下方向に揺動させることができる。要するに、ブラケット55Lは、2つの支点で支持されている。
なお、支持板56Lについては、後述する。
【0040】
つまり、駆動部90Lを駆動し、出力軸44Lを回転させると、斜板カム51Lが回転する。斜板カム51Lを構成するカム本体43Lには、ベアリング42Lが傾斜して取り付けられている。傾斜して取り付けられたベアリング42Lには、保持板36Lが取り付けられている。そのため、保持板36Lに取り付けられた施療子保持部35Lは、保持板36Lの揺動にあわせて一緒に揺動する。より詳しくは、上下方向に揺動する。さらに、斜板カム51Lを構成するカム本体43Lは、偏心しているため、前後左右方向にも揺動することができる。つまり、保持板36Lは、上下方向及び前後左右方向にも揺動する3次元的な揺動をする。
【0041】
保持板36Lの揺動について、説明する。保持板36Lには、ブラケット55Lの後端が取り付けられている。そのため、保持板36Lが前方に揺動すると、保持板36Lに取り付けられたブラケット55Lも一緒に前方に揺動する。このとき、ブラケット55Lの上端には、リンク部材57Lが取り付けられているため、ブラケット55Lの前方への揺動は規制される。そして、ブラケット55Lには、支持板56Lが取り付けられているため、支持板56Lの揺動も規制されることとなる。
【0042】
具体的には、保持板36Lを前方に揺動させると、保持板36Lに取り付けられたブラケット55Lは、前方に揺動しつつ、途中から、ブラケット55Lの前端が下方に向かって揺動する。なぜなら、ブラケット55Lの後端は保持板36Lに対して取り付けられており、ブラケット55Lの上端には、左右方向に伸びるピン89を介してリンク部材57Lの他端が取り付けられているためである。リンク部材57Lは、リンク部材57Lの一端(ボールジョイント)を支点として、前方へ揺動するようになっている。そのため、保持板36Lが前方へ揺動すると、保持板36Lの揺動に伴ってブラケット55Lも前方に揺動することとなる。このとき、ブラケット55Lの上端には、リンク部材57Lが取り付けられているため、保持板36Lの揺動範囲もリンク部材57Lのボールジョイントにより規制される。ブラケット55Lは、リンク部材57Lにより揺動範囲が規制されているため、リンク部材57Lが前方へ揺動しきると、それ以上前方に揺動することはできない。しかし、保持板36Lの前方への揺動は継続されているため、ブラケット55Lは、保持板36Lにより、そのまま前方に押し出される形となる。その結果、ブラケット55Lは、ピン89を支点としてブラケット55Lの前端が下方に向かって揺動することとなる。なお、ブラケット55Lの揺動に伴い、支持板56Lを介して取り付けられたエアセル41Lも一緒に前方に揺動する。
【0043】
また、保持板36Lが後方に揺動すると、保持板36Lに取り付けられたブラケット55Lも一緒に後方に揺動する。このとき、ブラケット55Lの上端には、リンク部材57Lが取り付けられているため、ブラケット55Lの後方への揺動は規制される。そして、ブラケット55Lには、支持板56Lが取り付けられているため、支持板56Lの揺動も規制されることとなる。
【0044】
具体的には、保持板36Lを後方に揺動させると、保持板36Lに取り付けられたブラケット55Lは、後方に揺動しつつ、途中から、ブラケット55Lの前端が上方に向かって揺動する。なぜなら、ブラケット55Lの後端は保持板36Lに対して取り付けられており、ブラケット55Lの上端には、左右方向に伸びるピン89を介してリンク部材57Lの他端が取り付けられているためである。リンク部材57Lは、リンク部材57Lの一端(ボールジョイント)を支点として、後方へ揺動するようになっている。そのため、保持板36Lが後方へ揺動すると、保持板36Lの揺動に伴ってブラケット55Lも後方に揺動することとなる。このとき、ブラケット55Lの上端には、リンク部材57Lが取り付けられているため、保持板36Lの揺動範囲もボールジョイントにより規制される。ブラケット55Lは、リンク部材57Lにより揺動範囲が規制されているため、リンク部材57Lが後方へ揺動しきると、それ以上後方に揺動することはできない。しかし、保持板36Lの後方への揺動は継続されているため、ブラケット55Lはそのまま後方に引き戻される形となる。その結果、ブラケット55Lは、ピン89を支点としてブラケット55Lの前端が上方に向かって揺動することとなる。なお、ブラケット55Lの揺動に伴い、支持板56Lを介して取り付けられたエアセル41Lも一緒に後方に揺動する。
【0045】
[エアセルの構成]
ブラケット55Lには、被施療者の肩部を前方から押圧するためのエアセル41Lが取り付けられている。より詳しくは、ブラケット55Lの上端は、リンク部材57Lを介して駆動部90Lに揺動自在に取り付けられている。ブラケット55Lの後端は、左右方向を軸方向として上下方向に揺動自在となるように施療子保持部35Lに対して取り付けられている。ブラケット55Lの下面前側には、エアセル41Lの反力を受けるための金属製の支持板56Lが取り付けられている。この支持板56Lの下面に対してエアセル41Lが取り付けられている。そうすることで、エアセル41Lが膨張した際、エアセル41Lの反力を支持板56Lが受けることができ、被施療者の肩部を前方から押圧することができる。
【0046】
[作用部の構成]
図9に示すとおり、作用部Aは複数の部材から構成されている。より詳しくは、作用部Aは、前後方向において、一番前側に位置する首エアセル34L,34Rと、首エアセル34L,34Rが取り付けられる支持部材20と、支持部材20の背面に位置する押出エアセル33L,33Rと、押出エアセル33L,33Rが取り付けられる作用部取付部39L,39Rと、から構成されている。なお、支持部材20の前面には、首エアセル34L,34Rを取り付けるための薄い板状のPEシート20aが取り付けられている。
作用部Aは、弾性を有するエアセルで構成されている。作用部Aをエアセルで構成することにより、面で押圧することができるため、被施療者に対して、ソフトな体感で押圧することができる。
【0047】
図2に示すとおり、作用部Aは、上下方向において第1施療子50L,50Rの基端側(
図2(a)参照)であって、第1施療子50L,50Rよりも前方に位置(
図2(b)参照)するように取り付けられている。より詳しくは、作用部Aは、左右の施療機構60L,60Rの上方に取り付けられた作用部取付部39L,39Rに対して取り付けられている。
作用部Aを上下方向において第1施療子50L,50Rの基端側に取り付けること、作用部Aを第1施療子50L,50Rよりも前方に位置させること、により、作用部Aと第1施療子50L,50Rが互いに干渉するのを防ぐことができる。また、作用部Aを第1施療子50L,50Rよりも後方に位置させる場合に比べて、作用部Aの膨張量を確保する必要ないため、作用部Aが大型化するのを防ぐことができる。
【0048】
[支持部材の構成]
図8に示すとおり、支持部材20は、前後方向に所定の厚みを有している。支持部材20は、左右方向に亘って一体的に形成されており、左右方向に長寸の長方形の形状をなしている。支持部材20(作用部A)を左右方向に亘って一体的に形成することで、被施療者の首部を安定して支持することができる。支持部材20の左端部は、施療機構60Lの作用部取付部39Lに対して取り付けられており、支持部材20の右端部は、施療機構60Rの作用部取付部39Rに対して取り付けられている。つまり、支持部材20は、左右の施療機構60L,60Rの間に位置するように取り付けられている。
【0049】
支持部材20は、平面視で前方から後方に向かって凸状に湾曲している(
図8(b)参照)。凸状に湾曲した部分には、被施療者の首部(の背面)を沿わせることができるようになっている。つまり、首部は、支持部材20を安定して支持することができるようになっている。また、支持部材20は、可撓性を有する素材により構成されている。可撓性を有する素材とは、例えば、ポリウレタンやエラストマーが挙げられる。なお、これらは一例であり、施療機構60L,60Rが動作した際に、支持部材20が破損しない程度に可撓性を有する素材であればどのようなものでもよい。
【0050】
支持部材20には、T字型の溝F1が設けられている。より詳しくは、溝F1は、支持部材20の中央上側から下側に向かって上下方向に伸びており、支持部材20の中央付近から左右方向に向かって伸びている。溝F1には、首エアセル34L,34Rの給排気口(図示せず)と、首エアセル34L,34Rに空気を給排気するためのホース(図示せず)が嵌め入れられる。首エアセル34L,34Rの給排気口とホースを溝F1に嵌め入れることによって、首エアセル34L,34Rの背面と支持部材20の前面とが面一となるため、首エアセル34L,34Rを支持部材20に対して隙間なく取り付けることができる。
【0051】
支持部材20の前面には、首エアセル34L,34Rが取り付けられている。より詳しくは、首エアセル34L,34Rは、孔E5を介して支持部材20に対して取り付けられている。そのため、首エアセル34L,34Rは、孔E5を支点として左右方向外側が立ち上がるように膨張する。つまり、首エアセル34L,34Rが膨張収縮することで、被施療者の首部を左右方向から挟み込むことができる。
【0052】
首エアセル34L,34Rは、被施療者の首部(より詳しくは、首部の背面)を押圧するためのものである。首エアセル34L,34Rは、それぞれ別々のホースで接続されている(
図3参照)。そのため、首エアセル34L,34Rは、左右それぞれ独立して膨張収縮させることができる。例えば、左右一方だけを膨張させてもよいし、左右同時に膨張させてもよい。
なお、首エアセル34L,34Rは、1本の共通のホースで接続してもよい。より詳しくは、先端が二股に分かれたホースを使用し、一方を首エアセル34Lと接続し、他方を首エアセル34Rと接続することで実現することができる。そうすることで、1本のホースで、首エアセル34L,34Rを左右同時に膨張収縮させることができる。
【0053】
[作用部取付部の構成]
作用部取付部39Lについて説明する。なお、作用部取付部39Rは、作用部取付部39Lと同じ構成のため、説明を省略する。
図7に示すとおり、作用部取付部39Lは、L字型に屈曲した金属製の板状の部材で構成されている。より詳しくは、作用部取付部39Lは、底板32Lと、底板32Lの前側から上方に向かって立ち上がる前板31Lとで、構成されている。
【0054】
底板32Lには、孔E2(本実施例においては2つ)が設けられており、施療子保持部35Lの上面に取り付けられた保持板36Lに対してねじ止めして固定される。つまり、作用部取付部39Lは、単独で揺動するものではなく、施療機構60Lとともに揺動する構成となっている。そのため、作用部Aの揺動軌跡と、第1施療子50の揺動軌跡が一致するようになっている。保持板36Lについては、後述する。
【0055】
前板31Lには、複数の孔が設けられている。前板31Lの中央付近には、押出エアセル33Lの給排気口を挿通させるための孔E1が設けられている(
図7(b)参照)。孔E1に対して、押出エアセル33Lの給排気口を挿通させる(
図7(c)参照)ことで、押出エアセル33Lの背面と前板31Lの前面とを隙間なく取り付けることができる。前板31Lの左右両側には、孔E3が上下に2つずつ(合計4つ)設けられている。また、押出エアセル31Lの左右両側にも、孔E3と同じように孔が設けられている。そのため、前板31Lと押出エアセル33Lとを、孔E3を介して、ねじ止めして固定することができる。押出エアセル33Lは、四隅が前板31Lに対して固定されているため、前板31Lの面に対して平行に膨張する。
【0056】
押出エアセル33L,33、支持部材20を押出すためのものである。押出エアセル33L,33Rは、それぞれ別々のホースで接続されている(
図3参照)。そのため、押出エアセル33L,33Rは、左右それぞれ独立して膨張収縮させることができる。例えば、左右一方だけを膨張させてもよいし、左右同時に膨張させてもよい。
【0057】
[保持板の構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る左側の施療機構60Lの一部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。より詳しくは、駆動部90Lと揺動機構Cを省略した図である。
図6に示すとおり、保持板36Lは、右側から左側に向かうにつれて前方に傾斜した略ブーメラン形状となっている。保持板36Lの左右方向右側には、作用部取付部39Lがねじ止めされている。保持板36Lの左右方向左側には、斜板カム51Lを挿通させるための取付孔37Lが設けられている。保持板36Lの前端には、揺動機構Cを構成するブラケット55Lが左右方向を軸方向として上下方向に揺動自在となるように取り付けられる。なお、保持板36Rは、保持板36Lと同じ構成のため、説明を省略する。
【0058】
[第2施療子の構成]
図1、
図11に示すとおり、施療機構60には、被施療者の背部を押圧する第2施療子40が設けられている。第2施療子40は、空気の給排気により膨張収縮するエアセルにより構成されている。より詳しくは、第2施療子40は、左右方向に伸びるフレーム60aの中央付近に取り付けられている。第2施療子40の背面には、第2施療子40を後方から支える第2施療子取付板(図示せず)があると好ましい。第2施療子取付板(図示せず)を設けることで、第2施療子40が膨張した際の反力受けにすることができる。
【0059】
第2施療子40は、施療機構60L,60Rを支持するフレーム60aに対して取り付けられているため、昇降機構83を駆動させると、施療機構60L,60Rと一緒に第2施療子40も上下に昇降する。そうすることで、施療機構60L,60Rの位置を調整するだけで第2施療子40の位置も同時に調整することができる。
【0060】
なお、本実施例においては、第2施療子40であるエアセルを1つだけ設けているが、複数設けてもよい。例えば、左右一対となるように2つ設けてもよいし、左右一対及び上下一対となるように4つ設けてもよい。なお、その場合には、各エアセルを個別に膨張収縮することができるようになっていることが好ましい。そうすることで、被施療者の背部に対してバリエーションに富んだマッサージをすることができる。
【0061】
[昇降機構の構成]
図11は、本発明の一実施形態に係る施療機構60と第2施療子40の関係を示す図である。
図11に示すとおり、施療機構60L,60Rは、上下方向に昇降自在となっている。より詳しくは、施療機構60L,60Rは、昇降機構83に取り付けられている。昇降機構83は、ねじ棒80と、昇降モータM2と、昇降モータM2の回転を伝達するためのベルト部材82と、ねじ棒80の下方に設けられベルト部材82により回転するギア81と、から構成されている。左の施療機構60Lと右の施療機構60Rは、左右方向に伸びるフレーム60aにより連結されている。フレーム60aの中央付近がねじ棒80に対して取り付けられている。
【0062】
左右の施療機構60L,60Rは、フレーム60aにより連結されているため、昇降モータM2を回転させることにより、施療機構60L,60Rが上下に昇降する。具体的には、昇降モータM2を回転させると、その回転は、ベルト部材82を介してギア81に伝達される。ギア81は、ねじ棒80に取り付けられているため、ギア81の回転に伴ってねじ棒80も回転する。ねじ棒80が回転することで、ねじ棒80に取り付けられた施療機構60L,60Rが上方又は下方に移動する。
施療機構60L,60Rを昇降機構83によって上下に移動可能に構成することで、施療機構60L,60Rを座部2に着座した被施療者の肩位置に合わせることができる。
【0063】
図12は、本発明の一実施形態に係る施療機構60を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。より詳しくは、左の第1施療子50Lと右の第1施療子50Rと、の離隔距離W1が左右対の作用部Aの首エアセル34Lと首エアセル34Rとの離隔距離W2よりも大きくなるように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
図13は、本発明の一実施形態に係る施療機構60を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。より詳しくは、左の第1施療子50Lと右の第1施療子50Rと、の左右間隔W3が左右対の作用部Aの左右間隔W4よりも大きくなるように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
図14は、本発明の一実施形態に係る施療機構60を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は、平面図である。より詳しくは、左の第1施療子50Lと右の第1施療子50Rと、の取付位置P5が左右対の作用部Aの取付位置P6よりも左右方向外側に位置するように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
【0064】
[第1施療子と作用部との関係1]
図12は、左の第1施療子50Lと右の第1施療子50Rの離隔距離W1が左右対の作用部Aの首エアセル34Lと首エアセル34Rとの離隔距離W2よりも大きくなるように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
なお、離隔距離W1,W2をわかりやすくするために仮想破線P1,P2を引いている。離隔距離W1は、左右の仮想破線P1間の距離を示しており、離隔距離W2は、左右の仮想破線P2間の距離を示している。
【0065】
図12に示すとおり、第1施療子50Lは、施療機構60の中心Oから左側に向かって離れた位置に取り付けられている。第1施療子50Rは、施療機構60の中心Oから右側に向かって離れた位置に取り付けられている。このときの左の第1施療子50Lの内側(左右方向右側)のライン(仮想破線P1)と右の第1施療子50Rの内側(左右方向左側)のライン(仮想破線P1)との間における距離が離隔距離W1となっている。
【0066】
また、作用部Aの首エアセル34Lは、施療機構60の中心Oから左側に向かって離れた位置に取り付けられている。作用部Aの首エアセル34Rは、施療機構60の中心Oから右側に向かって離れた位置に取り付けられている。このときの左の首エアセル34Lの内側(左右方向右側)のライン(仮想破線P2)と右の首エアセル34Rの内側(左右方向左側)のライン(仮想破線P2)との間における距離が離隔距離W2となっている。
【0067】
離隔距離W1と離隔距離W2は、W1>W2の関係となっている。離隔距離をW1>W2の関係とすることで、左右の第1施療子50L,50Rにより被施療者の肩部を上方から押圧する際に、作用部Aの首エアセル34L,34Rにより被施療者の首部も同時に押圧することができる。
なお、離隔距離W1,W2については、一例であり、この限りではない。適宜、被施療者の首部の左右幅に合うように作用部Aの首エアセル34L,34Rの離隔距離W2を変更(首部が太い被施療者の場合は広く、首部が細い被施療者の場合は狭く)してもよく、被施療者の肩部の左右幅に合うように第1施療子50L,50Rの離隔距離W1を変更(肩幅が広い被施療者の場合は広く、肩幅が狭い被施療者の場合は狭く)してもよい。離隔距離W1,W2を変更することで、被施療者の体格に合わせることができる。
【0068】
[第1施療子と作用部との関係2]
図13は、左の第1施療子50Lと、右の第1施療子50Rの左右間隔W3が左右対の作用部Aの首エアセル34Lと首エアセル34Rとの左右間隔W4よりも大きくなるように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
なお、左右間隔W3,W4をわかりやすくするために仮想破線P3,P4を引いている。左右間隔W3は、左右の仮想破線P3間の距離を示しており、左右間隔W4は、左右の仮想破線P4間の距離を示している。
【0069】
図13に示すとおり、第1施療子50Lは、施療機構60の中心Oから左側に向かって離れた位置に取り付けられている。第1施療子50Rは、施療機構60の中心Oから右側に向かって離れた位置に取り付けられている。このときの左の第1施療子50Lの中心のライン(仮想破線P3)と右の第1施療子50Rの中心のライン(仮想破線P3)との間における間隔が左右間隔W3となっている。
【0070】
また、作用部Aの首エアセル34Lは、施療機構60の中心Oから左側に向かって離れた位置に取り付けられている。作用部Aの首エアセル34Rは、施療機構60の中心Oから右側に向かって離れた位置に取り付けられている。このときの左の首エアセル34Lの中心のライン(仮想破線P4)と右の首エアセル34Rの中心のライン(仮想破線P4)との間における間隔が左右間隔W4となっている。
【0071】
左右間隔W3と左右間隔W4は、W3>W4の関係となっている。左右間隔をW3>W4の関係とすることで、左右の第1施療子50L,50Rにより被施療者の肩部を上方から押圧する際に、作用部Aの首エアセル34L,34Rにより被施療者の首部も同時に押圧することができる。
なお、左右間隔W3,W4については、一例であり、この限りではない。適宜、被施療者の首部の左右幅に合うように作用部Aの首エアセル34L,34Rの左右間隔W4を変更(首部が太い被施療者の場合は広く、首部が細い被施療者の場合は狭く)してもよく、被施療者の肩部の左右幅に合うように第1施療子50L,50Rの左右間隔W3を変更(肩幅が広い被施療者の場合は広く、肩幅が狭い被施療者の場合は狭く)してもよい。左右間隔W3,W4を変更することで、被施療者の体格に合わせることができる。
【0072】
[第1施療子と作用部との関係3]
図14は、左の第1施療子50Lと右の第1施療子50Rの取付位置P5が左右対の作用部Aの首エアセル34Lと首エアセル34Rの取付位置P6よりも左右方向外側に位置するように施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられた状態を示す図である。
なお、仮想破線P5は、左の第1施療子50Lの取付位置を示しており、W5は、中心Oから左の第1施療子50Lの取付位置(仮想破線P5)までの距離を示しており、W6は、中心Oから左の首エアセル34Lの取付位置(仮想破線P6)までの距離を示している。
【0073】
図14に示すとおり、仮想破線P5は、第1施療子50Lの取付位置を示している。第1施療子50Lは、施療子保持部35Lを介して保持板36Lに対して取り付けられている。より詳しくは、保持板36Lの後端付近に設けられた4つの孔E4の対角の交点の中心に第1施療子50Lの中心が重なるように取り付けられている。このときの中心Oから第1施療子50Lの中心までの距離がW5である。
仮想破線P6は、首エアセルの取付位置を示している。首エアセル34Lは、中心Oを支点として左右方向外側に開くように取り付けられている。より詳しくは、支持部材20の前面に取り付けられた薄い板状のPEシート20a(
図10参照)に対して、左右方向内側が支点となるように取り付けられている。
【0074】
中心Oから取付位置(仮想破線P5,P6)までの距離は、W5>W6の関係となっている。中心Oから取付位置(仮想破線P5,P6)までの距離をW5>W6の関係とすることで、左右の第1施療子50により被施療者の肩部を上方から押圧する際に、作用部Aの首エアセル34L,34Rにより被施療者の首部も同時に押圧することができる。
なお、中心Oから取付位置(仮想破線P5とP6)までの距離W5,W6については、一例であり、この限りではない。適宜、被施療者の首部の左右幅に合うように、作用部Aの首エアセル34L,34Rについて、中心Oから取付位置(仮想破線P6)までの距離W6を変更(首部が太い被施療者の場合は広く、首部が細い被施療者の場合は狭く)してもよく、第1施療子50L,50Rについて、中心Oから取付位置(仮想破線P5)までの距離W5を変更(肩幅が広い被施療者の場合は広く、肩幅が狭い被施療者の場合は狭く)してもよい。中心Oから取付位置(仮想破線P5とP6)までの距離W5,W6を変更することで、被施療者の体格に合わせることができる。
【0075】
図15は、第1施療子50と作用部Aの揺動軌跡V1~V4を示す図である。なお、揺動軌跡V1~V4は、出力軸44L,44Rを0度、90度、270度、360度に回転させた状態の抜粋であり、第1施療子を揺動させることで、円形(揺動軌跡V1~V4の一連の動き)の揺動軌跡を描いている。また、揺動軌跡V1~V4をわかりやすくするために、作用部Aの一部(支持部材20、押出エアセル33L,33R、首エアセル34L,34R)を省略している。
【0076】
作用部Aの揺動軌跡V1~V4は、第1施療子50の揺動軌跡V1~V4と一致する。作用部Aは、作用部取付部39L,39Rに対して取り付けられており、作用部取付部39L,39Rは、保持板39L,39Rの上面に対して取り付けられている。保持板39L,39Rの下面には、施療子保持部35L,35Rが取り付けられており、施療子保持部35L,35Rには、下方に向かって突出した第1施療子50L,50Rが取り付けられている。
つまり、作用部Aも第1施療子50L,50Rも、施療子保持部35L,35Rに対して取り付けられている。
【0077】
駆動部90L,90Rを駆動させると、揺動機構Cを介して施療子保持部35L,35Rが揺動する。施療子保持部35L,35Rには、作用部Aと第1施療子50L,50Rが取り付けられているため、作用部Aと第1施療子50L,50Rは、施療子保持部35L,35Rの揺動に合わせて揺動する。
つまり、作用部Aにおける揺動軌跡V1~V4は、施療子保持部35L,35Rにおける揺動軌跡と一致し、第1施療子50L,50Rにおける揺動軌跡V1~V4は、施療子保持部35L,35Rにおける揺動軌跡V1~V4と一致する。作用部Aと第1施療子50L,50Rの揺動軌跡V1~V4を一致させることで、第1施療子50L,50Rの揺動に合わせて作用部Aを揺動させることができる。
【0078】
施療機構60の揺動動作について、説明する。なお、左側の施療機構60Lの出力軸44Lの回転方向と右側の施療機構60Rの出力軸44Rの回転方向は、互いに異なる方向に回転する。
上述のとおり、作用部A(より詳しくは、作用部取付部39L,39R)と第1施療子50L,50Rは、施療子保持部35L,35Rに対して一体的に取り付けられている。施療子保持部35L,35Rが出力軸44L,44Rに対して最も前方に位置する状態を回転の基準(0度)とする。このとき、施療子保持部35L,35Rは、正面視で、前側が上方に後側が下方に傾斜した姿勢となっている(
図15左上参照)。
【0079】
この状態から、駆動部90Lを駆動させて、出力軸44Lを90度回転(出力軸44Lを0度から90度回転させた状態)させると、施療子保持部35Lは、左右方向左側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、左側が下方に右側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Lと第1施療子50Lは、施療子保持部35Lの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V1を描く。一方、駆動部90Rを駆動させて、出力軸44Rを90度回転(出力軸44Lを0度から90度回転させた状態)させると、施療子保持部35Rは、左右方向右側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、右側が下方に左側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Rと第1施療子50Rは、施療子保持部35Rの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V1を描く。
つまり、左右の施療機構60L,60Rの第1施療子50L,50Rが互いに接近する方向に移動する(
図15左下の図の状態となる)。
【0080】
この状態から、駆動部90Lを駆動させて、出力軸44Lを90度回転(出力軸44Lを0度から180度回転させた状態)させると、施療子保持部35Lは、前後方向前側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、前側が下方に後側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Lと第1施療子50Lは、施療子保持部35Lの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V2を描く。一方、駆動部90Rを駆動させて、出力軸44Rを90度回転(出力軸44Lを0度から180度回転させた状態)させると、施療子保持部35Rは、前後方向前側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、前側が下方に後側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Rと第1施療子50Rは、施療子保持部35Rの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V2を描く。
つまり、左右の施療機構60L,60Rの第1施療子50L,50Rが互いに離反する方向に移動する(
図15右下の図の状態となる)。
【0081】
この状態から、駆動部90Lを駆動させて、出力軸44Lを90度回転(出力軸44Lを0度から270度回転させた状態)させると、施療子保持部35Lは、左右方向右側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、右側が下方に左側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Lと第1施療子50Lは、施療子保持部35Lの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V3を描く。一方、駆動部90Rを駆動させて、出力軸44Rを90度回転(出力軸44Lを0度から270度回転させた状態)させると、施療子保持部35Rは、左右方向左側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、左側が下方に右側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Rと第1施療子50Rは、施療子保持部35Rの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V3を描く。
つまり、左右の施療機構60L,60Rの第1施療子50L,50Rが互いに離反する方向に移動する(
図15右上の図の状態となる)。
【0082】
この状態から、駆動部90Lを駆動させて、出力軸44Lを90度回転(出力軸44Lを0度から360度回転させた状態)させると、施療子保持部35Lは、前後方向後側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、後側が下方に前側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Lと第1施療子50Lは、施療子保持部35Lの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V4を描く。一方、駆動部90Rを駆動させて、出力軸44Rを90度回転(出力軸44Lを0度から360度回転させた状態)させると、施療子保持部35Rは、前後方向後側が大きく下方に傾斜するように移動する。より詳しくは、後側が下方に前側が上方に傾斜した姿勢となる。このとき、作用部取付部39Rと第1施療子50Rは、施療子保持部35Rの揺動に合わせて、それぞれ揺動軌跡V4を描く。
つまり、左右の施療機構60L,60Rの第1施療子50L,50Rが互いに接近する方向に移動する(
図15左上の図の状態となる)。
【0083】
図16は、本発明の他の実施形態に係る作用部A1を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の状態から首エアセル34L,34Rを取り外した状態を示す斜視図である。
図17は、本発明の他の実施形態に係る作用部A2を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【0084】
[他の実施形態]
本実施例においては、左右方向に亘って一体的に形成された支持部材20を有する作用部Aを施療機構60に取り付けた場合について説明したが、支持部材20の形状は一例であり、この限りではない。作用部A1,A2のように構成してもよい。
例えば、
図16(a)に示すように、首エアセル34L,34Rの前面に被施療者の首部を点で押圧するための突起99L,99Rを取り付けてもよい。首エアセル34L,34Rに突起99L,99Rを取り付けることで、首エアセル34L,34Rによる押圧と比べて、より強い押圧による刺激を被施療者に与えることができる。具体的には、首エアセル34L,34Rを膨張させることで、突起99L,99Rが前方に押し出され、被施療者に当接する。そうすることで、被施療者の首部に与える押圧による刺激が強くなる。
【0085】
また、
図16(b)に示すように、首エアセル34L,34Rを取り外し、支持部材20の前面に被施療者の首部を点で押圧するための突起99L,99Rを取り付けてもよい。支持部材20に突起99L,99Rを取り付けることで、首エアセル34L,34Rによる面での押圧から突起99L,99Rによる点での押圧となるため、簡単な構成で、より強い押圧による刺激を被施療者に与えることができる。
【0086】
また、
図17(a)(b)に示すように、支持部材20を左右2分割にしてもよい。支持部材20を左右で分割することにより、可撓性を有さない硬質の部材を支持部材20として使用することができる。その他、左右の施療機構60L,60Rを同じ回転方向(左右の施療機構60L,60Rとも時計回りに回転)に揺動させることもできる。また、支持部材20の長さを被施療者の首部の後方から側方に位置するまで延出させてもよい。そうすることで、被施療者の首部を左右方向から押圧することができるようになる。より詳しくは、支持部材20の延出された部分に、被施療者の首部を側方から押圧することができる首側方エアセル(図示せず)を取り付けることで、被施療者の首部を後方から押圧するだけではなく、左右方向からも押圧することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、被施療者の肩部をマッサージする際に首部も同時にマッサージすることができるマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
施療子保持部 35L,35R
出力軸 44L,44R
第1施療子 50L,50R
施療機構 60L,60R
駆動部 90L,90R
作用部 A
揺動機構 C