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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183965
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】カトラリー付容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20231221BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65D51/24 500
B65D25/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097807
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】514174833
【氏名又は名称】株式会社アクティー
(74)【代理人】
【識別番号】100174182
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 広人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 美咲季
【テーマコード(参考)】
3E062
3E084
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB08
3E062AC02
3E062BA03
3E062BB06
3E062BB09
3E062HA03
3E062HB02
3E062HB08
3E062HC01
3E062HC06
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB07
3E084BA03
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB09
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA06
3E084FC04
3E084GA06
3E084GA08
3E084GB06
3E084GB12
3E084GB17
3E084JA02
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】 カトラリー付容器の利便性を向上させることができるカトラリー付容器を提供する。
【解決手段】 上面開放の箱状に形成された本体と、本体の上面を開放可能な蓋体と、本体内に収容されるカトラリーと、を備えるカトラリー付容器であって、蓋体は、本体の上面の一部を開放可能な第1蓋体と、本体の上面のうちの前記一部を除く他部を開放可能な第2蓋体と、を有し、第2蓋体は、本体に着脱可能であるとともに、本体側の内面に形成されて前記カトラリーを保持する保持部と、本体側とは逆の外側の外面に形成されて前記カトラリーの使用時に使用者に把持される把持部と、を有する、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開放の箱状に形成された本体と、前記本体の上面を開放可能な蓋体と、前記本体内に収容されるカトラリーと、を備えるカトラリー付容器であって、
前記蓋体は、前記本体の上面の一部を開放可能な第1蓋体と、前記本体の上面のうちの前記一部を除く他部を開放可能な第2蓋体と、を有し、
前記第2蓋体は、前記本体に着脱可能であるとともに、
前記本体側の内面に形成されて前記カトラリーを保持する保持部と、
前記本体側とは逆の外側の外面に形成されて前記カトラリーの使用時に使用者に把持される把持部と、を有する、
ことを特徴とするカトラリー付容器。
【請求項2】
前記保持部は、前記カトラリーを着脱可能に保持するとともに、前記カトラリーの長手方向が前記本体の上面に沿って延びるように前記カトラリーを保持する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカトラリー付容器。
【請求項3】
前記本体の側面部に形成されて使用者に把持される把手を更に備え、
前記第2蓋体は、前記把手が形成される前記側面部と対向する側面部に着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカトラリー付容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角砂糖及びドライフルーツ等の固形状や、砂糖及び塩等の粉状又は粒状や、酒及び醤油等の液状の内容物を収容可能な容器であって、特に、内容物に加えて、スプーン及びフォーク等のカトラリーも収容可能なカトラリー付容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カトラリー付容器は、内容物が収容される上面開放の箱状の本体と、本体に取り付けられて本体の上面を開放可能とする蓋体と、本体に収容された内容物を取り出すためのカトラリーと、カトラリーの把持部を本体内の上部に載置する載置部と、を備えている。使用者は、蓋体を開いた後に載置部に載置されたカトラリーの把持部を把持し、カトラリーを使用して本体に収容された内容物を取り出すことが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3224146号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したカトラリー付容器では、例えば、容器に外力が加わったり、容器が傾いたりして内容物がカトラリーに付着した場合に、使用者がカトラリーの柄部を把持することでカトラリーSに付着している内容物Cが使用者の手に付着してしまい、カトラリーを使用した後に手を洗浄するか、又はカトラリーを洗浄してカトラリーSに付着している内容物Cを除去した後にカトラリーを使用しなければならない等のカトラリー付容器の利便性を損なうおそれがあり、この点について改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カトラリー付容器の利便性を向上させることができるカトラリー付容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、
上面開放の箱状に形成された本体と、前記本体の上面を開放可能な蓋体と、前記本体内に収容されるカトラリーと、を備えるカトラリー付容器であって、
前記蓋体は、前記本体の上面の一部を開放可能な第1蓋体と、前記本体の上面のうちの前記一部を除く他部を開放可能な第2蓋体と、を有し、
前記第2蓋体は、前記本体に着脱可能であるとともに、
前記本体側の内面に形成されて前記カトラリーを保持する保持部と、
前記本体側とは逆の外側の外面に形成されて前記カトラリーの使用時に使用者に把持される把持部と、を有する、
ことを特徴とするカトラリー付容器。
【0008】
上記本発明の請求項1に係る発明のカトラリー付容器によれば、蓋体が本体の上面の一部を開閉可能な第1蓋体と本体の上面のうちの一部を除く他部を開閉可能な第2蓋体とを有し、第2蓋体が、本体に着脱可能であるとともに、本体側の内面に形成されてカトラリーを保持する保持部と、本体側とは逆の外側の外面に形成されてカトラリーの使用時に使用者に把持される把持部と、を有しており、把持部が容器外に位置するため把持部に内容物が付着することを抑制できるし、内容物がカトラリーに付着する場合であっても、使用者は把持部を把持してカトラリーに触れることなく保持部に保持されるカトラリーを使用して内容物を取り出すことができる。これによって、使用者の手に内容物が付着することが抑制されて、カトラリー又は使用者の手を洗浄する手間を省略でき、カトラリー付容器の利便性を向上させることができる(例えば、段落[0025]~段落[0041]を参照)。
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の請求項2に係る発明は、
前記保持部は、前記カトラリーを着脱可能に保持するとともに、前記カトラリーの長手方向が前記本体の上面に沿って延びるように前記カトラリーを保持する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカトラリー付容器。
【0010】
上記本発明の請求項2に係る発明のカトラリー付容器によれば、保持部は、カトラリーを着脱可能に保持するとともに、カトラリーの長手方向が本体の上面に沿って延びるようにカトラリーを保持するため、第2蓋体が取り付けられた際に、容器内に収納されたカトラリーの先端が容器内の内容物と接触したり、カトラリーの一部が内容物に埋もれてしまったりすることを抑制でき、第2蓋体を取り外す際に内容物が飛散することを抑制できる。また、カトラリーに異物が付着した場合であっても、第2蓋体の保持部からカトラリーを取り外して洗浄することができ、カトラリー付容器の利便性をより一層向上させることができる。
【0011】
上記した目的を達成するために、本発明の請求項3に係る発明は、
前記本体の側面部に形成されて使用者に把持される把手を更に備え、
前記第2蓋体は、前記把手が形成される前記側面部と対向する側面部に着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のカトラリー付容器。
【0012】
上記本発明の請求項3に係る発明のカトラリー付容器によれば、本体の側面部に形成されて使用者に把持される把手を更に備え、第2蓋体は、把手が形成される側面部と対向する側面部に着脱可能であるため、例えば、使用者は一方の手で把手を把持するとともに他方の手で第2蓋体を本体に着脱することができ、カトラリー付容器の利便性をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明のカトラリー付容器においては、カトラリー付容器の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のカトラリー付容器を示す斜視図である。
図2】(a)は、閉状態のカトラリー付容器を示す斜視図であり、(b)は、開状態のカトラリー付容器を示す斜視図である。
図3】第2蓋体の底面を示す斜視図である。
図4】他の実施形態の第2蓋体の底面を示す斜視図である。
図5】他の実施形態のカトラリー付容器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.カトラリー付容器の全体構成]
本実施形態のカトラリー付容器1について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のカトラリー付容器1を示す斜視図であり、詳しくは、本体2に対して第1蓋体41が開かれた状態(以下、単に第1蓋体41の開状態と記載する場合がある。)のカトラリー付容器1を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、カトラリー付容器1は、角砂糖及びドライフルーツ等の固形状や、砂糖及び塩等の粉状及び粒状や、酒及び醤油等の液状の内容物Cと、スプーンやフォークやトング等のカトラリーSと、を容器内に収容可能な容器であり、カトラリーSを使用して容器内の内容物Cを取り出すことができる。
【0017】
本実施形態では、四角柱状の外観を有するカトラリー付容器1について詳細に説明するが、カトラリー付容器1は、例えば、三角柱状や五角柱状等の多角柱状の外観を有するものであってもよいし、円柱状の外観を有するものであってもよい。また、本実施形態ではカトラリーSが、長尺な平板状の柄部と柄部の一方の端部に形成された半球状の匙部とを有するスプーンである場合について詳細に説明するが、カトラリーSは、例えば、長尺な平板状の柄部と柄部の一方の端部に形成された四角柱状等の多角柱状の匙部とを有するスプーンであってもよいし、長尺な平板状の柄部と柄部の一方の端部に形成された三つ又や四つ又等の爪部とを有するフォークであってもよいし、略U字状の柄部と柄部の各端部に形成された挟持部とを有するトングであってもよい。
【0018】
カトラリー付容器1は、上面開放の箱状に形成された本体2と、本体2に設けられて使用者に把持される把手3と、本体2に設けられて本体2の上面を開放可能な蓋体4と、を備えている。
【0019】
[2.本体の構成]
本体2は、平板状に形成された底面部と、底面部の各辺から起立する側面部とを有しており、上面開放の箱状に形成されている。本実施形態の本体2は、底面部が四角形の平板状に形成されており、底面部の4つの辺の各々から起立する4つの側面部も四角形の平板状に形成されている。なお、底面部の外面(下面)には、例えば、弾性を有する樹脂製等の滑り止め部材が設けられてもよく、使用者の意図しない外力が作業台等の平面に載置されたカトラリー付容器1に作用した際に、カトラリー付容器1が滑って作業台等の平面から落下することを抑制することができる。
【0020】
また、本体2は、不透明な透光性を有しない樹脂から形成されてもよいし、透明又は半透明な透光性を有する樹脂から形成されてもよい。本体2は、透光性を有しない不透明な樹脂製の場合に、外部からの光を遮断して容器内の内容物Cに光が照射されることを抑制し、内容物Cが外部からの光によって変質することを抑制することができる。本体2は、透光性を有する透明又は半透明な樹脂製の場合に、使用者が外部から容器内の内容物Cを確認することができ、カトラリー付容器1の利便性を向上させることができる。
【0021】
[3.把手の構成]
把手3は、本体2の側面部の外面(側面)に形成される。本実施形態の把手3は、本体2の側面部の外面において、側面部の上部と側面部の下部とを連結するように略コ字状に形成されており、例えば、使用者が人差し指から小指までの4本の指を水平方向に動作させることによって、該4本の指を把手3に係合させることができる。
【0022】
また、把手3は、不透明な透光性を有しない樹脂から形成されてもよいし、透明又は半透明な透光性を有する樹脂から形成されてもよい。把手3は、透光性を有しない不透明な樹脂製の場合に、使用者からの視認性が向上され、使用者が把手3に指を係合させる際の容易性を向上させることができる。把手3は、透光性を有する透明又は半透明な樹脂製の場合に、例えば、カトラリー付容器1が不透明な棚等に収納された場合であっても、把手3に阻害されることなく使用者が外部から容器内の内容物Cを確認することができ、カトラリー付容器1の利便性を向上させることができる。
【0023】
[4.蓋体の構成]
蓋体4は、本体2の上面を開放可能に設けられており、本体2の上面を覆う閉状態と本体2の上面を開放する開状態とに遷移可能である。カトラリー付容器1では、蓋体4が開状態とされた後に、カトラリーSを使用して容器内の内容物Cが取り出され、カトラリーSが容器内に戻された後に、蓋体4が閉状態とされる。本実施形態のカトラリー付容器1では、蓋体4の閉状態において、本体2及び蓋体4によって容器内の内容物Cと外部とが遮断されるため、外部から容器内の内容物Cに他の食品等の異物が混入することを抑制することができる。なお、容器内の内容物Cは、蓋体4の開状態において、本体2の上面を介して容器内(本体2内)に充填される。
【0024】
また、蓋体4は、不透明な透光性を有しない樹脂から形成されてもよいし、透明又は半透明な透光性を有する樹脂から形成されてもよい。蓋体4は、透光性を有しない不透明な樹脂製の場合に、蓋体4の視認性が向上され、蓋体4が開状態であるか閉状態であるかを容易に確認することができる。蓋体4は、透光性を有する透明又は半透明な樹脂製の場合に、例えば、カトラリー付容器1の上方から使用者が蓋体4を介して容器内の内容物Cを確認することができ、カトラリー付容器1の利便性を向上させることができる。
【0025】
ここで、従来のカトラリー付容器では、例えば、容器に外力が加わったり、容器が傾いたりして内容物CがカトラリーSに付着した場合に、使用者がカトラリーSの柄部を把持することでカトラリーSに付着している内容物Cが使用者の手に付着してしまい、カトラリーSを使用した後に手を洗浄するか、又はカトラリーSを洗浄してカトラリーSに付着している内容物Cを除去した後にカトラリーSを使用しなければならず、カトラリー付容器の利便性を損なうおそれがある。また例えば、カトラリーSの使用時に使用者の手に他の食品等の異物が付着している場合には、容器内に設けられているカトラリーSを把持する際に使用者の手に付着している他の食品等の異物が容器内に落下したり、使用者の手に付着している他の食品等の異物がカトラリーSの柄部に付着して容器内に戻された際にカトラリーSの柄部から容器内に異物が落下したりすることで、容器内の内容物Cに異物が混入するおそれもある。これらの問題を改善する構成について、以下に詳細に説明する。
【0026】
図2(a)は、閉状態のカトラリー付容器1を示す斜視図であり、図2(b)は、開状態のカトラリー付容器1を示す斜視図である。図1又は図2に示すように、本実施形態の蓋体4は、本体2の上面の一部を開放可能な第1蓋体41と、本体2の上面のうちの一部を除く他部を開放可能な第2蓋体45と、を有している。
【0027】
[5.第1蓋体の構成]
第1蓋体41は、側面の一部及び下面開放の箱状に形成された第1蓋本体42と、第1蓋本体42の側面から外方に向かって延びるように設けられた延設部43と、を有している。
【0028】
第1蓋本体42は、平面視において、本体2の上面の一部の形状に対応する平板状に形成された上面部を有しており、本実施形態の上面部は、略四角形状に形成されるとともに、略四角形状の一方の角部を切欠くように切欠き部42aが形成されている。よって、本実施形態の第1蓋体41は、切欠き部42aが形成された角部を除いた本体2の上面の一部を開放可能に構成されている。
【0029】
また、第1蓋本体42は、切欠き部42aが形成された円弧状の辺を除いて、他の辺から下方に延びる側面部を有している。第1蓋本体42の側面部の下端には、第1蓋体41の閉状態において、本体2の側面部の上端に突き合わされる外側突状部と、本体2の側面部の内面に接する内側突状部とが形成されている。外側突状部及び内側突状部は、第1蓋体41の閉状態において、第1蓋体41と本体2との接触面積を増加させることができ、第1蓋体41と本体2との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することを抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することを抑制することができる。なお、第1蓋本体42の側面部の下端には、第1蓋体41の閉状態において、本体2の側面部の上端に嵌め合わされる溝部が形成される態様であってもよく、第1蓋体41の閉状態において、第1蓋体41と本体2との接触面積を増加させることができ、第1蓋体41と本体2との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することをより一層抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することをより一層抑制することができる。
【0030】
延設部43は、水平方向に沿って延びる下面開放の箱状に形成されており、第1蓋本体42の側面部に直交するように延びて互いに対向する一対の側面部には、本体2の側面部の上端に形成された軸部に嵌合する軸受部が形成されている。詳しくは、本体2の把手3が設けられた側面部の上端部には、把手3の上方に所定の間隔を設けて互いに対向する一対の円板部が形成され、該一対の円板部には外面から外方に向かって延びる互いに同軸の円柱状の軸部が形成されており、延設部43の一対の側面部の内面には、本体2の軸部が嵌合可能な凹状の軸受部が形成されている。よって、本体2の軸部に延設部43の軸受部が嵌合された後に、第1蓋体41は、軸部の軸心を中心として旋回可能となり、この旋回に伴って本体2の上面の一部に対して第1蓋体41が開閉される。
【0031】
また、延設部43は、軸受部の軸心よりも外方に延びるように形成された上面部を有しており、把手3に人差し指乃至小指を係止させた使用者が、延設部43の上面部の軸受部よりも外側を親指によって下方に押下することにより、第1蓋体41が軸受部の軸心を中心に旋回され、第1蓋体41を閉状態から開状態へと遷移させることができる。
【0032】
また、延設部43は、第1蓋本体42の平面視において、切欠き部42aと対向する一方の辺の中央部から外側に延びるように形成されている。本実施形態の延設部43は、延設部43が下端に位置するように配置された第1蓋体41の平面視において、切欠き部42aが第1蓋体41の上端左方の角部に位置するように形成されており、例えば、使用者が右利きの場合に、第1蓋体41を右手で容易に開閉できるとともに、カトラリー付容器1の手前側に位置するカトラリーSを左手で容易に使用することができる。なお、延設部43は、延設部43が下端に位置するように配置された第1蓋体41の平面視において、切欠き部42aが第1蓋体41の上端右方の角部に位置するように形成されてもよく、例えば、使用者が左利きの場合に、第1蓋体41を左手で容易に開閉できるとともに、カトラリー付容器1の手前側に位置するカトラリーSを右手で容易に使用することができる。
【0033】
[6.第2蓋体の構成]
図3は、第2蓋体45の底面を示す斜視図であり、詳しくは、本体2から取り外された第2蓋体45の底面を示す斜視図である。図1乃至図3に示すように、第2蓋体45は、側面の一部及び下面開放の箱状の第2蓋本体46と、第2蓋本体46の角部から外方に向かって延びる把持部47と、第2蓋本体46の上面部の下面に形成された保持部48と、を有している。なお、第2蓋体45は、本体2に嵌め合わされる2辺と、第1蓋体41の切欠き部42aに突き合わされる円弧状の辺と、把持部47の平面形状とから、平面視において、イチョウの葉を模したような略イチョウ型に形成されている。
【0034】
第2蓋本体46は、本体2の側面部の上端の角部の形状に応じて形成された略L字状の側面部と、該側面部の上端の間に形成されて第1蓋体41の切欠き部42aに突き合わされる円弧状の辺を有する上面部と、を有している。
【0035】
第2蓋本体46の側面部の下端には、本体2の側面部の上端である角部に嵌め合わされる溝部が形成されている。詳しくは、第2蓋本体46の側面部の下端には、本体2の側面部の外面に沿って略L字状に延びる外側突状部と、外側突状部の内側を本体2の側面部の内面に沿って略L字状に延びる内側突状部と、外側突状部と内側突状部との間に形成されて略L字状に延びる凹部とが形成されている。第2蓋体45は、本体2に取り付けられる際に、本体2の側面部の上端を第2蓋本体46の外側突状部と内側突状部との間で挟み込むように取り付けられ、第2蓋本体46の凹部の上端と本体2の側面部の上端とが当接する位置で本体2に固定される。このような第2蓋本体46は、第2蓋体45が本体2に取り付けられた際に、外側突状部及び内側突状部によって本体2との接触面積を増加させることができ、閉状態の第2蓋体45と本体2との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することを抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することを抑制することができる。なお、第2蓋本体46の側面部の下端には、第2蓋体45の閉状態において、本体2の側面部の上端に突き合わされる外側突状部と本体2の側面部の上端の内面に接触する内側突状部とが形成される態様であってもよく、第2蓋体45の閉状態において、第2蓋体45と本体2との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することを抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することを抑制することができる。
【0036】
第2蓋本体46の上面部には、略L字状の側面部の外端を接続するように形成された略円弧状の切欠き部46aが形成されている。切欠き部46aは、第1蓋体41及び第2蓋体45が閉状態の際に、第1蓋本体42の切欠き部42aと突き合わされて整合する円弧状に形成されている。このため、蓋体4の閉状態において、第1蓋体41と第2蓋体45との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することを抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態の第1蓋本体42の切欠き部42aと第2蓋本体46の切欠き部46aとには、第1蓋体41及び第2蓋体45が閉状態の際に互いに整合する段差部が形成されている。詳しくは、第1蓋本体42の切欠き部42aには、第1蓋本体42の上面部から外方に延びる突状部が形成され、第2蓋本体46の切欠き部46aには、第2蓋体45の上面部に切欠き部42aの突状部に整合する凹部が形成されている。このような段差部は、蓋体4が閉状態の際に、第1蓋体41と第2蓋体45との接触面積を増加させることができ、第1蓋体41と第2蓋体45との間から、容器内の内容物Cが容器外に流出することをより一層抑制できるとともに、容器内の内容物Cに容器外から異物が混入することをより一層抑制することができる。
【0038】
保持部48は、第2蓋本体46の上面部の下面に形成されており、本実施形態の保持部48は、上面部の下面から垂下するように形成されたブロック体と、ブロック体の円弧状の側面(ブロック体において、第2蓋本体46の切欠き部42a側の側面)に開口する差込口と、差込口を介してカトラリーSの柄部が差し込まれる差込穴と、を有して構成されている。保持部48のブロック体は、第2蓋本体46の内側突状部の間に形成されており、切欠き部42aの円弧に沿って延びる側面には、カトラリーSの柄部の形状に応じた矩形状の差込口が形成されている。このような保持部48は、保持部48の差込口を介して差込穴に差し込まれたカトラリーSを保持することができ、第2蓋体45の外面を把持する使用者がカトラリーSの柄部に触れることなく保持部48に保持されたカトラリーSを使用することができる。
【0039】
また、保持部48の差込穴は、断面形状がカトラリーSの柄部の形状に応じた矩形状に形成されており、第2蓋本体46の上面部の下面(本体2の上面)と平行に延びている。このような保持部48は、カトラリーSの長手方向が本体の上面に沿って延びるようにカトラリーSを保持することができるため、第2蓋体45が本体2に取り付けられた際に、容器内に収納されたカトラリーSの先端が容器内の内容物Cと接触したり、カトラリーSの一部が内容物に埋もれてしまったりすることを抑制でき、第2蓋体45を取り外す際に容器内の内容物Cが飛散することを抑制できる。また、カトラリーSを使用してカトラリーSに異物が付着した場合であっても、容器内の内容物Cに異物が混入することを抑制することができる。なお、本実施形態の保持部48の構成では、差込口を介してカトラリーSが保持部48に着脱可能であるため、カトラリーSの使用時に、カトラリーSに他の食品等の異物が付着した場合に、カトラリーSを保持部48から取り外してカトラリーSを洗浄することが可能であり、カトラリー付容器1の利便性を向上させることができる。
【0040】
把持部47は、第2蓋本体46の角部から水平方向に沿って延びるように形成されており、本実施形態の把持部47は、第2蓋本体46の角部から先端に向かって幅が小さくなるように形成されたブロック体から構成されている。このような把持部47によれば、使用者が把持部47の上面に親指を載せるとともに、人差し指を把持部47に下方から係合させることで、第2蓋本体46の外面を確実に把持することができ、第2蓋本体46の内面及びカトラリーSに触れることなく保持部48に保持されたカトラリーSを使用することができ、カトラリー付容器1の利便性をより一層向上させることができる。
【0041】
本実施形態のカトラリー付容器1では、蓋体4が本体2の上面の一部を開閉可能な第1蓋体41と本体2の上面のうちの一部を除く他部を開閉可能な第2蓋体45とを有し、第2蓋体45が、本体2に着脱可能であるとともに、本体2側の内面に形成されてカトラリーSを保持する保持部48と、本体側とは逆の外側の外面に形成されてカトラリーSの使用時に使用者に把持される把持部47と、を有しており、把持部47が容器外に位置するため把持部47に内容物Cが付着することを抑制できるし、内容物CがカトラリーSに付着する場合であっても、使用者は把持部47を把持してカトラリーSに触れることなく保持部48に保持されるカトラリーSを使用して内容物Cを取り出すことができる。これによって、使用者の手に内容物Cが付着することが抑制されて、カトラリーS又は使用者の手を洗浄する手間を省略でき、カトラリー付容器1の利便性を向上させることができる。また、使用者の手に付着した他の食品等の異物が把持部47に付着した場合であっても、カトラリーSを容器内に戻した際に把持部47が容器外に位置するため、把持部47に付着した異物が容器内に混入することを抑制でき、容器内の内容物Cに異物が混入することを抑制することもできる。
【0042】
[7.カトラリー付容器の使用方法]
以下、カトラリーSが柄部と柄部の一方の端部に形成された匙部とを有するスプーンであり、内容物Cが粉状又は粒状の砂糖であり、容器外の他の食品等の異物が溶き卵である場合について、本実施形態のカトラリー付容器1の仕様方法について詳しく説明する。
【0043】
内容物Cである砂糖をカトラリー付容器1の容器内(本体2内)に充填する場合について、右手の人差し指から小指の4本の指を把手3に係合させるように使用者が把手3を右手で把持し、右手の親指で第1蓋体41の延設部43を下方に押下することによって第1蓋体41が開状態とされ、左手の親指を第2蓋体45の上面(把持部47の上面)に載せて人差し指を把持部47に下方から係合させるように第2蓋体45を把持し、第2蓋体45を本体2から取り外すことによって第2蓋体45が開状態とされ、蓋体4が開状態とされる。次に、蓋体4の開状態において、砂糖が本体2の上面を介して本体2内に充填され、本体2に砂糖が充填された後に、第2蓋体45が本体2に取り付けられて第2蓋体45が閉状態とされる。このとき、使用者の左手に異物である溶き卵が付着しており、この溶き卵が第2蓋体45を把持した際に把持部47に付着した場合であっても、把持部47がカトラリー付容器1の外面に位置するため、第2蓋体45が閉状態とされた後に溶き卵等の異物が容器内の砂糖等の内容部Cに混入することを抑制することができる。また、第2蓋体45が閉状態とされた後に、第1蓋体41が閉状態とされて、本体2に対して蓋体4が閉状態とされる。
【0044】
次に、カトラリーSであるスプーンを使用して内容物Cである砂糖を料理等に用いる場合について、上述のように、第1蓋体41及び第2蓋体45が開状態とされて蓋体4が開状態とされた後、第2蓋体45を把持する使用者が保持部48に保持されるスプーンを使用して、スプーンの匙部で容器内の内容物Cである砂糖を掬い取る。この後、使用者が溶き卵等の他の食品が入れられた容器にスプーンで掬い取った砂糖を投入し、上述のように第1蓋体41及び第2蓋体45が閉状態とされて蓋体4が閉状態とされる。なお、スプーンで本体2から掬い取った砂糖を溶き卵等の他の食品が入れられた容器に投入する際にスプーンの先端に溶き卵等が付着した場合であっても、第2蓋体45が本体2に取り付けられた際に保持部48がスプーンを本体2の上面と平行に保持するため、スプーンの先端が内容物Cである砂糖と接触することを抑制でき、内容物Cである砂糖に溶き卵等他の食品である異物が混入することを抑制することができる。また、第2蓋体45を把持する使用者の手に溶き卵等他の食品である異物が付着しており、この異物が把持部47に付着した場合であっても、把持部47がカトラリー付容器1の外面に位置するため、第2蓋体45が閉状態とされた後に溶き卵等の異物が容器内の砂糖等の内容部Cに混入することを抑制することができる。
【0045】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0046】
すなわち、上記の実施形態では、第2蓋体45が本体2に着脱可能なものを示したが、これに限定するものではなく、第2蓋体45が第1蓋体41に着脱可能なカトラリー付容器1であってもよく、この場合には、第1蓋体41の開閉とともに第1蓋体41に取り付けられた第2蓋体45も開閉され、蓋体4の開閉の容易性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態のカトラリー付容器1では、差込口を介してカトラリーSを差込穴に着脱可能な保持部48を示したが、保持部48は、差込穴に差し込まれたカトラリーSを固定するロック機構を更に有してもよく、例えば、カトラリーSの上面と差込穴の下面とに互いに嵌め合わされる凹凸部を形成し、保持部48にカトラリーSが差し込まれた際に、カトラリーSの上面と差込穴の下面とに形成された凹凸部が嵌め合わされ、保持部48がカトラリーSを保持する保持性を向上させることができる。なお、第2蓋体45とカトラリーSは、一体形成される態様であってもよく、例えば、カトラリーSの使用時にカトラリーSに作用する外力により保持部48が損傷することを抑制でき、第2蓋体45及びカトラリーSの強度を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態のカトラリー付容器1では、第2蓋本体46の上面部の下面から延びるように形成されたブロック体を有して構成される保持部48を示したが、保持部48はこのような構成に限定されることなく、例えば、第2蓋本体46の上面部の下面から下方に延びた後に内側に向かって延びる略L字状の一対の保持部材から形成されてもよい。図4は、他の実施形態の第2蓋体45の底面を示す斜視図であり、詳しくは、本体2から取り外された第2蓋体45の底面を示す斜視図である。
【0049】
図4に示すように、保持部48の一対の保持部材は、互いに対向するように所定の間隔を設けて形成されており、一対の保持部材の間でカトラリーSの柄部を保持可能に形成されている。詳しくは、一対の保持部材において、第2蓋本体46の上面部の下面から下方に延びる側面部は、互いの間隔がカトラリーSの柄部の幅と同程度に形成され、保持部48に差し込まれたカトラリーSの側面を保持可能に形成されており、該側面部の下端から内側に向かって延びる底面部は、保持部48に差し込まれたカトラリーSの下面を保持可能に形成されている。このような保持部48は、第2蓋本体46の上面部の下面とともに、保持部48に差し込まれたカトラリーSを保持することができ、第2蓋体45の外面を把持する使用者がカトラリーSの柄部に触れることなく保持部48に保持されたカトラリーSを使用することができる。
【0050】
なお、保持部48は、上述の略L字状の一対の保持部材から形成される態様であってもよいし、第2蓋本体46の上面部の下面から下方に延びる一対の側面部と、側面部の下端を接続する底面部とから構成される略コ字状の保持部材から形成される態様であってもよく、略L字状の一対の保持部材から形成される態様のものと同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
また、本実施形態のカトラリー付容器1では、第2蓋本体46の角部から先端に向かって幅が小さくなるように形成されたブロック体から構成される把持部47を示したが、第2蓋本体46の角部から先端に向かって幅が小さくなるよう形成された上面部と、上面部の辺から垂下するように延びる側面部とを有して構成される下面開放の箱状に形成された把持部47であってもよく、ブロック体から構成される把持部47と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
[8.カトラリー付容器の改変例]
図5は、他の実施形態のカトラリー付容器10を示す側面図である。図5に示すように、カトラリー付容器10は、カトラリー付容器1と同様に、本体2と、把手3と、蓋体4と、を備える。カトラリー付容器10の本体2は、カトラリー付容器1の本体2と同様に、底面部と側面部とを有する上面開放の箱状に形成されればよく、底面部から起立するように設けられる側面部は、垂直方向に沿って延びる態様に限らず、垂直方向に対して任意の角度で傾斜する態様であってもよい。また、本体2において、底面部と側面部とが接する角部、及び側面部と他の側面部とが接する角部等は任意に面取り加工が施されてもよいし、板状に形成された各部材の端部等にも任意に面取り加工が施されもよい。
【0053】
また、カトラリー付容器10の把手3は、使用者が水平方向に沿って動作させた人差し指乃至小指を係合可能なものであればよく、例えば、本体2の側面部の上部から水平方向に沿って延びる第1延設部35と、第1延設部35の端部から下方に沿って延びる第2延設部36と、を有し、略L字状に形成されたものであってもよい。第1延設部35及び第2延設部36は、略U字状に凹む断面形状を有するのが望ましく、使用者が把手3に親指を添え易くでき、使用者に把手3を安定的に把持させることができる。なお、把手3は、使用者が少なくとも1本の指を係合可能な態様であってもよく、カトラリー付容器1の把手3よりも小さな略コ字状に形成されたものであってもよい。
【0054】
カトラリー付容器1の第1蓋体41の延設部43は、水平方向に沿って延びる下面開放の箱状に形成されているが、カトラリー付容器10の第1蓋体41の延設部43は、第1蓋本体42の上端部から水平方向と上方の間の斜め方向に沿って延びる平板状に形成されている。また、延設部43は、第1蓋本体42の辺に沿って両端部に位置するように長尺に形成されるとともに、中央下部には、本体2の側面部の上端に形成された軸部に嵌合する軸受部が形成されている。このような延設部43は、第1蓋本体42の辺に沿って長尺に形成されているため、把手3を把持してカトラリー付容器10を持ち上げた使用者が、把手3に添えた親指を延設部43に容易に係合させることができ、また、第1蓋本体42の上端部から斜め方向に沿って延びるため、使用者が第1蓋体41を開状態にした際に、開状態を容易に維持させることができる。なお、延設部43の上面は、下方に窪むような傾斜面であってもよく、把手3に添えた親指を延設部43により一層容易に係合させることができる。
【0055】
カトラリー付容器1の第2蓋体45の把持部47は、第2蓋本体46の角部から水平方向に沿って延びるように形成されているが、カトラリー付容器10の第2蓋体45の把持部47は、第2蓋本体46の角部から水平方向と上方の間の斜め方向に沿って延びるように形成されている。このような把持部47は、第2蓋体45を本体2に着脱する際に、使用者が親指と人差し指とで把持部47を容易に把持させることができる。なお、把持部47は、下方に窪むように傾斜して延びるように形成されてもよく、把持部47をより一層容易に把持させることができる。また、把持部47は、第2蓋本体46の角部から水平方向と下方の間の斜め方向に沿って延びるように形成されてもよく、把持部47の下方から人差し指を係合させるとともに把持部47の上面に親指を添えて、本体2から第2蓋体45を容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 カトラリー付容器
2 本体
3 把手
4 蓋体
41 第1蓋体
45 第2蓋体
46 第2蓋本体
47 把持部
S カトラリー
C 内容物
図1
図2
図3
図4
図5