(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183966
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20231221BHJP
A61B 34/35 20160101ALI20231221BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097809
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】大橋 政尚
(72)【発明者】
【氏名】北山 豊
(72)【発明者】
【氏名】石野 恵子
(72)【発明者】
【氏名】池田 有沙
(57)【要約】
【課題】手術用ロボットまたは手術器具の動作と、そのための操作対象の操作とを容易かつ正確に確認できる手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法および情報処理システムを提供する。
【解決手段】手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法において、オペレータが操作装置2の操作対象を操作することによって変化する操作対象の状態を示す状態ログを取得し、状態ログに基づいて、操作対象に対するオペレータの操作を視覚化した再構成画像を生成し、手術用ロボットまたは手術器具の動作を示す動作画像と、再構成画像とを関連付けた手術画像を提供する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具が取り付けられたアーム装置と、前記アーム装置を駆動するためにオペレータが操作する操作装置とを備えた手術用ロボットによる手術の画像を提供する手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法であって、
前記オペレータが前記操作装置の操作対象を操作することによって変化する前記操作対象の状態を示す状態ログを取得し、
前記状態ログに基づいて、前記操作対象に対する前記オペレータの操作を視覚化した再構成画像を生成し、
前記手術用ロボットまたは前記手術器具の動作を示す動作画像と、前記再構成画像とを関連付けた手術画像を提供する、手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項2】
前記操作対象は、前記オペレータの操作に応じて移動され、
前記状態ログは、前記操作対象の状態を検知する状態検知器の出力に基づく情報を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項3】
前記操作対象は、前記オペレータの操作に応じて移動され、
前記再構成画像は、前記オペレータの操作による前記操作対象の移動の度合いを模式的に示す模式画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項4】
前記模式画像は、前記操作対象が移動する平面上の前記操作対象を模式化した画像である、
請求項3に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項5】
前記操作対象は、前記オペレータの操作に応じて移動され、
前記再構成画像は、前記オペレータの操作による前記操作対象の移動の度合いを数値で示す画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項6】
前記手術器具は電気器具を含み、
前記操作対象は、前記アーム装置に取り付けられた前記電気器具への通電および非通電を切り替える操作子を含み、
前記状態ログは、前記操作子による通電および非通電の切り替えを示す情報を含み、
前記再構成画像は、前記操作子が操作されていた期間を模式的に示す画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項7】
前記操作対象は、前記オペレータが内視鏡画像を観察するための表示部を含み、
前記状態ログは、前記表示部への前記オペレータの接近を検知するセンサの出力に基づく情報を含み、
前記再構成画像は、前記表示部への前記オペレータの接近の継続期間および中断期間を模式的に示す画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項8】
前記再構成画像は、前記操作対象に対する操作タイミングを模式的に示す画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項9】
前記操作対象に対する操作準備の状態を検知するセンサからの出力に基づいて、前記操作準備の状態を模式的に示す第2の再構成画像を生成する工程をさらに含み、
前記手術画像において、前記動作画像と、前記第2の再構成画像とが関連付けられる、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項10】
前記操作対象に対する操作により駆動される前記アーム装置の動作部の動作ログを取得する工程と、
前記動作ログに基づいて前記動作部の駆動状態を視覚化した第3の再構成画像を生成する工程と、をさらに含み、
前記手術画像において、前記動作画像と、前記第3の再構成画像とが関連付けられる、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項11】
前記操作装置は、前記操作対象と、前記オペレータが前記操作対象に接触して操作することに連動して移動する第2の操作対象と、を含み、
前記動作画像は、前記状態ログに基づいて、前記操作対象および前記第2の操作対象の移動を全体的に視覚化した画像を含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項12】
全期間の前記動作画像のうち既に視聴された前記動作画像の部分および視聴回数を示す情報を提供する工程をさらに含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項13】
前記手術器具は鉗子を含み、
前記操作対象は、前記アーム装置に取り付けられた前記鉗子の先端を開閉させるための操作部である、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項14】
前記アーム装置に対する前記鉗子の着脱を検出するセンサの出力に基づいて、前記鉗子の装着の有無を時系列で示す情報を提供する工程をさらに含む、
請求項13に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項15】
前記アーム装置に装着されている前記手術器具の種類を示す情報を提供する工程をさらに含む、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項16】
前記操作対象は、前記操作装置のフットペダルである、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項17】
前記フットペダルは、右足用のフットペダル、および、左足用のフットペダルを含む、
請求項16に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項18】
前記手術器具は鉗子を含み、
前記操作対象は、前記アーム装置を駆動して前記鉗子を動作させるためのハンドコントローラの操作部およびフットペダルを含み、
前記再構成画像は、前記操作部に対する操作を視覚化した第1画像と、前記フットペダルに対する操作を視覚化した第2画像と、を含み、
前記手術画像において、前記第1画像が前記第2画像よりも上方に配置される、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項19】
前記手術画像を提供する工程において、前記動作画像および前記再構成画像を経時的に変化させる、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項20】
前記手術画像を提供する工程において、前記動作画像と前記再構成画像とを互いに同期させる、
請求項19に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項21】
経時的に変化する前記手術画像の表示中に任意の時点の指定を受け付ける工程と、
指定された時点の前記手術画像を自動的に保存する工程と、をさらに含む、
請求項19に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項22】
経時的に変化する前記手術画像の表示中に任意の時点の指定を受け付ける工程と、
指定された時点の再生指示を受け付ける工程と、
前記再生指示に基づき前記指定された時点の前後所定の期間の前記手術画像を再生する工程と、をさらに含む、
請求項19に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項23】
前記手術画像において、前記動作画像と、前記アーム装置が設置された手術室、前記操作装置、患者の腹部、器材庫および前記手術室につながる廊下の少なくとも一つを撮影するカメラから得られる画像と、が関連付けられる、
請求項1に記載の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法。
【請求項24】
手術器具が取り付けられた手術用ロボットのアーム装置を駆動するためにオペレータが操作する操作装置の操作対象を前記オペレータが操作することによって変化する前記操作対象の状態を示す状態ログを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記状態ログに基づいて、前記操作対象に対する前記オペレータの操作を視覚化した再構成画像を生成し、前記手術用ロボットまたは前記手術器具の動作を示す動作画像と、前記再構成画像とを関連付けた手術画像を提供する情報処理装置と、を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手術用ロボットを用いた外科手術が行われている。手術用ロボットは、コンソール(操作装置)と手術ロボットアーム(アーム装置)とを備える。手術ロボットアームには手術器具が装着されており、オペレータがコンソールを操作することによって手術ロボットアームおよび手術器具が動作する。患者が安心して手術を受けられるように、どのオペレータであってもコンソールを操作するスキルの熟練度を高めていけることが望ましい。
【0003】
以下の特許文献1には、手術室において行われる手術用ロボットを用いた外科手術の様子を深度カメラ(depth camera)により撮影および記憶し、手術後に撮像画像を模式化した画像を再生可能にしたシステムが記載されている。また特許文献1のシステムは、手術ロボットアームの状態、コンソールのハンドヘルド入力装置(handheld UID)の状態などの履歴をシステムデータとして記憶する。記憶されたシステムデータは、ロボットアームおよび手術器具の位置、向き、移動を再構成し、撮像画像を模式化するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、手術用ロボットによる外科手術の様子を撮像した画像を模式化した画像を確認できるだけであり、オペレータがコンソールを手術中にどのように操作していたかを確認することは困難である。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、手術用ロボットまたは手術器具の動作と、そのための操作対象の操作とを容易かつ正確に確認できる手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、手術器具(121~124)が取り付けられたアーム装置(1)と、アーム装置(1)を駆動するためにオペレータが操作する操作装置(2)とを備えた手術用ロボット(4)による手術の画像(400)を提供する手術用ロボット(4)を用いた手術画像(400)の提供方法であって、オペレータが操作装置(2)の操作対象(221、231~237、211)を操作することによって変化する操作対象(221、231~237、211)の状態を示す状態ログを取得し(S1)、状態ログに基づいて、操作対象(221、231~237、211)に対するオペレータの操作を視覚化した再構成画像(432a、432b、434、435、440)を生成し(S2)、手術用ロボット(4)または手術器具(121~124)の動作を示す動作画像(401~404)と、再構成画像(432a、432b、434、435、440)とを関連付けた手術画像(400)を提供する(S5)。
【0008】
本発明の手術用ロボットを用いた手術画像の提供方法によれば、観察者は、動作画像と再構成画像とを参照することにより、手術用ロボットまたは手術器具の動作と、そのための操作対象の操作とを、容易かつ正確に確認できる。
【0009】
本発明の情報処理システム(5)は、手術器具(121~124)が取り付けられた手術用ロボット(4)のアーム装置(1)を駆動するためにオペレータが操作する操作装置(2)の操作対象(221、231~237、211)をオペレータが操作することによって変化する操作対象(221、231~237、211)の状態を示す状態ログを記憶する記憶装置(310)と、記憶装置(310)に記憶された状態ログに基づいて、操作対象(221、231~237、211)に対するオペレータの操作を視覚化した再構成画像(432a、432b、434、435、440)を生成し、手術用ロボット(4)または手術器具(121~124)の動作を示す動作画像(401~404)と、再構成画像(432a、432b、434、435、440)とを関連付けた手術画像(400)を提供する情報処理装置(320)と、を備える。
【0010】
本発明の情報処理システムによれば、観察者は、動作画像と再構成画像とを参照することにより、手術用ロボットまたは手術器具の動作と、そのための操作対象の操作とを、容易かつ正確に確認できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手術用ロボットまたは手術器具の動作と、そのための操作対象の操作とを容易かつ正確に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、手術用ロボットの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、アーム装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、操作装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、ハンドコントローラの外観を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る、フットユニットの外観を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る、オペレータが操作装置を使用している状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る、制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る、情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る、手術用ロボットおよび情報処理システム等の接続および各装置間で送受信される情報の概要を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る、情報処理装置の利用形態を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る、アーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る、操作装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る、操作装置から制御装置に送信される状態ログを構成する現在値を例示的に示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る、状態ログの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る、アーム装置から制御装置に送信される動作ログを構成する現在値を例示的に示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る、動作ログの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る、手術画像の構成を模式的に示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る、手術画像の構成を模式的に示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る、内視鏡画像の構成を模式的に示す拡大図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る、手術器具の使用記録を示す画像等の構成を模式的に示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る、情報表示領域の構成を模式的に示す拡大図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る、フットペダルの状態に関する画像の構成および遷移を模式的に示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る、フットペダルの状態に関する画像の構成および遷移を模式的に示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係る、情報表示領域の構成を模式的に示す拡大図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る、手術画像において栞挿入ボタンが操作された場合に表示される編集画像の構成を模式的に示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る、先に手描きの画像が挿入される場合の手術画像の構成を模式的に示す図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る、手術画像の生成に必要な情報を受信する処理を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、実施形態に係る、手術画像を生成する処理を示すフローチャートである。
【
図29】
図29は、実施形態に係る、付加情報の追加処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図30】
図30は、実施形態に係る、栞の追加によるスクリーンショットの記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【
図31】
図31は、実施形態に係る、スクリーンショットの表示および栞位置前後の再生に関する処理を示すフローチャートである。
【
図32】
図32は、実施形態の変更例に係る、操作装置を撮影した画像、患者の腹部を撮影した画像、器材庫を撮影した画像および手術室に繋がる廊下を撮影した画像を模式的に示す図である。
【
図33】
図33は、実施形態の変更例に係る、手術画像の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、手術用ロボット4の構成を示すブロック図である。
【0014】
手術用ロボット4は、内視鏡手術に用いられる装置である。手術用ロボット4は、アーム装置1と、操作装置2と、アーム装置1および操作装置2を制御する制御装置3と、を備える。制御装置3は、アーム装置1に内蔵されている。制御装置3を内蔵したアーム装置1と操作装置2とは同じ施設内に設置されていてもよいし、ネットワークを介して異なる施設に設置されていてもよい。
【0015】
【0016】
アーム装置1は、内視鏡および鉗子を装着可能な複数のアームを備えた患者側の装置である。アーム装置1は、操作装置2が医師であるオペレータにより操作されることにより制御装置3から送信される駆動指示に従って動作する。
【0017】
アーム装置1は、ベース101と、操作部102と、ベースアーム103と、支持部104と、アーム111~114と、を備える。アーム111~114には、それぞれ、手術器具121~124が着脱可能に取り付けられる。
【0018】
操作部102は、ベース101に設置されており、表示部および入力部を含む。オペレータは、操作部102の表示部を見ながら、操作部102の入力部を操作して、アーム装置1のアーム111~114の移動速度等を設定する。ベースアーム103は、その後端がベース101に設置され、複数の関節を備えるアームである。支持部104は、その上面がベースアーム103の先端に回動可能に接続されており、ベースアーム103の先端の移動に伴って移動するとともに、ベースアーム103の先端の軸を中心に回動する。
【0019】
アーム111~114は、その上端が支持部104の下面に設置されている。アーム111~114は、それぞれ、12本の軸および軸間の関節を備えたアームである。アーム111~114の下端には、手術器具を着脱できるように構成された支持具が設けられており、当該支持具に手術器具121~124が装着される。
【0020】
手術器具121~124は、細長い軸部121a~124aを備えており、内視鏡手術の際に、手術器具121~124の軸部121a~124aが、患者の腹部に挿入された案内管(トロカール)を介して患者の体内に挿入される。本実施形態では、手術器具121、123、124は鉗子であり、手術器具(鉗子)121、124はいわゆる把持鉗子である。手術器具(鉗子)123は、いわゆる電気メスであり、先端に切開および凝固が可能なハンド部を備える。手術器具122は、内視鏡である。手術器具(内視鏡)122は、例えば、3Dビデオスコープである。以下、手術器具122を、「内視鏡122」ともよぶ。
【0021】
なお、鉗子は、把持鉗子に限らず、止血鉗子、または剥離・結紮鉗子等の他の種類の鉗子でもよいし、電気メスのような電気器具でもよい。手術器具121~124は、内視鏡手術の途中で、必要に応じて異なる種類の手術器具に交換されてもよい。
【0022】
【0023】
操作装置2は、内視鏡手術の際に医師であるオペレータが操作することによりアーム装置1を駆動するためのオペレータ側の装置である。
【0024】
操作装置2は、ベース201と、支持部202と、枠部材203と、操作パネル204と、ビューアユニット210と、2つのハンドコントローラ220と、フットユニット230と、を備える。
【0025】
支持部202は、上下に移動可能となるようにベース201の上部に設置されている。枠部材203は、支持部202に設置されている。操作パネル204は、枠部材203の前方中央の上面に設置されている。操作パネル204の左右には、オペレータがハンドコントローラ220を操作する際に肘を乗せるためのアームレスト203aが形成されている。アームレスト203aの高さは、ベース201に対して支持部202を上下に移動することにより変更できる。
【0026】
ビューアユニット210は、支持部202の上面に設置されたアーム213の先端に支持されており、アーム213の関節が回動することにより高さを変更可能である。ビューアユニット210は、表示部(以下、ビューアとよぶ)211およびヘッドセンサ212を備える。ビューア211は、内視鏡122により撮影された映像(内視鏡画像)を表示する。ヘッドセンサ212は、ビューア211の手前の領域を挟むように設けられており、透過型の光電センサである。オペレータがビューア211を覗き込むと、オペレータの頭部がビューア211に接近し、ヘッドセンサ212の間が遮光され、オペレータがビューア211を見ている状態が検知される。
【0027】
2つのハンドコントローラ220は、それぞれ7本の軸および軸間の関節を備え、支持部202に設置されている。左および右のハンドコントローラ220は、それぞれ、オペレータが左手および右手を用いてアーム装置1のアーム111~114を操作するための入力装置である。ハンドコントローラ220の構成については、追って
図4を参照して説明する。
【0028】
フットユニット230は、ベース201の下部前側に、前後に移動可能となるように設置されている。フットユニット230は、オペレータが左足および右足を用いてアーム装置1を操作するための入力装置である。フットユニット230の構成については、追って
図5を参照して説明する。オペレータは、操作パネル204を操作することにより、アームレスト203aの高さ、ビューアユニット210の高さ、フットユニット230の前後方向の位置などの、操作装置2の設定を変更できる。
【0029】
図4は、ハンドコントローラ220の外観を示す斜視図である。
【0030】
2つのハンドコントローラ220は、左右方向に対称に構成されている。ハンドコントローラ220は、操作部221と、6つの可動部222~226と、を備える。
【0031】
操作部221は、支軸221aと、一対の可動板221bと、一対の面ファスナー221cと、を備える。操作部221は、オペレータが手指を用いて直接操作する部分であり、オペレータが接触して操作する操作対象である。
【0032】
支軸221aは、可動部222に設置された円柱形状の部材である。一対の可動板221bは、支軸221aを挟むように設けられた板形状の部材である。可動板221bは、可動部222に近い方の端部が支軸221aに対して接近および離間するよう、支軸221aに設置されている。面ファスナー221cは、可動板221bに設置されている。操作部221は、一対の可動板221bの開閉角度を検出するためのエンコーダ261(
図12参照)と、可動部222に対する操作部221の回転量を検出するためのエンコーダ271(
図12参照)とを備えている。
【0033】
可動部222~226は、操作部221と支持部202とを接続するアームを構成する。可動部222~226は、オペレータが接触して操作しない部分であり、オペレータが操作部221を介して間接的に操作する部分である。可動部222~226が構成するアームの各関節は、隣り合う2つの可動部が軸回転することにより構成される。可動部222~226は、それぞれ、操作部221とは反対側に隣り合う可動部に対する当該可動部の回転量を検出するためのエンコーダ272~276(
図12参照)を備えている。すなわち、エンコーダ271~276は、ハンドコントローラ220が備える7本の軸の一端に1つずつ設けられている。
【0034】
なお、可動部の回転量の検出には、必ずしもエンコーダが用いられる必要はなく、エンコーダまたはセンサ等、検出対象の位置、回転量、角度、有無等の状態を検知する各種の状態検知器を用いることができる。
【0035】
手術を始める前に、オペレータは、一対の可動板221bを挟むように、親指および人差し指を一対の可動板221bに押し当てる。この状態で、面ファスナー221cが、一対の可動板221bを挟む親指および人差し指に留められる。これにより、左手の親指および人差し指が左のハンドコントローラ220の操作部221に固定され、右手の親指および人差し指が右のハンドコントローラ220の操作部221に固定される。なお、一対の可動板221bを挟む指は、親指および人差し指に限らず、オペレータ自身が操作しやすいように選択されればよい。例えば、一対の可動板221bを挟む指は、親指および中指でもよい。
【0036】
手術時にオペレータが操作部221を移動させる操作を行うと、ハンドコントローラ220の各関節は、操作部221の動きに応じて軸回転する。そして、エンコーダ271~276の出力値に基づいて、アーム装置1の対象となるアームが駆動され、当該アームに装着された手術器具が移動する。また、対象となるアームに鉗子が装着されている場合、手術時にオペレータが操作部221の一対の可動板221bを開閉させる操作を行うと、操作部221のエンコーダ261の出力値に基づいて、当該アームに装着された鉗子の先端部が開閉するように駆動される。
【0037】
図5は、フットユニット230の外観を示す斜視図である。
【0038】
フットユニット230は、フットペダル231~237と、フットセンサ241~248と、を備える。
【0039】
オペレータは、フットペダル231~237を足で踏むことにより、アーム装置1を動作させるための入力を行う。すなわち、フットペダル231~237は、所定の入力を行うための操作子である。フットペダル234~237は、対象となるアームに電気メスが装着されている場合、当該電気メスの通電および非通電の切り替えを行うための操作子である。
【0040】
フットペダル231は、フットペダル231が踏まれることにより、右のハンドコントローラ220で動作させる手術器具が、手術器具123、124のいずれかに切り替えられる。フットペダル232は、クラッチペダルである。フットペダル232が踏まれている間、ハンドコントローラ220の動作が、アーム装置1に伝達されなくなる。フットペダル233は、カメラペダルである。フットペダル233が踏まれている間、両方のハンドコントローラ220で内視鏡122を装着したアームの操作が可能になる。
【0041】
フットペダル234、236は、切開ペダルである。フットペダル234、236が踏まれている間、鉗子(電気メス)により切開が可能となるよう鉗子(電気メス)の先端に高周波が付与される。フットペダル235、237は、凝固ペダルである。フットペダル235、237が踏まれている間、鉗子(電気メス)により凝固が可能となるよう鉗子(電気メス)の先端に高周波が付与される。
【0042】
また、フットペダル231~237は、それぞれ、当該フットペダルが踏まれたか否かを検出するためのリミットセンサ281~287(
図12参照)を備えている。これにより、フットペダル231~237が踏まれているか否かが検出される。
【0043】
フットセンサ241~248は、オペレータの足の位置を検出するための反射型の光電センサである。フットセンサ241~244により、左足がフットペダル231~233に位置づけられているか否かが検出され、フットセンサ245~248により、右足がフットペダル234~237に位置づけられているか否かが検出される。詳細には、フットセンサ241~248により、足がフットペダルの前方にある状態、フットペダルの上方にある状態およびフットペダルを踏んでいる状態を含むホバー状態と、足がフットユニット230内にない非ホバー状態とが、検出される。
【0044】
図6は、オペレータが操作装置2を使用している状態を示す斜視図である。
【0045】
手術の開始前に、手術器具121~124の下方に、手術台に横たわった患者が位置づけられ、患者の腹部に案内管(トロカール)が挿入され、案内管(トロカール)を介して手術器具121~124が患者の体内に挿入される。オペレータは、椅子に座った状態で、両腕をアームレスト203aに置き、両足をフットユニット230内部または前方に置く。オペレータは、面ファスナー221c(
図4参照)を用いて、親指および人差し指を可動板221bに固定する。そして、オペレータは、頭をビューアユニット210の中に入れ、ビューア211を覗き込む。ヘッドセンサ212によりオペレータの頭がビューアユニット210内に位置づけられたことが検知されると、操作装置2によるアーム装置1の操作が可能になる。
【0046】
手術が開始されると、オペレータは、左右の操作部221(
図4参照)を操作して、鉗子に把持動作させる把持操作を入力したり、鉗子の先端を移動させる移動操作を入力したりする。オペレータが操作装置2に対して入力した操作に応じて、アーム装置1のアーム111~114および手術器具121~124が駆動される。こうして、各種の手術が行われる。
【0047】
オペレータは、手術室にいる補助者に対して指示を出す場合や、休憩する場合、および、手術を終了する場合などに、ビューアユニット210から頭を離す。ヘッドセンサ212によりオペレータの頭がビューアユニット210内に位置づけられていないことが検知されると、操作装置2によるアーム装置1の操作ができなくなる。これにより、アーム装置1の誤動作が防止される。
【0048】
【0049】
制御装置3は、制御部31、記憶部32および通信部33を備える。制御部31は、例えば、CPUにより構成される。制御部31は、記憶部32に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、制御装置3のハードウェアの各部を制御するとともに、各種の処理を実行する。記憶部32は、例えば、SSDやHDDなどにより構成される。通信部33は、所定の通信規格に基づいてアーム装置1、操作装置2および記憶装置310(
図8参照)と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0050】
図8は、情報処理システム5の構成を示すブロック図である。
【0051】
情報処理システム5は、記憶装置310と、情報処理装置320と、を備える。ネットワーク330は、例えばインターネットである。
【0052】
記憶装置310は、制御部311、記憶部312および通信部313を備える。制御部311は、例えば、CPUにより構成される。制御部311は、記憶部312に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、記憶装置310のハードウェアの各部を制御するとともに、各種の処理を実行する。記憶部312は、例えば、SSDやHDDなどにより構成される。記憶装置310は、ネットワーク330を介して、情報処理装置320と通信可能に接続されている。通信部313は、例えばイーサネット、Wi-Fiなどの所定の通信規格に基づいて情報処理装置320、制御装置3、後述する映像処理装置302および手術室カメラ301(
図9参照)と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0053】
情報処理装置320は、制御部321、記憶部322および通信部323を備える。制御部321は、例えば、CPUにより構成される。制御部321は、記憶部322に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理装置320のハードウェアの各部を制御するとともに、各種の処理を実行する。記憶部322は、例えば、SSDやHDDなどにより構成される。通信部323は、例えばイーサネット、Wi-Fiなどの所定の通信規格に基づいて記憶装置310および観察端末340(
図10参照)と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0054】
図9は、手術用ロボット4および情報処理システム5等の接続および各装置間で送受信される情報の概要を示す図である。
【0055】
手術室内には、アーム装置1、操作装置2、制御装置3、アーム装置1に取り付けられた内視鏡122、内視鏡122により得られる映像を処理する映像処理装置302、手術室全体を撮像する手術室カメラ301、および記憶装置310が配置される。制御装置3、映像処理装置302、および手術室カメラ301は、記憶装置310と通信可能に接続される。情報処理装置320は、手術室外の例えばクラウド環境に設置され、記憶装置310と通信可能に接続される。
【0056】
なお、操作装置2および記憶装置310は、必ずしも手術室内に設置されなくてもよく、施設内の他の部屋に設置されてもよい。
【0057】
手術室カメラ301は、記憶装置310からの要求に基づき、撮影した映像(手術室画像)を記憶装置310に送信する。内視鏡122は、映像処理装置302に接続されている。映像処理装置302は、内視鏡122が撮影した映像(内視鏡画像)を操作装置2に送信する。映像処理装置302は、記憶装置310からの要求に基づき、内視鏡122が撮像したした内視鏡画像を記憶装置310に送信する。操作装置2は、映像処理装置302から受信した内視鏡画像を、ビューア211(
図3参照)に表示する。
【0058】
上述したように、医師であるオペレータは、操作装置2を操作してアーム装置1を駆動し、手術を行う。
【0059】
このとき、操作装置2は、オペレータの操作に応じてリアルタイムに、すなわち、エンコーダ261、271~276およびリミットセンサ281~287(
図12参照)が出力を発生するたびに、発生された出力に基づく駆動指示を制御装置3に送信する。また操作装置2は、オペレータの操作によって変化する操作装置2の操作対象の状態を示す現在値を、所定の時間間隔(例えば1秒間隔)で制御装置3に送信する。制御装置3は、記憶装置310からの要求に基づき、操作装置2から受信した複数の現在値から生成した状態ログを、記憶装置310に送信する。制御装置3は、操作装置2から受信した駆動指示をアーム装置1用に変換し、変換した駆動指示をリアルタイムで、すなわち、操作装置2から駆動指示を受信するたびに、アーム装置1に送信する。これにより、アーム装置1は、操作装置2に対するオペレータの操作に応じて動作する。アーム装置1は、アーム111~114等の動作を示す現在値を、所定の時間間隔(例えば1秒間隔)で制御装置3に送信する。制御装置3は、記憶装置310からの要求に基づき、アーム装置1から受信した現在値から生成した動作ログを、記憶装置310に送信する。
【0060】
記憶装置310は、制御装置3から受信した状態ログおよび動作ログを、記憶部312に記憶する。また、記憶装置310は、手術室カメラ301から受信した映像(手術室画像)および映像処理装置302から受信した映像(内視鏡画像)を、記憶部312に記憶する。手術室画像、内視鏡画像、状態ログおよび動作ログの受信は、所定の期間、例えば、手術が行われる手術室の利用が開始されてから終了するまで継続される。記憶装置310は、記憶部312に記憶した手術室画像、内視鏡画像、状態ログおよび動作ログを、リアルタイムで情報処理装置320に送信する。
【0061】
なお、記憶装置310の制御部311は、必要に応じて、記憶部312に記憶した手術室画像を加工してもよい。例えば、制御部311は、手術室画像に含まれる人物、患者の個人情報の推定につながる情報等にぼかし処理を施し、人物および個人情報を特定できないようにしてもよい。
【0062】
情報処理装置320は、記憶装置310から受信した手術室画像、内視鏡画像、状態ログおよび動作ログを、記憶部322に記憶する。情報処理装置320は、観察端末340(
図10参照)からの要求に応じて、手術室画像と、内視鏡画像と、状態ログに基づく再構成画像と、動作ログに基づく再構成画像とを含む手術画像を生成し、観察端末340に送信する。
【0063】
操作装置2の操作を学習しようとする観察者は、熟練したオペレータ(熟練者)の操作を操作装置2の横で見ているだけでは、十分に操作を学習することは難しい。例えば、操作対象(操作部221やフットペダル231~237)への視界が操作装置2の一部によって遮られると、観察者は、実際にどのような操作が行われているかを把握できない。また、複数の操作対象が同時に操作されている場合、観察者は、複数の操作対象を視野に収めなければならず、複数の操作を把握することが困難になる。
【0064】
さらに、操作部221の一対の可動板221bが僅かに開閉された場合、どの程度の操作が行われたかを操作部221を見て把握することは困難である。また、フットペダル231~237の前方または上方に足が位置づけられた場合、手術室画像や内視鏡画像を見ているだけでは、このような操作準備の状態を把握できない。
【0065】
これに対し、本実施形態では、手術室画像と、内視鏡画像と、状態ログに基づく再構成画像と、動作ログに基づく再構成画像とを含む手術画像が、観察者が利用する観察端末340(
図10参照)に送信される。状態ログに基づく再構成画像には、操作装置2の操作対象に対するオペレータの操作を視覚化した画像が含まれる。観察端末340の表示部343には、操作装置2の操作対象に対するオペレータの操作を視覚化した画像が表示される。観察者は、この画像を、手術用ロボット4(アーム装置1および/または操作装置2)の動作および/または手術器具121~124の動作を示す画像とともに参照することにより、手術用ロボット4または手術器具121~124の動作と、そのための操作対象の操作とを学習できる。
【0066】
図10は、情報処理装置320の利用形態を示すブロック図である。
【0067】
観察端末340は、熟練者による操作装置2の操作を学習しようとする観察者が操作するコンピュータである。観察端末340は、制御部341と、記憶部342と、表示部343と、入力部344と、通信部345と、を備える。
【0068】
制御部341は、例えば、CPUにより構成される。制御部341は、記憶部342に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、観察端末340のハードウェアの各部を制御するとともに、各種の処理を実行する。記憶部342は、例えば、SSDやHDDなどにより構成される。表示部343は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。入力部344は、例えば、キーボードやマウスにより構成される。表示部343および入力部344は、タッチパネル式ディスプレイにより構成されてもよい。通信部345は、例えばイーサネット、Wi-Fiなどの所定の通信規格に基づいて情報処理装置320と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0069】
観察端末340の制御部341は、ウェブブラウザや所定のアプリケーションを実行することにより、情報処理装置320から操作装置2の操作を学ぶための手術画像を取得する。そして、制御部341は、取得した手術画像を表示部343に表示する。観察者は、表示部343に表示される手術画像を参照し、医師であるオペレータによる操作装置2の操作を学習する。表示部343に表示される手術画像については、追って
図17以降を参照して説明する。
【0070】
図11は、アーム装置1の構成を示すブロック図である。
【0071】
アーム装置1は、制御部131と、記憶部132と、通信部133と、複数の動作部140と、センサ151~154と、を備える。
【0072】
制御部131は、例えば、FPGAまたはCPUにより構成される。記憶部132は、例えば、ROMおよびRAMにより構成される。通信部133は、所定の通信規格に基づいて制御装置3と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0073】
動作部140は、アーム装置1のベースアーム103およびアーム111~114の各動作部分に対応する。動作部140は、例えば、アームの1つの関節部分に対応する。各動作部140は、モータ141およびエンコーダ142を備える。モータ141は、ステッピングモータである。エンコーダ142は、モータ141の駆動量を出力する。エンコーダ142は、各アーム111~114が備える12本の軸の一端に1つずつ設けられている。
【0074】
センサ151~154は、それぞれ、アーム111~114に設置されており、アーム111~114に対する手術器具の着脱を検出する。センサ151~154は、例えば、手術器具がアームに対して電気的に接続されたことを検出するセンサでもよく、手術器具が物理的に着脱されたことを検出する光電センサでもよい。
【0075】
アーム装置1に装着される手術器具には、当該手術器具の名称およびシリアル番号が付されている。アーム111~114に手術器具が装着されると、制御部131は、手術器具に付された名称およびシリアル番号を、記憶部132に記憶する。
【0076】
制御部131は、通信部133を介して制御装置3から受信した駆動指示(
図9参照)に基づいて、対応する動作部140のモータ141を駆動する。また、制御部131は、エンコーダ142の出力値に基づく動作ログを構成する現在値と、センサ151~154の検出信号と、手術器具121~124の名称およびシリアル番号を、通信部133を介して制御装置3に送信する。動作ログと、センサ151~154の検出信号と、手術器具121~124の名称およびシリアル番号とは、制御装置3から記憶装置310を介して、情報処理装置320に送信され、情報処理装置320の記憶部322に記憶される。
【0077】
図12は、操作装置2の構成を示すブロック図である。
【0078】
操作装置2は、制御部251と、記憶部252と、通信部253と、ビューア211と、ヘッドセンサ212と、操作部221と、可動部222~226と、フットペダル231~237と、フットセンサ241~248と、を備える。
図12には、便宜上、左右のうち一方のハンドコントローラ220の構成が示されている。
【0079】
制御部251は、例えば、FPGAまたはCPUにより構成される。記憶部252は、例えば、ROMおよびRAMにより構成される。通信部253は、所定の通信規格に基づいて内視鏡122および制御装置3と通信可能な通信インターフェースを備える。
【0080】
操作部221は、エンコーダ261、271を備える。可動部222~226は、それぞれ、エンコーダ272~276を備える。フットペダル231~237は、それぞれ、リミットセンサ281~287を備える。エンコーダ261、271~276は、対応する部分の移動量または回転量を出力する。
【0081】
具体的には、操作部221のエンコーダ261は、操作部221の一対の可動板221b(
図4参照)が押し込まれた量を出力する。エンコーダ271~276は、それぞれ、操作部221と可動部222との間の回転量、可動部222、223の間の回転量、可動部223、224の間の回転量、可動部224、225の間の回転量、可動部225、226の間の回転量、および、可動部226と支持部202(
図3参照)との間の回転量を出力する。リミットセンサ281~287は、それぞれ、フットペダル231~237が踏まれたか否かを検出する。リミットセンサ284~287の検出信号は、フットペダル234~237による通電および非通電の切り替えを示す情報である。
【0082】
制御部251は、映像処理装置302から受信した内視鏡画像をビューア211に表示する。制御部251は、エンコーダ261、271~276の出力値と、リミットセンサ281~287の検出信号とに基づく状態ログを構成する現在値を、通信部253を介して制御装置3に送信する。状態ログは、制御装置3から記憶装置310を介して、情報処理装置320に送信され、情報処理装置320の記憶部322に記憶される。
【0083】
図13は、操作装置2から制御装置3に送信される状態ログを構成する現在値を例示的に示す図である。
図13に示すような現在値が現在時刻とともに所定期間、所定間隔で記憶された情報が、状態ログとなる。
【0084】
図13に示す例では、各部の現在の状態を示す現在値として、左右のハンドコントローラ220に対応するエンコーダ261、271~276の出力値と、左の操作部221に対応するエンコーダ261の出力値から算出された一対の可動板221bの間の角度、および、右の操作部221に対応するエンコーダ261の出力値から算出された一対の可動板221bの間の角度を含む。一対の可動板221bの間の角度は、操作装置2の制御部251により算出される。
【0085】
図13において、ハンドコントローラ(右)の1_1軸~1_7軸の現在値は、それぞれ右のハンドコントローラ220が備える7本の軸の一端に設けられたエンコーダ271~276の出力値を示す。ハンドコントローラ(右)の1_グリップ角度の現在値は、右の操作部221に対応するエンコーダ261の出力値から算出された一対の可動板221bの間の角度を示す。同様に、ハンドコントローラ(左)の1_1軸~1_7軸の現在値は、それぞれ左のハンドコントローラ220が備える7本の軸の一端に設けられたエンコーダ271~276の出力値を示す。ハンドコントローラ(左)の1_グリップ角度の現在値は、左の操作部221に対応するエンコーダ261の出力値から算出された一対の可動板221bの間の角度を示す。状態ログを構成する現在値には、フットペダル231~237に対応するリミットセンサ281~287の検出信号と、フットセンサ241~248の検出信号と、ヘッドセンサ212の検出信号も含まれる。
【0086】
操作装置2の制御部251は、このような現在値を、例えば1秒間隔で制御装置3に送信する。制御装置3は、受信した複数の現在値と各現在値に対応する複数の現在時刻とのセットを状態ログとし、記憶部32に記憶する。
【0087】
図14は、状態ログの一例を示す図である。
図14は、左の操作部221に対応するエンコーダ261の出力値から算出された一対の可動板221bの間の角度の状態ログを示しており、所定期間内の1秒ごとの現在時刻と、その現在時刻における現在値(角度)を含む。
【0088】
図15は、アーム装置1から制御装置3に送信される動作ログを構成する現在値を例示的に示す図である。
図15に示すような現在値が現在時刻とともに所定期間、所定間隔で記憶された情報が、動作ログとなる。
図15では、便宜上、アーム111の各部およびアーム112の一部に対応する現在値が図示されている。
【0089】
図15において、オペレーションアーム1の1_1軸~1_12軸の現在値は、それぞれアーム111が備える12本の軸の一端に設けられたエンコーダ142の出力値を示す。同様に、オペレーションアーム2の2_1軸~2_12軸の現在値は、それぞれアーム112が備える12本の軸の一端に設けられたエンコーダ142の出力値を示す(
図15において、2_5軸~2_12軸の現在値は省略されている)。
【0090】
制御装置3は、操作装置2から駆動指示を受信すると、受信した駆動指示を、アーム装置1用に変換処理し、アーム装置1に送信する。アーム装置1は、受信した駆動指示に基づき、各モータ141を駆動する。
【0091】
動作ログを構成する現在値は、各部の現在値として、駆動指示に基づいて動作した各モータ141の動作量を示す各エンコーダ142の出力値を含む。
【0092】
アーム装置1の制御部131は、このような現在値を、例えば1秒間隔で制御装置3に送信する。制御装置3は、受信した複数の現在値と各現在値に対応する複数の現在時刻とのセットを動作ログとし、記憶部132に記憶する。
【0093】
図16は、動作ログの一例を示す図である。
図16は、アーム111の所定の可動部におけるモータの動作量の動作ログを示しており、所定期間内の1秒ごとの現在時刻と、その現在時刻における現在値(動作量)を含む。
【0094】
次に、観察端末340(
図10参照)の表示部343に表示される画像について説明する。
【0095】
情報処理装置320の制御部321は、観察端末340から指示情報を受信すると、記憶部322に記憶した内視鏡画像および手術室画像を観察端末340に送信するとともに、記憶部322に記憶した状態ログおよび動作ログに基づく各種の画像および情報を生成し、観察端末340に送信する。観察端末340は、内視鏡画像および手術室画像と、状態ログおよび動作ログに基づく各種の情報とを含む手術画像400を、表示部343に表示する。観察端末340の表示部343における手術画像400の表示は、情報処理装置320から全期間の画像および情報を受信した後に表示を開始する、いわゆるダウンロード再生であってもよいし、情報処理装置320から画像および情報を受信しながら表示する、いわゆるストリーミング再生であってもよい。
【0096】
表示部343に表示される各画像は、情報処理装置320から観察端末340に送信された画像に限らない。表示部343に表示される画像は、観察端末340の制御部341が、情報処理装置320から受信した状態ログや動作ログに基づいて生成した画像でもよい。
【0097】
図17は、手術画像400の構成を模式的に示す図である。
【0098】
手術画像400は、内視鏡画像401と、手術室画像402と、模式画像403、404と、表示切替ボタン411、412と、動画コントロール領域420と、情報表示領域430と、を備える。また、手術画像400は、この他、ヘッドセンサ212の情報を示す画像440と、手術器具の使用記録を示す画像450と、視聴回数を示す画像460と、を備える。画像440、450、460については、追って
図20を参照して説明する。
【0099】
図17に示すように、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404は、いずれも動画である。模式画像403は、アーム装置1の動作ログに基づいて、アーム装置1の各部の動作状態が3次元的に構成された動画である。模式画像404は、操作装置2の状態ログに基づいて、操作装置2のハンドコントローラ220の動作状態が3次元的に構成された動画である。これら4つの動画は、互いに同期しており、同時刻における状態を示している。
【0100】
表示切替ボタン411、412は、4つの動画(内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404)を並べて表示させるモードと、4つの動画のうち1つを拡大表示させるモードとを切り替えるためのボタンである。表示切替ボタン411が操作されると、
図17に示すように4つの動画が並べて表示され、表示切替ボタン412が操作されると、
図18に示すように1つの動画が拡大表示される。
【0101】
なお、表示切替ボタン411が操作されると、4つの動画をどの位置に配置するかを設定するための画面が表示され、この画面に対する設定により、
図17に示すように、4つの動画を所望の位置に表示できる。また、表示切替ボタン412が操作されると、4つの動画のうちどの動画を配置するかを設定するための画面が表示され、この画面に対する設定により、
図18に示すように、4つの動画のうち所望の1つの動画を表示できる。
【0102】
図19は、内視鏡画像401の構成を模式的に示す拡大図である。
【0103】
内視鏡画像401には、アーム装置1のアーム111~114に装着された手術器具121~124の情報を示す表示エリア401a~401eが、内視鏡122により撮像された画像とともに合わせて表示される。内視鏡画像401は、操作装置2のビューア211に表示される画像と同じ画像である。
【0104】
表示エリア401aは、クラッチペダルであるフットペダル232の操作状態を示す。フットペダル232に対して足が位置づけられると、表示エリア401aの外周に色が付与される。フットペダル232が踏まれると、表示エリア401aの内部に色が付される。表示エリア401bは、内視鏡122が装着されたアームを操作するためのフットペダル233の操作状態を示す。フットペダル233に対して足が位置づけられると、表示エリア401bの外周に色が付され、フットペダル233が踏まれると、表示エリア401bの内部に色が付される。
【0105】
表示エリア401cは、鉗子(電気メス)を操作するためのフットペダル234、235の操作状態を示す。フットペダル234または235に対して足が位置づけられると、表示エリア401cの外周に色が付され、フットペダル234が踏まれると、表示エリア401cの内部に第1の色が付され、フットペダル235が踏まれると、表示エリア401cの内部に第2の色が付される。第1の色は、例えば水色であり、第2の色は例えば黄色である。
【0106】
表示エリア401dは、鉗子(電気メス)を操作するためのフットペダル236、237の操作状態を示し、表示エリア401eは、他の鉗子(電気メス)を操作するためのフットペダル236、237の操作状態を示す。上述したように、フットペダル231が踏まれるたびに、フットペダル236、237の対象が、鉗子123、124の間で切り替えられる。フットペダル236または237に対して足が位置づけられると、表示エリア401d、401eのうち対象となる表示エリアの外周に色が付され、フットペダル236が踏まれると、表示エリア401d、401eのうち対象となる表示エリアの内部に第1の色が付され、フットペダル237が踏まれると、表示エリア401d、401eのうち対象となる表示エリアの内部に第2の色が付される。
【0107】
また、表示エリア401c~401eには、アーム111、113、114に装着された手術器具121、123、124の情報として、例えば、名称が表示される。手術器具の装着の有無および手術器具の名称は、センサ151~154の検出信号と、アーム111~114への装着時に取得された手術器具121~124の名称およびシリアル番号とに基づいて生成される。
【0108】
観察者は、内視鏡画像401内の表示エリア401a~401eを参照することにより、フットペダル232~237の操作状態を把握でき、アーム111~114にどのような手術器具が装着されているかを把握できる。
【0109】
また、
図19に示すように、内視鏡画像401内には、内視鏡画像401の領域を4分割する分割線401fを表示させることもできる。これにより、観察者は、分割線401fで分割された4つの領域をガイドとして、各手術器具がどの領域に位置づけられているかを参照し、手術の状況に応じて各手術器具をどのような配置を行い、どのように移動させればよいかを学習できる。
【0110】
図17に戻り、動画コントロール領域420は、再生ボタン421と、再生位置マーク422と、再生速度設定ボタン423と、注意喚起マーク424と、栞挿入ボタン425と、栞マーク426と、編集開始ボタン427と、を備える。
【0111】
再生ボタン421が操作されると、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404の再生および一時停止が切り替えられる。
【0112】
再生位置マーク422は、タイムライン420a上における、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404の再生位置を示すマークである。再生位置マーク422を操作することにより、再生位置を変更できる。再生速度設定ボタン423が操作されると、サブメニューが開かれ、サブメニュー内で再生速度を設定できる。注意喚起マーク424は、例えば手術用ロボット4でエラーが生じたタイムライン420a上の位置など、観察者への注意喚起を要するイベントが発生したタイムライン420a上の位置を示す。
【0113】
栞挿入ボタン425が操作されると、再生位置マーク422の位置に栞マーク426が追加される。また、栞挿入ボタン425が操作された時点での、手術画像400のスクリーンショットが情報処理装置320の記憶部322に記憶される。手術画像400のスクリーンショットの記憶については、追って
図25を参照して説明する。
【0114】
編集開始ボタン427が操作されると、観察者は手術画像400に対してクリックやドラッグの操作を行うことにより、文字や図形を書き込むことができる。この状態で栞挿入ボタン425が操作されると、手術画像400内に書き込まれた文字や図形とともに、手術画像400のスクリーンショットが情報処理装置320の記憶部322に記憶される。編集開始ボタン427により手術画像400内に文字や図形が書き込み可能となることについては、追って
図26を参照して説明する。
【0115】
図20は、手術画像400内に表示される画像440、450、460の構成を模式的に示す図である。
【0116】
画像440、450、460内の帯領域は、
図17に示した動画コントロール領域420内のタイムライン420aに対応する。
【0117】
ヘッドセンサ212の情報を示す画像440の帯領域には、黒で表示された部分と、白で表示された部分とが含まれる。黒で表示された部分は、ヘッドセンサ212によりオペレータがビューア211を覗き込んでいる状態、すなわち、ビューア211へのオペレータの接近が検知された状態を示している。白で表示された部分は、ヘッドセンサ212によりオペレータがビューア211を覗き込んでいない状態、すなわち、ビューア211へのオペレータの接近が検知されなかった状態を示している。
【0118】
手術器具の使用記録を示す画像450には、1~4の番号が付された帯領域が含まれる。1~4番の帯領域は、それぞれ、アーム111~114に対応している。帯領域内のハッチングが付された領域は、アーム111~114に装着された鉗子または内視鏡の種類および装着期間を示している。
図20に示す例では、1、3番の帯領域によれば、アーム111、113に装着された鉗子が、手術の途中で交換されていることが分かる。2番の帯領域によれば、アーム112に装着された内視鏡122が、手術の後半付近で何度か取り外されていることが分かる。この理由は、内視鏡122のヘッド部分の曇りを拭き取るために、内視鏡122がアーム112から取り外されたためである。4番の帯領域によれば、アーム114に装着された鉗子124が、一度も外されなかったことが分かる。
【0119】
また、画像450内の帯領域の上にマウス等のカーソルが重ねられると、4番の帯領域に示すように、カーソルが重ねられた時刻位置で装着されていた鉗子または内視鏡の名称と、当該鉗子または内視鏡の使用時間帯とを含む手術器具情報451が表示される。
【0120】
視聴回数を示す画像460の帯領域には、濃淡が異なる領域が含まれる。この濃淡は、各位置における観察者の視聴回数を示している。例えば、白で表示された部分は、この部分に対する観察者の視聴回数が0回であることを示し、濃度が1段階濃くなるにつれて、視聴回数が所定の回数だけ上昇していることを示している。
【0121】
また、画像460内の帯領域の上にマウス等のカーソルが重ねられると、カーソルが重ねられた時刻位置の視聴回数を示す視聴回数情報461が表示される。
【0122】
図21は、操作情報タブが選択されている場合の、情報表示領域430の構成を模式的に示す拡大図である。
【0123】
情報表示領域430の表示内容は、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404の再生位置に同期して表示される。
【0124】
操作情報タブが選択されている場合、情報表示領域430は、表示選択領域431と、2つの画像432aと、2つの画像432bと、2つの画像433aと、2つの画像433bと、2つの画像434と、画像435~437と、を備える。画像432a、432b、433a、433b、434は、情報表示領域430内において、左右に配置されている。
【0125】
左の画像432aは、左のハンドコントローラ220の一対の可動板221bの押し込み状態を模式的に示しており、右の画像432aは、右のハンドコントローラ220の一対の可動板221bの押し込み状態を模式的に示している。左の画像432bは、左のハンドコントローラ220の一対の可動板221bの押し込み量に対応する角度を示しており、右の画像432bは、右のハンドコントローラ220の一対の可動板221bの押し込み量に対応する角度を示している。画像432a、432bは、状態ログに基づいて生成される。観察者は、画像432a、432bを参照することにより、操作部221の一対の可動板221bがどの程度開閉しているのかを把握できる。
【0126】
左右の画像433aは、それぞれ、左右のハンドコントローラ220で操作される鉗子の先端の挟み込み状態を示している。左右の画像433bは、それぞれ、左右のハンドコントローラ220で操作される鉗子の挟み込み量に対応する角度を示している。画像433a、433bは、動作ログに基づいて生成される。観察者は、画像433a、433bを参照することにより、対応する鉗子の先端がどの程度開閉しているかを把握できる。
【0127】
左の画像434は、フットペダル234、235の踏み込み状態に対応するグラフを示しており、右の画像434は、フットペダル236、237の踏み込み状態に対応するグラフを示している。画像434において、ONはフットペダルが踏まれている状態を示しており、OFFはフットペダルが踏まれていない状態を示している。画像434は、過去に遡って30秒間の踏み込み状態を示している。画像434は、状態ログに基づいて生成される。観察者は、左の画像434を参照することにより、フットペダル234、235が踏まれたタイミングおよび期間を把握でき、右の画像434を参照することにより、フットペダル236、237が踏まれたタイミングおよび期間を把握できる。
【0128】
画像435は、フットユニット230におけるオペレータの足の位置と、フットペダル231~237の踏み込み状態とを模式的に示す。画像435は、状態ログに基づいて生成される。
【0129】
図22、23は、画像435の構成および遷移を模式的に示す図である。
【0130】
図22に示すように、画像435は、フットペダル231~237に対応するペダル画像471~477と、足の待機状態に応じて表示される足画像481と、を備える。
【0131】
情報処理装置320の制御部321は、フットセンサ241~248の検出信号に基づいて、フットペダル231~237ごとに、ホバー状態と非ホバー状態を判定する。上述したように、ホバー状態は、足がフットペダルの前方にある状態と、フットペダルの上方にある状態と、フットペダルを踏んでいる状態と、を含み、非ホバー状態は、足がフットユニット230内にない状態を含む。制御部321は、リミットセンサ281~287の検出信号に基づいて、フットペダル231~237ごとに、踏み込まれているか否かを判定する。そして、制御部321は、判定結果に基づいて画像435を生成する。
【0132】
図22の上段に示すように、左右の足がフットユニット230内に位置づけられていない場合、ペダル画像471~477が、通常の枠線の太さで表示され、足画像481は表示されない。これにより、フットペダル231~237に対して、両足が操作および操作準備の状態でないことが分かる。
【0133】
図22の上段の状態から、足がフットペダルの前方または上方に位置づけられると、
図22の下段に示すように、足画像481が表示される。
図22の下段に示す例では、2つの足画像481が、それぞれ、ペダル画像473、475の前方に位置づけられている。これにより、左足がフットペダル233の前方または上方に位置づけられており、右足がフットペダル235の前方または上方に位置づけられていることが分かる。また、フットペダル233、235に対して、両足が操作準備の状態であることが分かる。
【0134】
図22の下段の状態から、フットペダルが踏み込まれると、
図23の上段に示すように、対応するペダル画像の外周に色が付される。
図23の上段に示す例では、ペダル画像477の外周に色が付されている。これにより、フットペダル237が踏み込まれていることが分かる。
【0135】
図23の上段の状態から、フットペダル233が踏み込まれると、
図23の下段に示すように、ペダル画像473の外周に色が付される。また、
図23の下段の状態では、右足がフットユニット230の外に移動したため、右足に対応する足画像481がない。これにより、右足が操作準備の状態ではないことが分かる。
【0136】
観察者は、画像435内のペダル画像471~477および足画像481を参照することにより、フットペダル231~237に対する操作および操作準備の状態を把握できる。
【0137】
図21に戻り、画像436は、ヘッドセンサ212に基づく検出結果と、ヘッドセンサ212によりオペレータがビューア211を覗き込んだ時間の累積時間とを示す。画像436は、状態ログに基づいて生成される。観察者は、画像436を参照することにより、オペレータがビューア211を覗き込んでいるか否か、および、手術中に累積でどれだけビューア211を覗き込んでいるかを把握できる。
【0138】
画像437は、アーム装置1のアーム111~114に装着された手術器具121~124の名称およびシリアル番号を示す。画像437は、センサ151~154の検出信号と、アーム111~114への装着時に取得された手術器具121~124の名称およびシリアル番号とに基づいて生成される。観察者は、画像437を参照することにより、現在の手術器具121~124の名称およびシリアル番号を把握できる。
【0139】
図24は、設定情報タブが選択されている場合の、情報表示領域430の構成を模式的に示す拡大図である。
【0140】
設定情報タブが選択されている場合、情報表示領域430は、表示選択領域431と、画像438、439と、を備える。
【0141】
画像438は、アーム111~114に装着された手術器具121~124の各ピボット位置を模式的に示す画像である。ピボット位置とは、アーム111~114の移動に応じて手術器具が移動する際に、手術器具と、当該手術器具が装着されているアームとの相対位置が変わらない手術器具における位置のことである。手術器具121~124は、ピボット位置を支点にしてアーム111~114により移動される。画像438には、各ピボット位置の間の距離が示されている。
【0142】
画像439は、操作装置2の設定を示す画像である。画像439は、オペレータが操作部221を操作する際の負荷(ハンドコントローラ220の重さ)と、ハンドコントローラ220の移動量と実際の手術器具の移動量との比(スケーリング)と、アームレスト203aの高さと、フットユニット230の前後方向の位置(奥行き)と、を示している。
【0143】
観察者は、画像438、439を参照することにより、手術器具121~124のピボット位置および操作装置2の設定を把握できる。
【0144】
なお、表示選択領域431が、操作情報および設定情報以外の他のタブを備え、他のタブが選択されることにより、情報表示領域430に様々な情報が表示されてもよい。例えば、手術に関係する他の機器の情報が表示されてもよい。
【0145】
図25は、手術画像400において栞挿入ボタン425が操作された場合に表示される編集画像500の構成を模式的に示す図である。
【0146】
手術画像400において栞挿入ボタン425が操作されると、その時点における手術画像400が、スクリーンショット502として情報処理装置320の記憶部322に自動的に保存される。
【0147】
編集画像500は、栞表示領域501と、スクリーンショット502と、編集ツール領域503と、テキスト入力領域504と、閉じるボタン511と、ループ再生ボタン512と、を備える。
【0148】
栞表示領域501は、設定された栞に対応する栞項目501aを表示する。栞項目501aが操作されると、栞項目501aが選択状態となり、選択された栞項目501aに対応するスクリーンショット502、画像502aおよびテキスト504aが表示される。手術画像400において栞挿入ボタン425が操作され編集画像500が表示された場合、栞項目501aが選択された状態となる。また、栞項目501a内のゴミ箱マークが操作されると、対応する栞が削除される。
【0149】
スクリーンショット502は、選択された栞項目501aに対応する手術画像400のスクリーンショットである。観察者は、スクリーンショット502上でマウスをドラッグすると、スクリーンショット502に対して手描きの画像502aを挿入できる。また、観察者は、編集ツール領域503の各種ボタンやスライダーを操作することにより、スクリーンショット502に書き込む図形の色や線の太さ等を変更できる。観察者は、テキスト入力領域504を選択した上で、キーボードを介して文字を入力することにより、当該栞項目501aに対してテキスト504aを追加できる。
【0150】
閉じるボタン511が操作されると、スクリーンショット502と関連付けて、編集画像500内で設定した画像502aおよびテキスト504aが、情報処理装置320の記憶部322に記憶される。その後、編集画像500が閉じられ、再び手術画像400が表示される。スクリーンショット502、画像502aおよびテキスト504aが保存されることにより、観察者は、その後に保存した内容を参照することで、オペレータによる操作を円滑に学習できる。
【0151】
ループ再生ボタン512が操作されると、閉じるボタン511と同様、スクリーンショット502と関連付けて、編集画像500内で設定した画像502aおよびテキスト504aが、情報処理装置320の記憶部322に記憶され、編集画像500が閉じられて再び手術画像400が表示される。この場合、さらに、手術画像400において、編集画像500が閉じられる際に選択されていた栞項目501aに対応する栞の前後(例えば、±5秒)の動画が繰り返し再生される。これにより、観察者は、重点的に学習したい場面について、各画像を繰り返し参照して学習を円滑に進めることができる。
【0152】
なお、ループ再生ボタン512が操作されたときの動画の繰り返し再生回数は特に限定されず、観察者が再生終了の指示をするまで再生を繰り返してもよいし、予め設定された繰返し回数で再生を終了してもよい。また、当該動画は必ずしも繰返し再生される必要は無く、1回再生されると終了してもよい。
【0153】
観察端末340を用いて講義が行われる場合、講師は、手描きの画像502aを挿入することにより、画像502aが示す部分に、講義の受講者を注目させることができる。これにより、受講者は、オペレータによる操作を円滑に学習できる。
【0154】
図25では、手術画像400において栞挿入ボタン425が操作された後で、スクリーンショット502に対して手描きの画像502aが挿入される場合について説明したが、手術画像400において先に手描きの画像を挿入することもできる。
【0155】
図26は、先に手描きの画像491が挿入される場合の手術画像400の構成を模式的に示す図である。
【0156】
図17、18に示す手術画像400において、編集開始ボタン427が操作されると、
図26に示すように、手術画像400において、動画コントロール領域420内に編集開始ボタン427に代えて編集ツール領域428が表示される。編集ツール領域428は、手描きの線の色を変更するためのアイコンと、書き込みを終了させるための終了アイコンとを備える。
【0157】
観察者は、
図26に示す手術画像400において、マウスを操作して手描きの画像491を挿入し、栞挿入ボタン425を操作する。これにより、手術画像400のスクリーンショット502と、手描きの画像491とが、情報処理装置320の記憶部322に自動的に保存される。そして、手描きの画像491が挿入された状態のスクリーンショット502を含む編集画像500が表示される。なお、手描きの画像491の挿入は、手術画像400の再生中に行われてもよいし、手術画像400の再生を一旦停止した状態で行われてもよい。
【0158】
次に、
図27~30を参照して、情報処理装置320の制御部321が行う処理を説明する。
【0159】
図27は、手術画像400の生成に必要な情報を受信する処理を示すフローチャートである。
【0160】
ステップS1において、情報処理装置320の制御部321は、記憶装置310からリアルタイムで送信された内視鏡画像、手術室画像、状態ログおよび動作ログを受信し、記憶部322に記憶する。状態ログには、エンコーダ261の出力に基づく操作部221の状態(グリップ角度)を示すログ、エンコーダ272~276の夫々の出力に基づく可動部222~226の状態(移動量)を示すログ、リミットセンサ281~287の夫々の出力に基づくフットペダル231~237の状態(例えば、通電または非通電)を示すログ、ヘッドセンサ212の出力に基づくビューア211の状態(ビューアへのオペレータの接近の有無)を示すログが含まれる。動作ログには、エンコーダ142の出力に基づくアーム装置1の動作部140の動作(動作量)を示すログが含まれる。
【0161】
図28は、手術画像400を生成する処理を示すフローチャートである。
図28の各処理は、観察端末340からの要求に応じて実行される。
【0162】
ステップS2において、制御部321は、状態ログおよび動作ログに基づいて、第1~第3の再構成画像を生成する。第1の再構成画像は、オペレータが接触して操作する操作対象(操作部221、フットペダル231~237およびビューア211)に対する操作を視覚化した画像432a、432b、434、435、440を含む。第2の再構成画像は、操作対象(フットペダル231~237)に対する操作準備の状態(足がフットペダルの前方または上方に位置づけられた状態)を模式的に示す画像435を含む。第3の再構成画像は、アーム装置1のアームに装着された鉗子の動作を視覚化した画像433a、433bを含む。
【0163】
また、ステップS2において、制御部321は、状態ログのうち、操作部221の状態(グリップ角度;
図13において、ハンドコントローラ(右)の1_グリップ角度およびハンドコントローラ(左)の1_グリップ角度)を示すログおよび可動部222~226の状態(移動量;
図13において、ハンドコントローラ(右)の1_1軸~1_7軸およびハンドコントローラ(左)の1_1軸~1_7軸)を示すログ基づいて模式画像404を生成し、動作ログに基づいて模式画像403を生成する。
【0164】
ステップS3において、制御部321は、内視鏡画像401、手術室画像402およびステップS2で生成した模式画像403、404と、ステップS2で生成した第1~第3の再構成画像とに基づいて手術画像400を生成する。ステップS4において、制御部321は、ステップS3で生成した手術画像400に付加情報を追加する。
【0165】
図29は、
図28のステップS4の付加情報の追加処理の詳細を示すフローチャートである。
【0166】
ステップS11において、情報処理装置320の制御部321は、全期間の内視鏡画像401のうち既に視聴された内視鏡画像401の部分および視聴回数を示す情報(
図20の視聴回数を示す画像460)を、手術画像400に追加する。ステップS12において、制御部321は、手術器具121~124の装着の有無を時系列で示す情報(
図20の手術器具の使用記録を示す画像450)、および、手術器具の種類を示す情報(
図20の手術器具情報451および
図21の画像437)を、手術画像400に追加する。
【0167】
図28に戻り、ステップS5において、制御部321は、ステップS4で付加情報を追加した手術画像400を、観察端末340に対して提供する。なお、制御部321は、所定期間の内視鏡画像、手術室画像、状態ログ、および動作ログについてステップS1~S4の処理を実行した後、ステップS5の処理を実行する。制御部321は、観察端末340から手術画像400の表示を終了する指示を受信するまで、ステップS1~S5の処理を繰り返し実行し、終了指示を受信すると、
図28の処理を終了する。
【0168】
なお、制御部321は、全期間の内視鏡画像、手術室画像、状態ログ、および動作ログについてステップS1~S4の処理を実行した後、ステップS5の処理を実行してもよい。この場合、ステップS1~S5の繰り返し処理は不要である。
【0169】
図28の処理では、制御部321は、ステップS5の手術画像400を提供する工程において、観察端末340の表示部343に、内視鏡画像401、手術室画像402、模式画像403、404、動画コントロール領域420、情報表示領域430内の各画像、および、画像440、450、460が、経時的に変化しつつ互いに同期されて表示される画像(動画)を提供する。
【0170】
図30は、栞の追加によるスクリーンショット502の記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【0171】
ステップS21において、情報処理装置320の制御部321は、栞挿入ボタン425が操作されたか否かを判定する。栞挿入ボタン425が操作された場合、ステップS22において、制御部321は、内視鏡画像401の再生位置、および、栞挿入ボタン425が操作された時点の手術画像400のスクリーンショットを記憶する。ステップS23において、制御部321は、観察端末340から手術画像400の再生を終了する指示を受信したか否かを判定する。制御部321は、終了指示を受信していない場合、処理をステップS21に戻し、終了指示を受信した場合、
図30の処理を終了する。
【0172】
図31は、スクリーンショット502の表示および栞位置前後の再生に関する処理を示すフローチャートである。
【0173】
ステップS31において、情報処理装置320の制御部321は、栞が選択されたか否かを判定する。栞の選択は、編集画像500において栞項目501aが操作されること、手術画像400において栞マーク426が操作されること、および、手術画像400において栞挿入ボタン425が操作されること、により実行される。
【0174】
栞が選択された場合、ステップS32において、制御部321は、対象となるスクリーンショット502と、当該スクリーンショット502に関連付けられた手描きの画像502a、491およびテキスト504aを、観察端末340に対して提供する。これにより、
図25に示したように、観察端末340の表示部343に、スクリーンショット502、画像502a、491およびテキスト504aを含む編集画像500が表示される。
【0175】
ステップS33において、制御部321は、編集画像500のループ再生ボタン512が操作されたか否かを判定する。ループ再生ボタン512が操作された場合、編集画像500が閉じられ、手術画像400が表示される。そして、ステップS34において、制御部321は、選択された栞位置の前後所定期間(例えば、-5秒から+5秒まで)の間を繰り返し再生するよう、観察端末340に情報を送信する。すなわち、例えば、選択された栞位置±5秒が、観察端末340においてループ再生される。ループ再生ボタン512が操作されていない場合、処理がステップS35に進められる。
【0176】
ステップS35において、制御部321は、編集画像500の閉じるボタン511が操作されたか否かを判定する。閉じるボタン511が操作されていない場合、制御部321は、処理をステップS33に戻す。閉じるボタン511が操作された場合、編集画像500が閉じられ、手術画像400が表示される。こうして、
図31の処理が終了する。
【0177】
<実施形態の効果>
情報処理装置320の制御部321は、オペレータが操作装置2の操作部221(
図4参照)、フットペダル231~237(
図5参照)およびビューア211(
図3参照)(操作対象)を操作することによって変化する操作対象の状態を示す状態ログ(
図13参照)を取得し(
図27のステップS1)、状態ログに基づいて、操作対象に対するオペレータの操作を視覚化した画像432a、432b、434、435(
図21参照)および画像440(
図20参照)(再構成画像)を生成し(ステップS2)、手術用ロボット4または手術器具121~124(
図2参照)の動作を示す内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(
図17参照)(動作画像)と、再構成画像と、を関連付けた手術画像400(
図17、18参照)を提供する(
図28のステップS5)。
【0178】
観察者は、動作画像と再構成画像とを参照することにより、手術用ロボット4または手術器具121~124の動作と、そのための操作対象の操作とを、容易かつ正確に確認できる。
【0179】
操作部221(操作対象)は、オペレータの操作に応じて移動され、状態ログは、操作部221(操作対象)の状態を検知するエンコーダ261およびセンサ等(状態検知器)の出力に基づく情報(位置、回転量、角度、有無等)を含む。この構成によれば、操作装置2の操作対象の状態を検知するエンコーダ261等の出力を用いることにより、オペレータが実際に操作対象をどのように移動させたかを視覚化した画像432a、432b(再構成画像)を生成できる。
【0180】
操作部221(操作対象)は、オペレータの操作に応じて移動され、再構成画像は、オペレータの操作による操作部221(操作対象)の移動の度合いを模式的に示す画像432a(
図21参照)(模式画像)を含む。この構成によれば、オペレータによる微妙な操作加減を模式的に視覚化でき、観察者は、オペレータが操作部221をどの程度移動させていたのかを直観的に把握できる。これにより、例えば、未熟者であっても、熟練者による微妙な操作を画像432aにより確認することで、熟練した操作対象の操作スキルを円滑に習得できる。
【0181】
画像432a(模式画像)は、操作部221の一対の可動板221b(操作対象)が移動する平面上の操作対象を模式化した画像である。この構成によれば、観察者は、画像432aを参照することにより、一対の可動板221bの移動平面上における移動量を正確に確認できるため、一対の可動板221bの移動をより正確に把握できる。
【0182】
再構成画像は、オペレータの操作による操作部221(操作対象)の移動の度合いを数値で示す画像432b(
図21参照)を含む。この構成によれば、オペレータが操作対象をどの程度移動させていたかを、例えば、操作対象が移動した距離や角度により定量的に示すことができ、観察者は、操作対象の移動の度合いを定量的に把握できる。これにより、観察者は、効率的且つ正確に操作対象の操作を学ぶことができ、熟練者の手技を再現しやすくなる。
【0183】
操作対象は、アーム装置1に取り付けられた鉗子(電気器具)への通電および非通電を切り替えるフットペダル234~237(操作子)を含み、状態ログは、フットペダル234~237(操作子)による通電および非通電の切り替えを示す情報を含み、再構成画像は、フットペダル234~237(操作子)が操作されていた期間を模式的に示す画像434(
図21参照)を含む。この構成によれば、観察端末340を利用する観察者は、内視鏡画像401に示された鉗子(電気器具)による患部の施術において、オペレータが散発的に電気器具に通電したのか、ある程度の期間に渡って連続的に電気器具に通電したのかを把握できる。これにより、観察者は、電気メス等の電気器具を用いて患部を切開し、または凝固させる際に、電気器具にどのような通電操作を行えばよいかを学習できる。
【0184】
操作対象は、オペレータが内視鏡画像401を観察するためのビューア211(表示部)を含み、状態ログは、ビューア211へのオペレータの接近を検知するヘッドセンサ212(センサ)の出力に基づく情報を含み、再構成画像は、ビューア211へのオペレータの接近の継続期間および中断期間を模式的に示す画像440(
図20参照)を含む。ビューア211へのオペレータの接近の継続期間は、オペレータがビューア211の画像を視聴して施術いることを示唆し、中断期間は、オペレータがビューア211の画像を視聴せず、施術を中断していることを示唆する。この構成によれば、観察者は、画像440を参照することで、オペレータによる施術のインターバルを把握できる。これにより、観察者は、内視鏡画像401に示された施術がどのような状態になった場合に、施術を中断して、補助者に対する指示や鉗子の交換、休息等を行えばよいかを学習できる。
【0185】
再構成画像は、フットペダル231~237(操作対象)に対する操作タイミングを模式的に示す画像434、435を含む。操作タイミングは、画像434において信号値がONになったタイミング、および、画像435内のペダル画像471~477(
図23参照)の外周に色が付されたタイミングにより示される。この構成によれば、観察者は、内視鏡画像401に示された施術において、どのようなタイミングでオペレータが操作対象を操作したかを、容易に把握できる。
【0186】
図28のステップS2は、フットペダル231~237(操作対象)に対する操作準備の状態を検知するフットセンサ241~248(センサ)からの出力に基づいて、操作準備の状態を模式的に示す画像435(第2の再構成画像)を生成する工程を含む。手術画像400において、動作画像と第2の再構成画像とが関連付けられる。
図22の下段に示すように、足画像481が表示され、当該足画像481に対応するペダル画像の外周に色が付されていない場合、対応するフットペダルに対して足が操作準備の状態であることが分かる。この処理によれば、観察者は、内視鏡画像401に示された施術において、どのようなタイミングでオペレータがフットペダル231~237に対する操作の準備を行ったかを、容易に把握できる。
【0187】
図27のステップS1は、操作部221(操作対象)に対する操作により駆動されるアーム装置1の動作部140の動作ログを取得する工程を含み、
図28のステップS2は、動作ログに基づいて動作部140の駆動状態を視覚化した画像433a、433b(第3の再構成画像)を生成する工程を含む。手術画像400において、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と、第3の再構成画像とが関連付けられる。この処理によれば、観察者は、オペレータによる操作部221の操作と、この操作に応じてアーム装置1の動作部140が実際にどのように駆動されるかを比較できる。
【0188】
操作装置2は、操作部221(操作対象)と、オペレータが操作部221(操作対象)に接触して操作することに連動して移動する可動部222~226(第2の操作対象)と、を含む。動作画像は、状態ログに基づいて、操作部221および可動部222~226の移動を全体的に視覚化した模式画像404を含む。この処理によれば、観察者は、例えば、画像432a、432b(再構成画像)と合わせて模式画像404を参照することにより、オペレータによる操作によって実際にハンドコントローラ220がどのように動作したかを円滑に確認できる。
【0189】
情報処理装置320の制御部321は、全期間の動作画像のうち既に視聴された動作画像の部分および視聴回数を示す情報として、
図20の視聴回数に関する画像460を手術画像400に追加し(
図29のステップS11)、画像460が追加された手術画像400を提供する(
図28のステップS5)。この処理によれば、観察者は、難解な手技や操作が行われた工程等、これまでに頻繁に参照された手術の工程を把握できる。これにより、観察者は、手技および操作対象に対する操作を効率的に学習できる。
【0190】
オペレータが接触して操作する操作対象は、アーム装置1に取り付けられた鉗子の先端を開閉させるための操作部221である。この構成によれば、観察者は、熟練者の手による操作対象の操作を把握でき、手技に対する熟練者の操作を再現しやすくなる。
【0191】
情報処理装置320の制御部321は、アーム装置1に対する手術器具121~124の着脱を検出するセンサ151~154の出力に基づいて、手術器具121~124の装着の有無を時系列で示す情報として、
図20の手術器具の使用記録に関する画像450を手術画像400に追加し(
図29のステップS12)、画像450が追加された手術画像400を提供する(
図28のステップS5)。この処理によれば、観察者は、内視鏡画像401に示された施術において、アーム装置1に対する手術器具121~124の着脱や交換のタイミングを把握できる。これにより、観察者は、手術器具121~124を用いた熟練者の手技を再現しやすくなる。
【0192】
情報処理装置320の制御部321は、アーム装置1に装着されている手術器具121~124の種類を示す情報として、
図20の手術器具情報451および
図21の画像437を手術画像400に追加し(
図29のステップS12)、手術器具情報451および画像437が追加された手術画像400を提供する(
図28のステップS5)。この処理によれば、観察者は、施術の進行状況に応じてどのような手術器具が用いられたかを把握できる。これにより、観察者は、手術器具121~124を用いた熟練者の手技を再現しやすくなる。
【0193】
オペレータが接触して操作する操作対象は、操作装置2のフットペダル231~237である。この構成によれば、観察者は、熟練者の足による操作対象の操作を把握でき、足による熟練者の操作を再現しやすくなる。例えば、フットペダル233によってハンドコントローラ220の操作を内視鏡122のアングル調整に切り替える場合、観察者は、画像435(再構成画像)を参照して、どの程度こまめに内視鏡122のアングルを調整しているかを把握できる。
【0194】
フットペダルは、右足用のフットペダル234~237、および、左足用のフットペダル231~233を含む。観察者は、左右の足によるフットペダル231~237の操作を把握できる。
【0195】
オペレータが接触して操作する操作対象は、アーム装置1に取り付けられた手術器具121~124を動作させるためのハンドコントローラ220の操作部221およびフットペダル231~237を含み、再構成画像は、操作部221に対する操作を視覚化した画像432a、432b(第1画像)と、フットペダル231~237に対する操作を視覚化した画像434、435(第2画像)と、を含む。手術画像400において、
図21に示すように、画像432a、432b(第1画像)が画像435(第2画像)よりも上方に配置される。この構成によれば、オペレータの手足の上下位置と、手術画像400における操作対象の上下位置とが一致するため、観察者は、オペレータによる操作をより円滑に学習できる。
【0196】
情報処理装置320の制御部321は、手術画像を提供する工程(
図28のステップS5)において、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と、画像432a、432b、434、435(再構成画像)とを経時的に変化させる。この処理によれば、観察者は、手術の進行に伴う操作対象の操作を、経時的に変化する動作画像および再構成画像、すなわち動画により円滑に把握できる。
【0197】
情報処理装置320の制御部321は、手術画像400を提供する工程(
図28のステップS5)において、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と、画像432a、432b、434、435(再構成画像)とを互いに同期させる。この処理によれば、観察者は、動作画像に示された施術に対応する操作対象の操作を円滑に確認できる。
【0198】
情報処理装置320の制御部321は、経時的に変化する手術画像400の表示中に、栞挿入ボタン425を介して任意の時点の指定を受け付け(
図30のステップS21)、指定された時点のスクリーンショット502(手術画像400)を自動的に保存する(ステップS22)。観察者は、経時的に変化する手術画像400の表示中に、任意の時点で手術画像400を保存できるため、施術時の操作を円滑に学習できる。
【0199】
例えば、オペレータの操作が早く、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と画像432a、432b、434、435(再構成画像)とを円滑に見比べることができないような場合、観察者は、
図25に示したように、その時点の手術画像400に対応するスクリーンショット502を保存することができる。また、手術後に、観察者が手術画像400を参照しながら熟練者からレクチャーを受け、
図25、26に示したように熟練者が手術画像400に対して書き込み等を行った場合、観察者は、手術画像400に対応するスクリーンショット502とともに、書き込みに対応する画像502a、491も保存できる。これにより、観察者は、保存したスクリーンショット502をその後に参照することで、施術に対する操作を円滑に学習できる。
【0200】
情報処理装置320の制御部321は、経時的に変化する手術画像400の表示中に、栞挿入ボタン425を介して任意の時点の指定を受け付け(
図30のステップS21)、ループ再生ボタン512を介して指定された時点の再生指示を受け付け(
図31のステップS33)、再生指示に基づき指定された時点の前後所定の期間の手術画像400を再生する(ステップS34)。この処理によれば、観察者は、経時的に変化する手術画像400の表示中の任意の時点で指定を行うことで、その時点付近の動作画像および再構成画像を、再生により確認できる。例えば、オペレータの操作が早く、動作画像と再構成画像とを円滑に見比べることができないような場合、観察者は、その時点を指定することで、その時点付近の動作画像および再構成画像を、再生により確認できる。これにより、観察者は、施術に対する操作を円滑に学習できる。
【0201】
図17に示したように、手術画像400において、内視鏡画像401および模式画像403、404(動作画像)と、アーム装置1が設置された手術室を撮影する手術室カメラ301から得られる手術室画像402とが関連付けられる。なお、
図32に示すように、操作装置2を撮影した画像405、患者の腹部を撮影した画像406、器材庫を撮影した画像407および手術室に繋がる廊下を撮影した画像408などがカメラにより撮影され、画像405~408が、手術画像400において動作画像とともに表示されてもよい。この場合の画像405~408は、動作画像と同時に撮影された動画である。
【0202】
上記のように、手術画像400において、内視鏡画像401および模式画像403、404(動作画像)と、アーム装置1が設置された手術室、操作装置2、患者の腹部、器材庫および手術室につながる廊下の少なくとも一つを撮影するカメラから得られる画像と、が関連付けられることにより、観察者は、動作画像に示された施術の進行状況に応じて、手術室、操作装置2、患者の腹部、器材庫および廊下がどのような状況にあるかを確認できる。例えば、観察者は、手術室における補助者からの補助および動作、操作装置2のハンドコントローラ220の各関節の角度、患者の腹部における案内管(トロカール)の角度、および、器材庫または廊下における補助者の出入りや移動が、施術の進行状況に応じてどのような状況にあるのかを確認できる。これにより、観察者は、施術の際の自身およびチームの行動をさらに学習できる。
【0203】
図8に示した情報処理システム5は、記憶装置310および情報処理装置320を備える。記憶装置310は、手術器具121~124が取り付けられた手術用ロボット4のアーム装置1の動作を制御するための操作装置2の操作対象をオペレータが操作することによって変化する操作対象の状態を示す状態ログを記憶する。操作対象は、例えば、操作部221(
図4参照)、フットペダル231~237(
図5参照)およびビューア211(
図3参照)である。情報処理装置320は、記憶装置310に記憶された状態ログに基づいて、操作対象に対するオペレータの操作を視覚化した画像432a、432b、434、435、440(再構成画像)を生成し、手術用ロボット4または手術器具121~124の動作を示す内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と、再構成画像とを関連付けた手術画像400を提供する。
【0204】
この構成によれば、観察者は、動作画像と再構成画像とを参照することにより、手術用ロボット4または手術器具121~124の動作と、そのための操作対象の操作とを、容易かつ正確に確認できる。
【0205】
<変更例>
上記実施形態では、オペレータの操作による操作部221の移動の度合いを示す画像432a(
図21参照)には、一対の可動板221bの模式図が示され、この模式図における一対の可動板221bの開き度合いが、操作部221の操作に応じて描画された。しかしながら、これに限らず、一対の可動板221bの模式図に代えて、画像432aに、一対の可動板221bの開き度合いを模式的に示すメーターが表示されてもよい。
【0206】
画像432aは、操作部221の一対の可動板221b(操作対象)を2次元的かつ模式的に示す画像であったが、これに代えて、可動板221b(操作対象)を3次元的かつ模式的に示す画像であってもよい。
【0207】
上記実施形態では、
図21に示した画像434は、左右のハンドコントローラ220に対応するフットペダルの踏み込み状態をONまたはOFFで示したが、これに限らず、フットペダルがONになることにより対応する電気メスに印加されるエネルギーの強さを示す出力値が表示されてもよい。この場合、フットペダルがONのときに電気メスに印加されるエネルギーの強さを、エネルギージェネレータの設定によって手術中に変更可能であってもよい。例えば、フットペダルがONのときに電気メスに印加されるエネルギーの強さがV1に設定されている場合、フットペダルが踏まれている間は画像434のグラフの高さがV1となり、フットペダルがONのときに電気メスに印加されるエネルギーの強さがV2(>V1)に設定されている場合、フットペダルが踏まれている間は画像434のグラフの高さがV2となり、フットペダルが踏まれていないときは画像434のグラフの高さが0となる。
【0208】
上記実施形態では、
図21に示した画像434には、状態ログに基づいてフットペダル234~237の踏み込み状態が示されたが、これに加えて、動作ログに基づいて実際に鉗子に印加される電圧のONまたはOFFが示されてもよい。
【0209】
上記実施形態では、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404は、経時的かつ連続的に変化する画像、すなわち動画であり、手術画像400の他の部分の表示も、経時的かつ連続的に変化した。しかしながら、これに限らず、手術画像400の各部は、所定の時間間隔(例えば、数秒間隔)で変化する複数の静止画(コマ送り動画)であってもよい。また、
図25のループ再生ボタン512により繰り返し再生が行われる場合も、手術画像400の各部は、コマ送り動画であってもよい。
【0210】
上記実施形態では、内視鏡画像401、手術室画像402および模式画像403、404(動作画像)と、画像432a、432b、434、435(再構成画像)とは、互いに同期していたが、動作画像と再構成画像とが関連付けられていれば、互いに同期していなくてもよい。例えば、再構成画像が、動作画像に比べて少し遅れて表示されてもよい。すなわち、再構成画像の表示対象となる時刻が、動作画像の表示対象となる時刻より遅れていてもよい。再構成画像の遅延時間は、観察者が学習しやすいように調整できてもよい。これにより、観察者は、動作画像を見た後で、視線を再構成画像に移動し、直前に動作画像で見た操作を再構成画像で確認できる。
【0211】
同様に、上記実施形態の変更例では、画像405~408(
図32参照)が、動作画像および再構成画像と同期していたが、動作画像および/または再構成画像と同期しなくてもよい。また、画像405~408は、動作画像および/または再構成画像の全期間の動画である必要はなく、所定期間のみが表示されてもよい。
【0212】
上記実施形態では、栞挿入ボタン425により手術画像400に対応するスクリーンショット502が、情報処理装置320の記憶部322に保存されたが、これに限らず、観察端末340の記憶部342に保存されてもよい。
【0213】
上記実施形態では、記憶装置310に記憶された手術室画像、内視鏡画像、動作ログおよび状態ログが、手術中にリアルタイムで情報処理装置320に送信されたが、手術後に送信されてもよい。
【0214】
上記実施形態では、手術画像400は、画像401~404、画像432a~435等を含んでいたが、手術画像400は、画像401~404(動作画像)のうち少なくとも1つと、画像432a、432b、434、435、440(オペレータの操作を視覚化した再構成画像)のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。この場合も、観察者は、動作画像と再構成画像とを参照することにより、手術用ロボット4または手術器具121~124の動作と、そのための操作対象の操作とを、容易かつ正確に確認できる。
【0215】
上記実施形態では、状態ログおよび動作ログは、所定の時間間隔で取得された現在値で構成されているが、これには限定されない。例えば、制御部131または制御部251は、エンコーダまたはセンサが値または信号を出力するたびに、その値または信号を現在値として取得し、状態ログおよび動作ログの少なくとも一方が、それらの現在値により構成されていてもよい。
【0216】
上記実施形態では、手術画像400の情報表示領域430には、操作情報タブと設定情報タブが表示されていたが、さらに、エラー情報タブが表示されてもよい。
【0217】
図33は、エラー情報タブが選択されている場合の、手術画像400を示す図である。
【0218】
図33に示すように、エラー情報タブが選択されると、エラーの発生履歴に応じてエラー情報600が表示される。また、エラー情報600のいずれかが選択されると(
図33の例では、4番目(最下行)のエラー情報600が選択されている)、選択されたエラーのエラーメッセージやエラー発生日時などを含む詳細情報600aが表示される。また、選択されたエラー情報600に対応する注意喚起マーク424が、動画コントロール領域420内で強調表示される。また、再生位置マーク422を注意喚起マーク424の位置に移動させることで、発生したエラーの対象となった装置(本例では、アーム装置1)のエラー発生時点の静止画403aが表示される。静止画403aは、模式画像403(動画)のエラー発生時点における画像である。これにより、観察者は、いつ、どのようなエラーが発生し、エラー発生時点において、エラーの対象となった装置がどのような動作状態であったかを容易に把握することができる。
【0219】
また、
図33において、観察者は、再生位置マーク422を注意喚起マーク424の位置に移動させた後、操作情報タブを操作して、情報表示領域430に
図21と同様の情報を表示させることもできる。これにより、観察者は、エラー発生時点における静止画403aを見つつ、そのときのオペレータの操作を視覚化した再構成画像を参照できるため、エラー発生時点でのオペレータの操作を詳細に把握できる。
【0220】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0221】
1 アーム装置
2 操作装置
4 手術用ロボット
5 情報処理システム
121 手術器具(鉗子)
122 手術器具
123 手術器具(鉗子、電気器具)
124 手術器具(鉗子)
140 動作部
151~154 センサ
211 ビューア(操作対象、表示部)
212 ヘッドセンサ(センサ)
220 ハンドコントローラ
221 操作部(操作対象)
221b 可動板(操作対象)
222~226 可動部(第2の操作対象)
231~233 フットペダル(操作対象)
234~237 フットペダル(操作対象、操作子)
261 エンコーダ(状態検知器)
301 手術室カメラ(カメラ)
310 記憶装置
320 情報処理装置
400 手術画像
401 内視鏡画像(動作画像)
402 手術室画像(動作画像、画像)
403、404 模式画像(動作画像)
405~408 画像
432a 画像(再構成画像、模式画像、第1画像)
432b 画像(再構成画像、第1画像)
433a、433b 画像(第3の再構成画像)
434 画像(再構成画像、第2画像)
435 画像(再構成画像、第2の再構成画像、第2画像)
440 画像(再構成画像)
450 画像(情報)
460 画像(情報)
502 スクリーンショット(手術画像)