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特開2023-183970箱体を自動的に開封して内容物を収集するシステム及び当該システムの移送装置
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  • 特開-箱体を自動的に開封して内容物を収集するシステム及び当該システムの移送装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183970
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】箱体を自動的に開封して内容物を収集するシステム及び当該システムの移送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B65B69/00 103
B65B69/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097816
(22)【出願日】2022-06-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開日 令和3年9月17日 開示した場所 株式会社アセプティック・システム(東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号) 2.公開日 令和4年1月24日 本発明の内容を記載したパンフレット 3.公開日 令和4年1月24日 開示した場所 アサヒ飲料株式会社(東京都墨田区吾妻橋1-23-1) 4.公開日 令和4年1月24日 開示した場所 カゴメ株式会社(栃木県那須塩原市西富山30) 5.公開日 令和4年1月26日 開示した場所 神奈川柑橘果工株式会社(神奈川県足柄上郡山北町岸716番地) 6.公開日 令和4年1月27日 開示した場所 九星飲料工業株式会社(福岡県糸島市波多江字中川原100) 7.公開日 令和4年1月28日 開示した場所 キリンビバレッジ株式会社(神奈川県高座郡寒川町倉見1620)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 8.公開日 令和4年2月2日 開示した場所 ゴールドパック株式会社(長野県安曇野市堀金烏川1984-1) 9.公開日 令和4年2月2日 開示した場所 コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社(東京都港区赤坂九丁目7番1号) 10.公開日 令和4年2月3日 開示した場所 サントリープロダクツ株式会社(東京都港区芝浦三丁目1番1号 田町ステーションタワーN) 11.公開日 令和4年2月4日 開示した場所 ジャパンフーズ株式会社(千葉県長生郡長柄町皿木203番地1) 12.公開日 令和4年2月4日 開示した場所 信州ビバレッジ株式会社(長野県松本市今井中道6691) 13.公開日 令和4年2月7日 開示した場所 日本アスパラガス株式会社(北海道岩内郡岩内町字野束22-3) 14.公開日 令和4年2月7日 開示した場所 日本果実工業株式会社(山口県山口市仁保下郷1771番) 15.公開日 令和4年2月8日 開示した場所 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(愛知県名古屋市中区栄3-27-1) 16.公開日 令和4年2月9日 開示した場所 丸善食品株式会社(長野県千曲市大字寂蒔880) 17.公開日 令和4年2月9日 開示した場所 ユーシーシー上島珈琲株式会社(兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目7番7) 18.公開日 令和4年2月9日 開示した場所 和歌山ノーキョー食品工業株式会社(和歌山県和歌山市美園町五丁目1番地の1) 19.公開日 令和4年2月10日 開示した場所 株式会社日本キャンパック(東京都千代田区丸の内2-2-2 丸の内三井ビル) 20.公開日 令和4年2月21日(頒布日) 本発明の内容を記載したパンフレット
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 21.公開日 令和4年3月8日、令和4年3月22日(頒布日) 本発明の内容を記載したパンフレット
(71)【出願人】
【識別番号】592110532
【氏名又は名称】旭日産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】307002127
【氏名又は名称】株式会社ウエノテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 隆志
(72)【発明者】
【氏名】奈良 岳史
(72)【発明者】
【氏名】大崎 秀哉
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA02
3E058BA20
3E058CA02
3E058DA10
3E058EA03
3E058FA04
3E058GA02
3E058GA05
3E058GA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】箱体を自動的に開封して内容物を収集するために使用されるシステムの小型化を実現し、メンテナンス及びコストを含めた効率化を図る。
【解決手段】システム1が、第1の移送装置2と、第1の切断装置3、協働ロボット4、内容物回収装置6を含み、第1の移送装置は、第1の搬送装置及び直交ロボットを備え、直交ロボットは、箱体の把持手段を備え、鉛直移動及び水平移動可能にシャフト構成され、積載された箱体を第1の搬送装置へ運ぶことが可能であり、第1の搬送装置は、直交ロボットを支えるフレーム構成と、第1の切断装置に向けた搬送手段を備えており、第1の切断装置は、箱体の保持部及び第1の切断器を備え、協働ロボットは、6軸以上を有し、箱体の把持手段を備えたロボットであり、内容物回収装置6は、箱体から内容物を収容するための収容部を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物又は袋対内に収容された内容物が梱包された箱体を自動的に開封して内容物を収集するシステムであって、
第1の移送装置と、第1の切断装置、多軸ロボット、内容物回収装置を含み、
前記第1の移送装置は、第1の搬送装置及び直交ロボットを備え、
前記直交ロボットは、箱体の把持手段を備え、鉛直移動及び水平移動可能にシャフト構成され、積載された箱体を第1の搬送装置へ運ぶことが可能であり、
前記第1の搬送装置は、前記直交ロボットを支える構成と、前記第1の切断装置に向けた搬送手段を備えており、
前記第1の切断装置は、箱体の保持部及び第1の切断器を備え、
前記多軸ロボットは、6軸以上を有し、箱体の把持手段を備えたロボットであり、
内容物回収装置は、箱体から内容物を収容するための収容部を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
第2の切断器を備える第2の切断装置をさらに備え、
前記第2の切断器は、前記第1の切断装置が切断していない、箱体のサイド又は中央テープを切断可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の搬送装置は、互いに直交する複数のフレームを含んで構成され、
前記直交ロボットを構成するシャフトの少なくとも一つが、前記第1の移送装置のフレームの一つに沿って連結されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記直交ロボットが、前記把持装置を水平に回動可能な回転軸を備えていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の移送装置が、センサと、前記第1の切断装置に向けた搬送手段とは別の方向へ向けた搬送手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の切断装置が、箱体の搬送手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の切断装置が、切断器の水平又は鉛直方向の移動手段を備えていることを請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記多軸ロボットのリーチ長が2000mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記多軸ロボットが協働ロボットであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
システムが、制御盤、複数の集塵機、空箱回収装置、制御装置をさらに備え、稼働状態において、構成要素を8M×4M以内に配置可能に構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記多軸ロボットのリーチ長が1500mm以下であり、構成要素が6M×3M以内に配置可能に構成されていることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
空箱折り畳み装置をさらに備え、
先端が箱体に応じた幅を有する刃状の先端部と、シャフト部を有する開封部材と、前記シャフト部の水平又は鉛直方向への移動装置を含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
内容物又は袋対内に収容された内容物が梱包された箱体を自動的に開封して内容物を収集し空箱を回収するシステムに使用される移送装置であって、
互いに直交する複数のフレームを枠組みとして備え、
直交ロボットを含み、
前記直交ロボットを構成するシャフトの少なくとも一つが、前記フレームと連結されていることを特徴とする移送装置。
【請求項14】
請求項13に記載の移送装置と、
第1の切断装置、協働ロボット、内容物回収装置をさらに備える、システム。
【請求項15】
制御盤、集塵機、空箱回収装置をさらに備え、稼働状態において、構成要素を8M×4M以内に配置可能であることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は箱体を自動的に開封して内容物を収集するシステム及び当該システムの移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、箱体を自動的に開封して内容物を収集するために使用されるシステム及び移送装置が知られている。より詳細には、典型的にはビニール製等の内袋に包装され、段ボール箱などの箱体に梱包されている内容物を、ロボットを使用して自動工程にて収集し、箱体を折り畳み回収するシステムが提供されている。当該システムは、例えばボトル型の容器に内容物を充填し、キャップにより封止して提供する工場等において、大量のキャップの供給が必要になることから、キャップの供給システムと併用して備えられることが多い。
【0003】
そして、このような自動システムでは、箱体のピッキング、カッティング、開封及び回転、内容物収集、箱体回収といった工程が必要となることから、産業用ロボットが用いられており、当該ロボットの動作を介して自動化が実現されている。従来工程としては、箱体の積層体から箱体を1つピッキングし、所定の位置に移動する工程、所定の位置において、箱体のテープの一部をカッティングする工程、再度所定の位置に移動する工程、箱体を開封して内容物を収集する工程、再度箱体を所定の位置に移動する工程、箱体を折り畳み収容する工程、が存在し、産業ロボットを介して実現されている(https://www.ntech.co.jp/proposal/?id=1616659014-972471)。
【0004】
しかしながら、これら公知のシステムでは、例えば16M×6M程度のスペースを工場内に必要とする。さらに、相当の高さも必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、自動で箱体を自動的に開封して内容物を収集するために使用されるシステムの小型化を実現し、メンテナンス及びコストを含めた効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のシステムは、内容物又は袋対内に収容された内容物が梱包された箱体を自動的に開封して内容物を収集するために使用されるシステムであって、第1の移送装置と、第1の切断装置、多軸ロボット、内容物回収装置を含み、前記第1の移送装置は、第1の搬送装置及び直交ロボットを備え、前記直交ロボットは、箱体の把持手段を備え、鉛直移動及び水平移動可能にシャフト構成され、積載された箱体を第1の搬送装置へ運ぶことが可能であり、前記第1の搬送装置は、前記直交ロボットを支える構成と、前記第1の切断装置に向けた搬送手段を備えており、前記第1の切断装置は、箱体の保持部及び第1の切断器を備え、前記多軸ロボットは、6軸以上を有し、箱体の把持手段を備えたロボットであり、内容物回収装置は、箱体から内容物を収容するための収容部を備えていることからなる。
【0007】
また、第2の切断器を備える第2の切断装置をさらに備え、前記第2の切断器は、前記第1の切断装置が切断していない、箱体のサイド又は中央テープを切断可能な位置に設けられていることが好適である。
また、前記第1の搬送装置は、互いに直交する複数のフレームを含んで構成され、前記直交ロボットを構成するシャフトの少なくとも一つが、前記第1の搬送装置のフレームの一つに沿って連結されていることが好適である。
また、前記直交ロボットが、前記把持装置を水平に回動可能な回転軸を備えていることが好適である。
また、前記第1の移送装置が、センサと、前記第1の切断装置に向けた搬送手段とは別の方向へ向けた移送手段をさらに備えていることが好適である
また、前記第2の切断装置が、箱体の搬送手段をさらに備えていることが好適である。
また、前記第2の切断装置が、切断器の水平又は鉛直方向の移動手段を備えていることが好適である。
また、前記多軸ロボットのリーチ長が2000mm以下であることが好適である。
また、前記多軸ロボットが協働ロボットであることが好適である。
【0008】
さらに、システムが、制御盤、複数の集塵機、空箱回収装置、制御装置をさらに備え、稼働状態において、構成要素を8M×4M以内に配置可能に構成されていることが好適である
また、前記多軸ロボットのリーチ長が1500mm以下であり、前記システムが、構成要素を6M×3M以内に配置可能に構成されていることが好適である。
また、前記空箱折り畳み装置は、先端が箱体に応じた幅を有する刃状の先端部と、シャフト部を有する開封部材と、前記シャフト部の水平又は鉛直方向への移動装置を含むことが好適である。
【0009】
さらに、本発明は、内容物又は袋対内に収容された内容物が梱包された箱体を自動的に開封して内容物を収集し空箱を回収するシステムに使用される移送装置であって、互いに直交する複数のフレームを枠組みとして備え、直交ロボットを含み、前記直交ロボットを構成するシャフトの少なくとも一つが、前記フレームと連結されていることを特徴とする移送装置からなる。
【0010】
また、前記移送装置と、第1の切断装置、協働ロボット、内容物回収装置をさらに備えることが好適である。
また、制御盤、集塵機、空箱回収装置をさらに備え、稼働状態において、構成要素を8M×4M以内に配置可能であることが好適である。
【0011】
本発明者は、公知のシステムにおいて、産業用ロボットの採用が自動化を実現しており、かつ多くの作業工程をこなしている一方で、各工程における作業スペースの確保が必要となる結果として、現行の必要スペースが要求されていると判断し、新たな構成による全行程の自動化を提供するに至ったものである。
【0012】
本発明において、第1の移送装置は、箱体の積層体からの箱体のピックアップと、第1の切断装置への搬送を行う。そして、第1の移送装置は、第1の搬送装置及び直交ロボットを備えている。すなわち、本発明では、第1の移送装置が搬送装置を備えているだけではなく、集積体からのピックアップ及び配置手段を備えて構成されている。箱体の積層体からの箱体のピックアップと、第1の切断装置への搬送を行うために、直交ロボットが採用される。直交ロボットは、少なくともX,Y,Zの3軸の移動を可能にした直交シャフト(スライド軸、単軸直動ユニットとも呼ばれる)と、箱体の把持装置を備える。限定されない1例としては、X,Y軸シャフトは水平方向への移動を可能にするものであり、X軸シャフトは、Z軸シャフトに接続され積層体の配置箇所へ向けて突出した構成で、集積エリアに向けて把持装置を備える。Y軸シャフトは平行に複数設けられる。Z軸シャフトは、Y軸シャフトに連結される。把持装置は、X軸シャフト上を動くことでX軸上の移動を、Z軸シャフトがY軸上を動くことでY軸の移動を、X軸がZ軸上を動くことでZ軸上の移動が可能となる。これは一例であり、軸を入れ替えて構成されても良いが、いずれにしても積層体からのピックアップ及び配置が可能な把持装置の作動領域が担保されている必要がある。
【0013】
好ましくは、把持装置が水平方向に回動可能な回転軸を備える。当該構成は、箱の向きを水平方向に回動すること可能にするものであり、集積体における箱体の向きが不統一である場合にも、一定の向きで搬送手段に配置することができる。この場合、直交ロボットの軸は4軸となる。なお、把持装置にさらなる駆動軸を持たせることや、5軸以上のシャフトを備えた直交ロボットを採用することを排するものではないが、制御が容易で小型軽量のものが好ましい。
【0014】
把持手段は、典型的には吸引ヘッドを装備している公知のハンドラーを適用できる。ただし、箱体を把持して運ぶことができる限り、特に限定されず、爪状部材等を使用するものも適用可能である。
【0015】
第1の搬送装置は、箱体を搬送するための搬送手段と、フレーム構成を含んで構成される。搬送手段は、典型的にはコンベアであるが、空気圧搬送やシリンダによる押し出しなど、他の手段を排除するものではない。コンベアの場合、典型的にはチェーン駆動式が用いられるが、モータローラ駆動、アキュームローラコンベア、ベルト駆動コンベアなど、公知の様々な形式のものを用いることができる。フレーム構成は、搬送手段を囲う枠組みとして設けられる。好ましくは、少なくとも4本の鉛直フレーム(Z軸フレーム)、複数の高さにおける水平フレーム(X,Y軸フレーム)を備えており、搬送手段がその枠内に設置される。搬送手段は、その一端が枠から積層体方向に延出した位置に設置されることで、積層体からのピックアップ、配置、搬送が可能となり、他端は箱体を第1の切断装置に搬送できる位置に設けられる。
【0016】
好ましくは、直交ロボットを構成するシャフトの少なくとも一つが、前記第1の搬送装置のフレームの一つに沿って連結されている。具体的かつ好適には、直交ロボットの複数のY軸シャフトが、複数のY軸フレームに沿って、略同一幅に連結される。当該構成を備えることで、直交ロボットの安定性が確保できると同時に、フレームと実質的に一体化させて直交ロボットの必要スペースを最小限に留めることができる。代替的には、Z軸フレームに沿って連結する態様や、X軸フレーム又はY軸フレームを介して連結するなどの態様も採用できる。
【0017】
X軸シャフトとY,Z軸シャフトが画定する把持装置の可動域が空間が箱体の配置可能箇所となる。したがって、X軸シャフトの長さは、積層体を受け入れ可能な長さを備える。積層体は、通常パレットに乗せられているため、少なくともパレットのサイズ以上の長さを備える。さらに、この積層手段としてAGV(無人搬送車)を採用することで、自動工程をより完全なものにすることが可能となる。
【0018】
X軸及びY軸フレームは複数段設けられ、台車に積まれた箱体の積層体より高い位置を最高位置とし、当該位置にもX軸フレーム及びY軸フレームが存在することが好ましい。当該構成は、積層体最上段に積まれた箱体の移送を可能にしつつ、直交ロボットによる安定的な保持を継続できる。また、本発明においては、第1の移送装置の最高位置が、システム全体の挙動を含めた最高位置とすることができ、高さスペースの観点からも有利である。
【0019】
フレームの素材や厚さ、直交ロボットのシャフトの素材などは、適宜選択できるが、直交ロボットのシャフトは軽量のものが好ましく、フレーム素材は、直交ロボットが最遠端にて箱体を保持しても安定性が保つに十分な重量及びサイズの素材を採用する。
【0020】
搬送装置は、好ましくはセンサ及び第1の切断装置に向けた搬送手段とは別の方向へ向けた第2の搬送手段をさらに備える。当該構成は、非適格品等の検知と排出を可能にする。具体的な例としては、例えばフレーム上に箱体のバーコードの読み取りセンサ等が設けられ、箱体のバーコードを読み取る。読み取った情報に基づく判定が否であれば、当該箱体を、第1の切断装置以外の方向、最も典型的には第一の搬送手段と直交する方向及び/又はシステム外の方向へ搬出する。搬送手段としては、公知の手段を採用可能であるが、例えば第1の切断装置に向けた搬送手段がコンベアである場合、例えばシリンダ等の物理的押し出し手段を採用可能であり、押し出された箱体を搬出するコンベアがさらに設けられても良い。さらに、非適格品が搬出されたことがシステム外の人間に判別できるためのアラームや点灯装置等が設けられても良い。これら構成は、第1の移送装置の時点での、省スペースな非適格品等の搬出を可能にするものであり、システムの小型化・効率化に有用である。
【0021】
上記第1の移送装置の構成は、システムにおいて高度・大型な産業用ロボットを排したにもかかわらず、省スペース化・小型化・効率化のほか、動作の正確性、設定、メンテナンス性、レイアウト自由度等を向上させる。
【0022】
第1の切断装置は、箱体の所定箇所を切断するため切断器を備える。切断器は、箱体の封止テープ等を切断するために設けられ、丸刃、平刃、ロータリータイプなど、公知の切断器具を採用することができる。切断位置は、第2の切断装置が設けられる場合には、上面の両端部が好適であるが、下面両端部及び/又は中央封止部など、他の位置による切断を排するものではない。具体的な例としては、床から所定の高さに設けられた一対のロータリーカッターを1組以上有し、搬送手段がさらに設けられ、搬送手段が箱体を移動させると、ロータリーカッターにより所望箇所が切断される構成が挙げられる。他には、切断用のカッターを移動可能に取り付け、切断器が水平方向または鉛直方向に移動する構成などを採用可能である。
【0023】
安全性の向上と粉塵回収のため、好適には第1の切断装置が外殻を構成するフレームを有し、当該フレームを介して切断器及び箱体を囲う安全壁が設けられ、その内部に集塵ダクトが設けられる。安全壁は公知の樹脂製プレート(透明のアクリル板)などを採用可能である。さらに、安全壁は箱体の導入口及び排出口において開閉制御可能に設けられることで、密封性を向上させることができる。また、これら構成や配置の自由度、メンテナンス性等に鑑みて、第1の切断装置は、第1の移送装置とは物理的に別個の装置として構成されることが好適である。従来装置では大型の6軸ロボットがパレットからの箱を下す作業も行っていたために、物理的に分離することができなかったが、第1の移送装置と第1の切断装置が物理的に離隔することが可能であることにより専有面積の大幅な削減とレイアウトの自由度の高さを実現している。ただし、第1の切断装置と実質的に組み合わされ、第1の移送装置において第1の切断装置が構成されていても良い。また、第1の移送装置と第1の切断装置が物理的に離隔した場合における両者の接続手段として第1の切断装置にAGVを搭載して活用することも可能である。
【0024】
多軸ロボットは、少なくとも3次元上の所望の位置かつ所望の向きで端部を配置できる6軸以上を備えた産業用ロボットである。本発明においては、第1の移送装置及び第1の切断装置の採用の結果、リーチ長さが2M以下、さらには1.5M以下の協働ロボット、例えば1.2Mの協働ロボットを採用可能となる。したがって、協働ロボットを採用できるものであり、必要スペースを最小限にすることができる。すなわち、従来システムに対して、ロボット数を増加させているにもかかわらず、必要スペースを大幅に減少させている。
【0025】
多軸ロボットは、アーム端部に箱体の把持手段を備える。当該把持手段は、直交ロボットと同様に、公知の把持手段を採用することができる。多軸ロボットは、所定箇所が切断された第1の切断装置の箱体を把持し、必要であれば上下反転させて、第2の切断装置へ配置するほか、下記に説明する動作を実現する。
【0026】
第2の切断装置は、切断器を備え、第1の切断装置が切断していない、箱体の必要箇所の切断を行う。必要箇所は、次の工程で内容物を排出するために必要な箇所であり、例えば箱体が下向きに開封される場合は、フラップを下向きに開放可能な箇所となる。1例として、箱体が第1の切断装置で両サイドを切断している場合、第2の切断装置は、その間の中央テープ部分を切断するように構成される。好適には、箱体の下側から切断を行えるように構成される。第1の切断装置と同様に、丸刃、平刃、ロータリータイプなど、公知の切断器具を採用することができる。中央テープ部分を下側から切断する場合には、下側から上方に向けたロータリータイプのカッターを使用でき、切断器は1つで済むことになり、第2の切断装置の小型化に資する。切断は、好適には多軸ロボットを使用した移動中の切断が挙げられるが、カッターが移動することによる切断、別途搬送手段を設けることによる移動中の切断などの態様も採用することができる。また、第2の切断装置においても、外殻が覆われており、内部に集塵用ダクトが設けられていることが好ましい。
【0027】
本発明の態様においては、第1の切断装置が必要箇所を全て切断する構成とすることで、第2の切断装置を要しない構成の採用も可能である。この場合、第1の移送装置において採用されるのは直交ロボットであることから、多軸ロボットが上下反転させてから第1の切断装置に搬送し、第1の切断装置が下側から切断する構成や、第1の切断装置が箱体の上側を切断し、内容物回収装置において多軸ロボットにて箱体を回転させて内容物を収集する構成の採用も可能である。一方、第2の切断装置の切断装置を設置することは、回転工程と組み合わせ、スムースかつ効率的な内容物の排出の実現に適している。
【0028】
必要な切断箇所が切断された箱体は、内容物回収装置に移動される。典型的には、多軸ロボットが把持して内容物回収装置に配置する。箱体の下面が切断されている場合には、内容物回収装置は好ましくは第2の切断装置に隣接して配置される。内容物回収装置は、回収容器を備えており、内容物が回収容器内に導入可能な構成を備える。例としては、回収容器上に箱が配置され、内容物を落下させて回収容器に導入される構成であれば、省スペース・省部品化に適する。なお、中袋がある場合には、袋を吸引または物理的に支持した上で内容物の導入を行うなど、適宜必要な構成が用いられる。
【0029】
本発明によれば、内容物の収集から空箱の回収までに必要な全ての要素、具体的には制御盤、複数の集塵機、空箱折り畳み装置、空箱回収容器を全て含めて8M×4M以内、さらには6M×3M以内の空間に収容することが可能となる。当該構成は、従来に比べて必要スペースが実質的に1/4程度であり、顕著な省スペース化が図れ、レイアウトの自由度も高く、メンテナンス性、安全性及び制御の容易性も向上する。
【0030】
好ましくは、空箱折り畳み装置は、平刃状の先端を備える刃部と、シャフト部を備え、シャフト部がシフト用シリンダ等により水平または鉛直方向に作動するか、空箱を刃部に向けてさせることで、箱体の閉止部を開封する構成を備える。開封された箱体は、多軸ロボットが平状におして畳み、空箱回収容器へ搬送する手段を採用できる。また、空箱回収装置にAGVを備えることで、回収後の箱体を他の位置へ配送することも可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、顕著な省スペース化が実現され、レイアウトの自由度も高く、メンテナンス性、安全性及び制御の容易性も向上された、箱体を自動的に開封して内容物を収集するために使用されるシステムの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明のシステムの1例を示す斜視図である。
図2図1のシステムを別の角度から見た斜視図である。
図3図1のシステムの配置を示す平面図である。
図4】第1の移送装置を示す図である。
図5】第1の移送装置を示す図である。
図6】第1の切断装置を示す図である。
図7】第1の切断装置を示す図である。
図8】段ボールの第1の切断装置からの搬送工程を示す図である。
図9】第2の切断装置を示す図である。
図10】内容物回収装置を示す図である
図11】空箱回収装置を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の態様を、図面を参照して説明する。
【0034】
図1図3を参照すると、本発明のシステム1は、第1の移送装置2と、第1の切断装置3と、協働ロボット4、第2の切断装置5、内容物回収装置6、空箱回収装置7、集塵機8、制御装置9を備えている。当該実施例は、開口が封止されていないビニール製内袋に内包された、ペットボトル用キャップを、段ボール100から収集するための形態の1例である。
【0035】
図4図5を主に参照すると、第1の移送装置2は、スレンレス製のX軸フレーム201、Y軸フレーム202、Z軸フレーム203を含んだ枠組みを備えている。X軸フレーム201は、長方形状の床面空間を画定する4本のZ軸フレーム203(鉛直フレーム)に最上段から床面まで5段にわたり設けられている。Y軸フレーム202は、X軸フレーム201に相当する高さに設けられているが、下段の空間が段ボール100を受け入れるのに十分な余地があるように、下から2段目はX軸フレーム201に相当するフレームが設けられず、4段に構成されている。フレーム相互は、図示されていないが溶接やボルト等で接続されている。
【0036】
直交ロボット204が、前記枠組みに設置されている。詳細には、水平軸であるY軸シャフト206が、上から3本のY軸フレーム202に沿って連結されている。鉛直軸であるZ軸シャフト207は、Y軸シャフト206に連結されることで、Z軸シャフト207がY軸シャフト206上を摺動可能となり、Y軸移動が担保される。
【0037】
X軸シャフト205は、X軸フレーム201と同じ向きでフレーム枠組みの外側へ延長するように、Z軸シャフト207上に摺動可能に設けられている。X軸シャフト205がフレーム枠組みから延長することで、フレームとX軸シャフトにより画定される空間が、段ボール100の集積体が運び込まれる配置エリアとなる。そして、X軸シャフト205には、段ボール100の把持装置208がX軸シャフト上を摺動可能に設けられている。したがって、把持装置208は、配置エリアにおけるX,Y,Z軸の移動が可能となっている。
【0038】
把持装置208は、本実施例においては、空気圧を利用した吸盤式グリップを使用している。当該吸盤式グリップは、段ボール100を傷つけずに把持、配置を行うことができるため、本発明において適している。なお、吸盤式グリップが公知技術であることと、システム1の構造の理解を容易にするため、図面上ではチューブや配線等は省略されている。
【0039】
さらに、把持装置208は、X軸シャフト上に、制御可能な回転軸2010を介して設けられている。当該回転軸2010は、把持装置208を水平方向の回動を可能にしている。したがって、把持装置208は把持した状態で段ボール100を水平方向に回転させることができる。当該構成は、段ボール100の向きを必要な方向に回動させるためのものであり、集積体に積まれた段ボール100を、常に一定の方向で第1の切断装置2に配置させることが可能である。
【0040】
コンベア装置である搬送装置209が、集積体エリアに向けた枠組み外位置にその一端が、第1の切断装置3に向けて他の一端が位置して配置されている。すなわち、コンベアの一端は集積エリアにて直交ロボット204が把持した段ボール100を受け取り、第1の切断装置3に運ぶ機能を有する。
【0041】
本実施例では、図示していないが、センサ(バーコードリーダー)が設けられており、段ボール100に貼付されたバーコードを読み取りすることができる。そして、読み取りされた情報が、所望の段ボール及び内容物でない場合には、フレームを介して取り付けられた押し出し装置(シリンダー等)により、搬送装置209と直交方向に配置されたコンベア2011に押し出され、コンベア2011は、所望外品としてフレーム外へ搬出する。所望外品が搬出された場合は、アラームが点灯又は通知を行うことでシステム外の人員に知らせる。これら構成については、フレーム枠組みを有していることにより適宜の設置・視認・装着が容易となっている。
【0042】
図6図7を主に参照すると、第1の切断装置3は、第1の移送装置2の搬送装置209と実質的に連結される位置に設けられ、搬送コンベア301を有して構成されている。第1の移送装置2から搬送された段ボール100は、搬送コンベア301によりフレームの1端から他端に向けて搬送される。一対の切断器302、303が、搬送コンベア301を挟むように床面からポール状部材304を介して所定の高さに設けられている。切断器302,303は、内側に向けられたロータリーカッターであり、搬送コンベア301が段ボール100を移動させると、段ボール100の上部側面を両側から切断することができる。
【0043】
第1の切断装置3は、段ボール100、搬送コンベア301、切断器302,303を覆うべく、フレーム枠組み305を備え、かつフレーム枠組み305にアクリル板306、及び集塵ダクト307が取り付けられることで、段ボール100、搬送装置301、切断器302,303を密封している。枠組み305は、上段308及び下段309を有する。上段308は、段ボール100の搬送入口面3010及び搬出面3011において、フレーム及びアクリル板306が上下移動制御可能に構成されていることで、段ボールの搬入・搬出を可能にしつつ、これらを密封することができる。下段309には、集塵ダクト307が設けられ、切断密封時に粉塵を吸引することができる。搬送コンベア301は、段ボール100の配置と切断、保持のために少なくとも段ボール100二つ分の長さを備え、その周囲をフレーム枠組み305が覆う。工程としては、搬送入口面3010のアクリル板が下段移動した状態で段ボール100を配置し、搬送入口面3010を上方移動し、密封する。集塵機8が作動し、吸引を開始する。搬送コンベア301が段ボール100を搬送し、切断器302,303が切断する。その後、吸引を終了し、搬出面3011のアクリル板を下段移動させ、段ボール100の次工程の作業を可能にする。
【0044】
協働ロボット4は、少なくとも6軸を有するリーチ長さ1200mmの協働ロボットであり、第1の切断装置3及び第2の切断装置5に隣接して配置されている。本発明によれば、各装置が十分に安全性を担保している上に、さらに協働ロボット4を採用することで安全性を十分に担保することが可能になった。これによって安全柵が不要となり設置面積の極小化を実現している。したがって、当該実施例のような極めて小型かつ軽量、低電力でティーチングやメンテナンス性に優れた協働ロボットの採用が可能となっている。協働ロボット4の先端には把持装置401が設けられている。本実施例において当該把持装置は第1の移動装置2と同様に空気圧を利用した吸盤式グリップを採用している。
【0045】
図8を参照すると、協働ロボット4は、第1の切断装置3において上面両サイドが切断された段ボール100を把持して、ピッキングして90度向きを回転、さらに上下反転させた状態で、第2の切断装置5へと配置する。すなわち、上部両サイドが切断された状態の段ボール100を、上下反転させて、第2の切断装置5へと配置する。
【0046】
図9を主に参照すると、第2の切断装置5は、4本の脚フレーム502と、当該脚フレームを連結する2段の水平フレーム503,504からなる台座フレーム501を備える。下段の水平フレーム503を介して台座面505の中央に切断装置506が設けられている。切断装置506はロータリーカッターを採用している。アクリル板507がロータリーカッター周囲、4側面及び下面に設けられており、切断中の密封を可能にしている。集塵ダクト508が設けられることで、切断中の集塵を可能にしている。協働ロボット4は、台座面505の一端側に段ボール100を配置し、そのまま台座面505上を移動させる。このとき、ロータリーカッターにより段ボール100の中央テープ部(かつ切断された両サイドを結ぶ位置)を集塵しながら切断する。結果、段ボール100は両端と中央テープが切断されている状態となり、持ち上げられれば内容物の重さによりフラップが開き、排出できる状態となる。なお、切断装置506は、シリンダ509を介して上下移動が可能となっている。
【0047】
図10を主に参照すると、内容物回収装置6が、第2の切断装置5に隣接して設けられる。内容物回収装置は、回収容器601を含む。回収容器601は、上面側に開口を有し、第2の切断装置5の台座面505と連続している。周囲はアクリル板603にて覆われ、内部が密封されている。協働ロボット4が、両端と中央テープが切断されている段ボール100を内容物回収装置6に移動させ、台座面のカバー602をアクチュエータにより動作させて開けることで、内容物を落下させる。
【0048】
回収容器601は、底部にコンベア604を有し、システム外搬送装置605の搬送口606と実質的に連結される。落下した内容物はコンベア604及び搬送口606を介してシステム外搬送装置605により所望の場所へ搬送される。また、本実施例では、内容物が密封されていないビニール袋内に収容されている場合を想定し、柵状部材6011、袋回収用の把持装置607、吸引装置608、袋回収用容器609を備えている。当該構成では、内容物が落下し段ボール100が移動された後、落下した袋が柵状部材6011に残り、把持装置607が当該袋を引き上げる。側部から吸引装置608が作動し、袋を吸引して袋回収用容器609に投入する。紙粉は集塵機8に接続された集塵ダクト6010を介して収集される。したがって、当該例ではビニール袋の分離・収容、内容物の回収、集塵を全て自動で行うことができる。システム外搬送装置605は、内容物を別個のシステムへ供給する。具体的には、内容物がキャップである場合、キャップ充填機へと供給することができる。
【0049】
図11を主に参照すると、空箱回収装置7が、内容物回収装置6に近接して設けられている。空箱回収装置7は、置台701と、開封部材702、開封部材用シフトシリンダ703を備える。開封部材は、先端が箱体に応じた幅を有する刃状の先端部704と、シャフト部705を備え、シャフト部705は側面視でコの字状に構成され、開封部材用シフトシリンダ703と連結されている。さらに、側面周囲が安全壁706により覆われ、隣接して空箱回収容器707を備える。段ボール100は、その一面が前工程迄に切断されているが、側面が開封されていない。このため、側面を開封して、畳むことを可能にするための構成となっている。具体的には、協働ロボット4が上部開口709を介して段ボール100を置台701に所定の向きで配置する。協働ロボット4が把持したまま開封部材用シフトシリンダ703が作動し、開封部材702がシリンダ軸方向に移動して、段ボール100の側面を貫通する。その後、協働ロボット4は上部開口709からピッキングし、上部壁708(図面上は透過して描画されている)の上面に押しつけて畳み、スライドさせて空箱回収容器707に投入する。したがって、省スペースながら、開封、畳み作業、畳んだ状態での回収を行うことができる。 また、空箱回収容器707にはAGV装置が備えられていることで、一定量積まれた回収容器を他所へ移し、新たな空箱回収容器を搬入する工程を自動化できる。
【0050】
制御装置9は、人の作業スペースに向けて設置され、上記の各種作業のプログラミングの他、様々な制御を行うことができる。本発明によれば、第1の移送装置2及び協働ロボットである協働ロボット4の採用により、システム1内に制御装置を配置することが可能であり、また制御装置9 を組んでも省スペースなシステムを実現することが可能となっている。
【0051】
本実施例では、上記のシステム1を全体で2.6M×8Mに収めることができる。ただし、図3の配置に限られず、スペースの事情に応じたレイアウト変更が可能である。このため、他システムを含めた工場レイアウトの自由度、スペース効率、必要条件が飛躍的に向上している。また、本発明はペットボトル用キャップに限らず、他のキャップ、リング、チューブなど、主に小型(数センチ長)で大量の収容が必要になる様々な内容物について採用可能であり、箱体も段ボールに限らず、他の紙製又は樹脂製の箱などにも採用が可能であり、汎用性にも優れる。
【符号の説明】
【0052】
1 本発明のシステム
2 第1の移送装置
201 X軸フレーム
202 Y軸フレーム
203 Z軸フレーム
204 直交ロボット
205 X軸シャフト
206 Y軸シャフト
207 Z軸シャフト
208 把持装置
209 搬送装置
2010 回転軸
2011 コンベア
3 第1の切断装置
301 搬送コンベア
302、303 一対の切断機
304 ポール状部材
305 フレーム枠組み
306 アクリル板
307 集塵ダクト
308 上段
309 下段
3010 搬入入口面
3011 搬出面
4 協働ロボット
401 把持装置
5 第2の切断装置
501 台座フレーム
502 脚フレーム
503、504 水平フレーム
505 台座面
506 切断装置
507 アクリル板
508 集塵ダクト
509 シリンダー
6 内容物回収装置
601 回収容器
602 カバー
603 アクリル板
604 コンベア
605 システム外搬送装置
606 搬送口
607 把持装置
608 吸引装置
609 袋回収用容器
6010 集塵ダクト
6011 柵状部材
7 空箱回収装置
701 置き台
702 開封部材
703 開封部材用シフトシリンダ
704 刃状の先端部
705 シャフト部
706 安全壁
707 空箱回収容器
708 上部壁
709 上部開口
8 集塵機
9 制御装置
100 段ボール




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11