(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183978
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097838
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】521186889
【氏名又は名称】セキュリティボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】土岐 隆之
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA75
(57)【要約】
【課題】クレジットカードに基づいた支払いの現場における決済において、混乱を回避可能なコンピューターシステムである、多金融機関審査交換と信用保証付与との融合システムを提供する。
【解決手段】コンピューターシステムを備え、当該コンピューターシステムはコントローラとメモリとを備え、前記コントローラが前記メモリのプログラムに基づいて決済のための制御を実行する決済制御システムであって、前記コントローラは、多金融機関審査交換手段と、信用保証付与手段と、を備え、前記多金融機関審査交換手段は、利用者の入力データに基づいた審査申込データを複数の金融機関の審査システムに送信し、審査落ちの場合には、前記信用保証付与手段は保証または保険を前記利用者に対して付与する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターシステムを備え、
当該コンピューターシステムはコントローラとメモリとを備え、前記コントローラが前記メモリのプログラムに基づいて決済のための制御を実行する決済制御システムであって、
前記コントローラは、
多金融機関審査交換手段と、
信用保証付与手段と、
を備え、
前記多金融機関審査交換手段は、利用者の入力データに基づいた審査申込データを複数の金融機関の審査システムに送信し、審査落ちの場合には、前記信用保証付与手段は保証または保険を前記利用者に対して付与する、
決済制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は決済システムに係り、特に、WEB上に存在するサーバに関し、さらに詳しくは、多金融機関審査交換と信用保証付与とを組み合わせた機能を備えるサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科やエステサロン等役務提供店や一部高額商品物販店(以下「販売店」という。)に関係する、消費者の活動や、そして、企業間取引においても、売り手と買い手の取引は、高額役務や高額物品購入(以下「物件購入」という)の場合、現状ほとんどが現金、または、クレジットカード支払によって決済される。しかし、高額な物件購入を一括で支払うのは買い手に大きな負担になる。また、クレジットカードのリボ払い(分割払い)で支払っても、カード枠を消化することとなり、クレジットカードのその他の利用に影響を与える。
【0003】
そこで、カード決済について信販会社や銀行など金融機関と提携し個品分割支払サービス(当該物件購入債権のみを個別に審査し金融機関に分割支払いする)を提供することは可能ではある。しかしながら、個品分割支払サービスは信販、金融機関1社に対し顧客が分割支払いを申し込むものであり、数十%の審査落ちがあり、その際、ユーザは物件を購入はできなくなり、クレジットカードに基づいた支払いの現場において、購入者、施術利用者(以下「利用者」という)や販売店に対して大きな混乱をまねく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
次に本願出願人によって行ったアンケート結果を示す。高額購入費の場合、一現金払いを希望しない利用者は85%にのぼる。高額購入費の場合、クレジットカード払い希望67%、金融機関個品分割支払希望18%である。現状クレジットカードリボ払いではカード枠が一杯になるという事を知らない人は65%である。個品分割支払の場合、金融機関は自社のサービスのみの審査、提供しかやらず、審査可決率は65%~70%であり、現状単独金融機関サービスでは審査落ちした30%の顧客への対応に販売現場は混乱し、顧客クレームが発生している。
【0005】
本発明は、クレジットカードに基づいた支払いの現場における決済において、既述の混乱を回避可能なコンピューターシステムである、多金融機関審査交換と信用保証付与との融合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コンピューターシステムの多金融機関審査交換手段は、利用者の入力データを多金融機関審査交換機に送信し、合わせて、複数の金融機関の審査システムに審査申込をデータ送信し、分割支払審査の可否を問う。接続金融機関は、金利が安いが審査が厳しい機関、金利は高いが審査が易しい機関、その他各社独自の審査基準にて審査する為、複数の金融機関による審査可決率は、単独金融機関審査より格段に向上する。審査落ちの場合には、コンピューターシステムの信用保証付与手段は保証会社の保証或いは損害保険会社等の保険を利用者に対して付与する。信用保証付与手段は与信が必要とされない集金代行会社による分割回収とも連動し、ほぼ100%の分割支払実行率が期待できる。
【0007】
利用者が販売店から物件購入する上で、多金融機関審査交換手段及び信用保証付与手段は下記のような項目に適用できる。
【0008】
多金融機関審査交換手段:
役務提供店からの高額施術料の分割支払い
物品販売店からの高額商品分割支払い
金融機関からの割賦債権の分割支払い
金融機関からの融資の分割支払い
金融機関からの売掛、受注債権担保融資の分割支払い
金融機関からの不動産担保融資の分割支払い
金融機関からの動産その他債権担保融資の分割支払い
リース会社からのリース料支払い
【0009】
信用保証付与手段(保証会社の保証或いは損害保険会社等の保険を付与):
役務提供店の高額施術料の分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
物品販売店の高額商品分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
金融機関の割賦債権に対する利用者の信用保証付与
金融機関の融資の分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
金融機関の売掛、受注債権担保融資の分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
金融機関の不動産担保融資の分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
金融機関の動産その他債権担保融資の分割支払い債権に対する利用者の信用保証付与
リース会社のリース料支払い債権に対する利用者の信用保証付与
【発明の効果】
【0010】
本発明は、支払いの現場における決済において、既述の混乱を回避可能なコンピューターシステムである、多金融機関審査交換と信用保証付与との融合システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る決済制御システムの実施形態の機能ブロック図である。
【
図2】決済制御サーバの管理システムが備える管理画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
顧客(個人、中小企業等)は、分割払い、リース契約、融資契約などの希望内容をPCやスマホにてWEBを介してコンピューターシステム(サービスのクラウドサーバ)の多金融機関審査交換手段に送信する。当該手段と接続された複数の金融機関の審査申込システムが審査を可決すると、顧客は一番条件のいい希望する金融機関と契約し、分割払い等が可能になる。顧客に与信力が足りない場合は、コンピューターシステムの信用保証付与手段が保証会社あるいは保険会社の申込システムから保険番号等を取得後、これを金融機関の審査申込システムに送信する。
【0013】
従って、販売店は信販会社等金融機関より一括で費用を回収でき、顧客は費用の分割支払いを実現できる。コンピューターシステムは、情報を販売会社側合意のもとで集金回収代行会社に送信することもできる。
【0014】
図1は本発明に係る決済制御システムの実施形態の機能ブロック図である。システムの一つの事例が
図1に示す決済制御サーバである。当該サーバはコントローラとメモリとストレージとを備え、コントローラが決済プログラムを実行することにより、多金融機関WEB審査交換機(システム)、信用保証付与システム、そして、管理システムを実現する。管理システムは顧客情報、そして、金融機関情報を管理し、さらに、多金融機関WEB審査交換機(システム)に関連する情報、そして、信用保証付与システムに関連する情報を管理する。
図2に管理システムが備える管理画面の一例を示す。
【0015】
決済制御サーバは、以下に説明する作用または動作に関連する。
(1)加盟店契約
販売店と金融機関各社とが取扱に関する加盟店契約を締結する。
(2)分割支払申込
利用者は、物件購入時、アプリ或いはWEB画面にてクラウドセンターにあるWEB審査交換機システムへ必要情報を送信する。必要情報として、分割支払いのための申し込みの情報、事前審査の申し込みの情報、そして、利用者情報がある。
【0016】
(3)-1~2金融機関へ分割支払い申込
多金融機関WEB審査交換機システムは、金融機関ごとに、API或いはRPAを介して各金融機関用ファイルを構成し、各金融機関の審査システムへ分割支払いの申込(審査依頼)情報を送信する。
(4)集金代行を行う決済会社申込
(3)そして(5)において申し込みが否決された場合、多金融機関WEB審査交換機システムは、審査不要の決済会社に分割払い申込(審査依頼)情報を送信する。
(5)保証、保険申込
信用保証付与システムは(3)の通常審査では審査可決が厳しい場合、保証会社或いは保険会社に保証保険を申し込み、保証受理番号を取得し、これを多金融機関WEB審査交換機システムへ送信する。なお、コンピュータシステムは(2)から(4)に直接移行しその後(3)を行うこともできるし、(4)を使用しないことも可能である。
【0017】
(6)承認番号
各金融機関サーバからWEB審査交換機システムは審査結果を受信し、承認番号を取得する。審査交換機システムは、保証保険会社より保険番号を取得する。
(7)保険番号
WEB審査交換機システムは保険番号を受信し、(3)の処理を行う。
(8)承認番号
WEB審査交換機システムは利用者のスマホに承認番号付き契約情報を送信する。
(9)承認番号
WEB審査交換機システムは販売店の管理画面に承認番号付き契約情報を送信し、又は集金代行の承諾の確認を通知する。
【0018】
(10)金融機関から販売店へ一括入金
金融機関から販売店へ、利用者の購入費用の全額を月末までに一括振込される。
(11)利用者から金融機関へ月々分割払い
利用者から金融機関へ、購入費用の月々分割支払いが実行される。