(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183979
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/872 20060101AFI20231221BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20231221BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20231221BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L29/86 301E
H01L29/86 301F
H01L29/91 D
H01L29/90 D
H01L29/06 301R
H01L29/06 301F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097839
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】安部 翔
(57)【要約】
【課題】従来の半導体装置よりも破壊耐量を高くすることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基体10と、第1電極20と、絶縁層30とを備え、半導体基体10は、第1導電型(n型)の第1半導体領域12と、第1電極20及び絶縁層30と接する位置に形成されている第2導電型(p型)の第2半導体領域16と、平面的に見て第2半導体領域16を囲むように第2半導体領域16と接して形成されている第1導電型(n型)の第3半導体領域18とを有する半導体装置1。半導体装置1においては、第2半導体領域16の不純物総和をS1とし、第3半導体領域18の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、第2半導体領域16と第3半導体領域18との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基体と、
前記半導体基体の第1主面に配置されている第1電極と、
平面的に見て前記第1電極を囲むように前記第1主面に配置されている絶縁層とを備え、
前記半導体基体は、第1導電型の第1半導体領域と、前記第1電極及び前記絶縁層と接する位置に形成されている第2導電型の第2半導体領域と、平面的に見て前記第2半導体領域を囲むように前記第2半導体領域と接して形成されている第1導電型の第3半導体領域とを有し、
前記第2半導体領域の不純物総和をS1とし、前記第3半導体領域の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、
前記第2半導体領域と前記第3半導体領域との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第3半導体領域は、前記第1主面から前記第2半導体領域の最深部よりも深くまで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
0.15<(S1/S2)<1の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
平面的に見たとき、前記第2半導体領域の外縁が矩形形状からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
ショットキーバリアダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耐圧を高くすることを目的として、いわゆるガードリングが形成された半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図4は、従来の半導体装置900を説明するために示す図である。
図4(a)は半導体装置900の平面図であり、
図4(b)は
図4(a)のA-A断面図である。
図4(b)は半導体装置900におけるコーナー部Cの断面図であるともいえる。
図4(a)においては、平面的に見た第1半導体領域912及びガードリング916の形状を表示するため、半導体基体910の第1主面に配置されている第1電極920、絶縁層930及びフィールドプレート940については図示していない。
【0004】
従来の半導体装置900は、
図4に示すように、半導体基体910と、半導体基体910の第1主面に配置されている第1電極920と、平面的に見て第1電極920を囲むように第1主面に配置されている絶縁層930と、第1電極920と接続されており絶縁層930上に配置されているフィールドプレート940と、第1主面とは反対側の第2主面に配置されている第2電極950とを備える。半導体基体910は、n型の第1半導体領域912(n
-型半導体領域913及びn
++型半導体領域914)と、p型のガードリング916と、ガードリング916と離隔して外端側に配置されているn
+型のチャネルストッパー918とを有する。なお、従来の半導体装置900においては、平面的に見たときにガードリング916のコーナー部Cの外縁を円弧状にすることが一般的に行われている(
図4(a)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の半導体装置900には、逆バイアス時においてコンタクト縁E(半導体基体910における第1電極920と絶縁層930との境界近辺の場所)が破壊されやすい傾向があり、破壊耐量を高くすることが難しいという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、従来の半導体装置よりも破壊耐量を高くすることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置は、半導体基体と、前記半導体基体の第1主面に配置されている第1電極と、平面的に見て前記第1電極を囲むように前記第1主面に配置されている絶縁層とを備え、前記半導体基体は、第1導電型の第1半導体領域と、前記第1電極及び前記絶縁層と接する位置に形成されている第2導電型の第2半導体領域と、平面的に見て前記第2半導体領域を囲むように前記第2半導体領域と接して形成されている第1導電型の第3半導体領域とを有し、前記第2半導体領域の不純物総和をS1とし、前記第3半導体領域の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、前記第2半導体領域と前記第3半導体領域との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置によれば、半導体基体は、平面的に見て第2半導体領域を囲むように第2半導体領域と接して形成されている第1導電型の第3半導体領域を有し、第2半導体領域の不純物総和をS1とし、第3半導体領域の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、第2半導体領域と第3半導体領域との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有するため、逆バイアス時においてコンタクト縁付近よりも第2半導体領域と第3半導体領域との間の電界強度を高くし、コンタクト縁付近が破壊される前に第2半導体領域と第3半導体領域との間にアバランシェ降伏を発生させることが可能となる。その結果、本発明の半導体装置は、従来の半導体装置よりも破壊耐量を高くすることが可能な半導体装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る半導体装置1を説明するために示す図である。
【
図2】実施形態2に係る半導体装置2を説明するために示す図である。
【
図3】半導体装置のコーナー部における空乏層の伸び方を説明するために示す図である。
【
図4】従来の半導体装置900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の半導体装置について、図に示す各実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る半導体装置1を説明するために示す図である。
図1(a)は半導体装置1の平面図であり、
図1(b)は
図1(a)のA1-A1断面図である。
図1(b)は半導体装置1におけるコーナー部C1の断面図であるともいえる。
図1(a)においては、平面的に見た第1半導体領域12、第2半導体領域16及び第3半導体領域18の形状を表示するため、半導体基体10の第1主面に配置されている第1電極20、絶縁層30及びフィールドプレート40については図示していない。
【0013】
実施形態1に係る半導体装置1は、
図1に示すように、半導体基体10と、半導体基体10の第1主面に配置されている第1電極20と、平面的に見て第1電極20を囲むように第1主面に配置されている絶縁層30と、第1電極20と接続されており絶縁層30上に配置されているフィールドプレート40と、半導体基体10の第1主面とは反対側の第2主面に配置されている第2電極50とを備える。なお、
図1に示す半導体装置1は、上記以外の構成要素をさらに備えていてもよい。半導体装置1はショットキーバリアダイオードである。
【0014】
半導体基体10は、第1導電型(実施形態1においてはn型)の第1半導体領域12と、第2導電型(実施形態1においてはp型)の第2半導体領域16と、第1導電型(実施形態1においてはn型)の第3半導体領域18とを有する。なお、第3半導体領域18の不純物濃度は後述するn
-型半導体領域13よりも高くn
++型半導体領域14よりも低いことから、
図1においては第3半導体領域18について「n
+」と表示している。半導体装置1においては、第2半導体領域16はガードリング、第3半導体領域18はチャネルストッパーであるともいえる。
【0015】
第1半導体領域12は、第1主面側に配置されているn-型半導体領域13及び第2主面側に配置されているn++型半導体領域14を有する。n-型半導体領域13のウェーハ比抵抗は、例えば、0.6~25Ω・cmとすることができる。また、n-型半導体領域13の厚さは、例えば、4~65μmとすることができる。n++型半導体領域14の表面不純物濃度は、例えば、1×1020m-3以上とすることができる。また、n++型半導体領域14の厚さは、例えば、100~400μmとすることができる。
【0016】
第2半導体領域16は、第1電極20及び絶縁層30と接する位置に形成されている。半導体装置1においては、平面的に見たときに、第2半導体領域16のコーナー部C1(
図1(a)においては紙面右上の1つにのみ符号を表示)の外縁が円弧状の形状になっている。第2半導体領域16の不純物総和は、例えば、3×10
12~8×10
12cm
-2とすることができる。また、第2半導体領域16の深さは、例えば、0.4~4.0μmとすることができる。
【0017】
本明細書における「不純物総和」とは、表面から深さ方向に濃度分布を積分した値のことをいう。なお、不純物総和はドーズ量(不純物を打ち込んだ量)とも関連する値であるが、耐圧とドーズ量との間には必ずしも適切な相関関係が得られない場合がある。これは、熱処理等により不純物量が変化しうることに起因する。
【0018】
第3半導体領域18は、平面的に見て第2半導体領域16を囲むように第2半導体領域16と接して形成されている。第3半導体領域18は、平面的に見て半導体装置1の端部まで形成されている。また、第3半導体領域18は、第1主面から第2半導体領域16の最深部よりも深くまで形成されている。第3半導体領域18の不純物総和は、例えば、3×1012~1×1015cm-2とすることができる。また、第3半導体領域18の深さは、例えば、0.5~5.0μmとすることができる。
【0019】
なお、半導体装置1においては、第2半導体領域16の不純物総和をS1とし、第3半導体領域18の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たす。半導体装置1においては、0.15<(S1/S2)<1の関係を満たすことが好ましい。半導体装置1においては、第2半導体領域16と第3半導体領域18との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有する。
【0020】
本明細書における「ツェナーダイオード」とは、pn接合面においてツェナー降伏のみが発生するもののみを含むものではなく、条件によってアバランシェ降伏が発生するものも含む。
【0021】
以下、実施形態1に係る半導体装置1の効果について説明する。
【0022】
実施形態1に係る半導体装置1によれば、半導体基体10は、第1導電型の第1半導体領域12と、第1電極20及び絶縁層30と接する位置に形成されている第2導電型の第2半導体領域16と、平面的に見て第2半導体領域16を囲むように第2半導体領域16と接して形成されている第1導電型の第3半導体領域18とを有し、第2半導体領域16の不純物総和をS1とし、第3半導体領域18の不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、第2半導体領域16と第3半導体領域18との組み合わせがツェナーダイオードの機能を有するため、逆バイアス時においてコンタクト縁E1付近よりも第2半導体領域16と第3半導体領域18との間の電界強度を高くし、コンタクト縁E1が破壊される前に第2半導体領域16と第3半導体領域18との間にアバランシェ降伏を発生させることが可能となる。その結果、実施形態1に係る半導体装置1は、従来の半導体装置よりも破壊耐量を高くすることが可能な半導体装置となる。
【0023】
また、実施形態1に係る半導体装置1によれば、第3半導体領域18は、第1主面から第2半導体領域16の最深部よりも深くまで形成されているため、第2半導体領域16と第3半導体領域18との接触を十分に確保することが可能となる。
【0024】
また、実施形態1に係る半導体装置1によれば、0.15<(S1/S2)<1の関係を満たすため、第2半導体領域16の不純物総和S1の第3半導体領域18の不純物総和S2に対する比率をある程度大きくすることで、第2半導体領域16中の不純物が少なすぎることに起因する耐圧低下を抑制することが可能となる。
【0025】
また、実施形態1に係る半導体装置1は、従来よりも破壊耐量を高くすることが可能なショットキーバリアダイオードとなる。
【0026】
[実施形態2]
図2は、実施形態2に係る半導体装置2を説明するために示す図である。
図2(a)は半導体装置2の平面図であり、
図2(b)は
図2(a)のA2-A2断面図である。
図2(b)は半導体装置2におけるコーナー部C2の断面図であるともいえる。
図2(a)においても、平面的に見た第1半導体領域12a、第2半導体領域16a及び第3半導体領域18aの形状を表示するため、半導体基体10aの第1主面に配置されている第1電極20a、絶縁層30a及びフィールドプレート40aについては図示していない。
【0027】
実施形態2に係る半導体装置2は、基本的には実施形態1に係る半導体装置1と同様の構成を有するが、平面的に見たときの第2半導体領域の外縁の形状が実施形態1に係る半導体装置1の場合とは異なる。実施形態2に係る半導体装置2においては、平面的に見たとき、第2半導体領域16aの外縁が矩形形状(正方形)からなる。つまり、平面的に見たとき、第2半導体領域16aのコーナー部C2の外縁は角ばった形状となっている。
【0028】
ここで、第2半導体領域16aの外縁を矩形形状とすることにより発生する現象について、
図3を用いて説明する。
図3は、半導体装置のコーナー部における空乏層の伸び方を説明するために示す図である。
図3(a)は従来の半導体装置900のコーナー部Cを示す平面図であり、
図3(b)は実施形態2に係る半導体装置2のコーナー部C2を示す下平面図である。
図2(a)及び
図4(a)の場合と同様に、
図3においても半導体基体の第1主面に配置されている第1電極、絶縁層及びフィールドプレートについては図示していない。
【0029】
まず、従来の半導体装置900においては、
図3(a)に示すように、平面的に見たときに、ガードリング916のコーナー部Cの外縁が円弧状の形状からなる。また、ガードリング916の外縁はガードリング916よりも不純物濃度が低いn
-型半導体領域913と接している。このため、逆バイアス時において、空乏層はガードリング916の外縁境界からn
-型半導体領域913側(外側)に伸びやすい(
図3(a)の破線D1参照。)。このとき、チャージバランスの関係上、円弧の45°に相当する点(
図3(a)の点P1参照。)において空乏層の広がりが狭くなりやすい(
図3(a)の両矢印参照。)。このため、従来の半導体装置900においては、この点付近において電界強度が集中しやすかった。
【0030】
一方、実施形態2に係る半導体装置2においては、
図3(b)に示すように、平面的に見たときに、第2半導体領域16a(ガードリング)の外縁が矩形形状からなる。また、第2半導体領域16aの外縁は第2半導体領域16aよりも不純物総和が大きい(通常、不純物濃度も高い)第3半導体領域18aと接している。このため、逆バイアス時において空乏層は第2半導体領域16aの外縁境界から第2半導体領域16a側(内側)に伸びやすい(
図3(b)の破線D2参照。)。この浅い接合の場合には、界面のチャージバランスの関係上、第2半導体領域16aの頂点(45°に相当する部分。
図3(b)の点P2参照。)において空乏層の広がりが広くなりやすい(
図3(b)の両矢印参照。)。このため、実施形態2に係る半導体装置2においては、この点付近における電界強度を緩和することが可能となる。
【0031】
なお、実施形態1に係る半導体装置1では、第2半導体領域16のコーナー部C1の外縁が円弧状の形状になっているが、従来の半導体装置900の場合とは異なり、第2半導体領域16の外縁は第2半導体領域16aよりも不純物総和が大きい第3半導体領域18と接している。この場合、空乏層は第2半導体領域16の外縁境界から第2半導体領域16側(内側)に伸びやすくなることから、従来の半導体装置900の場合とは異なり、円弧の45°に相当する点でも空乏層の広がりは阻害されない。
【0032】
なお、半導体装置2においては、第1半導体領域12a(n-型半導体領域13a)の外縁(n-型半導体領域13a及び第2半導体領域16aの境界)も矩形形状からなる。また、第2半導体領域16aの外縁とは第2半導体領域16a及び第3半導体領域18aの境界であるため、第3半導体領域18aの内縁も第2半導体領域16aに対応する形状となっている。平面視したときの図示は省略するが、第1主面に配置されている第1電極20a、絶縁層30a及びフィールドプレート40aについても第2半導体領域16aに対応する形状(平面視したときに外縁が矩形形状からなる形状)となっている。
【0033】
実施形態2に係る半導体装置2は、平面的に見たときの第2半導体領域の外縁の形状が実施形態1に係る半導体装置1の場合とは異なるが、半導体装置2によれば、半導体基体10aは、第1導電型の第1半導体領域12aと、第1電極20a及び絶縁層30aと接する位置に形成されている第2導電型の第2半導体領域16aと、平面的に見て第2半導体領域16aを囲むように第2半導体領域16aと接して形成されている第1導電型の第3半導体領域18aとを有し、第2半導体領域16aの不純物総和をS1とし、第3半導体領域18aの不純物総和をS2とするとき、S1<S2の関係を満たし、第2半導体領域16aと第3半導体領域18aとの組み合わせがツェナーダイオードの機能を有するため、逆バイアス時においてコンタクト縁E2付近よりも第2半導体領域16aと第3半導体領域18aとの間の電界強度を高くし、コンタクト縁E2が破壊される前に第2半導体領域16aと第3半導体領域18aとの間にアバランシェ降伏を発生させることが可能となる。その結果、実施形態2に係る半導体装置2は、実施形態1に係る半導体装置1と同様に、従来の半導体装置よりも破壊耐量を高くすることが可能な半導体装置となる。
【0034】
また、実施形態2に係る半導体装置2によれば、平面的に見たとき、第2半導体領域16aの外縁は、矩形形状(正方形)からなるため、逆バイアス時において第2半導体領域16aのコーナー部から空乏層を伸びやすくし、第2半導体領域16aの頂点(45°に相当する部分)における電界強度を緩和することが可能となる。その結果、実施形態2に係る半導体装置2では第2半導体領域16aの外縁のコーナー部C2よりも辺部においてアバランシェ降伏を発生させやすくすることが可能となり、破壊耐量を一層高くすることが可能となる。
【0035】
なお、実施形態2に係る半導体装置2は、上記以外の実施形態1に係る半導体装置1が有する効果も有する。
【0036】
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0037】
(1)上記各実施形態(以下の各変形例も含む。以下同じ。)において記載した位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0038】
(2)上記各実施形態に係る半導体装置1,2はショットキーバリアダイオードであったが、本発明はこれに限定されるものではない。ショットキーバリアダイオード以外のダイオード、トランジスタやサイリスタにも本発明を適用することが可能である。また、上記各実施形態においては、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、半導体装置の種類によっては第1導電型をp型とし、第2導電型をn型とすることもできる。
【0039】
(3)上記実施形態2に係る半導体装置2においては、平面的に見たとき、第2半導体領域16aの外縁が正方形からなるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2半導体領域の外縁は長方形であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,2…半導体装置、10,10a…半導体基体、12,12a…第1半導体領域、13,13a…n-型半導体領域、14…n+型半導体領域、16,16a…第2半導体領域、18,18a…第3半導体領域、20,20a…第1電極、30,30a…絶縁層、40,40a…フィールドプレート、50…第2電極、C1,C2…コーナー部、E1,E2…コンタクト縁