(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183980
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097840
(22)【出願日】2022-06-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年6月18日、株式会社オーク製作所による株式会社コシダカホールディングスへの納品 2021年6月18日、株式会社コシダカによるカラオケまねきねこのカラオケルーム及び店舗への設置 2021年06月21日、https://pdf.irpocket.com/C2157/xqEb/SBiU/r5i2.pdf、株式会社コシダカによる公開等 2021年6月25日、東北大学ナレッジキャスト株式会社、株式会社コシダカホールディングス、株式会社オーク製作所によるカラオケまねきねこ渋谷本店での記者会見 2021年06月25日、上毛新聞による公開等 2021年10月11日~10月24日、テレビCM、新潟テレビ21による公開等
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(71)【出願人】
【識別番号】522243598
【氏名又は名称】東北大学ナレッジキャスト株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505013675
【氏名又は名称】株式会社コシダカ
(71)【出願人】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】日出間 純
(72)【発明者】
【氏名】愿山 郁
(72)【発明者】
【氏名】村田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】腰高 博
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼ 友樹
(72)【発明者】
【氏名】林 武弘
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058KK02
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、利用したカラオケルーム等の個室空間に人が居ない時間帯を利用して、清掃スタッフや次の利用者への空気感染や接触感染を防ぐために、簡便に実施できる殺菌又は及び消毒方法を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の紫外線ランプ及びランプ破損防止構造を備える紫外線照射装置であって、前記紫外線ランプは円筒形であり、基底部から略垂直に設置され、外径が6~30mmであり、そして前記ランプ破損防止構造は、前記紫外線ランプと同軸の円筒状周囲に設置される略円柱状の格子構造を有し、縦方向の格子材の太さは、1mm以上且つ前記紫外線ランプの外径以下であり、紫外線ランプから格子材の距離は、10~100mmであり、格子材と格子材との間の間隔は、4~20mmである、紫外線照射装置によって解決することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線ランプ及びランプ破損防止構造を備える紫外線照射装置であって、
前記紫外線ランプは円筒形であり、基底部から略垂直に設置され、外径が6~30mmであり、そして
前記ランプ破損防止構造は、前記紫外線ランプと同軸の円筒状周囲に設置される略円柱状の格子構造を有し、縦方向の格子材の太さは、1mm以上且つ前記紫外線ランプの外径以下であり、紫外線ランプから格子材の距離は、10~100mmであり、格子材と格子材との間の間隔は、4~20mmである、紫外線照射装置。
【請求項2】
前記ランプ破損防止構造が開口構造を備え、前記開口構造は、円柱状の格子構造の縦方向の1つの格子材を開口軸として、開口軸となる格子材の反対側が開口し、そして回転する構造である、請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記紫外線ランプが、両端に電極を備え、両端の給電線から給電される、請求項1又は2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記基底部から略垂直に設置される支柱を備え、支柱から上端支持部によって紫外線ランプを支持する、請求項1又は2に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記支柱が、断面が菱形の角柱である、請求項1又は2に記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記支柱が、上面部及び/又は側面部に手持ち部を有する、請求項1又は2に記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、ウイルスや細菌による二次感染を防ぐために、アルコール消毒又はオートクレーブによる滅菌を用いて、殺菌及び消毒が積極的に実施されている。
最近、新たなウイルス感染症のパンデミックにより、医療現場以外のカラオケルーム又は飲食店などでも殺菌又は消毒が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アルコール消毒は人手や時間のかかるものであった。例えば、カラオケルーム又は飲食店などにおいては、接触感染予防として、利用者の入れ替えの度に清掃スタッフがアルコールをしみ込ませた布で室内のマイクやドアノブ等の多くの箇所を拭く必要があった。また、空気感染予防として、労働省が定めた換気水準を満たした換気容量に対応するなど、多くの手間と時間を要していた。従って、本発明の目的は、接触感染のみならず空気感染のリスクをさらに低減し、簡便に実施できる殺菌及び/又は消毒方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、簡便に実施できる殺菌法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定の格子構造のランプ破損防止構造を有する小型・軽量で取扱いやすい紫外線照射装置による高効率な紫外線照射により、効果的にカラオケルーム又は飲食店のみならず様々な施設などで除菌及びウイルス不活化できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]紫外線ランプ及びランプ破損防止構造を備える紫外線照射装置であって、前記紫外線ランプは円筒形であり、基底部から略垂直に設置され、外径が6~30mmであり、そして前記ランプ破損防止構造は、前記紫外線ランプと同軸の円筒状周囲に設置される略円柱状の格子構造を有し、縦方向の格子材の太さは、1mm以上且つ前記紫外線ランプの外径以下であり、紫外線ランプから格子材の距離は、10~100mmであり、格子材と格子材との間の間隔は、4~20mmである、紫外線照射装置、
[2]前記ランプ破損防止構造が開口構造を備え、前記開口構造は、円柱状の格子構造の縦方向の1つの格子材を開口軸として、開口軸となる格子材の反対側が開口し、そして回転する構造である、[1]に記載の紫外線照射装置、
[3]前記紫外線ランプが、両端に電極を備え、両端の給電線から給電される、[1]又は[2]に記載の紫外線照射装置、
[4]前記基底部から略垂直に設置される支柱を備え、支柱から上端支持部によって紫外線ランプを支持する、[1]~[3]のいずれかに記載の紫外線照射装置、
[5]前記支柱が、断面が菱形の角柱である、[1]~[4]のいずれかに記載の紫外線照射装置、及び
[6]前記支柱が、上面部及び/又は側面部に手持ち部を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の紫外線照射装置、
に関する。
なお、特許文献1には、保護カバーを有する移動式殺菌灯点灯装置が記載されているが、簡便なものではなかった。
【発明の効果】
【0006】
本発明の紫外線照射装置によれば、カラオケルームや飲食店などで人がいない時間帯に効率的に殺菌及び消毒をすることができるので、クラスター発生の連鎖を断ち切る効果が期待できる。また、特定の格子構造を有するランプ破損防止構造により、格子構造の内側に異物が侵入して紫外線ランプに接触することを防ぐことができる。ある実施態様の紫外線照射装置によれば、特定の格子構造を有するランプ破損防止構造により、紫外線ランプの交換などのメインテナンスが容易である。ある実施態様の紫外線照射装置によれば、高耐久性で信頼性が高く、小型で軽量な紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の紫外線照射装置の1つの実施態様の左側面図(A)、正面図(B)、右側面図(C)、底面図(D)、背面図(E)、及び平面図(F)である。
【
図2】本発明の紫外線照射装置の1つの実施態様の斜視図である。
【
図3】本発明の紫外線照射装置の1つの実施態様のカラオケルームにおける点灯時(A)及び消灯時(B)の写真である。
【
図4】本発明の紫外線照射装置の模式的な正面図(A)、前面の格子構造を除いた正面図(B)、右側面図(C)、上面図(D)、及び格子構造の断面図(E)である。
【
図5】本発明の紫外線照射装置のランプ破損防止構造における開口構造の開口部が閉じている状態を示した図である。
【
図6】本発明の紫外線照射装置のランプ破損防止構造における開口構造の開口部が開いている状態を示した図である。
【
図7】開口構造の開口部が、スナップ錠である態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の紫外線照射装置は、紫外線ランプ及びランプ破損防止構造を備える。前記紫外線ランプは円筒形であり、基底部から略垂直に設置され、外径が6~30mmである。前記ランプ破損防止構造は、前記紫外線ランプの周囲に略円柱状に設置される格子構造を有し、縦方向の格子材の太さは、1mm以上且つ前記紫外線ランプの外径以下であり、紫外線ランプから格子材の距離は、10~100mmであり、格子材と格子材との間の間隔は、4~20mmである。
前記紫外線照射装置の高さは、カラオケルームに設置されたイスやテーブルに載せた状態で、人が触れる可能性が高い位置を効率よく紫外線照射量基準値まで照射できる装置高さが好ましい。すなわち、カラオケルームに設置されているイスやテーブルなどを、紫外線照射装置の台として利用することを想定して、装置高さが定められる。特に限定されるものではないが、例えば1165mmである。
前記ランプ破損防止構造部分の横幅及び奥行も特に限定されるものではないが、横幅は、例えば70mmである。また、奥行きは、例えば70mmである。また、ランプ破損帽子構造及び支柱を含む奥行きは、例えば134mmである。
前記紫外線照射装置の基底部の横幅及び奥行も特に限定されるものではないが、ドアや通路を通り易く、倒れ難い接地面の大きさが好ましく、横幅は、例えば315mmである。また、奥行きは、例えば263mmである。
【0009】
《紫外線ランプ》
紫外線ランプは、除菌又はウイルス不活化に対する作用を有する限りにおいて特に限定されるものではなく、例えばエキシマランプ、水銀ランプ、又は蛍光UVランプなどが挙げられる。
エキシマランプは、希ガスまたは希ガスとハロゲンガスとの混合ガスを封入したランプである。エキシマランプに封入される希ガスとしては、例えばXe(172nm)、Kr(146nm)、又はAr(126nm)が挙げられる。エキシマランプに封入される希ガスとハロゲンガスとの混合ガスとしては、XeCl(308nm)又はKrCl(222nm)が挙げられる。
水銀ランプは、希ガスと水銀を封入したランプであり、例えば低圧水銀ランプ(185nm及び245nm)が挙げられる。
蛍光UVランプは、蛍光体膜をランプの内側に形成したものであり、蛍光体の種類によって、異なる波長の紫外線を放射することができる。
【0010】
前記紫外線ランプの外径は、6~30mmであり、好ましくは20~30mmである。紫外線ランプの長さは、特に限定されるものではないが、例えば1020mmである。このような数値範囲とすることで、紫外線ランプの長さが装置高さに占める割合が大きくなり、紫外線照射装置が小型となる。
前記紫外線ランプの数は、特に限定されるものではないが、例えば5灯以下であり、好ましくは4灯以下であり、更に好ましくは3灯以下であり、更に好ましくは2灯以下であり、最も好ましくは1灯である。紫外線ランプの数が少ない方が、軽量化が可能である。また、複数の紫外線ランプから発せられる紫外線の重なりがなく、効率的に紫外線を照射することができる。
前記紫外線ランプは、基底部から略垂直に設置され、基底部のランプ保持部11及び上端支持部のランプ保持部10によって保持される。
【0011】
《電極》
前記紫外線ランプが、好ましくは両端に電極を備え、両端の給電線から給電される。電極は、
図4Bに示されるランプ保持部10及び11に設置することができる。また前記給電線は、限定されるものではないが、基底部3の点灯制御部13から配線される。更に、前記点灯制御部13は、動作表示部12を備えてもよい(
図4A)。
【0012】
《ランプ破損防止構造》
前記ランプ破損防止構造は、格子構造を有する。前記格子構造は、紫外線ランプと同軸の円筒状周囲に設置され、略円柱状である。格子構造は、縦方向の格子材4及び横方向の格子材5によって形成される。
【0013】
縦方向の格子材の太さは、1mm以上且つ前記紫外線ランプの外径以下である。太さの下限は、好ましくは2mm以上である。太さの上限は、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは8mm以下であり、更に好ましくは6mm以下であり、更に好ましくは4mm以下である。前記上限と下限とは、適宜組み合わせて範囲を設定することができる。縦方向の格子材の形状は特に限定されるものではないが、好ましくは円柱状である。本明細書において、格子材の太さは、格子材が円柱状の場合は、その外径を意味する。円柱状以外の形状の場合は、その最大径を意味する。
格子材の太さは、格子構造の機械的強度(剛性)を得るためには太い方がよい。一方、紫外線ランプの照射において、格子構造の陰となる領域を少なくし、除菌やウイルス不活化の効果を高めるためには細い方がよい。また紫外線照射装置の重量を軽くするためにも、格子材の太さは、細い方がよい。格子材の太さが前記範囲であることによって、格子構造の機械的強度を得られ、且つ除菌やウイルス不活化の効果及び重量の低減の効果を得ることができる。
縦方向の格子材の材質は、特に限定されるものではないが、例えばステンレスが挙げられる。
【0014】
横方向の格子材は、限定されるものではないが、環状の格子材でもよく、例えば
図4Eに示すように、環状の格子材を縦方向の格子材が貫通するような構造でもよい。横方向の格子材の材質は、特に限定されるものではないが、例えばステンレスが挙げられる。
【0015】
前記紫外線ランプと格子材との距離は、10~100mmである。距離の下限は、好ましくは20mm以上であり、距離の上限は好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。前記上限と下限とは、適宜組み合わせて範囲を設定することができる。格子構造の内側に侵入したものが紫外線ランプと接触することを防ぐには、紫外線ランプと格子材との距離は大きい方が好ましい。一方、後述の格子材と格子材との距離が同じ場合、格子材の陰となる領域を少なくし、除菌やウイルス不活化の効果を高めるためには紫外線ランプと格子材との距離は短い方が好ましい。また紫外線照射装置の重量を軽くするためにも、は紫外線ランプと格子材との距離は短い方が好ましい。
紫外線ランプと格子材との距離が前記範囲であることにより、紫外線ランプを保護し、且つ除菌やウイルス不活化の効果及び重量の低減の効果を得ることができる。
【0016】
縦方向の格子材と格子材の間の間隔は、4~20mmである。格子構造の内側に物が侵入することを防ぐためには、間隔が狭い方が好ましい。しかしながら、紫外線ランプと格子材との距離が大きい場合は、格子材と格子材の間の間隔を広くしてもよい。下限は好ましくは5mm以上であり、より好ましくは6mm以上である。上限は、好ましくは18mm以下であり、より好ましくは16mm以下である。しかし、紫外線ランプと格子材との距離が50mm以上の場合は、間隔の上限は、40mm以下としてもよく、好ましくは35mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。
前記範囲であることにより、格子構造の内側に物が侵入することを防ぎ、且つ開口率を上げ、そして格子構造の重量を低減することができる。従って、カラオケルームなどにおいて、女性店員などでも容易に持ち運び、頻繁に紫外線照射をすることができる。
【0017】
格子構造の開口率は、特に限定されるものではないが、例えば40~90%である。前記開口率であることにより、紫外線ランプを保護し、且つ除菌やウイルス不活化の効果を得ることができる。
【0018】
《除菌・不活化効果の検証》
波長254nmの紫外線を放射する紫外線ランプを用いて、大腸菌およびバクテリオファージウイルスを99%死滅または不活化させる紫外線照射量が、大腸菌では6.5mJ/cm2、バクテリオファージウイルスでは12mJ/cm2であることに基づき、紫外線照射量基準値を12mJ/cm2とした。上記格子構造は陰となる領域が少ないことにより、カラオケルーム内で人が触れる可能性が高く、紫外線ランプから最も離れた地点においても、紫外線照射装置を点灯する場所を変更しなくても、短時間で効率よく紫外線照射量基準値まで照射できる。
【0019】
《開口構造》
本発明の紫外線照射装置は、好ましくは前記ランプ破損防止構造が開口構造を備える。
前記開口構造は、円柱状の格子構造の縦方向の1つの格子材を開口軸として、開口軸となる格子材の反対側が開口し、そして回転する構造である。
図5及び
図6を用いて、開口構造の1つの実施態様について、説明する。
図5は、開口構造の開口部が閉じている状態を示した図である。開口軸14は、円柱状の格子構造の縦方向の1つの格子材とすることができる。1つの縦方向の格子材を軸として、およそ反対側の開口部15を開くことによって、ランプ破損防止構造の開口構造を備えることができる。
図6に示すように、開口部15は、好ましくは180度程度まで開く。開口部が大きく開くことによって、紫外線ランプを容易に交換することが可能であり、本発明の紫外線照射装置のメインテナンスが容易となる。
【0020】
前記開口部は、通常は
図5に示すように、縦方向の1つの格子材によって閉じる構造とし、格子材を抜き取ることにより、開口部15とすることができる。一方、
図7に示すように、開口部にスナップ錠16を設置し、スナップ錠を解錠することによって、開口部15とすることもできる。
【0021】
《支柱》
本発明の紫外線照射装置は、支柱を有することもできる。支柱は、前記基底部から、紫外線ランプと平行に、略垂直に設置することができる。また支柱から延びる上端支持部によって紫外線ランプを支持することができる。前記上端支持部は、
図3、5、及び6に示すように、紫外線ランプ2、及びランプ保持部(上部)10と結合し、それらを撓んで変形しないように固定することができる。
支柱の形状は特に限定されるものではないが、例えば円柱、四角柱、又はひし形の角柱などが挙げられるが、ひし形の角柱が好ましい。
図4Eに示すように支柱6が、断面がひし形の角柱であることによって、機械的強度(剛性)を高めるために支柱を太くしたときでも、紫外線ランプからの紫外線の照射が支柱によって遮られることを最小限とすることができる。
【0022】
《手持ち部》
前記支柱は、上面部及び/又は側面部に手持ち部を有する。
図1に示すように、支柱の上面に上面手持ち部7を有してもよく、支柱の側面に側面手持ち部8を有してもよい。例えば基底部3に車輪を付けることによって、上面手持ち部7又は側面手持ち部8によって、容易に紫外線照射装置を移動させることができる。
【0023】
《運用手順・安全性の検証》
本発明の紫外線照射装置を、清掃する前のカラオケルームに設置して紫外線照射を行うことにより、清掃スタッフと次の利用者への感染リスクを低減することができる。
【0024】
本発明の紫外線照射装置は、カラオケルーム内の床に設置せず、イスやテーブルなどに載せた状態で点灯させることで、人が触れる可能性が高い位置を効率よく紫外線照射量基準値まで照射できる。例えば、カラオケルームの中央に設置されたテーブルに載せて点灯させることで、カラオケルーム内を効率よく紫外線照射量基準値まで照射できる。
【0025】
本発明の紫外線照射装置は約4kg程度の軽量であるため、比較的力の弱い清掃スタッフであっても、容易に装置を持ち運ぶことができる。またそのときに、不意にイスやテーブルやドア等と衝突しても、前記格子構造と前記支柱により機械的強度(剛性)が高められ、前記開口構造により紫外線ランプとの接触を防いでいるので、紫外線ランプの破損を防ぐことができる。
【0026】
清掃する前のカラオケルームに、本発明の紫外線照射装置を設置して、タイマーをセットして、清掃スタッフが退室した後の人がいない時間帯を利用して、紫外線照射を行うことができる。カラオケルームの大きさによって異なるが、7~15分程度で効率的に殺菌及び消毒をすることができる。この時間を利用して、清掃スタッフは紫外線照射の終わったルームの清掃や他の業務を行うことができる。このように清掃スタッフが、複数の個室空間を効率的に清掃することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の紫外線照射装置は、カラオケルームのみならず、飲食店(レストラン、居酒屋等)、ホテル、介護施設、個室などの空間利用の用途に対する外販、公民館などの公共施設での殺菌及び消毒に用いることができる。
【符号の説明】
【0028】
1・・・紫外線照射装置;
2・・・紫外線ランプ;
3・・・基底部;
4・・・縦方向の格子材;
5・・・横方向の格子材(環状格子材);
6・・・支柱;
7・・・上面手持ち部;
8・・・側面手持ち部;
9・・・上端支持部;
10・・・ランプ保持部(上部);
11・・・ランプ保持部(下部);
12・・・動作表示部;
13・・・点灯制御部;
14・・・開口軸;
15・・・開口部;
16・・・スナップ錠;