(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183997
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】表示方法、及び表示システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20231221BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231221BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20231221BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20231221BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231221BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F3/042 473
G09G5/00 550C
G06F3/041 520
G06F3/041 580
G06F3/041 595
H04N5/74 Z
G09F9/00 366G
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097868
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仙敷 大樹
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2K203FA93
2K203FB05
2K203GB32
2K203GB62
2K203GB69
2K203KA44
2K203KA56
2K203MA23
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA26
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB02
5C182AB03
5C182AB13
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA04
5C182BA14
5C182BA25
5C182BA65
5C182BB01
5C182BB05
5C182BB12
5C182BC01
5C182BC22
5C182BC25
5C182CB54
5C182DA02
5G435AA00
5G435EE49
5G435LL15
(57)【要約】
【課題】インタラクティブプロジェクターを複数並べて配置する際に、指示体の検出に関する時間分解能を悪化させることなく、複数の検出光が発生することに起因する問題の発生を回避する。
【解決手段】プロジェクター10は、第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dを含む。第1取得部110aは、表示面を含む範囲のカメラによる撮像画像を取得する。検出部110bは、表示面に沿って照射される第1の光及び第2の光の指示体による反射光に対応する第1の輝点及び第2の輝点を撮像画像から検出する。第2取得部110cは、第1の輝点の位置と第2の輝点の位置との距離が閾値th1未満である場合に第1の輝点と第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得する。表示制御部110dは、指示体による描画画像を第3の位置に含む表示画像を表示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって、表示面を含む範囲を撮像した撮像画像を取得することと、
前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、
前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、
前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、
前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、
を含む、表示方法。
【請求項2】
前記第3の位置は、前記撮像画像において前記第1の輝点と前記第2の輝点とを含む領域における輝度の重心位置に対応する、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記第3の位置を取得することは、
前記第1の輝点が前記第2の輝点より明るい場合、前記第1の輝点の位置に基づいて前記第3の位置を取得すること、を含む、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項4】
前記第3の位置を取得することは、
前記カメラに対応する前記表示面上の位置を基準位置とした場合に、前記第1の輝点に対応する前記表示面上の第1の位置の方が前記第2の輝点に対応する前記表示面上の第2の位置よりも前記基準位置に近い場合に、前記第1の輝点の位置に基づいて前記第3の位置を取得すること、を含む、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項5】
表示面に画像を表示する表示装置と、
前記表示面を含む範囲を撮像するカメラと、を含み、
前記表示装置は、
前記カメラによる撮像画像を取得することと、
前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、
前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、
前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、
前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、を実行する、
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示方法、及び表示システム、に関する。
【背景技術】
【0002】
インタラクティブプロジェクターは、画像の表示先となる表示面に対して手指等の指示体を用いてユーザーが文字又は図形を描く動作を行うと、ユーザーの描線を示す画像を表示する。インタラクティブプロジェクターの一例としては、指示体を検出するために表示面に沿って照射されるIR(InfraRed)光等の光を指示体が横切ることにより発生する輝点をカメラにより撮像することで、指示体の位置を検出するものが挙げられる。表示面に沿って照射される光はライトカーテンと称され、ライトカーテンを照射する照射装置はライトカーテンユニット、又はフィンガータッチユニットと称される。
【0003】
表示面が大きく、1つのインタラクティブプロジェクターでは表示面の一部にしか画像を表示できない場合、複数のインタラクティブプロジェクターを並べて表示システムを構築する場合がある。しかし、ライトカーテンを用いて指示体の位置を検出するインタラクティブプロジェクターを複数台並べて使用すると、隣り合うインタラクティブプロジェクターのライトカーテンの一部が重なりあう場合がある。重なり合った2つのライトカーテンを指示体が横切ると、各インタラクティブプロジェクターにおいて1つの指示体に対して2つの輝点が撮像され得る。1つの指示体に対して2つの輝点が撮像されると、ユーザーの描いた描線が二重に描画されたり、描線がギザギザに描画されたりする等の不具合が発生し得る。このような不具合の発生を回避するための技術が種々提案されており、一例としは特許文献1に開示の技術が挙げられる。特許文献1に開示の技術では、互いに隣り合うインタラクティブプロジェクターのライトカーテンの照射タイミングを時間軸上で異ならせることで、1つの指示体に対して2つの輝点が撮像されることが回避される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1のインタラクティブプロジェクターと第2のインタラクティブプロジェクターとを並べて使用する場合において各々に対応するライトカーテンの照射タイミングを時間軸上で異ならせると、一方のインタラクティブプロジェクターに対応するライトカーテンが照射されている間、他方のインタラクティブプロジェクターでは指示体の検出を行えず、指示体の位置の検出に関する時間分解能が悪化する。指示体の検出に関する時間分解能が悪化すると、指示体の位置を連続的に検出できず、表示される描線にかくつきが発生する、といった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示方法の一態様は、カメラによって、表示面を含む範囲を撮像した撮像画像を取得することと、前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、を含む。
【0007】
また、本開示の表示システムの一態様は、表示面に画像を表示する表示装置と、前記表示面を含む範囲を撮像するカメラと、を含む。前記表示装置は、前記カメラによる撮像画像を取得することと、前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態による表示システム1の構成例を示す図である。
【
図2】表示システム1において指示体30の位置を検出するために照射装置20A及び照射装置20Bの各々から照射されるIR光を説明するための図である。
【
図3】表示システム1において指示体30の位置を検出するために照射装置20A及び照射装置20Bの各々から照射されるIR光を説明するための図である。
【
図4】指示体30がIR光LA及びIR光LBの両方を横切ることに起因する問題点を説明するための図である。
【
図5】表示システム1に含まれるプロジェクター10の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態の効果を説明するための図である。
【
図7】処理装置110がプログラムPRAに従って実行する表示方法の流れを示すフローチャートである。
【
図8】処理装置110が実行する表示方法に含まれる第2取得処理SA130の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
1.実施形態
図1は、本開示の一実施形態による表示システム1の構成例を示す図である。表示システム1は、プロジェクター10A及びプロジェクター10Bと、照射装置20A及び照射装置20Bと、を含む。プロジェクター10A及びプロジェクター10Bには、図示せぬ画像供給装置が有線又は無線により接続される。プロジェクター10Aは、図示せぬ画像供給装置から共有される画像データに応じた表示画像PGAを、投射スクリーン等の表示面SSに表示する。同様に、プロジェクター10Bは、図示せぬ画像供給装置から共有される画像データに応じた表示画像PGBを表示面SSに表示する。プロジェクター10A及びプロジェクター10Bは、表示面SSが設置される部屋の天井に設置される。画像供給装置からプロジェクター10A及びプロジェクター10Bの各々に供給される画像データとしては、会議等における資料を表す画像データ、又は学校等における教材を表す画像データが挙げられる。画像供給装置の具体例としては、例えばパーソナルコンピューターが挙げられる。
【0010】
プロジェクター10Aは、表示面SSに対して指示体30を用いてユーザーが文字又は図形を描く動作を行うと、ユーザーの描線を示す描画画像を含む表示画像PGAを表示面SSに表示する。表示画像PGAは、画像供給装置から共有される画像データの表す画像にユーザーの描線を示す描画画像を重ねた画像である。本実施形態における指示体30は、ユーザーの手指であるが、タッチペンであってもよい。同様に、プロジェクター10Bは、表示面SSに対して指示体30を用いてユーザーが文字又は図形を描く動作を行うと、ユーザーの描線を示す描画画像を含む表示画像PGBを表示面SSに表示する。表示画像PGBも、画像供給装置から共有される画像データの表す画像にユーザーの描線を示す描画画像を重ねた画像である。つまり、プロジェクター10A及びプロジェクター10Bは、インタラクティブプロジェクターである。以下では、プロジェクター10Aとプロジェクター10Bとを区別する必要がない場合には、プロジェクター10A及びプロジェクター10Bはプロジェクター10と表記される。なお、以下では、
図1に示されるように、表示面SSの法線に沿った座標軸はZ軸と称され、鉛直方向に沿った座標軸はY軸と称され、Y軸及びZ軸に直交する座標軸はX軸と称される。
【0011】
照射装置20Aはプロジェクター10Aと対になるフィンガータッチユニットである。照射装置20Bはプロジェクター10Bと対になるフィンガータッチユニットである。
図1に示されるように、照射装置20A及び照射装置20Bは、表示面SSの上方にX軸方向に並ぶように配置される。照射装置20A及び照射装置20Bは、IR光を発するIR光源を備える。照射装置20A及び照射装置20Bの各々は、ライトカーテンを形成するIR光を表示面SSに沿って照射する。
図2及び
図3は、照射装置20A及び照射装置20Bの各々から照射されるIR光を説明するための図である。
図2は、照射装置20A及び照射装置20Bの各々から照射されるIR光の様子をZ軸方向から見た図である。
図3は、照射装置20A及び照射装置20Bの各々から照射されるIR光の様子をY軸方向から見た図である。
図2及び
図3に示されるように、照射装置20Aは、表示面SSに沿って、表示面SSからZ軸方向に距離HAだけ隔てた位置に扇状にIR光LAを照射する。IR光LAは本開示における第1の光の一例である。同様に、照射装置20Bは、表示面SSに沿って、表示面SSからY軸方向に距離HBだけ隔てた位置に扇状にIR光LBを照射する。IR光LBは本開示における第2の光の一例である。
【0012】
図2及び
図3に示されるように、IR光LAにより形成されるライトカーテンと、IR光LBにより形成されるライトカーテンとは、Z軸方向から見たときに互いに一部が重なりあう。IR光LAにより形成されるライトカーテンとIR光LBにより形成されるライトカーテンとの間のZ軸方向の隙間は無いこと、即ち距離HAと距離HBとが等しいことが好ましい。しかし、照射装置20A及び照射装置20Bの各々の初期設定等の相違により距離HAと距離HBとが一致しない場合がある。また、扇状のライトカーテンの端部には湾曲が発生し易く、この湾曲に起因して距離HAと距離HBとが一致しない場合もある。距離HAと距離HBとが一致しない場合、
図3に示されるように、1つの指示体30に対して輝点PAと輝点PBとの2つの輝点が発生する。1つの指示体30に対して2つの輝点が発生する状況下において、ユーザーが指示体30を用いて表示面SSに対して線分を描く動作を行ったとする。この場合、従来のインタラクティブプロジェクターでは、
図4に示されるように輝点PAの軌跡に対応する線分TAと輝点PBの軌跡に対応する線分TBとを表す描画画像を含む表示画像PGCが表示面SSに表示されるという不具合が発生する。本実施形態におけるプロジェクター10は、指示体30の位置の検出に関する時間分解能を悪化させることなく、上記不具合の発生を回避できるように構成されている。プロジェクター10は、本開示における表示装置の一例である。
【0013】
図5は、プロジェクター10の構成例を示す図である。
図5に示されるようにプロジェクター10は、処理装置110、投射装置120、カメラ130、及び記憶装置140、を含む。プロジェクター10は、処理装置110、投射装置120、カメラ130、及び記憶装置140の他に、画像供給装置と有線又は無線により通信するための通信回路、及びユーザーの各種入力操作を受け付けるキーボード等の入力装置を含む。しかし、通信装置、及び入力装置については、本開示との関連が薄いため、
図5では図示が省略されている。
【0014】
処理装置110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、即ちコンピューターを含んで構成される。処理装置110は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。処理装置110は、記憶装置140に記憶されているプログラムPRAに従って作動することにより、プロジェクター10の制御中枢として機能する。
【0015】
投射装置120は、投射レンズ、液晶駆動部、液晶パネル、及び光源部、を含む。なお、
図5では、投射レンズ、液晶駆動部、液晶パネル、及び光源部の図示は省略されている。液晶駆動部は、処理装置110から供給される画像データに従って液晶パネルを駆動することにより、この画像データの表す表示画像を液晶パネルに描画する。光源部は、例えば、ハロゲンランプ又はレーザーダイオードなどの光源を含む。光源部からの光は、液晶パネルにおいて画素毎に変調され、投射レンズを介して画像光として投射される。この画像光が表示面SSに投射されることにより、表示面SSに表示画像が表示される。なお、投射装置120は画像光を表示面SSに投射できる構成であればよく、液晶駆動部、及び液晶パネルに代えて、デジタルミラーデバイス(DMD)を備える構成であってもよい。
【0016】
カメラ130は、例えばIRカメラであり、表示面SSの中心に光軸が向くように姿勢を調整済である。カメラ130は、例えば、レンズ等の光学系にて集光された光を電気信号に変換する撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を備え、IR光を受光するためのIR光フィルターが取り付けられている。カメラ130は、処理装置110による制御の下、所定の周期で表示面SSを含む所定範囲の画像を撮像する。カメラ130は、表示面SSを含む所定範囲の画像を撮像する毎に、撮像した画像を表す画像データを処理装置110へ出力する。
【0017】
記憶装置140は、処理装置110が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置140は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0018】
記憶装置140の不揮発性メモリーには、本開示の表示方法を処理装置110に実行させるプログラムPRAが予め記憶されている。また、不揮発性メモリーには、カメラ130により撮像される撮像画像上の位置と、投射装置120により表示される表示画像上の位置とを相互に変換するための変換データが予め記憶されている。この変換データは、周知のキャリブレーションを行うことにより適宜生成され、不揮発性メモリーに記憶される。記憶装置140の揮発性メモリーは、プログラムPRAを実行する際のワークエリアとして処理装置110によって利用される。
【0019】
処理装置110は、プロジェクター10の電源投入を契機としてプログラムPRAを不揮発性メモリーから揮発性メモリーへ読み出し、読み出したプログラムPRAの実行を開始する。プログラムPRAに従って作動している処理装置110は、
図5に示される第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dとして機能する。
図5に示される第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dは、プログラムPRAに従って処理装置110を作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。
図5に示される第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dの各々が担う機能は次の通りである。
【0020】
第1取得部110aは、カメラ130から出力される画像データを取得する。前述したように、本実施形態では、カメラ130によって、表示面SSを含む所定範囲の画像が撮像される。つまり、第1取得部110aは、表示面SSを含む所定範囲の撮像画像を表す画像データを取得する。
【0021】
検出部110bは、第1取得部110aにより取得された画像データを解析することにより、指示体30によるライトカーテンの反射光に対応する輝点を、当該画像データの表す撮像画像から検出する。例えば、検出部110bは、撮像画像において、例えば3画素等の所定の個数以上の画素が属し、且つ各画素の輝度が所定値以上となっている領域を上記輝点に対応する領域として検出する。なお、輝点検出の安定性を高めるため、検出部110bは、指示体30を近づけていない状態の表示面SSを撮像して得られる背景画像を、上記撮像画像から除去した後に輝点の検出を行ってもよい。
【0022】
前述したように、本実施形態では、表示面SSに沿って照射装置20AからIR光LAが照射され、表示面SSに沿って照射装置20BからIR光LBが照射される。表示面SSに対して何等かの筆記を行うためにユーザーが指示体30を表示面に近づけると、指示体30はIR光LAとIR光LBとの何れか一方、又は両方を横切る。指示体30がIR光LAとIR光LBとの何れか一方を横切る場合、撮像画像には、指示体30がIR光を横切ることにより発生した反射光に対応する1つの輝点が写る。従って、指示体30がIR光LAとIR光LBとの何れか一方を横切る場合、検出部110bは、IR光LA又はIR光LBの指示体30による反射光に対応する1つの輝点を検出する。
【0023】
1つの指示体30がIR光LAとIR光LBとを横切る場合、撮像画像には、指示体30によるIR光LAの反射光に対応する輝点PAと、指示体30によるIR光LBの反射光に対応する輝点PBとが写る。従って、1つの指示体30がIR光LAとIR光LBとを横切る場合、検出部110bは、IR光LAの指示体30による反射光に対応する輝点PAと、IR光LBの指示体30による反射光に対応する輝点PBとを検出する。輝点PAは本開示における第1の輝点の一例である。輝点PBは本開示における第2の輝点の一例である。
【0024】
指示体30がIR光LAのみを横切り、且つ指示体30とは異なる他の指示体がIR光LBのみを横切る場合、又は指示体30がIR光LBのみを横切り、且つ他の指示体がIR光LAのみを横切る場合も、撮像画像には2つの輝点が写る。これらの場合も、検出部110bは、2つの輝点を検出する。また、指示体30がIR光LA及びIR光LBの何れをも横切らず、且つ他の指示体もIR光LA及びIR光LBの何れをも横切らない場合、撮像画像には輝点は写らない。この場合、検出部110bは、輝点を検出しない。
【0025】
第2取得部110cは、指示体30を用いて描かれた描線を表す描画画像を表示面SSに配置する際の配置位置を、検出部110bによる検出結果に基づいて取得する。配置位置は本開示における第3の位置の一例である。検出部110bにより輝点が検出されなかった場合、第2取得部110cは、配置位置を取得しない。検出部110bにより輝点が検出されなかったということは、指示体30を用いた筆記が行われていないと考えられるからである。
【0026】
検出部110bにより輝点が1つ検出された場合、第2取得部110cは、撮像画像において当該輝点に対応する領域の輝度の重心位置を算出し、この重心位置を変換データを用いて表示画像上の位置に変換することで配置位置を取得する。輝度の重心位置とは、当該領域に属する画素の、X座標、及びY座標の各々の座標値を当該画素の輝度値を重みとして重み付け平均することにより求まる値である。
【0027】
検出部110bにより2つの輝点が検出された場合、第2取得部110cは、まず、2つの輝点の間の距離が閾値th1未満であるか否かを判定する。閾値th1は本開示における第1の閾値の一例である。そして、2つの輝点の間の距離が閾値th1未満である場合には、第2取得部110cは、1つの指示体30がIR光LAとIR光LBとを横切ることにより2つの輝点が発生したとみなし、撮像画像において当該2つの輝点を含む所定の領域の輝度の重心位置を算出し、この重心位置を変換データを用いて表示画像上の位置に変換することで配置位置を取得する。つまり、2つの輝点の間の距離が閾値th1未満である場合、これら2つの輝点に対して1つの配置位置が取得される。
【0028】
2つの輝点の各々の位置に加えて輝度を加味して配置を決定する理由は次の通りである。指示体30によりIR光LAが反射されることにより輝点PAが撮像画像に写り、指示体30によりIR光LBが反射されることにより輝点PBが撮像画像に写る場合、表示画像PGAと重なる領域では輝点PAが輝点PBよりも明るくなることが多く、明るい方の輝点がより正確な位置を表すと考えられるからである。また、撮像画像において2つの輝点を含む所定の領域の具体例としては、2つの輝点を含む最小の円により囲われる領域が挙げられる。
【0029】
2つの輝点の間の距離が閾値th1以上である場合、第2取得部110cは、指示体30がIR光LAのみを横切り、且つ他の指示体がIR光LBのみを横切った、又は指示体30がIR光LBのみを横切り、且つ他の指示体がIR光LAのみを横切ったとみなし、撮像画像に写っている輝点毎に輝度の重心位置を算出し、この重心位置を変換データを用いて表示画像上の位置に変換することで配置位置を取得する。つまり、2つの輝点の間の距離が閾値th1以上である場合、これら2つの輝点に対して1つずつ、合計2つの配置位置が取得される。
【0030】
表示制御部110dは、第2取得部110cにより取得された配置位置に、指示体30による描線を表す描画画像を配置した表示画像を表す画像データを生成し、投射装置120に与える。
【0031】
本実施形態では、
図3に示されるように、1つの指示体30がIR光LAとIR光LBとを横切ることにより、輝点PAと輝点PBとが撮像画像に写った場合、
図6に示されるように、輝点PAと輝点PBに基づいて定まる1つの配置位置に描線TCを表す描画画像を配置した表示画像PGDが表示面SSに表示される。なお、
図6では、輝点PAの軌跡に対応する線分が点線で描画されており、輝点PBの軌跡に対応する線分が一点鎖線で描画されているが、輝点PAの軌跡に対応する線分及び輝点PBの軌跡に対応する線分は実際には表示されない。従って、1つの指示体30に対して2つの輝点が撮像されたとしても、ユーザーの描いた描線が二重に描画されるといった不具合は発生しない。なお、本願出願人は、距離HBと距離HAとの差が約20mmであっても、上記不具合が発生しないことを実験により確認した。
【0032】
また、プログラムPRAに従って作動している処理装置110は、
図7に示す表示方法を一定の周期で切り返し実行する。
図7に示されるように、本実施形態の表示方法は、第1取得処理SA110、検出処理SA120、第2取得処理SA130、及び表示制御処理SA140を含む。
【0033】
第1取得処理SA110では、処理装置110は、第1取得部110aとして機能する。第1取得処理SA110では、処理装置110は、表示面SSを含む所定範囲の撮像画像を表す画像データを取得する。
【0034】
検出処理SA120では、処理装置110は、検出部110bとして機能する。検出処理SA120では、処理装置110は、第1取得処理SA110にて取得された画像データを解析することにより、指示体30によるライトカーテンの反射光に対応する輝点を、当該画像データの表す撮像画像から検出する。
【0035】
第2取得処理SA130では、処理装置110は、第2取得部110cとして機能する。第2取得処理SA130では、処理装置110は、検出処理SA120にて検出された輝点に基づいて配置位置を取得する。
図8は、第2取得処理SA130の処理内容を表すフローチャートである。
図8に示されるように、第2取得処理SA130は、第1判定処理SA1310、第2判定処理SA1320、第3判定処理SA1330、第1位置算出処理SA1340、及び第2位置算出処理SA1350を含む。
【0036】
第1判定処理SA1310では、処理装置110は、検出処理SA120にて輝点が検出されたか否かを判定する。検出処理SA120にて輝点が検出されなかった場合、第1判定処理SA1310の判定結果は“No”、即ち否定となる。第1判定処理SA1310の判定結果が否定である場合、処理装置110は、第2判定処理SA1320以降の処理を実行することなく、第2取得処理SA130を終了する。この場合、配置位置は取得されない。検出処理SA120にて1個又は2個の輝点が検出された場合、第1判定処理SA1310の判定結果は“Yes”、即ち肯定となる。第1判定処理SA1310の判定結果が肯定である場合、処理装置110は、第2判定処理SA1320を実行する。
【0037】
第2判定処理SA1320では、処理装置110は、検出処理SA120にて検出された輝点の個数が1であるか否かを判定する。検出処理SA120にて検出された輝点の個数が1である場合、第2判定処理SA130の判定結果は“Yes”、即ち肯定となる。第2判定処理SA1320の判定結果が肯定である場合、処理装置110は、第1位置算出処理SA1340を実行し、第2取得処理SA130を終了する。検出処理SA120にて検出された輝点の個数が1ではない場合、第2判定処理SA130の判定結果は“No”、即ち否定となる。第2判定処理SA1320の判定結果が否定である場合、処理装置110は、第3判定処理SA1330を実行する。
【0038】
第3判定処理SA1330では、処理装置110は、検出処理SA120にて検出された2つの輝点の間の距離が閾値th1未満であるか否かを判定する。前述したように、1つの指示体30がIR光LAとIR光LBとを横切ることにより2つの輝点が発生した場合は、これら2つの輝点の間の距離は閾値th1未満となり、第3判定処理SA1330の判定結果は“Yes”、即ち肯定となる。これに対して、IR光LAを指示体30が横切ることにより第1の輝点が発生し、IR光LBを他の指示体が横切ることにより第2の輝点が発生している場合は、第1の輝点と第2の輝点との間の距離は閾値th1以上となり、第3判定処理SA1330の判定結果は“No”、即ち否定となる。第3判定処理SA1330の判定結果が肯定である場合、処理装置110は第2位置算出処理SA1350を実行する。第3判定処理SA1330の判定結果が否定である場合、処理装置110は第1位置算出処理SA1340を実行する。
【0039】
第1位置算出処理SA1340では、処理装置110は、検出処理SA120にて検出された輝点毎に、輝度重心を算出することにより、描画画像の配置位置を取得する。従って、検出処理SA120にて検出された輝点の個数が1個である場合には、第1位置算出処理SA1340では配置位置が1つ取得される。これに対して、検出処理SA120にて検出された輝点の個数が2個である場合には、第1位置算出処理SA1340では配置位置が2つ取得される。
【0040】
第2位置算出処理SA1350では、処理装置110は、検出処理SA120にて検出された2つの輝点に基づいて1つの配置位置を取得する。具体的には、処理装置110は、撮像画像における2つの輝点を含む所定の領域における輝度の重心位置を算出し、この重心位置を変換データを用いて表示画像上の位置に変換することで1つの配置位置を取得する。
【0041】
表示制御処理SA140では、処理装置110は表示制御部110dとして機能する。表示制御処理SA140では、処理装置110は、配置位置が第2取得処理SA130にて取得された場合には、この配置位置に描画画像を含む表示画像を表す画像データを生成し、投射装置120に与える。配置位置が第2取得処理SA130にて取得されなかった場合には、処理装置110は、描画画像を含まない表示画像を表す画像データを生成し、投射装置120に与える。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター10によれば、カメラ130による撮像画像に2つの輝点が写っている場合であっても、2つの輝点の間の距離が閾値th1未満であれば、2つの輝点に基づいて1つの配置位置が決定され、この配置位置に描線を表す画像が表示される。従って、1つの指示体30に対して2つの輝点が撮像されたとしても、ユーザーの描いた描線が二重に描画されるといった不具合が発生することはない。加えて、本実施形態の表示システム1では、照射装置20AによるIR光LAの照射タイミングと照射装置20BによるIR光LBの照射タイミングとを異ならせる必要はなく、指示体30の検出に関する時間分解能が特許文献1に開示の技術のように悪化することもない。
【0043】
2.変形
上記実施形態は、以下のように変形され得る。
(1)上記実施形態では、カメラ130により表示面SSを撮像することで得られた撮像画像に2つの輝点が写り、2つの輝点との間の距離が閾値th1未満である場合、2つの輝点を含む領域における輝度の重心位置に基づいて配置位置が取得された。しかし、配置位置は、撮像画像における2つの輝点に基づいて定まる位置であればよく、輝度に関する情報を用いず、2つの輝点の位置のみに基づいて配置位置が定められてもよい。例えば、配置位置は、輝点PAの位置と輝点PBの位置とを輝度とは無関係に定まる重みを用いて重み付け平均することにより定められる位置に基づいて取得されてもよい。この重み付け平均により配置位置を定める態様の具体例としては、撮像画像における輝点PAを一方の端点とし、同撮像画像における輝点PBを他方の端点する線分の中点の位置を、変換データを用いて変換することで配置位置とする態様が挙げられる。
【0044】
(2)プロジェクター10Aにおいて実行される第2位置算出処理SA1350では、プロジェクター10Aの処理装置110は、撮像画像の写っている2つの輝点の明るさの差が閾値th2以上である場合、明るい方の輝点の位置に基づいて配置位置を取得してもよい。閾値th2は本開示における第2の閾値の一例である。前述したように、指示体30によりIR光LAが反射されることにより輝点PAが撮像画像に写り、指示体30によりIR光LBが反射されることにより輝点PBが撮像画像に写る場合、表示画像PGAと重なる領域では輝点PAが輝点PBよりも明るくなることが多いからである。本態様によれば、輝点PAと輝点PBとを含む領域における輝度の重心位置に基づいて配置位置を取得する態様に比較して、重み付け平均の演算が不要になるため、配置位置を簡便に取得することができる。
【0045】
また、プロジェクター10Aのカメラ130により撮像される撮像画像では、指示体30によるIR光LBの反射光に対応する輝点PBの位置は、
図9に示されるように、カメラ130の位置に対応する表示面SS上の基準位置P0と、指示体30によるIR光LAの反射光に対応する輝点PAの位置とを結ぶ直線上の位置となることが一般的である。輝点PAの位置は本開示における第1の位置の一例である。輝点PBの位置は本開示における第2の位置の一例である。なお、基準位置P0は、カメラ130を表示面SSを含む平面に射影することにより定まる位置である。そこで、プロジェクター10Aにおいて実行される第2位置算出処理SA1350では、プロジェクター10Aの処理装置110は、撮像画像に写っている2つの輝点のうち基準位置P0に近い方の輝点の位置に基づいて配置位置を取得してもよい。本態様によっても、輝点PAと輝点PBとを含む領域における輝度の重心位置に基づいて配置位置を取得する態様に比較して、重み付け平均の演算が不要になるため、配置位置を簡便に取得することができる。
【0046】
(3)上記実施形態ではカメラ130がプロジェクター10に含まれたが、カメラ130はプロジェクター10に含まれず、カメラ130とプロジェクター10とが別体であってもよい。上記実施形態は、プロジェクターへの本開示の適用例であったが、本開示の適用対象はプロジェクターには限定されず、フラットパネルディスプレイであってもよい。要は、表示面に対するユーザーの筆記動作に応じた画像を表示する表示装置であれば、本開示の適用が可能である。
【0047】
(4)上記実施形態における第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dはソフトウェアモジュールであった。しかし、第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dのうちの何れか一つ或いは複数、又は全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアモジュールであってもよい。第1取得部110a、検出部110b、第2取得部110c、及び表示制御部110dのうちの何れか一つ或いは複数、又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同じ効果が奏される。
【0048】
(5)プログラムPRAは単体で製造されてもよく、有償又は無償で提供されてもよい。プログラムPRAを提供する際の具体的な態様としては、フラッシュROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体にプログラムPRAを書き込んで提供する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードによりプログラムPRAを提供する態様が挙げられる。これらの態様により提供されるプログラムPRAに従って一般的なコンピューターを作動させることで、当該コンピューターに本開示の表示方法を実行させることが可能になる。
【0049】
3.本開示のまとめ
本開示は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
以下、本開示のまとめを付記する。
【0050】
(付記1)
本開示の一態様による表示方法は、カメラによって、表示面を含む範囲を撮像した撮像画像を取得することと、前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、を含む。
【0051】
(付記1)に記載の表示方法によれば、1つの指示体が第1の光と第2の光とを反射することにより第1の輝点と第2の輝点とが撮像画像に写ったとしても、第1の輝点と第2の輝点とに基づいて定まる第3の位置に1つの描画画像が表示され、第1の輝点に対応する描画画像と第2の輝点に対応する描画画像とが夫々別個に表示されることはない。このため、ユーザーが指示体を用いて描いた描線が二重に描画されるといった不具合が発生することはない。加えて、本実施形態の表示方法では、第1の光の照射タイミングと第2の光の照射タイミングとを異ならせる必要はなく、指示体の位置の検出に関する時間分解能が悪化することもない。
【0052】
(付記2)
前記第3の位置は、前記撮像画像において前記第1の輝点と前記第2の輝点とを含む領域における輝度の重心位置に対応する、(付記1)に記載の表示方法。
【0053】
(付記2)に記載の表示方法によれば、第1の輝点と第2の輝点とを含む領域における輝度の重心位置に対応する表示面上の位置に描画画像を表示することができる。
【0054】
(付記3)
前記第3の位置を取得することは、前記第1の輝点が前記第2の輝点より明るい場合、前記第1の輝点の位置に基づいて前記第3の位置を取得すること、を含む、(付記1)に記載の表示方法。
【0055】
(付記3)に記載に表示方法によれば、第1の輝点と第2の輝点とを含む領域における輝度の重心位置に基づいて第3の位置を取得する態様に比較して、第3の位置を簡便に取得することができる。
【0056】
(付記4)
前記第3の位置を取得することは、前記カメラに対応する前記表示面上の位置を基準位置とした場合に、前記第1の輝点に対応する前記表示面上の第1の位置の方が前記第2の輝点に対応する前記表示面上の第2の位置よりも前記基準位置に近い場合に、前記第1の輝点の位置に基づいて前記第3の位置を取得すること、を含む、(付記1)に記載の表示方法。
【0057】
(付記4)に記載の表示方法によれば、第1の輝点と第2の輝点とを含む領域における輝度の重心位置に基づいて第3の位置を取得する態様に比較して、第3の位置を簡便に取得することができる。
【0058】
(付記5)
本開示の一態様による表示システムは、表示面に画像を表示する表示装置と、前記表示面を含む範囲を撮像するカメラと、を含み、前記表示装置は、前記カメラによる撮像画像を取得することと、 前記表示面に沿って照射される第1の光の反射光に対応する第1の輝点と前記表示面に沿って照射される第2の光の反射光に対応する第2の輝点とを前記撮像画像から検出することと、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点との間の距離が第1の閾値未満である場合に、前記撮像画像における、前記第1の輝点と前記第2の輝点とに基づき決定される第3の位置を取得することと、前記表示面における前記第3の位置に、描画画像を含む表示画像を表示することと、を実行する。
【0059】
(付記5)に記載の表示システムによれば、(付記1)に記載の表示方法と同様に、指示体の位置の検出に関する時間分解能を悪化させることなく、ユーザーが指示体を用いて描いた描線が二重に描画されるといった不具合の発生を回避することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…表示システム、10,10A,10B…プロジェクター、20A,20B…照射装置、30…指示体、110…処理装置、110a…第1取得部、110b…検出部、110c…第2取得部、110d…表示制御部、120…投射装置、130…カメラ、140…記憶装置、PRA…プログラム、SS…表示面。