(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184028
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231221BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20231221BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231221BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20231221BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/02
B60R16/02 640K
B60K35/00 Z
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097919
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 茂人
【テーマコード(参考)】
3D241
3D344
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241DD12Z
3D344AA19
3D344AB01
3D344AD01
5B020AA15
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5B020DD02
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5B020GG17
5E555AA07
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5E555CB12
5E555CB20
5E555CB74
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5E555DC13
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5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両メーカや電装品メーカの設計負担を増大させることなく、ユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報を提示する情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】車両1に搭載され、情報処理装置10、車内を撮影する撮影装置20、車両装備30、操作部40、検出部50及ぶECU60を有する。ガイダンス提供システム100において、情報処理装置10は、車両1から、車両1に備えられた操作部40に対するユーザの操作を示す操作情報を取得することと、取得した操作情報と対応するガイダンス情報をデータベースから取得することと、取得したガイダンス情報をユーザに提示することと、を実行する制御部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から、前記車両に備えられた操作部に対するユーザの操作を示す操作情報を取得することと、
取得した操作情報と対応するガイダンス情報をデータベースから取得することと、
取得した前記ガイダンス情報を前記ユーザに提示することと、
を実行する制御部を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記操作情報には、少なくとも前記操作部を操作していた時間、所定時間内の操作回数、操作間隔の何れかが含まれる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作情報には、特定の操作部と他の操作部とが、同時に操作された情報又は所定時間内に連続して操作された情報が含まれる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データベースは、前記操作部の操作情報と前記車両の運転状態との組み合わせを前記ガイダンス情報と対応付けて記憶したものであり、
前記制御部が、前記車両から、前記操作部の操作情報を示す操作信号と、前記車両の運転状態を示す信号を取得し、その組み合わせと対応する前記ガイダンス情報を前記データベースから取得して前記ユーザに提示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ガイダンス情報には、前記ユーザが次に操作すべき操作部を示す情報が含まれる請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ガイダンス情報には、前記車両の車室内において前記操作部が設置された場所を含む画像情報が含まれ、該画像情報を表示装置に表示させることによって前記ユーザが操作すべき前記操作部を提示する請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記データベースをカスタマイズ可能なユーザインタフェースを備える請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両から、前記車両に備えられた操作部に対するユーザの操作を示す操作情報を取得するステップと、
取得した操作情報と対応するガイダンス情報をデータベースから取得するステップと、
取得した前記ガイダンス情報を前記ユーザに提示するステップと、
を制御部が実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の多機能化に伴い、車内に多くの操作スイッチが設けられるようになって来ているが、操作スイッチを見ただけでは、如何なる機能を操作するものかが分からず、使いにくいことがあった。
【0003】
特許文献1では、スイッチ群に対するユーザの操作を検出した時に、ナビゲーション装置のユーザタスク検知部が、操作データベース記憶部に記憶しておいた誤操作を登録した操作データベースを参照して、当該ユーザの操作が予め記憶された誤操作に該当するかを判定する。その結果、当該ユーザの操作が予め記憶された誤操作に該当する場合には、当該誤操作に対応した操作支援画像として、操作前の状態を決定することを促す画像である誤操作確認画像と、操作に該当する操作の決定を促す画像である通常操作確認画像とを表示させるナビゲーション装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-175852号公報
【特許文献2】特開2013-054000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、ナビゲーション装置に対するユーザの操作に基づいて操作支援画像を表示する場合、エアコンやクリアランスソナー、トラクションコントロール等、ナビゲーション装置以外の装備に対する操作には対応できないといった問題があった。
【0006】
特に、車両の電装品等は複数のメーカが別々に製造したものを車両メーカが車両に組み込むため、車両メーカが多くの電装品に対する操作支援画像を設計する必要がある。仮に、個々の電装品メーカに操作支援画像を設計させる場合でも、ユーザインタフェースを統一したり、一つの電装品が、他の電装品と誤って操作された場合等、異なる電装品間の操作の連携を考慮して、操作支援画像を設計する必要がある等、電装品メーカとの間で多くの仕様の取り決めをしなければならず、仕様設計の負担が大きかった。
【0007】
本発明は、車両メーカおよび電装品メーカの設計負担を増大させることなく、ユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報の提示を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、車両に設けられた複数の操作部に関するガイダンス情報と、当該ガイダンス情報を提示する条件とを対応付けたデータベースと、データベースにアクセス可能な制御部とを備える。そして、制御部が、車両に対するユーザの操作を示す操作情報を取得することと、前記操作情報が前記条件を満たすか否かを判定することと、前記操作情報が前記条件を満たした場合に、満たした条件と対応する前記ガイダンス情報を前記データベースから取得することと、取得した前記ガイダンス情報を前記ユーザに提示することとを実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両メーカや電装品メーカの設計負担を増大させることなく、ユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報の提示を可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、ガイダンス提供システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、ガイダンスデータベースのデータ構成を示す図である。
【
図4】
図4は、ガイダンスデータベースにおけるデータセットを示す図である。
【
図5】
図5は、初期設定用のユーザインタフェースを示す図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置の制御部が実行するガイダンス提供方法のフローを示す図である。
【
図7】
図7は、ガイダンス情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0012】
<第一の実施形態>
図1は、ガイダンス提供システム100の概略構成を示す図である。ガイダンス提供システム100は、車両1に搭載され、情報処理装置10や、車内を撮影する撮影装置20、車両装備30、操作部40、検出部50、ECU(electronic control unit)60を
有している。
【0013】
撮影装置(カメラ)20は、車両1に設けられ、車両1に乗車している乗員を撮影する。また、撮影装置20は、乗員の位置を検出する位置センサの機能を有してもよい。なお、撮影装置20は、
図1に示すように車室内前方のインストルメントパネル(ダッシュボード)中央付近に配置されることを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、天井など、対象とする乗員を撮影できれば他の箇所に配置されても良い。また、撮影装置20は、ガイダンス提供のためだけに設けられたものでなくてもよく、ドライブレコーダ等、他の機器に備えられた撮影装置であってもよい。
【0014】
車両装備30は、エアコン、クリアランスソナー、トラクションコントロール、後方カメラ、前照灯、デフロスター等、ユーザによる操作が可能な装備である。なお、本実施形態では、エンジンやブレーキ、操舵機構等、走行するための機構も車両装備と称する。
【0015】
操作部40は、操作釦や、タッチパネル、スイッチ、ダイヤル等、ユーザが車両装備30を操作するための手段である。エアコンをON/OFFするボタンや、エアコンの温度を調整するボタン、クリアランスソナーをON/OFFするボタン、前照灯の照射方向を調整するダイヤル等である。また、エンジンやブレーキ、操舵機構を車両装備30とした場合、アクセルペダルや、ブレーキペダル、ステアリングホイール等を操作部40としてもよい。
【0016】
検出部50は、例えば、車両1の車速や、操舵角、シフトポジション、ブレーキの動作状態、前照灯の点灯状態、ドアの開閉状態、車内灯の点灯状態、シートベルトのロック/アンロック情報、自車位置、加速度など、車両の情報を検出するセンサである。
【0017】
ECU(electronic control unit)60は、CAN等の通信回線を介して情報処理装
置10と接続され、検出部50で検出した車両1の操作状態を示す操作信号(操作情報)を情報処理装置10へ送信する。また、ECU60が、窓ガラスの開閉スイッチや前照灯のスイッチ等、車両装備30の状態を検出し、検出部として機能してもよい。
【0018】
図2は、情報処理装置10の構成を示す図である。情報処理装置10は、接続バス11によって相互に接続された制御部12、メモリ13、入出力IF(インタフェース)14、通信IF15、表示装置19、撮影装置20を有するコンピュータである。制御部12は、入力された情報を処理し、処理結果を出力することにより、装置全体の制御等を行う。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)や、MPU(Micro-processing unit)とも呼ばれる。制御部12は、単一のプロセッサに限られず、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のチップ内に複数のコアを有したマルチコア構成であってもよい。
【0019】
メモリ13は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、制御部12の作業領域、制御部12で処理される情報を一時的に記憶する記憶領域、通信データのバッファ領域として使用される。主記憶装置は、制御部12がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりするための記憶媒体である。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリを含む。補助記憶装置は、制御部12により実行されるプログラムや、情報処理に用いられるデータ、動作の設定情報などを記憶する記憶媒体である。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、メモリカード等である。補助記憶装置は、車
両1に設けられた複数の操作部40に関するガイダンス情報と、当該ガイダンス情報を提示する条件とを対応付けたガイダンスデータベース(以下、ガイダンスDBとも称す)70を格納する。また、補助記憶装置は、撮影画像(車内画像)や、判定結果を記憶してもよい。
【0020】
入出力IF14は、ECU60など、他の装置との間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF14は、例えば、CDやDVD等の記憶媒体からデータを読み取るディスクドライブや、車両装備30、操作部40、スピーカ18、表示装置19、撮影装置20、検出部50等の機器との間でデータの入出力を行う。入出力IF14は、検出部50で検出した情報や車両装備30の情報を検出部50又は車両装備30から直接受信しても、ECU60を介して受信してもよい。入出力IF14は、マイク17からユーザの声といった音の情報が入力される。表示装置19は、ガイダンス情報を表示してユーザに提示する出力部である。また、スピーカ18は、ガイダンス情報を音として出力しユーザに提示する出力部である。
【0021】
通信IF15は、有線又は無線の通信回線(ネットワーク)を介して他の装置との通信を行うインタフェース(通信モジュール)であり、CCU(Communication Control Unit)とも称す。
【0022】
本実施形態の情報処理装置10では、制御部12が、アプリケーションプログラムを実行することにより、制御部12が、操作情報取得部121、判定部122、ガイダンス情報取得部123、提示制御部124、DB更新部125といった各処理部として機能する。即ち、制御部12は、実行するソフトウェアに応じて各処理部として兼用され得る。但し、上記各処理部の一部又は全部が、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(large scale integration)、論理回路、その他のデジタル回路と
いったハードウェアで形成されたものであってもよい。また、上記各処理部の少なくとも一部にアナログ回路を含む構成としてもよい。制御部12は、一つのプロセッサが複数の処理部として機能する構成であっても、一つの処理部として機能するプロセッサを複数備える構成であってもよい。
【0023】
操作情報取得部121は、入出力IF14を介して、車両装備30や、操作部40、検出部50、ECU60から操作信号を受信することにより、車両1の操作部40に対するユーザの操作を示す操作情報を取得する。また、操作情報取得部121は、車両装備30や、検出部50、ECU60から車両1の運転状態を示す信号を取得してもよい。
【0024】
判定部122は、操作情報取得部121で取得した操作情報が、ガイダンスDB70に記憶された条件を満たすか否かを判定する。
【0025】
ガイダンス情報取得部123は、操作情報が条件を満たした場合に、満たした条件と対応するガイダンス情報をガイダンスDB70から取得する。
【0026】
提示制御部124は、取得したガイダンス情報を表示装置19に表示してユーザに提示する。また、提示制御部124は、取得したガイダンス情報をスピーカ18から音として出力してユーザに提示する。
【0027】
DB更新部125は、車両の乗員や車両の整備担当者といったユーザからの入力に応じてガイダンスDB70を更新する。例えば、初期設定時や運転時に、更新用のユーザインタフェースを提示し、このユーザインタフェースに入力されたデータに従って、提示するガイダンス情報や提示条件を設定する。
【0028】
図3は、ガイダンスDB70のデータ構成を示す図である。ガイダンスDB70は、車両1に設けられた複数の操作部40に関するガイダンス情報71と、当該ガイダンス情報71を提示する提示条件72とを対応付けて記憶している。なお、ガイダンスDB70は、例えば情報処理装置10に備えられたメモリ13に格納されており、制御部12からアクセスすることが可能である。また、ガイダンスDB70は、情報処理装置10以外の装置、例えば情報処理装置10と通信可能な携帯端末装置や、車外のネットワーク上に存在するサーバ等の記憶装置に格納されていてもよい。情報処理装置10は例えば通信IF15を通じてこれらの装置からガイダンスDB70の全体や一部をダウンロードしてメモリ13に展開することによって制御部12からアクセス可能にすることができる。
【0029】
提示条件72は、例えば車両1に対する操作状態(操作情報)によって規定される。車両1に対する操作状態としては、操舵角や、車速、自車位置、シフトポジション等が挙げられる。また、操作情報は、車両1に備えられた操作部40に対する操作の状態であってもよい。例えば、操作情報は、何れの操作部40が操作されたか、操作部40を操作していた時間(操作を続けた時間)、所定時間内の操作回数、操作間隔の少なくとも一つであってもよい。また、操作情報は、特定の操作部40と他の操作部40とが、同時に操作されること又は所定時間内に連続して操作されることが含まれてもよい。
【0030】
また、提示条件72は、操作部40の操作情報と車両1の運転状態とを組み合わせたものであってもよい。
【0031】
ガイダンス情報は、ユーザによる操作部40の操作を支援するため、例えば、ユーザが次に操作すべき操作部40を示す情報が含まれる。また、ガイダンス情報には、車両1の車室内において操作部40が設置された場所を含む画像情報が含まれ、該画像情報に基づき画像を表示装置19に表示させることによってユーザが操作すべき操作部40を提示する。なお、ガイダンスDB70に格納される画像情報は、画像自体のデータ(以下、画像データと称す)であっても、画像データが格納されているアドレスや、画像データのファイル名、パス名、IDなど、画像を特定する情報であってもよい。本実施形態では、画像データのIDがガイダンスDB70に格納され、提示制御部124は、この画像データのIDに基づいて該当の画像を補助記憶装置から読み出して表示させる。この画像データは
、操作部40の拡大画像であってもよい。また、ガイダンス情報は、車室内の画像データにおいて操作部40が設置されている位置を示す設置位置情報が含まれてもよい。
【0032】
なお、操作部40の位置や形状は、車両1の車種やグレード毎に異なるため、ガイダンスDB70は、
図3と同様のガイダンス情報71と提示条件72を含むデータセット712を車両1の車種又はグレードごとに有している。
図4は、ガイダンスDB70に含まれる複数のデータセット712を示す図である。また、データセット712は、操作情報を取得する際の取得先装置を示すアドレスや、通信プロトコル、使用する命令の種類など(以下、通信設定情報と称す)が車種又はグレードに応じて登録されていてもよい。
【0033】
<ガイダンス提供方法>
図5は、初期設定用のユーザインタフェース61を示す図である。整備担当者が、情報処理装置10を車両1に搭載した際、情報処理装置10に初期設定の指示を入力すると、制御部12が、DB更新部125の機能により、ユーザインタフェース61を表示装置19に表示させる。ユーザインタフェース61は、車種入力欄611、グレード入力欄612、オプション入力欄613を有している。整備担当者は、情報処理装置10を搭載する車両1の車種とグレードを夫々、車種入力欄611、グレード入力欄612に入力する。また、車種やグレードによって特定されない操作部40については、オプション入力欄613に入力する。これらの設定データが入力されると、制御部12は、入力された車種に応じて、又は車種及びグレードに応じて、データセット712を特定し、判定部122、ガイダンス情報取得部123、提示制御部124で用いるように設定する。また、通信設定情報に基づいて、操作情報を取得する際のアドレスや、通信プロトコル、使用する命令の種類などを設定する。これにより、情報処理装置10は、操作部40の位置や使用できる操作部40が異なる車種やグレードの車両1に搭載された場合でも、適切なガイダンス情報を提示できるようにしている。即ち、情報処理装置10の汎用性を向上させることができる。
【0034】
図6は、情報処理装置10の制御部12が実行するガイダンス提供方法のフローを示す図である。車両1のアクセサリー電源がONとなる等して情報処理装置10に電力が供給されると、制御部12が
図6の処理を開始する。また、制御部12は、電力の供給が停止するまで、
図6の処理を周期的に実行する。
【0035】
ステップS10にて、制御部12は、車両1に対するユーザの操作を示す操作情報を車両装備30や、操作部40、検出部50、ECU60から取得する。
【0036】
ステップS20にて、制御部12は、ガイダンスDB70を参照し、ステップS10で取得した操作情報が提示条件72を満たすか否かを判定する。例えば、「所定回数以上切り返しを行った」「操作部40が長押しされた(操作部40を操作していた時間(操作を続けた時間)が、所定値を超えた)」「所定時間内の操作回数が所定値を超えた」「同じ操作部40に対する操作間隔が所定値以下」「特定の操作部40と他の操作部40とが、同時に操作された」「特定の操作部40と他の操作部40とが、所定時間内に連続して操作された」「シフトポジションがドライブで、エンジンの回転数が所定値以上であって、自車位置の変化が所定値以下」「操作部40を操作した時に「教えて」等の特定の発話が行われた」といった提示条件72を操作情報が満たすか否かを判定する。また、提示条件72は、「所定回数以上切り返しを行った」といった運転状態と、「トラクション釦(操作部40)が押された」といった操作部40の操作情報を組み合わせたものでもよい。
【0037】
制御部12は、ステップS20で、否定判定であれば、
図6の処理を終了し、ステップS20で、肯定判定であれば、ステップS30へ移行する。
【0038】
ステップS30にて、制御部12は、ステップS20で満たした条件と対応するガイダンス情報をガイダンスDB70から取得する。
【0039】
ステップS40にて、制御部12は、ステップS30で取得したガイダンス情報を表示装置19に表示させると共にスピーカ18から音声メッセージを出力させてユーザに提示する。
【0040】
図7は、ガイダンス情報の表示例を示す図である。
図7において、画像81は、操作部40が設置された場所を含む画像であり、このうち操作を促す操作部40が設けられている箇所を当該操作部40の設置位置情報に基づいて強調表示する。ここで強調表示とは、操作部40が設けられている箇所(操作箇所)の輝度を周囲と変えることや、当該操作箇所以外をグレーアウトすること、当該操作箇所を枠で囲むことなどである。なお、強調表示は、これに限らず当該操作箇所の位置を示すことができる形態であればよい。
図7では、当該操作箇所を枠82で囲んで示している。また、
図7のガイダンス情報では、操作部40の拡大画像83と説明文84を表示している。なお、説明文84は、音声メッセージとしてスピーカ18からも出力させる。また、
図7のガイダンス情報では、「閉じる釦」85及び「再表示しない釦」86が表示される。
【0041】
制御部12は、
図6のステップS50にて、「閉じる釦」85と「再表示しない釦」86の何れが選択されるかを判定する。
【0042】
ステップS50で「閉じる釦」85が選択されたと判定した場合、制御部12は、
図6の処理を終了する。また、ステップS50で「再表示しない釦」86が選択されたと判定した場合、制御部12は、ステップS60へ移行し、当該ガイダンス情報に提示しない旨のフラグ(非提示フラグ)を追加し、ガイダンスDB70を更新する。この非提示フラグが追加されたガイダンス情報は、ステップS20で否定判定され、提示されなくなる。これにより、ユーザが操作を熟知したものについては、ガイダンス情報の提示を省略できる。このように、「再表示しない釦」86は、ガイダンス情報を提示させないようにガイダンスDB70をカスタマイズするユーザインタフェースの一例である。これに限らず、ガイダンスDB70をカスタマイズするユーザインタフェースは、ガイダンス情報を一覧表示し、提示するガイダンス情報と提示しないガイダンス情報とを任意に選択するものであってもよい。
【0043】
図7のガイダンス情報は、例えば、「シフトポジションがドライブで、エンジンの回転数が所定値以上であって、自車位置の変化が所定値以下」といった提示条件を満たした場合、即ち、ぬかるみ等でタイヤが空転し、抜け出せない運転状態である場合に、次に操作すべき操作装置の情報として当該提示条件と対応付けて記憶されている。
【0044】
また、ガイダンス情報は、ユーザが誤った操作を行った場合に、誤った操作であることや、正しい操作を行うための操作部40を示すものであってもよい。例えば、「所定回数以上切り返しを行った」といった運転状態と、「トラクション釦(操作部40)が押された」といった操作部40の操作情報を組み合わせであった場合、切り返し行っているときに有用なクリアランスソナーを選択しようとして、間違ったと判断できる。このため当該誤った操作の提示条件と対応するガイダンス情報として「トラクションコントロールではなくて、クリアランスソナーではありませんか?」のような誤りを正すメッセージと共に、次に操作すべきクリアランスソナーを起動させる操作部40の画像を提示する。
【0045】
また、「操作部40が長押しされた」「所定時間内の操作回数が所定値を超えた」「同じ操作部40に対する操作間隔が所定値以下(連続して操作された)」「特定の操作部40と他の操作部40とが、同時に操作された」「特定の操作部40と他の操作部40とが
、所定時間内に連続して操作された」といった場合もユーザが操作を誤った可能性が高いので、この誤りを正すメッセージや次に操作すべき操作部40の画像等がガイダンス情報をとして対応付けられる。例えば、ユーザは車両の特定の操作部(ボタンなど)40を操作したときに、思っていたような反応がない場合や思っていたのと異なる反応があったときに、当該操作部40を押し続けたり(長押し)、繰り返し何度も操作してしまうことがある。そのような場合はユーザが操作を誤っている可能性が高いので、「〇〇のボタンが操作されましたが間違いないですか?」等のメッセージを出すことでユーザに誤りを気づかせることができる。また、ユーザは隣り合うスイッチの一方を操作しようとして、誤って他方を操作してしまうことがある。たとえばユーザは、クリアランスソナーの操作ボタンと、トラクションコントロールの操作ボタンが隣接して配置されているとき、クリアランスソナーをONにしようとして、誤って隣のトラクションコントロールをONにしてしまうことがある。このような場合でも運転状態によりユーザが誤った可能性が高いと判断でき、「トラクションコントロールのボタンが操作されましたが、(隣にある)クリアランスソナーのボタンの間違いではないですか?」等のメッセージを出すことでユーザの誤りを正すことができる。
【0046】
更に、操作部40が操作された時に「教えて」「これ何?」「ガイダンス情報を出して」等の特定の発話が行われたといった提示条件を満たした場合、当該操作部40を示すガイダンス情報を提示する。
【0047】
<実施形態の効果>
本実施形態の情報処理装置10は、車両1に設けられた複数の操作部40に関するガイダンス情報71と、当該ガイダンス情報71を提示する提示条件72とを対応付けたガイダンスDB70と、ガイダンスDB70にアクセス可能な制御部12とを備える。そして、制御部12が、車両1に対するユーザの操作を示す操作情報を取得することと、操作情報が提示条件72を満たすか否かを判定することと、操作情報が提示条件72を満たした場合に、満たした提示条件72と対応するガイダンス情報71をガイダンスDB70から取得することと、取得したガイダンス情報71をユーザに提示することとを実行する。
【0048】
これにより、本実施形態の情報処理装置10は、ユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報71を提示することが可能である。特に、本実施形態の情報処理装置10はガイダンスDB70を持つため、車両から操作情報を取得することで、複数の電装品に関するガイダンスを統一されたユーザーインタフェースで提示することができ、また、異なる電装品間の操作の連携を考慮しなくても、ユーザが誤った電装品(例えばトラクションコントロール)を操作してしまった場合でも正しい電装品(例えばクリアランスソナー)の操作にユーザを導くことができる。
【0049】
本実施形態の情報処理装置10において、ガイダンスDB70は、車両1に対する操作情報を提示条件72とし、この提示条件72とガイダンス情報71とを対応付けて記憶してもよい。これにより車両1に対する操作情報に応じた適切なガイダンス情報71を提示することが可能である。
【0050】
本実施形態の情報処理装置10において、操作情報には、少なくとも車両1に操作部40を操作していた時間、所定時間内の操作回数、操作間隔の何れかが含まれてもよい。これにより操作部40に対する具体的な操作に状応じた適切なガイダンス情報71を提示することが可能である。
【0051】
本実施形態の情報処理装置10において、操作情報には、特定の操作部40と他の操作部40とが、同時に操作されること又は所定時間内に連続して操作されることが含まれてもよい。これによりユーザが操作を誤った場合や戸惑った場合でも適切なガイダンス情報
71を提示することが可能である。
【0052】
本実施形態の情報処理装置10において、ガイダンスDB70は、操作部40の操作情報と車両1の運転状態との組み合わせを提示条件72とし、当該提示条件72とガイダンス情報と対応付けて記憶する。また、制御部12は、前記操作部40の操作情報を示す操作信号と、車両1の運転状態を示す信号を取得し、その組み合わせが提示条件を満たした場合に、満たした条件と対応するガイダンス情報71をガイダンスDB70から取得してもよい。これにより車両1の運転状態及びユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報を提示することができる。
【0053】
本実施形態の情報処理装置10において、ガイダンス情報71には、ユーザが、次に操作すべき操作部40を示す情報が含まれてもよい。これにより、次に操作する操作部40について分かり易く提示することができる。
【0054】
本実施形態の情報処理装置10において、ガイダンス情報71には、車両1の車室内において操作部40が設置された場所を含む画像情報が含まれ、該画像情報を表示装置19に表示させることによってユーザが操作すべき操作部40を提示してもよい。これによりユーザが操作すべき操作部40の場所を画像で示し、操作すべき操作部40を更に分かり易くユーザに提示することができる。
【0055】
本実施形態の情報処理装置10は、ガイダンスDB70をカスタマイズ可能なユーザインタフェースを備えてもよい。これにより、車種やグレードが異なる車両1に搭載された場合でも適切なガイダンス情報を提示することができる。
【0056】
本実施形態の情報処理方法(ガイダンス情報提供方法)は、車両1に設けられた複数の操作部40に関するガイダンス情報71と、当該ガイダンス情報71を提示する提示条件72とを対応付けたガイダンスDB70にアクセス可能な制御部12が、車両1に対するユーザの操作を示す操作情報を取得するステップと、操作情報が提示条件72を満たすか否かを判定するステップと、操作情報が提示条件72を満たした場合に、満たした提示条件72と対応するガイダンス情報71をガイダンスDB70から取得するステップと、取得したガイダンス情報71をユーザに提示するステップとを実行する。
【0057】
これにより、本実施形態の情報処理方法は、ユーザの操作に応じた適切なガイダンス情報71を提示することが可能である。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1: 車両
10: 情報処理装置
100: ガイダンス提供システム
11: 接続バス
12: 制御部
13: メモリ
121: 操作情報取得部
122: 判定部
123: ガイダンス情報取得部
124: 提示制御部
125: 更新部
17: マイク
18: スピーカ
19: 表示装置
20: 撮影装置
30: 車両装備
40: 操作部
50: 検出部
61: ユーザインタフェース
611: 車種入力欄
612: グレード入力欄
613: オプション入力欄
71: ガイダンス情報
72: 提示条件
81: 画像
82: 枠
83: 拡大画像
84: 説明文