(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184039
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/40 20230101AFI20231221BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20231221BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20231221BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231221BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231221BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20231221BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20231221BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20231221BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20231221BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L27/11573
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H01L27/11556
H01L27/11548
H01L27/00 301C
H01L27/00 301B
H01L27/11526
H01L27/088 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097934
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 雅之
【テーマコード(参考)】
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F048AA01
5F048AA05
5F048AB01
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA01
5F048BA19
5F048BA20
5F048BB09
5F048BB11
5F048BC03
5F048BC18
5F048BD07
5F048BF07
5F048BF15
5F048BF16
5F048BG13
5F048CB01
5F048CB03
5F048CB04
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083ER23
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083KA18
5F083LA03
5F083LA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083MA20
5F083NA01
5F083ZA21
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD27
5F101BD30
5F101BD34
5F101BF05
(57)【要約】
【課題】外形サイズを縮小できる、またはセンスアンプを含む回路領域を確保できる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、第1メモリセルに接続された第1ワード線と、第2メモリセルに接続された第2ワード線と、第3メモリセルに接続された第3ワード線と、第4メモリセルに接続された第4ワード線と、第1ワード線に電気的に接続され、第1ゲートを有する第1トランジスタと、第2ワード線に電気的に接続され、第2ゲートを有する第2トランジスタと、第3ワード線に電気的に接続され、第3ゲートを有する第3トランジスタと、第4ワード線に電気的に接続され、第4ゲートを有する第4トランジスタとを備える。第1ゲートは、第1導電層に含まれ、第2ゲートは、第1導電層と離れて配置された第2導電層に含まれ、第3ゲートと第4ゲートは、一体で連続した第3導電層に含まれる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
第2メモリセルに接続された第2ワード線と、
第3メモリセルに接続された第3ワード線と、
第4メモリセルに接続された第4ワード線と、
前記第1ワード線に電気的に接続され、第1ゲートを有する第1トランジスタと、
前記第2ワード線に電気的に接続され、第2ゲートを有する第2トランジスタと、
前記第3ワード線に電気的に接続され、第3ゲートを有する第3トランジスタと、
前記第4ワード線に電気的に接続され、第4ゲートを有する第4トランジスタと、
を具備し、
前記第1ゲートは、第1導電層に含まれ、
前記第2ゲートは、前記第1導電層と離れて配置された第2導電層に含まれ、
前記第3ゲートと前記第4ゲートは、一体で連続した第3導電層に含まれる半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、基板に設けられ、
前記第3メモリセルと前記第4メモリセルは、前記基板の第1領域に配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタは、前記第1領域より前記基板の端部側の第2領域に配置されている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1導電層、前記第2導電層、及び前記第3導電層は、基板から第1距離離れて設けられている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1導電層及び前記第2導電層上に設けられた第4導電層をさらに具備し、
前記第1導電層と前記第2導電層は、前記第4導電層によって電気的に接続されている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられた第5導電層をさらに具備する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1ワード線、前記第2ワード線、前記第3ワード線、及び前記第4ワード線は、第1方向に延伸し、前記第1方向と交差する第2方向に順に積層され、
前記第1ワード線、前記第2ワード線、前記第3ワード線、及び前記第4ワード線を前記第2方向に通るピラーをさらに具備する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1ワード線と前記ピラーが交差する箇所が前記第1メモリセルとして機能し、前記第2ワード線と前記ピラーが交差する箇所が前記第2メモリセルとして機能し、前記第3ワード線と前記ピラーが交差する箇所が前記第3メモリセルとして機能し、前記第4ワード線と前記ピラーが交差する箇所が前記第4メモリセルとして機能する請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ピラーの一端に接続されたビット線をさらに具備し、
前記ビット線は、前記ピラーと前記第4トランジスタとの間に設けられている請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタのドレインに電気的に接続され、前記ドレインに電圧を供給する回路をさらに具備する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1トランジスタの前記第1ゲート、前記第2トランジスタの前記第2ゲート、前記第3トランジスタの前記第3ゲート、及び前記第4トランジスタの前記第4ゲートに電気的に接続され、アドレス信号に基づいて、前記第1ゲート、前記第2ゲート、前記第3ゲート、及び前記第4ゲートに信号電圧を供給する回路をさらに備える請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
第2メモリセルに接続された第2ワード線と、
第3メモリセルに接続された第3ワード線と、
第4メモリセルに接続された第4ワード線と、
第5メモリセルに接続された第5ワード線と、
第6メモリセルに接続された第6ワード線と、
前記第1ワード線に電気的に接続され、第1ゲートを有する第1トランジスタと、
前記第2ワード線に電気的に接続され、第2ゲートを有する第2トランジスタと、
前記第3ワード線に電気的に接続され、第3ゲートを有する第3トランジスタと、
前記第4ワード線に電気的に接続され、第4ゲートを有する第4トランジスタと、
前記第5ワード線に電気的に接続され、第5ゲートを有する第5トランジスタと、
前記第6ワード線に電気的に接続され、第6ゲートを有する第6トランジスタと、
を具備し、
前記第1ゲートは、第1導電層に含まれ、
前記第2ゲートは、前記第1導電層と離れて配置された第2導電層に含まれ、
前記第3ゲートと前記第4ゲートは、一体で連続した第3導電層に含まれ、
前記第5ゲートは、第4導電層に含まれ、
前記第6ゲートは、前記第4導電層と離れて配置された第5導電層に含まれる半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外形サイズを縮小できる、またはセンスアンプを含む回路領域を確保できる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、第1メモリセルに接続された第1ワード線と、第2メモリセルに接続された第2ワード線と、第3メモリセルに接続された第3ワード線と、第4メモリセルに接続された第4ワード線と、前記第1ワード線に電気的に接続され、第1ゲートを有する第1トランジスタと、前記第2ワード線に電気的に接続され、第2ゲートを有する第2トランジスタと、前記第3ワード線に電気的に接続され、第3ゲートを有する第3トランジスタと、前記第4ワード線に電気的に接続され、第4ゲートを有する第4トランジスタとを具備する。前記第1ゲートは、第1導電層に含まれ、前記第2ゲートは、前記第1導電層と離れて配置された第2導電層に含まれ、前記第3ゲートと前記第4ゲートは、一体で連続した第3導電層に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るメモリセルアレイのブロックの回路図である。
【
図3】第1実施形態に係るロウデコーダの回路構成を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るセンスアンプの回路構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るセンスアンプのセンスアンプユニットの回路図である。
【
図6】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造の一例を示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリチップの平面レイアウトを示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリ領域の断面構造を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリピラーの断面構造を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係る半導体記憶装置の引出領域の断面構造を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係る半導体記憶装置のCMOSチップの平面レイアウトを示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る半導体記憶装置のCMOSチップの断面構造を示す図である。
【
図13】第1実施形態に係る第1例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図14】第1実施形態に係る第1例における引出領域及び転送領域の断面構造を示す図である。
【
図15】第1実施形態に係るゲート共有トランジスタの平面レイアウトを示す図である。
【
図16】第1実施形態に係るゲート共有トランジスタのA-A線に沿った断面図である。
【
図17】第1実施形態に係るゲート共有トランジスタのB-B線に沿った断面図である。
【
図18】第1実施形態に係るゲート分離トランジスタの平面レイアウトを示す図である。
【
図19】第1実施形態に係るゲート分離トランジスタのC-C線に沿った断面図である。
【
図20】第1実施形態に係るゲート分離トランジスタのD-D線に沿った断面図である。
【
図21】第1実施形態に係るゲート共有トランジスタが配列された平面レイアウトを示す図である。
【
図22】第1実施形態に係るゲート分離トランジスタが配列された平面レイアウトを示す図である。
【
図23】第1実施形態に係る第2例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図24】第1実施形態に係る第2例における引出領域及び転送領域の断面構造を示す図である。
【
図25】比較例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図26】比較例に対応する第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図27】他の比較例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図28】他の比較例に対応する第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図29】第2実施形態に係る第1例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図30】第2実施形態に係る第1例における引出領域及び転送領域の断面構造を示す図である。
【
図31】第2実施形態に係る第2例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図32】第2実施形態に係る第2例における引出領域及び転送領域の断面構造を示す図である。
【
図33】比較例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図34】比較例に対応する第2実施形態に係る半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図35】他の比較例の半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【
図36】他の比較例に対応する第2実施形態に係る半導体記憶装置の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、以下に示す実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、及び配置等を下記のものに特定するものではない。
【0008】
機能ブロックは、ハードウェア、コンピュータソフトウェアのいずれかまたは両者を組み合わせたものとして実現することができる。機能ブロックが以下の例のように区別されていることは必須ではない。例えば、一部の機能が例示の機能ブロックとは別の機能ブロックによって実行されてもよい。さらに、例示の機能ブロックがさらに細かい機能サブブロックに分割されていてもよい。
【0009】
以下に、実施形態の半導体記憶装置について説明する。半導体記憶装置として、メモリセルトランジスタが半導体基板の上方に三次元に積層された三次元積層型NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。NAND型フラッシュメモリは、データを不揮発に記憶可能な半導体メモリである。
【0010】
1.第1実施形態
第1実施形態の半導体記憶装置について説明する。
【0011】
1.1 半導体記憶装置の回路構成
先ず、第1実施形態の半導体記憶装置の回路構成について説明する。
図1は、第1実施形態の半導体記憶装置の回路構成を示すブロック図である。
【0012】
半導体記憶装置10は、メモリセルアレイ11、入出力回路12、ロジック制御回路13、レディ/ビジー回路14、レジスタ群15、シーケンサ(または、制御回路)16、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、カラムデコーダ19、データレジスタ20、及びセンスアンプ21を備える。レジスタ群15は、ステータスレジスタ15A、アドレスレジスタ15B、及びコマンドレジスタ15Cを備える。
【0013】
メモリセルアレイ11は、1つまたは複数のブロックBLK0、BLK1、BLK2、…、BLKn(nは0以上の自然数)を備える。複数のブロックBLK0~BLKnの各々は、ロウ及びカラムに対応付けられた複数のメモリセルトランジスタ(以下、メモリセルとも記す)を含む。メモリセルトランジスタは、電気的に消去およびプログラム可能な不揮発性メモリセルである。メモリセルアレイ11は、メモリセルトランジスタに電圧を印加するための、複数のワード線、複数のビット線、及びソース線を含む。ブロックBLKnの具体的な構成については後述する。
【0014】
入出力回路12及びロジック制御回路13は、入出力端子(または、NANDバス)を介してメモリコントローラ1に接続される。入出力回路12は、メモリコントローラ1との間で入出力端子を介して、I/O信号DQ(例えば、DQ0、DQ1、DQ2、…、DQ7)を送受信する。I/O信号DQは、コマンド、アドレス、及びデータ等を通信する。
【0015】
ロジック制御回路13は、メモリコントローラ1から入出力端子(または、NANDバス)を介して、外部制御信号を受信する。外部制御信号は、例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号WEn、読み出しイネーブル信号REn、及びライトプロテクト信号WPnを含む。信号名に付記された“n”は、その信号がアクティブ・ローであることを示す。
【0016】
チップイネーブル信号CEnは、半導体記憶装置10が複数実装されている場合、半導体記憶装置10の選択を可能にし、当該半導体記憶装置10を選択する際にアサートされる。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタ15Cにラッチすることを可能にする。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタ15Bにラッチすることを可能にする。書き込みイネーブル信号WEnは、信号DQとして送信されるデータを入出力回路12に記憶することを可能にする。読み出しイネーブル信号REnは、メモリセルアレイ11から読み出したデータを、信号DQとして出力することを可能にする。ライトプロテクト信号WPnは、半導体記憶装置10に対する書き込み動作及び消去動作を禁止する際にアサートされる。
【0017】
レディ/ビジー回路14は、シーケンサ16からの制御に応じて、レディ/ビジー信号R/Bnを生成する。レディ/ビジー信号R/Bnは、半導体記憶装置10がレディ状態であるか、あるいはビジー状態であるかを示す。レディ状態は、半導体記憶装置10がメモリコントローラ1からの命令を受け付け可能な状態であることを示す。ビジー状態は、半導体記憶装置10がメモリコントローラ1からの命令を受け付けできない状態であることを示す。メモリコントローラ1は、半導体記憶装置10からレディ/ビジー信号R/Bnを受けることにより、半導体記憶装置10がレディ状態であるか、あるいはビジー状態であるかを知ることができる。
【0018】
ステータスレジスタ15Aは、半導体記憶装置10の動作に必要なステータス情報STSを記憶する。ステータスレジスタ15Aは、シーケンサ16の指示に従って、ステータス情報STSを入出力回路12に転送する。
【0019】
アドレスレジスタ15Bは、入出力回路12から転送されたアドレスADDを記憶する。アドレスADDは、ロウアドレス及びカラムアドレスを含む。ロウアドレスは、例えば、動作対象のブロックBLKnを指定するブロックアドレス、及び指定されたブロック内の動作対象のワード線WLを指定するページアドレスを含む。
【0020】
コマンドレジスタ15Cは、入出力回路12から転送されたコマンドCMDを記憶する。コマンドCMDは、例えば、シーケンサ16に書き込み動作を命ずる書き込みコマンド、読み出し動作を命ずる読み出しコマンド、及び消去動作を命ずる消去コマンドなどを含む。
【0021】
ステータスレジスタ15A、アドレスレジスタ15B、及びコマンドレジスタ15Cには、例えばSRAM(static random access memory)を用いる。
【0022】
シーケンサ16は、コマンドレジスタ15Cからコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って半導体記憶装置10を統括的に制御する。
【0023】
シーケンサ16は、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、カラムデコーダ19、データレジスタ20、及びセンスアンプ21などを制御して、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作を実行する。具体的には、シーケンサ16は、コマンドレジスタ15Cから受信した書き込みコマンドに基づいて、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、データレジスタ20、及びセンスアンプ21を制御して、アドレスADDにて指定された複数のメモリセルトランジスタにデータを書き込む。シーケンサ16は、またコマンドレジスタ15Cから受信した読み出しコマンドに基づいて、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、カラムデコーダ19、データレジスタ20、及びセンスアンプ21を制御して、アドレスADDにて指定された複数のメモリセルトランジスタからデータを読み出す。シーケンサ16は、またコマンドレジスタ15Cから受信した消去コマンドに基づいて、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、カラムデコーダ19、データレジスタ20、及びセンスアンプ21を制御して、アドレスADDにて指定されたブロックに記憶されたデータを消去する。なお、カラムデコーダ19及びデータレジスタ20等を含む回路を、カラム系制御回路と称する。
【0024】
電圧生成回路17は、半導体記憶装置10の外部から電源端子を介して電源電圧VDD及び接地電圧VSSを受け取る。電源電圧VDDは、半導体記憶装置10の外部から供給される外部電圧であり、例えば3.3Vである。接地電圧VSSは、半導体記憶装置10の外部から供給される外部電圧であり、例えば0Vである。
【0025】
電圧生成回路17は、電源電圧VDDを用いて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。電圧生成回路17は、生成した電圧を、メモリセルアレイ11、ロウデコーダ18、及びセンスアンプ21などに供給する。
【0026】
ロウデコーダ18は、アドレスレジスタ15Bからロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ18は、ロウアドレスのデコード結果に基づいて、複数ブロックのうちのいずれかを選択し、さらに選択したブロックBLKn内のワード線WLを選択する。さらに、ロウデコーダ18は、選択されたブロックBLKnに電圧生成回路17から供給された複数の電圧を転送する。ロウデコーダ18の具体的な構成については後述する。
【0027】
カラムデコーダ19は、アドレスレジスタ15Bからカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。カラムデコーダ19は、カラムアドレスのデコード結果に基づいてデータレジスタ20内のラッチ回路を選択する。
【0028】
データレジスタ20は、複数のラッチ回路を備える。ラッチ回路は、書き込みデータまたは読み出しデータを一時的に記憶する。
【0029】
センスアンプ21は、データの読み出し動作時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータをセンス及び増幅する。さらに、センスアンプ21は、メモリセルトランジスタから読み出された読み出しデータDATを一時的に記憶し、記憶した読み出しデータDATをデータレジスタ20へ転送する。また、センスアンプ21は、データの書き込み動作時には、入出力回路12からデータレジスタ20を介して転送された書き込みデータDATを一時的に記憶する。さらに、センスアンプ21は、書き込みデータDATをビット線に転送する。センスアンプ21の具体的な構成については後述する。
【0030】
1.1.1 メモリセルアレイの構成
次に、第1実施形態の半導体記憶装置10内のメモリセルアレイ11の回路構成について説明する。メモリセルアレイ11は、前述したように、複数のブロックBLK0~BLKnを有する。以下に、ブロックBLKnの回路構成について説明する。
【0031】
図2は、メモリセルアレイ11内のブロックBLKnの回路図である。ブロックBLKnは、例えば、複数のストリングユニットSU0、SU1、SU2、SU3を備える。以降、ストリングユニットSUと記した場合、ストリングユニットSU0~SU3の各々を示すものとする。ストリングユニットSUは、複数のNANDストリング(または、メモリストリング)NSを備える。
【0032】
ここでは、説明を平易にするために、NANDストリングNSが、例えば、8個のメモリセルトランジスタMT0、MT1、MT2、…、MT7、及び2個のセレクトトランジスタST1及びST2を備える例を示す。以降、メモリセルトランジスタMTと記した場合、メモリセルトランジスタMT0~MT7の各々を示すものとする。
【0033】
メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に記憶する。メモリセルトランジスタMT0~MT7は、セレクトトランジスタST1のソースとセレクトトランジスタST2のドレインとの間に直列に接続される。メモリセルトランジスタMTは、1ビットのデータ、または2ビット以上のデータを記憶することが可能である。
【0034】
ストリングユニットSU0に含まれる複数のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD0に接続される。同様に、ストリングユニットSU1~SU3の各々のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD1~SGD3にそれぞれ接続される。セレクトゲート線SGD0~SGD3の各々は、ロウデコーダ18によって独立に制御される。
【0035】
ストリングユニットSU0に含まれる複数のセレクトトランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGSに接続される。同様に、ストリングユニットSU1~SU3の各々のセレクトトランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGSに接続される。なお、ストリングユニットSU0~SU3のセレクトトランジスタST2のゲートには、個別のセレクトゲート線SGSがそれぞれ接続される場合もある。セレクトトランジスタST1及びST2は、各種動作におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0036】
ブロックBLKnに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、ワード線WL0~WL7にそれぞれ接続される。ワード線WL0~WL7の各々は、ロウデコーダ18によって独立に制御される。
【0037】
ビット線BL0、BL1、BL2、…、BLm(mは0以上の自然数)の各々は、複数のブロックBLK0~BLKnに接続され、ブロックBLKnに含まれるストリングユニットSU内にある1つのNANDストリングNSに接続される。すなわち、ビット線BL0~BLmの各々は、ブロックBLKn内でマトリクス状に配置されたNANDストリングNSのうち、同一列にある複数のNANDストリングNSのセレクトトランジスタST1のドレインに接続される。また、ソース線SLは、複数のブロックBLK0~BLKnに接続される。すなわち、ソース線SLは、ブロックBLKnに含まれる複数のセレクトトランジスタST2のソースに接続される。
【0038】
要するに、ストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、かつ同一のセレクトゲート線SGDに接続されたNANDストリングNSを複数含む。また、ブロックBLKnは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSUを含む。さらに、メモリセルアレイ11は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLK0~BLKnを含む。
【0039】
ブロックBLKnは、例えば、データの消去単位である。すなわち、ブロックBLKn内に含まれるメモリセルトランジスタMTに記憶されたデータは、一括して消去される。複数ブロック内のデータは、1つのブロック毎に順次消去される。また、複数ブロック内のデータは、同時並行して消去される。なお、データは、ストリングユニットSU単位で消去されてもよいし、また、ストリングユニットSU未満の単位で消去されてもよい。
【0040】
1つのストリングユニットSU内でワード線WLを共有する複数のメモリセルトランジスタMTを、セルユニットCUと呼ぶ。セルユニットCUに含まれる複数のメモリセルトランジスタMTがそれぞれ記憶する1ビットのデータの集まりをページと呼ぶ。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて記憶容量が変化する。例えば、セルユニットCUは、各メモリセルトランジスタMTが1ビットデータを記憶する場合に1ページデータを記憶し、2ビットデータを記憶する場合に2ページデータを、3ビットデータを記憶する場合に3ページデータをそれぞれ記憶する。
【0041】
セルユニットCUに対する書き込み動作及び読み出し動作は、ページを単位として行われる。言い換えると、読み出し動作及び書き込み動作は、1つのストリングユニットSUに配設された1本のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。
【0042】
なお、ブロックBLKnが備えるストリングユニットの数は、SU0~SU3に限るわけではなく、任意に設定可能である。また、ストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSの数、及びNANDストリングNSが備えるメモリセルトランジスタ、及びセレクトトランジスタの数も、任意に設定可能である。さらに、メモリセルトランジスタMTは、電荷蓄積層として絶縁膜を用いたMONOS(metal-oxide-nitride-oxide-silicon)型であってもよいし、電荷蓄積層として導電層を用いたFG(floating gate)型であってもよい。
【0043】
1.1.2 ロウデコーダの構成
次に、第1実施形態の半導体記憶装置10内のロウデコーダ18の回路構成について説明する。
図3は、半導体記憶装置10内のロウデコーダ18の回路構成を示す図である。ロウデコーダ18は、複数のロウデコーダユニットRD0、RD1、…、RDnを含む。ロウデコーダユニットRD0~RDnは、それぞれブロックBLK0~BLKnに関連付けられている。
図3には、ロウデコーダユニットRD0の詳細な回路構成が示されている。その他のロウデコーダユニットRDnの回路構成は、ロウデコーダユニットRD0の回路構成と同様である。
【0044】
ロウデコーダユニットRD0は、例えば、ブロックデコーダBD、転送ゲート線TG及びbTG、並びに転送スイッチ、例えばトランジスタWLSWS、WLSW0、WLSW1、…、WLSW7、WLSWD0、WLSWD1、WLSWD2、WLSWD3、WLSWSu、WLSWD0u、WLSWD1u、WLSWD2u、WLSWD3uを含む。以降、トランジスタWLSWと記した場合、上述のトランジスタWLSWS~WLSWD3uの各々を示すものとする。
【0045】
ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスBAdをデコードする。ブロックデコーダBDは、ブロックアドレスBAdのデコード結果に基づいて、転送ゲート線TG及びbTGのそれぞれに所定の電圧を印加する。具体的には、ブロックデコーダBDは、転送ゲート線bTGに対して、転送ゲート線TGに印加する信号の反転信号を印加する。すなわち、転送ゲート線TGに印加される電圧と、転送ゲート線bTGに印加される電圧とは、相補的な関係にある。
【0046】
トランジスタWLSWS~WLSWD3uのそれぞれは、例えば、高耐圧なnチャネルMOS電界効果トランジスタである。トランジスタWLSWS~WLSWD3uのそれぞれのゲートは、転送ゲート線TGに接続される。トランジスタWLSWS~WLSWD3uのそれぞれのゲートは、転送ゲート線bTGに接続される。すなわち、トランジスタWLSWS~WLSWD3uのそれぞれは、ブロックデコーダBDによって制御される。また、トランジスタWLSWS~WLSWD3uのそれぞれは、電圧供給線(あるいは、信号線)を介して電圧生成回路17に接続される。電圧供給線は、複数のブロックBLKで共有される。
【0047】
トランジスタWLSWSのドレインは、電圧供給線SGSDに接続される。電圧供給線SGSDは、複数のブロックBLKで共有され、且つ選択されたブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタWLSWSのソースは、セレクトゲート線SGSに接続される。セレクトゲート線SGSは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0048】
トランジスタWLSW0~WLSW7のそれぞれのドレインは、それぞれ電圧供給線CG0~CG7に接続される。電圧供給線CG0~CG7のそれぞれは、複数のブロックBLKで共有されたグローバルワード線として使用される。トランジスタWLSW0~WLSW7のそれぞれのソースは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカルワード線として使用される。
【0049】
トランジスタWLSWD0~WLSWD3のそれぞれのドレインは、それぞれ電圧供給線SGDD0~SGDD3に接続される。電圧供給線SGDD0~SGDD3のそれぞれは、複数のブロックBLKで共有され、且つ選択されたブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。トランジスタWLSWD0~WLSWD3のそれぞれのソースは、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD3に接続される。セレクトゲート線SGD0~SGD3のそれぞれは、ブロック毎に設けられたローカル転送ゲート線として使用される。
【0050】
トランジスタWLSWSuのドレインは、電圧供給線USGSに接続される。トランジスタWLSWSuのソースは、セレクトゲート線SGSに接続される。トランジスタWLSWD0u~WLSWD3uのそれぞれのドレインは、電圧供給線USGDに接続される。トランジスタWLSWD0u~WLSWD3uのそれぞれのソースは、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD3に接続される。電圧供給線USGS及びUSGDのそれぞれは、複数のブロックBLKで共有され、且つ非選択のブロックBLKnに対応するグローバル転送ゲート線として使用される。
【0051】
以上の構成によりロウデコーダ18は、ブロックBLKnを選択することができる。具体的には、各種動作時において、選択されたブロックBLKnに対応するブロックデコーダBDは、“H”レベル及び“L”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。非選択のブロックBLKnに対応するブロックデコーダBDは、“L”レベル及び“H”レベルの電圧をそれぞれ転送ゲート線TG及びbTGに印加する。
【0052】
なお、第1実施形態の半導体記憶装置10が備えるロウデコーダ18は、上述した回路構成に限定されない。例えば、ロウデコーダユニットRDnが含むトランジスタWLSWの個数は、各ブロックBLKnに設けられるメモリセルトランジスタやセレクトトランジスタ等の個数に基づいて適宜変更され得る。本明細書では、ロウデコーダユニットRDnに含まれたトランジスタWLSWを、転送スイッチWLSWとも称す。
【0053】
1.1.3 センスアンプの構成
次に、第1実施形態の半導体記憶装置10内のセンスアンプ21の回路構成について説明する。
図4は、半導体記憶装置10内のセンスアンプ21の回路構成を示す図である。センスアンプ21は、複数のセンスアンプユニットSAU0、SAU1、…、SAUm(mは0以上の自然数)を含む。
【0054】
センスアンプユニットSAU0~SAUmは、それぞれビット線BL0~BLmに関連付けられている。センスアンプユニットSAUmは、例えば、センスアンプ部SAm、ビット線接続部BLHU、ラッチ回路SDL、ADL、及びBDL、並びにバスLBUSを含む。
【0055】
センスアンプユニットSAUmにおいて、ビット線接続部BLHUは、ビット線BLmと、センスアンプ部SAmとの間に接続される。センスアンプ部SAmは、例えば、読み出し動作において、ビット線BLmの電圧に基づいて、読み出しデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。言い換えると、センスアンプ部SAmは、ビット線BLmに読み出された電圧をセンス及び増幅して、選択されたメモリセルが記憶するデータを判定する。ラッチ回路SDL、ADL、及びBDLのそれぞれは、読み出しデータや書き込みデータ等を一時的に保持する。
【0056】
センスアンプ部SAm、並びにラッチ回路SDL、ADL、及びBDLのそれぞれは、バスLBUSに接続され、バスLBUSを介して互いにデータを送受信可能である。
【0057】
また、データレジスタ20に含まれるラッチ回路XDLは、半導体記憶装置10の入出力回路12に接続され、センスアンプユニットSAUmと入出力回路12との間のデータの入出力に使用される。また、ラッチ回路XDLは、例えば、半導体記憶装置10のキャッシュメモリとしても使用され得る。例えば、半導体記憶装置10は、ラッチ回路SDL、ADL及びBDLが使用中の場合でも、ラッチ回路XDLが空いていればレディ状態に設定され得る。
【0058】
以下に、センスアンプ21内のセンスアンプユニットSAUmの構成について説明する。
図5は、センスアンプ21内のセンスアンプユニットSAUmの回路図である。例えば、センスアンプ部SAmは、トランジスタT0、T1、…、T7、及びキャパシタCAを含む。ビット線接続部BLHUは、トランジスタT8及びT9を含む。
【0059】
トランジスタT0は、例えば、pチャネルMOS電界効果トランジスタである。トランジスタT1~T7のそれぞれは、例えば、nチャネルMOS電界効果トランジスタである。トランジスタT8及びT9のそれぞれは、例えば、トランジスタT0~T7のそれぞれよりも高耐圧なnチャネルMOS電界効果トランジスタである。
【0060】
トランジスタT0のソースは、電圧VDDSAのノードに接続される。このノードには、例えば、電圧生成回路17から電圧VDDSAが供給される。トランジスタT0のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT0のゲートは、例えば、ラッチ回路SDLのノードINV(図示せず)に接続される。トランジスタT1のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT1のソースは、ノードND2に接続される。トランジスタT1のゲートには、制御信号BLXが入力される。トランジスタT2のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT2のソースは、センスノードSENに接続される。トランジスタT2のゲートには、制御信号HLLが入力される。
【0061】
トランジスタT3のドレインは、センスノードSENに接続される。トランジスタT3のソースは、ノードND2に接続される。トランジスタT3のゲートには、制御信号XXLが入力される。トランジスタT4のドレインは、ノードND2に接続される。トランジスタT4のソースは、トランジスタT8のドレインに接続される。トランジスタT4のゲートには、制御信号BLCが入力される。トランジスタT5のドレインは、ノードND2に接続される。トランジスタT5のソースは、ノードSRCに接続される。ノードSRCには、例えば、接地電圧VSSが供給される。トランジスタT5のゲートは、ノードINVに接続される。
【0062】
トランジスタT7のドレインは、バスLBUSに接続される。トランジスタT7のソースは、トランジスタT6のドレインに接続される。トランジスタT7のゲートには、制御信号STBが入力される。トランジスタT6のソースは、例えば、接地される。言い換えると、トランジスタT6のソースには、接地電圧VSSが供給される。トランジスタT6のゲートは、センスノードSENに接続される。
【0063】
キャパシタCAの一方電極は、センスノードSENに接続される。キャパシタCAの他方電極には、クロック信号CLKが入力される。
【0064】
トランジスタT8のドレインは、トランジスタT4のソースに接続される。トランジスタT8のソースは、ビット線BLmに接続される。トランジスタT8のゲートには、制御信号BLSが入力される。トランジスタT9のドレインは、ノードBLBIASに接続される。ノードBLBIASには、例えば、消去電圧VERAが印加される。トランジスタT9のソースは、ビット線BLmに接続される。トランジスタT9のゲートには、制御信号BIASが入力される。
【0065】
以上で説明したセンスアンプユニットSAUmの回路構成において、ノードINVは、ラッチ回路SDLに含まれたノードである。ノードINVの電圧は、ラッチ回路SDLが記憶するデータに基づいて変化する。制御信号BLX、HLL、XXL、BLC、STB、BLS、及びBIAS、及びクロック信号CLKのそれぞれは、例えば、シーケンサ16によって生成される。例えば、読み出し動作において、センスアンプ部SAmは、制御信号STBがアサートされたタイミングに基づいて、ビット線BLmに読み出されたデータを判定する。
【0066】
なお、第1実施形態の半導体記憶装置10が備えるセンスアンプ21は、上述した回路構成に限定されない。例えば、センスアンプユニットSAUmが備えるラッチ回路の個数は、1つのセルユニットCUが記憶するページ数に基づいて適宜変更され得る。センスアンプ部SAmは、ビット線BLmに読み出されたデータを判定することが可能であれば、その他の回路構成であってもよい。ビット線接続部BLHUにおいて、トランジスタT9は削除されてもよい。
【0067】
1.2 半導体記憶装置の構造
第1実施形態の半導体記憶装置10の構造の一例について説明する。以下で参照する図面において、X方向はワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向は半導体記憶装置10が有する半導体基板の表面に対して直交方向に対応する。平面図には、図を見易くするためにハッチングが適宜付加されている。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。平面図及び断面図のそれぞれでは、図を見易くするために、配線、コンタクト、及び層間絶縁膜等の図示が適宜省略されている。
【0068】
1.2.1 半導体記憶装置の全体構造
先ず、第1実施形態の半導体記憶装置10の全体構造について説明する。
図6は、第1実施形態の半導体記憶装置10の全体構造の一例を示す斜視図である。半導体記憶装置10は、メモリチップMC及びCMOSチップCCを含み、メモリチップMCの下面とCMOSチップCCの上面とが貼り合わされた構造を有する。
【0069】
メモリチップMCは、メモリセルアレイ11に対応する構造を含む。CMOSチップCCは、例えば、入出力回路12、ロジック制御回路13、レディ/ビジー回路14、レジスタ群15、シーケンサ16、電圧生成回路17、ロウデコーダ18、カラムデコーダ19、データレジスタ20、及びセンスアンプ21に対応する構造を含む。
【0070】
メモリチップMCの領域は、例えば、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1に分けられる。メモリ領域MRは、メモリチップMCの大部分を占めており、データの記憶に使用される。例えば、メモリ領域MRは、複数のNANDストリングNSを含む。引出領域HR1とHR2は、メモリ領域MRをX方向に挟む。すなわち、引出領域HR1及びHR2は、X方向においてメモリ領域MRを挟むように配置される。引出領域HR1及びHR2は、メモリチップMC内の積層配線(例えば、ワード線WL、セレクトゲート線SGD及びSGS)と、CMOSチップCC内のロウデコーダ18(例えば、トランジスタWLSW)との間の接続に使用される。パッド領域PR1は、メモリ領域MR、並びに引出領域HR1及びHR2のそれぞれとY方向に隣り合っている。パッド領域PR1は、例えば、半導体記憶装置10の入出力回路12に関連する回路を含む。
【0071】
また、メモリチップMCは、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1のそれぞれの下部に、複数の貼合パッドBP1を有する。貼合パッドBP1は、例えば、接合金属とも呼ばれる。
【0072】
メモリ領域MR内の貼合パッドBP1は、関連付けられたビット線BLに接続される。引出領域HR1及びHR2内の貼合パッドBP1は、メモリ領域MRに設けられた積層配線のうち関連付けられた配線(例えば、ワード線WL、セレクトゲート線SGD及びSGS)に接続される。パッド領域PR1内の貼合パッドBP1は、メモリチップMC上に設けられたパッド(図示せず)に接続される。メモリチップMC上に設けられたパッドは、例えば、半導体記憶装置10とメモリコントローラ1との間の接続に使用される。
【0073】
CMOSチップCCの領域は、例えば、センスアンプ領域SR、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、及びパッド領域PR2に分けられる。センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIは、Y方向に隣り合って配置され、Z方向においてメモリ領域MRと重なっている。センスアンプ領域SRは、例えば、センスアンプ21、及びカラム系制御回路(例えば、カラムデコーダ19及びデータレジスタ20)を含む。周辺回路領域PERIは、例えば、ロジック制御回路13、レディ/ビジー回路14、レジスタ群15、シーケンサ16、及び電圧生成回路17等を含む。
【0074】
転送領域XR1とXR2は、センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIをX方向に挟む。すなわち、転送領域XR1及びXR2は、X方向においてセンスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIを挟むように配置される。転送領域XR1は、Z方向において引出領域HR1、及びメモリ領域MRの一部と重なっている。転送領域XR2は、Z方向において引出領域HR2、及びメモリ領域MRの一部と重なっている。転送領域XR1及びXR2は、ロウデコーダ18内の複数の転送スイッチ、すなわち複数のトランジスタWLSWを含む。パッド領域PR2は、Z方向においてメモリチップMC内のパッド領域PR1と重なっている。パッド領域PR2は、半導体記憶装置10の入出力回路12等を含む。
【0075】
また、CMOSチップCCは、センスアンプ領域SR、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PR2のそれぞれの上部において、複数の貼合パッドBP2を有する。貼合パッドBP2は、例えば、接合金属とも呼ばれる。
【0076】
転送領域XR1内の複数の貼合パッドBP2は、Z方向において引出領域HR1内の複数の貼合パッドBP1とそれぞれ重なっている。転送領域XR2内の複数の貼合パッドBP2は、Z方向において引出領域HR2内の複数の貼合パッドBP1とそれぞれ重なっている。これら貼合パッドBP2と貼合パッドBP1は、Z方向において接触し貼合されている。
【0077】
センスアンプ領域SR内の複数の貼合パッドBP2は、Z方向においてメモリ領域MR内の複数の貼合パッドBP1とそれぞれ重なっている。これら貼合パッドBP2と貼合パッドBP1は、Z方向において接触し貼合されている。
【0078】
パッド領域PR2内の複数の貼合パッドBP2は、Z方向においてパッド領域PR1内の複数の貼合パッドBP1とそれぞれ重なっている。これら貼合パッドBP2と貼合パッドBP1は、Z方向において接触し貼合されている。
【0079】
上述したように、メモリチップMCとCMOSチップCC間で対向している貼合パッドBP1とBP2は、貼り合わされている(
図6に示す“貼合”)。これにより、メモリチップMC内の回路とCMOSチップCC内の回路との間が、電気的に接続される。メモリチップMCとCMOSチップCC間で対向する貼合パッドBP1とBP2の組は、境界を有していてもよいし、一体化していてもよい。
【0080】
第1実施形態の半導体記憶装置10では、引出領域HR1及びHR2のX方向におけるそれぞれの幅と、転送領域XR1及びXR2のX方向におけるそれぞれの幅とが異なっている。具体的には、転送領域XR1のX方向における幅は、引出領域HR1のX方向における幅よりも広い。転送領域XR2のX方向における幅は、引出領域HR2のX方向における幅よりも広い。すなわち、転送領域XR1の一部分と、転送領域XR2の一部分とは、メモリ領域MRと重なっている。
【0081】
転送領域XR1内の貼合パッドBP2は、転送領域XR1と引出領域HR1が重なる領域と、転送領域XR1とメモリ領域MRが重なる領域とに配置される。転送領域XR1内の貼合パッドBP2に対応するパッドBP1は、引出領域HR1と転送領域XR1が重なる領域と、メモリ領域MRと転送領域XR1が重なる領域とに配置される。同様に、転送領域XR2内の貼合パッドBP2は、転送領域XR2と引出領域HR2が重なる領域と、転送領域XR2とメモリ領域MRが重なる領域とに配置される。転送領域XR2内の貼合パッドBP2に対応するパッドBP1は、引出領域HR2と転送領域XR2が重なる領域と、メモリ領域MRと転送領域XR2が重なる領域とに配置される。
【0082】
なお、第1実施形態の半導体記憶装置10は、以上で説明した構造に限定されない。例えば、メモリ領域MRと隣り合う引出領域HRは、少なくとも1つ設けられていればよい。半導体記憶装置10は、メモリ領域MR及び引出領域HRの組を複数備えていてもよい。この場合、センスアンプ領域SR、転送領域XR、及び周辺回路領域PERIの組は、メモリ領域MR及び引出領域HRの配置に対応して適宜設けられる。また、メモリチップMC及びCMOSチップCCの配置は、上下逆であってもよい、言い換えると、Z方向において逆であってもよい。この場合、メモリチップMCの上面に設けられた貼合パッドBP1と、CMOSチップCCの下面に設けられた貼合パッドBP2とが貼り合わされる。さらに、外部との接続に使用されるパッドがCMOSチップCC上に設けられる。
【0083】
1.2.2 メモリチップMCの構造
次に、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるメモリチップMCの構造について説明する。
【0084】
1.2.2.1 メモリチップMCの平面レイアウト
図7を用いて、メモリチップMCの平面レイアウトについて説明する。
図7は、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるメモリチップMCの平面レイアウトの一例を示す図である。
図7は、ブロックBLK0及びBLK1に対応する領域を示している。
図7に示すように、メモリチップMCは、複数のスリットST及びSHE、複数のメモリピラーMP、複数のビット線BL、及び複数のコンタクトCT及びCVを含む。
【0085】
複数のスリットST及びSHEは、Y方向に配列される。スリットSTと他のスリットSTとの間に、例えば、3つのスリットSHEが配列される。各スリットST及びSHEは、X方向に沿って延伸している。各スリットSTは、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2を横切っている。各スリットSHEは、メモリ領域MR、及び引出領域HR1及びHR2内のセレクトゲート線SGDを横切っている。すなわち、各スリットSTまたはSHEは、そのスリットSTまたはSHEを介して隣り合う配線層(または、導電層)の間を分断及び絶縁している。具体的には、各スリットSTは、ワード線WL0~WL7並びにセレクトゲート線SGD及びSGSにそれぞれ対応する複数の配線層を分断及び絶縁している。各スリットSHEは、ワード線WL0~WL7及びセレクトゲート線SGDにそれぞれ対応する複数の配線層を分断及び絶縁している。
【0086】
各メモリピラーMPは、例えば、1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、メモリ領域MR内かつ隣り合うスリットSTまたはSHE間の領域において、例えば、4列の千鳥状に配置される。本例では、スリットSTまたはSHEによって区切られた領域のそれぞれが、1つのストリングユニットSUに対応している。なお、隣り合うスリットSTまたはSHE間におけるメモリピラーMPの個数及び配置は、適宜変更され得る。
【0087】
複数のビット線BLは、X方向に配列される。各ビット線BLは、Y方向に延伸している。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に少なくとも1つのメモリピラーMPと重なっている。本例では、2つのビット線BLが、1つのメモリピラーMPに重なっている。メモリピラーMPと重なっている複数のビット線BLのうち1本のビット線BLと、当該メモリピラーMPとの間には、コンタクトCVが設けられる。各メモリピラーMPは、コンタクトCVを介して、関連付けられたビット線BLに接続される。
【0088】
引出領域HR1及びHR2のそれぞれにおいて、セレクトゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及びセレクトゲート線SGDのそれぞれは、上層の配線層(または、導電層)と重ならない部分(以下、テラス部分)を有している。上層の配線層と重ならない部分の形状は、階段(step)、段丘(terrace)、畦石(rimstone)等と称される。具体的には、セレクトゲート線SGSとワード線WL0との間、ワード線WL0とワード線WL1との間、ワード線WL6とワード線WL7との間、ワード線WL7とセレクトゲート線SGDとの間のそれぞれに、テラス部分が設けられる。ワード線WL1からワード線WL5も同様に、一つ上のワード線との間にテラス部分が設けられる。
【0089】
複数のコンタクトCTのそれぞれは、ワード線WL0~WL7並びにセレクトゲート線SGS及びSGDのそれぞれと、ロウデコーダ18内のトランジスタWLSWとの間の接続に使用される。また、各コンタクトCTは、ワード線WL0~WL7並びにセレクトゲート線SGS及びSGDのそれぞれのテラス部分上に配置される。ここでは、ワード線WL0~WL7及びセレクトゲート線SGSのテラス部分上のコンタクトCTは、X方向に一列に配置される例を示したが、Y方向にそれぞれずらして配置してもよい。
【0090】
ブロックBLK0に関連付けられたコンタクトCTは、例えば、引出領域HR1に配置され、ブロックBLK1に関連付けられたコンタクトCTは、引出領域HR2に配置される。言い換えると、例えば、偶数番号のブロックBLKは、引出領域HR1内のコンタクトCTを介してロウデコーダ18内のトランジスタWLSWに接続される。奇数番号のブロックBLKは、引出領域HR2内のコンタクトCTを介してロウデコーダ18内のトランジスタWLSWに接続される。
【0091】
メモリチップMCの平面レイアウトでは、上述したメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2がY方向に繰り返し配置される。なお、各ブロックBLKに対するコンタクトCTの配置は、以上で説明したレイアウトに限定されない。例えば、片方の引出領域HRが省略された場合、各ブロックBLKに対応するコンタクトCTは、メモリ領域MRに接する片側の引出領域HRに纏めて配置される。また、引出領域HR1及びHR2の両側にコンタクトCTが配置され、各ブロックBLKの両側から電圧が印加されてもよい。引出領域HRは、メモリ領域MRによって挟まれるように配置されてもよい。
【0092】
1.2.2.2 メモリチップMCの断面構造
図8を用いて、メモリチップMCにおけるメモリ領域MRの断面構造について説明する。
図8は、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるメモリ領域MRの断面構造の一例を示す図である。
図8は、メモリピラーMPとスリットST及びSHEとを含み、Y方向に沿った断面を示している。なお、
図8におけるZ方向は、
図6に対して反転されて示されている。つまり、
図8の上方が
図6の下側に対応し、
図8の下方が
図6の上側に対応している。
図8に示すように、メモリ領域MRは、絶縁層22~27、導電層30~33、34b、34w、35b、35w、36b、36w、並びにコンタクトCV、V1及びV2を含んでいる。
【0093】
絶縁層22は、例えば、メモリチップMCの最上層に設けられる。これに限定されず、絶縁層22の上には、配線層や絶縁層等が設けられてもよい。絶縁層22の下には、導電層30が設けられる。導電層30は、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成され、ソース線SLとして使用される。導電層30は、例えば、リンがドープされたポリシリコンを含む。
【0094】
導電層30の下には、絶縁層23が設けられる。絶縁層23の下には、導電層31が設けられる。導電層31は、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成され、セレクトゲート線SGSとして使用される。導電層31は、例えば、リンがドープされたポリシリコンを含む。セレクトゲート線SGSは、複数の導電層31によって構成されてもよい。セレクトゲート線SGSが複数の導電層31によって構成される場合には、複数の導電層31は、互いに異なる導電体によって構成されてもよい。
【0095】
導電層31の下には、絶縁層24が設けられる。絶縁層24の下には、導電層32と絶縁層25とが交互に積層される。複数の導電層32のそれぞれは、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成される。複数の導電層32は、導電層30側から順に、それぞれワード線WL0~WL7として使用される。導電層32は、例えば、タングステンを含む。
【0096】
最下層の導電層32の下には、絶縁層26が設けられる。絶縁層26の下には、導電層33が設けられる。導電層33は、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成され、セレクトゲート線SGDとして使用される。セレクトゲート線SGDは、複数の導電層33によって構成されてもよい。導電層33は、例えば、タングステンを含む。
【0097】
導電層33の下には、絶縁層27が設けられる。絶縁層27の下には、導電層34bが設けられる。導電層34bは、例えば、Y方向に延伸したライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。すなわち、図示せぬ領域において、複数の導電層34bが、X方向に配列される。導電層34bは、例えば銅を含む。以下では、導電層34bが設けられた配線層をM0と呼ぶ。
【0098】
各メモリピラーMPは、Z方向に沿って延伸している。各メモリピラーMPは、絶縁層23~26、及び導電層31~33を貫通している。メモリピラーMPの上部は、導電層30に接している。メモリピラーMPの下部は、絶縁層27に達している。
【0099】
各メモリピラーMPは、例えば、半導体層40、トンネル絶縁層(トンネル絶縁膜とも称する)41、絶縁層42、及びブロック絶縁層43を含んでいる。
【0100】
半導体層40は、Z方向に沿って延伸している。例えば、半導体層40の下端は、絶縁層27を含む層に含まれる。半導体層40の上端は、導電層30に接触している。トンネル絶縁層41は、半導体層40の側面に配置されている。絶縁層42は、トンネル絶縁層41の側面に配置されている。ブロック絶縁層43は、絶縁層42の側面に配置されている。
【0101】
メモリピラーMPと導電層31(セレクトゲート線SGS)とが交差した部分は、セレクトトランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと導電層32(ワード線WL)とが交差した部分は、メモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電層33(セレクトゲート線SGD)とが交差した部分は、セレクトトランジスタST1として機能する。すなわち、半導体層40は、メモリセルトランジスタMT0~MT7、並びにセレクトトランジスタST1及びST2のそれぞれのチャネル層として機能する。絶縁層42は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。
【0102】
各メモリピラーMPの半導体層40の下には、柱状のコンタクトCVが設けられる。図示された領域には、2つのメモリピラーMPのうち、1つのメモリピラーMPに対応するコンタクトCVが示されている。当該領域においてコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPには、図示されない領域においてコンタクトCVが接続される。コンタクトCVの下には、1つの導電層34b(ビット線BL)が接触している。
【0103】
スリットSTは、少なくとも一部がXZ平面に沿って広がった板状に形成され、絶縁層23~26及び導電層31~33を分断している。スリットSTの下端は、絶縁層27を含む層に含まれる。スリットSTの上端は、例えば、導電層30に接触している。スリットSTは、例えば、酸化シリコン(SiO2)を含む。
【0104】
スリットSHEは、例えば、XZ平面に沿って広がった板状に形成され、導電層33及び絶縁層26を分断している。スリットSHEの下端は、絶縁層27を含む層に含まれる。スリットSHEの上端は、例えば、導電層32に接触している。スリットSHEは、例えば、酸化シリコン(SiO2)を含む。
【0105】
導電層34bの下には、柱状のコンタクトV1が設けられる。コンタクトV1の下には、導電層35bが設けられる。導電層35bは、メモリチップMC内の回路を接続する配線として使用される。以下では、導電層35bが設けられた配線層をM1と呼ぶ。
【0106】
導電層35bの下には、柱状のコンタクトV2が設けられる。コンタクトV2の下には、導電層36bが設けられる。導電層36bは、メモリチップMCの界面に接し、貼合パッドBP1として使用される。導電層36bは、例えば銅を含む。以下では、導電層36bが設けられた配線層をMBと呼ぶ。なお、配線層MBには、後述する導電層36s及び36wも設けられる。
【0107】
図9は、
図8のIX-IX線に沿った断面図であり、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるメモリピラーMPの断面構造の一例を示している。具体的には、
図9は、メモリピラーMPと導電層32とを含み、かつ半導体記憶装置10が有する半導体基板の表面と平行な断面を示している。
【0108】
図9に示すように、半導体層40は、例えばメモリピラーMPの中央部に設けられる。トンネル絶縁層41は、半導体層40の側面を囲っている。絶縁層42は、トンネル絶縁層41の側面を囲っている。ブロック絶縁層43は、絶縁層42の側面を囲っている。導電層32は、ブロック絶縁層43の側面を囲っている。トンネル絶縁層41及びブロック絶縁層43のそれぞれは、例えば、酸化シリコン(SiO
2)を含む。絶縁層42は、例えば、窒化シリコン(SiN)を含む。なお、各メモリピラーMPは、半導体層40の内側に絶縁層をさらに含み、メモリピラーMPの中央部に当該絶縁層が位置していてもよい。すなわち、半導体層40は、筒状に設けられた絶縁層を有していてもよい。
【0109】
図10を用いて、メモリチップMCにおける引出領域HR1の断面構造について説明する。
図10は、第1実施形態の半導体記憶装置10における引出領域HR1の断面構造の一例を示す図である。
図10は、引出領域HR1に含まれた偶数番目のブロックBLKに対応する断面を示している。なお、
図10におけるZ方向は、
図8と同様に、
図6に対して反転されて示されている。
図10に示すように、引出領域HR1において、セレクトゲート線SGS(導電層31)、ワード線WL0~WL7(導電層32)、並びにセレクトゲート線SGD(導電層33)のそれぞれの端部は、階段状に設けられる。また、引出領域HR1には、例えば、コンタクトCT、V1及びV2、導電層34w、35w、及び36wが設けられる。
【0110】
具体的には、導電層31は、Z方向において、下方の導電層32及び33と重ならないテラス部分を有している。各導電層32は、Z方向において、下方の導電層32及び33と重ならないテラス部分を有している。導電層33は、Z方向において、テラス部分を有している。複数のコンタクトCTは、導電層31~33のそれぞれのテラス部分の下に、それぞれ設けられる。複数のコンタクトCTのそれぞれの下部は、例えば、配線層M0が設けられる面に沿って配置されている。言い換えると、複数のコンタクトCTのそれぞれの下部は、導電層30からほぼ同じ距離に位置している。
【0111】
各コンタクトCTの下には、例えば、導電層34wが設けられる。導電層34wは、配線層M0に含まれる。導電層34wの下には、コンタクトV1が設けられる。コンタクトV1の下には、導電層35wが設けられる。導電層35wは、配線層M1に含まれる。導電層35wの下には、コンタクトV2が設けられる。コンタクトV2の下には、導電層36wが設けられる。導電層36wは、配線層MBに含まれる。すなわち、導電層36wは、メモリチップMCの界面に接し、貼合パッドBP1として使用される。導電層36wは、例えば銅を含む。
【0112】
なお、
図10は、ワード線WL3に対応する導電層34wに設けられたコンタクトV1及びV2並びに導電層35w及び36wの組のみを示している。その他の導電層34wには、図示されない領域において、コンタクトV1及びV2並びに導電層35w及び36wの組が接続される。引出領域HR1かつ奇数番目のブロックBLKに対応する領域における構造は、
図10に示された構造に対してコンタクトCTが省略された構造と類似している。また、引出領域HR2かつ奇数番目のブロックBLKに対応する領域における構造は、
図10に示された構造を、YZ面を対称面として反転させた構造と類似している。
【0113】
1.2.3 CMOSチップCCの構造
次に、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるCMOSチップCCの構造について説明する。
【0114】
1.2.3.1 CMOSチップCCの平面レイアウト
図11を用いて、CMOSチップCCの平面レイアウトについて説明する。
図11は、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるCMOSチップCCの平面レイアウトの一例を示す図である。
図11は、ブロックBLK、センスアンプユニットSAU、及びロウデコーダユニットRDnの接続関係を示している。以下で参照される図面は、X方向においてメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、センスアンプ領域SR、転送領域XR1及びXR2が設けられる範囲を、それぞれ領域wMR、wHR1、wHR2、wSR、wXR1、及びwXR2として示している。また、以下では、説明を簡潔にするために、メモリセルアレイ11が16個のブロックBLK0~BLK15を備え、ロウデコーダ18がロウデコーダユニットRD0~RD15を備える場合について説明する。
【0115】
転送領域XR1は、偶数番号のロウデコーダユニットRD0、RD2、RD4、RD6、RD8、RD10、RD12、及びRD14を含んでいる。転送領域XR2は、奇数番号のロウデコーダユニットRD1、RD3、RD5、RD7、RD9、RD11、RD13、及びRD15を含んでいる。ロウデコーダユニットRD0、RD2、RD4、RD6、RD8、RD10、RD12、及びRD14は、センスアンプ領域SRを挟んで、それぞれロウデコーダユニットRD1、RD3、RD5、RD7、RD9、RD11、RD13、及びRD15とX方向に対向している。すなわち、ロウデコーダユニットRD0、RD2からRD14と、ロウデコーダユニットRD1、RD3からRD15とは、センスアンプ領域SRを挟むようにX方向に配置される。
【0116】
センスアンプ領域SRには、例えば、複数のセンスアンプユニットSAU0~SAUmがX方向に配列される。
【0117】
また、メモリ領域MRにおいて、ブロックBLK0~BLK15は、Y方向に配列される。ブロックBLK0~BLK15は、前述したように、それぞれロウデコーダユニットRD0~RD15によって制御される。すなわち、偶数番号のブロックBLKは、転送領域XR1に配置されたロウデコーダRDによって制御される。さらに、奇数番号のブロックBLKは、転送領域XR2に配置されたロウデコーダRDによって制御される。
【0118】
なお、以上で説明したブロックBLK、センスアンプユニットSAU、及びロウデコーダユニットRDの配置は、あくまで一例である。例えば、各ブロックBLKに接続されるロウデコーダユニットRDの配置は、転送領域XR1及びXR2内で適宜変更され得る。
【0119】
1.2.3.2 CMOSチップCCの断面構造
図12を用いて、CMOSチップCCの断面構造について説明する。
図12は、第1実施形態の半導体記憶装置10におけるCMOSチップCCの断面構造の一例を示す図である。
図12は、メモリチップMCとCMOSチップCCとを貼り合わせた構造を示している。
図12は、また転送領域XR1内のトランジスタWLSW6に対応する構成と、センスアンプ領域SR内のトランジスタT8に対応する構成とを示している。
図12に示すように、CMOSチップCCは、例えば、半導体基板50、導電層GC及び51b、52b、53b、54b、55b、及び56b、51w、52w、53w、54w、55w、及び56w、並びに柱状のコンタクトC0~C5を含んでいる。
【0120】
半導体基板50は、CMOSチップCCの形成に使用され、例えば、P型不純物を含んでいる。また、半導体基板50は、図示が省略された複数のウェル領域を含んでいる。複数のウェル領域のそれぞれには、例えば、トランジスタが形成される。そして、複数のウェル領域の間は、素子分離領域(例えば、STI(Shallow Trench Isolation))によって分離される。
【0121】
転送領域XR1において、半導体基板50上には、ゲート絶縁膜を介して導電層GCが設けられる。転送領域XR1内の導電層GCは、例えば、ロウデコーダRDに含まれたトランジスタWLSW6のゲート電極として使用される。半導体基板50のウェル領域には、トランジスタWLSW6の図示しないソース領域及びドレイン領域が設けられる。さらに、トランジスタWLSW6のソース領域上にコンタクトC0が設けられる。
【0122】
転送領域XR1において、コンタクトC0上には導電層51wが設けられる。導電層51w上には、コンタクトC1が設けられる。コンタクトC1上には、導電層52wが設けられる。導電層52w上には、コンタクトC2が設けられる。コンタクトC2上には、導電層53wが設けられる。導電層53w上には、コンタクトC3が設けられる。コンタクトC3上には、導電層54wが設けられる。導電層54w上には、コンタクトC4が設けられる。コンタクトC4上には、導電層55wが設けられる。導電層55w上には、コンタクトC5が設けられる。さらに、コンタクトC5上には、導電層56wが設けられる。
【0123】
導電層56wは、CMOSチップCCとメモリチップMCとの界面に配置され、貼合パッドBP2として使用される。転送領域XR1内の導電層56wは、対向して配置されたメモリ領域MR内の導電層36wと貼り合わされる。導電層36wは、メモリチップMCとCMOSチップCCとの界面に配置され、貼合パッドBP1として使用される。導電層56wは、例えば、ワード線WL6と電気的に接続される。導電層56wは、例えば銅を含む。転送領域XR1は、図示を省略しているが、トランジスタWLSW6と同様の構造を有する複数のトランジスタを含んでいる。また、転送領域XR2における構造は、転送領域XR1の構造と同様である。
【0124】
センスアンプ領域SRにおいて、半導体基板50上には、ゲート絶縁膜を介して導電層GCが設けられる。センスアンプ領域SR内の導電層GCは、例えば、センスアンプユニットSAUmに含まれたトランジスタT8のゲート電極として使用される。半導体基板50のウェル領域には、トランジスタT8の図示しないソース領域及びドレイン領域が設けられる。さらに、トランジスタT8のソース領域上にコンタクトC0が設けられる。
【0125】
センスアンプ領域SRにおいて、コンタクトC0上には導電層51bが設けられる。導電層51b上には、コンタクトC1が設けられる。コンタクトC1上には、導電層52bが設けられる。導電層52b上には、コンタクトC2が設けられる。コンタクトC2上には、導電層53bが設けられる。導電層53b上には、コンタクトC3が設けられる。コンタクトC3上には、導電層54bが設けられる。導電層54b上には、コンタクトC4が設けられる。コンタクトC4上には、導電層55bが設けられる。導電層55b上には、コンタクトC5が設けられる。さらに、コンタクトC5上には、導電層56bが設けられる。
【0126】
導電層56bは、CMOSチップCCとメモリチップMCとの界面に配置され、貼合パッドBP2として使用される。センスアンプ領域SR内の導電層56bは、対向して配置されたメモリ領域MR内の導電層36b(貼合パッドBP1)と貼り合わされる。導電層56bは、例えば、ビット線BLとしての導電層34bと電気的に接続される。導電層36bは、例えば銅を含む。センスアンプ領域SRは、図示を省略しているが、トランジスタT8と同様の構造を有する複数のトランジスタを含んでいる。
【0127】
以下では、導電層51w及び51bが設けられた配線層をD0と呼ぶ。導電層52w及び52bが設けられた配線層をD1と呼ぶ。導電層53w及び53bが設けられた配線層をD2と呼ぶ。導電層54w及び54bが設けられた配線層をD3と呼ぶ。導電層55w及び55bが設けられた配線層をD4と呼ぶ。さらに、導電層56w及び56bが設けられた配線層をDBと呼ぶ。なお、配線層DBには、後述する導電層56sも設けられる。
配線層D0~D3にそれぞれ設けられた導電層51w~55wは、トランジスタWLSWと導電層56wとを接続する配線として使用される。配線層D0~D3にそれぞれ設けられた導電層51b~55bは、トランジスタT8と導電層56bとを接続する配線として使用される。
【0128】
なお、CMOSチップCCに設けられる配線層の数は、任意の数に設計され得る。また、導電層51w~56w、及び51b~56bのそれぞれに接続されるコンタクトは、回路の設計に応じて省略されてもよい。
【0129】
以上で説明したワード線WL6とトランジスタWLSW6とを接続する経路と、ビット線BLとトランジスタT8とを接続する経路は、あくまで一例である。ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSのいずれかと、ロウデコーダRDが含むトランジスタWLSWとの間の接続に使用され、かつX方向に延伸する配線は、メモリチップMC側とCMOSチップ側のいずれか一方に設けられてもよし、両方に設けられてもよい。同様に、ビット線BLとセンスアンプユニットSAUが含むトランジスタとの間の接続に使用され、かつX方向に延伸する配線は、メモリチップMC側とCMOSチップ側のいずれか一方に設けられてもよし、両方に設けられてもよい。このように、メモリチップMC内の回路とCMOSチップCC内の回路とを接続するための配線のレイアウトは、適宜変更され得る。
【0130】
1.2.4 転送領域XR(トランジスタWLSW)の構造
次に、第1実施形態に係るCMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2の構造について説明する。第1実施形態では、転送領域XR1及びXR2に設けられる複数のトランジスタWLSWが、異なった構造を有する2種類のトランジスタにより構成される。1つは、ゲートを含む配線(以下、ゲート配線)が複数のトランジスタで共有された構造を有するトランジスタである。すなわち、複数のトランジスタWLSWのゲートが、一体に連続して形成された導電層GCにより構成された構造を有するものである。以降、1つの導電層GCをゲートとして共有するトランジスタを、ゲート共有トランジスタSHと称する。他の1つは、ゲート配線が各トランジスタで分離された構造を有するトランジスタである。すなわち、各トランジスタWLSWのゲートが、分離された個々の導電層GCにより構成された構造を有するものである。以降、分離された個々の導電層GCをゲートとする各トランジスタを、ゲート分離トランジスタSEと称する。
【0131】
また、第1実施形態では、CMOSチップCCの外形がメモリチップMCの外形とほぼ一致する場合と、CMOSチップCCの外形がメモリチップMCの外形より大きい場合とに分けて説明する。CMOSチップCCとメモリチップMCの外形がほぼ一致する場合を第1例とし、CMOSチップCCの外形がメモリチップMCの外形より大きい場合を第2例とする。
【0132】
1.2.4.1 第1例
図13を用いて、第1実施形態に係る第1例の半導体記憶装置10の構造の概要について説明する。
図13は、第1例の半導体記憶装置10の構造を示す模式図である。
図13は、側面(または、Y方向)から見た場合のX方向におけるメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2のレイアウトを示す。なお、引出領域HR1及びHR2では、ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSをイメージした形状を表している。
【0133】
X方向において、CMOSチップCCの外形は、メモリチップMCの外形とほぼ一致している。言い換えると、Z方向から見たとき、CMOSチップCCにおける転送領域XR1の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR1の外側端部とほぼ一致している。CMOSチップCCにおける転送領域XR2の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR2の外側端部とほぼ一致している。
【0134】
また、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2の一部は、Z方向においてメモリ領域MRと重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、メモリ領域MRと、センスアンプ領域SR、転送領域XR1の一部及び転送領域XR2の一部とが重なるような構造を有する。
【0135】
また、メモリチップMC内の一部のワード線WLあるいはセレクトゲート線SGD及びSGSは、Y方向に伸びたビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2内のトランジスタWLSWに接続される。メモリチップMC内の一部のビット線BLは、ビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCのセンスアンプ領域SR内のセンスアンプ部SA(または、センスアンプユニットSAU)に接続される。
【0136】
転送領域XR1及びXR2の各々には、前述したように、複数のトランジスタWLSWが配置される。転送領域XR1の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。一方、転送領域XR1の内側(即ち、センスアンプ領域SR側)の領域、言い換えると、転送領域XR1の外側の端部領域以外の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0137】
同様に、転送領域XR2の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。一方、転送領域XR2の内側(即ち、センスアンプ領域SR側)の領域、言い換えると、転送領域XR2の外側の端部領域以外の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0138】
次に、
図14を用いて、半導体記憶装置10における引出領域HR1及び転送領域XR1の詳細な構造を説明する。
図14は、第1例における引出領域HR1及び転送領域XR1のX方向に沿った断面図である。なお、引出領域HR2及び転送領域XR2の構造は、引出領域HR1及び転送領域XR1の構造とほぼ同様であるため、記載を省略する。
【0139】
図14に示すように、転送領域XR1の外側(即ち、チップ端側)の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0140】
例えば、トランジスタWLSWSのソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0141】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。なお、導電層56s及び導電層36sは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0142】
導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層31(即ち、セレクトゲート線SGS)に接続される。これにより、トランジスタWLSWSのソースは、セレクトゲート線SGSに電気的に接続される。
【0143】
同様に、例えば、トランジスタWLSW0のソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0144】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL0)に接続される。これにより、トランジスタWLSW0のソースは、ワード線WL0に電気的に接続される。
【0145】
図14に示すように、転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0146】
例えば、トランジスタWLSW3のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0147】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。なお、導電層56w及び導電層36wは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0148】
導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL3)に接続される。これにより、トランジスタWLSW3のソースは、ワード線WL3に電気的に接続される。
【0149】
同様に、例えば、トランジスタWLSW4のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0150】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層33(即ち、ワード線WL4)に接続される。これにより、トランジスタWLSW4のソースは、ワード線WL4に電気的に接続される。
【0151】
次に、ゲート共有トランジスタSH及びゲート分離トランジスタSEの平面レイアウト及び断面構造について説明する。
【0152】
図15は、ゲート共有トランジスタSHの平面レイアウトの一例を示す図であり、2つのゲート共有トランジスタSHがX方向に配列された様子を示す。
図16は、
図15におけるA-A線に沿った断面図であり、ゲート共有トランジスタSHのゲート、ソース及びドレインの断面構造を示している。
【0153】
半導体基板50には、2つのアクティブエリアAAが設けられる。2つのアクティブエリアAAの間には、素子分離領域(例えば、STI)EIが設けられる。アクティブエリアAAの各々には、ソースSO及びドレインDRが設けられる。ソースSOとドレインDRとの間のアクティブエリアAA上には、ゲート絶縁膜GIが設けられる。ゲート絶縁膜GI上には、ゲートとしての導電層GCが設けられる。導電層GCは、2つのゲート共有トランジスタSHのゲートとして機能する。導電層GCは、2つのゲート共有トランジスタSHのゲート絶縁膜GI上に、一体に連続して形成されている。さらに、アクティブエリアAA間の素子分離領域EI上には、シールド層GSが設けられる。
【0154】
例えば、書き込み動作において、ゲート共有トランジスタSHは以下のように動作する。
図16に示すように、ゲートとしての導電層GCに電圧VPGMHが供給される。ドレインDRに、電圧生成回路17から電圧供給線CGを介して書き込み電圧VPGMが供給される。これにより、ゲート共有トランジスタSHがオン状態となり、電圧生成回路17からの書き込み電圧VPGMが、ドレインDR及びソースSOを通りワード線WLに供給される。なお、電圧VPGMHは、書き込み電圧VPGMよりゲート共有トランジスタSHのしきい値電圧分以上高い電圧である。
【0155】
しかし、ゲート共有トランジスタでは、複数のトランジスタでゲートを共有でき、ゲート配線の引き回しが容易であるという利点があるが、以下で述べるように、寄生トランジスタが形成され、リーク電流が発生する場合がある。
【0156】
図17は、
図15におけるB-B線に沿った断面図であり、2つのゲート共有トランジスタSHと素子分離領域EIの断面構造を示している。2つのゲート共有トランジスタSHが隣接して配列されると、素子分離領域EI上の導電層GCをゲートとする寄生トランジスタが形成される場合がある。寄生トランジスタが形成されると、一方のゲート共有トランジスタSHのドレインDRから、素子分離領域EI下のアクティブエリアAAを介して他方のゲート共有トランジスタSHのソースSOにリーク電流が流れる。そこで、寄生トランジスタに生じるリーク電流を低減するために、複数のゲート共有トランジスタSHを配列する場合、隣接するアクティブエリアAA間の距離Dhを長く設定する。
【0157】
図18は、ゲート分離トランジスタSEの平面レイアウトの一例を示す図であり、2つのゲート分離トランジスタSEがX方向に配列された様子を示す。
図19は、
図18におけるC-C線に沿った断面図であり、ゲート分離トランジスタSEのゲート、ソース及びドレインの断面構造を示している。
【0158】
半導体基板50には、2つのアクティブエリアAAが設けられる。2つのアクティブエリアAAの間には、素子分離領域EIが設けられる。アクティブエリアAAの各々には、ソースSO及びドレインDRが設けられる。ソースSOとドレインDRとの間のアクティブエリアAA上には、ゲート絶縁膜GIが設けられる。ゲート絶縁膜GI上には、ゲートとしての導電層GCがそれぞれ設けられる。導電層GCは、ゲート分離トランジスタSEのゲート絶縁膜GI上に、それぞれ分離されて配置されている。導電層GCの各々は、ゲート分離トランジスタSEのそれぞれのゲートとして機能する。さらに、アクティブエリアAA間の素子分離領域EI上には、シールド層GSが設けられる。
【0159】
例えば、ゲート分離トランジスタSEは、ゲート共有トランジスタSHと同様に、書き込み動作において以下のように動作する。
図19に示すように、ゲートとしての導電層GCに電圧VPGMHが供給される。ドレインDRに、電圧生成回路17から電圧供給線CGを介して書き込み電圧VPGMが供給される。これにより、ゲート分離トランジスタSEがオン状態となり、電圧生成回路17からの書き込み電圧VPGMが、ドレインDR及びソースSOを通りワード線WLに供給される。
【0160】
ゲート分離トランジスタSEでは、隣接するゲート分離トランジスタSE間に寄生トランジスタが形成されず、リーク電流が発生しないという利点があるが、以下で述べるように、導電層GCが分離されているため、ゲート配線の引き回しが容易ではない場合がある。
【0161】
図20は、
図18におけるD-D線に沿った断面図であり、2つのゲート分離トランジスタSEと素子分離領域EIの断面構造を示している。
図18及び
図20に示すように、アクティブエリアAA間の素子分離領域EI上にシールド層GSが設けられる。シールド層GSには、例えば、接地電圧VSSが供給される。これにより、素子分離領域EIをゲート絶縁膜とする寄生トランジスタが形成されるのを防ぎ、リーク電流の発生を低減することができる。このように、寄生トランジスタの形成を防ぐことができるため、ゲート分離トランジスタSEでは、隣接するアクティブエリアAA間の距離Deを短く設定できる。すなわち、隣接するゲート分離トランジスタSEにおけるアクティブエリアAA間の距離Deは、隣接するゲート共有トランジスタSHにおけるアクティブエリアAA間の距離Dhより短く設定できる。
【0162】
次に、複数のゲート共有トランジスタSHが配列された平面レイアウトについて説明する。
図21は、複数のゲート共有トランジスタSHが配列された平面レイアウトを示す図である。
図21に示すように、複数のゲート共有トランジスタSHは、半導体基板上にX方向に配列されている。複数のゲート共有トランジスタSHのゲートは、導電層GCにより共有されている。導電層GCは、一体に連続して形成されている。導電層GCは、コンタクトCh等を介してブロックデコーダBDに接続される。
【0163】
ゲート共有トランジスタSHの各々のドレイン(あるいは、ソース)は、例えば、導電層D0に設けられた配線にそれぞれ接続される。
【0164】
次に、複数のゲート分離トランジスタSEが配列された平面レイアウトについて説明する。
図22は、複数のゲート分離トランジスタSEが配列された平面レイアウトを示す図である。
図22に示すように、複数のゲート分離トランジスタSEは、半導体基板上にX方向に配列されている。複数のゲート分離トランジスタSEの各々のゲートは、導電層GCの各々により構成されている。導電層GCの各々は、導電層D0、及び導電層D0に接続されたコンタクトCeにより電気的に接続される。導電層GCに接続された導電層D0は、コンタクトCh等を介してブロックデコーダBDに接続される。
【0165】
ゲート分離トランジスタSEの各々のドレイン(あるいは、ソース)は、例えば、導電層D0及びD1に設けられた配線にそれぞれ接続される。
【0166】
図21及び
図22に示すように、隣接するゲート共有トランジスタSHのアクティブエリアAA間の距離Dhは、隣接するゲート分離トランジスタSEのアクティブエリアAA間の距離Deより長い。すなわち、隣接するゲート共有トランジスタSH間の素子分離領域EIの長さは、隣接するゲート分離トランジスタSE間の素子分離領域EIの長さより長い。このため、複数(例えば、
図21に示す7つ)のゲート共有トランジスタSHの配置に要する領域Rhは、複数(例えば、
図22に示す7つ)のゲート分離トランジスタSEの配置に要する領域Reよりも大きな領域が必要となる。
【0167】
また、複数のゲート共有トランジスタSHはゲート配線(導電層GC)を共有している。一方、複数のゲート分離トランジスタSEはゲート配線を共有せず、ゲート分離トランジスタSEの各々がゲート配線をそれぞれ備える。このため、ゲート分離トランジスタSEでは、ゲート配線を接続するための配線(導電層D0及びD1)が必要となる。したがって、ゲート共有トランジスタSHの配列では、ゲート分離トランジスタSEの配列で必要なゲート配線を接続するための配線を削減できる。
【0168】
1.2.4.2 第2例
図23を用いて、第1実施形態に係る第2例の半導体記憶装置10の構造の概要について説明する。
図23は、第2例の半導体記憶装置10の構造を示す模式図である。第1例と同様に、
図23は、側面(または、Y方向)から見た場合のX方向におけるメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2のレイアウトを示す。引出領域HR1及びHR2では、ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSをイメージした形状を表している。
【0169】
X方向において、CMOSチップCCの外形は、メモリチップMCの外形より大きい。言い換えると、Z方向から見たとき、CMOSチップCCにおける転送領域XR1の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR1の外側端部より外側にはみ出している。CMOSチップCCにおける転送領域XR2の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR2の外側端部より外側にはみ出している。
【0170】
また、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2の一部は、Z方向においてメモリ領域MRと重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、メモリ領域MRと、センスアンプ領域SR、転送領域XR1の一部及び転送領域XR2の一部とが重なるような構造を有する。
【0171】
転送領域XR1の一部は、Z方向において引出領域HR1と重なって配置される。転送領域XR2の一部は、Z方向において引出領域HR2と重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、引出領域HR1と転送領域XR1の一部とが重なり、さらに引出領域HR2と転送領域XR2の一部とが重なるような構造を有する。
【0172】
また、メモリチップMC内の一部のワード線WLあるいはセレクトゲート線SGD及びSGSは、Y方向に伸びたビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2内のトランジスタWLSWに接続される。メモリチップMC内の一部のビット線BLは、ビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCのセンスアンプ領域SR内のセンスアンプ部SA(または、センスアンプユニットSAU)に接続される。
【0173】
転送領域XR1及びXR2の各々には、前述したように、複数のトランジスタWLSWが配置される。転送領域XR1の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。一方、転送領域XR1の内側(即ち、センスアンプ領域SR側)の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0174】
同様に、転送領域XR2の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。一方、転送領域XR2の内側(即ち、センスアンプ領域SR側)の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0175】
次に、
図24を用いて、半導体記憶装置10における引出領域HR1及び転送領域XR1の詳細な構造を説明する。
図24は、第2例における引出領域HR1及び転送領域XR1のX方向に沿った断面図である。なお、引出領域HR2及び転送領域XR2の構造は、引出領域HR1及び転送領域XR1の構造とほぼ同様であるため、記載を省略する。
【0176】
図24に示すように、転送領域XR1の外側(即ち、チップ端側)の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0177】
例えば、トランジスタWLSWSのソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0178】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。導電層56s及び導電層36sは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0179】
導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層31(即ち、セレクトゲート線SGS)に接続される。例えば、導電層35sは、X方向において、セレクトゲート線SGSよりもチップ端側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSWSのソースは、セレクトゲート線SGSに電気的に接続される。
【0180】
同様に、例えば、トランジスタWLSW0のソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0181】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。
【0182】
導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL0)に接続される。例えば、導電層35wは、X方向において、ワード線WL0よりもチップ端側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSW0のソースは、ワード線WL0に電気的に接続される。
【0183】
トランジスタWLSWS及びWLSW0のゲートは、それぞれ分離された個々の導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート分離トランジスタSEのゲートを構成するゲート配線は、個々の導電層GCにて形成されている。
【0184】
図24に示すように、転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0185】
例えば、トランジスタWLSW3のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0186】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL3)に接続される。例えば、導電層35wは、X方向において、ワード線WL3の端部側からセンスアンプ領域SR側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSW3のソースは、ワード線WL3に電気的に接続される。
【0187】
同様に、例えば、トランジスタWLSW4のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0188】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL4)に接続される。例えば、導電層35wは、X方向において、ワード線WL4の端部側からセンスアンプ領域SR側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSW4のソースは、ワード線WL4に電気的に接続される。
【0189】
トランジスタWLSW3及びWLSW4のゲートは、一体に連続して形成された導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート共有トランジスタSHのゲートを構成するゲート配線は、一体で連続した導電層GCにて形成されている。
【0190】
1.3 第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、外形サイズを縮小できる、またはセンスアンプを含む回路領域を確保できる半導体記憶装置を提供可能である。
【0191】
以下に、第1実施形態の効果について説明する。
【0192】
本実施形態の半導体記憶装置は、メモリチップMCとCMOSチップCCとが貼合された構造を有する。メモリチップMCには、複数のワード線WL及びセレクトゲート線SGD及びSGSが積層される。積層されたワード線WL及びセレクトゲート線SGD及びSGSは、引出領域HR及び転送領域XRにおいてコンタクト及び引き出し配線を介してトランジスタWLSWに接続される。さらに、トランジスタWLSWは、電圧供給線を介して電圧生成回路17に接続される。
【0193】
メモリチップMCの外形サイズは、例えば、主として半導体記憶装置に搭載するメモリセルアレイの記憶容量にて決定される。このため、半導体記憶装置の外形サイズ(即ち、チップサイズ)を縮小するためには、CMOSチップCCの外形サイズをメモリチップMCの外形サイズの範囲内に収めることが望ましい。
【0194】
特に、ワード線WLからの引き出し配線、及びビット線BLからの引き出し配線にビット線BLと直交する配線を用いた場合には、CMOSチップCCの外形サイズの縮小分、すなわちロウデコーダ18、トランジスタWLSW、センスアンプ21、及びカラム系制御回路の面積縮小分がそのまま半導体記憶装置の外形サイズの縮小分として寄与する。
【0195】
ここで、転送領域XR、すなわちトランジスタWLSWの配置領域に関しては、その面積を決定している要因が2つある。1つは、ワード線からの引き出し配線の本数とこれら引き出し配線を配置するための領域、2つ目は、トランジスタWLSWの占有領域である。
【0196】
本実施形態では、CMOSチップCCにおいて、ワード線WLからの引き出し配線の本数が多く、これら引き出し配線が稠密となる領域、例えば、メモリ領域MRと引出領域HR1(あるいは、HR2)との境界領域に対応する転送領域には、ゲート配線の引き回しが容易なゲート共有トランジスタSHを用いる。すなわち、ワード線からの引き出し配線が稠密となる領域に対応する転送領域には、ゲート配線が共有され、ゲート配線同士を接続する配線が不要なゲート共有トランジスタSHを用いる。一方、ワード線WLからの引き出し配線の本数が比較的少なく、これら引き出し配線が疎である領域、例えば、引出領域HR1(あるいは、HR2)の外側の端部領域に対応する転送領域には、トランジスタの占有面積が低減できるゲート分離トランジスタSEを用いる。これにより、転送領域を縮小でき、半導体記憶装置の外形サイズを縮小することができる。
【0197】
例えば、
図25に示すように、メモリチップMCの外形サイズよりCMOSチップCCの外形サイズが大きい構造を有する場合、
図26に示すように、転送領域XR1における端部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。転送領域XR2における端部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。これにより、転送領域XR1及びXR2の領域を削減でき、半導体記憶装置10の外形サイズを縮小することができる。
【0198】
また、
図27に示すように、メモリチップMCとCMOSチップCCの外形サイズがほぼ同じ構造を有する場合、
図28に示すように、同様に、転送領域XR1及びXR2における端部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。これにより、転送領域XR1及びXR2の領域を削減できる。この場合は、センスアンプ21及びカラム系制御回路を配置するセンスアンプ領域SRを十分に確保することができる。
【0199】
以上述べたように、第1実施形態の半導体記憶装置によれば、外形サイズを縮小することができる。さらに、センスアンプ21及びカラム系制御回路を含むセンスアンプ領域SRの配置領域を確保することができる。
【0200】
2.第2実施形態
第2実施形態の半導体記憶装置について説明する。第1実施形態では、トランジスタWLSWとしてのゲート分離トランジスタSEをCMOSチップの端部側のみに配置したが、第2実施形態では、ゲート分離トランジスタSEを、CMOSチップの端部側とセンスアンプ21が配置された側の両側に配置した例を述べる。
【0201】
第2実施形態における半導体記憶装置の回路構成等、記載しない回路構成及び構造は第1実施形態と同様である。第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。
【0202】
2.1 転送領域XR(トランジスタWLSW)の構造
第2実施形態に係るCMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2の構造について説明する。第2実施形態でも第1実施形態と同様に、CMOSチップCCの外形がメモリチップMCの外形とほぼ一致する場合を第1例とし、CMOSチップCCの外形がメモリチップMCの外形より大きい場合を第2例として、以下に説明する。
【0203】
2.1.1 第1例
図29を用いて、第2実施形態に係る第1例の半導体記憶装置10の構造の概要について説明する。
図29は、第1例の半導体記憶装置10の構造を示す模式図である。
図29は、側面(または、Y方向)から見た場合のX方向におけるメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2のレイアウトを示す。引出領域HR1及びHR2では、ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSをイメージした形状を表している。
【0204】
X方向において、CMOSチップCCの外形は、メモリチップMCの外形とほぼ一致している。言い換えると、Z方向から見たとき、CMOSチップCCにおける転送領域XR1の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR1の外側端部とほぼ一致している。CMOSチップCCにおける転送領域XR2の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR2の外側端部とほぼ一致している。
【0205】
また、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2の一部は、Z方向においてメモリ領域MRと重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、センスアンプ領域SR、転送領域XR1の一部、及び転送領域XR2の一部と、メモリ領域MRとが重なるような構造を有する。
【0206】
また、メモリチップMC内の一部のワード線WLあるいはセレクトゲート線SGD及びSGSは、Y方向に伸びたビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2内のトランジスタWLSWに接続される。メモリチップMC内の一部のビット線BLは、ビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCのセンスアンプ領域SR内のセンスアンプ部SA(または、センスアンプユニットSAU)に接続される。
【0207】
転送領域XR1の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。さらに、転送領域XR1の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0208】
同様に、転送領域XR2の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。転送領域XR2のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。さらに、転送領域XR2の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0209】
次に、
図30を用いて、半導体記憶装置10における引出領域HR1及び転送領域XR1の詳細な構造を説明する。
図30は、第1例における引出領域HR1及び転送領域XR1のX方向に沿った断面図である。なお、引出領域HR2及び転送領域XR2の構造は、引出領域HR1及び転送領域XR1の構造とほぼ同様であるため、記載を省略する。
【0210】
図30に示すように、転送領域XR1の外側(即ち、チップ端側)の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0211】
例えば、トランジスタWLSWSのソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0212】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。なお、導電層56s及び導電層36sは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0213】
導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層31(即ち、セレクトゲート線SGS)に接続される。これにより、トランジスタWLSWSのソースは、セレクトゲート線SGSに電気的に接続される。
【0214】
同様に、例えば、トランジスタWLSW0のソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0215】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL0)に接続される。これにより、トランジスタWLSW0のソースは、ワード線WL0に電気的に接続される。
【0216】
トランジスタWLSWS及びWLSW0のゲートは、それぞれ分離された個々の導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート分離トランジスタSEのゲートを構成するゲート配線は、個々の導電層GCにて形成されている。
【0217】
図30に示すように、転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0218】
例えば、トランジスタWLSW7のソースは、コンタクトC0、導電層51d、コンタクトC1、導電層52d、コンタクトC2、導電層53d、コンタクトC3、導電層54d、コンタクトC4、導電層55d、及びコンタクトC5を介して、導電層56dに接続される。
【0219】
導電層56dは、導電層36dと貼合され、導電層36dと接合される。これにより、導電層56dは、導電層36dに電気的に接続される。なお、導電層56d及び導電層36dは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0220】
導電層36dは、コンタクトV2、導電層35d、コンタクトV1、導電層34d、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL7)に接続される。これにより、トランジスタWLSW7のソースは、ワード線WL7に電気的に接続される。
【0221】
同様に、例えば、トランジスタWLSWD0のソースは、コンタクトC0、導電層51d、コンタクトC1、導電層52d、コンタクトC2、導電層53d、コンタクトC3、導電層54d、コンタクトC4、導電層55d、及びコンタクトC5を介して、導電層56dに接続される。
【0222】
導電層56dは、導電層36dと貼合され、導電層36dと接合される。これにより、導電層56dは、導電層36dに電気的に接続される。導電層36dは、コンタクトV2、導電層35d、コンタクトV1、導電層34d、及びコンタクトCTを介して、導電層33(即ち、セレクトゲート線SGD0)に接続される。これにより、トランジスタWLSWD0のソースは、セレクトゲート線SGD0に電気的に接続される。
【0223】
トランジスタWLSW7及びWLSWD0のゲートは、それぞれ分離された個々の導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート分離トランジスタSEのゲートを構成するゲート配線は、個々の導電層GCにて形成されている。
【0224】
図30に示すように、転送領域XR1の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0225】
例えば、トランジスタWLSW3のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0226】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。なお、導電層56w及び導電層36wは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0227】
導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL3)に接続される。これにより、トランジスタWLSW3のソースは、ワード線WL3に電気的に接続される。
【0228】
同様に、例えば、トランジスタWLSW4のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0229】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL4)に接続される。これにより、トランジスタWLSW4のソースは、ワード線WL4に電気的に接続される。
【0230】
トランジスタWLSW3及びWLSW4のゲートは、一体に連続して形成された導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート共有トランジスタSHのゲートを構成するゲート配線は、一体で連続した導電層GCにて形成されている。
【0231】
2.1.2 第2例
図31を用いて、第2実施形態に係る第2例の半導体記憶装置10の構造の概要について説明する。
図31は、第2例の半導体記憶装置10の構造を示す模式図である。第1例と同様に、
図31は、側面(または、Y方向)から見た場合のX方向におけるメモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2のレイアウトを示す。引出領域HR1及びHR2では、ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSをイメージした形状を表している。
【0232】
X方向において、CMOSチップCCの外形は、メモリチップMCの外形より大きい。言い換えると、Z方向から見たとき、CMOSチップCCにおける転送領域XR1の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR1の外側端部より外側にはみ出している。CMOSチップCCにおける転送領域XR2の外側端部は、メモリチップMCにおける引出領域HR2の外側端部より外側にはみ出している。
【0233】
また、センスアンプ領域SR、並びに転送領域XR1及びXR2の一部は、Z方向においてメモリ領域MRと重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、メモリ領域MRと、センスアンプ領域SR、転送領域XR1の一部及び転送領域XR2の一部とが重なるような構造を有する。
【0234】
転送領域XR1の一部は、Z方向において引出領域HR1と重なって配置される。転送領域XR2の一部は、Z方向において引出領域HR2と重なって配置される。言い換えると、半導体記憶装置10は、Z方向から見たとき、引出領域HR1と転送領域XR1の一部とが重なり、さらに引出領域HR2と転送領域XR2の一部とが重なるような構造を有する。
【0235】
また、メモリチップMC内の一部のワード線WLあるいはセレクトゲート線SGD及びSGSは、Y方向に伸びたビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCの転送領域XR1及びXR2内のトランジスタWLSWに接続される。メモリチップMC内の一部のビット線BLは、ビット線BLと直交する配線を用いて、CMOSチップCCのセンスアンプ領域SR内のセンスアンプ部SA(または、センスアンプユニットSAU)に接続される。
【0236】
転送領域XR1の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。さらに、転送領域XR1の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0237】
同様に、転送領域XR2の外側の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。転送領域XR2のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。さらに、転送領域XR2の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0238】
次に、
図32を用いて、半導体記憶装置10における引出領域HR1及び転送領域XR1の詳細な構造を説明する。
図32は、第2例における引出領域HR1及び転送領域XR1のX方向に沿った断面図である。なお、引出領域HR2及び転送領域XR2の構造は、引出領域HR1及び転送領域XR1の構造とほぼ同様であるため、記載を省略する。
【0239】
図32に示すように、転送領域XR1の外側(即ち、チップ端側)の端部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0240】
例えば、トランジスタWLSWSのソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0241】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。導電層56s及び導電層36sは、それぞれ貼合パッドBP2及びBP1である。
【0242】
導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層31(即ち、セレクトゲート線SGS)に接続される。例えば、導電層35sは、X方向において、セレクトゲート線SGSよりもチップ端側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSWSのソースは、セレクトゲート線SGSに電気的に接続される。
【0243】
同様に、例えば、トランジスタWLSW0のソースは、コンタクトC0、導電層51s、コンタクトC1、導電層52s、コンタクトC2、導電層53s、コンタクトC3、導電層54s、コンタクトC4、導電層55s、及びコンタクトC5を介して、導電層56sに接続される。
【0244】
導電層56sは、導電層36sと貼合され、導電層36sと接合される。これにより、導電層56sは、導電層36sに電気的に接続される。導電層36sは、コンタクトV2、導電層35s、コンタクトV1、導電層34s、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL0)に接続される。例えば、導電層35sは、X方向において、ワード線WL0よりもチップ端側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSW0のソースは、ワード線WL0に電気的に接続される。
【0245】
トランジスタWLSWS及びWLSW0のゲートは、それぞれ分離された個々の導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート分離トランジスタSEのゲートを構成する導電層GCは、個々の導電層にて形成されている。
【0246】
図32に示すように、転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の内部領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート分離トランジスタSEが配置される。
【0247】
例えば、トランジスタWLSW7のソースは、コンタクトC0、導電層51d、コンタクトC1、導電層52d、コンタクトC2、導電層53d、コンタクトC3、導電層54d、コンタクトC4、導電層55d、及びコンタクトC5を介して、導電層56dに接続される。
【0248】
導電層56dは、導電層36dと貼合され、導電層36dと接合される。これにより、導電層56dは、導電層36dに電気的に接続される。導電層36dは、コンタクトV2、導電層35d、コンタクトV1、導電層34d、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL7)に接続される。例えば、例えば、導電層35dは、X方向において、ワード線WL7の端部側からセンスアンプ領域SR側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSW7のソースは、ワード線WL7に電気的に接続される。
【0249】
同様に、例えば、トランジスタWLSWD0のソースは、コンタクトC0、導電層51d、コンタクトC1、導電層52d、コンタクトC2、導電層53d、コンタクトC3、導電層54d、コンタクトC4、導電層55d、及びコンタクトC5を介して、導電層56dに接続される。
【0250】
導電層56dは、導電層36dと貼合され、導電層36dと接合される。これにより、導電層56dは、導電層36dに電気的に接続される。導電層36dは、コンタクトV2、導電層35d、コンタクトV1、導電層34d、及びコンタクトCTを介して、導電層33(即ち、セレクトゲート線SGD0)に接続される。例えば、導電層35dは、X方向において、セレクトゲート線SGD0の端部側からセンスアンプ領域SR側に伸びた導電層である。これにより、トランジスタWLSWD0のソースは、セレクトゲート線SGD0に電気的に接続される。
【0251】
トランジスタWLSW7及びWLSWD0のゲートは、それぞれ分離された個々の導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート分離トランジスタSEのゲートを構成する導電層GCは、個々の導電層にて形成されている。
【0252】
図32に示すように、転送領域XR1の外側の端部領域とセンスアンプ領域SR側の内部領域との間の中央領域には、トランジスタWLSWとして複数のゲート共有トランジスタSHが配置される。
【0253】
例えば、トランジスタWLSW3のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0254】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL3)に接続される。これにより、トランジスタWLSW3のソースは、ワード線WL3に電気的に接続される。
【0255】
同様に、例えば、トランジスタWLSW4のソースは、コンタクトC0、導電層51w、コンタクトC1、導電層52w、コンタクトC2、導電層53w、コンタクトC3、導電層54w、コンタクトC4、導電層55w、及びコンタクトC5を介して、導電層56wに接続される。
【0256】
導電層56wは、導電層36wと貼合され、導電層36wと接合される。これにより、導電層56wは、導電層36wに電気的に接続される。導電層36wは、コンタクトV2、導電層35w、コンタクトV1、導電層34w、及びコンタクトCTを介して、導電層32(即ち、ワード線WL4)に接続される。これにより、トランジスタWLSW4のソースは、ワード線WL4に電気的に接続される。
【0257】
トランジスタWLSW3及びWLSW4のゲートは、一体に連続して形成された導電層GCにより構成されている。すなわち、ゲート共有トランジスタSHのゲートを構成する導電層GCは、一体で連続して形成されている。
【0258】
2.2 第2実施形態の効果
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、外形サイズを縮小できる、またはセンスアンプを含む回路領域を確保できる半導体記憶装置を提供可能である。
【0259】
以下に、第2実施形態の効果について説明する。
【0260】
本実施形態では、CMOSチップCCにおいて、ワード線WLからの引き出し配線の本数が多く、これら引き出し配線が稠密となる領域、例えば、メモリ領域MRと引出領域HR1(あるいは、HR2)との境界領域に対応する転送領域には、ゲート配線の引き回しが容易なゲート共有トランジスタSHを用いる。すなわち、ワード線からの引き出し配線が稠密となる領域に対応する転送領域には、ゲート配線が共有され、ゲート配線同士を接続する配線が不要なゲート共有トランジスタSHを用いる。一方、ワード線WLからの引き出し配線の本数が比較的少なく、これら引き出し配線が疎である領域、例えば、引出領域HR1(あるいは、HR2)の外側の端部領域に対応する転送領域、及びメモリ領域MRと引出領域HR1との境界領域よりさらにメモリ領域側の転送領域には、トランジスタの占有面積が低減できるゲート分離トランジスタSEを用いる。これにより、転送領域を縮小でき、半導体記憶装置の外形サイズを縮小することができる。
【0261】
例えば、
図33に示すように、メモリチップMCの外形サイズよりCMOSチップCCの外形サイズが大きい構造を有する場合、
図34に示すように、転送領域XR1における端部領域のゲート共有トランジスタSHと、転送領域XR1におけるセンスアンプ領域SR側の内部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。転送領域XR1における中央領域のゲート共有トランジスタSHは置き換えず、ゲート分離トランジスタSEのままとする。同様に、転送領域XR2の端部領域のゲート共有トランジスタSHと、転送領域XR2のセンスアンプ領域SR側の内部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。転送領域XR2の中央領域のゲート共有トランジスタSHは置き換えず、ゲート分離トランジスタSEのままとする。これにより、転送領域XR1及びXR2の領域を削減でき、半導体記憶装置10の外形サイズを縮小することができる。
【0262】
また、
図35に示すように、メモリチップMCとCMOSチップCCの外形サイズがほぼ同じ構造を有する場合、
図36に示すように、同様に、転送領域XR1の端部領域のゲート共有トランジスタSHと、転送領域XR1のセンスアンプ領域SR側の内部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。転送領域XR1の中央領域のゲート共有トランジスタSHは置き換えず、ゲート分離トランジスタSEのままとする。転送領域XR2の端部領域のゲート共有トランジスタSHと、転送領域XR2のセンスアンプ領域SR側の内部領域のゲート共有トランジスタSHをゲート分離トランジスタSEに置き換える。転送領域XR2の中央領域のゲート共有トランジスタSHは置き換えず、ゲート分離トランジスタSEのままとする。これにより、転送領域XR1及びXR2の領域を削減できる。この場合は、センスアンプ21及びカラム系制御回路を配置するセンスアンプ領域SRを十分に確保することができる。
センスアンプ21及びカラム系制御回路を配置するセンスアンプ領域SRの配置領域を確保することができる。
【0263】
以上述べたように、第2実施形態の半導体記憶装置によれば、外形サイズを縮小することができる。さらに、センスアンプ21及びカラム系制御回路を含むセンスアンプ領域SRの配置領域を確保することができる。
【0264】
3.その他変形例等
上述の実施形態は、半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリを例に説明したが、NAND型フラッシュメモリに限らず、その他の半導体メモリ全般に適用でき、さらには半導体メモリ以外の種々の記憶装置に適用できる。
【0265】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0266】
1…メモリコントローラ、10…半導体記憶装置、11…メモリセルアレイ、12…入出力回路、13…ロジック制御回路、14…レディ/ビジー回路、15…レジスタ群、15A…ステータスレジスタ、15B…アドレスレジスタ、15C…コマンドレジスタ、16…シーケンサ、17…電圧生成回路、18…ロウデコーダ、19…カラムデコーダ、20~25…絶縁層、20…データレジスタ、21…センスアンプ、22~27…絶縁層、30~33…導電層、34b…導電層、34d…導電層、34s…導電層、34w…導電層、35b…導電層、35d…導電層、35s…導電層、35w…導電層、36b…導電層、36d…導電層、36s…導電層、36w…導電層、40…半導体層、41…トンネル絶縁層、42…絶縁層、43…ブロック絶縁層、50…半導体基板、51b…導電層、51d…導電層、51s…導電層、51w…導電層、52b…導電層、52d…導電層、52s…導電層、52w…導電層、53b…導電層、53d…導電層、53s…導電層、53w…導電層、54b…導電層、54d…導電層、54s…導電層、54w…導電層、55b…導電層、55d…導電層、55s…導電層、55w…導電層、56b…導電層、56d…導電層、56s…導電層、56w…導電層、BL0~BLm…ビット線、BLK0~BLKn…ブロック、BP1…貼合パッド、BP2…貼合パッド、C0~C5…コンタクト、CG0~CG7…電圧供給線、D0~D4…配線層、GC…導電層、HR1…引出領域、HR2…引出領域、M0…配線層、M1…配線層、MT0~MT7…メモリセルトランジスタ、ND1…ノード、ND2…ノード、PR1…パッド領域、PR2…パッド領域、RD0~RDn…ロウデコーダユニット、SAU0~SAUm…センスアンプユニット、SGD0~SGD3…セレクトゲート線、SGDD0~SGDD3…電圧供給線、ST1…セレクトトランジスタ、ST2…セレクトトランジスタ、SU0~SU3…ストリングユニット、T0~T9…トランジスタ、V1…コンタクト、V2…コンタクト、WL0~WL7…ワード線、WLSW0~WLSW7…トランジスタ、WLSWD0~WLSWD3…トランジスタ、WLSWD0u~WLSWD3u…トランジスタ、WLSWS…トランジスタ、XR1…転送領域、XR2…転送領域。