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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018405
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/118 20060101AFI20230201BHJP
   F16D 43/02 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H02K7/118 Z
F16D43/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122512
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】平尾 基裕
【テーマコード(参考)】
3J068
5H607
【Fターム(参考)】
3J068AA02
3J068AA06
3J068BA01
3J068BB04
3J068CB02
3J068GA03
5H607BB01
5H607CC01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE05
5H607EE55
(57)【要約】
【課題】複数モータの出力を簡素な構造で併用する。
【解決手段】アクチュエータの一態様は、第1モータと、第2モータと、上記第2モータの駆動力が伝達されて回転駆動される出力軸と、上記第1モータからの駆動力を上記出力軸へと伝達し、当該出力軸から当該第1モータへの回転力は遮断して回転を空回りさせる遮断部と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モータと、
第2モータと、
前記第2モータの回転力が伝達されて回転駆動される出力軸と、
前記第1モータからの回転力を前記出力軸へと伝達し、当該出力軸から当該第1モータへの回転力は遮断して回転を空回りさせる遮断部と、
を備えたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記遮断部が、
第1モータの駆動力が伝達されて回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に設けられた回転カムと、
前記回転カムを前記駆動軸の回転方向に取り巻いた環状部材と、
前記回転カムと前記環状部材の内周面との間に位置し、前記回転カムの回転に伴って当該回転カムに押されて前記環状部材の内周面に押しつけられる移動部材と、
前記移動部材を前記環状部材の内周面から離間させる力を当該移動部材に付与する力付与部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第2モータの連続駆動中に前記第1モータが一時的に駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも一方と前記駆動軸との間に、駆動力を当該駆動軸に伝達する減速器を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも一方は、減速器を介さず前記駆動軸に駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1モータおよび前記第2モータが一体化された2軸一体型モータを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のモータで1つの駆動軸を駆動するアクチュエータが知られている。例えば歩行支援ロボットなどにおける高速回転・大トルクの電動アクチュエータを実現するにあたり、高速回転駆動用のモータと大トルク駆動用のモータの2つを組み合わせた構造が考えられるが、2つのモータを有する場合、片方のモータ駆動時にもう一方のモータを連れ回してしまい、出力効率の悪化が懸念される。
【0003】
連れ回しを回避するためにはクラッチ機構によるモータ軸の接続・切り離しが考えられる。例えば特許文献1には、交流電動機と直流電動機とをクラッチで連結した電動機装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-118598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構造では、カムクラッチが用いられているためアクチュエータの大型化、部品点数の増加、回転方向の制約などの課題が生じる。
そこで、本発明は、複数モータの出力を簡素な構造で併用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のために、本発明に係るアクチュエータの一態様は、第1モータと、第2モータと、上記第2モータの駆動力が伝達されて回転駆動される出力軸と、上記第1モータからの駆動力を上記出力軸へと伝達し、当該出力軸から当該第1モータへの回転力は遮断して回転を空回りさせる遮断部と、を備える。
【0007】
上記アクチュエータによれば、遮断部によって第1モータへの回転力が遮断されるので、第2モータ駆動による第1モータの連れ回しが回避される。その結果、複数モータの出力を簡素な構造で併用することができる。
【0008】
上記アクチュエータにおいて、上記遮断部が、第1モータの駆動力が伝達されて回転駆動される駆動軸と、上記駆動軸に設けられた回転カムと、上記回転カムを前記駆動軸の回転方向に取り巻いた環状部材と、上記回転カムと上記環状部材の内周面との間に位置し、上記回転カムの回転に伴って当該回転カムに押されて上記環状部材の内周面に押しつけられる移動部材と、上記移動部材を上記環状部材の内周面から離間させる力を当該移動部材に付与する力付与部材と、を備えることが好適である。この好適なアクチュエータによれば、遮断部の構造が簡素であり、回転方向によらず遮断可能であり、遮断と伝達との切り替えが機械力のみで迅速に作動する。
【0009】
上記アクチュエータにおいて、上記第2モータの連続駆動中に上記第1モータが一時的に駆動されることが好ましい。例えば、第2モータが主動力として用いられ、第1モータが補助動力として用いられて効率的な駆動が図られる。
【0010】
上記アクチュエータにおいて、上記第1モータおよび上記第2モータの少なくとも一方と上記駆動軸との間に、駆動力を当該駆動軸に伝達する減速器を備えると、モータの小型化によりアクチュエータの小型化が図られる。
【0011】
上記アクチュエータにおいて、上記第1モータおよび上記第2モータの少なくとも一方が減速器を介さず上記駆動軸に駆動力が伝達される構造であると、アクチュエータの構造がより簡素化される。
【0012】
上記アクチュエータにおいて、上記第1モータおよび上記第2モータが一体化された2軸一体型モータを備えると、アクチュエータの一層の小型化と組み立て工数の低減が図られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数モータの出力を簡素な構造で併用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す概略構成図である。
図2】逆入力遮断クラッチの構造を示す斜視図である。
図3】伝達時における逆入力遮断クラッチの状態を示す図である。
図4】遮断時における逆入力遮断クラッチの状態を示す図である。
図5】本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す概略構成図である。
図6】本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す概略構成図である。
図7】本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す概略構成図である。
図8】本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す概略構成図である。
図9】本発明のアクチュエータの第6実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、先に説明した図に記載の要素については、後の図の説明において適宜に参照する場合がある。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す概略構成図である。
【0016】
第1実施形態のアクチュエータ1は、一例として歩行支援ロボットの駆動用アクチュエータとして用いられる。第1実施形態のアクチュエータ1は、ベース10と、第1モータ20と、第2モータ30と、出力軸40と、逆入力遮断クラッチ50と、伝達機構60とを備えている。
ベース10は、ベースプレート11と軸受12とを有し、アクチュエータ1全体を保持している。
【0017】
第1モータ20と第2モータ30はインナーロータ型のモータであり、ベースプレート11に固定されている。第2モータ30の駆動軸はアクチュエータ1の出力軸40に直結されている。第2モータ30と出力軸40との直結構造(減速器を介さない伝達構造)により、アクチュエータ1の構造が簡素化され、アクチュエータ1の軽量化・小型化にも寄与する。
【0018】
第1実施形態のアクチュエータ1では、第2モータ30がメインモータとしての高速型モータであり、第1モータ20はサブモータとしての低速型の高トルクモータである。即ち、第1モータ20は、第2モータ30の主動力としての連続駆動中に、トルク不足などを補うために補助動力として一時的に駆動される。
【0019】
第1モータ20は、本発明にいう第1モータの一例に相当し、第2モータ30は、本発明にいう第2モータの一例に相当する。出力軸40は、本発明にいう出力軸の一例に相当する。
【0020】
逆入力遮断クラッチ50は、第1モータ20の一時的な駆動時には第1モータ20の駆動力を伝達機構60および出力軸40へと伝達する。また、逆入力遮断クラッチ50は、第1モータ20の停止時には、伝達機構60および出力軸40側からの駆動力を遮断して空回りさせる。この結果、逆入力遮断クラッチ50は、第2モータ30による出力軸40の駆動を維持したまま第1モータ20の連れ回しを防ぐことができる。
逆入力遮断クラッチ50は、本発明にいう遮断部の一例に相当する。
【0021】
逆入力遮断クラッチ50は、入力軸51と、移動エレメント52と、環状ハウジング53とを有する。入力軸51は、第1モータ20の駆動軸に直結されていて、環状ハウジング53は、ベース10の軸受12によってボール12aを介して回転自在に支持されている。移動エレメント52は、入力軸51の回転に伴って移動して入力軸51と環状ハウジング53とを結合する。逆入力遮断クラッチ50の構造および動作の詳細については後述する。
【0022】
伝達機構60は、プーリ61とタイミングベルト62とを有し、逆入力遮断クラッチ50を経た第1モータ20の駆動力を出力軸40へと伝達する。また、伝達機構60は、逆入力遮断クラッチ50の環状ハウジング53とプーリ61の外径比によって減速器としても機能する。
【0023】
第1実施形態のアクチュエータ1は、歩行支援ロボットが例えばユーザの立ち上がりなどをアシストする場合には、第1モータ20および第2モータ30双方の駆動による高トルクを出力する。また、第1実施形態のアクチュエータ1は、歩行支援ロボットが例えばユーザの平地歩行をアシストする場合には、第2モータ30のみによる高速駆動で駆動力を出力する。
【0024】
このように第1実施形態のアクチュエータ1は、第1モータ20および第2モータ30の駆動を適宜に組み合わせることで、種々の場面に適した出力形態を提供することができる。
次に、逆入力遮断クラッチ50の構造および動作の詳細について説明する。
【0025】
図2図4は、逆入力遮断クラッチ50の構造および動作を示す図である。図2には逆入力遮断クラッチ50の斜視図が示され、図3には伝達時における逆入力遮断クラッチ50の状態が示され、図4には遮断時における逆入力遮断クラッチ50の状態が示されている。
【0026】
逆入力遮断クラッチ50は、上述したように、入力軸51と、移動エレメント52と、環状ハウジング53とを有し、更にばね部材54を有する。なお、図示の都合上、環状ハウジング53は、回転軸方向の長さが短く示されている。
【0027】
入力軸51は、本発明にいう駆動軸の一例に相当し、移動エレメント52は、本発明にいう移動部材の一例に相当し、環状ハウジング53は、本発明にいう環状部材の一例に相当し、ばね部材54は、本発明にいう力付与部材の一例に相当する。
【0028】
入力軸51の先端部分は扁平な回転カム51aとなっていて、移動エレメント52は回転カム51aを挟んで1対設けられている。回転カム51aは、本発明にいう回転カムの一例に相当する。
【0029】
移動エレメント52は、回転カム51aと環状ハウジング53の内壁面53aとの間に備えられ、移動エレメント52は、回転カム51aと接触する接触面52aと、環状ハウジング53の内壁面53aに押しつけられる押付面52bとを有する。接触面52aは平らな面であり、押付面52bは円弧状の面である。
【0030】
ばね部材54は、1対の移動エレメント52に力を付与して移動エレメント52を互いに引きつけ合わせる。この結果、1対の移動エレメント52には、環状ハウジング53の内壁面53aから離間する方向の力が付与される。
【0031】
入力軸51が第1モータ20の駆動力で回転すると、図3に示すように回転カム51aが回転し、回転カム51aによって移動エレメント52の接触面52aが押される。この結果、ばね部材54の力に抗して移動エレメント52が移動して、移動エレメント52の押付面52bが環状ハウジング53の内壁面53aに押しつけられる。
【0032】
このように移動エレメント52が環状ハウジング53に押しつけられた結果、入力軸51から環状ハウジング53までが一体に結合されて回転する。従って、入力軸51に加えられた駆動力が環状ハウジング53に伝達される。なお、入力軸51の回転方向が何れであっても移動エレメント52は環状ハウジング53に押しつけられ、駆動力が入力軸51から環状ハウジング53に伝達される。
【0033】
これに対し、第1モータ20が停止して入力軸51に駆動力が掛からない場合には、図4に示すように、ばね部材54によって移動エレメント52が引きつけられ、環状ハウジング53の内壁面53aから移動エレメント52の押付面52bが離間する。この結果、環状ハウジング53がどちらに回転しても空回りとなって駆動力は遮断される。
【0034】
逆入力遮断クラッチ50は、本発明にいう駆動軸、回転カム、環状部材、移動部材、および力付与部材を備えた簡素な構造によって伝達状態と遮断状態とを切り替えることができ、アクチュエータ1の小型化に寄与する。また、当該構造を有する逆入力遮断クラッチ50は、電力が不要である点で電磁クラッチと較べてシステム全体の構造が単純化される。また、逆入力遮断クラッチ50は、回転方向に関係なく伝達・遮断が可能である点でワンウェイクラッチよりも優れている。更に、逆入力遮断クラッチ50は、第1モータ20が低回転でも駆動力が伝達される点で遠心クラッチよりも応答性が高い。
【0035】
以下、本発明のアクチュエータの他の実施形態について説明する。以下では、既出の実施形態との相違に着目した説明を行い、既に説明した要素と同等の要素については説明を省略する場合がある。
図5は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す概略構成図である。
【0036】
第2実施形態のアクチュエータ2は、アウターロータ301とインナーステータ302とを有する中空軸型の第2モータ300を備えている。第2実施形態のアクチュエータ2の出力軸40は、第2モータ300のアウターロータ301と一体になっている。
【0037】
第1実施形態のアクチュエータ1では、逆入力遮断クラッチ50が第1モータ20と伝達機構60との間に備えられているが、第2実施形態のアクチュエータ2では、逆入力遮断クラッチ50が伝達機構60と出力軸40との間に設けられている。具体的には、逆入力遮断クラッチ50の環状ハウジング53が、出力軸40と一体の第2モータ300のアウターロータ301に固定されている。そして、環状ハウジング53とアウターロータ301がベース10の軸受12によって回転自在に支持されている。
【0038】
第2実施形態のアクチュエータ2でも、第1実施形態のアクチュエータ1と同様に、第1モータ20は、第2モータ300の主動力としての連続駆動中に補助動力として一時的に駆動され、逆入力遮断クラッチ50によって第1モータ20停止時の連れ回しが回避される。
図6は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す概略構成図である。
【0039】
第3実施形態のアクチュエータ3は、第2実施形態のアクチュエータ2に対して更に遊星減速器70が付加された構造を有する。即ち、第3実施形態のアクチュエータ3では、第2モータ300のアウターロータ301が遊星減速器70の太陽ギア71と一体化しており、出力軸40は、遊星減速器70の内歯ギア73と一体化している。更に内歯ギア73には逆入力遮断クラッチ50の環状ハウジング53が固定されている。そして、軸受12に対して定位置で自転する遊星ギア72が太陽ギア71と内歯ギア73とを連結することにより、太陽ギア71と内歯ギア73とのギア比によって減速が行われる。
遊星減速器70は、本発明にいう減速器の一例に相当し、遊星減速器70が備えられることで第2モータ300として小型モータの採用が可能となる。
図7は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す概略構成図である。
【0040】
第4実施形態のアクチュエータ4は、第3実施形態のアクチュエータ3から伝達機構60が省かれた構造を有する。即ち、第4実施形態のアクチュエータ4では、第1モータ20の駆動軸が逆入力遮断クラッチ50の入力軸51に直結されている。この結果、第1モータ20と第2モータ300が同軸配置となり、アクチュエータ4全体の小型化が図られる。また、伝達機構60が省かれたことで部品点数の削減が図られている。別の観点では、第1モータ20は出力軸40に、減速器を介さずに駆動力を伝達するので、構成が簡素化される。
図8は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す概略構成図である。
【0041】
第5実施形態のアクチュエータ5は、第4実施形態のアクチュエータ4に対して更に、第1モータ200側の遊星減速器80が付加された構造を有する。即ち、第5実施形態のアクチュエータ5では、アウターロータ型の第1モータ200が備えられており、遊星減速器80の太陽ギア81は第1モータ200のアウターロータと一体化している。また、遊星減速器80の内歯ギア83は逆入力遮断クラッチ50の入力軸51に直結されている。そして、ベース10に対して定位置で自転する遊星ギア82が太陽ギア81と内歯ギア83とを連結することにより、太陽ギア81と内歯ギア83とのギア比によって減速が行われる。
第1モータ200側に遊星減速器80が備えられることにより、第1モータ200として小型モータの採用が可能となる。
図9は、本発明のアクチュエータの第6実施形態を示す概略構成図である。
【0042】
第6実施形態のアクチュエータ6は、第1モータ20と第2モータ300とが2軸一体型モータとして一体化された構造を有する。即ち、第1モータ20のアウターステータ22と、第2モータ300のインナーステータ302がベース100に固定されることで、第1モータ20と第2モータ300とが一体化されている。
【0043】
第2モータ300のアウターロータ301からの駆動力は、減速器70を介して出力軸40に伝達される。また、第1モータ20のインナーロータ21からの駆動力は、減速器80を介して逆入力遮断クラッチ50に伝達され、逆入力遮断クラッチ50の環状ハウジング53を兼ねた内歯ギア73を介して出力軸40に伝達される。
2軸一体型モータが採用されることでアクチュエータ6の組み立て工数などの抑制が図られ、アクチュエータ6の小型化にも寄与する。
【0044】
なお、上記説明では、一例として歩行支援ロボットへの応用が示されているが、本発明のアクチュエータは、複数のモータで1つの出力軸を駆動する種々の分野に広く適用することができる。
【0045】
また、上記説明では、第1モータと出力軸との間のみに遮断部を備えた例が示されているが、本発明のアクチュエータは、第2モータと出力軸との間にも遮断部を備えていてもよい。例えば第1モータと第2モータの駆動を切り替えて利用する場合には、第1モータ側と第2モータ側との双方に遮断部を備える構造が望ましい。
【符号の説明】
【0046】
1,2,3,4,5,6…アクチュエータ、10…ベース、11…ベースプレート、
12…軸受、20,200…第1モータ、21…インナーロータ、
22…アウターステータ、30,300…第2モータ、301…アウターロータ、
302…インナーステータ、40…出力軸、50…逆入力遮断クラッチ、51…入力軸、
52…移動エレメント、53…環状ハウジング、60…伝達機構、61…プーリ、
62…タイミングベルト、70,80…減速器、71,81…太陽ギア、
72,82…遊星ギア、73,83…内歯ギア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9