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特開2023-184050無人航空機用撮影装置および撮影方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184050
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】無人航空機用撮影装置および撮影方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 47/08 20060101AFI20231221BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231221BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20231221BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20231221BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231221BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231221BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20231221BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20231221BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231221BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B64D47/08
G08G1/09 H
G08G1/13
G08G5/00 A
G03B15/00 U
G03B17/56 B
G03B17/00 Q
G03B17/00 B
B64C39/02
H04N5/232 290
H04N5/222 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097949
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】神保 靖
(72)【発明者】
【氏名】永野 雅之
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
5H181
【Fターム(参考)】
2H105AA12
2H105AA13
5C122EA61
5C122FH09
5C122FH11
5C122FH18
5C122GC52
5C122GD11
5C122HA75
5C122HB01
5C122HB02
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF05
(57)【要約】
【課題】ドローンで撮影された映像に他のドローンが含まれている場合であっても、適切な映像を取得することができる、無人航空機用撮影装置および撮影方法を提供する。
【解決手段】無人航空機用撮影装置1は、カメラ101の撮影を制御して第1映像を取得する撮影制御部11と、自機の飛行位置を示す飛行位置情報を取得する位置情報取得部12と、カメラ101の撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する撮影方向取得部13と、他の無人航空機との通信を制御する通信制御部14と、第1映像に含まれる他の無人航空機を検出し、他の無人航空機の飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および第1撮影方向に基づいて、検出された他の無人航空機を特定する特定部15と、特定した他の無人航空機が撮影している第2映像を取得させ、第1映像における他の無人航空機が含まれる範囲に対し、第2映像を用いて修正を行う修正制御部20と、を備える。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの撮影を制御し、前記カメラが撮影した第1映像を取得する撮影制御部と、
自機の飛行位置を示す飛行位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記カメラの撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する撮影方向取得部と、
所定範囲内に存在する他の無人航空機との通信を制御する通信制御部と、
前記第1映像に含まれる他の無人航空機を検出し、前記通信制御部によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および前記第1撮影方向に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する特定部と、
前記特定部が、前記第1映像に他の無人航空機が含まれていることを検出し、前記他の無人航空機を特定した場合、特定した前記他の無人航空機が撮影している第2映像を前記通信制御部によって取得させ、前記第1映像における前記他の無人航空機が含まれる範囲に対し、前記第2映像を用いて修正を行う修正制御部と、
を備える、無人航空機用撮影装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記他の無人航空機のカメラの撮影方向を示す第2撮影方向を前記通信制御部によってさらに取得し、前記通信制御部によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、前記飛行位置情報、および前記第1撮影方向と前記第2撮影方向に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する、
請求項1に記載の無人航空機用撮影装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記第1映像における被写体を特定する第1撮影情報を取得するともに、前記他の無人航空機のカメラの被写体を特定する第2撮影情報を前記通信制御部によってさらに取得し、前記通信制御部によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、前記飛行位置情報、および前記第1撮影情報と前記第2撮影情報に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する、
請求項1に記載の無人航空機用撮影装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記第1映像から被写体となる物体の範囲を検出し、前記第1映像における前記被写体となる物体の範囲に含まれる他の無人航空機を検出する、
請求項1または2に記載の無人航空機用撮影装置。
【請求項5】
カメラの撮影を制御し、前記カメラが撮影した第1映像を取得する撮影制御ステップと、
前記第1映像に含まれる他の無人航空機を検出する検出ステップと、
通信によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および前記カメラの撮影方向を示す第1撮影方向情報に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する特定ステップと、
前記検出ステップにおいて前記第1映像に他の無人航空機が含まれていることが検出され、前記特定ステップにおいて前記他の無人航空機が特定された場合、特定した前記他の無人航空機が撮影している第2映像を通信によって取得し、前記第1映像における前記他の無人航空機が含まれる範囲に対し、前記第2映像を用いて修正を行う修正制御ステップと、
を無人航空機用撮影装置が実行する撮影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人航空機用撮影装置および撮影方法に関し、特に詳しくは、無人航空機を用いて映像の撮影を行うための無人航空機用撮影装置および撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンと呼ばれる無人航空機などを用いた写真や動画像の撮影が普及している(例えば、特文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-018664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1のような技術を用い、ドローンによる空撮を行った場合、特定の被写体に対して複数のドローンが同時に撮影を行うこともある。複数のドローンが同一の被写体を撮影する場合、ドローンが撮影を行う位置によっては、撮影範囲に他のドローンが映りこんでしまう場合がある。他のドローンが映りこんでしまった映像に対して、例えば、映像加工技術を用いて、他のドローンの消去などを行うこともできるが、他のドローンの映像に対する大きさや、被写体との重なり方によっては、適切に消去できない場合や、不自然な映像となる場合もある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、ドローンで撮影された映像に他のドローンが含まれている場合であっても、適切な映像を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る無人航空機用撮影装置は、カメラの撮影を制御し、前記カメラが撮影した第1映像を取得する撮影制御部と、自機の飛行位置を示す飛行位置情報を取得する位置情報取得部と、前記カメラの撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する撮影方向取得部と、所定範囲内に存在する他の無人航空機との通信を制御する通信制御部と、前記第1映像に含まれる他の無人航空機を検出し、前記通信制御部によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および前記第1撮影方向に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する特定部と、前記特定部が、前記第1映像に他の無人航空機が含まれていることを検出し、前記他の無人航空機を特定した場合、特定した前記他の無人航空機が撮影している第2映像を前記通信制御部によって取得させ、前記第1映像における前記他の無人航空機が含まれる範囲に対し、前記第2映像を用いて修正を行う修正制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る撮影方法は、カメラの撮影を制御し、前記カメラが撮影した第1映像を取得する撮影制御ステップと、前記第1映像に含まれる他の無人航空機を検出する検出ステップと、通信によって取得した他の無人航空機の飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および前記カメラの撮影方向を示す第1撮影方向情報に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する特定ステップと、前記検出ステップにおいて前記第1映像に他の無人航空機が含まれていることが検出され、前記特定ステップにおいて前記他の無人航空機が特定された場合、特定した前記他の無人航空機が撮影している第2映像を通信によって取得し、前記第1映像における前記他の無人航空機が含まれる範囲に対し、前記第2映像を用いて修正を行う修正制御ステップと、を無人航空機用撮影装置が実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドローンで撮影された映像に他のドローンが含まれている場合であっても、適切な映像を取得することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影システムの構成例を示す概念図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る無人航空機の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用コントローラの構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置の処理例を示すフローチャートである。
図6】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置の撮影例を概念的に示す図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって生成される映像例を概念的に示す図である。
図8】本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって撮影された映像例を概念的に示す図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る無人航空機用撮影装置の処理例を示すフローチャートである。
図10】本発明の第三実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって生成される映像例を概念的に示す図である。
図11】本発明の第三実施形態に係る無人航空機用撮影装置の処理例を示すフローチャートである。
図12】本発明の第四実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって生成される映像例を概念的に示す図である。
図13】本発明の第四実施形態に係る無人航空機用撮影装置の処理例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置の構成例を示すブロック図である。
図15】本発明の第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって生成される映像例を概念的に示す図である。
図16】本発明の第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置の処理例を示すフローチャートである。
図17】本発明の第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置によって撮影された映像例を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係る無人航空機用撮影装置は、ドローンと呼ばれる無人航空機に用いられる。また、本発明に係る無人航空機用撮影装置は、ドローンとドローンを制御するためのコントローラからなる無人航空機用撮影システムの各々の機能によって実現されてもよい。また、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、無人航空機はドローンと称して説明する。
【0011】
図1から図8を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、第一実施形態に係る無人航空機用撮影システムDS1の概略図である。無人航空機用撮影システムDS1は、ドローンDR1およびコントローラCR1とで構成される。ドローンDR1およびコントローラCR1は、無線によって通信を行う。ドローンDR1は、映像を撮影するためのカメラである撮影部101を備える。コントローラCR1は、ドローンDR1を操作するための操作部201と、ドローンDR1から取得した映像などを表示するための表示部202を備える。ドローンDR1は、コントローラCR1からの指示を受信して、飛行や撮影部101による撮影を行う。コントローラCR1は、ドローンDR1が備える撮影部101が撮影した映像を受信して、表示部202への表示や記録などを行う。ドローンDR1が備える撮影部101が撮影した映像は、ドローンDR1に記録されてもよい。
【0012】
図2は、本発明の第一実施形態に係るドローンDR1の構成例を示すブロック図であり、図3は、本発明の第一実施形態に係るコントローラCR1の構成例を示すブロック図である。図2および図3に図示した構成は、本発明の実現に必要な構成を中心に記載しており、図示している構成以外にも様々な構成要素を含む。
【0013】
図2において、ドローンDR1は、撮影部101、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部102、通信部104、記憶部106、センサ部107、駆動部108および制御部100を備える。
【0014】
撮影部101は、ドローンDR1の周辺の映像を撮影するカメラである。撮影部101は、静止画像撮影と動画像撮影のいずれか、または双方の撮影を行うカメラであってもよい。撮影部101は、ドローンDR1に搭載されており、制御部100の撮影制御部151の制御によって、撮影動作の制御、ズーム、チルトの制御などが行われる。撮影部101のパン方向の制御は、ドローンDR1の飛行向きによって決定されるため、撮影部101のパン方向はドローンDR1に対して固定であることが好ましい。撮影部101は、撮影した映像を、制御部100の撮影制御部151に出力する。撮影部101は、前周囲カメラであってもよい。
【0015】
GNSS受信部102は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星などからの信号を受信する受信装置およびアンテナなどで構成される。GNSS受信部102は、受信した信号を位置情報取得部152に出力する。
【0016】
通信部104は、例えば、ドローンDR1とコントローラCR1との間で無線通信を行うための無線通信モジュールであり、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信モジュールである。通信部104は、ドローンDR1と他のドローンとの無線通信を行うための無線通信モジュールを含んでいてもよい。ドローンDR1と他のドローンとの無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)の通信モジュールである。
【0017】
記憶部106は、撮影制御部151が取得した第1映像、および他のドローンから取得した第2映像を記録する記憶装置であり、例えば、メモリカードやSSD(Solid State Drive)などの記録媒体である。記憶部106は、ドローンDR1側で第1映像および第2映像を記録する際に用いられる。
【0018】
センサ部107は、ドローンの安全な飛行を行うための様々なセンサを含む。センサ部107におけるセンサの例としては、ジャイロセンサ、地磁気センサ、高度センサ、周囲確認用カメラ、測距センサなどである。センサ部107における各センサの出力値は、センサ情報取得部157に出力される。センサ部107は、上述したセンサ以外のセンサを含んでもよい。また、6軸のジャイロセンサのように、複数のセンサに対応する測定機能が組み合わせられているセンサであってもよい。センサ部107を構成する周囲確認用カメラは、撮影部101としてのカメラであってもよい。
【0019】
駆動部108は、ドローンDR1を飛行させるプロペラおよびプロペラを回転させるモータなどで構成される。駆動部108は、制御部100の駆動制御部158からの制御制御信号によってモータの回転が制御され、ドローンDR1の離着陸、前進、旋回、上昇、下降およびホバリングなどの各種飛行動作を行う。
【0020】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部100におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0021】
制御部100は、その構成または実行されるプログラムによって実現する機能として、撮影制御部151、位置情報取得部152、通信制御部154、記録制御部156、センサ情報取得部157、駆動制御部158、および飛行制御部159を備える。
【0022】
撮影制御部151は、撮影部101による映像の撮影を制御する。撮影制御部151は、撮影部101に映像の撮影を行わせ、撮影部101が撮影した第1映像を取得する。撮影制御部151は、取得した第1映像を、記録制御部156によって記憶部106に記録させる。または、撮影制御部151は、取得した第1映像を、通信制御部154によってコントローラCR1に送信させる。撮影制御部151は、コントローラCR1からの操作に基づき、撮影部101のズーム、チルトの制御を行う。撮影制御部151は、撮影部101が撮影した映像に対するエンコード処理など行ってもよい。
【0023】
位置情報取得部152は、GNSS受信部102が受信した電波に基づいて、ドローンDR1の現在位置、つまりドローンDR1の飛行位置を公知の方法によって算出する。
位置情報取得部152は、GNSS受信部102が受信した電波に基づいて、ドローンDR1の緯度経度情報、および高度情報を取得する。ドローンDR1の高度情報は、センサ情報取得部157が取得する高度センサによる情報を用いてもよい。
【0024】
通信制御部154は、通信部104による無線通信を制御する。通信制御部154は、通信部104を用いて、コントローラCR1との無線通信を行う。通信制御部154は、コントローラCR1との無線通信によって、コントローラCR1からの操作指示の受信、ドローンDR1のフィードバック情報のコントローラCR1への送信、撮影制御部151が取得した第1映像のコントローラCR1への送信などを行う。
【0025】
通信制御部154は、通信部104を用いて、所定範囲内に存在する他のドローンとの無線通信を行う。他のドローンとの無線通信は、他のドローンに対して直接的に通信が行われてもよく、図示しないサーバを介して通信が行われてもよい。通信制御部154は、他のドローンとの無線通信によって、撮影制御部151が取得した第1映像の他のドローンへの送信、他のドローンが撮影した第2映像の受信などを行う。
【0026】
記録制御部156は、撮影制御部151が取得した第1映像を記憶部106に記録させる制御を行う。記録制御部156は、通信制御部154が取得した第2映像を記憶部106に記録させる制御を行う。記録制御部156は、後述する特定部15が特定した他のドローンから取得した第2映像を、記憶部106に記録させる制御を行う。
【0027】
記録制御部156は、第2映像を取得した場合、第2映像と撮影時刻が一致する第1映像に対応付けて第2映像を記録する。記録制御部156は、第2映像を取得した場合、第2映像と撮影時刻が一致する第1映像に第2映像を差し替えて記録してもよい。
【0028】
センサ情報取得部157は、センサ部107からセンサデータを取得する。センサ情報取得部157は、センサ部107がジャイロセンサである場合、ドローンDR1に加わる角速度を示す情報を取得する。センサ情報取得部157は、センサ部107が地磁気センサである場合、ドローンDR1が向いている方角を示す情報を取得する。センサ情報取得部157は、センサ部107が高度センサである場合、ドローンDR1の飛行高度を示す情報を取得する。センサ情報取得部157は、センサ部107が周囲確認用カメラである場合、ドローンDR1の周囲を撮影した映像を取得する。この場合、撮影制御部151が、周囲確認用カメラとしての撮影部101から映像を取得するセンサ情報取得部157として機能してもよい。センサ情報取得部157は、センサ部107が測距センサである場合、ドローンDR1から周囲の物体までの距離を示す情報を取得する。
【0029】
駆動制御部158は、飛行制御部159からの飛行制御信号に基づき、駆動部108を制御する制御信号を出力する。より詳しくは、駆動制御部158は、ドローンDR1のプロペラの回転を制御する制御信号を出力する。駆動制御部158は、ドローンDR1が備える複数のプロペラの回転数を各々制御する。
【0030】
飛行制御部159は、ドローンDR1の飛行を制御する。具体的には、飛行制御部159は、コントローラCR1から取得した操作信号に基づくドローンDR1の飛行制御、およびドローンDR1の自律飛行制御を行う。ドローンDR1の自律飛行とは、予め設定された飛行ルートに沿った飛行制御、突発的な危険回避を行うための飛行制御などである。飛行制御部159は、飛行制御を行うための飛行制御信号を駆動制御部158に出力する。
【0031】
飛行制御部159は、位置情報取得部152からドローンDR1の現在位置情報を取得する。また、飛行制御部159は、センサ情報取得部157から、各種センサ情報を取得する。また、飛行制御部159は、通信制御部154から、コントローラCR1の操作信号を取得する。飛行制御部159は、位置情報取得部152、センサ情報取得部157および通信制御部154などから取得した情報に基づいて、ドローンDR1の飛行制御を行う。
【0032】
図3において、コントローラCR1は、操作部201、表示部202、通信部204、記憶部206および制御部200を備える。
【0033】
操作部201は、コントローラCR1を用いたドローンDR1の操作を行うユーザインターフェースであり、操作スティック、押し釦、タッチパネルなどで構成される。操作部201は、ドローンDR1の飛行操作、撮影部101による撮影操作などを行うことができる。操作部201は、操作に基づく操作信号を操作制御部251に出力する。
【0034】
表示部202は、ドローンDR1やコントローラCR1に関する様々な情報や映像の表示させる表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部202は、表示制御部252の制御によって出力される映像信号に基づく表示を行う。
【0035】
通信部204は、例えば、コントローラCR1とドローンDR1との間で無線通信を行うための無線通信モジュールであり、例えば、Wi-Fiの通信モジュールである。通信部204は、コントローラCR1と他のドローンとの無線通信を行うための無線通信モジュールを含んでいてもよい。コントローラCR1と他のドローンとの無線通信は、例えば、Bluetoothの通信モジュールである。通信部204は、コントローラCR1と他のドローンとの無線通信を、Wi-Fiや移動体通信回線を用いて、図示しないサーバを介して行ってもよい。
【0036】
記憶部206は、通信制御部254が取得した第1映像、および他のドローンから取得した第2映像を記録する記憶装置であり、例えば、メモリカードやSSD(Solid State Drive)などの記録媒体である。記憶部206は、コントローラCR1側で第1映像および第2映像を記録する際に用いられる。記憶部206は、通信部204を介して接続される外部のサーバ等の記録装置であってもよい。
【0037】
制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部200は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部200には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部200におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0038】
制御部200は、その構成または実行されるプログラムによって実現する機能として、操作制御部251、表示制御部252、通信制御部254および記録制御部256を備える。
【0039】
操作制御部251は、操作部201から取得した、ドローンDR1やコントローラCR1に関する操作信号に基づき、各種操作を指示する制御を行う。
【0040】
表示制御部252は、表示部202に、ドローンDR1やコントローラCR1に関する様々な情報や映像の表示させる制御を行う。表示制御部252は、コントローラCR1によるドローンDR1の操作中は、通信制御部254が取得したドローンDR1の撮影部101が撮影した第1映像を、表示部202に表示させる。
【0041】
通信制御部254は、通信部204による無線通信を制御する。通信制御部254は、通信部204を用いて、コントローラCR1とドローンDR1との無線通信を行う。通信制御部254は、ドローンDR1との無線通信によって、操作部201で操作された操作指示の送信、ドローンDR1から送信された第1映像の受信などを行う。
【0042】
通信制御部154は、通信部204を用いて、所定範囲内に存在する他のドローンとの無線通信を行う。他のドローンとの無線通信は、他のドローンに対して直接的に通信が行われてもよく、図示しないサーバを介して通信が行われてもよい。通信制御部254は、他のドローンとの無線通信によって、ドローンDR1が撮影した第1映像の他のドローンへの送信、他のドローンが撮影した第2映像の受信などを行う。
【0043】
記録制御部256は、通信制御部254がドローンDR1から取得した第1映像を記憶部206に記録させる制御を行う。記録制御部256は、通信制御部254が取得した第2映像を記憶部206に記録させる制御を行う。記録制御部256は、後述する特定部15が特定した他のドローンから取得した第2映像を、記憶部206に記録させる制御を行う。
【0044】
記録制御部256は、第2映像を取得した場合、第2映像と撮影時刻が一致する第1映像に対応付けて第2映像を記録する。記録制御部256は、第2映像を取得した場合、第2映像と撮影時刻が一致する第1映像に第2映像を差し替えて記録してもよい。
【0045】
次に、図4を用いて、本発明に係る無人航空機用撮影装置について説明する。図4は、本発明の第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置1の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、無人航空機用撮影装置1は、撮影制御部11、位置情報取得部12、撮影方向制御部13、通信制御部14、特定部15および記録制御部16を備える。無人航空機用撮影装置1の各機能は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現されてもよく、ドローンDR1の制御部100とコントローラCR1の制御部200で協働した機能として実現されてもよい。したがって、無人航空機用撮影装置1の機能をドローンDR1の制御部100の機能として実現する場合は、コントローラCR1の制御部200における同等の機能は無くてもよい。
【0046】
撮影制御部11は、カメラである撮影部101の撮影を制御し、撮影部101が撮影した第1映像を取得する。撮影制御部11は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、撮影制御部151である。撮影制御部11は、ドローンDR1の制御部100とコントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、撮影制御部151が取得した第1映像を、コントローラCR1の制御部200が通信部204を介して取得する。
【0047】
位置情報取得部12は、自機であるドローンDR1の飛行位置を示す飛行位置情報を取得する。位置情報取得部12は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、位置情報取得部152である。位置情報取得部12は、ドローンDR1の制御部100とコントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、位置情報取得部152が取得した飛行位置情報を、コントローラCR1の制御部200が通信部204を介して取得する。
【0048】
撮影方向取得部13は、ドローンDR1の撮影部101の撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する。撮影方向取得部13は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、位置情報取得部152およびセンサ情報取得部157が取得した、ドローンDR1の緯度経度および高度を示す情報、さらに、撮影制御部151による撮影部101のチルト角情報に基づいて、撮影部101の撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する。撮影方向取得部13は、ドローンDR1の制御部100とコントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、位置情報取得部152およびセンサ情報取得部157が取得した、ドローンDR1の緯度経度および高度を示す情報を、コントローラCR1の制御部200が通信部204を介して取得し、さらに、操作部201で指示された撮影部101のチルト角情報に基づいて、撮影部101の撮影方向を示す第1撮影方向情報を取得する。
【0049】
通信制御部14は、所定範囲内に存在する他のドローンとの通信を行う通信部による通信を制御する。通信制御部14は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、通信制御部154であり、制御される通信部は、通信部104である。通信制御部14は、コントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、通信制御部254であり、制御される通信部は、通信部204である。
【0050】
特定部15は、第1映像に含まれる他のドローンを検出し、通信制御部14によって取得した他のドローンの飛行位置情報、およびドローンDR1の飛行位置情報および第1撮影方向に基づいて、検出された他のドローンを特定する。特定部15は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、撮影制御部151が取得した第1映像に対して、制御部100が、ドローンの映像を機械学習させた検出モデルを用いて、第1映像に含まれる他のドローンを検出する。特定部15は、コントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、通信部204を介して取得した第1映像に対して、制御部200が、ドローンの映像を機械学習させた検出モデルを用いて、第1映像に含まれる他のドローンを検出する。
【0051】
また、特定部15は、第1映像に他のドローンが含まれていると判断した場合は、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンに対して、飛行位置情報を要求する信号を送信する。特定部15は、他のドローンから取得した他のドローンの飛行位置情報と、位置情報取得部12が取得したドローンDR1の飛行位置情報、および撮影方向取得部13が取得した第1撮影方向情報に基づき、検出された他のドローンを特定する。他のドローンの特定とは、言い換えると、第1映像に含まれている他のドローンから映像を取得可能とすることである。
【0052】
記録制御部16は、第1映像を記録し、特定部15が、撮影制御部11が取得した映像に他のドローンが含まれていることを検出し、他のドローンを特定した場合、特定した他のドローンが撮影している第2映像を通信制御部14によって取得させて記録する。記録制御部16は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、記録制御部156であり、特定した他のドローンから通信部104を介して第2映像を取得する。つまり、記録制御部156は、特定した他のドローンに、第2映像を要求する。また、記録制御部156は、特定した他のドローンから取得した第2映像を、記憶部106に記録する。記録制御部16は、コントローラCR1の制御部200の機能として実現される場合は、記録制御部256であり、特定した他のドローンから通信部204を介して第2映像を取得する。つまり、記録制御部256は、特定した他のドローンに、第2映像を要求する。また、記録制御部256は、特定した他のドローンから取得した第2映像を、記憶部206に記録する。
【0053】
次に、図5を用いて、第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置1が実行する処理の流れについて説明する。無人航空機用撮影装置1が実行する撮影方法は、無人航空機用撮影装置1として動作するコンピュータとしての制御部100、または制御部100および制御部200が、プログラムに基づき実行する。
【0054】
図5に示す処理は、無人航空機用撮影装置1が撮影を開始することで開始される。言い換えると、ドローンDR1が撮影部101による映像の撮影を開始することで、図5に示す処理が開始する。本実施形態における第1映像および第2映像は、動画像の例として説明するが、静止画像であっても処理は同様である。
【0055】
無人航空機用撮影装置1による撮影が開始されることによって、撮影制御部11は、撮影部101が撮影した第1映像の取得を開始する。言い換えると、撮影制御部11は、撮影部101による撮影を制御し、撮影部101が撮影した第1映像を取得する撮影制御ステップを実行する。また、位置情報取得部12は、ドローンDR1の位置情報の取得を開始する。さらに、記録制御部16は、第1映像の記録を開始する。
【0056】
先ず、特定部15は、撮影制御部11が取得した第1映像に含まれる他のドローンの検出を開始し、第1映像に、他のドローンが検出されたか否か、つまり、第1映像に他のドローンが映りこんでいるか否かを判断する(ステップS101)。言い換えると、特定部15は、第1映像に含まれる他のドローンを検出する検出ステップを実行する。ステップS101で、第1映像に他のドローンが検出されたと判断された場合(ステップS101:Yes)、ステップS102に進む。ステップS101で、第1映像に他のドローンが検出されたと判断されない場合、言い換えると、第1映像に他のドローンが検出されない場合(ステップS101:No)、ステップS106に進む。
【0057】
ステップS102では、特定部15は、通信制御部14に、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンに対して、飛行位置情報を要求する信号を送信させることで、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンから、飛行位置情報を取得し、ステップS103に進む。ステップS102における、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンとは、ドローンDR1が備える通信部104によるBluetoothを用いた通信範囲に存在する他のドローン、または、コントローラCR1が備える通信部204によるBluetoothを用いた通信範囲に存在する他のドローンである。具体的には、ドローンDR1またはコントローラCR1から、100m~200m程度の範囲内に存在する他のドローンである。
【0058】
ステップS103では、特定部15は、ステップS102で取得した他のドローンの飛行位置情報と、ドローンDR1の飛行位置情報および第1撮影方向に基づいて、検出された他のドローンを特定する。言い換えると、特定部15は、取得した他のドローンの飛行位置情報と、自機の飛行位置情報および第1撮影方向情報に基づいて、検出された他のドローンを特定する特定ステップを実行する。つまり、ステップS103では、飛行位置情報を送信してきた他のドローンとの相対的な位置関係から、ステップ101で検出された他のドローンを特定する。ステップS103では、飛行位置情報を送信してきた他のドローンが複数存在する場合、複数の他のドローンからステップS101で検出された他のドローンを特定する。
【0059】
ステップS103における、他のドローンの特定手法例について、図6および図7を用いて説明する。ドローンDR1は、自機の飛行位置情報、撮影部101の撮影方向および撮影画角情報を常時取得している。撮影部101の撮影画角情報は、予め記憶されており、撮影部101にズーム機能が備えられている場合はズーム動作によって撮影画角情報は変動する。
【0060】
図6におけるドローンDR1は、無人航空機用撮影装置1が備えられているドローンである。図6は、ドローンDR2が被写体SU1を撮影しており、ドローンDR1も被写体SU1を撮影している状態を示す。ドローンDR1のカメラによる撮影範囲はSR1で示され、ドローンDR2のカメラによる撮影範囲はSR2で示される。図7は、図6のような状態における、ドローンDR1が撮影した第1映像P1の例およびドローンDR2が撮影した第2映像P2の例を示している。第1映像P1には、被写体SU1に加えて、ドローンDR2が撮影されている。また、第2映像P2には、被写体SU1が撮影されている。
【0061】
図7の第1映像P1に対して、特定部15は、他のドローンを検出している。このとき、ドローンDR1は、自機の飛行位置情報と、撮影部101の撮影画角情報を反映した第1撮影方向情報で示される範囲に、ドローンDR2の飛行位置情報が含まれていることから、第1映像P1で検出された他のドローンは、ドローンDR2であることを特定する。
【0062】
図5に戻り、ステップS103において、他のドローンが特定された場合(ステップS103:Yes)、ステップS104に進む。ステップS103において、他のドローンが特定されない場合(ステップS103:No)、ステップS106に進む。他のドローンが特定されない場合とは、例えば、ステップS102で取得した周囲の他のドローンの飛行位置情報が、いずれもステップS101で検出された他のドローンに該当しない場合、または、ステップS102で周囲の他のドローンの飛行位置情報が取得できない場合などである。
【0063】
ステップS104では、ステップS103で特定した他のドローンから、映像を取得する。他のドローンから取得する映像を、第2映像とする。ステップS104で取得する第2映像は、第1映像が動画像の場合、第1映像に他のドローンが含まれている期間と同一期間の第2映像を取得することが好ましい。また、第1映像が静止画像の場合、他のドローンが含まれている静止画像と同一撮影時刻、または、例えば第1映像を撮影した時刻の前後5分以内などの所定期間内に撮影された第2映像であることが好ましい。
【0064】
図8を用いて、第1映像および第2映像の例について説明する。図8は、第1映像と第2映像を模式的に示しており、紙面の左側から右側へ時間tが経過していることを示している。ドローンDR1が第1映像P1を撮影し、ドローンDR2が第2映像P2を撮影している期間において、時刻t1に、第1映像P1に他のドローンが含まれていることが検出され、第1映像P1に他のドローンが含まれていることが時刻t2まで継続している。このとき、時刻t1以降において、第1映像P1に含まれている他のドローンがドローンDR2であることが特定されている。したがって、記録制御部16は、ドローンDR2が撮影している第2映像P2から、時刻t1から時刻t2までの期間の第2映像P2′を取得する。
【0065】
ステップS105では、特定部15が特定した他のドローンから取得した第2映像を、記録制御部16が記録する。言い換えると、記録制御部16は、特定部15が特定した他のドローンから取得した第2映像を記録する記録ステップを実行する。ステップS105においては、図8に示すように、第1映像P1に加えて、第1映像P1にドローンDR2が含まれている期間である時刻t1から時刻t2までの第2映像P1を記録してもよい。この場合、第1映像P1における時刻t1から時刻t2までの期間と、第2映像P2における時刻t1から時刻t2までの期間が対応つけて記録される。このため、第1映像P1の再生時に、時刻t1から時刻t2までの期間の再生においては、第2映像P2が再生される。
【0066】
第一実施形態においては、ドローンで撮影された映像に他のドローンが含まれている場合であっても、他のドローンが含まれていない映像を取得し、記録することができる。
【0067】
次に、図9を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る無人航空機用撮影システムの構成、および無人航空機用撮影装置の構成は、第一実施形態に係る無人航空機用撮影システムDS1の構成、および無人航空機用撮影装置1の構成と同一であるため、説明は省略する。
【0068】
第二実施形態に係る無人航空機用撮影装置1においては、特定部15の機能が、第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置1と異なる。第二実施形態においては、ドローンDR1の撮影向きを示す第1撮影方向は、第1撮影情報の一例として扱う。特定部15は、他のドローンが備えるカメラの撮影情報を示す第2撮影情報を通信制御部14によってさらに取得し、他のドローンの飛行位置情報と、自機の飛行位置情報、および第1撮影方向と第2撮影情報に基づいて、検出された前記他の無人航空機を特定する。したがって、特定部15は、第1映像に他のドローンが含まれていると判断した場合は、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンに対して、飛行位置情報および第2撮影情報を要求する信号を送信する。
【0069】
特定部15が取得する第2撮影情報の例は、他のドローンが備えるカメラの撮影向き情報を示す第2撮影方向であり、第1撮影情報と同様、他のドローンの緯度経度および高度を示す情報、およびカメラのチルト角情報に基づく、撮影方向を示す情報である。特定部15が取得する第2撮影情報の他の例は、他のドローンが備えるカメラが撮影している被写体を特定する情報であり、撮影している映像に対する物体検出を行い、被写体として撮影されている対象の物体名等を特定した情報である。また、特定部15が、第2撮影情報として他のドローンが備えるカメラが撮影している被写体を特定する情報を取得する場合は、特定部15は、自機のカメラである撮影部101が撮影している被写体を特定する情報を、例えば、物体検出等の処理を行うことで取得する。
【0070】
また、特定部15は、第1撮影情報と第2撮影情報との共通性を判断する。第1撮影情報と第2撮影情報との共通性の判断の例は、第1撮影情報が第1撮影方向であり、第2撮影情報が第2撮影方向である場合は、第1撮影方向と第2撮影方向が同一の向きを示していることを判断する。この場合の同一の向きとは、角度として2~5度程度の誤差を許容してもよい。第1撮影情報と第2撮影情報との共通性の判断の他の例は、第1映像における被写体を特定する情報と、他のドローンが備えるカメラが撮影している被写体を特定する情報が、同一の被写体を示していることを判断する。この場合の同一の被写体とは、被写体名の一致に加えて、被写体の分類など被写体名を示す上位概念が一致することを含んでもよい。
【0071】
次に、図9を用いて、第二実施形態に係る無人航空機用撮影装置1が実行する処理の流れについて説明する。無人航空機用撮影装置1が実行する撮影方法は、無人航空機用撮影装置1として動作するコンピュータとしての制御部100、または制御部100および制御部200が、プログラムに基づき実行する。
【0072】
図9に示す処理において、ステップS201、ステップS203およびステップS205からステップS207の処理は、図5に示すステップS101、ステップS103およびステップS104からステップS106の処理と同一であるため、説明は省略する。
【0073】
ステップS202では、特定部15は、通信制御部14に、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンに対して、飛行位置情報および第2撮影情報を要求する信号を送信させることで、ドローンDR1の周囲に存在する他のドローンから、飛行位置情報および第2撮影情報を取得し、ステップS203に進む。
【0074】
ステップS204では、特定部15は、自機の第1撮影情報と、ステップS203で特定した他のドローンからステップS202の処理で取得している第2撮影情報とが、共通しているか否かを判定する。
【0075】
ステップS204では、第1撮影方向と第2撮影方向が同一の向きを示している場合に、第1撮影情報と第2撮影情報とが共通していると判断する。ステップS204では、例えば図6に示すように、ドローンDR1の撮影範囲SR1が示す撮影方向と、特定された他のドローンであるドローンDR2の撮影範囲SR2が示す撮影方向とが、同一の向きを示しているか否かを判断する。
【0076】
また、ステップS204では、第1映像における被写体を特定する情報と、他のドローンが備えるカメラが撮影している被写体を特定する情報が、同一の被写体を示している場合に、第1撮影情報と第2撮影情報とが共通していると判断する。ステップS204では、例えば図6に示すように、ドローンDR1が撮影している被写体である被写体SU1と、特定された他のドローンであるドローンDR2が撮影している被写体である被写体SU1とが同一の被写体を示しているか否かを判断する。
【0077】
ステップS204で、第1撮影情報と第2撮影情報とが共通していると判断された場合(ステップS204:Yes)、ステップS205に進み、第1撮影情報と第2撮影情報とが共通していると判断されない場合(ステップS204:No)、ステップS207に進む。ステップS204がYesと判断されることは、ドローンDR1と特定された他のドローンとが、同一の向きを撮影している、または同一の被写体を撮影していることを示す。
【0078】
第二実施形態においては、ドローンで撮影された映像に他のドローンが含まれている場合であっても、他のドローンが含まれていない、同一方向を撮影した映像や、同一の被写体を撮影した映像を取得し、記録することができる。
【0079】
次に、図10および図11を参照して、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係る無人航空機用撮影システムの構成、および無人航空機用撮影装置の構成は、第一実施形態に係る無人航空機用撮影システムDS1の構成、および無人航空機用撮影装置1の構成と同一であるため、説明は省略する。
【0080】
第三実施形態に係る無人航空機用撮影装置1においては、特定部15の機能が、第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置1と異なる。特定部15は、第1映像おける中央部の範囲に含まれる他のドローンを検出する。第1映像の中央部とは、第1映像を構成する画像の中心を含む所定の範囲である。例えば、第1映像が、縦方向2000ピクセル、横方向4000ピクセルの映像である場合、第1映像の中心部から縦方向1000ピクセル、横方向2000ピクセルで構成される範囲を、第1映像の中央部として設定する。
【0081】
特定部15が検出する他のドローンは、第1映像において他のドローンが占める範囲が、第1映像における中央部の範囲に全て含まれることを検出の条件としてもよく、一部分が含まれることも検出の条件に含めてもよい。図10は、図6のような状態における、ドローンDR1が撮影した第1映像P1の例およびドローンDR2が撮影した第2映像P2の例を示している。第1映像P1には、被写体SU1に加えて、ドローンDR2が撮影されている。また、第2映像P2には、被写体SU1が撮影されている。第1映像P1には、第1映像の中央部CS1が設定されている。第1映像の中央部CS1は、視覚的に示される必要はないが、説明を容易にするために、図10においては矩形の線として示している。図10においては、ドローンDR2は、その一部分が中央部CS1に含まれているため、特定部15は、ドローンDR2を検出する対象の他のドローンとして扱う。
【0082】
次に、図11を用いて、第三実施形態に係る無人航空機用撮影装置1が実行する処理の流れについて説明する。無人航空機用撮影装置1が実行する撮影方法は、無人航空機用撮影装置1として動作するコンピュータとしての制御部100、または制御部100および制御部200が、プログラムに基づき実行する。
【0083】
図11に示す処理において、ステップS302からステップS306までの処理は、図5に示すステップS102からステップS106の処理と同一であるため、説明は省略する。
【0084】
ステップS301では、特定部15は、撮影制御部11が取得した第1映像の中央部に他のドローンが検出されたか否か、言い換えると、第1映像の中央部に他のドローンが映りこんでいるか否かを判断する。ステップS301で、第1映像の中央部に他のドローンが検出されたと判断された場合(ステップS301:Yes)、ステップS302に進む。ステップS301で、第1映像の中央部に他のドローンが検出されたと判断されない場合、言い換えると、第1映像の中央部に他のドローンが検出されない場合(ステップS301:No)、ステップS306に進む。
【0085】
第三実施形態においては、ドローンで撮影された映像の中央部に他のドローンが含まれている場合、他のドローンが含まれていない映像を取得し、記録することができる。ドローンによる空撮においては、被写体が映像の中央部に配置されることが多い。このため、第1映像の中央部に他のドローンが含まれている場合に、他のドローンが含まれていない映像を取得し、記録することができる。
【0086】
第三実施形態の説明においては、第1映像の中央部を矩形として説明したが、第1映像の中央部は円形や楕円形として定義されていてもよい。また、第三実施形態にかかる技術は、第一実施形態の応用例として説明したが、第二実施形態に対して適用することも可能である。
【0087】
次に、図12および図13を参照して、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態に係る無人航空機用撮影システムの構成、および無人航空機用撮影装置の構成は、第一実施形態に係る無人航空機用撮影システムDS1の構成、および無人航空機用撮影装置1の構成と同一であるため、説明は省略する。
【0088】
第四実施形態に係る無人航空機用撮影装置1においては、特定部15の機能が、第一実施形態に係る無人航空機用撮影装置1と異なる。特定部15は、第1映像から被写体となる物体の範囲を検出し、第1映像における被写体となる物体の範囲に含まれる他の無人航空機を検出する。したがって、特定部15は、第1映像に含まれる被写体を、例えば、物体検出等の処理を行うことで検出し、被写体となる物体の範囲を特定する。
【0089】
特定部15が検出する他のドローンは、第1映像において他のドローンが占める範囲が、第1映像における被写体となる物体の範囲に全て含まれることを検出の条件としてもよく、一部分が含まれることも検出の条件に含めてもよい。図12は、図6のような状態における、ドローンDR1が撮影した第1映像P1の例およびドローンDR2が撮影した第2映像P2の例を示している。第1映像P1には、被写体SU1に加えて、ドローンDR2が撮影されている。また、第2映像P2には、被写体SU1が撮影されており、被写体SU1の範囲を示す範囲F1が設定されている。被写体SU1の範囲F1は、視覚的に示される必要はないが、説明を容易にするために、図12においては矩形の線として示している。図12においては、ドローンDR2は、その一部分が被写体SU1の範囲F1に含まれているため、特定部15は、ドローンDR2を検出する対象の他のドローンとして扱う。
【0090】
次に、図13を用いて、第四実施形態に係る無人航空機用撮影装置1が実行する処理の流れについて説明する。無人航空機用撮影装置1が実行する撮影方法は、無人航空機用撮影装置1として動作するコンピュータとしての制御部100、または制御部100および制御部200が、プログラムに基づき実行する。
【0091】
図13に示す処理において、ステップS402からステップS406までの処理は、図5に示すステップS102からステップS106の処理と同一であるため、説明は省略する。
【0092】
ステップS401では、特定部15は、撮影制御部11が取得した第1映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが検出されたか否か、言い換えると、第1映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが映りこんでいるか否かを判断する。ステップS401で、第1映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが検出されたと判断された場合(ステップS401:Yes)、ステップS402に進む。ステップS401で、第1映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが検出されたと判断されない場合、言い換えると、第1映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが検出されない場合(ステップS401:No)、ステップS406に進む。
【0093】
第四実施形態においては、ドローンで撮影された映像の被写体となる物体の範囲に他のドローンが含まれている場合、他のドローンが含まれていない映像を取得し、記録することができる。第四実施形態においては、撮影対象である被写体に明らかに重なっている他のドローンが存在する場合に、他のドローンが含まれていない映像を取得し、記録することができる。
【0094】
第四実施形態の説明においては、被写体となる物体の範囲を、被写体の形状を問わず矩形として説明したが、被写体が全て含まれる範囲であれば、被写体となる物体の範囲は、円形や楕円形として定義されていてもよい。また、被写体となる物体の範囲を、被写体の外形をなぞるように定義してもよい。また、第四実施形態にかかる技術は、第一実施形態の応用例として説明したが、第二実施形態に対して適用することも可能である。
【0095】
次に、図14から図17を参照して、本発明の第五実施形態について説明する。図14は、本発明の第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置1Aの構成例を示すブロック図である。図14に示すように、無人航空機用撮影装置1Aは、撮影制御部11、位置情報取得部12、撮影方向取得部13、通信制御部14、特定部15、記録制御部16および修正制御部20を備える。無人航空機用撮影装置1Aの各機能は、ドローンDR1の制御部100の機能として実現されてもよく、ドローンDR1の制御部100とコントローラCR1の制御部200で協働した機能として実現されてもよい。したがって、無人航空機用撮影装置1の機能をドローンDR1の制御部100の機能として実現する場合は、コントローラCR1の制御部200における同等の機能は無くてもよい。
【0096】
図14に示す撮影制御部11、位置情報取得部12、撮影方向取得部13、通信制御部14、特定部15および記録制御部16は、図4に示す撮影制御部11、位置情報取得部12、撮影方向取得部13、通信制御部14、特定部15および記録制御部16と同一であるため、説明は省略する。
【0097】
修正制御部20は、第1映像に対する修正処理を行うための画像処理機能部である。修正制御部20は、特定部15が、第1映像に他のドローンが含まれていることを検出し、他のドローンを特定した場合、特定した他のドローンが撮影している第2映像を通信制御部14によって取得させ、第1映像における他のドローンが含まれる範囲に対し、第2映像を用いて修正を行う。
【0098】
修正制御部20が行う修正処理は、第1映像に含まれる他のドローンを消去する修正処理である。修正制御部20は、第1映像に含まれる他のドローンの背景情報として、第2映像を利用する。修正制御部20は、第1映像に含まれる他のドローンに該当する画素に対して、第2映像を用いて、背景に該当する範囲の置き換え、画素情報の補間、色調の調整等を行うことで、第1映像に含まれる他のドローンを消去する修正処理を行う。
【0099】
図15は、図6のような状態における、ドローンDR1が撮影した第1映像P1の例およびドローンDR2が撮影した第2映像P2の例、さらに、修正制御部20が第1映像P1を修正した映像である第1映像P1′の例を示している。修正制御部20は、第1映像P1における他のドローンDR2が含まれる範囲を修正範囲R1として特定し、第2映像P2における修正範囲R1の背景に該当する背景範囲R2に基づき、修正した第1映像P1′を生成する。第1映像P1における修正範囲R1は、第1映像P1′における修正範囲R1′のように、第2映像を用いることで、違和感のない修正を行うことができる。
【0100】
修正制御部20が、ドローンDR1の制御部100の機能として実現される場合は、修正制御部20は、通信制御部154に第2映像を取得させ、修正した第1映像を、記憶部106に記録させるか、コントローラCR1に送信する。修正制御部20が、コントローラCR1の機能として実現される場合は、修正制御部20は、通信制御部254に第2映像を取得させ、修正した第1映像を、記憶部206に記録させるか、表示部202に表示させる。
【0101】
次に、図16を用いて、第五実施形態に係る無人航空機用撮影装置1Aが実行する処理の流れについて説明する。無人航空機用撮影装置1Aが実行する撮影方法は、無人航空機用撮影装置1Aとして動作するコンピュータとしての制御部100、または制御部100および制御部200が、プログラムに基づき実行する。
【0102】
図16に示す処理において、ステップS501からステップS504、ステップS506の処理は、図5に示すステップS101からステップS104、ステップS106の処理と同一であるため、説明は省略する。
【0103】
ステップS505では、修正制御部20は、第1映像における他のドローンが含まれている範囲に対して、ステップS504で取得した第2映像を用いて、他のドローンを消去する修正処理を行う。言い換えると、修正制御部20は、修正制御ステップを実行する。
【0104】
図17を用いて、第1映像および第2映像の例について説明する。図17は、第1映像と第2映像を模式的に示しており、紙面の左側から右側へ時間tが経過していることを示している。ドローンDR1が第1映像P1を撮影し、ドローンDR2が第2映像P2を撮影している期間において、時刻t1に、第1映像P1に他のドローンが含まれていることが検出され、第1映像P1に他のドローンが含まれていることが時刻t2まで継続している。このとき、時刻t1以降において、第1映像P1に含まれている他のドローンがドローンDR2であることが特定されている。したがって、修正制御部20は、ドローンDR2が撮影している第2映像P2から、時刻t1から時刻t2までの期間の第1映像を修正した第1映像P1′を生成する。
【0105】
一般的なオブジェクト消去処理は、例えば、第1映像を用いて、第1映像における他のドローンを構成する画素の周囲の画素から、背景を推定または置き換えなどを行う。このような処理を適用する場合、他のドローンの背景によっては、不自然な修正画像となってしまう場合や、修正箇所に違和感が生じる場合がある。本実施形態においては、不自然さや違和感のない第1映像を生成することができる。また、第五実施形態に係る技術は、第二実施形態から第四実施形態に係る技術を組み合わせて実行することも可能である。
【0106】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上述した処理をコンピュータに実行させるためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、または様々な通信回線を介して提供可能であり、無人航空機用撮影装置として動作するコンピュータに供給することができる。
【符号の説明】
【0107】
1、1A 無人航空機用撮影装置
100、200 制御部
11、151 撮影制御部
12、152 位置情報取得部
13 撮影方向取得部
14 154、254 通信制御部
15 特定部
16、156、256 記録制御部
20 修正制御部
101 撮影部
102 GNSS受信部
104、204 通信部
106、206 記憶部
107 センサ部
108 駆動部
157 センサ情報取得部
158 駆動制御部
159 飛行制御部
201 操作部
202 表示部
251 操作制御部
252 表示制御部
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