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特開2023-184065光学系及びそれを有する撮像装置、レンズ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184065
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置、レンズ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20231221BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097978
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 貴洋
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087MA04
2H087PA08
2H087PA09
2H087PA10
2H087PA11
2H087PA17
2H087PB08
2H087PB09
2H087PB10
2H087PB11
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】歪曲収差と周辺光量の補正を同時に行うことが可能な光学系を提供すること。
【解決手段】光学系は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の前群、開口絞り、正の屈折力の後群により構成される光学系であって、前群は、複数の非球面レンズを備え、複数の非球面レンズのそれぞれの物体側の非球面の面頂点から開口絞りまでの光軸上の距離をT、非球面の有効径をEA、光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた非球面における位置と面頂点とを通る球面を参照球面とした場合に、光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた非球面における位置との間の光軸方向の距離、光学系の焦点距離を各々適切に設定すること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の前群、開口絞り、正の屈折力の後群により構成される光学系であって、
前記前群は、複数の非球面レンズを備え、
前記複数の非球面レンズのそれぞれの物体側の非球面の面頂点から前記開口絞りまでの光軸上の距離をT、前記非球面の有効径をEA、光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた前記非球面における位置と前記面頂点とを通る球面を参照球面とした場合に、光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた前記参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた前記非球面における位置との間の光軸方向の距離をx1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.05<x1/f<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた前記参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた前記非球面における位置との間の光軸方向の距離をx2とするとき、
0.05<x2/f<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記参照球面の曲率半径をRrefとするとき、
1.30<|Rref|/f
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記複数の非球面レンズのうち最も物体側に配置された非球面レンズの物体側のレンズ面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をD1、前記開口絞りから前記後群の最も像側に配置されたレンズ面までの光軸上の距離をD2とするとき、
0.20<D1/D2<0.80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項5】
前記後群の最も物体側に配置された第1レンズは、正の屈折力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項6】
前記第1レンズの焦点距離をfGP1とするとき、
0.70<fGP1/f<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の光学系。
【請求項7】
前記前群は、負の屈折力のレンズと正の屈折力のレンズとを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項8】
前記前群の焦点距離をfLFとするとき、
-0.70<f/fLF≦0.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項9】
前記後群の焦点距離をfLRとするとき、
0.50<fLR/f<1.30
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項10】
前記後群の最も像側に配置された最終レンズは、負の屈折力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項11】
前記最終レンズの焦点距離をfGN2とするとき、
-2.50<fGN2/f<-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項10に記載の光学系。
【請求項12】
前記最終レンズの物体側のレンズ面と像側のレンズ面は、非球面であることを特徴とする請求項10に記載の光学系。
【請求項13】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズ、負の屈折力の第3レンズを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項14】
前記第3レンズの焦点距離をfGN1とするとき、
-2.50<fGN1/f<-0.80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項13に記載の光学系。
【請求項15】
前記第3レンズの屈折力をnとするとき、
1.620<n<1.750
なる条件式を満足することを特徴とする請求項13に記載の光学系。
【請求項16】
前記第3レンズのアッベ数をνdとするとき、
12<νd<28
なる条件式を満足することを特徴とする請求項13に記載の光学系。
【請求項17】
前記第2レンズの像側のレンズ面は、近軸で像側に凹、周辺部で像側に凸の形状を有し、
光軸から前記前記第2レンズの像側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離をhGN2とするとき、
0.25<hGN2/D2<0.70
なる条件式を満足することを特徴とする請求項13に記載の光学系。
【請求項18】
前記第1レンズ、前記第2レンズ、及び前記第3レンズのそれぞれの物体側のレンズ面と像側のレンズ面の少なくとも一つは、非球面であることを特徴とする請求項13に記載の光学系。
【請求項19】
前記光学系に含まれるレンズの肉厚の総和をDsum、前記光学系の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をD0とするとき、
0.50<Dsum/D0<0.90
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項20】
光軸から前記複数の非球面レンズのうち最も物体側に配置された非球面レンズの物体側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離をhとするとき、
0.20<h/D1<1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項21】
前記前群の最も像側に配置されたレンズは、像側のレンズ面が凹面の正の屈折力のメニスカスレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項22】
請求項1又は2に記載の光学系と、
該光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項23】
請求項1又は2に記載の光学系と、
ユーザにより操作される操作手段とを有することを特徴とするレンズ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、負の屈折力のレンズ群、開口絞り、正の屈折力のレンズ群を有する広角な光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11092787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広角な光学系では、強い正の屈折力により発生する負の歪曲収差を良好に補正する必要がある。また、広角な光学系では、周辺光量比が小さくなりやすいため、周辺光量を補正する必要がある。
【0005】
特許文献1の光学系では、負の歪曲収差が-100%程度と大きく発生している。負の歪曲収差は像面上で物体を圧縮する効果があるため、周辺光量は上がる(補正される)方向である。仮に負の歪曲収差を補正すると、負の歪曲収差による周辺光量を向上させる効果が小さくなる。このため、特許文献1の光学系は、負の歪曲収差と周辺光量の補正を同時に行うことは困難である。
【0006】
本発明は、歪曲収差と周辺光量の補正を同時に行うことが可能な光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の前群、開口絞り、正の屈折力の後群により構成される光学系であって、前群は、複数の非球面レンズを備え、複数の非球面レンズのそれぞれの物体側の非球面の面頂点から開口絞りまでの光軸上の距離をT、非球面の有効径をEA、光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた非球面における位置と面頂点とを通る球面を参照球面とした場合に、光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた非球面における位置との間の光軸方向の距離をx1、光学系の焦点距離をfとするとき、
0.05<x1/f<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、歪曲収差と周辺光量の補正を同時に行うことが可能な光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の光学系の無限遠フォーカス時の断面図である。
図2】実施例1の光学系の縦収差図である。
図3】実施例2の光学系の無限遠フォーカス時の断面図である。
図4】実施例2の光学系の縦収差図である。
図5】実施例3の光学系の無限遠フォーカス時の断面図である。
図6】実施例3の光学系の縦収差図である。
図7】実施例4の光学系の無限遠フォーカス時の断面図である。
図8】実施例4の光学系の縦収差図である。
図9】実施例5の光学系の無限遠フォーカス時の断面図である。
図10】実施例5の光学系の縦収差図である。
図11】サグ量の説明図である。
図12】撮像装置の概略図である。
図13】レンズ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1,3,5,7,9はそれぞれ、実施例1乃至5の光学系の無限遠にフォーカシングした時(無限遠フォーカス時)での断面図である。各実施例の光学系は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ等の撮像装置や交換レンズを含む光学機器に用いられる。
【0012】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例の光学系は、複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書では、レンズ群とは開口絞りSPで隔てられたレンズのまとまりのことである。なお、各実施例の光学系をプロジェクター等の投写レンズとして用いてもよい。この場合、左方がスクリーン側、右方が被投写画像側である。
また、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数枚のレンズから構成されていてもよい。また、レンズ群は、近軸的には屈折力を有さない(近軸の曲率が無限である)非球面レンズ、フレネルレンズ、及び回折光学素子等を含んでいてもよい。
【0013】
各実施例の光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群L1(LF)、開口絞りSP、負の屈折力の後群L2(LR)により構成される。このような構成により、いわゆるレトロフォーカスのパワー配置となり、光学系L0を広角化した際に、バックフォーカスを確保することが容易となる。また、開口絞りSPの物体側に配置される負の屈折力の前群L1により広角な光学系で補正が困難な歪曲収差と像面湾曲を良好に補正することができる。
【0014】
各断面図において、Liは光学系に含まれるレンズ群のうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズ群を表している。また、Gkは光学系に含まれるレンズのうち物体側から数えてk番目(kは自然数)のレンズを表している。
【0015】
IPは像面であり、各実施例の光学系L0をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系L0を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。また、FLは、光学フィルター、フェースプレート、水晶ローパスフィルター、及び赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。また、LasphとSはそれぞれ、条件式(1)を満足する非球面レンズ及び該非球面レンズの物体側の非球面である。
【0016】
各断面図に示される矢印は、無限遠から至近へのフォーカシングに際してのレンズ群の移動方向を表している。各実施例では、無限遠から至近へのフォーカシングに際して光学系L0全体が像側から物体側に移動する。なお、光学系L0の一部のレンズのみを像側から物体側、又は物体側から像側に移動させることでフォーカシングを行ってもよい。
【0017】
図2,4,6,8,10はそれぞれ、実施例1乃至5の光学系L0の縦収差図である。球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてSはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(度)である。
【0018】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0019】
ここで、図11(A)を参照して、サグ量x1について説明する。サグ量x1を求める場合、まず参照球面Srefを定める。非球面レンズLasphの物体側の非球面Sの面頂点から開口絞りSPまでの光軸上の距離をTとするとき、参照球面Srefは光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた非球面Sにおける位置と非球面Sの面頂点とを通る球面である。なお、「光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた非球面Sにおける位置」は、図11(A)ではレンズ断面上の2点として表現されているが、実際には光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた非球面Sにおける同心円上の位置全てを含んでいる。サグ量x1は、非球面Sの有効径を距離EAとするとき、光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた参照球面Srefにおける位置と光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた非球面Sにおける位置との間の光軸方向の距離である。サグ量x1の符号は、参照球面Srefに対して非球面Sが像側に位置するときを正とする。なお、有効径EAは、非球面Sにおいて光が入射する領域の径(直径)である。換言すると、有効径EAは、非球面Sに入射する光線のうち光軸直交方向において光軸から最も離れた位置を通過する光線の入射する位置によって定められる領域の径(直径)である。
【0020】
各実施例の光学系は、以下の条件式(1)を満足する。
【0021】
0.05<x1/f<0.50 (1)
ここで、fは、光学系L0の焦点距離である。x1は、サグ量である。
【0022】
条件式(1)は、サグ量を規定している。広角な光学系において負の歪曲収差を補正すると、負の歪曲収差による物体の像面上での圧縮効果が小さくなり、結果として周辺光量比を大きくすることが困難になる。このため、開口効率(光軸に直交する断面での軸上入射光束に対する軸外入射光束の面積比)を大きくするレンズ構成とすることで、周辺光量比を大きくすればよい。開口効率を大きくするためには、軸外光束に対していわゆる入射瞳のコマ収差を発生させればよい。入射瞳のコマ収差とは、開口絞りSPの位置での軸外光束の光軸に直交する断面積を用いて前群L1で形成される像(すなわち軸外の入射瞳)の収差である。入射瞳に所望の収差を発生させるためには、前群L1において、物体側のレンズ面が軸外光束に対して強い凸となる形状のレンズを配置すること必要がある。例えば、球面レンズでそのような構成をとると、近軸から強い正の曲率を持つ面が必要になり、面のサグ量が中心から周辺にかけて大きくなりすぎる。これによりレンズの厚みが増大し、結果として光学系L0を小型化することが困難になる。したがって、入射瞳のコマ収差と光学系の小型化を両立するには、近軸の曲率を弱い正又は負の曲率としつつ、非球面レンズLasphの物体側の面を、軸外光束の通過する周辺部だけ強い凸形状の非球面Sとする。言い換えれば、非球面Sは、光軸付近では曲率の絶対値が小さく平らに近く、周辺部にかけて急激にサグ量が物体側に大きくなる形状を有する。
【0023】
条件式(1)のサグ量x1を、参照球面Srefを基準として定めているのは、非球面Sの光軸近く(光軸直交方向において距離T/2だけ離れた位置の内側)から周辺部へのサグ量の変化を表すためである。すなわち、非球面Sは光軸付近で平らに近いため参照球面Srefの曲率半径の絶対値は大きな値をとり、サグ量x1は強い凸形状により大きな値となる。また、非球面Lasphは周辺光量比の補正と共に、負の歪曲収差の補正も行うが、一般に入射瞳のコマ収差と歪曲収差には従属関係があり完全に独立して制御することができない。したがって、入射瞳のコマ収差と歪曲収差の両方を1枚の非球面レンズで所望の値にすることは困難であり、非球面Lasphは2枚以上配置する必要がある。
【0024】
条件式(1)の下限値を下回ってサグ量x1が小さくなると、光学系L0の小型化には有利になるが、入射瞳のコマ収差を十分に発生させることが困難になり、周辺光量比を大きくすることが困難になるため好ましくない。条件式(1)の上限値を上回ってサグ量x1が大きくなると、非球面Sのサグ量が大きくなりすぎ、非球面レンズLasphの周辺部を含めた厚みが大きくなりすぎる。結果として光学系L0大型化するため好ましくない。
【0025】
なお、条件式(1)の数値範囲を以下の条件式(1a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0026】
0.07<x1/f<0.45 (1a)
また、条件式(1)の数値範囲を以下の条件式(1b)の数値範囲とすることがより好ましい。
【0027】
0.10<x1/f<0.42 (1b)
また、条件式(1)の数値範囲を以下の条件式(1c)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0028】
0.12<x1/f<0.40 (1c)
次に、各実施例の光学系L0において、満足することが好ましい構成について述べる。
【0029】
後群L2の最も物体側に配置されたレンズ(第1レンズ)GP1は、正の屈折力を有することが好ましい。開口絞りSPの近傍に正の屈折力のレンズを配置することで、その屈折力により広角な光学系を実現することができるため好ましい。
【0030】
後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズGP1、正の屈折力のレンズ(第2レンズ)GP2、負の屈折力のレンズ(第3レンズ)GN1を備えることが好ましい。開口絞りSPの近傍には前述のように正の屈折力のレンズを配置することが好ましいが、光学系L0を広角化するほど、必要な正の屈折力が強くなる。したがって、強い正の屈折力をレンズGP1,GP2で分担することにより、レンズ1枚あたりの屈折力を小さくし、球面収差と軸上色収差の発生を抑えながら、光学系L0を広角化することができる。また、レンズGP1,GP2の像側に負の屈折力のレンズGN1を配置することで、軸上色収差を更に補正することができる。
【0031】
レンズGP1,GP2,GN1のそれぞれの物体側のレンズ面と像側のレンズ面の少なくとも一つは、球面収差とコマ収差をより補正するために非球面であることが好ましい。
【0032】
前群L1は、負の屈折力のレンズと、正の屈折力のレンズとを備えることが好ましい。前群L1が負の屈折力のレンズを備えることで、光学系L0をレトロフォーカス構成としバックフォーカスを確保することができる。また、前群L1が正の屈折力のレンズを備えることで、開口絞りSPに対してレンズGP1,GP2と略対称に正の屈折力を配置することができ、その対称性により像面湾曲や歪曲収差を補正しやすくなる。
【0033】
後群L2の最も像側に配置されたレンズ(最終レンズ)GN2は、負の屈折力を有することが好ましい。光学系L0を小型化すると、各単レンズの正の屈折力が大きくなりやすく、結果として像面湾曲がアンダーに生じる。また、非点収差も生じる。後群L2において、最も像側に負の屈折力のレンズGNを配置することで、サジタルフレア(サジタル方向の横収差)等に影響を与えず、ペッツバール和を補正することができ、結果として像面湾曲を補正することができる。また、レンズGN2は像面の近傍に配置されるため、軸上光束と軸外光束が十分に分離してレンズ面を通過し、像面湾曲及び非点収差の補正効果を高くすることができる。
【0034】
前述の補正効果をより高めるため、レンズGN2の両面(物体側のレンズ面と像側のレンズ面)は非球面であることが好ましい。
【0035】
前群L1の最も像側に配置されたレンズは、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズであることが好ましい。広角な光学系では負の歪曲収差が生じやすいが、前群L1の最も像側に配置されたレンズの像側のレンズ面を凹面とすることで、光線を跳ね上げることができ負の歪曲収差を補正することができる。
【0036】
次に、各実施例の光学系L0が満足することが好ましい条件について述べる。
【0037】
各実施例の光学系は、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0038】
0.05<x2/f<0.50 (2)
ここで、x2は、図11(B)に示されるように、光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた参照球面Srefにおける位置と光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた非球面Sにおける位置との間の光軸上の距離である。
【0039】
光学系を小型化(薄型化)するためには、前群L1に入射した軸外光束を大きく上下に屈折させることなく、入射した角度から緩やかに屈折させて開口絞りSPに導くことが好ましい。広角な光学系では、前群L1の各面を通過する軸外光束の光軸からの高さは、各面から開口絞りSPまでの光軸上の距離と近い値になる。したがって、条件式(2)を満足することで、軸外光束が通過する付近の非球面Sの形状が、入射瞳のコマ収差を発生させるために好ましい凸形状となる。
【0040】
条件式(2)の下限値を下回ってサグ量x2が小さくなると、光学系L0の小型化には有利になるが、入射瞳のコマ収差を十分に発生させることが困難になり、周辺光量比を大きくすることが困難になるため好ましくない。条件式(2)の上限値を上回ってサグ量x2が大きくなると、非球面Sのサグ量が大きくなりすぎ、非球面レンズLasphの周辺部を含めた厚みが大きくなりすぎる。結果として、光学系L0が大型化するため好ましくない。
【0041】
また、各実施例の光学系は、以下の条件式(3)乃至(14)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0042】
1.30<|Rref|/f (3)
0.20<D1/D2<0.80 (4)
0.70<fGP1/f<2.00 (5)
-0.70<f/fLF≦0.00 (6)
0.50<fLR/f<1.30 (7)
-2.50<fGN2/f<-0.50 (8)
-2.50<fGN1/f<-0.80 (9)
0.50<Dsum/D0<0.90 (10)
0.25<hGN2/D2<0.70 (11)
0.20<h/D1<1.00 (12)
1.620<n<1.750 (13)
12<νd<28 (14)
ここで、Rrefは、参照球面Srefの曲率半径である。D1は、複数の非球面レンズLasphのうち最も物体側に配置された非球面レンズLasphの物体側のレンズ面から開口絞りSPまでの光軸上の距離である。D2は、開口絞りSPから後群L2の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。fGP1は、後群L2の最も物体側に配置された正の屈折力のレンズGP1の焦点距離である。fLFは、前群L1の焦点距離である。fLRは、後群L2の焦点距離である。fGN2は、後群L2の最も像側に配置された負の屈折力のレンズGN2の焦点距離である。fGN1は、後群L2内に配置された負の屈折力のレンズGN1の焦点距離である。Dsumは、光学系L0に含まれるレンズの肉厚(光軸上の距離)の総和である。D0は、光学系L0の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。hGN2は、レンズGN2の近軸で像側に凹、周辺部で像側に凸の形状を有する像側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離である。hは、複数の非球面レンズLasphのうち最も物体側に配置された非球面レンズLasphの物体側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離である。nは、レンズGN1の屈折率である。νdは、レンズGN1のアッベ数である。
【0043】
なお、停留点とは、光軸直交方向において光軸から所定距離hだけ離れた非球面における位置と面頂点との間の光軸上のサグ量(変位量)をX(h)とした場合に、所定距離hで一回微分した一次導関数の値が0となる位置(所定距離hだけ離れた位置)である。X(h)の符号は、物体側から像側の向きが正である。
【0044】
なお、条件式(2)乃至(14)の数値範囲を以下の条件式(2a)乃至(14a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0045】
0.06<x2/f<0.45 (2a)
1.40<|Rref|/f (3a)
0.25<D1/D2<0.75 (4a)
0.75<fGP1/f<1.85 (5b)
-0.65<f/fLF≦0.00 (6a)
0.60<fLR/f<1.20 (7a)
-2.30<fGN2/f<-0.55 (8a)
-2.30<fGN1/f<-0.90 (9a)
0.52<Dsum/D0<0.85 (10a)
0.28<hGN2/D2<0.65 (11a)
0.25<h/D1<0.98 (12a)
1.630<n<1.730 (13a)
16<νd<26 (14a)
また、条件式(2)乃至(14)の数値範囲を以下の条件式(2b)乃至(14b)の数値範囲とすることがより好ましい。
【0046】
0.07<x2/f<0.40 (2b)
1.50<|Rref|/f (3b)
0.30<D1/D2<0.70 (4b)
0.85<fGP1/f<1.75 (5b)
-0.55<f/fLF≦0.00 (6b)
0.70<fLR/f<1.10 (7b)
-2.15<fGN2/f<-0.60 (8b)
-2.10<fGN1/f<-1.10 (9b)
0.58<Dsum/D0<0.82 (10b)
0.33<hGN2/D2<0.60 (11b)
0.30<h/D1<0.95 (12b)
1.645<n<1.720 (13b)
18<νd<25 (14b)
また、条件式(2)乃至(14)の数値範囲を以下の条件式(2c)乃至(14c)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0047】
0.08<x2/f<0.38 (2c)
1.60<|Rref|/f (3c)
0.32<D1/D2<0.68 (4c)
1.00<fGP1/f<1.60 (5c)
-0.45<f/fLF≦0.00 (6c)
0.80<fLR/f<1.00 (7c)
-2.05<fGN2/fLR<-0.70 (8c)
-1.95<fGN1/fLR<-1.20 (9c)
0.60<Dsum/D0<0.80 (10c)
0.38<hGN2/D2<0.55 (11c)
0.35<h/D1<0.92 (12c)
1.650<n<1.700 (13c)
20<νd<24 (14c)
条件式(3)は、参照球面Srefの曲率半径の絶対値|Rref|と光学系L0の焦点距離との比を規定している。上述したように、非球面Sを光軸付近では平らな(サグ量の小さい平面に近い)形状とすることが光学系L0を小型化する上で好ましい。すなわち、条件式(3)を満足する範囲で、絶対値|Rref|を大きくすることが好ましい。なお、絶対値|Rref|の値は、平面においては無限の値とする。条件式(3)の下限値を下回って絶対値|Rref|が小さくなると、光軸付近の曲率が大きくなりすぎ、前群L1の厚みが大きくなるため好ましくない。また、光軸付近の曲率が大きくなりすぎると、入射瞳のコマ収差を発生させる作用が小さくなるため好ましくない。
【0048】
条件式(4)は、複数の非球面レンズLasphのうち最も物体側に配置された非球面レンズLasphの物体側のレンズ面から開口絞りSPまでの光軸上の距離と、開口絞りSPから後群L2の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離との比を規定している。条件式(4)を満足することで、開口絞りSPに対してレンズを略対称に配置することができるため、その対称性から像面湾曲や歪曲収差を補正しやすくなる。また、前群L1の非球面Sによる、入射瞳のコマ収差の制御が容易になり、周辺光量比を向上させることができる。条件式(4)の下限値を下回ると、前群L1による収差の補正効果及び周辺光量比の向上効果が小さくなるため好ましくない。条件式(4)の上限値を上回ると、前群L1による収差の補正効果及び周辺光量比の向上効果は大きくなるが、光学系L0の前玉が大型化すると共に、光学系L0の全長も大型化しやすくなるため好ましくない。
【0049】
条件式(5)は、レンズGP1の焦点距離と光学系L0の焦点距離との比を規定している。条件式(5)を満足することで、光学系L0を広角化することができる。条件式(5)の下限値を下回ってレンズGP1の焦点距離が小さくなると、光学系L0の広角化には有利になるが、レンズGP1で球面収差や像面湾曲が大きく発生してしまうので好ましくない。条件式(5)の上限値を上回ってレンズGP1の焦点距離が大きくなると、光学系L0を広角化することが困難になるため好ましくない。
【0050】
条件式(6)は、光学系L0の焦点距離と、前群L1の焦点距離との比を規定している。条件式(6)を満足することで、必要なバックフォーカスを確保することができる。条件式(6)の下限値を下回ると、バックフォーカスが大きくなりすぎ光学系L0の全長が長くなるため好ましくない。条件式(6)の上限値を上回ると、前群L1の屈折力が正になるため、バックフォーカスを確保することが困難となり好ましくない。
【0051】
条件式(7)は、光学系L0の焦点距離と後群L2の焦点距離との比を規定している。条件式(7)を満足することで、光学系L0を広角化することができる。条件式(7)の下限値を下回ると、光学系L0の広角化には有利になるが、後群L2で球面収差や像面湾曲が大きく発生してしまうので好ましくない。条件式(7)の上限値を上回ると、光学系L0を広角化することが困難になるため好ましくない。
【0052】
条件式(8)は、後群L2の最も像側に配置されたレンズGN2の焦点距離と光学系L0との比を規定している。条件式(8)を満足することで、レンズGP1,GP2等の強い正の屈折力で発生した正のペッツバール和を補正し、像面湾曲を良好に補正することができる。条件式(8)の下限値を下回ると、像面湾曲の補正が過剰となるため好ましくない。条件式(8)の上限値を上回ると、像面湾曲の補正が不足するため好ましくない。
【0053】
条件式(9)は、レンズGN1の焦点距離と光学系L0の焦点距離との比を規定している。条件式(9)を満足することで、レンズGP1,GP2等の強い正の屈折力で発生した軸上色収差や球面収差を良好に補正することができる。条件式(9)の下限値を下回ると、軸上色収差や球面収差の補正が過剰となるため好ましくない。条件式(9)の上限値を上回ると、軸上色収差や球面収差の補正が不足するため好ましくない。
【0054】
条件式(10)は、光学系L0が有するレンズの肉厚の総和と光学系L0の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の間隔との比を規定している。条件式(10)を満足することで、光学系L0を薄型化することができる。条件式(10)の下限値を下回ると、レンズの肉厚が小さくなりすぎ、製造が困難になるため好ましくない。条件式(10)の上限値を上回ると、光学系L0を薄型化することができないため好ましくない。
【0055】
条件式(11)は、レンズGN2の近軸で像側に凹、周辺部で像側に凸の形状を有する像側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離と開口絞りSPから後群L2の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離との比を規定している。条件式(11)を満足することで、レンズGN2の軸上の曲率と周辺部の曲率を大きく変化させることができ、レンズGN2での像面湾曲や非点収差の補正効果を高めることができる。また、レンズGN2の像側のレンズ面は近軸で像側に凹、周辺部で像側に凸の形状を有するため、近軸的にペッツバール和を補正しながら、周辺で非点収差を補正することができる。条件式(11)の下限値を下回ると、近軸的な曲率が小さくなり光軸周辺の凹形状が浅くなるため、近軸的な負の屈折力が小さくなる。結果としてペッツバール和の補正が困難となり好ましくない。条件式(11)の上限値を上回ると、周辺部の凸形状の領域が径方向に少なくなり、軸外の光束に対して非点収差の補正効果が小さくなるため好ましくない。
【0056】
条件式(12)は、最も物体側に配置された非球面レンズLasphの物体側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離と該非球面レンズLasphの物体側のレンズ面から開口絞りSPまでの光軸上の距離との比を規定している。条件式(12)を満足することで、当該面の軸上の曲率を小さい(平面に近い)形状としても、周辺部の曲率を大きく物体側に凸に変化させることができ、軸外光束に対する入射瞳のコマ収差を制御することが容易になる。条件式(12)の下限値を下回ると、当該面の周辺での曲率が大きくなりすぎ、製造が困難になるため好ましくない。条件式(12)の上限値を上回ると、当該面の周辺でのサグ量が小さくなりすぎ、軸外光束に対する入射瞳のコマ収差を発生させることが困難になるため好ましくない。
【0057】
条件式(13)は、レンズGN1の屈折率を規定している。条件式(13)を満足することで、レンズGP1,GP2等で発生した球面収差及び軸上色収差を良好に補正することができる。また、レンズGN1をプラスチック等の樹脂材料で構成することが可能になり、光学系L0を軽量化することができる。条件式(13)の下限値を下回ると、レンズGN1の曲率が大きくなりすぎ、球面収差の補正が過剰になるため好ましくない。条件式(13)の上限値を上回ると、樹脂材料でレンズGN1を構成することが困難になるため好ましくない。
【0058】
条件式(14)は、レンズGN1のアッベ数を規定している。条件式(14)を満足することで、レンズGP1,GP2等で発生した球面収差及び軸上色収差を良好に補正することができる。また、レンズGN1をプラスチック等の樹脂材料で構成することが可能になり、光学系L0を軽量することができる。条件式(14)の下限値を下回ると、軸上色収差の補正が過剰になるため好ましくない。条件式(14)上限値を上回ると、軸上色収差の補正が不足するため好ましくない。
【0059】
次に、各実施例の光学系について詳細に述べる。
【0060】
実施例1では、前群L1は、物体側から像側へ順に配置された、負、正、負、正のレンズG1,G2,G3,G4からなる。後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負、正、正、負のレンズG5,G6,G7,G8,G9,G10からなる。レンズG1,G2,G3は、条件式(1),(2)を満足する非球面レンズLasphである。レンズG5,G6,G7はそれぞれ、レンズGP1,GP2,GN1に対応する。前群L1の最も像側に配置されたレンズG4は、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズである。
【0061】
実施例2では、前群L1は、物体側から像側へ順に配置された、負、正、負、正のレンズG1,G2,G3,G4からなる。後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負、負、正、正、負のレンズG5,G6,G7,G8,G9,G10,G11からなる。レンズG1,G2,G3は、条件式(1),(2)を満足する非球面レンズLasphである。レンズG5,G6,G7はそれぞれ、レンズGP1,GP2,GN1に対応する。前群L1の最も像側に配置されたレンズG4は、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズである。
【0062】
実施例3では、前群L1は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正のレンズG1,G2,G3からなる。後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負、正、正、負のレンズG4,G5,G6,G7,G8,G9からなる。レンズG1,G2は、条件式(1),(2)を満足する非球面レンズLasphである。レンズG4,G5,G6はそれぞれ、レンズGP1,GP2,GN1に対応する。前群L1の最も像側に配置されたレンズG3は、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズである。
【0063】
実施例4では、前群L1は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正のレンズG1,G2,G3からなる。後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負、負、正、正、負のレンズG4,G5,G6,G7,G8,G9,G10からなる。レンズG1,G2は、条件式(1),(2)を満足する非球面レンズLasphである。レンズG4,G5,G6はそれぞれ、レンズGP1,GP2,GN1に対応する。前群L1の最も像側に配置されたレンズG3は、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズである。
【0064】
実施例5では、前群L1は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正のレンズG1,G2,G3からなる。実施例5では、後群L2は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負、正、負のレンズG4,G5,G6,G7,G8からなる。レンズG1,G2は、条件式(1),(2)を満足する非球面レンズLasphである。レンズG4,G5,G6はそれぞれ、レンズGP1,GP2,GN1に対応する。前群L1の最も像側に配置されたレンズG3は、像側のレンズ面が凹面で正の屈折力のメニスカスレンズである。
【0065】
各実施例の光学系L0の各単レンズは、両面に非球面を有する。これにより、光学系L0を小型化した際の、球面収差や像面湾曲等の収差を良好に補正することができる。
【0066】
各実施例の光学系L0では、光学系L0の少なくとも一部を光軸直交方向の成分を有する方向へ移動させることで、像ぶれ補正を行うことができる。
【0067】
各実施例の光学系L0では、各単レンズはプラスチック樹脂からなる。これにより、光学系L0を軽量化することができる。また、プラスチック樹脂を用いることで、サグ量の大きな非球面を成形する際に、金型を利用して成形することが可能になり、量産上のコストを削減することができる。
【0068】
なお、光学系L0を構成する一部の単レンズをプラスチック樹脂によって形成し、その他のレンズはガラスによって形成してもよい。プラスチック樹脂製のレンズとガラス製のレンズを組み合わせることで、温度変化による光学性能の変化を抑制しつつ良好な収差補正を行うことができる。
【0069】
以下に、実施例1乃至5にそれぞれ対応する数値実施例1乃至5を示す。
【0070】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0071】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。「バックフォーカス」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、光学系の最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面(光学ブロックFLは含まない)までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。
【0072】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12,A14を各次数の非球面係数とするとき、
X=(h2/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)21/2 +A4×h4+A6×h6
+A8×h8+A10×h10+A12×h12+A14×h14
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0073】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -22.125 0.70 1.53160 55.8 11.861
2* 5.128 0.32
3* 12.764 0.70 1.54390 56.0 8.205
4* -4.734 0.10
5* -5.911 0.65 1.53160 55.8 6.047
6* 7.792 0.35
7* 2.360 0.58 1.56650 37.6
8* 2.941 0.82
9(絞り) ∞ 0.10
10* 7.161 1.54 1.53160 55.8
11* -5.463 0.10
12* -11.330 0.86 1.53160 55.8
13* -4.610 0.40
14* -6.245 0.50 1.67070 19.3
15* 29.323 0.10
16* 3.655 0.57 1.53160 55.8
17* 4.495 0.36
18* 26.087 0.96 1.54390 56.0
19* -3.236 0.18
20* 4.492 1.10 1.54390 56.0
21* 1.814 0.95
22 ∞ 0.40 1.51633 64.1
23 ∞ 1.20
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.99135e-03 A 6=-6.93887e-05 A 8= 9.13138e-07

第2面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.77996e-03 A 6= 6.27145e-04 A 8=-1.52662e-05

第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.45476e-03 A 6= 2.22198e-04 A 8= 5.85462e-06

第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.37608e-02 A 6=-3.16699e-03 A 8= 1.69125e-04

第5面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.49950e-02 A 6=-4.30270e-03 A 8= 2.43106e-04

第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.03151e-02 A 6=-5.38604e-03 A 8= 3.73982e-04

第7面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.35692e-02 A 6=-4.41424e-03 A 8=-4.49320e-04

第8面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.56634e-02 A 6= 2.11518e-04 A 8= 9.86200e-04

第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.06859e-03 A 6=-1.26513e-03 A 8= 5.93600e-04
A10=-3.52338e-04

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.03816e-02 A 6= 6.08756e-03 A 8=-9.82828e-04
A10=-8.11642e-05

第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.89588e-02 A 6= 7.31629e-03 A 8=-1.34644e-03

第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.88989e-02 A 6=-1.49083e-03

第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.63470e-02 A 6=-3.11975e-03 A 8=-2.10845e-04

第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.09487e-02 A 6= 1.95270e-03 A 8=-6.28343e-05

第16面
K =-8.43775e-01 A 4=-2.63920e-02 A 6= 2.11482e-03 A 8=-9.25981e-05

第17面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.61263e-02 A 6= 3.03954e-04 A 8= 4.14156e-06

第18面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.21079e-02 A 6=-1.60253e-03 A 8= 3.93041e-05

第19面
K =-8.83519e+00 A 4= 2.72445e-02 A 6=-3.23002e-03 A 8= 1.55692e-04
A10=-3.09648e-06

第20面
K =-7.86236e-01 A 4=-1.41220e-02 A 6= 3.18583e-04 A 8= 2.44586e-05
A10=-1.68288e-06 A12= 2.86359e-08

第21面
K =-4.97962e+00 A 4=-7.36543e-03 A 6= 4.88684e-04 A 8=-2.53870e-05
A10= 7.06657e-07 A12=-7.80606e-09

焦点距離 5.00
Fナンバー 2.88
半画角(度) 57.64
像高 7.89
レンズ全長 13.41
BF 2.41

レンズ群データ
群 始面 終面 焦点距離
1 1 8 -14.97
2 10 21 4.41

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -7.76
2 3 6.44
3 5 -6.22
4 7 15.46
5 10 6.09
6 12 14.00
7 14 -7.63
8 16 29.78
9 18 5.35
10 20 -6.54

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -18.980 0.70 1.53160 55.8 10.926
2* 4.714 0.32
3* 9.259 0.65 1.54390 56.0 7.729
4* -4.647 0.10
5* -6.445 0.50 1.53160 55.8 5.513
6* 4.931 0.21
7* 2.505 0.62 1.56650 37.6
8* 3.876 0.90
9(絞り) ∞ 0.10
10* 8.558 1.44 1.54390 56.0
11* -5.626 0.23
12* -42.361 0.98 1.54390 56.0
13* -7.559 0.10
14* -11.352 0.50 1.67070 19.3
15* 12.336 0.10
16* 5.869 0.50 1.53160 55.8
17* 5.276 0.15
18* 3.415 0.57 1.53160 55.8
19* 4.968 0.17
20* 34.621 0.90 1.54390 56.0
21* -4.219 0.18
22* 3.390 1.10 1.54390 56.0
23* 1.819 0.93
24 ∞ 0.40 1.51633 64.1
25 ∞ 1.20
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.62731e-03 A 6=-1.28726e-04 A 8= 1.94960e-06

第2面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.07841e-02 A 6= 9.15769e-04 A 8=-2.70904e-05

第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.64511e-03 A 6= 7.52653e-04 A 8=-8.51525e-06

第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.23322e-02 A 6=-4.84016e-03 A 8= 3.30114e-04

第5面
K = 0.00000e+00 A 4= 5.74568e-02 A 6=-7.25452e-03 A 8= 5.35696e-04

第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.24526e-02 A 6=-9.05290e-03 A 8= 6.98450e-04

第7面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.95337e-02 A 6=-7.42865e-03 A 8= 1.10045e-04

第8面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.93211e-02 A 6=-7.82859e-04 A 8= 7.52613e-04

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.13430e-04 A 6=-1.31981e-03 A 8= 2.06755e-04
A10=-1.42675e-04

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.19332e-02 A 6= 1.84375e-03 A 8=-3.64935e-04
A10=-6.37679e-05

第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.89940e-02 A 6= 2.49235e-03 A 8=-5.53277e-04

第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.52550e-02 A 6=-4.15106e-04

第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.11389e-02 A 6=-3.34177e-04 A 8=-2.92054e-06

第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.02231e-02 A 6= 2.18790e-03 A 8=-8.47405e-05

第16面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.91925e-02 A 6= 2.61526e-03 A 8=-8.99961e-05

第17面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.49911e-02 A 6= 3.41013e-03 A 8=-1.13986e-04

第18面
K =-1.04019e+00 A 4=-2.22989e-02 A 6= 5.53885e-04 A 8= 9.32163e-06

第19面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.38140e-03 A 6=-6.44152e-04 A 8= 3.74131e-05

第20面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.41519e-02 A 6=-1.82335e-03 A 8= 5.01392e-05

第21面
K =-6.89916e+00 A 4= 2.84885e-02 A 6=-3.30794e-03 A 8= 1.63369e-04
A10=-3.34108e-06

第22面
K =-2.65752e+00 A 4=-2.00900e-02 A 6= 1.17525e-03 A 8= 2.93659e-06
A10=-2.48467e-06 A12= 5.76375e-08

第23面
K =-3.94495e+00 A 4=-1.10700e-02 A 6= 8.15668e-04 A 8=-3.97567e-05
A10= 1.02699e-06 A12=-1.06696e-08

各種データ
ズーム比 1.00

焦点距離 5.00
Fナンバー 2.88
半画角(度) 57.64
像高 7.89
レンズ全長 13.41
BF 2.39

レンズ群データ
群 始面 終面 焦点距離
1 1 8 -15.56
2 10 23 4.46

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -7.03
2 3 5.78
3 5 -5.18
4 7 10.75
5 10 6.47
6 12 16.75
7 14 -8.74
8 16 -138.78
9 18 18.23
10 20 6.97
11 22 -9.58

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -7.939 0.60 1.53160 55.8 8.382
2* -6.424 0.10
3* -25.125 0.50 1.53160 55.8 5.113
4* 5.290 0.43
5* 2.267 0.51 1.56650 37.6
6* 2.818 0.78
7(絞り) ∞ 0.10
8* 9.497 1.04 1.53160 55.8
9* -8.508 0.10
10* -21.080 1.13 1.53160 55.8
11* -3.786 0.56
12* -2.377 0.50 1.67070 19.3
13* -4.105 0.23
14* 4.056 0.73 1.53160 55.8
15* 4.370 0.61
16* -40.440 0.99 1.53160 55.8
17* -2.574 0.18
18* 6.294 1.10 1.54390 56.0
19* 1.794 0.93
20 ∞ 0.40 1.51633 64.1
21 ∞ 1.20
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 9.30990e-03 A 6=-3.58240e-04 A 8= 9.54582e-06

第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.66359e-02 A 6=-1.99812e-03 A 8= 8.41741e-05

第3面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.79372e-02 A 6=-1.39100e-03 A 8= 7.73195e-05

第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 8.30544e-03 A 6= 7.72943e-03 A 8=-1.08878e-03

第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.54322e-02 A 6= 8.65790e-03 A 8=-2.23637e-03

第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.83911e-04 A 6= 6.29663e-03 A 8=-5.82958e-04

第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.91809e-04 A 6=-1.28244e-03 A 8= 7.44474e-04
A10=-3.78859e-04

第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.14540e-02 A 6= 5.52579e-04 A 8= 6.02977e-04
A10=-2.37941e-04

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.05109e-02 A 6= 1.13226e-03

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.67901e-02 A 6=-1.60115e-05

第12面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.79112e-03 A 6= 3.43251e-03 A 8=-1.30171e-04

第13面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.45622e-04 A 6= 2.61491e-03 A 8=-1.91434e-04

第14面
K =-1.00267e+00 A 4=-1.59819e-02 A 6= 6.18220e-04 A 8=-3.03179e-05

第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.07829e-02 A 6=-6.02261e-04 A 8= 3.40396e-05

第16面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.73588e-02 A 6=-2.24424e-03 A 8= 5.78829e-05

第17面
K =-6.98573e+00 A 4= 2.38584e-02 A 6=-2.67059e-03 A 8= 1.18642e-04
A10=-2.10872e-06

第18面
K =-1.00000e+01 A 4=-3.85591e-03 A 6=-9.68384e-04 A 8= 1.09785e-04
A10=-4.38561e-06 A12= 6.22138e-08

第19面
K =-5.64269e+00 A 4=-5.83331e-03 A 6= 3.04762e-04 A 8=-1.56297e-05
A10= 4.14627e-07 A12=-4.26432e-09

各種データ
ズーム比 1.00

焦点距離 5.95
Fナンバー 2.40
半画角(度) 52.98
像高 7.89
レンズ全長 12.60
BF 2.39

レンズ群データ
群 始面 終面 焦点距離
1 1 6 -22.75
2 8 19 5.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 55.66
2 3 -8.17
3 5 15.36
4 8 8.62
5 10 8.49
6 12 -9.52
7 14 58.78
8 16 5.12
9 18 -5.05

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -9.227 0.60 1.53160 55.8 8.306
2* -6.975 0.10
3* -22.949 0.50 1.53160 55.8 5.040
4* 4.381 0.39
5* 2.313 0.53 1.56650 37.6
6* 3.157 0.81
7(絞り) ∞ 0.10
8* 8.945 0.96 1.53160 55.8
9* -9.244 0.10
10* -39.784 1.24 1.54390 56.0
11* -4.112 0.51
12* -2.339 0.50 1.67070 19.3
13* -3.900 0.10
14* 6.256 0.72 1.53160 55.8
15* 5.108 0.15
16* 3.494 0.61 1.53160 55.8
17* 4.553 0.36
18* -14.956 0.89 1.53160 55.8
19* -2.546 0.18
20* 6.697 1.10 1.54390 56.0
21* 1.924 0.90
22 ∞ 0.40 1.51633 64.1
23 ∞ 1.20
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 9.06651e-03 A 6=-3.40350e-04 A 8= 8.13190e-06

第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.75775e-02 A 6=-1.79887e-03 A 8= 5.61471e-05

第3面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.01333e-02 A 6=-1.71340e-03 A 8= 1.47724e-04

第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.53886e-03 A 6= 7.91981e-03 A 8=-9.85749e-04

第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.61273e-02 A 6= 9.03281e-03 A 8=-1.97567e-03

第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.93659e-03 A 6= 5.54727e-03

第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.05912e-04 A 6=-1.93535e-03 A 8= 8.78449e-04
A10=-4.76791e-04

第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.30611e-02 A 6= 1.22514e-03 A 8= 4.18199e-04
A10=-2.62195e-04

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.01089e-02 A 6= 2.34407e-03

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.83241e-02 A 6= 5.98154e-04

第12面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.98536e-02 A 6= 9.12904e-04 A 8=-2.88114e-05

第13面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.22988e-02 A 6= 6.76600e-04 A 8=-8.62566e-05

第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.58318e-02 A 6= 5.65060e-04 A 8=-2.61556e-05

第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.60444e-02 A 6=-7.75094e-05 A 8= 2.77918e-05

第16面
K =-4.32278e+00 A 4=-3.10800e-03 A 6=-1.23027e-03 A 8= 4.08013e-05

第17面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.48985e-03 A 6=-7.41637e-04 A 8= 3.02892e-05

第18面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.65115e-02 A 6=-1.83161e-03 A 8= 4.71444e-05

第19面
K =-6.25796e+00 A 4= 2.56064e-02 A 6=-2.76340e-03 A 8= 1.22002e-04
A10=-2.08748e-06

第20面
K =-3.33188e-01 A 4=-4.61155e-03 A 6=-1.10936e-03 A 8= 1.21382e-04
A10=-4.51532e-06 A12= 5.75594e-08

第21面
K =-6.13643e+00 A 4=-4.49898e-03 A 6= 1.32358e-04 A 8=-6.79773e-06
A10= 2.30076e-07 A12=-2.83102e-09

各種データ
ズーム比 1.00

焦点距離 5.95
Fナンバー 2.40
半画角(度) 52.98
像高 7.89
レンズ全長 12.80
BF 2.36

レンズ群データ
群 始面 終面 焦点距離
1 1 6 -20.42
2 8 21 4.93

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 49.22
2 3 -6.88
3 5 12.46
4 8 8.71
5 10 8.33
6 12 -10.00
7 14 -66.82
8 16 23.56
9 18 5.63
10 20 -5.40
11 22 0.00

[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -7.407 0.65 1.54390 56.0 8.676
2* -5.451 0.10
3* -10.786 0.60 1.53160 55.8 5.668
4* 98.794 0.33
5* 2.485 0.50 1.53160 55.8
6* 2.515 0.62
7(絞り) ∞ 0.10
8* 12.199 1.29 1.53160 55.8
9* -4.975 0.26
10* -9.899 1.05 1.54390 56.0
11* -5.017 0.53
12* -2.532 0.50 1.67070 19.3
13* -4.875 0.52
14* 21.739 1.01 1.54390 56.0
15* -2.631 0.18
16* 5.114 1.10 1.54390 56.0
17* 1.629 1.01
18 ∞ 0.40 1.51633 64.1
19 ∞ 1.20
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 8.73660e-03 A 6=-3.86975e-04 A 8= 1.04575e-05

第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.31772e-02 A 6=-1.79562e-03 A 8= 6.76999e-05

第3面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.11776e-02 A 6=-1.95264e-03 A 8= 4.93023e-05

第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.14908e-02 A 6=-8.30590e-04 A 8=-7.86853e-05

第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.45087e-03 A 6= 7.94719e-04 A 8=-1.36434e-03

第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.28146e-03 A 6= 3.52976e-03 A 8=-1.40989e-03

第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.54143e-03 A 6=-4.85062e-04 A 8=-2.88392e-04
A10=-1.06599e-05

第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.69867e-02 A 6= 2.26400e-03 A 8= 1.17410e-04
A10=-1.25200e-04

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.49850e-02 A 6= 2.55543e-03

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.44834e-02 A 6=-5.41931e-04

第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.40846e-02 A 6= 5.39612e-03 A 8=-1.65705e-04

第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.15427e-02 A 6= 5.03438e-03 A 8=-2.49745e-04

第14面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.07811e-02 A 6=-1.34715e-03 A 8= 1.54898e-05

第15面
K =-5.62876e+00 A 4= 3.33588e-02 A 6=-4.02479e-03 A 8= 1.98832e-04
A10=-3.92120e-06

第16面
K =-2.81550e+00 A 4=-1.21176e-02 A 6=-1.84103e-04 A 8= 9.57561e-05
A10=-5.21006e-06 A12= 8.61690e-08

第17面
K =-4.50949e+00 A 4=-7.94993e-03 A 6= 5.20856e-04 A 8=-2.59464e-05
A10= 6.93402e-07 A12=-7.59255e-09

焦点距離 5.95
Fナンバー 2.80
半画角(度) 52.98
像高 7.89
レンズ全長 11.80
BF 2.47

ズームレンズ群データ
群 始面 終面 焦点距離
1 1 6 -93.92
2 8 19 5.55

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 33.98
2 3 -18.26
3 5 58.02
4 8 6.83
5 10 17.39
6 12 -8.59
7 14 4.38
8 16 -4.94

各数値実施例における種々の値を、以下の表1,2にまとめて示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
[撮像装置]
次に、各実施例の光学系を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図12を用いて説明する。図12において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至5で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0077】
このように各実施例のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
[レンズ装置]
図13は、各実施例の光学系を撮像光学系として有するレンズ装置20の外観概略図である。レンズ装置20は、不図示のカメラ本体に着脱可能に装着される、いわゆる交換レンズである。レンズ装置20は、実施例1乃至5で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系21を有する。また、レンズ装置20は、フォーカス操作手段22及び撮影モードを変化させるための操作手段23を有する。
【0078】
ユーザがフォーカス操作手段22を操作することにより、機械的又は電気的に撮影光学系21の配置が変化し、焦点位置を変化させることができる。
【0079】
また、ユーザが操作手段23を操作することにより、フォーカシング以外の目的で撮影光学系21のレンズ群の配置を変化させるようにしてもよい。例えば、操作手段23の操作に伴い撮影光学系21のレンズ群の配置を機械的又は電気的に変化させ、撮影光学系21の収差を変化させてもよい。この際、ピント位置は実質的に変化しないことが好ましい。
【0080】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の前群、開口絞り、正の屈折力の後群により構成される光学系であって、
前記前群は、複数の非球面レンズを備え、
前記複数の非球面レンズのそれぞれの物体側の非球面の面頂点から前記開口絞りまでの光軸上の距離をT、前記非球面の有効径をEA、光軸直交方向において光軸から距離T/2だけ離れた前記非球面における位置と前記面頂点とを通る球面を参照球面とした場合に、光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた前記参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離EA/2だけ離れた前記非球面における位置との間の光軸方向の距離をx1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.05<x1/f<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
(構成2)
光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた前記参照球面における位置と光軸直交方向において光軸から距離5×T/4だけ離れた前記非球面における位置との間の光軸方向の距離をx2とするとき、
0.05<x2/f<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載の光学系。
(構成3)
前記参照球面の曲率半径をRrefとするとき、
1.30<|Rref|/f
なる条件式を満足することを特徴とする構成1又は2に記載の光学系。
(構成4)
前記複数の非球面レンズのうち最も物体側に配置された非球面レンズの物体側のレンズ面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をD1、前記開口絞りから前記後群の最も像側に配置されたレンズ面までの光軸上の距離をD2とするとき、
0.20<D1/D2<0.80
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至3の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成5)
前記後群の最も物体側に配置された第1レンズは、正の屈折力を有することを特徴とする構成1乃至4の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成6)
前記第1レンズの焦点距離をfGP1とするとき、
0.70<fGP1/f<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成5に記載の光学系。
(構成7)
前記前群は、負の屈折力のレンズと正の屈折力のレンズとを備えることを特徴とする構成1乃至6の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成8)
前記前群の焦点距離をfLFとするとき、
-0.70<f/fLF≦0.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至7の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成9)
前記後群の焦点距離をfLRとするとき、
0.50<fLR/f<1.30
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至8の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成10)
前記後群の最も像側に配置された最終レンズは、負の屈折力を有することを特徴とする構成1乃至9の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成11)
前記最終レンズの焦点距離をfGN2とするとき、
-2.50<fGN2/f<-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成10に記載の光学系。
(構成12)
前記最終レンズの物体側のレンズ面と像側のレンズ面は、非球面であることを特徴とする構成10又は11に記載の光学系。
(構成13)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズ、負の屈折力の第3レンズを備えることを特徴とする構成1乃至12の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成14)
前記第3レンズの焦点距離をfGN1とするとき、
-2.50<fGN1/f<-0.80
なる条件式を満足することを特徴とする構成13に記載の光学系。
(構成15)
前記第3レンズの屈折力をnとするとき、
1.620<n<1.750
なる条件式を満足することを特徴とする構成13又は14に記載の光学系。
(構成16)
前記第3レンズのアッベ数をνdとするとき、
12<νd<28
なる条件式を満足することを特徴とする構成13乃至15の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成17)
前記第2レンズの像側のレンズ面は、近軸で像側に凹、周辺部で像側に凸の形状を有し、
光軸から前記前記第2レンズの像側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離をhGN2とするとき、
0.25<hGN2/D2<0.70
なる条件式を満足することを特徴とする構成13乃至16の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成18)
前記第1レンズ、前記第2レンズ、及び前記第3レンズのそれぞれの物体側のレンズ面と像側のレンズ面の少なくとも一つは、非球面であることを特徴とする請求項13に記載の光学系。
(構成19)
前記光学系に含まれるレンズの肉厚の総和をDsum、前記光学系の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をD0とするとき、
0.50<Dsum/D0<0.90
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至18の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成20)
光軸から前記複数の非球面レンズのうち最も物体側に配置された非球面レンズの物体側のレンズ面の停留点までの光軸直交方向における距離をhとするとき、
0.20<h/D1<1.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至19の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成21)
前記前群の最も像側に配置されたレンズは、像側のレンズ面が凹面の正の屈折力のメニスカスレンズであることを特徴とする構成1乃至20の何れか一つの構成に記載の光学系。
(構成22)
構成1乃至21の何れか一つの構成に記載の光学系と、
該光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
(構成23)
構成1乃至21の何れか一つの構成に記載の光学系と、
ユーザにより操作される操作手段とを有することを特徴とするレンズ装置。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
L0 光学系
L1 前群
L2 後群
SP 開口絞り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13