(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184071
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20231221BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231221BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20231221BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/533
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097990
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】小松 和登
(72)【発明者】
【氏名】尾山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】増田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】武内 陽子
(57)【要約】
【課題】複数のキャラクタが対戦する対戦パートの興趣性を向上させることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム機3は、ゲームに含まれる対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、今回の対戦パートをプレイするユーザと対戦用のフィールドに登場している味方キャラクタとの間で会話を実現するための会話機会を付与する。ゲーム機3は、会話機会において味方キャラクタの発言と、その発言に対する第1回答候補58B及び第2回答候補58Cとをユーザに提供する。また、ゲーム機3は、各キャラクタを定義するパラメータに異なる変化を生じさせる各効果と、第1回答候補58B或いは第2回答候補58Cとを関連付ける会話データTDに基づいて、会話機会において選択された回答候補に関連付けられる効果を判別し、今回の対戦パートに限定されるように会話を行った味方キャラクタのパラメータにその効果を付与する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステムであって、
前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタとの間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手段と、
前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢とを前記ユーザに提供する選択肢提供手段と、
前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データに基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手段と、
前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記効果付与手段は、前記対象効果を付与した場合に、当該対象効果を前記今回の対戦パートに限定するように設定される所定のリセット時期に、前記一つのキャラクタの前記パラメータを前記対象効果が付与される前の状態にリセットする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記対戦パートは、所定の規則に従った自動動作を通じて各キャラクタが対戦するように提供される、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記選択肢提供手段は、各キャラクタに特性が設定される場合に、複数の発言の各発言と各発言に対応する前記複数の選択肢とを一つの会話セットとする各会話セットと、各キャラクタの特性とを関連付けるセットデータに基づいて、前記会話機会において前記一部のキャラクタの特性に応じた会話セットを前記ユーザに提供する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記選択肢提供手段は、各キャラクタに特性が設定される場合に、複数の発言の各発言と各発言に対応する前記複数の選択肢とを一つの会話セットとする各会話セットと、各キャラクタの特性とを関連付けるセットデータに基づいて、前記会話機会において前記一部のキャラクタの特性に応じた会話セットを前記ユーザに提供する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記選択肢提供手段は、各キャラクタに特性が設定される場合に、複数の発言の各発言と各発言に対応する前記複数の選択肢とを一つの会話セットとする各会話セットと、各キャラクタの特性とを関連付けるセットデータに基づいて、前記会話機会において前記一部のキャラクタの特性に応じた会話セットを前記ユーザに提供する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記効果付与手段は、前記一つのキャラクタとして前記一部のキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与する、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記機会付与手段は、前記会話条件が満たされた場合に前記会話機会の要否を選択するための選択機会を付与し、当該選択機会において前記会話機会を要求する選択が実行されたときに前記会話機会を付与する、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記複数の選択肢の各選択肢には、各選択肢に対応するように前記一部のキャラクタが応答する発言としての追加発言が更に関連付けられ、
前記追加発言には、当該追加発言に対応する二以上の回答候補が関連付けられ、
前記会話機会では、前記発言と、前記追加発言とにより前記会話として複数のやりとりが生じ、
前記効果判別手段は、前記二以上の回答候補のうちの選択された回答候補に対応する効果を前記対象効果として判別する、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記一つのキャラクタが実行すべき複数の動作の各動作と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付けるリアクションデータに基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に応じた動作を実行するように、前記一つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項12】
複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタとの間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手順と、
前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢とを前記ユーザに提供する選択肢提供手順と、
前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データに基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手順と、
前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6842861号公報
【特許文献2】特許第6547016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、プレーヤキャラクタを自動的に行動させて敵キャラクタと対戦するタイプのゲームが開示されている。このゲームでは、自動行動の指針を示す複数の候補が提示され、そこで選択された選択肢に基づいて自動行動が実行される。また、特許文献2には、ユーザが操作可能な味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う戦闘(対戦)パートを含むゲームが開示されている。このゲームでは、戦闘パートにおける戦闘の進行中に複数の出題パネルから選択された問題が提示され、その問題に正当した場合にその問題に対応付けられたポイントが付与される。そして、そのポイントが所定の条件を満たす場合に戦闘の進行が有利になる効果が、戦闘パートの終了まで発動する。しかし、特許文献1及び2のいずれのゲームも対戦中にプレーヤキャラクタと会話の機会が設けられる構成ではないし、その会話の結果が対戦に影響を与える構成でもない。
【0005】
そこで、本発明は、複数のキャラクタが対戦する対戦パートの興趣性を向上させることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステムであって、前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタとの間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手段と、前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢とを前記ユーザに提供する選択肢提供手段と、前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データに基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手段と、前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手段と、を備える、ものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成された、ものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、複数のキャラクタが各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタとの間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手順と、前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢とを前記ユーザに提供する選択肢提供手順と、前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データに基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手順と、前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図4】対戦パートにおけるキャラクタとの会話の一例を説明するための説明図。
【
図5】会話機会における会話で生じ得る階層の一例を説明するための説明図。
【
図7】会話通知処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図8】選択肢提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】変化付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】リセット処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでいる。
【0012】
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3として適宜のゲーム装置が利用されてよいが、
図1の例ではゲーム機3Aは所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。
【0013】
一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供されるユーザ端末装置として構成されている。ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置として、例えば据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(PC)、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置、スマートフォンを含む携帯電話といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置が利用され得るが、
図1の例ではゲーム機3B、3Cとして、PC、及びスマートフォンがそれぞれ利用されている。以下、ゲーム機3B、3CをPC3B、或いはスマートフォン3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはパーソナルゲーム機3と呼ぶ場合がある。なお、
図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
【0014】
パーソナルゲーム機3は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。そして、パーソナルゲーム機3は、このようなソフトウエアとして、ゲーム用のアプリケーション(以下、ゲームアプリと呼ぶ場合がある)を実装することにより、ゲームを提供するゲーム機3として機能する。
【0015】
ゲーム機3は、複数のキャラクタが敵と味方とに分かれて対戦する対戦型のゲームを提供する。対戦型のゲームは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、或いはタイミングゲーム(音楽ゲーム)等の適宜の形式で提供されてよいが、一例としてシミュレーションゲームの形式で提供される。このシミュレーションゲームは対戦要素のみで構成されてもよいが、一例として他の要素を含む複合型のゲームとして構成される。具体的には、ゲーム機3は、シミュレーションゲームの一例として、複数のキャラクタ間で対戦する対戦パートと、各キャラクタを育成する育成パートとを含むキャラクタ育成型のゲーム(以下、育成ゲームと呼ぶ場合がある)を提供する。育成ゲームは、有料(所定の対価の徴収と引換に所定範囲のプレイが提供される場合、或いはアイテムの購入、特定の展開等の対戦ゲームの一部が所定の対価の徴収と引換にプレイされる場合の両方を含む)でプレイされてもよいし、無料(ゲームアプリのダウンロードが有料の場合を含む)でプレイされてもよい。
【0016】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスはゲーム機3に関する各種のサービスを適宜に含んでいてよく、例えばネットワークNTを介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、及びネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。ゲーム機用サービスは、例えばその他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービス、ユーザから料金を徴収する課金サービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを適宜に含み得る。
【0017】
次に、
図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0018】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記憶される。そのようなサーバ用データはゲーム機サービス用の各種のデータを適宜に含み得るが、
図2の例ではプレイデータPD、キャラクタデータCD、及び会話データTDが示されている。
【0019】
プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。育成ゲームの各キャラクタがプレイ状況に応じて成長する場合、過去の実績にはその成長分のパラメータの情報が含まれる。パラメータの値がプレイ状況に応じて変化する場合、成長分(変化分)のパラメータの値は適宜に管理されてよいが、一例としてこのようにプレイデータPDにおいて管理される。一方、キャラクタデータCDは、各キャラクタを定義するパラメータの情報が記述されたデータである。このようなキャラクタデータCDは成長後のパラメータの情報を含んでいてもよいが、一例として初期値(変化前)に対応するパラメータの値を管理する。つまり、各キャラクタのパラメータが変化した場合、その変化後のパラメータはプレイデータPD(変化分)、及びキャラクタデータCD(初期値)との組合せにより再現される。
【0020】
会話データTDは、育成ゲームの各キャラクタとそれをプレイするユーザとの間で会話を実現するためのデータである。会話データTDには、各キャラクタの発言、及びその発言に対応する複数の回答候補の情報が記述される。会話データTDの詳細は後述する。なお、サーバ用データには、例えばその他にもユーザID等の各種IDを管理するためのIDデータ、BGM等の楽曲を含む各種音声を再生する音声データ、各キャラクタに各種の動作を実行させるための動作データ、或いはゲーム画面の各種画像を表示するための画像データといったデータが適宜に含まれる。
【0021】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。そのような各種処理には、例えば、プレイデータPD等の各種データをゲーム機3に配信したり、対戦相手のユーザをマッチングするためのマッチングを実行したりする処理が含まれる。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0022】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0023】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、ゲームの提供に必要なゲームデータが記録される。そのようなゲームデータには、ゲーム用の各種のデータが含まれ得るが、
図2の例ではプレイデータPD、キャラクタデータCD、及び会話データTDが示されている。
【0024】
プレイデータPD、キャラクタデータCD、及び会話データTDは上述のとおりである。ゲームデータは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばゲーム機3にプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このようにゲームデータは適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例としてプレイデータPD、キャラクタデータCD、及び会話データTDはいずれも必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータには、例えばその他にも上述のID管理データ、音声データ、動作データ、及び画像データといったゲームのための各種のデータが適宜に含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0025】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、
図2の例では、ゲームに関連する論理的装置として、ゲーム提供部33、及びデータ管理部34が示されている。
【0026】
ゲーム提供部33は、育成ゲームを提供するための各種の処理を実行する。このような処理には対戦パートを実現するための処理が含まれる。また、育成ゲームには各キャラクタとユーザとの間の会話が含まれる。このため、ゲーム提供部33が実行する処理には、このような会話を実現するための処理が含まれる。ゲーム提供部33は、このような処理の一例として、会話通知処理、選択肢提供処理、変化付与処理、及びリセット処理を実行する。会話通知処理、選択肢提供処理、変化付与処理、及びリセット処理の手順の詳細は後述する。
【0027】
データ管理部34は、記憶部32に記憶されるデータを管理するための各種の処理を実行する。このような処理には、例えばプレイデータPDを更新する処理、或いはそのような更新後のプレイデータPDをセンターサーバ2に提供する処理が含まれる。
【0028】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはパーソナルゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、
図2の例では出力装置の一例としてモニタ37、及びスピーカSPが示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、
図2の例では、ゲーム機3に設けられる入力装置の一例として、ユーザのプレイ行為(操作、或いは動作)を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36の一例として複数の押ボタンが設けられたコントロールパネルが利用される。このような場合、手で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。
【0029】
また、PC3Bの場合、入力装置36の一例として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラが使用される。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、スマートフォン3Cの場合、入力装置36の一例として、例えば、モニタ37の表示面を覆うように配置され、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチセンサが利用される。この場合、タッチ操作がプレイ行為として利用される。
【0030】
なお、その他にもゲーム機3には各種の入力装置及び出力装置が適宜に設けられてよく、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。
【0031】
次に、
図3~
図5を参照して、対戦パートについて更に説明する。育成ゲームは、上述のとおり育成パート、及び対戦パートを含んでいるが、例えばその他にも各キャラクタを介して所定のストーリを展開させるストーリパートといった対戦パート等と進行の条件の相違する各種の展開(パート)を適宜に含み得る。これらのうち対戦パートは複数のキャラクタ間の対戦を実現するパートである。対戦パートにおいて各キャラクタは各キャラクタに設定されたパラメータに基づいて対戦を実行する。
【0032】
図3は、対戦画面の一例を模式的に示す図である。対戦画面50は、各種パートのうち対戦パートを実現するためのゲーム画面、つまり各キャラクタ間の対戦を実現するためのゲーム画面である。対戦画面50はアーケードゲーム機3A等、ゲーム機3の種類に応じて異なる構成を含み得るが、
図3の例はスマートフォン3Cがゲーム機3として利用される場合の対戦画面50を示している。以下では、スマートフォン3Cがゲーム機3として利用される場合について説明する。
【0033】
図3に示すように、対戦画面50は、キャラクタ画像51、ターゲットマーク52、ライフゲージ53、及びキャラクタ拡大画像54を含んでいる。キャラクタ画像51は、対戦パートに登場する各キャラクタを示す画像である。キャラクタ画像51は、味方キャラクタ画像51Aと、敵キャラクタ画像51Bと、を含んでいる。対戦パートでは、各キャラクタは味方キャラクタと敵キャラクタとに分類される。味方キャラクタ画像51A、及び敵キャラクタ画像51Bは、各キャラクタのうち味方キャラクタ、及び敵キャラクタにそれぞれ対応する画像である。
【0034】
味方キャラクタは、対戦パートをプレイするユーザに対応するキャラクタである。味方キャラクタはユーザによって直接的に操作され、アクションゲームとしてプレイされてもよいが、一例としてオートプレイによって操作される。つまり、味方キャラクタは所定の規則に従った自動動作を通じて対戦を実行する。自動動作(所定の規則)は適宜に実行されてよいが、一例として各キャラクタの特性(性格等)、及び対戦における戦略等に関する指示(例えば攻撃重視、防御重視、近距離重視、遠距離重視等)を反映するように実行される。
【0035】
また、対戦パートでは適宜の数の味方キャラクタが登場してよく、1体多、多対多等の適宜の形式で対戦が実現されてよいが、一例として三体の味方キャラクタが登場する。これらの味方キャラクタは対戦パートに用意される対戦用のフィールド(対戦パートにおいて対戦が実行される範囲)に同時に登場してもよいが、一例として一体ずつ順に登場する。具体的には、フィールド上の一体の味方キャラクタが敵キャラクタに倒されると次の味方キャラクタがフィールドに登場する。このため、
図3の例では一体の味方キャラクタ画像51A(一体の味方キャラクタ)が示されている。
【0036】
一方、敵キャラクタは、味方キャラクタの敵に対応するキャラクタである。対戦パートには適宜の数の敵キャラクタが登場してよいが、
図3の例では複数の敵キャラクタ画像51B(複数の敵キャラクタ)が示されている。つまり、対戦パートにおいて、一体の味方キャラクタ対複数の敵キャラクタ(1体多)の対戦が実行される場合が示されている。この場合において、各敵キャラクタの動作は適宜に実現されてよく、コンピュータ制御による自動動作によって実現されても、対戦相手のユーザによる直接操作によって実現されても、味方キャラクタと同様に所定の規則に従って実現されてもよいが、一例として対戦相手のユーザの指示に基づく自動動作、及びコンピュータ制御の自動動作の両方により実現される。つまり、対戦パートには、対戦相手のユーザに対応する敵キャラクタとコンピュータ制御の敵キャラクタとが混在している。
【0037】
ターゲットマーク52は味方キャラクタの攻撃対象を示すマーク(画像)である。味方キャラクタは、ターゲットマーク52が重畳的に表示されている対象に攻撃を実行する。味方キャラクタの攻撃対象は適宜にユーザに通知されてよく、例えば通知されなくてもよいが、一例としてこのようなターゲットマーク52を通じて通知される。また、ターゲットマーク52はユーザの適宜の操作等に応じて移動してもよいが、一例として味方キャラクタの自動動作を通じて自動で移動する。つまり、味方キャラクタの自動動作には、攻撃対象を変更するようにターゲットマーク52を移動させる動作が含まれる。
【0038】
ライフゲージ53は、攻撃を受けることによって減少するライフポイント(体力)を示すゲージである。ライフゲージ53は、味方ライフゲージ53Aと、敵ライフゲージ53Bとを含んでいる。味方ライフゲージ53Aは味方キャラクタのライフポイントを、敵ライフゲージ53Bは敵キャラクタのライフポイントを、それぞれ示すライフゲージ53である。敵ライフゲージ53Bはコンピュータ制御の敵キャラクタにも表示されてよいが、一例として対戦相手のユーザに対応する敵キャラクタにのみ表示される。ライフポイントがゼロになると、対戦継続不可(倒された)と判断される。複数の味方キャラクタは一部ずつフィールドに表示されるため、フィールド外で待機する待機の味方キャラクタとフィールドの登場する味方キャラクタとに分類される。待機の味方キャラクタとフィールドの味方キャラクタとは適宜に交代されてよいが、一例として対戦継続不可の場合にその対戦不可のキャラクタは予め指定された順番に従って次の待機の味方キャラクタと交代される。対戦パートにおいてユーザ間の勝敗は適宜に判定され得るが、一例としてフィールドにて対戦継続可能なキャラクタが存在しなくなった方が負けと判定される。
【0039】
キャラクタ拡大画像54は、味方キャラクタ画像51Aを拡大して表示する画像である。味方キャラクタ画像51Aは適宜に動作する画像(動画)として機能するが、キャラクタ拡大画像54は静止画として味方キャラクタ画像51Aの一部(例えば上半身)を拡大して表示する。キャラクタ拡大画像54は適宜の時期に一時的に表示されてもよいし、常時表示されてもよい。また、敵キャラクタにもキャラクタ拡大画像54が表示されてよいが、
図3の例では味方キャラクタにのみ表示されている。
【0040】
また、対戦画面50には、例えば対戦パートにおける対戦の残り時間を示す時刻画像55、或いは対戦相手のユーザに対応する敵キャラクタの位置を示すレーダー画像56といった、対戦を補助するための各種の補助情報が適宜に表示される。そのような補助情報には、例えばその他にもユーザの名称を示す情報、各キャラクタの名前の情報、待機中の味方キャラクタが存在する場合にその味方キャラクタを示す情報(例えば画像)といった各種の情報が適宜に含まれる。
【0041】
図4は、対戦パートにおけるキャラクタとの会話の一例を説明するための説明図である。上述のとおり対戦パートではキャラクタとユーザ(指揮官等の適宜の役割でゲーム内に登場するユーザキャラクタ、或いはアバタを含む)とが会話するための会話機会が付与されるが、そこでの会話の内容は対戦パートにおける対戦結果に影響を与える。具体的には、対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされると、キャラクタと会話するための会話機会が付与される。会話機会は会話条件の具備に伴い自動的(強制的)に生じてもよいが、一例として会話条件の具備が通知され、ユーザが希望した場合に会話機会が付与される。会話機会では適宜に会話が実行されてよいが、一例としてキャラクタの発言と、それに対応する複数の回答候補とが提示され、回答候補の選択を通じて会話が実行される。そして、そこで選択された回答に応じてキャラクタのパラメータを変化させる効果が発生する。対戦パートにおける会話は、一例としてこのような流れで実行される。
【0042】
図4の(A)~(C)を参照して、会話機会について更に説明する。
図4の例の(A)は会話条件を満たした場合の対戦画面50の一例を、(B)は回答候補を選択するための選択ポップアップを含む対戦画面50の一例を、(C)は会話の効果を含む対戦画面50の一例を、それぞれ模式的に示している。
図4の例の(A)に示すように、会話条件を満たした場合の対戦画面50には、通知ポップアップ57が表示される。通知ポップアップ57は、会話条件の具備を通知するための表示である。通知ポップアップ57は会話条件の具備の通知を適宜に実現してよく、そのために適宜に表示されてよいが、
図4の例では会話対象のキャラクタの発言意思を演出するようにキャラクタ拡大画像54と関連付けて表示される。
【0043】
会話機会における会話の対象は適宜のキャラクタであってよく、例えば敵キャラクタ(対戦相手のユーザのキャラクタ、及びコンピュータ制御のキャラクタの両方を含む)であってもよい(この場合、例えば敵キャラクタに対応するキャラクタ拡大画像54が通知ポップアップ57のために表示されてもよい)が、
図4の例では味方キャラクタである。また、複数の味方キャラクタが存在する場合、会話の対象は待機中の味方キャラクタ、つまりフィールド外の味方キャラクタであってもよい(この場合、例えば待機中の味方キャラクタに対応するキャラクタ拡大画像54が追加的に表示されても現在のキャラクタ拡大画像54を置換するように表示されてもよい)が、
図4の例ではフィールド上の味方キャラクタである。このため、通知ポップアップ57は、フィールド上の味方キャラクタのキャラクタ拡大画像54からポップアップするように表示されている。
【0044】
通知ポップアップ57には、会話条件の具備、つまり会話機会を提供可能な状況を通知する適宜の情報が表示されてよく、例えば文字情報が表示されてもよいが、
図4の例ではユーザの注意を引く“!”(感嘆符)が表示されている。また、通知ポップアップ57は単なる通知として機能してもよいが、
図4の例では選択ポップアップを表示するタッチ操作が実行されるべき領域として機能する。つまり、通知ポップアップ57の位置にタッチ操作が実行されると、選択ポップアップが表示される。一方で、通知ポップアップ57は、一定の時間が経過すると、タッチ操作の有無にかかわらず消滅する。つまり、通知ポップアップ57を通じて会話機会の要否を選択する機会がユーザに付与される。この例において、通知ポップアップ57が会話機会の要否を選択するための選択機会として機能する。
【0045】
選択ポップアップ58は、会話を実現するための複数の回答候補を選択肢として提示するためのポップアップ表示である。選択ポップアップ58が表示されると、対戦パートにおける対戦は中断される。つまり、選択ポップアップ58の表示中は対戦パートにおける対戦は進行しない。選択ポップアップ58の表示中(会話機会)において対戦は中断せず、例えばオートバトル等を通じて裏側(対戦画面50)にて継続されてもよい(例えば対戦相手がコンピュータでなくユーザの場合、待機時間は少ない方が好ましい)が、一例として中断される。
図4の例の(B)に示すように、選択ポップアップ58は、キャラクタ拡大画像54、発言ポップアップ58A、第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cを含んでいる。キャラクタ拡大画像54は上述のとおりであるが、選択ポップアップ58にも会話の対象のキャラクタに対応するキャラクタ拡大画像54が表示される。
【0046】
発言ポップアップ58Aは、会話の対象のキャラクタの発言を表示するためのポップアップ表示である。会話の対象のキャラクタの発言は一種類であってもよいが、一例として複数種類の発言が用意される。この場合、会話の対象のキャラクタの実際の発言は、これらの複数種類の発言から所定の条件に基づいて特定されるが、
図4の例では“頑張ろうね!”という発言が特定され、発言ポップアップ58Aに表示されている。このような所定の条件は適宜に構成されてよいが、一例として会話機会を発生させるための会話条件、及び各キャラクタの特性に関する条件を含んでいる。つまり、発言ポップアップ58Aに表示されるキャラクタの発言は、満たされた会話条件、及びそのキャラクタの特性に応じて変化する。会話条件、及び各キャラクタの特性については会話データTDの詳細とともに後述する。
【0047】
第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cは、いずれも発言ポップアップ58Aに表示された発言に対する回答候補として機能する選択肢である。このため、これらはいずれも回答候補を選択するためのタッチ操作が実行されるべき範囲として機能する。各キャラクタの発言、及び回答候補の両者、或いはいずれか一方は音声を通じて提供されてもよいが、
図4の例ではいずれも第1回答候補58B等を通じて視覚的に提供されている。ただし、キャラクタの発言は音声再生も重ねて実行される。この例において第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cが、本発明の複数の選択肢として機能する。
【0048】
一つの発言には1対多の関係で複数の回答候補が設定される。各発言には適宜の数の回答候補が設定されてよく、発言毎に対応する回答候補の数が相違していてもよいが、
図4の例では二つの回答候補にそれぞれ対応する第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cが示されている。つまり、発言ポップアップ58Aに表示された発言には二つの回答候補が設定され、それらをそれぞれ表示するための二つの選択肢(第1回答候補58B、及び第2回答候補58C)が提示されている。各回答候補の内容は適宜に設定されてよく、重複しないように発言毎に相違していても一部において重複していてもよいが、
図4の例では第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cには“頑張ろう!”及び“ダメダメだな”の回答候補がそれぞれ表示されている。
【0049】
選択ポップアップ58には表示期限が設定される。表示期限を経過した場合、第1回答候補58B等が未選択であっても選択ポップアップ58の表示は終了する。つまり、表示期限の経過にともない、選択の有無にかかわらず選択ポップアップ58は消えて、対戦パートにおける対戦が再開される。表示期限は選択ポップアップ58において適宜に案内されてよいが、
図4の例では第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cの表示態様の変化により通知される。このような表示態様の変化は適宜に実現され得るが、一例として配色の変化を通じて実現される。具体的には、第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cの配色は、いずれも表示期限において全体に広がるように時間経過に伴い下方から上方に向かって徐々に変化する。
図4の例では配色の変化をドット柄で示しているが、第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cのいずれの配色も下方から7割程度まで変化している。この場合、選択ポップアップ58の表示期間の7割程度が経過したこと、つまり表示期限までの残り時間が3割程度であることを案内している。
【0050】
選択ポップアップ58において第1回答候補58B、及び第2回答候補58Cのいずれかがタッチ操作を通じて選択されると、選択ポップアップ58は消え、元の対戦画面50に戻るが、そこには選択ポップアップ58における選択結果に応じた効果が生じる。このような効果は、フィールド属性の変化(例えば所定時間毎に所定量の回復効果やダメージ効果を与えるフィールド等)等の対戦結果に影響を与える適宜の要素の変化として生じてよいが、一例として各キャラクタを定義するパラメータの変化として生じる。対戦パートでは各キャラクタは攻撃力、或いは防御力といったパラメータに従って対戦する。このため、パラメータの変化は対戦結果に直接的に影響を与える。会話機会における会話の結果は、このような対戦結果に直接的に影響を与えるパラメータに生じる。
【0051】
パラメータの変化には各種の変化が含まれてよく、例えばバフ(プラス効果)、デバフ(マイナス効果)、といった変化が含まれる。具体的には、各キャラクタはライフポイント(体力)、スキルゲージ(スキルの発生に必要な価値の量を示すゲージ)、攻撃力、防御力、或いは速度といった各種のパラメータによって適宜に定義され得るが、例えばバフは攻撃力、防御力、或いは速度の上昇、又はライフポイントやスキルゲージの価値等の消費型のパラメータの回復といった対戦結果に有利な影響を与える変化を生じさせる。一方、デバフは、その反対に攻撃力、防御力、或いは速度の減少、又はライフポイントやスキルゲージの価値等の消費型のパラメータの消費(減少)といった対戦結果に不利な影響を与える変化を生じさせる。
【0052】
また、パラメータの変化の程度は一律であってもよいが、一例として選択ポップアップ58における選択結果に応じて変化する。このような程度には、例えば変化量、及び変更期間が含まれる。つまり、複数の発言に対する回答の候補として用意される複数の回答候補には、それぞれ変化させるパラメータの対象、変化量、変更期間、及び変化の方向性(バフ、或いはデバフ等)の相違する効果(変化)が設定される。そして、それらの効果のうち選択ポップアップ58における選択結果に対応する効果が実際に付与される。ただし、変更期間は、いずれもその効果が今回の対戦パートに限定されるように最大でも今回の対戦パートの終了までに制限される。つまり、対戦パートにおけるバフ、或いはデバフの効果は育成パート等の他のパートに残らないようにリセットされる。
【0053】
パラメータが変化する対象のキャラクタは適宜に設定されてよく、例えば選択ポップアップ58において選択された回答等に応じて各種の一体のキャラクタ(敵のキャラクタ等、会話を行ったキャラクタとは別のキャラクタを含む)、或いは味方キャラクタのグループ全体、或いはそこの適宜の一部(会話を行ったキャラクタを含んでいてもいなくてもよい)といった複数のキャラクタであってもよいが、一例として所定の条件を満たす一体のキャラクタに設定される。所定の条件は適宜に設定されてよいが、一例として会話を行ったキャラクタによって満たされる。つまり、パラメータが変化する対象(会話機会における効果の対象)は、その会話機会において会話を行ったキャラクタである。
【0054】
図4の例の(C)は、会話機会における選択結果の効果の一例として会話を行った味方キャラクタのみにライフポイント減少のデバフが生じる場合を示している。また、
図4の例の(C)は、
図4の例の(B)において第2回答候補58C(“ダメダメだな”)が選択された場合に対応する。この場合、
図4の例の(C)に示すように、対戦画面50は、応答ポップアップ59を含んでいる。応答ポップアップ59は、選択ポップアップ58における選択結果(発言への回答)に対するキャラクタの応答を示す表示である。各回答候補には更に応答が関連付けられ、応答ポップアップ59には選択ポップアップ58で選択された回答(回答候補のうち実際に選択されたもの)に対応する応答(“酷いよ”)が表示される。また、応答ポップアップ59は適宜に表示されてよいが、
図4の例では通知ポップアップ57と同様にキャラクタ拡大画像54からポップアップするように表示されている。
【0055】
キャラクタの応答は応答ポップアップ59による視覚的な提示のみであってもよいが、一例として音声を通じて再生される。また、キャラクタの応答はキャラクタによる適宜の動作を伴ってよく、一例としてそのような動作(以下、リアクション動作と呼ぶ場合がある)をキャラクタ拡大画像54が実行する。具体的には、各回答候補にはそれぞれ異なるリアクション動作(重複は適宜に許容される)が関連付けられる。これらのリアクション動作には、例えば喜怒哀楽といった感情を表現するように表情を変化させる動作、或いは同様の感情を表現するために腕を上げたり肩落としたりする動作が含まれる。そして、選択ポップアップ58で選択された回答に対応するリアクション動作をキャラクタ拡大画像54の味方キャラクタが実行する。
【0056】
また、
図4の(C)では、
図4の(A)に比べて味方ライフゲージ53Aによって示されるライフポイントの残量が二目盛り分だけ減少している。つまり、味方ライフゲージ53Aには、選択ポップアップ58における選択結果の効果として、ライフポイントの残量が減少する変化が生じている。一例として、このような流れ(ゲーム画面の遷移)で会話機会、及びそこでの会話結果に応じた効果が生じる。この例においてフィールド上の味方キャラクタ画像51Aが、本発明の一部のキャラクタ、及び一つのキャラクタとして機能する。また、
図4の(C)で生じるライフポイントの減少が、本発明の対象効果として機能する。
【0057】
図5は、会話機会における会話で生じ得る階層の一例を説明するための説明図である。会話機会での会話は、キャラクタの発言への回答に伴い終了してもよいし、その回答に応答するようにキャラクタが更に発言し、ユーザに再度回答の機会が与えられてもよい。つまり、一回のやりとり(キャラクタの一つの発言とそれに対するユーザの回答。その回答に対するキャラクタの応答を適宜に含んでいてよい。)で終了してもよいし、複数回のやりとりを実行するように生じてもよい。
図5の例は、このような複数回のやりとり(複数の階層)が会話に生じる場合を示している。
図5の例では、キャラクタの発言が右斜線のボックスで、回答候補が白塗りのボックスで、それぞれ示されている。
【0058】
図5に示すように、キャラクタの発言(第1発言)に対応する“回答A”及び“回答B”の二つの回答候補(選択肢)のうち、いずれか一方が選択されると、一回目のやりとりが成立し、会話における第1階層を形成する。また、これらの各回答候補には、各回答にキャラクタが応答するための発言(第2発言)が更に関連付けられる。例えば、
図5の例では、“回答A”には、二つの第2発言として“A1”及び“A2”が更に関連付けられている。このため、“回答A”が選択された場合、キャラクタは更に“A1”及び“A2”のいずれか一方を更に発言する。これらの一方はプレイ状況等の各種の条件に基づいて適宜に決定されてよいが、一例として抽選で決定される。
【0059】
また、“A1”及び“A2”の発言(第2発言)には、更に二つの回答候補がそれぞれ関連付けられている。このため、キャラクタが第2発言を実行すると、更に二つの回答候補が選択肢として提示される。
図5の例では、“A1”の第2発言には“回答C”及び“回答D”の二つが、“A2”の第2発言には“回答E”及び“回答F”の二つが、それぞれ関連付けられている。このため、キャラクタが“A1”の第2発言を実行した場合には“回答C”及び“回答D”の二つが、“A2”の第2発言を実行した場合には“回答E”及び“回答F”の二つが、それぞれ会話機会において更に回答候補として提示される。そして、“A1”の第2発言に対する“回答C”及び“回答D”のいずれか一方、或いは“A2”の第2発言に対する“回答E”及び“回答F”のいずれか一方が選択されると、二回目のやりとりが成立し、会話における第2階層を形成する。また、“回答F”には、その回答に対するキャラクタの応答が更に関連付けられている。このため、“回答F”が選択された場合には、第2階層の一部、つまり二回目のやりとりの一部として、それに関連付けられるキャラクタの発言(応答)が実行される。二回目のやりとり実行された場合、第1階層における回答に対応する効果、及び第2階層における回答に対応する効果の両方、或いは適宜の一方が対戦パートに付与されてよいが、一例として最後の回答、つまり第2階層における回答に対応する効果のみが付与される。
【0060】
一方、キャラクタの各発言には複数の階層が形成されなくてもよく、
図5の例ではキャラクタの第1発言に対する回答候補のうち、“回答B”にはその回答に対応するキャラクタの応答しか関連付けられていない。この場合、第1発言に対する回答として“回答B”が選択されると、それに対応するキャラクタの応答まで会話が継続した後に一回のやりとりが成立し、第1階層を形成するが、その会話はそこで終了する。つまり、その会話は複数回のやりとりに発展せず、一回のやりとりだけで終了し、その一回のやりとりにおける回答に対応する効果が対戦パートに付与される。このようにキャラクタとの会話の全部、或いは一部には複数の階層(やりとり)が適宜に生じ得る。複数の階層が生じる場合、より複雑な会話を実現することができる。また、何階層まで継続できるか、といった別の興趣性(面白み)を追加することができる。この例において“A1”或いは“A2”といったキャラクタの第2発言が、本発明の追加発言として機能する。また、それらに関連付けられる“回答C”及び“回答D”の二つの回答候補、或いは“回答E”及び“回答F”の二つの回答候補が、それぞれ本発明の二以上の回答候補として機能する。
【0061】
次に、会話データTDの詳細について説明する。
図6は、会話データTDの構成の一例を示す図である。会話データTDはキャラクタとの会話を実現するための各種の情報を適宜に含み得るが、
図6の例では会話の内容(回答)に応じて対戦パートに生じる効果に関する部分を示している。
図6に示すように、会話データTDは、各キャラクタの発言毎にその会話条件等を関連付けて管理する会話レコードTDRを含んでいる。また、このような会話レコードTDRは、“会話ID”、“タイプ”、“会話条件”、“性格”、“キャラクタID”、“画像ID”、“音声ID”、“発言”、“回答候補”、“効果”、及び“動作”の情報を含んでいる。会話レコードTDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0062】
“会話ID”は、各発言と各発言に対応する複数の回答候補とを一つの会話セット(適宜に回答に対するキャラクタの応答を含んでいてよい)とする各会話セットを識別するために会話セット(或いは発言)毎にユニークに付与される会話IDを示す情報である。“タイプ”は、発言(会話セット)のタイプ(種類)を示す情報である。会話機会は対戦パートに限らず各種のパートにおいて適宜に付与されてよく、例えばその他にもキャラクタからの一方的な発言、複数のキャラクタ間の会話、或いは複数のキャラクタとユーザとを含むグループでの会話といったタイプの会話が実行されてよく、“タイプ”にはそれらのタイプを示す情報が記述される。例えば、上述の例では対戦パートにおいてキャラクタとユーザとの間の1対1の会話が回答候補を選択する方式(会話選択方式)で実行されているが、このようなタイプの会話の場合、“タイプ”には会話選択方式等の情報が会話のタイプを示す情報として記述される。
【0063】
“会話条件”は、会話機会、つまり各発言、及びそれに付随する会話を発生させるための条件を示す情報である。会話機会は各種の条件を契機に生じてよく、その各種条件が会話条件として利用され得るが、例えば会話条件は対戦パートにおける序盤、中盤、終盤(序盤等の時期は単純に対戦パートにおける経過時間から判断されてもよいし、例えばライフポイントや敵キャラクタの残量等、所定の値の残量に基づいて判断されてもよい)といった時期的条件を含み、その時期的条件が“会話条件”に記述される。また、会話条件は、例えばその他にもライフポイント等の所定のパラメータの値を利用したパラメータ条件、攻撃の成功や失敗、或いは攻撃を受けた、かわしたといった各キャラクタの行動に基づく行動条件、勝敗の判別のために獲得スコアが用意される場合における獲得スコアが大きい、小さいといった戦況条件等の各種の条件を適宜に含み得る。これらの条件が適用される場合には、その条件が“会話条件”に記述される。また、時期的条件を含む、これらの条件は適宜に組み合わされて(重畳的に)適用されてもよく、その場合、“会話条件”には複数の条件が会話条件として記述される。
【0064】
“性格”は、各発言が適用されるべきキャラクタの性格を示す情報である。上述のとおり各キャラクタには各種のパラメータが設定されるが、性格はその一つである。ゲームには、例えば“おしとやか”、“熱血”、“クール”、或いは“子供っぽい”といった各種の性格が適宜に用意されよく、それらの性格の種類(タイプ)の情報が“性格”に記述される。また、“キャラクタID”は各キャラクタを識別するためにキャラクタ毎にユニークに付与されるキャラクタIDを示す情報である。各発言(会話セット)はキャラクタの種類や性格タイプといった特性に依存せず、一律に用意されてもよいが、一例としてキャラクタの特性(種類や性格)に応じて用意される。これらの性格、或いはキャラクタIDの情報を通じて、キャラクタ指定の会話が実現され、各キャラクタの個性が強調される。
【0065】
“画像ID”は、ゲーム画面に表示される各画像を識別するために画像毎にユニークに付与される画像IDを示す情報である(画像IDに対応する画像は画像データに基づいて表示される)。会話機会では、例えば選択ポップアップ58が表示され、そこにはキャラクタ拡大画像54が表示される。“画像ID”には、例えばそのキャラクタ拡大画像54を示す画像IDの情報が記述される。“音声ID”は、各キャラクタの音声を識別するために音声毎にユニークに付与される音声IDを示す情報である(音声IDに対応する音声は音声データに基づいて再生される)。会話機会において各キャラクタの発言は文字情報のみでユーザに提供されてもよいが、一例として音声でも再生される。“音声ID”には、例えばこのような発言を生成する場合の音声を示す音声IDの情報が記述される。
【0066】
“発言”は、各キャラクタの発言を示す情報である。各キャラクタの発言には、複数のやりとりが用意される場合の複数の発言、及びユーザの回答に対してキャラクタが更に応答する場合の応答が含まれる。例えば、第1発言及び第2発言が用意される場合、“発言”には第1発言及び第2発言の情報が記述される。また、第2発言には、第1発言における回答候補と関連付ける情報も含まれる。“回答候補”は、各発言に関連付けられる回答候補を示す情報である。各発言に複数の回答候補が関連付けられる場合、“回答候補”にはそれらの複数の回答候補の情報が記述される。
【0067】
“効果”は、各回答候補に関連付けられる効果、つまり各回答候補が実際に回答として選択された場合に付与されるべき効果を示す情報である。例えば対戦パートにおける効果が、パラメータの対象、変化量、変更期間、及び変化の方向性といった要素によって特定される場合、“効果”にはそれらのパラメータの対象、変化量、変更期間、及び変化の方向性に関する情報が記述される。“動作”は、各回答候補に対応するリアクション動作を示す情報である。喜怒哀楽等の各種感情を表現する動作がリアクション動作として採用され、それらの複数の動作のいずれかの動作の情報が“動作”に記述される(実際の動作は動作データ等の他のデータで管理されてよく、その場合、“動作”には各動作を識別する動作IDの情報が記述されてよい)。
【0068】
例えば
図4の例の場合、“頑張ろうね!”の発言の情報が“発言”に、“頑張ろう!”及び“ダメダメだな”の二つの回答候補の情報が“回答候補”に、それぞれ記述される。また、“効果”には、“ダメダメだな”の回答候補に関連付けられるように、ライフポイント、所定量、減少といった情報がパラメータの対象、変化量、及び変化の方向性にそれぞれ対応する情報が記述される。また、“ダメダメだな”対してキャラクタが“酷いよ”と応答する場合、“発言”の情報はその“ダメダメだな”に関連付けられるように“酷いよ”の情報も含んでいる。
【0069】
あるいは、終盤においてライフポイントの値、スキルゲージ、キャラクタのレベル、或いは信頼関係を表す信頼度といった各種のパラメータが所定値以下のとき、或いは所定値以下のときに会話条件が満たされる場合、それらの終盤、対象のパラメータ、所定値、及び以上か以下かといった条件が“会話条件”に記述される。この場合、例えばライフポイントの値が所定値以上のときに“全然余裕♪”、所定値以下のときに“やられちゃうよ”といった情報(発言)が“発言”に記述される。また、信頼度の情報は、例えば信頼度が所定値以上の場合にはラフな口調、所定値以下の場合には堅い口調といった発言の口調を調整する要素として利用されてもよい。
【0070】
同様に、例えば所定の攻撃(行動)が成功したとき、或いは失敗したときに会話条件が満たされる場合、それらの所定の攻撃、成功の有無といった条件が“会話条件”に記述される。この場合、例えば攻撃が成功したときに“やったね、今日調子いいかも♪”、失敗したときに“だめだ、おかしいな”といった情報が“発言”に記述される。あるいは、獲得スコアが対戦相手と比べて所定値以上負けているとき、若しくは勝っているときに会話条件が満たされる場合、それらの獲得スコア、所定値、及び勝敗といった情報が“会話条件”に記述される。この場合、例えば所定値以上負けているときに“このままだと負けちゃうかも”、勝っているときに“勝ちはもらったね”といった情報が“発言”に記述される。なお、会話データTDは、これらの情報に限定されず、適宜の情報を管理してよい。あるいは、これらの情報が適宜に省略されてもよい。この例において会話データTDが、本発明のセットデータ、及びリアクションデータとして機能する。
【0071】
次に、
図7~
図10を参照して、会話通知処理、選択肢提供処理、変化付与処理、及びリセット処理について説明する。会話通知処理は、会話機会が提供される条件、つまり会話条件の具備を通知するための処理である。会話機会は各種のパートで付与され得るが、
図7の例は対戦パートにおいて会話機会が提供される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、会話条件が時期的条件を含む場合における所定時間の経過等、会話条件の要件に関連する進行が対戦パートに生じる毎に
図7の会話通知処理を開始し、まず会話条件を満たすか否か判別する(ステップS101)。会話条件が満たされない場合(ステップS101:No)、つまり対戦パートにおけるプレイ状況が会話データTDの“会話条件”に記述された条件を満たさない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の会話通知処理を終了する。
【0072】
一方、会話条件が満たされる場合(ステップS101:Yes)、つまり対戦パートにおけるプレイ状況が会話データTDの“会話条件”に記述された条件を満たす場合、ゲーム提供部33は会話機会の付与可能(会話可能)を通知する(ステップS102)。会話機会の付与可能は一例として通知ポップアップ57を通じて実現される。このため、ゲーム提供部33は、対戦画面50に通知ポップアップ57を表示することにより、この通知を実現する。そして、この通知の後にゲーム提供部33は今回の会話通知処理を終了する。これにより、対戦パートにおいて会話条件が満たされた場合に会話機会を付与可能な状況が通知される。具体的には、会話条件の具備にともない、会話機会の提供可能を通知する通知ポップアップ57が対戦画面50に表示される。
【0073】
選択肢提供処理は、ユーザに会話機会を付与するための処理である。会話機会は会話条件の具備に伴い無条件に付与されてもよいが、
図8の例は通知ポップアップ57にタッチ操作が実行された(ユーザが会話機会を要求した)場合の選択肢提供処理を示している。この場合、通知ポップアップ57にタッチ操作が実行されるとゲーム提供部33は
図8の選択肢提供処理を開始し、まず会話対象のキャラクタの特性を判別する(ステップS201)。会話対象のキャラクタは適宜であってよいが、例えばフィールドに配置されている味方キャラクタによって会話条件が満たされ、その味方キャラクタが会話対象のキャラクタとして利用される。このため、ゲーム提供部33は、キャラクタデータCDを参照し、その味方キャラクタの種類、性格といった会話データTDにおいて発言と関連付けられる特性(パラメータ)を判別する。
【0074】
続いてゲーム提供部33は、会話データTDを参照し、会話機会において提供されるべき会話セット(発言とその発言に対応する複数の回答候補とのセット)を判別する(ステップS202)。ゲーム提供部33は、キャラクタの特性が反映されるように、ステップS201で特定した特定(キャラクタの種類や性格)、及び会話データTDを参照し、今回満たされた会話条件とキャラクタの性格等の特性とに基づいて、この判別を実現する。つまり、ゲーム提供部33はキャラクタの特性に応じた会話セットを判別する。また、複数の会話セット(複数のやりとり)が用意されている場合、ゲーム提供部33はその複数の会話セットを判別する。
【0075】
次にゲーム提供部33は、ステップS202で特定した会話セットを含む選択ポップアップ58を対戦画面50に表示する(ステップS203)。具体的には、ゲーム提供部33は、会話セット(複数のやりとりが生じる場合、第1段階に対応するもの)の発言に対応する発言ポップアップ58A、複数の回答候補にそれぞれ対応する第1回答候補58B、及び第2回答候補58C、並びにキャラクタ拡大画像54を含む選択ポップアップ58を対戦画面50に出現させる。そして、この表示の後にゲーム提供部33は今回の選択肢提供処理を終了する。これにより、選択ポップアップ58が表示され、それを通じてキャラクタの発言、及びそれに対応する複数の回答候補等が提供される。換言すれば、選択ポップアップ58の表示を通じて会話機会が提供される。
【0076】
変化付与処理は、会話機会における会話の内容(選択された回答)に応じた変化(効果等)を対戦パートに付与するための処理である。
図9の例は、複数階層の会話を実現するために会話セットの更新が実行される場合の変化付与処理を示している。この場合、ゲーム提供部33は、選択ポップアップ58の表示中(選択ポップアップ58は一例として所定時間だけ表示される)にいずれかにタッチ操作が実行されると
図9の変化付与処理を開始し、まず第1回答候補58B、或いは第2回答候補58Cといった回答候補の選択肢に対してそのタッチ操作が実行されたか否か判別する(ステップS301)。第1回答候補58B等の回答候補の選択肢にタッチ操作が実行されていない場合(ステップS301:No)、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の変化付与処理を終了する。
【0077】
一方、第1回答候補58B等の回答候補の選択肢にタッチ操作が実行されている場合(ステップS301:Yes)、ゲーム提供部33はそのタッチ操作された(選択された)回答に続きの会話セット(例えば第2発言等)があるか否か判別する(ステップS302)。続きの会話セット(第1階層に属するキャラクタの応答は除く)がある場合(ステップS302:Yes)、ゲーム提供部33は選択ポップアップ58の発言等を続きの会話セット(例えば第2発言等)に更新して(ステップS303)、今回の変化付与処理を終了する。
【0078】
一方、続きの会話セットがない場合(ステップS302:No)、ゲーム提供部33はステップS301のタッチ操作の結果(選択された回答)に基づいて付与対象の効果、リアクション動作、及びキャラクタの応答を判別する(ステップS304)。ゲーム提供部33は、会話データTDの“効果”、“動作”、及び“発言”の情報を参照しつつ、この判別を実現する。
【0079】
続いてゲーム提供部33は、ステップS304で判別した効果、リアクション動作、及びキャラクタの応答を実際に対戦画面50に付与する(ステップS305)。例えば、ゲーム提供部33は、キャラクタの応答を含む応答ポップアップ59を表示したり、デバフ等の効果が付与されるようにキャラクタのパラメータを更新したり、その効果を演出するためのリアクション動作を実行するようにキャラクタの動作を制御したりする。また、パラメータの変更は適宜に実行され得るが、一例としてプレイデータPDは更新されず、今回の対戦パートに限定して適用されるようにプレイデータPDとは別に管理されるテーブルを通じて実現される。そして、この付与の後にゲーム提供部33は、今回の変化付与処理を終了する。これにより、複数の会話セットが用意される場合は会話機会において複数段の会話が成立するように、前の会話セットに続く次の会話セットが提示される。会話機会における会話の内容(選択された回答。複数のやりとりが生じる場合は最後の回答。)に応じた効果、リアクション動作、及びキャラクタの応答が対戦パートに付与される。
【0080】
リセット処理は、会話機会における会話の効果を所定のリセット時期にリセット(初期化)するための処理である。対戦パートでは、会話機会における会話の効果はその会話が付与された対戦パートに限定されるように付与される。リセット処理は、このような限定を実現するための処理である。このため、リセット時期はその限定を実現する時期に設定される。リセット時期は効果の内容に応じて適宜に設定され得る。例えば、リセット時期は、変更期間が設定されている場合にはその変更期間の終了時、対戦パートの終了時(或いは次回の対戦パートの開始時であってもよい)といった時期に設定される。また、会話の効果は対戦パート内であれば変更期間の終了時等の適宜の時期に終了してよく、例えばフィールドのキャラクタから待機のキャラクタに交代する時期に終了してもよく(この場合、フィールドに登場してから待機のキャラクタに交代するまでの期間が、そのキャラクタにとっての今回の対戦パートとして機能してもよい)、その場合、リセット時期にはその交代の時期が設定される。
【0081】
ゲーム提供部33は、上述のような所定のリセット時期に
図10のリセット処理を開始し、まずリセット対象を特定する(ステップS401)。例えば、会話の効果としてパラメータの変化が付与されている場合、ゲーム提供部33は、プレイデータPDとは別にパラメータの変化(効果)を管理するテーブルをステップS401においてリセット対象として特定する。
【0082】
続いてゲーム提供部33は、ステップS401で特定した対象の状態(パラメータ)を効果が付与される前の状態にリセットする(ステップS402)。例えば、会話の効果としてパラメータの変化が付与されている場合、ゲーム提供部33は、ステップS401で特定したテーブルの内容をゼロ(初期値)にリセットしたり、テーブル自体を削除したりすることにより、このリセットを実現する。このリセットにより、キャラクタのパラメータはプレイデータPDの内容に戻るため、効果付与前の状態に戻る。そして、このリセットの後にゲーム提供部33は今回のリセット処理を終了する。これにより、デバフ等の会話の効果がリセット時期に効果前の状態にリセットされる。リセット時期は、遅くとも今回の対戦パートの終了時、或いは次回の対戦パートの開始時(例えばライフポイントは対戦パートの開始毎にゲージ一杯から開始されるため、次回の対戦パートの開始時にリセットされてもよい)に到来する。結果として、会話の効果がその会話が実行された(会話条件を満たした)今回の対戦パートに限定される。
【0083】
以上に説明したように、この形態によれば、複数のキャラクタが対戦する対戦パートにキャラクタの発言とそれに対応する回答候補の選択肢とを含む会話機会が付与され、そこでの選択結果を通じてフィールド上の味方キャラクタとの会話が実現される。これにより、対戦パートに味方キャラクタとの会話という興趣性を付加することができる。また、会話機会において提示される各回答候補には各キャラクタを定義するパラメータに異なる影響を与える効果が関連付けられ、選択された回答候補に応じた効果が、会話を行った味方キャラクタのパラメータに付与される。対戦パートにおける対戦は各キャラクタのパラメータに基づいて実行されるため、パラメータの変化は対戦パートにおける対戦結果に影響を与える。結果として、会話機会における選択結果(会話の内容)を対戦パートの対戦結果に反映することができる。一方で、選択された回答候補に応じた効果は今回の対戦パートに限定され、次回の対戦パート(例えば今回のプレイにおける次回の対戦パート、及び次回のプレイにおける対戦パート)やゲームに含まれる他のパート等に持ち越されない。このため、パラメータの変化が次回の対戦パート等に持ち越される場合に比べて、比較的気軽に多頻度で会話機会を付与することができる。つまり、会話機会の追加、或いはそれに伴う効果といった興趣性(あるいは盛り上がり)を比較的多頻度で対戦パートに付与することができる。これにより、対戦パートの興趣性を向上させることができる。
【0084】
会話機会における会話の効果は会話を行ったキャラクタ以外に生じてもよいが、会話を行ったキャラクタに生じる場合、会話機会における会話とその会話による効果とを直接関連付けることができる。これにより、会話の効果を比較的自然な演出として付与することができる。さらに、会話機会における選択結果に応じたリアクション動作をキャラクタが実行する場合、キャラクタの動作(リアクション)を通じて会話機会の魅力を向上させることもできる。同様に、会話機会は会話条件の具備に伴い自動的に付与されてもよいが、通知ポップアップ57を通じて要否を選択する機会が付与される場合、会話機会の付与にユーザの意思を反映することができる。これにより、例えば会話機会の利用に戦略性を持たせることができる。
【0085】
また、対戦パートではオートプレイにて対戦が実行されるため、各キャラクタが直接操作される場合と比べて対戦への臨場感(介入感)が薄れる可能性がある。そのような対戦パートに会話機会を介在させることにより、その対戦への参加感を高めることができる。さらに、会話機会で使用される会話セットは各キャラクタの特性(性格や種類等)に応じて用意される。このため、会話機会における会話にキャラクタの特性(個性)を反映することができる。これにより、例えば各キャラクタを指定した会話を実現することができるので、会話機会を通じて各キャラクタの魅力を向上させることができる。
【0086】
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部23が、
図8のステップS203の処理を実行することにより本発明の機会付与手段(場合によっては
図7のステップS102の処理の実行を含む)、及び選択肢提供手段として機能する。同様に、ゲーム機3のゲーム提供部23が、
図9の手順を実行することにより本発明の効果判別手段、効果付与手段(場合によっては
図10のステップS402の処理の実行を含む)、及び動作制御手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部23が、
図9のステップS304を実行することにより効果判別手段として、ステップS305を実行することにより効果付与手段及び動作制御手段として、それぞれ機能する。
【0087】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上述の形態では、
図7~
図10の処理をゲーム機3のゲーム提供部23が実行している。結果として、ゲーム機3の単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。例えば、
図7~
図10の処理の全部をセンターサーバ2が実行する場合、センターサーバ2単体(複数のサーバ装置によって構成される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。また、例えば
図7~
図10の処理が、センターサーバ2とゲーム機3とによって適宜に分担されてもよく、その場合、ゲームシステム1が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0088】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0089】
本発明のゲームシステムは、複数のキャラクタ(51)が各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステム(3)であって、前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタ(51A)との間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手段(33)と、前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言(58A)と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢(58B、58C)とを前記ユーザに提供する選択肢提供手段と、前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データ(TD)に基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手段(33)と、前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタ(51A)の前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手段(33)と、を備える、ものである。
【0090】
本発明によれば、複数のキャラクタが対戦する対戦パートにキャラクタの発言とそれに対応する回答候補の選択肢とを含む会話機会が付与され、そこでの選択結果を通じて一部のキャラクタとの会話が実現される。これにより、対戦パートに一部のキャラクタとの会話という興趣性を付加することができる。また、会話機会において提示される各回答候補には各キャラクタを定義するパラメータに異なる影響を与える効果が関連付けられ、選択された回答候補に応じた効果が、複数のキャラクタの少なくともいずれか一つのキャラクタのパラメータに付与される。対戦パートにおける対戦は各キャラクタのパラメータに基づいて実行されるため、パラメータの変化は対戦パートにおける対戦結果に影響を与える。結果として、会話機会における選択結果(会話の内容)を対戦パートの対戦結果に反映することができる。一方で、選択された回答候補に応じた効果は今回の対戦パートに限定され、次回の対戦パート(例えば今回のプレイにおける次回の対戦パート、及び次回のプレイにおける対戦パート)やゲームに含まれる他のパート等に持ち越されない。例えば、このような対戦パートにおける変化が、一過性ではなく、キャラクタの成長の一種として継続的に生じてしまうと、他のパートも含めた全体に影響を与えてしまう。この場合、ゲーム全体のバランスを考慮して頻度や程度を設計しなければならない。いずれにしてもゲームの進行に与える影響が大き過ぎ、結果的にそのような変化を生じさせる頻度を多く設定できない可能性がある。一方で、選択された回答候補に応じた効果が今回の対戦パートに限定される場合、パラメータの変化が次回の対戦パート等に持ち越される場合に比べて、比較的気軽に多頻度で会話機会を付与することができる。つまり、会話機会の追加、或いはそれに伴う効果といった興趣性(あるいは盛り上がり)を比較的多頻度で対戦パートに付与することができる。これにより、対戦パートの興趣性を向上させることができる。
【0091】
各キャラクタには各種のパラメータが適宜に設定されてよく、選択された回答候補に応じた効果としてそれらの各種のパラメータに応じた適宜の変化が適用されてよい。例えば、各キャラクタには、体力、攻撃力、防御力、スキル、スキルゲージ(スキル発動に必要な価値の量)、種類、性格、或いは画像といった各種のパラメータが適宜に設けられてよい。そして、パラメータの変化は、これらのパラメータに適宜に生じてよい。また、選択された回答候補に応じた効果は、変化対象のパラメータの特性等に応じて適宜に今回のパートに限定されてよい。例えば、体力、或いはスキルゲージの価値の量といった消費系のパラメータに回復、或いは消費といったパラメータの変化が生じてもよく、その回復等は適宜に今回の対戦パートに限定されてよい。具体的には、今回の対戦パートへの限定は、例えば適宜のリセット時期に実行される変化前の状態へのリセットによって実現されてよい。例えば、体力やパラメータは対戦パート毎に最大残量から開始されてよく、対戦パートの開始時、或いは今回の対戦パートの終了時に最大残量にリセットされてもよい。この場合、対戦パートの開始時、或いは今回の対戦パートの終了時がリセット時期として機能する。同様に、攻撃力、防御力、スキルといったパラメータに上昇、或いは減少といった変化が生じてよく、その上昇等は対戦パートの終了時、或いは適宜の変更期間の終了時等に変化前の状態にリセットされてよい。この場合、対戦パートの終了時、或いは変更期間の終了時がリセット時期として機能する。
【0092】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記効果付与手段は、前記対象効果を付与した場合に、当該対象効果を前記今回の対戦パートに限定するように設定される所定のリセット時期に、前記一つのキャラクタの前記パラメータを前記対象効果が付与される前の状態にリセットしてもよい。
【0093】
対戦パートにおいて、各キャラクタはユーザ(対戦相手を含む)によって操作されても、コンピュータ制御により自動動作してもよい。また、コンピュータ制御により自動動作される場合でも、その自動動作にはユーザの指示が反映されてよい。つまり、対戦パートはユーザがキャラクタを直接的に操作するアクションゲームとして構成されても、ユーザの指示を反映するオート(自動)対戦に基づくシミュレーションゲームとして構成されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対戦パートは、所定の規則に従った自動動作を通じて各キャラクタが対戦するように提供されてもよい。この場合、直接操作と比べて対戦への臨場感(介入感)が薄れるオート対戦において、会話機会を介在させることにより、その対戦への参加感を高めることができる。
【0094】
各キャラクタの発言とそれに対応する複数の回答候補と(会話セット)は適宜に用意されてよく、例えばキャラクタの種類、或いは性格といった特性にかかわらず、一律に同じ会話セットが用意されてもよい。あるいは、キャラクタの特性等に応じて会話セットは変化してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記選択肢提供手段は、各キャラクタに特性が設定される場合に、複数の発言の各発言と各発言に対応する前記複数の選択肢とを一つの会話セットとする各会話セットと、各キャラクタの特性とを関連付けるセットデータ(TD)に基づいて、前記会話機会において前記一部のキャラクタの特性に応じた会話セットを前記ユーザに提供してもよい。この場合、会話機会における会話にキャラクタの特性(個性)を反映することができる。これにより、例えば各キャラクタを指定した会話を実現することができるので、会話機会を通じて各キャラクタの魅力を向上させることができる。
【0095】
会話機会において会話する対象のキャラクタと、その会話の結果としてパラメータに変化が生じるキャラクタとは一致していても、相違していてもよい。例えば、ユーザが操作、或いは指示する味方キャラクタとの会話に基づいて、敵キャラクタのパラメータに変化(バフ、或いはデバフ等)が生じてもよい。あるいは、敵キャラクタとの会話に基づいて味方キャラクタにパラメータの変化が生じてもよい。このため、会話機会において会話する対象は味方キャラクタに限定されず、敵キャラクタであってもよい。また、対戦パートがグループ対戦(複数の味方キャラクタと複数の敵キャラクタとの間の対戦)として提供される場合、味方キャラクタの一人との会話(例えば他の味方キャラクタへの応援を促す会話)に基づき、味方グループの他のキャラクタのパラメータに変化が生じてもよい。このため、パラメータの変化は複数のキャラクタに生じてもよい。同様に、会話する対象のキャラクタは一体に限定されない。複数のキャラクタとユーザとの間で会話が実現されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記効果付与手段は、前記一つのキャラクタとして前記一部のキャラクタの前記パラメータに前記対象効果を付与してもよい。この場合、会話機会における会話とその会話による効果とを直接関連付けることができる。これにより、会話の効果を比較的自然な演出として付与することができる。
【0096】
会話機会は会話条件の具備に伴い自動的に付与されてもよいし、会話条件の具備の後に適宜の条件が介在するように付与されてもよい。例えば、会話条件の具備の後にユーザに会話機会の要否を確認する機会が付与され、そこで会話機会が要求された場合に実際の会話機会が付与されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記機会付与手段は、前記会話条件が満たされた場合に前記会話機会の要否を選択するための選択機会(57)を付与し、当該選択機会において前記会話機会を要求する選択が実行されたときに前記会話機会を付与してもよい。この場合、会話機会の付与にユーザの意思を反映することができる。これにより、例えば会話機会の利用に戦略性を持たせることができる。
【0097】
会話機会では、キャラクタとユーザとの間で適宜の数のやりとりが生じてよい。例えば、会話機会における会話は一回のやりとり(キャラクタの発言、及びそれに対するユーザの回答。その回答に対するキャラクタの応答的な発言を適宜に含んでいてもよい。)で終了してもよいし、複数回のやりとりが生じてもよい。また、複数回のやりとりが生じる場合、それらのやりとりに含まれる全部の回答の組合せ、一部の回答の組合せ、或いはいずれか一つといった適宜の回答に対応する効果が対象効果として生じてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の選択肢の各選択肢には、各選択肢に対応するように前記一部のキャラクタが応答する発言としての追加発言が更に関連付けられ、前記追加発言には、当該追加発言に対応する二以上の回答候補が関連付けられ、前記会話機会では、前記発言と、前記追加発言とにより前記会話として複数のやりとりが生じ、前記効果判別手段は、前記二以上の回答候補のうちの選択された回答候補に対応する効果を前記対象効果として判別してもよい。
【0098】
会話の影響は、パラメータを変化させる効果に限定されず、適宜に生じてよい。例えば、キャラクタは会話に関連する動作を実行してもよい。つまり、会話の影響は、キャラクタの動作(リアクション)として生じてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記一つのキャラクタが実行すべき複数の動作の各動作と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付けるリアクションデータ(TD)に基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に応じた動作を実行するように、前記一つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段を備える態様が採用されてもよい。この場合、キャラクタの動作(リアクション)を通じて会話機会の魅力を向上させることができる。
【0099】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成された、ものである。
【0100】
また、本発明の制御方法は、複数のキャラクタ(51)が各キャラクタを定義するパラメータに基づいて対戦する対戦パートを含むゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記対戦パートにおいて所定の会話条件が満たされた場合に、当該会話条件を満たした前記対戦パートとしての今回の対戦パートをプレイするユーザと前記複数のキャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタ(51A)との間で会話を実現するための会話機会を付与する機会付与手順と、前記会話機会において前記一部のキャラクタの発言(58A)と、当該発言に対して会話を成立させるための回答候補として複数の選択肢(58B、58C)とを前記ユーザに提供する選択肢提供手順と、前記パラメータに異なる変化を生じさせる複数の効果の各効果と前記複数の選択肢の各選択肢とを関連付ける会話データ(TD)に基づいて、前記会話機会において選択された選択肢に関連付けられる効果としての対象効果を判別する効果判別手順と、前記今回の対戦パートに限定されるように前記複数のキャラクタの少なくとも一つのキャラクタ(51A)の前記パラメータに前記対象効果を付与する効果付与手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0101】
3 ゲーム機(ゲームシステム)
31 制御ユニット(コンピュータ)
33 ゲーム提供部(機会付与手段、選択肢提供手段、効果判別手段、効果付与手段)
51 キャラクタ
57 通知ポップアップ(選択機会)
58 選択ポップアップ(会話機会)
51A 味方キャラクタ画像(一部のキャラクタ、一つのキャラクタ)
58B 第1回答候補(選択肢)
58C 第2回答候補(選択肢)
TD 会話データ(セットデータ、リアクションデータ)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)