(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184083
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231221BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231221BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231221BHJP
【FI】
F21S2/00 432
F21S2/00 443
F21S2/00 444
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098005
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 浩史
(72)【発明者】
【氏名】利部 憲
(72)【発明者】
【氏名】雉嶋 裕明
(72)【発明者】
【氏名】小野田 憲
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA18
3K244BA20
3K244BA31
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244EA02
3K244EA10
3K244EA12
3K244EA22
3K244EA23
3K244GA01
3K244GA02
3K244KA07
3K244KA13
3K244LA02
(57)【要約】
【課題】 複数の導光板の連結部における線むらを抑制すること。
【解決手段】 一実施形態に係る照明装置は、第1導光板と、第2導光板と、複数の光源と、を備える。第1導光板は、第1主面と、第1主面に対向する第2主面と、第2導光板と連結される第1側面と、を有する。第2導光板は、第3主面と、第3主面に対向する第4主面と、第1導光板と連結される第2側面と、を有する。第1側面は、第1主面の端部から第2主面に向かって延び、かつ、第2側面から離れるように斜めに延びる第1連結面と、第1連結面の端部から第2主面の端部に向けて垂直に延びる第2連結面と、を含む。第2側面は、第3主面の端部から第4主面に向かって延び、かつ、第1側面から離れるように斜めに延びる第3連結面と、第3連結面の端部から第4主面の端部に向けて垂直に延びる第4連結面と、を含む、
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導光板と、
前記第1導光板と第1方向に沿って隣接して連結される第2導光板と、
前記第1導光板および前記第2導光板に光を出射する複数の光源と、を備え、
前記第1導光板は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記第2導光板と連結される第1側面と、を有し、
前記第2導光板は、第3主面と、前記第3主面に対向する第4主面と、前記第1導光板と連結される第2側面と、を有し、
前記第1側面は、前記第1主面の端部から前記第2主面に向かって延び、かつ、前記第2側面から離れるように斜めに延びる第1連結面と、前記第1連結面の端部から前記第2主面の端部に向けて垂直に延びる第2連結面と、を含み、
前記第2側面は、前記第3主面の端部から前記第4主面に向かって延び、かつ、前記第1側面から離れるように斜めに延びる第3連結面と、前記第3連結面の端部から前記第4主面の端部に向けて垂直に延びる第4連結面と、を含む、
照明装置。
【請求項2】
前記第1主面の端部は、前記第3主面の端部と接触し、
前記第2主面の端部は、前記第4主面の端部と接触しない、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1主面の端部は、平面視において、前記第2主面の端部と重畳せず、
前記第3主面の端部は、平面視において、前記第4主面の端部と重畳しない、
請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1連結面と、前記第1導光板および前記第2導光板の厚さ方向とがなす第1角度は、1°から5°のいずれかの値に設定され、
前記第3連結面と、前記厚さ方向とがなす第2角度は、1°から5°のいずれかの値に設定される、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1角度と前記第2角度とは同じ値に設定される、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1導光板は、第1上導光板と、前記第1上導光板の下に配置される第1下導光板と、を備え、
前記第2導光板は、第2上導光板と、前記第2上導光板の下に配置される第2下導光板と、を備え、
前記第1上導光板と前記第1下導光板とのそれぞれが、前記第1主面と、前記第2主面と、前記第1側面と、を有し、
前記第2上導光板と前記第2下導光板とのそれぞれが、前記第3主面と、前記第4主面と、前記第2側面と、を有する、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1上導光板と、前記第1下導光板と、前記第2上導光板と、前記第2下導光板とのそれぞれが前記厚さ方向に2.2mmの長さを有し、かつ、前記第1角度および前記第2角度が共に3°に設定された場合、
前記第2主面の端部から前記第1主面の端部までの前記第1方向に沿った長さと、前記第4主面の端部から前記第3主面の端部までの前記第1方向に沿った長さとは共に、0.023mmに設定される、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記複数の光源は、前記第1上導光板および前記第2上導光板に光を出射する第1光源と、前記第1下導光板および前記第2下導光板に光を出射する第2光源と、を含み、
前記第1光源は、前記第1上導光板の第3側面と、前記第2上導光板の第4側面とに光を出射し、
前記第2光源は、前記第1下導光板の側面であって前記第3側面の反対側に位置する第5側面と、前記第2下導光板の側面であって前記第4側面の反対側に位置する第6側面とに光を出射する、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第3側面は、前記第4側面と前記第1方向に沿って隣接し、
前記第5側面は、前記第6側面と前記第1方向に沿って隣接する、
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1連結面と、前記第2連結面と、前記第3連結面と、前記第4連結面とはそれぞれ、鏡面加工されている、
請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置等の表示装置は、画素を有する表示パネルと、表示パネルを照明するバックライト等の照明装置とを備えている。照明装置は、光を発する光源と、この光源からの光が照射される導光板とを備えている。
【0003】
近年、複数の導光板を連結し、これら複数の導光板が1つの導光板として機能する導光板を備えた大型の照明装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-17804号公報
【特許文献2】特開2019-158962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、複数の導光板の連結部における線むらを抑制することが可能な照明装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る照明装置は、第1導光板と、前記第1導光板と第1方向に沿って隣接して連結される第2導光板と、前記第1導光板および前記第2導光板に光を出射する複数の光源と、を備える。前記第1導光板は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、前記第2導光板と連結される第1側面と、を有する。前記第2導光板は、第3主面と、前記第3主面に対向する第4主面と、前記第1導光板と連結される第2側面と、を有する。前記第1側面は、前記第1主面の端部から前記第2主面に向かって延び、かつ、前記第2側面から離れるように斜めに延びる第1連結面と、前記第1連結面の端部から前記第2主面の端部に向けて垂直に延びる第2連結面と、を含む。前記第2側面は、前記第3主面の端部から前記第4主面に向かって延び、かつ、前記第1側面から離れるように斜めに延びる第3連結面と、前記第3連結面の端部から前記第4主面の端部に向けて垂直に延びる第4連結面と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る照明装置を備える表示装置の概略構成例を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、上導光板および下導光板と、第1光源と、第2光源との位置関係を説明するための分解斜視図である。
【
図3】
図3は、照明装置の概略構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、表示装置の概略構成例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、連結部の形状を説明するための断面図である。
【
図6】
図6は、比較例に係る照明装置における連結部の形状を説明するための断面図である。
【
図7】
図7は、比較例に係る照明装置における連結部に起因した線むらを説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る照明装置における連結部に起因した線むらを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
図1は、一実施形態に係る表示装置DSPの概略的な構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、方向X、方向Y、方向Zを定義する。方向X、方向Y、方向Zは互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。方向Xおよび方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、照明装置ILと、ICチップ1と、配線基板2とを備えている。
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2とを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAを有している。表示パネルPNLは、例えば表示領域DAにおいてマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0011】
ICチップ1および配線基板2は、表示パネルPNLからの信号を読み出す場合もあるが、主として表示パネルPNLに信号を供給する信号源として機能する。例えば図示したように、ICチップ1および配線基板2は、第1基板SUB1のうち第2基板SUB2から露出した部分に実装されている。なお、ICチップ1は配線基板2に実装されてもよい。配線基板2は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント基板である。
【0012】
照明装置ILは、表示パネルPNLを照明する。照明装置ILは、第1導光板LG1と、第2導光板LG2と、第3導光板LG3と、複数の第1光源LS1(
図2参照)と、複数の第2光源LS2とを備えている。第1導光板LG1、第2導光板LG2、第3導光板LG3は、方向Yに沿って並んでいる。
図1では、説明の都合上、第1導光板LG1、第2導光板LG2、第3導光板LG3が連結されていない様子を図示しているが、実際には、第1導光板LG1、第2導光板LG2、第3導光板LG3は連結されている。つまり、照明装置ILにおいては、第1導光板LG1、第2導光板LG2、第3導光板LG3が連結され、全体が1つの導光板として機能する。第1光源LS1と第2光源LS2とについては後述するため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0013】
第1導光板LG1、第2導光板LG2、第3導光板LG3はそれぞれ、上下に配置された2つの導光板を含んでいる。上下に配置された2つの導光板のうち、上側に位置する導光板を上導光板ULGと称し、下側に位置する導光板を下導光板LLGと称する。つまり、第1導光板LG1は上導光板ULG1と下導光板LLG1とを含み、第2導光板LG2は上導光板ULG2と下導光板LLG2とを含み、第3導光板LG3は上導光板ULG3と下導光板LLG3とを含んでいる。
【0014】
ここで、
図2を参照して、上導光板ULGおよび下導光板LLGと、第1光源LS1と、第2光源LS2との位置関係について説明する。
図2は、上導光板ULGおよび下導光板LLGと、第1光源LS1と、第2光源LS2との位置関係を説明するための分解斜視図である。
【0015】
図2に示すように、上導光板ULGは、X-Y平面と平行な第1主面MS1と、方向Zにおいて第1主面MS1の反対側に位置する第2主面MS2と、Y-Z平面と平行な第1側面SS1と、方向Xにおいて第1側面SS1の反対側に位置する第2側面SS2と、X-Z平面と平行な第3側面SS3と、方向Yおいて第3側面SS3の反対側に位置する第4側面SS4と、を有している。第1主面MS1は、
図1に示した表示パネルPNLと対向している。複数の第1光源LS1は、第2側面SS2と対向している。複数の第1光源LS1は、方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0016】
図2に示すように、下導光板LLGは、X-Y平面と平行な第3主面MS3と、方向Zにおいて第3主面MS3の反対側に位置する第4主面MS4と、Y-Z平面と平行な第5側面SS5と、方向Xにおいて第5側面SS5の反対側に位置する第6側面SS6と、X-Z平面と平行な第7側面SS7と、方向Yにおいて第7側面SS7の反対側に位置する第8側面SS8と、を有している。第3主面MS3は、上導光板ULGの第2主面MS2と対向している。複数の第2光源LS2は、第5側面SS5と対向している。複数の第2光源LS2は、方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0017】
上導光板ULGの第1側面SS1と、下導光板LLGの第5側面SS5とは、平面視において重畳している。上導光板ULGの第2側面SS2と、下導光板LLGの第6側面SS6とは、平面視において重畳している。上導光板ULGの第3側面SS3と、下導光板LLGの第7側面SS7とは、平面視において重畳している。上導光板ULGの第4側面SS4と、下導光板LLGの第8側面SS8とは、平面視において重畳している。
【0018】
第1光源LS1および第2光源LS2は、例えば偏光したレーザー光を放つ半導体レーザー等のレーザー光源である。なお、第1光源LS1および第2光源LS2は、レーザー光を放つものに限定されず、例えば発光ダイオードでもよい。
【0019】
第1光源LS1および第2光源LS2は、それぞれ異なる色の光を発する複数の発光素子を備えてもよい。例えば、第1光源LS1および第2光源LS2が、それぞれ赤色、緑色、青色の光を発する3つの発光素子を備えれば、これらの色の混合色(例えば白色)の光を得ることができる。
【0020】
図3は、照明装置ILの概略的な構成を示す平面図である。
図3に示すように、照明装置ILは、第1導光板LG1と、第2導光板LG2と、第3導光板LG3とを備えており、これら導光板LG1~LG3は方向Yに沿って並んでいる。第1導光板LG1と、第2導光板LG2と、第3導光板LG3とは、全体が1つの導光板LGとして機能する。
【0021】
第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS41と、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS32とは互いに接して連結されている。第1導光板LG1の下導光板LLG1の第8側面SS81と、第2導光板LG2の下導光板LLG2の第7側面SS72とは互いに接して連結されている。
【0022】
第2導光板LG2の上導光板ULG2の第4側面SS42と、第3導光板LG3の上導光板LG3の第3側面SS33とは互いに接して連結されている。第2導光板LG2の下導光板LLG2の第8側面SS82と、第3導光板LG3の下導光板LLG3の第7側面SS73とは互いに接して連結されている。
【0023】
第1導光板LG1の上導光板ULG1の第3側面SS31と、第1導光板LG1の下導光板LLG1の第7側面SS71と、第3導光板LG3の上導光板ULG3の第4側面SS43と、第3導光板LG3の下導光板LLG3の第8側面SS83と、はY方向に直交する導光板LGの端面となる。
【0024】
照明装置ILは、第1領域A1と、第2領域A2と、第1領域A1と第2領域A2との境界BOと、を有している。第1領域A1の方向Xに沿った長さと、第2領域A2の方向Xに沿った長さとは、例えば同一である。第1導光板LG1の上導光板ULG1の第1側面SS11と、第1導光板LG1の下導光板LLG1の第5側面SS51とは第1領域A1に位置し、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第2側面SS21と、第1導光板LG1の下導光板LLG1の第6側面SS61とは第2領域A2に位置している。境界BOは、対向する第1導光板LG1の上導光板ULG1の第1側面SS11と第1導光板LG1の第2側面SS21との中間、および、対向する第1導光板LG1の下導光板LLGの第5側面SS51と第1導光板LG1の下導光板LLG1の第6側面SS61との中間に相当する。
【0025】
第2導光板LG2も同様に、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第1側面SS12と、第2導光板LG2の下導光板LLG2の第5側面SS52とは第1領域A1に位置し、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第2側面SS22と、第2導光板LG2の下導光板LLG2の第6側面SS62とは第2領域A2に位置している。
【0026】
第3導光板LG3も同様に、第3導光板LG3の上導光板ULG3の第1側面SS13と、第3導光板LG3の下導光板LLG3の第5側面SS53とは第1領域A1に位置し、第3導光板LG3の上導光板ULG3の第2側面SS23と、第3導光板LG3の下導光板LLG3の第6側面SS63とは第2領域A2に位置している。
【0027】
複数の第1光源LS1は、導光板LGに含まれる3つの上導光板ULG1~ULG3の第2側面SS2と対向し、方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。第1光源LS1は、第2側面SS2に向かって光を出射する。詳しくは後述するが、第1光源LS1から出射された光は、上導光板ULG内で全反射を繰り返しながら進行し、第1領域A1において全反射条件を外れて外部に取り出される。複数の第2光源LS2は、導光板LGに含まれる3つの下導光板LLG1~LLG3の第5側面SS5と対向し、方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。第2光源LS2は、第5側面SS5に向かって光を出射する。詳しくは後述するが、第2光源LS2から出射された光は、下導光板LLG内で全反射を繰り返しながら進行し、第2領域A2において全反射条件を外れて外部に取り出される。
【0028】
図4は、
図1に示した表示装置DSPの断面図である。
図4に示すように、表示パネルPNLは、さらに、液晶層LCと、シールSEと、偏光板PL1と、偏光板PL2とを備えている。
【0029】
液晶層LCおよびシールSEは、第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に位置している。シールSEは、第1基板SUB1と第2基板SUB2を接着するとともに、第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に液晶層LCを封入している。
【0030】
偏光板PL1は、第1基板SUB1の下面に接着されている。偏光板PL2は、第2基板SUB2の上面に接着されている。偏光板PL1の偏光軸と偏光板PL2の偏光軸とは、例えば互いに直交している。
【0031】
照明装置ILは、さらに、第1層L1と、第2層L2と、拡散シートDSと、プリズムシートPSと、反射シートRSとを備えている。なお、方向Zに重ねてプリズムシートPSが2つ設けられてもよい。
【0032】
拡散シートDSは、表示パネルPNLと上導光板ULGの間に位置している。拡散シートDSは、拡散シートDSに入射した光を拡散させて、光の輝度を均一化させるものである。プリズムシートPSは、拡散シートDSと上導光板ULGの間に位置している。プリズムシートPSは、例えば上導光板ULGの第1主面MS1から出射された光を方向Zに集光するものである。反射シートRSは、下導光板LLGの第4主面MS4に対向している。反射シートRSは、例えば下導光板LLG内から漏れた光を反射し、下導光板LLGに再度入射させるものである。
【0033】
第1層L1および第2層L2は、複数のプリズムを含む層である。第1層L1は、上導光板ULGの第2主面MS2に位置している。第1層L1は、第1領域A1から境界BOを越え、境界BOと第2側面SS2との間まで延出している。
【0034】
第1層L1は、端部E10と、端部E10の反対側の端部E11と、を有している。端部E10は、境界BOと第2側面SS2との間に位置し、境界BOに近接している。端部E11は、第1側面SS1に近接している。例えば、端部E10は、第1層L1に含まれる複数のプリズムのうち、第2側面SS2に最も近いプリズムの位置に相当する。例えば、端部E11は、第1層L1に含まれる複数のプリズムのうち、第1側面SS1に最も近いプリズムの位置に相当する。
【0035】
第2層L2は、第4主面MS4に位置している。第2層L2は、第2領域A2から境界BOを越え、境界BOと第5側面SS5との間まで延出している。第2層L2は、端部E20と、端部E20の反対側の端部E21と、を有している。端部E20は、境界BOと第5側面SS5との間に位置し、境界BOに近接している。端部E21は、第6側面SS6に近接している。例えば、端部E20は、第2層L2に含まれる複数のプリズムのうち、第5側面SS5に最も近いプリズムの位置に相当する。例えば、端部E21は、第2層L2に含まれる複数のプリズムのうち、第6側面SS6に最も近いプリズムの位置に相当する。
【0036】
第1層L1と第2層L2は、境界BOおよび境界BOの近傍において方向Zで重なっている。
【0037】
第1光源LS1は、第2側面SS2から離れている。第1光源LS1の出射方向DL1は、第2側面SS2の法線方向と交差する方向である。第2光源LS2は、第5側面SS5から離れている。第2光源LS2の出射方向DL2は、第5側面SS5の法線方向と交差する方向である。
【0038】
第1光源LS1から出射された光は、第2側面SS2で屈折し、上導光板ULGに入射する。上導光板ULGに入射した光のうち、第1主面MS1に向かって進行する光は、上導光板ULGと空気層との界面で反射される。上導光板ULGに入射した光のうち、第2主面MS2に向かって進行する光もまた、上導光板ULGと空気層との界面で反射される。このように、第1光源LS1から出射された光は、第2領域A2のうち第1層L1が設けられていない領域では、繰り返し反射されながら上導光板ULG内を進行する。
【0039】
上導光板ULG内を進行する光のうち、第1層L1に向かって進行する光は、第1層L1のプリズムで進行方向を変えられ、第1主面MS1の全反射条件を外れて第1主面MS1から出射する。第1主面MS1から出射された光は、プリズムシートPSおよび拡散シートDSを介して表示パネルPNLを照明する。
【0040】
同様に、第2光源LS2から出射された光は、第5側面SS5で屈折し、下導光板LLGに入射する。この光は、第1領域A1のうち第2層L2が設けられていない領域では、第3主面MS3および第4主面MS4で繰り返し反射されながら、下導光板LLG内を進行する。下導光板LLG内を進行する光のうち、第2層L2に向かって進行する光は、第2層L2のプリズムで進行方向を変えられ、第3主面MS3の全反射条件を外れて第3主面MS3から出射する。第3主面MS3から出射された光は、上導光板ULG、プリズムシートPSおよび拡散シートDSを介して、表示パネルPNLを照明する。
【0041】
表示パネルPNLは、第1領域A1においては、主に第1光源LS1からの光によって照明される。表示パネルPNLは、第2領域A2においては、主に第2光源LS2からの光によって照明される。
【0042】
次に、
図5を参照して、2つの導光板の側面が互いに接して連結されている部分の形状について説明する。以下では、2つの導光板の側面が互いに接して連結されている部分を連結部と称し、当該連結部における側面を連結面と称する。
【0043】
図5は、連結部の形状を説明するための図である。なお、
図5では、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS41と、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS32とが互いに接して連結されている連結部を一例に挙げたが、その他の連結部の形状も同様である。
【0044】
図5に示すように、連結部において、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS41は、第1主面MS11の端部E1から第2主面MS21に向かって延び、かつ、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS32から離れるように斜めに延びる斜辺S1を有した第1連結面と、当該斜辺S1の端部から第2主面MS21の端部E2に向かって垂直に延びる辺S2を有した第2連結面と、を含んでいる。つまり、端部E1と端部E2とは平面視において重畳しない。また、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS41は、斜辺S1と辺S2による段差を有し、断面図で斜辺S1と辺S2とが角度をもって配置されている。なお、第1連結面と、第2連結面とには、鏡面加工が施される。
【0045】
同様に、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS32は、第1主面MS12の端部E3から第2主面MS22に向かって延び、かつ、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS41から離れるように斜めに延びる斜辺S3を有した第3連結面と、当該斜辺S3の端部から第2主面MS22の端部E4に向かって垂直に延びる辺S4を有した第4連結面と、を含んでいる。つまり、端部E3と端部E4とは平面視において重畳しない。また、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS32は、斜辺S3と辺S4による段差を有し、断面図で斜辺S3と辺S4とが角度をもって配置されている。なお、第3連結面と、第4連結面とには、鏡面加工が施される。
【0046】
上導光板ULG1の斜辺S1と方向Zとがなす第1角度D1と、上導光板ULG2の斜辺S3と方向Zとがなす第2角度D2とは、同一である。また、上導光板ULG1の斜辺S1の長さと、上導光板ULG2の斜辺S3の長さとは同一であり、上導光板ULG1の辺S2の長さと、上導光板ULG2の辺S4の長さとは同一である。つまり、連結部において、上導光板ULG1およびULG2は左右対称な形状を有している。なお、第1角度D1および第2角度D2は、テーパ角度と称される場合がある。
【0047】
図5に示すように、連結部において、上導光板ULG1の第1主面MS11の端部E1と、上導光板ULG2の第1主面MS12の端部E3とは接触し、上導光板ULG1の第2主面MS21の端部E2と、上導光板ULG2の第2主面MS22の端部E4とは接触しない。詳細については後述するが、連結部をこのような形状にすることにより、どの方向から表示装置DSPが観察されたとしても、連結部を目立たなくすることができる。
【0048】
なお、第1角度D1および第2角度D2は、例えば、1°から5°のいずれかの角度に設定されることが望ましい。また、上導光板ULG1の第2主面MS21の端部E2から第1主面MS11の端部E1までの方向Yに沿った長さLY1と上導光板ULG1の板厚Tの関係は、(長さLY1/板厚T)×100が0.8から1.5の範囲に設定されることが望ましい。同様に、上導光板ULG2の第2主面MS22の端部E4から第1主面MS12の端部E3までの方向Yに沿った長さLY2と上導光板ULG2の板厚Tの関係は、(長さLY2/板厚T)×100が0.8から1.5の範囲に設定されることが望ましい。
【0049】
以下では、比較例を用いて、本実施形態に係る照明装置ILの効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係る照明装置ILが奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、比較例と本実施形態とで共通する効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
【0050】
図6は、比較例に係る照明装置に設けられる導光板の連結部を示す図である。
図6に示すように、比較例に係る構成は、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS4が上記した辺S2を有する第2連結面を含んでいない、かつ、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS3が上記した辺S4を有する第4連結面を含んでいない点で、本実施形態に係る構成と相違している。つまり、比較例に係る構成において、第1導光板LG1の上導光板ULG1の第4側面SS4は、第1主面MS1の端部E1から第2主面MS2の端部E2Aに向かって延びる斜辺S1Aを有した連結面のみを含み、第2導光板LG2の上導光板ULG2の第3側面SS3は、第1主面MS1の端部E3から第2主面MS2の端部E4Aに向かって延びる斜辺S3Aを有した連結面のみを含んでいる。なお、上導光板ULG1の斜辺S1Aと方向Zとがなす第1角度D1Aと、上導光板ULG2の斜辺S3Aと方向Zとがなす第2角度D2Aとは、テーパ角度と称されてもよい。
【0051】
図7は、比較例に係る照明装置を備える表示装置を観察した際に見える連結部の線むらを説明するための図である。
図7(a)は、比較例に係る照明装置を備える表示装置が正面方向から観察された際に連結部のどの部分が見えるかと、斜め方向から観察された際に連結部のどの部分が見えるかと、を説明するための図である。
図7(b)は、比較例に係る照明装置を備える表示装置を観察した際に光源側に見える連結部の線むらを説明するための図であり、
図7(c)は、比較例に係る照明装置を備える表示装置を観察した際に反光源側に見える連結部の線むらを説明するための図である。
図7(b)および
図7(c)に示すグラフの縦軸は線むらレベルを示し、横軸は上記したテーパ角度(つまり、第1角度D1Aと第2角度D2Aの値)を示している。線むらレベルは、その値が高いほど、線むらが見えやすいことを示しており、表示品位の観点によれば、当該線むらレベルは低い方が好ましい。
【0052】
図7(a)に示すように、観察者OBが正面方向から表示装置を観察した場合、当該観察者OBには、連結部の表面部分P1が見える。つまり、観察者OBには、連結部の表面部分P1が線むらとして認識される可能性がある。一方、観察者OBが斜め方向から表示装置を観察した場合、当該観察者OBには、連結部の底面部分P2が見える。つまり、観察者OBには、連結部の底面部分P2が線むらとして認識される可能性がある。
【0053】
比較例に係る構成において、第1導光板LG1と第2導光板LG2とは、テーパ角度が0°の場合を除いて、連結部の表面部分P1においては線接触している。また、比較例に係る構成において、第1導光板LG1と第2導光板LG2とは、連結部の底面部分P2においては接触していない。つまり、第1導光板LG1と第2導光板LG2との間には隙間が存在する。この隙間は、テーパ角度が大きくなるほど大きくなる。
【0054】
図7(b)において実線で示すように、光源側における連結部の表面部分P1の線むらレベルは、テーパ角度の値によらずほぼゼロであり、光源側においては、連結部の表面部分P1は観察者OBに線むらとして認識されない。一方、
図7(b)において破線で示すように、光源側における連結部の底面部分P2の線むらレベルは、テーパ角度が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。つまり、第1導光板LG1と第2導光板LG2との間の隙間が大きくなるほど、当該隙間が観察者OBに線むらとして認識されてしまう。
【0055】
反光源側においては、連結部の表面部分P1が暗線・輝線として認識されてしまう可能性がある。
図7(c)において実線で示すように、暗線は第1導光板LG1と第2導光板LG2とが面接触している場合(つまり、テーパ角度が0°の場合)に認識されやすく、当該テーパ角度が大きくなるにつれて認識されなくなる。一方、
図7(c)において一点鎖線で示すように、輝線は第1導光板LG1と第2導光板LG2とが線接触している場合に認識されやすく、当該輝線の線むらレベルはテーパ角度が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。なお、
図7(c)において破線で示すように、反光源側における連結部の底面部分P2の線むらレベルは、光源側と同様に、テーパ角度が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。
【0056】
以上のように、比較例に係る構成において、光源側の各種線むらレベルと、反光源側の各種線むらレベルとを最小化するためには、テーパ角度をおよそ0.7°程度にする必要がある。これによれば、光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルをほとんどゼロにし、反光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルをおよそ0.35程度にすることができる。
【0057】
これに対し、本実施形態に係る構成によれば、光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルと、反光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルとをより低くすることが可能である。以下では、
図8を参照して、本実施形態に係る照明装置ILを備える表示装置DSPを観察した際に見える連結部の線むらについて説明する。
【0058】
図8(a)は、本実施形態に係る照明装置ILを備える表示装置DSPが正面方向から観察された際に連結部のどの部分が見えるかと、斜め方向から観察された際に連結部のどの部分が見えるかと、を説明するための図である。
図8(b)は、本実施形態に係る照明装置ILを備える表示装置DSPを観察した際に光源側に見える連結部の線むらを説明するための図であり、
図8(c)は、本実施形態に係る照明装置ILを備える表示装置DSPを観察した際に反光源側に見える連結部の線むらを説明するための図である。
【0059】
図8(a)に示すように、観察者OBが正面方向から表示装置DSPを観察した場合、当該観察者OBには、連結部の表面部分P1が見える。つまり、観察者OBには、連結部の表面部分P1が線むらとして認識される可能性がある。一方、観察者OBが斜め方向から表示装置を観察した場合、当該観察者OBには、連結部の底面部分P2が見える。つまり、観察者OBには、連結部の底面部分P2が線むらとして認識される可能性がある。
【0060】
なお、本実施形態に係る構成においては、連結部の底面部分P2における隙間は、比較例に係る構成とは異なり、テーパ角度によって決まるのではなく、
図5に示した長さLY1およびLY2によって決まる。このため、
図8(b)および
図8(c)に示すグラフでは、
図7に示したグラフとは異なり、横軸を長さLY1(長さLY2)としている。また、
図8(b)および
図8(c)では、テーパ角度(つまり、第1角度D1と第2角度D2の値)が共に3°であり、かつ、導光板の板厚(つまり、上導光板ULGと下導光板LLGの板厚T)が共に2.2mmである場合の線むらレベルを示している。
【0061】
図8(b)において実線で示すように、光源側における連結部の表面部分P1の線むらレベルは、長さLY1の値によらずほぼゼロであり、光源側においては、連結部の表面部分P1は観察者OBに線むらとして認識されない。一方、
図8(b)において破線で示すように、光源側における連結部の底面部分P2の線むらレベルは、長さLY1が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。つまり、第1導光板LG1と第2導光板LG2との間の隙間が大きくなるほど、当該隙間が観察者OBに線むらとして認識されてしまう。
【0062】
反光源側においては、
図8(c)において実線で示すように、暗線は、長さLY1が小さいほど観察者OBに認識されやすく、当該長さLY1が大きくなるにつれて認識されなくなる。一方、
図8(c)において一点鎖線で示すように、輝線は、長さLY1が大きいほど観察者OBに認識されやすく、当該長さLY1が小さくなるにつれて認識されなくなる。なお、
図8(c)において破線で示すように、反光源側における連結部の底面部分P2の線むらレベルは、光源側と同様に、長さLY1が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る構成において、光源側の各種線むらレベルと、反光源側の各種線むらレベルとを最小化するためには、長さLY1を0.023mmにする必要がある。これによれば、光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルをほとんどゼロにし、反光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルをおよそ0.1程度にすることができる。つまり、
図6および
図7に示した比較例に係る構成に比べて、反光源側における連結部の表面部分P1と連結部の底面部分P2との線むらレベルをより低くすることが可能である。換言すれば、比較例に係る構成に比べて、連結部を目立たなくすることが可能である。
【0064】
なお、本実施形態においては、上導光板ULGの連結部と、下導光板LLGの連結部とがそれぞれ
図5に示した形状を有する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、上導光板ULGの連結部と、下導光板LLGの連結部とが一体的に
図5に示した形状を有するとしてもよい。この場合においても、比較例に係る構成に比べて、連結部を目立たなくすることが可能である。
【0065】
以上説明した一実施形態によれば、複数の導光板LG1~LG3の連結部における線むらを抑制することが可能な照明装置ILを提供することが可能である。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
LG1…第1導光板、LG2…第2導光板、ULG1,ULG2…上導光板、MS1…第1主面、MS2…第2主面、SS3…第3側面、SS4…第4側面、S1,S3…斜辺、S2,S4…辺、D1…第1角度、D2…第2角度、LY1,LY2…長さ、T…板厚。