IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 黒田 陸男の特許一覧

特開2023-184085真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法
<>
  • 特開-真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法 図1
  • 特開-真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法 図2
  • 特開-真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法 図3
  • 特開-真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法 図4
  • 特開-真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184085
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A63B69/36 502D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098009
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】597061701
【氏名又は名称】黒田 陸男
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】黒田 陸男
(57)【要約】
【課題】「インサイド トゥ インサイド」のストローク動作を確認して習得することができる真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法を提供すること。
【解決手段】真円回転パットストローク確認・習得具10は、地面に設置される基部11と、パタークラブのヘッド又はシャフトと接続される把持部12と、一端側が把持部12と接続され、他端側が基部11と回動自在に接続されて、少なくともパタークラブのストローク中は基部11と把持部12とを一定の距離に維持する離隔部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に設置される基部と、
パタークラブのヘッド又はヘッド近傍と接続される把持部と、
一端側が前記把持部と接続され、他端側が前記基部と回動自在に接続されて、少なくとも前記パタークラブのストローク中は前記基部と前記把持部とを一定の距離に維持する離隔部と、
を備える真円回転パットストローク確認・習得具。
【請求項2】
前記離隔部が、前記基部と前記離隔部との距離を変更可能な調整部を備える請求項1に記載の真円回転パットストローク確認・習得具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の真円回転パットストローク確認・習得具の前記基部を地面に設置する準備ステップと、
前記パタークラブのヘッド又はシャフトと前記把持部とを接続する離隔ステップと、
を備える真円回転パットストローク確認・習得方法。
【請求項4】
前記パタークラブと前記把持部とを接続したときの前記パタークラブのフェース面の芯位置と前記基部に対する前記離隔部の回動中心との距離を第一距離、前記芯位置と前記パタークラブのストローク時の前記芯位置の軌道の曲率中心との距離を第二距離としたとき、前記第一距離と前記第二距離とが略同一となるように前記基部と前記把持部との距離を確認又は調整する確認又は調整ステップを備える請求項3に記載の真円回転パットストローク確認・習得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフの真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのパッティングのステージにおいてカップへ向かうボールの速度や軌跡は、グリーンの形状や性状に大きく依存する。よってプレイヤーは、グリーンの状態を予測しつつストローク方向を定め、カップまでの距離に応じた初速度でボールを打ち出す技量が必要とされている。
【0003】
ところで、パッティング時のテークバックからインパクト後のフォロースルーまでのストロークには、(1)テークバックからインパクトまでは円回転ストローク、インパクト後のフォロースルーはストレートストロークの「インサイド トゥ ストレート」、(2)テークバックからインパクト後のフォロースルーもストレートストロークの「ストレート トゥ ストレート」、(3)テークバックからインパクト後のフォロースルーも円回転ストロークの「インサイド トゥ インサイド」等がある。
【0004】
ボールからカップまでの方向とストローク方向とを一致させるには、「インサイド トゥ ストレート」や「ストレート トゥ ストレート」の方法が適切であるものと一般的に考えられている。そのためか、テークバックからフォロースルーまでをストレートにストロークする方法の各種練習具が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3171391号公報
【特許文献2】特開2021-058546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ストレートにストロークするには、人間の骨格や関節構造上、テークバックからインパクト、フォロースルーに至るまで身体をスウェーさせるか手首を捏ねる必要がある。そのため、身体の軸がぶれやすくなり、インパクト時にフェース面の中心でボールをヒットできず、ボールを所望の方向に打ち出すことができないという問題がある。一方、「インサイド トゥ インサイド」の場合、背骨関節の可動域内でストロークする分には軸ブレしない真円回転ストロークを実現することが可能である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、「インサイド トゥ インサイド」における真円回転ストローク動作を確認して習得することができる真円回転パットストローク確認・習得具及び確認・習得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る真円回転パットストローク確認・習得具は、地面に設置される基部と、パタークラブのヘッド又はヘッド近傍と接続される把持部と、一端側が前記把持部と接続され、他端側が前記基部と回動自在に接続されて、少なくとも前記パタークラブのストローク中は前記基部と前記把持部とを一定の距離に維持する離隔部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る真円回転パットストローク確認・習得具は、前記離隔部が、前記基部と前記離隔部との距離を変更可能な調整部を備える。
【0010】
また、本発明に係る真円回転パットストローク確認・習得方法は、本発明に係る真円回転パットストローク確認・習得具の前記基部を地面に設置する準備ステップと、前記パタークラブのヘッド又はシャフトと前記把持部とを接続する離隔ステップと、を備える。
【0011】
また、本発明に係る真円回転パットストローク確認・習得方法は、前記パタークラブと前記把持部とを接続したときの前記パタークラブのフェース面の芯位置と前記基部に対する前記離隔部の回動中心との距離を第一距離、前記芯位置と前記パタークラブのストローク時の前記芯位置の軌道の曲率中心との距離を第二距離としたとき、前記第一距離と前記第二距離とが略同一となるように前記基部と前記把持部との距離を確認又は調整する確認又は調整ステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、「インサイド トゥ インサイド」のストローク動作を確認して練習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具を示す平面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具を用いたパッティング軌跡確認・習得方法を示す説明図である。
図3】「インサイド トゥ インサイド」ストロークを示す図である。
図4】真円回転ストロークにおけるボールの打ち出し方向を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具10は、載置面11Aにて地面に配される基部11と、パタークラブGのヘッドH又はシャフトSと接続される把持部12と、一端側が把持部12と接続され、他端側が基部11と回動自在に接続されて、基部11と把持部12とを一定の距離に維持する離隔部13と、を備える。
【0015】
基部11は、後述する球部17と係合してボールジョイント15を形成するソケット部16を備える。ソケット部16の内面は球面状に形成されている。本実施形態ではソケット部16は基部11の内部に形成されているが、基部の外部に取り付けられていてもよい。
【0016】
把持部12は、パタークラブGのヘッドH又はシャフトSが挿入される溝12Aが配されている。この際、パタークラブGのヘッドH又はシャフトSとの接続に際しては、離隔部13とパタークラブGのシャフトSとによって形成される面を仮想面PLとしたとき、シャフトSとの接続位置Pを中心にシャフトSが仮想面PL上で回動可能に支持する。一方、シャフトSの軸線まわりの回転や軸線方向の移動等を規制する。なお、パタークラブGのヘッドH又はシャフトSとが前記のように接続されるのであれば、クリップ等で挟持する等、溝12A以外の構成であっても構わない。
【0017】
離隔部13は棒状に形成されており、基部11側の他端に球部17が配されている。球部17の外面とソケット部16の内面とは略同一の直径を有する球面とされ、互いの中心位置C1,C2が略同一の状態にて球部17が所定の範囲内で回動自在にソケット部16と嵌合されている。この回動自在範囲は、パタークラブGをストロークした際の腕などの関節の可動域内よりも大きな範囲が好ましく、例えば、載置面11Aに沿って少なくとも左右40度以上、載置面11Aから離間する方向に少なくとも30度以上の範囲が好ましい。
【0018】
離隔部13は、把持部12とパタークラブGとを接続した際、フェース面FPの芯位置CPと中心位置C1,C2との距離を第一距離L1、「インサイド トゥ インサイド」のストローク時の芯位置CPの軌道Tの曲率中心C3との距離を第二距離L2としたとき、第一距離L1と第二距離L2とが略同一となるよう形成されていることが好ましい。
【0019】
ここで、第一距離L1は真円回転パットストローク確認・習得具10からみた芯位置CPの軌道半径、第二距離L2はゴルフプレーヤーからみた芯位置CPの軌道半径となる。そのため、両者の長さが本来異なっていても、把持部12とパタークラブGとが接続されている場合には、両者は強制的に一致させられる。実際にプレーする際には真円回転パットストローク確認・習得具10を使用されることはないので、真円回転パットストロークを確認・習得するためには、第一距離L1と第二距離L2とが略同一となることが好ましい。
【0020】
なお、便宜上、接続位置Pと中心位置C1,C2との距離を第一距離、「インサイド トゥ インサイド」のストローク時の接続位置Pの軌道の曲率中心C3との距離を第二距離としてもよい。
【0021】
次に、本実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具10による真円回転パットストローク確認・習得方法について、真円回転パットストローク確認・習得具10の作用効果とともに説明する。
【0022】
まず、準備ステップ(S01)では、基部11の載置面11Aを地面に設置してストローク時に基部11が移動しないように地面に固定する。
【0023】
離隔ステップ(S02)では、パタークラブGと把持部12とを接続位置Pにて接続する。この際、ヘッドHのフェース面FPと仮想面PLとが同一又は平行となるようにする。ここで、ヘッドHのネック形状やシャフトSの形状によっては両者を接続するのにより好適な別の場所でも構わない。
【0024】
この状態でパットストロークを行う。この際、中心位置C1,C2と曲率中心C3とを結ぶ軸を仮想回転軸CT、テークバック幅を角度θ1、フォロースルー幅を角度θ2としたとき、仮想回転軸CT回りに、角度θ1及びθ2がそれぞれ少なくとも左右35度以内、ヘッドHが地面に対して離間する方向に少なくとも25度以内の範囲に渡り第一距離L1と第二距離L2とが略同一に維持される。すなわち、この間のストロークは「インサイド トゥ インサイド」となり、芯位置CPの軌道Tは真円軌道となる。
【0025】
ここで、ヘッドHのインパクト後のボールはストロークに関係なくインパクト時のフェース面FPの法線方向に打ち出される。本実施形態においては、ヘッドHのフェース面FPと仮想面PLとが同一平面となるように維持された状態でのストロークが可能である。そのため、ストローク中、軌道Tが円軌道で維持され、ボールBは軌道Tに対してインパクト点における接線TAN方向に打ち出される。よって、ボールBを打ち出したい方向と接線TAN方向とが一致したとき、当該方向に打ち出される。なお、図3では接線TAN方向とカップCの方向とが一致するよう記載されているが、グリーンの状況等に応じて必ずしも一致させる必要はない。
【0026】
この真円回転パットストローク確認・習得具10及びこれを用いた真円回転パットストローク確認・習得方法によれば、「インサイド トゥ インサイド」における真円回転ストローク動作を確認・習得することができる。また、このときのストローク動作を体得することによってパッティング技術の向上を図ることができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具20の離隔部21が、離隔部21の長さを変えることにより基部11と把持部12との距離を変更可能な調整部22を備えているとした点である。そして、本実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得方法が、さらに確認又は調整ステップ(S12)を備えるとした点である。
【0028】
次に、本実施形態に係る真円回転パットストローク確認・習得具20による真円回転パットストローク確認・習得方法について、真円回転パットストローク確認・習得具20の作用効果とともに説明する。
【0029】
まず、第1の実施形態と同様に準備ステップ(S01)では、基部11を地面に固定する。
【0030】
次に、確認又は調整ステップ(S12)では、第一距離L1と第二距離L2とを確認し、両者が異なる場合には両者が略同一となるように調整部22にて離隔部21の長さを変えて基部11と把持部12との距離を調整する。そして、離隔ステップ(S13)では、第1の実施形態における離隔ステップ(S02)と同様に、パタークラブGと把持部12とを接続する。その後は、第1の実施形態と同様にパットストロークを行う。
【0031】
この真円回転パットストローク確認・習得具20及びこれを用いた回転パットストローク確認・習得方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、調整部22によって第一距離L1と第二距離L2とをより好適にかつ容易に略同一とすることができる。
【0032】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、離隔部13の球部17と基部11のソケット部16とがボールジョイント15を形成して回動自在に接続されているとしているが、離隔部と基部とを回動自在に接続する構造であればこれに限定されない。
【0033】
また、離隔部13は直線状としているが、基部11と把持部12とを所定の距離に維持するのであれば、直線状に限らず、曲線状や屈曲状のものでも構わない。この場合、仮想面PLは、把持部12とパタークラブGとが接続されたときの接続位置P及び基部11とを結ぶ直線とパタークラブGのシャフトSとによって形成される。
【符号の説明】
【0034】
10,20 真円回転パットストローク確認・習得具
11 基部
12 把持部
13,21 離隔部
22 調整部
C1,C2 回動中心
C3 曲率中心
FP フェース面
G パタークラブ
H ヘッド
L1 第一距離
L2 第二距離
S シャフト
CP 芯位置
T 芯位置の軌道
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4