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特開2023-18409ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018409
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20230201BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122519
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健志
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA02
2H087MA16
2H087PA12
2H087PA19
2H087PB14
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087SA57
2H087SA61
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SA71
2H087SB04
2H087SB14
2H087SB23
2H087SB34
2H087SB43
(57)【要約】
【課題】ショートバックに対応し、広画角で広角領域でのフォーカスによる光学性能の変動を抑制するズームレンズを提供すること。
【解決手段】ズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、後続群は、フォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群を含み、フォーカスレンズ群は、正レンズと負レンズとを含み、正レンズと負レンズとの間の空気間隔、無限遠合焦時におけるフォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離、フォーカスレンズ群の焦点距離、広角端及び望遠端におけるズームレンズの焦点距離、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群の焦点距離を各々適切に設定すること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後続群は、フォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群を含み、
前記フォーカスレンズ群は、正レンズと負レンズとを含み、
前記正レンズと前記負レンズとの間の空気間隔をLfpn、無限遠合焦時における前記フォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面から前記フォーカスレンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTf、前記フォーカスレンズ群の焦点距離をff、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfw、望遠端における前記ズームレンズの焦点距離をft、前記フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群の焦点距離をfoとするとき、
0.50<Lfpn/Tf<0.75
-1.5<ff/√(fw×ft)<-0.7
-1.0<ff/fo<-0.5
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記フォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率をRfobj、前記フォーカスレンズ群の最も像側のレンズ面の曲率をRfimgとするとき、
-0.6<(Rfobj+Rfimg)/(Rfobj-Rfimg)<0.2
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記後続群の最も像側に配置された正レンズ群の焦点距離をfpとするとき、
-1.0<ff/fp<-0.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記正レンズのアッベ数をνfn、前記負レンズのアッベ数をνfpとするとき、
0<|νfn-νfp|<15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記フォーカスレンズ群に含まれる少なくとも1面が非球面である正レンズは、周辺で正のパワーが弱まる形状を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記フォーカスレンズ群に含まれるレンズの平均屈折率をndfavとするとき、
1.50<ndfav<1.75
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記後続群の前記第2レンズ群の像側に隣接して配置されたレンズ群の少なくとも一部は、被写体像の像面移動を補正する際に、前記ズームレンズの光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ移動することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
広角側での有効像円径は、望遠端での有効像円径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記第1レンズ群は、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の正メニスカスレンズからなることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記第2レンズ群は、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の正レンズからなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記後続群は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記第5レンズ群は、前記フォーカスレンズ群であることを特徴とする請求項11に記載のズームレンズ。
【請求項13】
前記第3レンズ群は、両側のレンズ面が凸形状の正レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズからなることを特徴とする請求項11又は12に記載のズームレンズ
【請求項14】
前記第4レンズ群は、像側のレンズ面が凸形状の正レンズ、及び物体側のレンズ面が凹形状の負メニスカスレンズと像側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズからなることを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項15】
前記第5レンズ群は、像側のレンズ面が凸形状の正メニスカスレンズ、及び両側のレンズ面が凹形状の負レンズからなることを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載のズームレンズ
【請求項16】
前記第6レンズ群は、像側のレンズ面が凸形状の正メニスレンズからなることを特徴とする請求項11乃至15の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか一項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
クイックリターンミラーがない、いわゆるミラーレスカメラに対応可能な小型かつ軽量のズームレンズが求められている。例えば、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群からなり、第2レンズ群を主変倍群とするズームレンズが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-109233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のズームレンズは、高倍率化と高画質化を実現しているが、広角側の画角は必ずしも十分ではない。
【0005】
また、近年、小型化のために、ズームレンズの諸収差のうち、主に広角領域にて歪曲収差を電気的に補正する撮像装置が提案されている。しかしながら、このような撮像装置では、フォーカシング時の収差変動として特に像面湾曲変動が大きくなってしまう。
【0006】
本発明は、ショートバックに対応し、広画角で広角領域でのフォーカスによる光学性能の変動を抑制するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、複数のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、後続群は、フォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群を含み、フォーカスレンズ群は、正レンズと負レンズとを含み、正レンズと負レンズとの間の空気間隔をLfpn、無限遠合焦時におけるフォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面からフォーカスレンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTf、フォーカスレンズ群の焦点距離をff、広角端におけるズームレンズの焦点距離をfw、望遠端におけるズームレンズの焦点距離をft、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群の焦点距離をfoとするとき、
0.50<Lfpn/Tf<0.75
-1.5<ff/√(fw×ft)<-0.7
-1.0<ff/fo<-0.5
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ショートバックに対応し、広画角で広角領域でのフォーカシングによる光学性能の変動を抑制するズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図2】(A),(B),(C)実施例1のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図3】実施例2のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図4】(A),(B),(C)実施例2のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図5】実施例3のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図6】(A),(B),(C)実施例3のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図7】実施例4のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図8】(A),(B),(C)実施例4のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図9】実施例5のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図10】(A),(B),(C)実施例5のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図11】実施例6のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図12】(A),(B),(C)実施例6のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図13】実施例7のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。
図14】(A),(B),(C)実施例7のズームレンズの広角端、中間、及び望遠端での収差図である。
図15】撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1,3,5,7,9,11,13はそれぞれ、実施例1乃至7のズームレンズの広角端でのレンズ断面図である。各実施例のズームレンズは、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いられる。
【0012】
各レンズ断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例のズームレンズは、複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書においてレンズ群とは、ズーミングに際して一体的に移動又は静止するレンズのまとまりである。すなわち、各実施例のズームレンズでは、ズーミングに際して隣接するレンズ群同士の間隔が変化する。なお、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから構成されていてもよい。また、レンズ群は開口絞りを含んでいてもよい。
【0013】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、複数のレンズ群を含む後続群からなる。
【0014】
SPは、開口絞りであり、後続群に含まれる第3レンズ群L3の物体側に配置され、ズーミングに際して第3レンズ群L3と一体的に移動する。IPは像面であり、各実施例のズームレンズをデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例のズームレンズを銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が配置される。GBは、ガラスブロックであり、ローパスフィルターやIRカットフィルターに相当する。
【0015】
各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、各レンズ群を実線矢印方向へ移動させる。広角端と望遠端は、ズーミングに際して移動するレンズ群が、機構上、光軸方向へ移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置である。
【0016】
図2(A),4(A),6(A),8(A),10(A),12(A),図14(A)はそれぞれ、実施例1乃至7のズームレンズの広角端での収差図である。図2(B),4(B),6(B),8(B),10(B),12(B),14(B)はそれぞれ、実施例1乃至7のズームレンズの中間での収差図である。図2(C),4(C),6(C),8(C),10(C),12(C),14(C)はそれぞれ、実施例1乃至7のズームレンズの望遠端での収差図である。
【0017】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてΔSはサジタル像面における非点収差量、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(度)である。
【0018】
次に、各実施例のズームレンズにおける特徴的な構成について述べる。
【0019】
収差論では、無限遠から至近へのフォーカシングの過程は、無限遠から至近に物体距離が移動する過程(物体距離移動)と、その物体距離にフォーカシングするためにフォーカスレンズ群が移動する過程(フォーカスレンズ群移動)とに分離することができる。収差論を用いると、物体距離移動時に像面湾曲変動が原理的に大きくなり、フォーカシング時の像面湾曲変動も大きくなる傾向にある。これは、歪曲収差に関する3次収差係数Vが大きいために、以下の式で表される非点収差に関する3次収差係数IIIの物体距離移動時の変動量も大きくなることから証明される(非特許文献1(松居吉哉、「レンズ設計法」、第4章)参照)。
【0020】
ここで、δは物体距離移動パラメータ、IIは瞳のコマ収差に関する3次収差係数、Iは瞳の球面収差に関する3次収差係数である。
【0021】
インナーフォーカスを採用したズームレンズは、フォーカスレンズ群の小型化と軽量化が容易になり、迅速にフォーカシングすることが容易になる。一般に撮像素子が大型化すると、ズームレンズは全ズーム範囲及び全物体距離で高い光学性能を有することが求められる。例えば、フォーカシングに際して収差変動が少ないこと、特に画面全体に高い光学性能を維持するため像面湾曲の変動が少ないことが求められる。
【0022】
一方、諸収差を電気的に補正する機能を有する撮像装置に用いられるズームレンズは、歪曲収差を許容されるため、広画角化を図りつつ全系の小型化が容易となる。しかしながら、このようなズームレンズでは、広角領域においてフォーカシングする際、像面湾曲変動が増大する。また、撮像素子の大型化に伴い、フォーカシング時の像面湾曲変動は増大する傾向にある。ズームレンズにおいて、所定の撮影画角を有しつつ、フォーカシングに際しての収差変動が少なく、画面全体にわたり高い光学性能を得るには、ズームタイプやレンズ構成等を適切に設定することが必要である。更に、フォーカスレンズ群に入射する軸外主光線を適切に設定することが必要である。
【0023】
各実施例のズームレンズでは、広角端においてフォーカスレンズ群における軸外主光線の入射角α及び高さhを大きくすることで、フォーカスレンズ群の移動時の像面湾曲の変動量
【0024】
を大きくしている。これにより、広角端において物体距離の移動時の像面湾曲変動をフォーカスレンズ群の移動時に補正することができる。なお、fはフォーカスレンズ群の焦点距離、Δhはフォーカスレンズ群の移動によるフォーカスレンズ群の軸上マージナル光線の入射高さの変動量である。像面湾曲変動を補正するためには、フォーカスレンズ群の焦点距離を適切に設定することが重要である。
【0025】
各実施例のズームレンズでは、後続群はフォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群を含み、フォーカスレンズ群は正レンズと負レンズとを含み、正レンズと負レンズとの間の空気間隔を広げている。これにより、フォーカスレンズ群内における軸上光線の光線高さhと軸外主光線の光線高さhの変化を大きくし、広角側の像面湾曲変動と望遠側の球面収差変動を抑制することができる。
【0026】
各実施例のズームレンズは、以下の条件式(1)乃至(3)を満足する。
【0027】
0.50<Lfpn/Tf<0.75 (1)
-1.5<ff/√(fw×ft)<-0.7 (2)
-1.0<ff/fo<-0.5 (3)
ここで、LFpnは、フォーカスレンズ群に含まれる正レンズと負レンズとの間の空気間隔である。Tfは、無限遠合焦時におけるフォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面からフォーカスレンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。ffは、フォーカスレンズ群の焦点距離である。fwは、広角端におけるズームレンズの焦点距離である。ftは、望遠端におけるズームレンズの焦点距離である。foは、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群の焦点距離である。
【0028】
条件式(1)は、フォーカスレンズ群に含まれる正レンズと負レンズとの間の空気間隔に関する条件式であり、特にフォーカシング時の球面収差変動やズームレンズの全長に関する条件式である。条件式(1)の下限値を下回ると、フォーカスレンズ群内のレンズ間隔が狭まり、軸上光線の光線高さの変化が小さくなるため、フォーカシング時の球面収差変動を抑制することが困難となる。条件式(1)の上限値を上回ると、フォーカスレンズ群内のレンズ間隔が広がり、フォーカシング時の球面収差変動を抑制する上で有利となるが、ズームレンズの全長が長くなるため好ましくない。
【0029】
条件式(2)は、フォーカスレンズ群のパワー配置に関する条件式であり、特に広角端のフォーカシング時の像面湾曲変動に関する条件式である。条件式(2)の下限値を下回ると、フォーカスレンズ群のパワーが弱まり、軸外主光線の入射角が小さくなるため、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑えることが困難となる。条件式(2)の上限値を上回ると、フォーカスレンズ群のパワーが強まり、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑える上で有利となるが、変倍時の射出瞳変化が大きくなるため好ましくない。
【0030】
条件式(3)は、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群のパワー配置に関する条件式であり、特に広角端のフォーカシング時の像面湾曲変動に関する条件式である。条件式(3)の下限値を下回ると、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群のパワーが強まり、軸外主光線の入射角が小さくなるため、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑えることが困難となる。条件式(3)の上限値を上回ると、フォーカスレンズ群の物体側に隣接して配置されたレンズ群のパワーが弱まり、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑える上で有利となるが、ズーム全域の球面収差及び軸上色収差を補正することが困難となる。
【0031】
上述した構成を有することで、ショートバックに対応し、広画角で広角領域でのフォーカシングによる光学性能の変動を抑制したズームレンズを実現することができる。
【0032】
なお、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1a)乃至(3a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0033】
0.50<Lfpn/Tf<0.73 (1a)
-1.40<ff/√(fw×ft)<-0.75 (2a)
-0.98<ff/fo<-0.55 (3a)
また、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1b)乃至(3b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0034】
0.52<Lfpn/Tf<0.70 (1b)
-1.3<ff/√(fw×ft)<-0.8 (2b)
-0.95<ff/fo<-0.60 (3b)
次に、各実施例のズームレンズにおいて、満足することが好ましい構成について述べる。
【0035】
フォーカスレンズ群に含まれる少なくとも1面が非球面である正レンズは、周辺で正のパワーが弱まる形状を有することが好ましい。これにより、ズーム時及びフォーカス時の像面湾曲変動を抑制することが可能となる。
【0036】
後続群の第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されたレンズ群の少なくとも一部は、被写体像の像面移動を補正する際に、ズームレンズの光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ移動することが好ましい。これにより、ズームレンズが振動した際の撮影画像のブレを補正することができる。
【0037】
次に、各実施例のズームレンズが満足することが好ましい条件について述べる。各実施例のズームレンズは、以下の条件式(4)乃至(7)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0038】
-0.6<(Rfobj+Rfimg)/(Rfobj-Rfimg)<0.2
(4)
-1.0<ff/fp<-0.5 (5)
0<|νfn-νfp|<15 (6)
1.50<ndfav<1.75 (7)
ここで、Rfobjは、フォーカスレンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率である。Rfimgは、フォーカスレンズ群の最も像側のレンズ面の曲率である。fpは、後続群の最も像側に配置された正レンズ群の焦点距離である。νfnは、正レンズのアッベ数である。νfpは、負レンズのアッベ数である。ndfavは、フォーカスレンズ群に含まれるレンズの平均屈折率である。
【0039】
条件式(4)は、フォーカスレンズ群の形状に関する条件式であり、特に広角側のフォーカシング時の像面湾曲変動に関する条件式である。条件式(4)の下限値を下回ると、フォーカスレンズ群の両凹形状が弱まり、軸外主光線の入射角が小さくなるため、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑えることが困難となる。条件式(4)の上限値を上回ると、フォーカスレンズ群の両凹形状が弱まり、軸外主光線の入射角が大きくなるため、フォーカシング時の像面湾曲変動を抑える上で有利となるが、球面収差を補正することが困難となる。
【0040】
条件式(5)は、後続群の最も像側に配置された正レンズ群のパワー配置に関する条件式であり、射出瞳やセンサに入射する光線に伴う色シェーディングに関する条件式である。条件式(5)の下限値を下回ると、後続群の最も像側に配置された正レンズ群のパワーが強まり、広角端から望遠端へのズーミングに際して射出瞳の変動が大きくなるため好ましくない。条件式(5)の上限値を上回ると、後続群の最も像側に配置された正レンズ群のパワーが弱まり、センサに入射する光線が大きくなり、色シェーディングの影響を受けやすくなるため好ましくない。
【0041】
条件式(6)は、フォーカスレンズ群に含まれるレンズの硝材に関する条件式で、特に倍率色収差の補正に関する条件式である。条件式(6)の下限値を下回ると、アッベ数の差が小さくなり、フォーカシング時の軸上色収差変動を抑えることが困難となる。条件式(6)の上限値を上回ると、アッベ数の差が大きくなり、フォーカシング時の倍率色収差変動を抑えることが困難となる。
【0042】
条件式(7)は、フォーカスレンズ群に含まれるレンズの硝材に関する条件式で、特に像面湾曲やフォーカス速度に関する条件式である。条件式(7)の下限値を下回ってフォーカスレンズ群に含まれるレンズの平均屈折率が小さくなると、像面湾曲を補正することが困難となる。条件式(7)の上限値を上回ってフォーカスレンズ群に含まれるレンズの平均屈折率が大きくなると、レンズ重量が重くなりフォーカス速度が遅くなるため好ましくない。
【0043】
なお、条件式(4)乃至(7)の数値範囲を以下の条件式(4a)乃至(7a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0044】
-0.58<(Rfobj+Rfimg)/(Rfobj-Rfimg)<0.20
(4a)
-0.98<ff/fp<-0.55 (5a)
3<|νfn-νfp|<15 (6a)
1.53<ndfav<1.73 (7a)
また、条件式(4)乃至(7)の数値範囲を以下の条件式(4b)乃至(7b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0045】
-0.55<(Rfobj+Rfimg)/(Rfobj-Rfimg)<0.18
(4b)
-0.95<ff/fp<-0.60 (5b)
5<|νfn-νfp|<15 (6b)
1.55<ndfav<1.70 (7b)
なお、各実施例のズームレンズでは、諸収差のうち歪曲収差を電気的な画像処理によって補正してもよい。特に広角側での有効像円径を望遠端での有効像円径よりも小さくし、歪曲収差の補正を行うことによって、前玉径の小型化に寄与する。
【0046】
次に、各実施例のズームレンズについて詳細に述べる。
【0047】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正、負、正の屈折力の第1レンズ群L1乃至第6レンズ群L6からなる。
【0048】
第1レンズ群L1は、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズと物体側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の正メニスカスレンズからなる。小型化のために、第1レンズ群L1の屈折力は適切な範囲で強められている。第1レンズ群L1の屈折力を強めると、第1レンズ群L1内で発生する諸収差、特に望遠端において球面収差と軸上色収差が多く発生する。そこで、第1レンズ群L1の正の屈折力を2枚の正レンズに分担させることで、球面収差の発生を抑えることができる。また、少なくとも1枚の正レンズに異常分散性のガラスを使用することで色収差を良好に補正することができる。
【0049】
第2レンズ群L2は、物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズ、両側のレンズ面が凹形状の負レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の正レンズからなる。変倍比を大きくするために、第2レンズ群L2の屈折力は適切な範囲で強められている。第2レンズ群L2の屈折力を強めると、第2レンズ群L2で発生する諸収差、特に歪曲収差と像面湾曲が多く発生する。そこで、第2レンズ群L2の負の屈折力を2枚の負レンズに分担させることで、像面収差の発生を低減することができる。また、歪曲収差を電気的な画像処理で補正できるように、第2レンズ群L2に含まれるレンズの形状を像面湾曲に適した形状としている。また、正レンズに高分散のガラスを使用することで、広角側の倍率色収差の発生を抑制することができる。このような構成により、変倍比を大きくしながらズームレンズの全長を短縮化することができる。
【0050】
第3レンズ群L3は、両側のレンズ面が凸形状の正レンズ、及び物体側のレンズ面が凸形状の負メニスカスレンズからなる。変倍比を大きくするために、第3レンズ群L3の屈折力は適切な範囲で強められている。第3レンズ群L3の屈折力を強めると、第3レンズ群L3で発生する諸収差、特に広角側で球面収差とコマ収差が多く発生する。そこで、最も物体側に配置された正レンズを非球面レンズとすることで、球面収差を良好に補正することができる。更に、非球面レンズの像側に凹メニスカスレンズを配置することで、コマ収差を良好に補正することができる。
【0051】
第4レンズ群L4は、像側のレンズ面が凸形状の正レンズ、及び物体側のレンズ面が凹形状の負メニスカスレンズと像側のレンズ面が凸形状の正レンズとを接合した接合レンズからなる。変倍比を大きくするために、第4レンズ群L4の屈折力は適切な範囲で強められている。第4レンズ群L4の屈折力を強めると、第4レンズ群L4で発生する諸収差、特に軸上色収差とコマ収差が多く発生する。そこで、第4レンズ群L4の正の屈折力を複数の凸レンズに分担させることで、コマ収差の発生を抑制することができる。また、接合レンズを配置することで、軸上色収差の発生を抑制することができる。
【0052】
第5レンズ群L5は、像側のレンズ面が凸形状の正メニスカスレンズ、及び両側のレンズ面が凹形状の負レンズからなる。2枚のレンズを広い空気間隔を開けて配置することで、レンズを通過する光線の高さの差を利用して球面収差や像面湾曲を良好に補正することができる。
【0053】
第6レンズ群L6は、像側のレンズ面が凸形状の正メニスレンズからなる。少ないレンズ枚数で第6レンズ群L6を構成することで、薄型化と軽量化を図っている。また、像側のレンズ面を凸形状とすることで、像面湾曲の補正及び撮像素子に入射する光線角度を抑制することができると共に、ズーム全域の倍率色収差を補正することができる。
【0054】
実施例1,2のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2を像側に移動、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、及び第6レンズ群L6を物体側に移動させることで、変倍を行う。また、第5レンズ群L5を物体側に移動させることで、変倍に伴う像面変動を補正する。なお、第1レンズ群L1は、像側に凸軌跡で移動する。
【0055】
実施例3乃至7のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2を像側に移動、第3レンズ群L3及び第4レンズ群L4を物体側に移動させることで、変倍を行う。また、第5レンズ群L5を物体側に移動させることで、変倍に伴う像面変動を補正する。なお、第1レンズ群L1は、像側に凸軌跡で移動する。
【0056】
各実施例のズームレンズでは、第5レンズ群L5を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行うインナーフォーカス方式を採用している。第5レンズ群L5に関する実線の曲線5aと点線の曲線5bはそれぞれ、無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。このように第5レンズ群L5を物体側に移動させることで、第4レンズ群L4と第6レンズ群L6との間の空間の有効利用を図り、ズームレンズの全長を短縮化することができる。
【0057】
また、望遠端において無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第5レンズ群L5を矢印5cに沿って後方に繰り込むことで行われる。なお、第1レンズ群L1は、フォーカシングに際して不動であるが、収差補正上必要に応じて移動させてもよい。
【0058】
以下に、実施例1乃至7にそれぞれ対応する数値実施例1乃至7を示す。
【0059】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0060】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例のズームレンズが無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。「バックフォーカス」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0061】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各次数の非球面係数とするとき、
X=(h2/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)21/2 +A4×h4+A6×h6
+A8×h8+A10×h10+A12×h12
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0062】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd
1 134.550 1.80 1.85478 24.8
2 62.953 5.02 1.59282 68.6
3 776.481 0.51
4 39.552 4.77 1.69680 55.5
5 110.603 (可変)
6 223.304 1.10 1.88300 40.8
7 14.246 6.90
8 -57.459 0.90 1.59282 68.6
9 35.847 0.58
10 25.143 2.94 1.92286 20.9
11 90.877 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 15.687 4.20 1.58313 59.4
14* -79.843 0.12
15 14.954 1.00 1.76182 26.5
16 11.119 5.26
17 ∞ (可変)
18 -145.564 2.58 1.85150 40.8
19 -19.832 1.17
20 -12.074 0.80 1.72825 28.5
21 -254.898 4.20 1.59282 68.6
22 -13.704 (可変)
23* -52.279 2.56 1.53110 55.9
24* -25.829 5.44
25 -26.288 0.95 1.76385 48.5
26 56.459 (可変)
27 3041.338 5.32 1.74400 44.8
28 -29.857 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-4.39390e-001 A 4=-3.04886e-006 A 6=-1.29596e-007

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.41835e-005 A 6=-2.20215e-007

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.86695e-005 A 6= 5.53983e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.23781e-005 A 6= 4.72578e-007 A 8= 9.33407e-010

各種データ
ズーム比 4.40
広角 中間 望遠
焦点距離 15.45 18.61 68.00
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 36.92 33.71 11.36
レンズ全長 106.58 104.86 125.20
BF 10.68 11.17 12.16

d 5 1.43 3.31 30.10
d11 28.24 22.30 2.01
d17 1.50 1.10 1.50
d22 1.94 2.87 6.30
d26 3.68 5.00 14.03
d28 6.75 7.24 8.23

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 77.18 12.10
2 6 -17.53 12.42
3 12 31.76 11.58
4 18 41.28 8.74
5 23 -33.12 8.95
6 27 39.77 5.32

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 128.738 1.80 1.84666 23.9
2 66.961 4.62 1.59282 68.6
3 491.249 0.51
4 39.739 4.78 1.67790 55.3
5 108.458 (可変)
6 205.298 1.10 1.90043 37.4
7 14.389 6.90
8 -55.249 0.90 1.59282 68.6
9 33.417 0.49
10 25.005 3.49 1.92286 20.9
11 117.369 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 15.739 4.25 1.58313 59.4
14* -81.051 0.12
15 14.812 1.00 1.74000 28.3
16 11.039 5.26
17 ∞ (可変)
18 -176.449 2.59 1.85150 40.8
19 -20.038 1.17
20 -12.095 0.80 1.74077 27.8
21 -8496.543 4.41 1.59282 68.6
22 -13.615 (可変)
23* -54.079 2.54 1.53110 55.9
24* -26.237 5.69
25 -25.498 0.95 1.76385 48.5
26 61.877 (可変)
27 -664.070 5.09 1.74950 35.3
28 -29.117 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-4.39390e-001 A 4=-1.82961e-006 A 6=-1.33210e-007

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.46890e-005 A 6=-2.20510e-007

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 4.04472e-005 A 6= 6.32429e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 6.42979e-005 A 6= 5.39016e-007 A 8= 1.29733e-009

各種データ
ズーム比 4.40
広角 中間 望遠
焦点距離 15.45 18.52 68.00
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 36.92 33.84 11.36
レンズ全長 106.62 105.04 126.00
BF 10.68 10.91 12.39

d 5 1.46 3.24 30.85
d11 28.36 22.53 1.79
d17 1.50 1.50 1.50
d22 1.58 2.55 5.63
d26 3.59 4.85 14.40
d28 6.75 6.98 8.45

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 79.42 11.71
2 6 -17.86 12.88
3 12 31.61 11.63
4 18 41.88 8.96
5 23 -33.59 9.18
6 27 40.49 5.09

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 122.665 1.80 1.84666 23.9
2 62.814 5.30 1.59282 68.6
3 1294.672 0.51
4 41.709 4.79 1.67790 55.3
5 127.900 (可変)
6 275.378 1.10 1.90043 37.4
7 14.167 7.13
8 -46.783 0.90 1.59282 68.6
9 36.409 0.30
10 25.512 3.24 1.92286 20.9
11 160.751 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 15.032 4.36 1.58313 59.4
14* -81.818 0.12
15 15.816 1.00 1.85883 30.0
16 11.452 5.26
17 ∞ (可変)
18 -197.505 2.58 1.91082 35.3
19 -20.472 1.17
20 -12.108 0.80 1.76182 26.5
21 829.255 4.49 1.59282 68.6
22 -13.485 (可変)
23* -52.870 2.34 1.53110 55.9
24* -25.929 5.63
25 -26.649 0.95 1.76385 48.5
26 68.950 (可変)
27 -372.328 4.87 1.67270 32.1
28 -29.893 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-6.86297e-001 A 4= 3.95676e-006 A 6=-2.87862e-008

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.60319e-005 A 6=-1.31617e-007

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 6.83260e-005 A 6= 6.53637e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.93390e-005 A 6= 5.95344e-007 A 8= 1.48678e-009

各種データ
ズーム比 5.34
広角 中間 望遠
焦点距離 15.45 18.65 82.45
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 36.92 33.66 9.41
レンズ全長 108.02 106.58 128.62
BF 10.68 10.68 10.68

d 5 1.37 3.15 32.39
d11 29.35 23.56 1.50
d17 1.50 1.50 1.50
d22 1.81 2.63 3.27
d26 3.65 5.40 19.62
d28 6.75 6.75 6.75

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 74.20 12.41
2 6 -17.55 12.68
3 12 32.73 11.74
4 18 40.48 9.04
5 23 -36.64 8.93
6 27 48.04 4.87

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 128.562 1.80 1.84666 23.9
2 69.881 4.69 1.59282 68.6
3 371.291 0.51
4 43.230 4.41 1.67790 55.3
5 114.471 (可変)
6 119.585 1.10 1.90043 37.4
7 13.321 7.19
8 -41.783 0.90 1.59282 68.6
9 29.615 0.47
10 24.592 3.20 1.92286 20.9
11 143.448 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 14.795 4.53 1.58313 59.4
14* -68.026 0.12
15 14.737 1.00 1.96717 31.7
16 11.040 5.26
17 ∞ (可変)
18 686.021 2.84 1.83280 33.2
19 -19.824 1.17
20 -12.527 0.80 1.80639 22.9
21 -120.766 4.06 1.59282 68.6
22 -13.648 (可変)
23* -38.340 2.04 1.53110 55.9
24* -21.983 4.10
25 -36.369 0.95 1.74321 41.8
26 28.522 (可変)
27 -7925.364 6.24 1.70495 30.2
28 -24.652 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-8.67524e-001 A 4= 7.44516e-006 A 6=-7.40032e-008

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.35784e-005 A 6=-1.71153e-007

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.89613e-005 A 6= 4.86273e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.13317e-005 A 6= 4.68511e-007 A 8=-2.81576e-010

各種データ
ズーム比 4.71
広角 中間 望遠
焦点距離 13.40 16.58 63.10
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 40.91 36.84 12.22
レンズ全長 105.91 105.08 129.46
BF 11.16 11.16 11.16

d 5 1.35 3.57 32.68
d11 28.50 22.37 1.50
d17 1.50 1.50 1.50
d22 1.84 3.07 12.02
d26 3.17 5.02 12.22
d28 7.23 7.23 7.23

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 88.73 11.41
2 6 -15.96 12.87
3 12 30.94 11.91
4 18 36.87 8.86
5 23 -28.84 7.09
6 27 35.07 6.24

[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 123.193 1.80 1.92286 18.9
2 75.904 4.45 1.57099 50.8
3 358.271 0.51
4 43.537 4.60 1.69680 55.5
5 124.631 (可変)
6 153.453 1.10 1.90043 37.4
7 13.571 6.96
8 -43.112 0.90 1.59282 68.6
9 29.457 0.51
10 24.345 3.30 1.92286 20.9
11 143.033 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 15.304 4.34 1.58313 59.4
14* -89.081 0.12
15 15.445 1.00 1.80100 35.0
16 11.246 5.26
17 ∞ (可変)
18 -1122.158 2.88 1.87070 40.7
19 -19.068 1.17
20 -12.191 0.80 1.78472 25.7
21 -195.574 4.37 1.59282 68.6
22 -13.512 (可変)
23* -38.788 2.31 1.53110 55.9
24* -22.174 3.84
25 -41.221 0.95 1.79952 42.2
26 35.000 (可変)
27 -211.869 5.56 1.72151 29.2
28 -25.405 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-1.08007e+000 A 4= 2.29312e-005 A 6= 4.36460e-008

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.29321e-005 A 6=-7.86162e-008

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.71454e-006 A 6= 8.45857e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.84615e-005 A 6= 7.60401e-007 A 8= 7.38480e-010

各種データ
ズーム比 4.71

焦点距離 13.40 16.41 63.10
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 40.91 37.12 12.22
レンズ全長 106.63 104.96 129.26
BF 12.28 12.28 12.28

d 5 1.35 2.78 31.66
d11 28.54 22.29 1.50
d17 1.50 1.50 1.50
d22 2.01 3.12 10.20
d26 3.22 5.27 14.40
d28 8.35 8.35 8.35

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 84.56 11.36
2 6 -16.13 12.78
3 12 33.01 11.72
4 18 34.98 9.22
5 23 -32.56 7.10
6 27 39.51 5.56

[数値実施例6]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 121.973 1.80 1.84666 23.9
2 62.240 5.27 1.59282 68.6
3 2370.018 0.51
4 40.512 4.80 1.67790 55.3
5 116.602 (可変)
6 -4421.461 1.10 1.90043 37.4
7 14.963 5.98
8 -46.336 0.90 1.59282 68.6
9 42.247 0.30
10 26.906 3.07 1.92286 20.9
11 250.704 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 14.793 4.15 1.58313 59.4
14* -82.688 0.12
15 15.627 1.00 1.85026 32.3
16 11.273 5.26
17 ∞ (可変)
18 -166.576 2.46 1.91082 35.3
19 -21.613 1.17
20 -12.207 0.80 1.76182 26.5
21 -4122.514 4.40 1.59282 68.6
22 -13.470 (可変)
23* -54.960 1.98 1.53110 55.9
24* -27.894 6.00
25 -22.683 0.95 1.74400 44.8
26 163.409 (可変)
27 4121.176 4.85 1.74077 27.8
28 -36.742 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-1.02703e+000 A 4= 1.61231e-005 A 6=-2.00853e-008

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.17226e-005 A 6=-1.19856e-007

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.88762e-005 A 6= 5.70055e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 8.81635e-005 A 6= 5.49087e-007 A 8= 9.52094e-010

各種データ
ズーム比 4.90
広角 中間 望遠
焦点距離 18.00 21.06 88.20
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 32.82 30.52 8.80
レンズ全長 108.02 105.96 127.32
BF 11.42 11.42 11.42

d 5 2.30 3.74 33.20
d11 28.11 22.64 1.86
d17 1.50 1.50 1.50
d22 1.68 3.03 1.20
d26 5.15 5.77 20.28
d28 7.49 7.49 7.49

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 73.06 12.37
2 6 -18.56 11.35
3 12 32.41 11.53
4 18 44.34 8.83
5 23 -38.31 8.93
6 27 49.19 4.85

[数値実施例7]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 117.543 1.80 1.84666 23.9
2 61.553 5.83 1.59282 68.6
3 -59223.600 0.51
4 40.307 4.71 1.67790 55.3
5 108.687 (可変)
6 1997.558 1.10 1.90043 37.4
7 15.149 6.21
8 -43.585 0.90 1.59282 68.6
9 46.718 0.30
10 28.366 3.19 1.92286 20.9
11 351.325 (可変)
12(絞り) ∞ 1.00
13* 14.604 4.22 1.58313 59.4
14* -96.588 0.12
15 15.838 1.00 1.85026 32.3
16 11.215 5.26
17 ∞ (可変)
18 -229.646 2.44 1.91082 35.3
19 -22.941 1.17
20 -12.455 0.80 1.76182 26.5
21 -473.052 4.30 1.59282 68.6
22 -13.598 (可変)
23* -53.534 2.53 1.53110 55.9
24* -26.226 6.49
25 -23.985 0.95 1.74400 44.8
26 95.541 (可変)
27 320.518 4.75 1.74077 27.8
28 -42.406 (可変)
29 ∞ 1.10 1.51633 64.1
30 ∞ 3.20
像面 ∞

非球面データ
第13面
K =-1.16112e+000 A 4= 1.83685e-005 A 6= 9.36262e-009

第14面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.35276e-005 A 6=-6.47677e-008

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.25280e-005 A 6= 1.15149e-007

第24面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.07670e-005 A 6= 1.07050e-007 A 8= 1.12991e-010

各種データ
ズーム比 5.44
広角 中間 望遠
焦点距離 18.00 21.39 98.00
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 32.82 30.13 7.94
レンズ全長 110.12 108.22 129.98
BF 11.73 11.73 11.73

d 5 2.30 3.88 34.40
d11 29.50 23.68 1.50
d17 1.50 1.50 1.50
d22 1.47 2.58 -1.50
d26 4.06 5.28 22.78
d28 7.79 7.79 7.79

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長
1 1 72.30 12.85
2 6 -19.00 11.71
3 12 33.92 11.60
4 18 44.49 8.70
5 23 -38.21 9.97
6 27 50.84 4.75

各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
[撮像装置]
次に、各実施例のズームレンズを撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図15を用いて説明する。図15において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至7で説明した何れかのズームレンズによって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0065】
このように各実施例のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
[撮像システム]
なお、各実施例のズームレンズと、ズームレンズを制御する制御部とを含めた撮像システム(監視カメラシステム)を構成してもよい。この場合、制御部は、ズーミングやフォーカシング、像ブレ補正に際して各レンズ群が上述したように移動するようズームレンズを制御することができる。このとき、制御部がズームレンズと一体的に構成されている必要はなく、制御部をズームレンズとは別体として構成してもよい。例えば、ズームレンズの各レンズを駆動する駆動部に対して遠方に配置された制御部(制御装置)が、ズームレンズを制御するための制御信号(命令)を送る送信部を備える構成を採用してもよい。このような制御部によれば、ズームレンズを遠隔操作することができる。
【0066】
また、ズームレンズを遠隔操作するためのコントローラーやボタンなどの操作部を制御部に設けることで、ユーザーの操作部への入力に応じてズームレンズを制御する構成を採ってもよい。例えば、操作部として拡大ボタン及び縮小ボタンを設けてもよい。この場合、ユーザーが拡大ボタンを押したらズームレンズの倍率が大きくなり、ユーザーが縮小ボタンを押したらズームレンズの倍率が小さくなるように、制御部からズームレンズの駆動部に信号が送られるように構成すればよい。
【0067】
また、撮像システムは、ズームレンズのズームに関する情報(移動状態)を表示する液晶パネルなどの表示部を有していてもよい。ズームレンズのズームに関する情報とは、例えばズーム倍率(ズーム状態)や各レンズ群の移動量(移動状態)である。この場合、表示部に示されるズームレンズのズームに関する情報を見ながら、操作部を介してユーザーがズームレンズを遠隔操作することができる。このとき、例えばタッチパネルなどを採用することで表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15