(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184120
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】移動体制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20231221BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20231221BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B60W30/06
G01C21/34
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098080
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 瞬
(72)【発明者】
【氏名】岡 敬祐
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
2F129BB23
2F129BB24
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3D241BA21
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
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3D241DA52Z
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5H181AA01
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5H181CC04
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5H181CC14
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5H181FF32
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】後続移動体に配慮した移動体の制御を行うことを可能にする移動体制御装置を提供できる。
【解決手段】制御装置30は、自車両1の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部32aと、外界の認識データに基づき、自車両1に後続する後続車両2を検出する検出部32bと、自車両1の現在位置と、自車両1が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部32cと、自車両1を、探索された経路に沿って駐車位置まで移動させることが可能な制御部32dと、を備える。探索部32cは、自車両1が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続車両が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、制御部32dは、第2経路が探索された場合に、自車両1を第2経路に沿って駐車位置まで移動させる制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を制御する移動体制御装置であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出する検出部と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることが可能な制御部と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
移動体制御装置。
【請求項2】
移動体を制御する移動体制御装置であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出する検出部と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援可能な制御部と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
移動体制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の移動体制御装置であって、
前記第2経路は、前記駐車位置の周辺を周回させた後に前記駐車位置へ移動させる経路である、
移動体制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の移動体制御装置であって、
前記制御部は、さらに、前記外界の認識データに基づき検出された通路をあらわす情報を、前記通路情報として記憶部に記憶させ、
前記探索部は、前記記憶部に記憶された前記通路情報に基づき、前記経路を探索し、
前記制御部は、さらに、前記第2経路の探索が行われた結果、前記第2経路が探索されなかった場合には、前記移動体のユーザに対して、前記通路情報の収集を促す通知を行う、
移動体制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の移動体制御装置であって、
前記通知は、前記駐車位置の周辺を移動するように促す通知を含む、
移動体制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の移動体制御装置であって、
前記通知は、前記通路情報を収集することによるメリットを示す通知を含む、
移動体制御装置。
【請求項7】
移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行する、制御方法。
【請求項8】
移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行する、制御方法。
【請求項9】
移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させ、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させる、プログラム。
【請求項10】
移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供するための取り組みが活発化している。この実現に向けて、交通の安全性や利便性をより一層改善すべく、自動運転技術や運転支援技術に関する研究開発が進められている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、自車両を、切り返し操舵を伴って転向するように移動させる場合に、後続車両が存在すると判定すると、自車両における切り返し操舵を伴った転向の動作を制限し、後続車両を先に通過させるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、後続車両に配慮した自車両の制御を行う観点で改善の余地があった。例えば、自車両周辺の環境によっては、後続車両を通過させるためのスペースを確保できない場合もある。このような場合に、従来技術では、自車両における切り返し操舵を伴った転向の動作が優先され、後続車両は、自車両が切り返し操舵を伴った転向の動作を完了するのを待つことになる。
【0006】
本発明は、後続移動体に配慮した移動体の制御を行うことを可能にする移動体制御装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、
移動体を制御する移動体制御装置であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出する検出部と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることが可能な制御部と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、移動体制御装置である。
【0008】
第2発明は、
移動体を制御する移動体制御装置であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出する検出部と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援可能な制御部と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、移動体制御装置である。
【0009】
第3発明は、
移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行する、制御方法である。
【0010】
第4発明は、移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行する、制御方法である。
【0011】
第5発明は、
移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させ、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させる、プログラムである。
【0012】
第6発明は、
移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、後続移動体に配慮した移動体の制御を行うことを可能にする移動体制御装置、制御方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の車両1の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】自車両1が通常経路αに沿って駐車位置PSに移動する状況を例示する図である。
【
図3】自車両1が通常経路αに沿って駐車位置PSに移動しているときに、後続車両2が検出された状況を例示する図である。
【
図4】自車両1が周回経路βを探索している状況を例示する図である。
【
図5】自車両1が周回経路βを移動している状況を例示する図である。
【
図6】自車両1が周回経路βを移動し、駐車位置PSへ進入を開始した状況を例示する図である。
【
図7】通知制御による通知が行われた際のタッチパネル21の表示例を示す図である。
【
図8】通路情報の収集に関し、制御装置30が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】自動駐車に関し、制御装置30が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】駐車支援に関し、制御装置30が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の移動体制御装置、制御方法、及びプログラムの一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本発明における移動体を車両とした場合の一実施形態を説明する。なお、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の乗員であるユーザ(例えば運転者)から見た方向に従って記載する。また、以下では、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化することがある。
【0016】
[車両]
図1に示す本実施形態の車両1(以下、「自車両1」とも称する)は、駆動源と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪(いずれも不図示)と、を有する自動車である。例えば、車両1は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両1の駆動源は、電動機であってもよいし、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両1の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、双方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0017】
車両1は、ユーザが指定した目標位置へ自動操舵により移動可能に構成される。目標位置としては、所定の駐車位置(駐車スペース)が設定され得る。すなわち、車両1は、ユーザが指定した駐車位置に自動操舵により駐車可能に構成される。ユーザが指定した駐車位置に自動操舵により駐車することを、以下、「自動駐車」とも称する。
【0018】
また、車両1は、ユーザが指定した駐車位置への移動(すなわち駐車)を支援可能に構成されてもよい。ユーザが指定した駐車位置への移動を支援することを、以下、「駐車支援」とも称する。駐車支援は、例えば、車両1の現在位置から、駐車先となる駐車位置までの経路を車両1のユーザに案内することを含む。また、駐車支援は、車両1の現在位置から、駐車先となる駐車位置までの経路から車両1が逸脱しないように、後述するステアリング46の操作を支援することを含んでもよい。
【0019】
図1に示すように、車両1は、センサ群10と、ナビゲーション装置20と、制御装置30と、EPSシステム(電動パワーステアリングシステム)40と、通信部50と、駆動力制御システム60と、制動力制御システム70と、を備える。制御装置30は、移動体制御装置の一例である。
【0020】
センサ群10は、車両1又は車両1の周辺に関する各種の検出値を取得する。センサ群10によって取得された検出値は、制御装置30へ送られ、制御装置30による車両1の制御に供される。センサ群10には、例えば、前方カメラ11aと、後方カメラ11bと、左側方カメラ11cと、右側方カメラ11dと、前方ソナー群12aと、後方ソナー群12bと、左側方ソナー群12cと、右側方ソナー群12dと、前方中央レーダ12eと、前方左コーナレーダ12fと、前方右コーナレーダ12gと、後方左コーナレーダ12hと、後方右コーナレーダ12iと、ライダ(LiDAR:Light Detection and Ranging)12jと、が含まれる。カメラ11a~11d、ソナー群12a~12d、レーダ12e~12i、及びライダ12jは、車両1の周辺を含む外界の情報を取得する外界センサとして機能し得る。
【0021】
前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dは、車両1の周辺を撮像することにより得られた周辺画像の画像データを制御装置30へ出力する。前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像とも称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像は側方画像とも称される。
【0022】
前方ソナー群12a、後方ソナー群12b、左側方ソナー群12c、及び右側方ソナー群12dは、車両1の周辺に音波を発射するとともに、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群12aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群12aを構成するソナーは、車両1の左斜め前方、前方左側、前方右側、及び右斜め前方にそれぞれ備えられている。後方ソナー群12bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群12bを構成するソナーは、車両1の左斜め後方、後方左側、後方右側、及び右斜め後方にそれぞれ備えられている。左側方ソナー群12cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群12cを構成するソナーは、車両1の左側部前方、及び左側部後方にそれぞれ備えられている。右側方ソナー群12dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群12dを構成するソナーは、車両1の右側部前方、及び右側部後方にそれぞれ備えられている。
【0023】
前方中央レーダ12e、前方左コーナレーダ12f、前方右コーナレーダ12g、後方左コーナレーダ12h、及び後方右コーナレーダ12iは、車両1の周辺にレーダ波を照射するとともに、他物体により反射されたレーダ波を受信する。より具体的には、前方中央レーダ12eは、車両1の前方略中央に備えられ、車両1の前方にレーダ波を照射し、車両1の前方に存在する物体により反射されたレーダ波を受信する。前方左コーナレーダ12fは、車両1の左斜め前方に備えられ、車両1の左斜め前方にレーダ波を照射し、車両1の左斜め前方に存在する物体により反射されたレーダ波を受信する。前方右コーナレーダ12gは、車両1の右斜め前方に備えられ、車両1の右斜め前方にレーダ波を照射し、車両1の右斜め前方に存在する物体により反射されたレーダ波を受信する。後方左コーナレーダ12hは、車両1の左斜め後方に備えられ、車両1の左斜め後方にレーダ波を照射し、車両1の左斜め後方に存在する物体により反射されたレーダ波を受信する。後方右コーナレーダ12iは、車両1の右斜め後方に備えられ、車両1の右斜め後方にレーダ波を照射し、車両1の右斜め後方に存在する物体により反射されたレーダ波を受信する。前方中央レーダ12e、前方左コーナレーダ12f、前方右コーナレーダ12g、後方左コーナレーダ12h、及び後方右コーナレーダ12iのレーダ波は、例えばミリ波とすることができるが、これに限られず、例えばマイクロ波であってもよい。
【0024】
ライダ12jは、車両1の周辺に所定のレーザ光を照射し、照射したレーザ光(照射光)に対する散乱光の検出に要する時間を計測することにより、物体(物標)の有無、及び他物体までの距離を検出する。ライダ12jによる物体(物標)の分布情報は、制御装置30へ送られる。
【0025】
さらに、センサ群10には、車輪センサ13a、13bと、車速センサ14と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)15と、操作検出部16と、が含まれる。車輪センサ13a、13bは、それぞれ、車両1が備える車輪(不図示)の回転角度を検出する。車輪センサ13a、13bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ13a、13bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを制御装置30へ出力する。車輪センサ13a、13bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられ得る。車輪の回転角度に基づいて、車両1の移動距離が算出され得る。車輪センサ13aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ13bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0026】
車速センサ14は、車両1(車体)の走行速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御装置30へ出力する。車速センサ14は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0027】
慣性計測装置15は、車両1におけるピッチ方向、ロール方向及びヨー方向の各角速度と、車両1における前後方向、左右方向及び上下方向の各加速度とを検出し、これらの検出結果を制御装置30へ出力する。なお、本実施形態では、慣性計測装置15を設けた例を説明するが、これに限られない。例えば、慣性計測装置15に代えて、単に、車両1における所定方向の加速度を検出する加速度センサ、あるいは車両1における所定方向の角速度を検出するジャイロセンサを設けるようにしてもよい。
【0028】
操作検出部16は、操作入力部80を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御装置30へ出力する。操作入力部80には、例えば、自動駐車の実行を指示する操作を受け付ける操作ボタンや、駐車支援の実行を指示する操作を受け付ける操作ボタン等が含まれ得る。
【0029】
ナビゲーション装置20は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて車両1の現在位置を検出するとともに、目的地までの経路をユーザに案内する。一例として、ナビゲーション装置20は、自動駐車又は駐車支援の際に、ユーザが指定した駐車位置までの経路をユーザに案内してもよい。また、ナビゲーション装置20は、例えば、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。地図情報データベースは、例えば、車両(例えば自車両1)が移動可能な道路(例えば公道)をあらわす道路情報を含む。
【0030】
ナビゲーション装置20には、タッチパネル21と、スピーカ22とが備えられている。タッチパネル21は、制御装置30に対する各種情報の入力を受け付ける入力装置、及び制御装置30によって制御される表示装置として機能する。すなわち、ユーザは、タッチパネル21を介して、制御装置30に対し、各種の指令を入力することが可能である。また、タッチパネル21には、各種の画面が表示される。一例として、ユーザが指定した駐車位置までの経路は、タッチパネル21の表示画面を介してユーザに案内されてもよい。
【0031】
スピーカ22は、ユーザに対して各種の案内情報を音声で報知する音声出力装置として機能する。一例として、自動駐車の際には、スピーカ22を介した音声案内が行われるようにしてもよい。具体的には、ユーザが指定した駐車位置への自動操舵による移動が開始される際に、車両1の移動が開始されることがスピーカ22を介した音声案内により行われるようにしてもよい。他の一例として、駐車支援の際には、スピーカ22を介した音声案内が行われるようにしてもよい。具体的には、ユーザが指定した駐車位置までの経路がスピーカ22を介した音声案内によりユーザに対して報知(通知)されるようにしてもよい。
【0032】
制御装置30は、車両1に搭載されるとともに、車両1に搭載された他機器と通信可能に接続され、当該他機器と通信することで車両1全体を統括制御する。制御装置30は、例えば、各種演算を行うプロセッサ、各種情報を記憶する非一過性の記憶媒体を有する記憶装置、制御装置30の内部と外部とのデータの入出力を制御する入出力装置等を備えるECUによって実現される。なお、制御装置30は、1つのECUによって実現されてもよいし、複数のECUによって実現されてもよい。
【0033】
制御装置30と接続される他機器(以下、単に「他機器」とも称する)としては、例えば、センサ群10に含まれる各構成要素、EPSシステム40のEPS ECU45、駆動力制御システム60の駆動ECU61、制動力制御システム70の制動ECU71等を挙げることができる。なお、EPS ECU45、駆動ECU61、及び制動ECU71については後述する。
【0034】
制御装置30と他機器とは、例えば、車両1内に配索された各種ワイヤーハーネスやケーブル、コネクタ等により構成される有線の通信網を介して接続される。また、制御装置30と他機器との通信には、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRay、CAN FD(CAN with Flexible Data Rate)等を採用することができる。
【0035】
EPSシステム40は、舵角センサ41と、トルクセンサ42と、EPSモータ43と、レゾルバ44と、EPS ECU(EPS電子制御装置)45と、を有する。舵角センサ41は、ステアリング46の舵角θstを検出する。トルクセンサ42は、ステアリング46に加わるトルクTQを検出する。
【0036】
EPSモータ43は、ステアリング46に連結されたステアリングコラム47に対して駆動力又は反力を付与することにより、運転者によるステアリング46の操作支援や自動駐車時の自動操舵を可能とする。レゾルバ44は、EPSモータ43の回転角度θmを検出する。EPS ECU45は、EPSシステム40の全体の制御を司る。EPS ECU45には、入出力部と、演算部と、記憶部とが備えられている(いずれも不図示)。
【0037】
通信部50は、制御装置30の制御に従って、車両1の外部に設けられた外部装置90との間で通信を行う通信インターフェイスである。すなわち、制御装置30は、通信部50を介して外部装置90との間で通信を行い得る。車両1と外部装置90との通信には、例えば、セルラー回線等の移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を採用することができる。外部装置90としては、例えば、ユーザが携帯するスマートフォンや、車両1の製造業者等が管理するサーバを挙げることができる。なお、このサーバは、クラウドコンピューティングにより実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、物理的に1つの装置として実現されるサーバであってもよい。
【0038】
駆動力制御システム60は、駆動ECU61を備えている。駆動力制御システム60は、車両1の駆動力制御を実行する。駆動ECU61は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作や制御装置30からの指示に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両1の駆動力を制御する。
【0039】
制動力制御システム70には、制動ECU71が備えられている。制動力制御システム70は、車両1の制動力制御を実行する。制動ECU71は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両1の制動力を制御する。
【0040】
[制御装置]
次に、制御装置30の一例について詳細に説明する。制御装置30は、入出力部31と、演算部32と、記憶部33と、を備える。入出力部31は、演算部32の制御に従って、制御装置30の内部と外部との間でデータの入出力を行うインターフェイスである。
【0041】
記憶部33は、演算部32がアクセス可能なフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含んで構成され、車両1の動作を制御するための各種情報(例えばデータやプログラム)を記憶する。また、記憶部33は、ユーザが指定した駐車位置を示す情報を記憶してもよい。さらに、記憶部33は、後述する通路情報を記憶してもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、後述するように、制御装置30(演算部32)が通路情報を記憶部33に適宜記憶させていくものとするが、これに限られない。例えば、通路情報は、車両1が日常的に駐車される駐車場の管理者によって用意され、所定のネットワークを介して制御装置30へ適宜配信されるようにしてもよい。また、通路情報は、記憶部33に代えて、制御装置30がアクセス可能なサーバ(例えば車両1が日常的に駐車される駐車場の管理者のサーバ)に記憶されていてもよい。この場合、制御装置30(演算部32)は、サーバに記憶された通路情報を適宜参照すればよい。また、通路情報は、例えば、道路情報の一部として、ナビゲーション装置20の地図情報データベースに含まれていてもよい。
【0043】
演算部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算を行うプロセッサにより構成され、記憶部33等に記憶されたプログラムを実行することによって車両1の各構成要素を制御する。これにより、前述した自動駐車や駐車支援が実現される。一例として、演算部32は、自動駐車の実行を指示する操作を、入出力部31等を介して受け付けると、自動駐車を実行する。他の一例として、演算部32は、駐車支援の実行を指示する操作を、入出力部31等を介して受け付けると、駐車支援を実行する。
【0044】
また、演算部32は、外界認識部32aと、検出部32bと、探索部32cと、制御部32dと、を備える。
【0045】
外界認識部32aは、自車両1の周辺を含む外界の認識データを取得する。外界の認識データは、例えば、カメラ11a~11dによって撮像された周辺画像の画像データを含む。より具体的には、外界の認識データは、例えば、カメラ11a~11d、ソナー群12a~12d、レーダ12e~12i、及びライダ12jといった2種類以上の外界センサにより得られた情報を統合的に処理(いわゆるセンサ・フュージョン)し、車両1の周辺に存在する物体(例えば他車両や通路境界)の画像、車両1と当該物体との間の距離、車両1と当該物体との相対位置等をあらわす情報を含むデータとすることができる。
【0046】
検出部32bは、外界認識部32aにより取得された外界の認識データに基づき、自車両1の周辺に存在する他車両を検出する。より具体的には、検出部32bは、自車両1に後続する他車両(以下、「後続車両」とも称する)を検出する。後続車両は、例えば、その進行方向(例えば前方)に自車両1が存在し、且つ自車両1との間の距離が所定距離(例えば20[m])以下の車両である。また、後続車両は、自車両1の経路の少なくとも一部を構成する通路を移動する車両であって、且つ当該通路を自車両1よりも時系列的に後に移動する(例えば当該通路を自車両1が移動した直後に移動する)車両であってもよい。
【0047】
また、本実施形態では、検出部32bは、外界の認識データに基づき、自車両1の周辺に存在する通路も検出する。ここで、通路は、例えば、所定の通路境界により区画された領域であって且つ車両(例えば自車両1)が移動可能な領域である。一例として、検出部32bは、カメラ11a~11dによって撮像された周辺画像を画像解析することにより、区画線(例えば白線や黄線)や柵等の所定の地物を通路境界として検出し、このような通路境界により区画された領域を通路として検出する。
【0048】
そして、制御部32dは、検出部32bにより検出された通路をあらわす情報を、通路情報として記憶部33に記憶させる。このようにして記憶部33に記憶された通路情報は、後述する探索部32cによる経路探索に供される。このように、本実施形態では、制御装置30は、外界の認識データに基づき、通路情報を自ら学習(換言すると蓄積)していくことができる。これにより、例えば、自車両1が日常的に駐車される駐車場(例えば後述する駐車場P)内の通路をあらわす通路情報がナビゲーション装置20の地図情報データベース等に含まれていなくても、制御装置30は、当該駐車場内の所定の駐車位置への自動駐車や駐車支援等を行うことが可能となる。
【0049】
探索部32cは、自車両1の現在位置と、記憶部33に記憶されている通路情報とに基づき、現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する。例えば、自動駐車又は駐車支援の際に、探索部32cは、まず、ユーザにより指定された駐車位置に到達するまでに移動する距離(移動距離)が最短となる経路を、通常使う経路(以下、「通常経路」とも称する)として探索する。通常経路は、第1経路の一例である。なお、通常経路は、移動距離が最短となる経路に限られず、ユーザにより指定された所定の条件を満たす経路(例えば所定の地点を経由する経路)等であってもよい。
【0050】
そして、制御部32dは、自動駐車の際には、探索部32cによって探索された経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させる制御を行う。一例として、制御部32dは、探索部32cによって探索された通常経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させる。また、制御部32dは、駐車支援の際には、探索部32cによって探索された経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させることを支援する制御を行う。一例として、制御部32dは、探索部32cによって探索された通常経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させることを支援する制御を行う。
【0051】
また、探索部32cは、自車両1が通常経路に沿って駐車位置まで移動されているときに検出部32bによって後続車両が検出されると、自車両1の現在位置と、記憶部33に記憶されている通路情報とに基づき、通常経路とは異なる他の経路を探索する。他の経路は、第2経路の一例である。本実施形態では、他の経路(すなわち第2経路)として、自車両1を駐車位置の周辺を周回させた後に駐車位置へ移動させる経路(以下、「周回経路」とも称する)を探索するものとする。これにより、周回経路として、通常経路と同じ駐車位置を目的地とした経路を探索することが可能となる。また、周回経路を、目的地となる駐車位置の周辺を周回する経路とすることで、周回経路に沿った移動に伴って自車両1が駐車位置から大きく離れてしまうことを抑制できる。よって、周回経路に沿った移動に伴う自車両1の移動距離の増加をできるだけ抑制しながら、後続車両に配慮した自車両1の制御を行うことが可能となる。
【0052】
そして、制御部32dは、自動駐車の際には、探索部32cによって周回経路が探索されると、探索された周回経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させる制御を行う。一例として、制御部32dは、探索部32cによって探索された周回経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させる。すなわち、この場合、制御部32dは、自車両1を駐車位置の周辺を周回させた後に駐車位置へ移動させる。
【0053】
また、制御部32dは、駐車支援の際には、探索部32cによって周回経路が探索されると、探索された周回経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させることを支援する制御を行う。一例として、制御部32dは、探索部32cによって探索された周回経路に沿って自車両1を駐車位置まで移動させることを支援する。すなわち、この場合、制御部32dは、自車両1を駐車位置の周辺を周回させた後に駐車位置へ移動させることを支援する。
【0054】
ところで、前述したように、本実施形態では、制御装置30は、外界の認識データに基づき、通路情報を自ら学習(換言すると蓄積)していく。このため、例えば、自車両1が十分に走行していない駐車場等では、通路情報が十分に蓄積されておらず、周回経路を探索できないといったことも起こり得る。
【0055】
そこで、本実施形態では、探索部32cによって周回経路の探索が行われた結果、周回経路が探索されなかった場合には、制御部32dは、自車両1のユーザに対して、通路情報の収集を促す通知を行う制御(以下、「通知制御」とも称する)を実行する。通知制御による通知の具体例については後述するため、ここでの説明は省略する。
【0056】
また、探索部32cによって周回経路の探索が行われた結果、周回経路が探索されなかった場合、例えば、制御部32dは、それまで実行していた自動駐車又は駐車支援をその時点で中止する。これにより、周回経路が探索されなかった場合には、ユーザによる完全な手動運転に切り換え、ユーザ自身によって適切な対応をとることを促すことができる。
【0057】
以下、自動駐車に関する自車両1の一動作例について説明する。なお、駐車支援に関する自車両1の動作例も、ここで説明する自動駐車に関する自車両1の動作例とほぼ同様になる。すなわち、駐車支援に関する自車両1の動作は、自車両1の駐車位置までの移動が自動操舵により行われる代わりに、当該移動がユーザによる手動運転により行われるとともに当該移動を支援する制御が制御装置30によって行われる点のみが、自動駐車に関する自車両1の動作とは異なる。よって、駐車支援に関する自車両1の詳細な動作例についての説明は省略する。
【0058】
[自動駐車に関する動作]
図2は、自動駐車の際の駐車場Pにおける自車両1の動作例を示す図である。
図2に示す駐車場Pは、例えば、複数の駐車位置(駐車スペース)を有するとともに、各駐車位置に駐車される車両があらかじめ決まっている駐車場である。この種の駐車場Pの例としては、いわゆる「月極駐車場」や、マンションやアパート等の集合住宅の住人用の駐車場を挙げることができる。また、駐車場Pは、
図2において縦方向に延びる3本の通路C1~C3と、
図2において横方向に延びる3本の通路L1~L3とを有する。
【0059】
図2には、自車両1が、自車両1の駐車位置である駐車位置PSに自動駐車する際に走行する通常経路(以下、「通常経路α」とも称する)が矢印αであらわされている。制御装置30は、例えば、自動駐車の実行を指示する操作を受け付けると、通常経路αを探索し、探索された通常経路αに沿って自車両1を駐車位置PSまで移動させる。
【0060】
図3には、自車両1が通常経路に沿って駐車位置まで移動されているときに、後続車両2が現れた状況が示されている。より具体的には、
図3に示す例では、自車両1が駐車位置PSの前に到達し、駐車位置PSに向かって後進して進入しようとしているときに、後続車両2が現れている。このような場合、制御装置30は、後続車両2を検出する。
【0061】
図4は、
図3に続く状況を示している。制御装置30は、後続車両2を検出すると、周回経路を探索する。ここで説明する例では、探索の結果、
図4中、矢印βで示す周回経路(以下、「周回経路β」とも称する)が探索されたものとする。周回経路βにて例示するように、周回経路は、例えば、駐車位置PSへ進入する際の移動を除き、後進移動を含まない経路であることが望ましい。すなわち、周回経路は、駐車位置PSへ進入する際の移動を除き、前進移動のみで移動可能な経路であることが望ましい。
【0062】
一般的に、自車両1等の車両は、車両後方を検出対象とするセンサよりも、車両前方を検出対象とするセンサを豊富に備えている。したがって、車両後方に対してよりも車両前方に対しての方が障害物等の物体を検出する検出性能が高い傾向がある。そこで、周回経路をできるだけ後進移動を含まないものとすることで、周回経路に沿って自車両1をより安全に移動させることが可能となる。
【0063】
図5は、
図4に続く状況を示している。制御装置30は、周回経路βが探索されると、周回経路βに沿って自車両1を移動させる。これにより、自車両1は、駐車位置PSの周辺を周回した後に駐車位置PSへ移動することになる。そして、後続車両2は、自車両1が周回経路βに沿って移動している間に、駐車位置PSの前を速やかに通過することができる。
【0064】
図6は、
図5に続く状況を示している。制御装置30は、自車両1を周回経路βに沿って駐車位置PSの前まで移動させた後、例えば、自車両1を駐車位置PSに向かって後進させることにより駐車位置PSに進入させ、駐車位置PSに駐車させる。これにより、自車両1の駐車位置PSへの駐車が完了する。
【0065】
以上に説明したように、制御装置30は、自車両1が通常経路αに沿って駐車位置PSまで移動されているときに後続車両2が検出されると、周回経路を探索する。そして、制御装置30は、周回経路を探索した結果、周回経路βが探索されると、探索された周回経路βに沿って自車両1を駐車位置PSまで移動させる。これにより、後続車両2が存在する場合には、自車両1が移動する経路を、後続車両2の経路と重なる通常経路αから、周回経路βへ変更でき、後続車両2に配慮した自車両1の移動制御を行うことが可能となる。
【0066】
また、制御装置30は、後続車両2が検出された場合であっても、周回経路β等の周回経路が探索された場合には、探索された周回経路に沿って自車両1を移動させ、駐車位置PSへの自動駐車を継続させる。これにより、自動駐車による駐車位置PSへの駐車を可能とする機会を増加させ、自車両1のユーザの利便性の向上を図れる。
【0067】
また、前述したように、制御装置30は、探索部32cによって周回経路の探索が行われた結果、周回経路が探索されなかった場合には、通知制御を行うことで、自車両1のユーザに対して、通路情報の収集を促す通知を行う。
【0068】
図7には、通知制御による通知が行われた際のタッチパネル21の表示例を示している。具体的に説明すると、
図7に示す例では、通路情報を収集することを促す通知として、「周回経路を見つけることができませんでした。駐車位置周辺を中心に駐車場内を走行して通路情報の収集にご協力ください。通路情報を収集すると、周回経路を自動で見つけ、後続車両がいても自動駐車を続行できるようになる可能性があります。」というメッセージMがタッチパネル21に表示されている。
【0069】
このように、制御装置30は、探索部32cによって周回経路の探索が行われた結果、周回経路が探索されなかった場合には、自車両1のユーザに対して、通路情報の収集を促す通知を行うことにより、記憶部33に記憶された通路情報の増加(換言すると蓄積)を促し、以降、記憶部33に記憶された通路情報に基づき周回経路を探索できる可能性を高めることができる。
【0070】
また、通路情報の収集を促す通知が、駐車位置PSの周辺を移動するように促す通知、例えば「周回経路を見つけることができませんでした。駐車位置周辺を中心に駐車場内を走行して通路情報の収集にご協力ください。」というメッセージM1の通知を含むため、周回経路の探索に必要な通路情報を効率よく収集することを支援できる。すなわち、この通知に促されたユーザの手動運転により、周回経路になりそうな又は周回経路に関連しそうな通路を自車両1が移動して、通路情報の収集が行われることにより、周回経路の探索に必要な通路情報を、ユーザの主観(経験)を活用して効率よく収集することができる。
【0071】
また、通路情報の収集を促す通知が、通路情報を収集することによるメリットを示す通知、例えば「通路情報を収集すると、周回経路を自動で見つけ、後続車両がいても自動駐車を続行できるようになる可能性があります。」というメッセージM2の通知を含むため、通路情報の収集に対するユーザの意欲を高め、通路情報の収集をより促すことが可能となる。
【0072】
[制御装置が実行する処理]
次に、制御装置30が実行する処理の一例について、
図8~
図10を参照しながら説明する。制御装置30は、例えば、前述した駐車場P等の所定の駐車場内に自車両1が進入したことを検出した場合に、
図8に示す一連の処理を実行する。
【0073】
図8に示すように、制御装置30は、まず、自車両1の周辺を含む外界の認識データを取得する(ステップS1)。次に、制御装置30は、通路検出処理を実行する(ステップS2)。通路検出処理は、例えば、ステップS1で取得された外界の認識データに基づき、所定の通路境界を検出し、当該通路境界により区画された領域を通路として検出する処理である。
【0074】
次に、制御装置30は、通路を検出できたか否かを判定する(ステップS3)。制御装置30は、通路を検出できたと判定したならば(ステップS3:Yes)、検出された通路をあらわす通路情報を記憶部33に記憶させ(ステップS4)、
図8に示す一連の処理を終了する。一方、制御装置30は、通路を検出できなかったと判定したならば(ステップS3:No)、そのまま
図8に示す一連の処理を終了する。
【0075】
また、制御装置30は、自動駐車に関し、
図9に示す一連の処理を実行する。例えば、制御装置30は、起動されることに伴って、
図9に示す一連の処理を実行する。
【0076】
図9に示すように、制御装置30は、まず、自動駐車の実行指示(例えば自動駐車の実行を指示する操作)があるまで待ち(ステップS11:Noのループ)、自動駐車の実行指示があったと判定すると(ステップS11:Yes)、自車両1の現在位置と、駐車先となる駐車位置(例えば前述した駐車位置PS)とに基づき、通常経路を探索する(ステップS12)。
【0077】
次に、制御装置30は、通常経路が探索できたか否かを判定する(ステップS13)。その結果、通常経路が探索できなかったと判定したならば(ステップS13:No)、制御装置30は、自動駐車が不可である旨の通知を実行する(ステップS14)。この通知は、例えば「自動駐車を実施することができません。」というメッセージをタッチパネル21に表示することにより実現される。
【0078】
一方、通常経路が探索できたと判定したならば(ステップS13:Yes)、制御装置30は、探索された通常経路に沿った自車両1の移動を開始する(ステップS15)。そして、制御装置30は、自車両1が駐車先となる駐車位置に到達したか否かを判定する(ステップS16)。制御装置30は、自車両1が駐車位置に到達したと判定したならば(ステップS16:Yes)、そのまま
図9に示す一連の処理を終了する。
【0079】
一方、制御装置30は、自車両1が駐車位置に到達していないと判定したならば(ステップS16:No)、外界の認識データを取得する(ステップS17)。そして、制御装置30は、取得した外界の認識データに基づいて、後続車両を検出したか否かを判定する(ステップS18)。
【0080】
制御装置30は、後続車両を検出していないと判定したならば(ステップS18:No)、ステップS16の処理に復帰する。一方、制御装置30は、後続車両を検出したと判定したならば(ステップS18:Yes)、自車両1の現在位置と、駐車先となる駐車位置とに基づき周回経路を探索する(ステップS19)。
【0081】
次に、制御装置30は、周回経路が探索できたか否かを判定する(ステップS20)。その結果、周回経路が探索できたと判定したならば(ステップS20:Yes)、制御装置30は、探索された周回経路に沿った自車両1の移動を開始する(ステップS21)。そして、制御装置30は、自車両1が駐車先となる駐車位置に到達するのを待ち(ステップS22:Noのループ)、自車両1が駐車位置に到達したと判定すると(ステップS22:Yes)、
図9に示す一連の処理を終了する。
【0082】
一方、周回経路が探索できなかったと判定したならば(ステップS20:No)、制御装置30は、通知制御により、通路情報の収集を促す通知を実行する(ステップS23)。そして、制御装置30は、自動駐車(ここでは探索された通常経路に沿った自車両1の移動)を中止して(ステップS24)、手動運転に切り換え、
図9に示す一連の処理を終了する。
【0083】
以上に説明したように、制御装置30は、自車両1が通常経路に沿って所定の駐車位置まで移動されているときに後続車両が検出されると、周回経路を探索する。そして、制御装置30は、周回経路を探索した結果、周回経路が探索されると、探索された周回経路に沿って自車両1を所定の駐車位置まで移動させる。これにより、後続車両が存在する場合には、自車両1が移動する経路を、後続車両の経路と重なる通常経路から、周回経路へ変更し、後続車両に配慮した自車両1の移動制御を行うことが可能となる。
【0084】
また、制御装置30は、駐車支援に関し、
図10に示す一連の処理を実行する。例えば、制御装置30は、起動されることに伴って、
図10に示す一連の処理を実行する。
【0085】
図10に示すように、制御装置30は、まず、駐車支援の実行指示(例えば駐車支援の実行を指示する操作)があるまで待ち(ステップS31:Noのループ)、駐車支援の実行指示があったと判定すると(ステップS31:Yes)、自車両1の現在位置と、駐車先となる駐車位置(例えば前述した駐車位置PS)とに基づき、通常経路を探索する(ステップS32)。
【0086】
次に、制御装置30は、通常経路が探索できたか否かを判定する(ステップS33)。その結果、通常経路が探索できなかったと判定したならば(ステップS33:No)、制御装置30は、駐車支援が不可である旨の通知を実行する(ステップS34)。この通知は、例えば「駐車支援を実施することができません。」というメッセージをタッチパネル21に表示することにより実現される。
【0087】
一方、通常経路が探索できたと判定したならば(ステップS33:Yes)、制御装置30は、探索された通常経路に沿った自車両1の移動の支援を開始する(ステップS35)。そして、制御装置30は、自車両1が駐車先となる駐車位置に到達したか否かを判定する(ステップS36)。制御装置30は、自車両1が駐車位置に到達したと判定したならば(ステップS36:Yes)、そのまま
図10に示す一連の処理を終了する。
【0088】
一方、制御装置30は、自車両1が駐車位置に到達していないと判定したならば(ステップS36:No)、外界の認識データを取得する(ステップS37)。そして、制御装置30は、取得した外界の認識データに基づいて、後続車両を検出したか否かを判定する(ステップS38)。
【0089】
制御装置30は、後続車両を検出していないと判定したならば(ステップS38:No)、ステップS36の処理に復帰する。一方、制御装置30は、後続車両を検出したと判定したならば(ステップS38:Yes)、自車両1の現在位置と、駐車先となる駐車位置とに基づき周回経路を探索する(ステップS39)。
【0090】
次に、制御装置30は、周回経路が探索できたか否かを判定する(ステップS40)。その結果、周回経路が探索できたと判定したならば(ステップS40:Yes)、制御装置30は、探索された周回経路に沿った自車両1の移動の支援を開始する(ステップS41)。そして、制御装置30は、自車両1が駐車先となる駐車位置に到達するのを待ち(ステップS42:Noのループ)、自車両1が駐車位置に到達したと判定すると(ステップS42:Yes)、
図10に示す一連の処理を終了する。
【0091】
一方、周回経路が探索できなかったと判定したならば(ステップS40:No)、制御装置30は、通知制御により、通路情報の収集を促す通知を実行する(ステップS43)。そして、制御装置30は、駐車支援(ここでは探索された通常経路に沿った自車両1の移動の支援)を中止して(ステップS44)、完全なユーザによる手動運転に切り換え、
図10に示す一連の処理を終了する。
【0092】
以上に説明したように、制御装置30は、自車両1が通常経路に沿って所定の駐車位置まで移動されているときに後続車両が検出されると、周回経路を探索する。そして、制御装置30は、周回経路を探索した結果、周回経路が探索されると、探索された周回経路に沿って自車両1を所定の駐車位置まで移動させることを支援する。これにより、後続車両が存在する場合には、自車両1が移動する経路を、後続車両の経路と重なる通常経路から、周回経路へ変更することを促し、後続車両に配慮した自車両1の制御を行うことが可能となる。
【0093】
なお、前述した実施形態で説明した制御装置30の制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータ(プロセッサ)で実行することにより実現できる。本プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。また、本プログラムを実行するコンピュータは、例えば、制御装置30に含まれるもの(例えば制御装置30が有するCPU)とすることができるが、これに限られず、制御装置30と通信可能な他装置(例えばサーバ)に含まれるものでもあってもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0095】
例えば、前述した実施形態では、タッチパネル21による表示により、自車両1のユーザに通路情報を収集することを促す通知を行うこととしたが、タッチパネル21による表示に代えて又は加えて、スピーカ22から所定の内容の音声を出力して、自車両1のユーザに対する通知を行うようにしてもよい。
【0096】
また、前述した実施形態では、探索部32cは、記憶部33に記憶された通路情報を用いて通常経路や周回経路の探索を行うようにしたが、これに限られない。例えば、ナビゲーション装置20の地図情報データベースに、自車両1が駐車される駐車場内の通路をあらわす通路情報が含まれているような場合には、探索部32cは、この通路情報を用いて通常経路や周回経路の探索を行うようにしてもよい。
【0097】
また、前述した実施形態では、本発明の移動体制御装置を車両1が備える制御装置30によって実現した例を説明したが、これに限られない。例えば、前述した制御装置30の一部又は全部の機能部は、制御装置30と通信可能なサーバによって実現されてもよい。すなわち、本発明の移動体制御装置は、車両1が備える制御装置30と通信可能なサーバ装置によって実現されてもよい。また、このサーバは、クラウドコンピューティングにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
【0098】
また、前述した実施形態では、本発明における移動体を、四輪の自動車である車両1とした例を説明したが、これに限られない。本発明における移動体は、二輪の自動車(いわゆる自動二輪車)であってもよいし、船舶又は航空機等であってもよい。
【0099】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、前述した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0100】
(1) 移動体(自車両1)を制御する移動体制御装置(制御装置30)であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部(外界認識部32a)と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体(後続車両2)を検出する検出部(検出部32b)と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置(駐車位置PS)までの経路を探索する探索部(探索部32c)と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることが可能な制御部(制御部32d)と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路(通常経路α)に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路(周回経路β)に沿って前記駐車位置まで移動させる、
移動体制御装置。
【0101】
(1)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることができる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動制御を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【0102】
(2) 移動体を制御する移動体制御装置であって、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得する外界認識部と、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出する検出部と、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索する探索部と、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援可能な制御部と、
を備え、
前記探索部は、前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記制御部は、前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
移動体制御装置。
【0103】
(2)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることを支援できる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動支援を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動支援を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【0104】
(3) (1)又は(2)に記載の移動体制御装置であって、
前記第2経路は、前記駐車位置の周辺を周回させた後に前記駐車位置へ移動させる経路である、
移動体制御装置。
【0105】
(3)によれば、第2経路が、駐車位置の周辺を周回させた後に駐車位置へ移動させる経路であるので、移動体の移動距離が増加するのをできるだけ抑制しながら、後続移動体に配慮した移動体の制御を行うことが可能となる。
【0106】
(4) (3)に記載の移動体制御装置であって、
前記制御部は、さらに、前記外界の認識データに基づき検出された通路をあらわす情報を、前記通路情報として記憶部に記憶させ、
前記探索部は、前記記憶部に記憶された前記通路情報に基づき、前記経路を探索し、
前記制御部は、さらに、前記第2経路の探索が行われた結果、前記第2経路が探索されなかった場合には、前記移動体のユーザに対して、前記通路情報の収集を促す通知を行う、
移動体制御装置。
【0107】
(4)によれば、第2経路の探索が行われた結果、第2経路が探索されなかった場合には、移動体のユーザに対して、通路情報の収集を促す通知を行うことができる。これにより、記憶部に記憶された通路情報の増加を促し、以降、記憶部に記憶された通路情報に基づき第2経路を探索できる可能性を高めることができる。
【0108】
(5) (4)に記載の移動体制御装置であって、
前記通知は、前記駐車位置の周辺を移動するように促す通知を含む、
移動体制御装置。
【0109】
(5)によれば、通路情報の収集を促す通知が、駐車位置の周辺を移動するように促す通知を含むため、第2経路の探索に必要な通路情報を効率よく収集することを支援できる。
【0110】
(6) (4)に記載の移動体制御装置であって、
前記通知は、前記通路情報を収集することによるメリットを示す通知を含む、
移動体制御装置。
【0111】
(6)によれば、通路情報の収集を促す通知が、通路情報を収集することによるメリットを示す通知を含むため、通路情報の収集に対するユーザの意欲を高め、通路情報の収集をより促すことが可能となる。
【0112】
(7) 移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行する、制御方法。
【0113】
(7)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることができる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動制御を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【0114】
(8) 移動体を制御するコンピュータが、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行する、制御方法。
【0115】
(8)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることを支援できる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動支援を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動支援を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【0116】
(9) 移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させ、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させる、
処理を実行させる、プログラム。
【0117】
(9)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることができる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動制御を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【0118】
(10) 移動体を制御するコンピュータに、
前記移動体の周辺を含む外界の認識データを取得し、
前記外界の認識データに基づき、前記移動体に後続する後続移動体を検出し、
前記移動体の現在位置と、前記移動体が移動可能な通路をあらわす通路情報とに基づき、前記現在位置から所定の駐車位置までの経路を探索し、
前記移動体を、探索された前記経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行し、
さらに、
前記移動体が第1経路に沿って前記駐車位置まで移動されているときに前記後続移動体が検出されると、前記第1経路とは異なる第2経路を探索し、
前記第2経路が探索された場合に、前記移動体を前記第2経路に沿って前記駐車位置まで移動させることを支援する、
処理を実行させる、プログラム。
【0119】
(10)によれば、移動体が第1経路に沿って駐車位置まで移動されているときに後続移動体が検出されると、第1経路とは異なる第2経路を探索し、当該第2経路に沿って移動体を駐車位置まで移動させることを支援できる。これにより、後続移動体が存在する場合には、移動体が移動する経路を、後続移動体の経路と重なり得る第1経路から、第2経路へ変更でき、後続移動体に配慮した移動体の移動支援を行うことが可能となる。また、後続移動体が検出された場合にも、駐車位置への移動体の移動支援を継続させることができ、移動体のユーザの利便性の向上を図れる。
【符号の説明】
【0120】
1 自車両(移動体)
2 後続車両(後続移動体)
30 制御装置(移動体制御装置)
32a 外界認識部
32b 検出部
32c 探索部
32d 制御部
PS 駐車位置
α 通常経路(第1経路)
β 周回経路(第2経路)