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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184127
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電動シャッター
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20231221BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098093
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 肇
(72)【発明者】
【氏名】小山内 真太郎
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CB01
2E042CB02
2E042DA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スラットの繰り出し、巻き戻し時におけるシャクリの発生を低減する。
【解決手段】電動シャッターは、押圧部材がないときの開閉力に比較して、シャクリが起きないまでに、スラットの開き方向時の開閉力および/または閉じ方向時の開閉力を増やした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラットとガイドレールと押圧部材を備え、スラットは、モーターで駆動される巻取り軸に取り付けられたばねにより巻き上げ方向に付勢されており、ガイドレールは、スラットの両端を呑み込み案内するものであり、スラットを閉じ方向または開き方向に動かすときに、ばねの力とスラットの重量の差に抗じる、開閉力が必要なものであり、押圧部材は、スラットの前面と当接する前押圧部材と後面と当接する後押圧部材があり、ガイドレールに取り付けられており、スラットを押圧して挟み付けるものであり、押圧により、押圧部材がないときの開閉力に比較して、シャクリが起きないまでに、スラットの開き方向時の開閉力および/または閉じ方向時の開閉力を増やした電動シャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動シャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
スラットの繰り出し、巻き戻しをモーターの駆動力により行われる電動シャッターが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電動シャッターは、スラットの繰り出し、巻き戻し時に、スラットが止まったり動いたりを繰り返す所謂シャクリが生じることがある。
このシャクリについては、モーターの回転軸の遊びによるガタやスラットとばねとのバランスが原因とされるが、シャクリの発生は、スラットの繰り出し、巻き戻し時の見た目も悪いし、騒音を伴うこともある。
このため、スラットの繰り出し、巻き戻し時におけるシャクリの発生を低減できる電動シャッターが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために請求項1記載による電動シャッターは、スラットとガイドレールと押圧部材を備え、スラットは、モーターで駆動される巻取り軸に取り付けられたばねにより巻き上げ方向に付勢されており、ガイドレールは、スラットの両端を呑み込み案内するものであり、スラットを閉じ方向または開き方向に動かすときに、ばねの力とスラットの重量の差に抗じる、開閉力が必要なものであり、押圧部材は、スラットの前面と当接する前押圧部材と後面と当接する後押圧部材があり、ガイドレールに取り付けられており、スラットを押圧して挟み付けるものであり、押圧により、押圧部材がないときの開閉力に比較して、シャクリが起きないまでに、スラットの開き方向時の開閉力および/または閉じ方向時の開閉力を増やした。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上の構成により、モーターの性能にかかわらず、スラットの繰り出し、巻き戻しをスムースに行うことができる電動シャッターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る第1実施形態の電動シャッターの縦断面図である。
図2】同、横断面である。
図3】(a)は、図1の要部拡大図、(b)は、図2の要部拡大図である。
図4】(a)は、図3(b)の要部拡大図、(b)は、変形例1の前モヘアおよび後モヘアを用いた場合の要部拡大図である。
図5】(c)は、変形例2の前モヘアおよび後モヘアを用いた場合の要部拡大図、(d)は、変形例3の前モヘアおよび後モヘアを用いた場合の要部拡大図である。
図6】シャクリ防止効果を説明する表である。
図7】本発明に係る第2実施形態の電動シャッターを示し、(a)は、要部縦断面図、(b)は、要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[発明者の発見]
シャクリはモーターのガタやスラットとばねとのバランスで発生するため、シャクリの上下動作はモーター、ばねがある巻取軸で発生する。
巻取軸で発生したシャクリの上下動作がスラットに伝わり、動作中のシャッターの先端座板にまで到達して座板が上下に動くとシャクリ現象として認識される。
今回の対策は、抵抗を大きくすることで、発生した上下動を先端まで伝わらなくし、シャクリを認識しにくくすることである。
前述の押圧部材の機能としては、開閉体の開閉時における騒音の抑制が挙げられる。従来、押圧部材は、ガイドレールとスラットが直接接触しないようにスラットと当接すればよい程度で取り付けられており、開閉抵抗に影響を与える程強くスラットに当接させることはなかった。
発明者は、押圧部材を開閉体のスラットに当接させて開閉体の開閉にある程度の抵抗を与えることで、シャクリが低減できることを発見した。
また、開閉体に対する抵抗が大きいと開閉体の開閉に支障が生じ、小さいとシャクリの発生を低減できないことも発見した。
そこで、発明者は、シャクリ発生を低減すべく押圧部材について、以下の通りの構成とし、電動シャッターに組み込んだ。
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の電動シャッターを説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
[電動シャッターの構成]
電動シャッター1は、図1および図2に示すように、躯体aの開口周りに取り付けられた枠体bの前方の左右に上下方向に沿ってガイドレール2が取り付けられており、ガイドレール2のガイド凹部20に複数のスラット3を上下方向に連結してなる開閉体4の左右両端が呑み込まれていて、この開閉体4がガイド凹部20に案内されてモーター駆動により上下動するものである。
ガイド凹部20の前後の内面には、開閉体4の上下動に抵抗を与えるための押圧部材としての前押圧部材8と後押圧部材9が設けられており、開閉体4のスラットに当接して押圧することで、開閉体4の上下動に抵抗を与えてシャクリ現象の発生を抑制している。
【0010】
開閉体4における最上部のスラット3の上端は、ガイドレール2の上端側に設けられた巻取り軸5に取り付けられており、モーター6で駆動される巻取り軸5の回転で、この巻取り軸5に開閉体4が巻き上げられて開動作し、巻取り軸5から開閉体4が繰り出されて閉動作する。
開閉体4は、巻取り軸5に取り付けられたばね7により巻き上げ方向に付勢されており、繰り出し時にばね7の付勢力によって、開閉体4とバランスをとって下降できるようにされている。
【0011】
巻取り軸5、モーター6、ばね7は、同軸で連結されており、巻取り軸5、モーター6、ばね7がシャッターボックスcで覆われていて開閉体4をシャッターボックスcの開口c1から繰り出すようにしている。
【0012】
[前押圧部材および後押圧部材の構成]
第1実施形態における前押圧部材8および後押圧部材9は、多数の繊維91を束ねてなるモヘアであり、以下の説明では、前押圧部材8を前モヘア8とし、後押圧部材9を後モヘア9とする。
図1図3に示すように、前モヘア8は、左右のガイドレール2におけるガイド凹部20の前側に形成された前支持凹部20aに支持され、後モヘア9は、左右のガイドレール2におけるガイド凹部20の後側に形成された後支持凹部20bに支持されている。
ここで、前支持凹部20aと後支持凹部20bは、図1図3に示すように、ガイド凹部20の長手方向(上下方向)と平行、かつ全域にわたって形成されている。
この前支持凹部20aと後支持凹部20bに、前モヘア8と後モヘア9の後述する繊維91を開閉体4に向けて後述する台座90を係合固定している。
前モヘア8と後モヘア9は、それぞれ前支持凹部20aと後支持凹部20bの上下方向全長にわたり配置されている。
このように支持された前モヘア8と後モヘア9は、それぞれ、繊維91が開閉体4におけるスラット3の前面30と後面31に当接しており、この当接により前面30と後面31を前モヘア8と後モヘア9とで挟んで押圧するようにされている。
すなわち、開閉体4におけるスラット3の前面30および後面31を挟んで押圧することにより、モヘアがないときの開閉体4の開閉力に比較して、シャクリが起きないまでに、開閉体4の開き方向時の開閉力および/または閉じ方向時の開閉力を増やすことができる。
【0013】
前モヘア8と後モヘア9は、同じ構成を有しており、すべて同じ素材の繊維91である。
本実施形態における前モヘア8および後モヘア9は、図4(a)に示すように、前述した台座90と、台座90に植え付けた多数の前述した繊維91を備えている。
繊維91は、可とう性を有する合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)製であり、上面視において略扇形を呈するように植え付けられている。
また、前モヘア8と後モヘア9は、繊維91がスラット3に対して所定のラップ代にて当接するようにされており、これによって、開閉体4におけるスラット3の前面30および後面31を挟んで押圧するようにしている。
ここで、ラップ代とは、前モヘア8と後モヘア9の繊維91が開閉体4におけるスラット3に対して重なり合う部分の長さである。
【0014】
変形例1の図4(b)に示す前モヘア8および後モヘア9は、台座90の中央部を除いて多数の繊維91を植え付けてあり、上面視において略扇形を呈するように植え付けられている。
そして、図4(a)と同様に、前モヘア8と後モヘア9は、繊維91がスラット3に対して所定のラップ代にて当接するようにされており、これによって、開閉体4におけるスラット3の前面30および後面31を挟んで押圧するようにしている。
【0015】
変形例2の図5(c)に示す前モヘア8および後モヘア9は、台座90と、台座90に植え付けた多数の繊維91と、台座90の中央部にフィルム材92を備えている。
繊維91は、上面視において略扇形を呈するように植え付けられている。
そして、図4(a)と同様に、前モヘア8と後モヘア9は、繊維91がスラット3に対して所定のラップ代にて当接するようにされており、これによって、開閉体4におけるスラット3の前面30および後面31を挟んで押圧するようにしている。
フィルム材92は、可とう性を有する合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)製のシートを複数重ねて折り曲げて構成されたものであり、繊維91よりも短くなるように調整されている。
フィルム材92の長さは、繊維91よりも短いものに限らず、繊維91と同じ長さでもよいし、繊維91よりも長いものでもよい。
フィルム材92は、開閉体4のスラット3に当接する繊維91の曲がりによるダメージを低減するものであると共に、開閉体4のスラット3に当接することで、ガイドレール2内の気密性を向上させるものである。
【0016】
変形例3の図5(d)に示す前モヘア8および後モヘア9は、すべての繊維91を前後方向に平行とし、台座90の中央部に前モヘア8および後モヘア9と同じ長さのフィルム材92を植え付けたものである。
そして、図4(a)と同様に、前モヘア8と後モヘア9は、繊維91がスラット3に対して所定のラップ代にて当接するようにされており、これによって、開閉体4におけるスラット3の前面30および後面31を挟んで押圧するようにしている。
【0017】
次に、図6を参照して本実施形態および変形例1~3の前モヘア8および後モヘア9を用いた電動シャッター1のシャクリ防止効果について検討する。
【0018】
シャクリ防止効果の実証は、図6に示すように、前モヘア8および後モヘア9について従来品、それぞれ前述した本実施形態(a)、変形例1(b)、変形例2(c)、変形例3(d)を用いて行った。
比較対象品として、図6に示すように、モヘアが無い電動シャッターの開閉力およびシャクリ低減効果を実測し、この開閉力と、モヘアを有する電動シャッターの従来品、(a)~(d)の開閉力との差およびシャクリ低減効果を実証した。
図中(a-1)は、(a)の前モヘア8および後モヘア9と同様に、可とう性を有する繊維を略扇形を呈するように植え付けたものであり、(a)に比べて繊維本数を少なくしてモヘア密度を低くしたものである。
【0019】
図6に示す結果から、従来の前モヘア8および後モヘア9を開閉体のスラットとの間にクリアランス(合計0.5mm)を確保した構成とした場合、開閉力の差が開き方向および閉じ方向において0.9kgであった。
そして、従来の構成では、開閉時にシャクリが発生しており、シャクリ防止効果がないことが認められた。
【0020】
[(a)の構成]
前モヘア8および後モヘア9を、繊維本数2300本/cm、モヘア長さ5.3mm、前モヘア8のラップ代1.4mm、後モヘア9のラップ代1.3mm(合計ラップ代2.7mm)とした構成とした場合、開閉力の差が開き方向および閉じ方向において3.6kgであった。
そして、(a)の構成は、開閉時にシャクリ防止効果について高い効果が認められた。
【0021】
[(a-1)の構成]
前モヘア8および後モヘア9を、モヘア長さ、前モヘア8・後モヘア9のラップ代、合計ラップ代を(a)と同じとし、繊維本数1600本/cmとした構成とした場合、開閉力の差が開き方向において1.8kg、閉じ方向において2.3kgであった。
そして、(a-1)の構成は、開閉時にシャクリ防止効果について効果が認められた。
【0022】
[(b)の構成]
前モヘア8および後モヘア9を、モヘア長さ、前モヘア8・後モヘア9のラップ代、合計ラップ代を(a)と同じとし、台座90の中央部を除いて繊維91を植え付けて、繊維本数1600本/cmとした構成とした場合、開閉力の差が開き方向において2.2kg、閉じ方向において2.8kgであった。
そして、(b)の構成は、開閉時にシャクリ防止効果について効果が認められた。
【0023】
[(c)の構成]
前モヘア8および後モヘア9を、モヘア長さ、前モヘア8・後モヘア9のラップ代、合計ラップ代を(a)と同じとし、フィルム材長さ3.7mm、繊維本数1600本/cmとした構成とした場合、開閉力の差が開き方向において3.8kg、閉じ方向において3.9kgであった。
そして、(c)の構成は、開閉時にシャクリ防止効果について高い効果が認められた。
【0024】
なお、図6には記載していないが、合計のラップ代が2.5mmでもシャクリ防止効果が認められており、0.2mm程度の差であればシャクリ防止効果に影響がないことが判った。
また、(a)~(c)の構成は、開閉体4の開閉動がスムースであり、前モヘア8および後モヘア9による押圧の影響がないと認められた。
【0025】
[(d)の構成]
前モヘア8および後モヘア9を、繊維本数1600本/cm、モヘア長さ7.2mm、フィルム材長さ7.2mm、前モヘア8のラップ代3.3mm、後モヘア9のラップ代3.2mm(合計ラップ代6.5mm)とした構成とした場合、開閉力の差が開き方向において10.6kg、閉じ方向において7.3kgであった。
そして、(d)の構成は、開閉時にシャクリ防止効果について非常に高い効果が認められた。
(d)の構成は、開閉体4の開閉動がスムースであり、前モヘア8および後モヘア9による押圧の影響がないと認められた。
【0026】
図6の結果から、(a)~(d)の前モヘア8および後モヘア9を図6に示す構成とした場合、開閉力の差が開き方向において1.8kg~10.6kg、閉じ方向において2.3kg~7.3kgの範囲で増やすことができ、この範囲でシャクリ防止に効果があることが認められた。
図6には記載していないが、開閉力について、モヘアがない構成と比較して3kg~12kg増やすことで、開閉体4のシャクリが発生せず、スムースに開閉できることが判った。
また、開閉力が1.0kgを下回るとシャクリの発生が低減できず、12kgを超えると開閉体の開閉動がスムースに行われないことが判った。
【0027】
すなわち、図4(a)(b)、図5(c)(d)に示す前モヘア8および後モヘア9は、次の(1)~(3)または(1)~(4)の条件の組み合わせにより、開閉力を増やして開閉体4のシャクリの発生を防止することができる。
前モヘア8と後モヘア9は、
(1) 前モヘア8と後モヘア9の繊維91のラップ代の合計を2.5mm~6.5mmにする。
(2)前モヘア8と後モヘア9の少なくとも一方の繊維91の長さを5mm以上にする。
(3)前モヘア8と後モヘア9の少なくとも一方の繊維91の密度を1600本/cm~2300本/cmにする。
(4) 前モヘア8と後モヘア9の少なくとも一方の中にフィルム材92を設ける。
【0028】
また、図6には記載していないが、図4(a)(b)、図5(c)(d)に示す前モヘア8および後モヘア9は、前述の(1)~(4)のいずれか一つの条件または少なくとも二つの条件により、開閉力を増やして開閉体4のシャクリの発生を防止できることが判った。
【0029】
したがって、前述の(1)~(4)の各条件のいずれか一つまたは少なくとも二つ以上の組み合わせによって、モーター6の性能にかかわらず、開閉体4におけるスラット3の繰り出し、巻き戻しをシャクリがなくスムースに行うことができる電動シャッター1を提供できる。
【0030】
図4(a)(b)、図5(c)(d)に示す前モヘア8と後モヘア9における(1)の繊維91のラップ代は、前モヘア8と後モヘア9の合計で2.5mm~6.5mm以上あればよく、前モヘア8と後モヘア9とで同じラップ代としてもよいし、異なるラップ代としてもよい。
また、(3)の繊維91の長さは、前モヘア8と後モヘア9のいずれか一方の繊維91が5mm以上あればよいが、他方の繊維91が5mm未満の場合、少なくとも開閉体4のスラット3に対して常に接触する長さとする。
また、繊維91とフィルム材92の長さの差は、繊維91とフィルム材92の長さにかかわらず、フィルム材92が開閉体4のスラット3に対して当接する差であればよい。
【0031】
次に、図7を参照して本発明に係る第2実施形態の電動シャッター10を説明する。
本形態における電動シャッター10は、第1実施形態における後モヘア9に換えて後押圧部材としての気密材9aを設けたものである。
気密材9aは、柔軟で変形から元の形状に戻る弾性を有する合成樹脂材を用いて所定の形状に形成されたものであり、第1実施形態における後モヘア9と同様の構成で後支持凹部20bに係合支持されている。
気密材9aは、開閉体4のスラット3の後面31に当接し、この当接により、前面30に当接する前モヘア8と後面31に当接する気密材9aとでスラットを挟んで押圧するようにされている。
すなわち、前モヘア8と気密材9aとで開閉体4におけるスラット3を前後から挟んで押圧することにより、モヘアがないときの開閉体4の開閉力に比較して、シャクリが起きないまでに、開閉体4の開き方向時の開閉力および/または閉じ方向時の開閉力を3kg~12kg増やすことができる。
これによって、図6に示すような開閉体4の開閉動におけるシャクリの防止をすることができ、その上、気密材9aが開閉体4のスラット3に当接することで、ガイドレール2内の気密性を向上させることができる。
【0032】
以上、本発明に係る実施形態の電動シャッター1、10を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0033】
また、前述の各実施形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1:電動シャッター
10:電動シャッター
2:ガイドレール
3:スラット
5:巻取り軸
6:モーター
7:ばね
8:前モヘア
9:後モヘア
9a:気密材
30:前面
31:後面
91:繊維
92:フィルム材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7