(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184162
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098146
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 直輝
(72)【発明者】
【氏名】廣重 陽
(72)【発明者】
【氏名】種田 敦
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA26
4C093CA15
4C093FA05
4C093FA13
4C093FA35
4C093FA42
4C093FA43
4C093FG04
(57)【要約】
【課題】複数の放射線画像に所定の処理をより効率的に実行することができる。
【解決手段】撮影制御装置11(制御装置)は、所定の条件を満たす複数の放所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部(制御部111)と、取得部により取得された複数の放射線画像に対し、所定の処理(後処理)を実行する処理部(制御部111)と、処理部により所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び所定の処理の実行の指示を受け付ける操作部(例えば、検査画面113a内のボタン)を表示する表示部113と、第1放射線画像に対する所定の処理を実行した後、第2放射線画像に所定の処理を実行する場合に、第1放射線画像に対して実行した所定の処理に応じて、第2放射線画像に対して所定の処理を実行するための操作部の表示態様を決定する表示制御部(制御部111)と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の放射線画像に対し、所定の処理を実行する処理部と、
前記処理部により前記所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理の実行の指示を受け付ける操作部を表示する表示部と、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理に応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、撮影対象が同一被検者であること、同一撮影日であること、同一撮影部位であること、及び同一ユーザーであることのうちの少なくともいずれかである請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して前記所定の処理を実行した際の前記操作部の表示態様を維持するよう決定する請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記操作部は、第1ボタン群と、前記第1ボタン群が押下された場合に前記表示制御部により表示される第2ボタン群と、を有し、
前記表示制御部は、前記第1放射線画像に対して前記所定の処理を実行した際に前記第2ボタン群を表示した場合、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行する際に前記第2ボタン群を表示するよう決定し、
前記表示態様は、前記第2ボタン群が表示された状態である請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、撮影状況に応じて、前記操作部の表示態様を決定する請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、ユーザー、検査の種類、画像の種類、及び依頼科のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記操作部の表示態様を決定する請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記所定の処理の実施状態に応じて、前記表示部における撮影オーダーの表示順序を決定する請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記複数の放射線画像は、複数のフレーム画像を含む請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項9】
所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理を実行するための操作部を表示する表示部を備える制御装置における制御方法であって、
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記複数の放射線画像に対し、前記所定の処理を実行する処理工程と、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御工程と、
を含む制御方法。
【請求項10】
所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理を実行するための操作部を表示する表示部を備える制御装置のコンピューターを、
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部、
前記取得部により取得された前記複数の放射線画像に対し、前記所定の処理を実行する処理部、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理に応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野では、放射線撮影システムにおいて撮影された画像が、臨床医が診易いように所定の処理を適用した上で出力する。そのため、撮影画像毎に所定の処理を行う必要があり、この所定の処理に対する作業を効率化することが望まれている。
例えば、特許文献1には、検査目的に応じて、予め設定した処理手順に従って、撮影された画像に所定の処理を実行することが記載されている。
また、特許文献2には、複数の撮影された画像(原画像)に対し、一方に実行した所定の処理を他方にも適用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-180605号公報
【特許文献2】特開2015-85189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、放射線撮影時には、ポジショニングから撮影、撮影後に画像確認と所定の処理の実行までの一連の撮影作業を要する。
放射線撮影を行う技師は、一日に多数の撮影作業を行う場合がある。また放射線撮影時において被検者の身体的な負担を下げるためにも被検者をなるべく早く解放することが好ましい。そのため、技師には、撮影作業を短時間で実行、完了することが求められる。
特許文献1、2の発明は、1枚の画像に対する所定の処理の実施負担を下げることは可能だが、1日あたりに多数の撮影作業を行う技師に対して、複数画像を対象とした作業の効率化、もしくは複数画像間における作業の効率化には寄与していない。
【0005】
本発明の課題は、複数の放射線画像に所定の処理をより効率的に実行することができる制御装置、制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の制御装置は、
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の放射線画像に対し、所定の処理を実行する処理部と、
前記処理部により前記所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理の実行の指示を受け付ける操作部を表示する表示部と、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理に応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御部と、
を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制御装置において、
前記所定の条件は、撮影対象が同一被検者であること、同一撮影日であること、同一撮影部位であること、及び同一ユーザーであることのうちの少なくともいずれかである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御装置において、
前記表示制御部は、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して前記所定の処理を実行した際の前記操作部の表示態様を維持するよう決定する。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の制御装置において、
前記操作部は、第1ボタン群と、前記第1ボタン群が押下された場合に前記表示制御部により表示される第2ボタン群と、を有し、
前記表示制御部は、前記第1放射線画像に対して前記所定の処理を実行した際に前記第2ボタン群を表示した場合、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行する際に前記第2ボタン群を表示するよう決定し、
前記表示態様は、前記第2ボタン群が表示された状態である。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御装置において、
前記表示制御部は、撮影状況に応じて、前記操作部の表示態様を決定する。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御装置において、
前記表示制御部は、ユーザー、検査の種類、画像の種類、及び依頼科のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記操作部の表示態様を決定する。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御装置において、
前記表示制御部は、前記所定の処理の実施状態に応じて、前記表示部における撮影オーダーの表示順序を決定する。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御装置において、
前記複数の放射線画像は、複数のフレーム画像を含む。
【0014】
また、請求項9に記載の制御方法は、
所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理を実行するための操作部を表示する表示部を備える制御装置における制御方法であって、
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記複数の放射線画像に対し、前記所定の処理を実行する処理工程と、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御工程と、
を含む。
【0015】
また、請求項10に記載のプログラムは、
所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び前記所定の処理を実行するための操作部を表示する表示部を備える制御装置のコンピューターを、
所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部、
前記取得部により取得された前記複数の放射線画像に対し、前記所定の処理を実行する処理部、
第1放射線画像に対する前記所定の処理を実行した後、第2放射線画像に前記所定の処理を実行する場合に、前記第1放射線画像に対して実行した前記所定の処理に応じて、前記第2放射線画像に対して前記所定の処理を実行するための前記操作部の表示態様を決定する表示制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、複数の放射線画像に所定の処理をより効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るX線撮影システムを示す図である。
【
図3】撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】撮影制御装置の検査画面の一例を示す図である。
【
図5】撮影制御装置の検査画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係るX線撮影システム1を示す図である。
X線撮影システム1は、X線発生装置20とX線撮影装置10との間で互いに信号等をやりとりして、両者を連携させながらX線(放射線)撮影(以下、撮影と表記)を行う一体型の撮影システムである。
【0020】
(X線撮影システムの構成)
図1に示すように、X線撮影システム1は、X線撮影装置10及びX線発生装置20を備える。
X線撮影システム1は、通信ネットワークを介して、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)31、病院情報システム(HIS:Hospital Information Systems)32、及び放射線科情報システム(RIS:Radiology Information Systems)33に接続される。
X線撮影システム1、PACS31、HIS32、及びRIS33を含む通信ネットワークにおいては、例えば、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に従って情報の送受信が行われる。
【0021】
X線撮影装置10は、制御装置としての撮影制御装置11、FPD(Flat Panel Display)12、撮影台13、及び中継器14等を備える。
X線撮影装置10は、例えば、胸部、腹部等の撮影対象部位(以下、撮影部位と表記)を透過したX線を可視化して、体内の状態を示すX線画像(以下、画像と表記)を撮影する。
【0022】
FPD12は、X線管装置25から照射され被検体を透過したX線を検出し、画像データを出力する撮像装置である。
FPD12は、例えば、撮影台13に装着され、有線通信によって撮影台13及び中継器14を介して撮影制御装置11と通信可能に接続される。
FPD12は、無線通信によって撮影制御装置11と接続されてもよい。FPD12が無線通信機能を有する場合、専用の撮影台13に装着するのではなく、FPD12を、被検体が仰臥するベッド上に置いたり、被検体自身に持たせたりして使用することもできる。
【0023】
FPD12は、例えば、入射したX線を光に変換するシンチレーター、画素に対応してマトリックス状に配置されたPD(Photo Diode)、及び各PDに対応して配置されたTFT(Thin Film Transistor)スイッチを有する(いずれも図示略)。
入射したX線はシンチレーターで光に変換され、PDに入射して画素ごとに電荷として蓄積される。PDに蓄積された電荷は、TFTスイッチ及び信号線を介して流れ出し、増幅、A/D変換されて画像データとして撮影制御装置11に出力される。
なお、FPD12は、上述した間接変換型であってもよいし、X線を直接電気信号に変換する直接変換型であってもよい。
【0024】
撮影台13は、FPD12のX線入射面がX線管装置25と対向する姿勢となるように、FPD12を着脱自在に保持する。
図1では、撮影台13として、被検体を立位姿勢で撮影する立位用撮影台を例示している。
撮影台13は、被検体を臥位姿勢で撮影する臥位用撮影台でもよい。
撮影台13は、例えば、有線通信によって中継器14を介して撮影制御装置11と通信可能に接続される。
【0025】
撮影制御装置11は、X線発生用制御装置21と連携してX線撮影システム1を制御する。撮影制御装置11は、例えば、FPD12に対して検出条件を送信し、設定する。検出条件は、撮影する画像サイズ、フレームレート(動態撮影の場合)、及びFPD12で実行される信号処理に関する情報(例えば、増幅器のゲイン等)を含む。撮影制御装置11は、FPD12の各動作を制御するとともに、FPD12から画像データを取得し、所定の画像処理を施して表示部113(
図2参照)に表示させる。
【0026】
なお、撮影制御装置11は、X線発生装置20の一部を構成してもよい。例えば、撮影制御装置11は、X線発生装置20のX線発生用コンソール22としての機能を有することができる(いわゆる一体型X線撮影システム)。
また、X線撮影システム1は、図示しない表示端末装置を有していてもよい。当該表示端末装置において、表示部113で表示する内容と同じもの、もしくは表示部113で表示する内容の一部を表示してもよいし、当該表示端末装置において、画像処理やX線発生用コンソール22の一部機能を使用可能としてもよい。
【0027】
X線発生装置20は、X線発生用制御装置21、X線発生用コンソール22、照射スイッチ23、高電圧発生装置24、及びX線管装置25を備える。
【0028】
X線管装置25は、被検体を挟んでFPD12と対向する位置に配置される。X線管装置25は、高電圧発生装置24によって高電圧が印加されることにより、X線を発生し、被検体に向けて照射する。X線管装置25は、X線の照射野を調整するX線可動絞りを含む。
【0029】
X線発生用コンソール22及び照射スイッチ23は、X線発生用制御装置21に信号ケーブルを介して接続される。
X線発生用コンソール22は、照射パラメーターの入力等を行うための操作卓である。照射スイッチ23は、X線の照射を指示するためのスイッチであり、例えば、二段階の自動復帰型押しボタンスイッチで構成される。照射スイッチ23において、一段階目の押下操作が行われると、X線管装置25のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号がX線発生用制御装置21に送信され、二段階目の押下操作が行われると、X線管装置25にX線の照射を開始させるための照射開始信号がX線発生用制御装置21に送信される。
【0030】
X線発生用制御装置21は、X線発生用コンソール22からの照射パラメーター(放射線照射パラメーター)及び照射スイッチ23からの制御信号(ウォームアップ開始信号及び照射開始信号)に基づいて、高電圧発生装置24及びX線管装置25の動作を制御する。
【0031】
照射パラメーターは、X線発生用コンソール22を通じて設定することもできるし、撮影制御装置11を利用して設定することもできる。
【0032】
図2は、撮影制御装置11の構成を示す図である。
図2に示すように、撮影制御装置11は、制御部111、記憶部112、表示部113、操作部114、及び通信部115等を備える。
【0033】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える(いずれも図示略)。
ROMには、基本プログラムや基本的な設定データが記憶される。
CPUは、ROM又は記憶部112から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムを実行することにより、FPD12等の動作を集中制御する。
【0034】
また、制御部111は、所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する。ここで、制御部111は取得部として機能する。
また、制御部111は、取得部により取得された複数の放射線画像に対し、後処理(所定の処理)を実行する。ここで、制御部111は処理部として機能する。
また、制御部111は、処理部により複数の放射線画像を切り替えて後処理(所定の処理)を実行する場合に、第2操作部(後述)に、表示部113に表示する放射線画像を切り替える機能を割り当てる。
【0035】
記憶部112は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部112は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気ディスクを駆動して情報を読み書きするディスクドライブであってもよい。また例えば、記憶部112は、USBメモリ、SDカード等のメモリカードであってもよい。
記憶部112は、制御部111で実行される各種プログラムや、プログラムの実行に必要なパラメーター、及び処理結果等のデータを記憶する。
また、記憶部112は、X線撮影装置10により撮影された画像を記憶する。
また、記憶部112は、検査オーダー情報を記憶する。
検査オーダー情報は、被検体である患者の患者情報(例えば、患者ID、患者名、生年月日、性別、患者の所在場所)、撮影条件、検査項目(肺換気機能、肺血流など)、被検体の検査履歴(前回検査時の撮影条件など)、依頼情報(依頼科、担当医、依頼コメントなど)を含む。
上記撮影条件は、撮影時の姿勢情報(例えば、姿勢(立位/臥位))、照射方向(背面/前面/側面)、撮影部位情報(例えば、胸部)、管電圧や管電流、照射時間(mAs値)、フレームレート(動態撮影の場合)、被検者の体格、及びグリッドの有無等を含む。
【0036】
表示部113は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイで構成される。
表示部113は、制御部111からの表示制御信号に基づいて、検査オーダーの内容や、撮影された画像を表示する。
また、表示部113は、処理部により後処理(所定の処理)を実行する対象である放射線画像を表示する。
【0037】
操作部114は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を有するキーボードと、マウス等のポインティングデバイスで構成される。
操作部114は、キー操作やマウス操作により入力された操作信号を受け付け、制御部111に出力する。
【0038】
なお、表示部113及び操作部114は、例えば、タッチパネル付きのフラットパネルディスプレイのように一体的に構成されてもよい。
【0039】
通信部115は、例えばNIC(Network Interface Card)、MODEM(Modulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースである。
制御部111は、通信部115を介して、有線/無線LAN等のネットワークに接続された装置との間で、DICOM規格に従って各種情報の送受信を行う。
通信部115には、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信用の通信インターフェースを適用することもできる。
【0040】
(X線撮影システムの動作)
次に、
図3に示すX線撮影システム1における撮影処理を説明する。
ここで、撮影制御装置11には予め検査オーダーが登録されているとする。検査オーダーは、HIS32やRIS33等の外部システムから入力されてもよいし、ユーザーである撮影実施者(技師、読影医、診断医師等)により操作部114を通じて手動入力されてもよい。
【0041】
(撮影処理)
撮影処理において、まず、撮影制御装置11の制御部111は、表示部113に
図4に示す検査画面113aを表示し、撮影実施者による撮影を実施する検査オーダーの選択を受け付ける(ステップS1)。撮影実施者は、撮影選択ボタンA1を押下することで、登録された検査オーダーの中から撮影を実施する検査オーダーを選択する。
【0042】
図4に、表示部113に表示される検査画面113aの例を示す。
検査画面113aには、検査オーダー情報に含まれる各撮影の内容(撮影部位、撮影方向等)が表示された撮影選択ボタンA1の他、選択された撮影の画像調整を行うための設定領域A2、撮影された画像を表示するための画像表示領域A3、写損ボタンA4、外部装置に画像を出力する画像出力ボタンA5、画像表示領域A3に表示する画像を切り替えるための切り替えボタンA7(第1操作部)、検査終了ボタンA8等が設けられている。なお、ステップS1の段階では、画像表示領域A3にはまだ画像は表示されていない。
【0043】
検査オーダーが選択されると、制御部111は、検査オーダーに含まれる撮影条件をX線発生用制御装置21及びFPD12に送信し、設定する(ステップS2)。
その間に、撮影実施者は、被検者をX線管装置25と撮影台13の間に配置してポジショニングを行う。ここで、ポジショニングとは、例えば、撮影時の被検者の体位の取り方のことである。また、撮影実施者は、被検者に対し、例えば呼吸状態(深呼吸等)を指示する。
【0044】
次に、制御部111は、撮影実施者による照射スイッチ23の押下操作を受け付け、撮影を行う(ステップS3)。
単純X線撮影のように照射時間が設定されている場合は、所定の照射時間が経過すると、X線の照射が終了する。動態撮影の場合は、照射スイッチ23の二段階目の押下操作が行われている期間、X線の照射が連続して行われ、照射スイッチ23の押下操作が解放されると、X線の照射が終了する。
撮影された画像は、FPD12から撮影制御装置11に送信される。
ここで、撮影実施者は上記撮影を複数回行った状態であるとする。つまり、制御部111は、同一撮影実施者により撮影された複数の放射線画像(所定の条件を満たす複数の放射線画像)を取得する。なお、上記所定の条件を満たす複数の放射線画像は、検査オーダーに伴う複数の放射線画像、同一被検者を撮影した複数の放射線画像、同一撮影日に撮影した複数の放射線画像、同一撮影部位を撮影した複数の放射線画像、または所定の時間内に撮影した複数の放射線画像であってもよい。また、所定の条件を満たす複数の放射線画像は、一検査において撮影された複数の放射線画像であればよく、当該複数の放射線画像において、それぞれの撮影実施者、撮影部位、依頼科が異なっていてもよい。また、当該複数の放射線画像において、同一被検者、同一撮影日、同一撮影部位、同一撮影実施者、及び所定時間内撮影のうちの複数の条件を満たしていてもよい。また、上記所定の条件を満たす複数の放射線画像は、一回の動態撮影により撮影された複数のフレーム画像であってもよい。また、上記所定の条件を満たす複数の放射線画像は、一検査における複数の動態撮影により撮影された複数のフレーム画像であってもよい。
そして、制御部111は、
図4に示すように、取得した画像A31及び上記撮影の撮影条件A32を画像表示領域A3に表示する。
【0045】
次に、制御部111は、撮影実施者による画像表示領域A3に表示された画像を写損とするか否かの判断(写損判断)を受け付ける(ステップS4)。撮影実施者は、写損とする場合、写損ボタンA4を押下する。
写損判断が終了すると、撮影実施者は、被検者をポジショニングを行った状態から解放する。
【0046】
次に、制御部111は、ユーザーによる操作部114を介した画像への後処理の実行の指示を受け付け、当該後処理を実行し(ステップS5)、本処理をステップS1に移行して次の撮影に移る。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
上記後処理は、ROI(Region Of Interest)調整、有効画像領域設定、S/G値調整、回転/反転/任意角度回転、画像処理(E処理/F処理/H処理/散乱線補正/画像処理条件変更等)、強調処理(周波数強調処理であるカテーテル先強調処理、ガーゼ強調処理/その他強調処理等)、グリッド目除去処理、マスキング、トリミング、マーカー/スタンプ/オーバーレイ、出力設定のうち少なくとも一つを含む。
また、制御部111は、ステップS5において、画像への後処理の実施結果(実施の有無や実施内容)を記憶部112に記憶する。
【0047】
(切替処理)
次に、上記ステップS5において制御部111が実行する切替処理を説明する。
切替処理は、ユーザーによる操作部114を介した入力操作に基づいて、画像表示領域A3に表示する画像を切り替える処理である。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
具体的には、ユーザーによって画像表示領域A3に表示された画像に特定の処理の実行が指示された場合、制御部111は、当該特定の処理を後処理における最後の処理として、この場合に、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替える。これにより、ユーザーによる次の画像の選択操作を削減することができる。
画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えるとは、
図4に示す検査オーダー一覧A11に表示された次の検査オーダーの画像(次の撮影選択ボタンA1に対応する撮影で撮影された画像)に切り替えることを示す。また、撮影選択ボタンA1に対応する一撮影が複数の画像を有する場合、当該複数の画像のうちの次の画像に切り替えることであってもよい。また、切り替え先となる撮影選択ボタンA1は、撮影済み(撮影された画像を有する撮影選択ボタンA1)に限られず、これから撮影を予定している未撮影の撮影選択ボタンA1であってもよい。また、切り替え先となる撮影選択ボタンA1は、検査オーダー一覧A11における並び順の次の撮影選択ボタンA1、撮影済みの撮影選択ボタンA1の中のいずれか、及び未撮影の撮影選択ボタンA1の中のいずれか、のうちから事前に設定されてもよい。
【0048】
例えば、後処理において、画像出力ボタンA5は最後に押下される可能性が高いため、ユーザーにより画像出力ボタンA5が押下された場合、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替える。つまり、この場合、画像出力ボタンA5は、切り替えボタンA7(第1操作部)とは異なる機能を有する第2操作部として機能する。そして、制御部111は、処理部により複数の放射線画像を切り替えて後処理(所定の処理)を実行する場合に、画像出力ボタンA5(第2操作部)に、表示部113に表示する放射線画像を切り替える機能を割り当てる。
【0049】
また、例えば、ユーザーにより画像表示領域A3に表示された画像に後処理としてのカテーテル先強調処理、ガーゼ強調処理、またはマスキング等の実行が指示された場合に、制御部111は、各強調処理画像を表示してから所定時間経過後(例えば、数秒後)に画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えるとしてもよい。これらの強調処理は、手術後の状態確認に用いられることが多く、強調処理画像の確認さえできれば撮影画像としては目的完了となることから、制御部111は、これらの強調処理を後処理における最後の処理と判断する。
また、例えば、ユーザーにより画像表示領域A3に表示された画像に後処理としてのROI調整の実行が指示された場合に、制御部111は、ROI調整を実行してから所定時間経過後(例えば、数秒後)に画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えるとしてもよい。
また、例えば、ユーザーにより画像表示領域A3に表示された画像に対し、後処理において全画面表示が指示された場合に、制御部111は、全画面表示を実行してから所定時間経過後(例えば、数秒後)に画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えるとしてもよい。これは、例えば、回診等に用いられるポータブル端末において画像を表示する場合、ポータブル端末の画面が小さいため、全画面表示にて後処理後の画像を拡大して確認し、問題が無ければ後処理終了という場合がある。この場合、全画面表示を実行してからポータブル端末に数秒間入力(タッチ操作)が無ければ次の画像に切り替えるとしてもよい。
つまり、この場合、後処理としてのカテーテル先強調処理、ガーゼ強調処理、マスキング、ROI調整の実行、または全画面表示を指示する検査画面113a内のボタンが、切り替えボタンA7(第1操作部)とは異なる機能を有する第2操作部であって、処理部による後処理(所定の処理)が完了したことを入力するボタンである。
【0050】
なお、第2操作部として機能させるボタンは、撮影部位、ユーザー、検査の種類、画像の種類、または依頼科等ごとに設定可能である。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
【0051】
以上説明したように、切替処理を実行することによって、ユーザーによる次の画像の選択操作を削減することができるため、複数の放射線画像に所定の処理(後処理)をより効率的に実行することができる。
【0052】
なお、上記撮影処理のステップS5において、ユーザーによる操作を削減するために、例えば、ユーザーにより画像表示領域A3に表示された画像に後処理としての階調処理の実行が指示された場合、その後に有効画像領域の枠を変更する可能性は低いため、制御部111は、その時点の有効画像領域の枠をトリミング枠として設定してもよい。
【0053】
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0054】
本変形例において、操作部114は、ユーザーが操作可能な第3操作部として機能する。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
また、制御部111は、ユーザーにより操作部114(第3操作部)になされた操作に基づいて後処理(所定の処理)が完了したかを判断する。ここで、制御部111は判断部として機能する。
また、制御部111は、処理部により複数の放射線画像を切り替えて後処理(所定の処理)を実行する場合であって、判断部により後処理(所定の処理)が完了したと判断された場合、表示部113に表示する放射線画像を切り替える。
【0055】
本変形例の切替処理において、ユーザーによって検査画面113a内において特定の操作がなされた場合、制御部111は、現在画像表示領域A3に表示している画像への後処理は完了したと判断する。そして、この場合に、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替える。
例えば、ユーザーが画像表示領域A3内の画像A31が表示されていない領域やトリミング枠外をダブルクリックした場合に、制御部111は、現在画像表示領域A3に表示している画像への後処理は完了したと判断する。そして、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替える。
また、例えば、ユーザーが画像表示領域A3内のトリミング枠をドラッグ&ドロップした場合に、制御部111は、現在画像表示領域A3に表示している画像への後処理は完了したと判断する。そして、制御部111は、トリミング枠がドロップされてから所定時間経過後(例えば、数秒後)に画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えるとしてもよい。
【0056】
(その他)
なお、上記撮影処理のステップS5において、ユーザーの検査画面113a内における操作範囲を限定することで、ユーザーの作業負担を軽減することが好ましい。
例えば、制御部111は、設定領域A2内の拡大ボタン及び縮小ボタンを1つのボタンとして検査画面113aに表示し、当該ボタン内の押下場所や押下方法(例えば、ダブルクリックや長押し)によって、拡大と縮小のどちらを行うかを切り替えてもよい。なお、拡大ボタン及び縮小ボタンに限らず、制御部111は、近しい、または関連した機能(ボタン)を1つのボタンとして表示し、当該ボタン内の押下場所や押下方法によって、どの機能を行うかを切り替えてもよい。
これにより、後処理の実行を指示するユーザーの検査画面113a内における操作範囲を狭めたり、操作箇所をより大きくすることにより押下し易くすることができ、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0057】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のX線撮影システム1について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0058】
本実施形態において、制御部111は、第1放射線画像に対する後処理(所定の処理)を実行した後、第2放射線画像に後処理(所定の処理)を実行する場合に、第1放射線画像に対して実行した後処理(所定の処理)に応じて、第2放射線画像に対して後処理(所定の処理)を実行するための表示部113に表示される操作部の表示態様を決定する。ここで、制御部111は表示制御部として機能する。
【0059】
(表示制御処理)
次に、本実施形態における撮影処理のステップS5において、制御部111が実行する表示制御処理について説明する。
表示制御処理として、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えた場合に、特定の処理の実行するための表示態様を維持し、再度当該処理を実行するためのユーザーによる選択操作を削減する。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
当該特定の処理は、画像表示領域A3に表示する画像に施された最後の処理、または予め設定された処理等である。
また、当該特定の処理は、撮影部位や撮影条件に応じて設定されてもよい。
【0060】
例えば、ユーザーにより画像表示領域A3に表示する画像にサブパネルA21(
図5参照)を介して特定の処理の実行が指示された場合、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えたときに、検査画面113a内に当該サブパネルA21を表示する。当該サブパネルA21は、設定領域A2内の所定のボタンがユーザーにより押下された場合に制御部111により表示される画面である。
つまり、制御部111は、第1放射線画像に対する後処理を実行した後、第2放射線画像(第1放射線画像の次の画像)に後処理を実行する場合に、第1放射線画像に対して実行した後処理に応じて、第2放射線画像に対して後処理を実行するための表示部113に表示される操作部の表示態様を決定し、表示する。この場合、制御部111は、第2放射線画像に対して後処理を実行する場合に、第1放射線画像に対して後処理を実行した際の操作部の表示態様(サブパネルA21が表示された状態)を維持するよう決定する。つまり、操作部は、設定領域A2内のボタン(第1ボタン群)と、第1ボタン群が押下された場合に制御部111(表示制御部)により表示されるサブパネルA21(第2ボタン群)と、を有する。そして、制御部111(表示制御部)は、第1放射線画像に対して後処理(所定の処理)を実行した際に第2ボタン群を表示した場合、第2放射線画像に対して後処理(所定の処理)を実行する際に第2ボタン群を表示するよう決定する。
【0061】
また、制御部111は、上記サブパネルA21の他にダイアログ表示やツリー構造等において、特定の処理を実行するための表示をしてもよい。
例えば、後処理としてカテーテル先強調処理やガーゼ強調処理を実行した場合、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えたときに、当該強調処理の強調レベルを変更するダイアログを検査画面113a内に表示する。
また、例えば、設定領域A2が階層構造やツリー構造を有しており、ユーザーが設定領域A2を介して特定の処理の実行を指示した場合に、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替えたときに、設定領域A2の階層構造やツリー構造を開いた状態で表示してもよい。
【0062】
また、制御部111は、撮影状況(検査オーダーの種別)に応じて上記表示制御処理における表示制御を行ってもよい。
例えば、後処理としてカテーテル先強調処理やガーゼ強調処理を実行した場合を説明する。この場合、制御部111は、画像表示領域A3に表示する画像を次の検査オーダーの画像に切り替えたときに、次の検査オーダーが未撮影である場合、当該強調処理の強調レベルを変更するダイアログを表示しない。また、次の検査オーダーが撮影直後(写損判断時)の撮影済みの状態である場合、当該ダイアログを検査画面113a内に表示する。また、次の検査オーダーが後処理実行時の撮影済みの状態である場合、当該ダイアログを表示しない等である。つまり、制御部111は、撮影状況に応じて、表示部113に表示される操作部の表示態様を決定する。
また、制御部111は、ユーザー、検査の種類、画像の種類、及び依頼科のうちの少なくともいずれかに基づいて表示部113に表示される操作部の表示態様を決定し、上記表示制御処理における表示制御を行ってもよい。ここでのユーザーは、撮影実施者以外の技師、読影医、または診断医師等であってもよい。
【0063】
また、制御部111は、表示制御処理として、後処理の実施結果(実施の有無や実施内容)に応じて、検査オーダー一覧A11における表示制御を行ってもよい。つまり、制御部111は、後処理の実施状態に応じて、表示部113における検査オーダー(撮影オーダー)の表示順序を決定する。
例えば、制御部111は、検査オーダー一覧A11において、撮影選択ボタンA1を、上から画像を出力する順序、あるいは後処理を実施する順序等で表示する。
また、例えば、制御部111は、検査オーダー一覧A11において、撮影選択ボタンA1を、上から撮影を実施する順序に表示、同じ撮影部位でまとめて表示、あるいは写損判断を行っていないものを優先的に上位に表示してもよい。
また、例えば、制御部111が撮影された画像に対し、後処理を実施する必要があるか否かを判定する機能を有している場合、検査オーダー一覧A11において、後処理を実施する必要があると判定した画像に対応する撮影選択ボタンA1を優先的に上位に表示してもよい。
【0064】
また、制御部111は、後処理として複数の画像に同じ特定の処理を実行する場合、検査オーダー一覧A11において、当該特定の処理の対象画像に対応する撮影選択ボタンA1を優先的に上位に表示してもよい。
例えば、複数の画像に照射方向等を同様のオーバーレイで付与する場合、付与対象である画像に対応する撮影選択ボタンA1を優先的に上位に表示してもよい。
また、制御部111は、検査オーダー一覧A11において、撮影選択ボタンA1を、ユーザーや施設ごとに予め設定された順序で表示してもよい。
【0065】
上記のように、検査オーダー一覧A11において上から表示された順序で、制御部111は、上記切替処理において、画像表示領域A3に表示する画像を次の画像に切り替える。
【0066】
以上説明したように、撮影制御装置11(制御装置)は、所定の条件を満たす複数の放射線画像を取得する取得部(制御部111)と、取得部により取得された複数の放射線画像に対し、所定の処理(後処理)を実行する処理部(制御部111)と、処理部により所定の処理を実行する対象である放射線画像、及び所定の処理の実行の指示を受け付ける操作部(例えば、検査画面113a内のボタン)を表示する表示部113と、第1放射線画像に対する所定の処理を実行した後、第2放射線画像に所定の処理を実行する場合に、第1放射線画像に対して実行した所定の処理に応じて、第2放射線画像に対して所定の処理を実行するための操作部の表示態様を決定する表示制御部(制御部111)と、を備える。
したがって、第1放射線画像に実行した後処理と同様の後処理を第2放射線画像に実行するためのユーザーによる選択操作を削減することができるため、複数の放射線画像に所定の処理(後処理)をより効率的に実行することができる。
【0067】
また、撮影制御装置11において、所定の条件は、撮影対象が同一被検者であること、同一撮影日であること、同一撮影部位であること、及び同一ユーザーであることのうちの少なくともいずれかである。
したがって、例えば、一日に多数の撮影作業を行う場合においても、第1放射線画像に実行した後処理と同様の後処理を第2放射線画像に実行するためのユーザーによる選択操作を削減することができるため、複数の放射線画像に所定の処理をより効率的に実行することができる。
【0068】
また、撮影制御装置11において、表示制御部は、第2放射線画像に対して所定の処理を実行する場合に、第1放射線画像に対して所定の処理を実行した際の操作部の表示態様を維持するよう決定する。
したがって、第1放射線画像に実行した後処理と同様の後処理を第2放射線画像に実行するためのユーザーによる選択操作を削減することができる。
【0069】
また、撮影制御装置11において、操作部は、第1ボタン群(例えば、設定領域A2内のボタン)と、第1ボタン群が押下された場合に表示制御部により表示される第2ボタン群(例えば、サブパネルA21)と、を有し、表示制御部は、第1放射線画像に対して所定の処理(後処理)を実行した際に第2ボタン群を表示した場合、第2放射線画像に対して所定の処理を実行する際に第2ボタン群を表示するよう決定し、上記表示態様は、第2ボタン群が表示された状態である。
したがって、第1放射線画像に実行した後処理と同様の後処理を第2放射線画像に実行するためのユーザーによるサブパネルA21を表示させる操作を削減することができる。
【0070】
また、撮影制御装置11において、表示制御部は、撮影状況(検査オーダーの種別)に応じて、操作部の表示態様を決定する。
したがって、それぞれの撮影状況(検査オーダーの種別)に適した表示態様で操作部を表示することができる。
【0071】
また、撮影制御装置11において、表示制御部は、ユーザー、検査の種類、画像の種類、及び依頼科のうちの少なくともいずれかに基づいて、操作部の表示態様を決定する。
したがって、ユーザー、検査の種類、画像の種類、または依頼科に適した表示態様で操作部を表示することができる。
【0072】
また、撮影制御装置11において、表示制御部は、所定の処理の実施状態に応じて、表示部113における撮影オーダーの表示順序を決定する。
したがって、後処理を実施する画像を優先的に表示部113に表示させることができるため、複数の放射線画像に所定の処理をより効率的に実行することができる。
【0073】
また、撮影制御装置11において、複数の放射線画像は、複数のフレーム画像を含む。
したがって、動態撮影においても、第1放射線画像に実行した後処理と同様の後処理を第2放射線画像に実行するためのユーザーによる選択操作を削減することができるため、複数の放射線画像に所定の処理(後処理)をより効率的に実行することができる。
【0074】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【0075】
例えば、上記実施形態において、X線撮影システム1は撮影室内に据え付けられているとしたがこれに限らない。X線撮影システム1は移動が可能である回診車として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 X線撮影システム
10 X線撮影装置
11 撮影制御装置(制御装置)
12 FPD
13 撮影台
14 中継器
20 X線発生装置
21 X線発生用制御装置
22 X線発生用コンソール
23 照射スイッチ
24 高電圧発生装置
25 X線管装置
111 制御部(取得部、処理部、表示制御部、判断部)
112 記憶部
113 表示部
114 操作部(第3操作部)
115 通信部
116 バス