(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184170
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】人形頭の義眼保持構造及び人形頭
(51)【国際特許分類】
A63H 3/38 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A63H3/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098160
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】399110362
【氏名又は名称】株式会社ボークス
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】椿 拓也
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA23
2C150BC02
2C150CA01
2C150DA25
2C150DC03
2C150DC28
2C150DK17
2C150EH06
2C150EH11
2C150EH25
2C150FB14
(57)【要約】
【課題】義眼部材の向きを簡単に調節できるだけでなく、頭本体の目の位置が異なっても流用できる人形頭の義眼保持構造を提供する。
【解決手段】中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体を備え、前記頭本体内に義眼部材を前記貫通孔を介して外部から見えるように保持する人形頭の義眼保持構造であって、前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体をさらに備え、前記保持面を凸状にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体を備え、前記頭本体内に義眼部材を前記貫通孔を介して外部から見えるように保持する人形頭の義眼保持構造であって、
前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体をさらに備え、
前記保持面が、凸状であることを特徴とする人形頭の義眼保持構造。
【請求項2】
前記保持面が、凸状の球面又は楕円球面である請求項1記載の人形頭の義眼保持構造。
【請求項3】
前記義眼保持体が、弾性変形可能なものである請求項1記載の人形頭の義眼保持構造。
【請求項4】
前記頭本体が、顔側を構成する顔部材と頭側を構成する頭部材とに分割可能に構成されており、
前記義眼保持体が、前記顔部材の前記貫通孔よりも首側の内面から立ち上がるように設けられている請求項1記載の人形頭の義眼保持構造。
【請求項5】
前記頭本体には、左目及び右目の位置それぞれに前記貫通孔が形成されており、
前記各貫通孔に対応する保持面が、いずれも一つの前記義眼保持体に形成されている請求項1記載の人形頭の義眼保持構造。
【請求項6】
中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体を備え、前記頭本体内に義眼部材を前記貫通孔を介して外部から見えるように保持する人形頭の義眼保持構造であって、
前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体をさらに備え、
前記保持面が、前記裏面が平坦状である場合に凸状であり、凸状である場合に凸状又は平坦状であることを特徴とする人形頭の義眼保持構造。
【請求項7】
中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体と、
前記頭本体内に前記貫通孔を介して外部から見えるように保持される義眼部材と、
前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体とを備え、
前記保持面が、前記裏面が平坦状である場合に凸状であり、凸状である場合に凸状又は平坦状であることを特徴とする人形頭。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形頭の義眼保持構造及び人形頭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数ラインナップされたパーツを組み合わせて自分好みにカスタマイズできる人形がある。例えば、特許文献1には、義眼部材を自分好みのものに交換できる人形頭が開示されている。この人形頭は、頭本体と、球状の義眼部材と、その義眼部材を頭本体内面に押し付けて保持する押付機構とを備え、その押付機構の義眼部材との保持面が義眼部材の形状に適合する凹曲面に形成された構造になっている。このような構造であれば、義眼部材を交換できるとともに、義眼部材を凹曲面に沿って回転させることで、表情を決定付ける重要な要素である義眼部材(具体的には義眼部材に設けられた虹彩)の向きを簡単に調節できる。
【0003】
近年この種の人形頭において、義眼部材だけでなく、頭本体も複数ラインナップし、表情をより細かくカスタマイズできるようにしたものがある。
【0004】
しかしながら、例えば頭本体のラインナップとして目の位置が異なるものを用意したい場合、前記特許文献1記載の人形頭では問題がある。すなわち、前記特許文献1記載の人形頭では、義眼部材が凹曲面に嵌まり込んで頭本体に位置決めされてしまう。このため、頭本体の目の位置が変わると、その位置に合わせて押付機構の向きや位置を調節し直す必要がある。その結果、頭本体毎に内部構造に改変を加えざるを得ず、製造コストが増すという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、義眼部材の向きを簡単に調節できるだけでなく、頭本体の目の位置が異なっても流用できる義眼保持構造を提供することを主な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る人形頭の義眼保持構造は、中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体を備え、前記頭本体内に義眼部材を前記貫通孔を介して外部から見えるように保持する人形頭の義眼保持構造であって、前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体をさらに備え、前記保持面が、凸状であることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成によれば、義眼保持体の保持面が凸状であるので、義眼部材を保持面に対して相対的に移動させることなくその保持面に沿わせて回転させることで義眼部材の向きを簡単に変えることができる。また、義眼部材を保持面に対して相対的に移動させることで頭本体の目の位置が変わっても貫通孔との位置合わせが可能となる。その結果、目の位置が異なる頭本体であっても同じ義眼保持構造を流用でき、製造コストを抑えられる。
【0009】
また、前記接触面が、凸状の球面又は楕円球面であってもよい。
【0010】
このような構成によれば、頭本体の目の位置が左右上下どの方向に変わっても貫通孔との位置合わせが可能となる。
【0011】
また、前記義眼保持体が、弾性変形可能なものであってもよい。
【0012】
このような構成であれば、義眼保持体の復元力によって義眼部材が頭本体内面に押圧されるので不用意に外れ難くなる。
【0013】
また、前記頭本体が、顔側を構成する顔部材と頭側を構成する頭部材とに分割可能に構成されており、前記義眼保持体が、前記顔部材の前記貫通孔よりも首側の内面から立ち上がるように設けられているものであってもよい。
【0014】
このような構成によれば、頭部材を取り外すことで顔部材の頭側からその内部へアクセス可能となる。これにより、人形頭を胴体に取り付けたまま義眼部材を交換したり、その向きを変えたりできる。また、義眼保持体が、顔部材の貫通孔よりも首側の内面から立ち上がるように設けられているので、保持面と頭本体内面との間の保持スペースが頭側へ開放される。これにより、顔部材の頭側から義眼部材を保持スペースに出し入れでき、交換が容易となる。また、保持スペースに保持された義眼部材の向きも容易に変更できる。
【0015】
また、前記頭本体には、左目及び右目の位置それぞれに前記貫通孔が形成されており、前記各貫通孔に対応する保持面が、いずれも一つの前記義眼保持体に形成されていてもよい。
【0016】
このような構成であれば、各貫通孔に対応する保持面を一つの義眼保持体に形成したので、部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えられる。
【0017】
また、本発明に係る人形頭の義眼保持構造は、中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体を備え、前記頭本体内に義眼部材を前記貫通孔を介して外部から見えるように保持する人形頭の義眼保持構造であって、前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体をさらに備え、前記保持面が、前記裏面が平坦状である場合に凸状であり、凸状である場合に凸状又は平坦状のものである。
【0018】
また、本発明に係る人形頭は、中空状をなし目の位置に貫通孔が形成された頭本体と、前記頭本体内に前記貫通孔を介して外部から見えるように保持される義眼部材と、前記頭本体内に設けられ、前記義眼部材の前記貫通孔を介して外部から見える表面と反対方向を向く裏面に接触する保持面を有し、前記義眼部材をその保持面と前記頭本体内面との間に挟んで保持する義眼保持体とを備え、前記保持面が、前記裏面が平坦状である場合に凸状であり、凸状である場合に凸状又は平坦状のものである。
【0019】
このような構成によれば、義眼保持体の保持面が、義眼部材の裏面が平坦状である場合に凸状であり、凸状である場合に凸状又は平坦状であるので、義眼部材を保持面に対して相対的に移動させることなく回転させることで義眼部材の向きを簡単に変えることができる。また、義眼部材を保持面に対して相対的に移動させることで頭本体の目の位置が変わっても貫通孔との位置合わせが可能となる。その結果、目の位置が異なる頭本体であっても同じ義眼保持構造を流用でき、製造コストを抑えられる。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明に係る人形頭の義眼保持構造であれば、義眼部材の向きを簡単に調節できるだけでなく、頭本体の目の位置が異なっても流用できる。その結果、製造コストを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態の人形頭を模式的に示す分解斜視図である。
【
図2】実施形態の人形頭に係る顔部材を模式的に示す斜視図である。
【
図3】実施形態の人形頭を模式的に示す一部省略断面図である。
【
図4】実施形態の人形頭に係る義眼部材を模式的に示す側面図である。
【
図5】実施形態の人形頭を模式的に示す一部省略断面図である。
【
図6】実施形態の人形頭の変形例を模式的に示す一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る人形頭について
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0023】
<実施形態> 本実施形態の人形頭100は、
図1~
図3に示すように、頭本体10と、義眼部材40と、義眼保持体50とを備えており、頭本体10と義眼保持体50とで義眼保持構造を構成している。ここで、人形とは、人型のものに限らず、動物型やロボット型なども含まれる。
【0024】
前記頭本体10は、中空状をなしており、顔側を構成する顔部材20と、頭側を構成する頭部材30とに分割可能になっている。顔部材20と頭部材30とは、互いに着脱可能になっている。したがって、頭本体10は、顔部材20から頭部材30を取り外すことにより、顔部材20の内部にアクセスできる。つまり、頭本体10は、胴体(図示せず)に取り付けられたまま、顔部材20から頭部材30を取り外すことにより、顔部材20の内部にアクセスできる。
【0025】
具体的には、前記顔部材20と前記頭部材30とは、互いの接触面21,31を接触させて接続される。詳述すると、これら接触面21,31のうち一方には、係合凸部22が形成されており、他方には、係合凹部32が形成されている。そして、顔部材20と頭部材30とは、係合凸部22と係合凹部32とを係合させることで互いに位置決めされる。また、両接触面21,22には、それぞれ対応する位置に磁石23,33が設けられており、顔部材20と頭部材30とは、これらの磁石23,33の磁力によって不用意に外れないようになっている。
【0026】
前記顔部材20は、少なくとも顔部24と首付け根部25とを有している。顔部材20には、左目及び右目の位置に貫通孔26が形成されている。この貫通孔26は、その内周面26sが内側の開口端から外側の開口端へ向かって径が小さくなるテーパー状に形成されている。また、顔部材20には、その内面の貫通孔26よりも首側に、義眼保持体40を取り付けるための嵌合穴27が形成されている。本実施形態の嵌合穴27は、首付け根部25に形成されている。この嵌合穴27は、断面矩形状をなし、頭本体10内の左右方向中央に配置されている。
【0027】
さらに、前記顔部材20は、首付け根部25に設けられた人形胴体(図示せず)との連結機構28を備えている。本実施形態の連結機構28は、人形胴体に設けられた連結軸(図示せず)が挿し込まれる連結孔であり、嵌合穴27よりも後側に設けられている。したがって、嵌合穴27は、貫通孔26と連結機構28との間に形成されている。
【0028】
前記義眼部材40は、
図2に示すように、例えば略半球体のものである。本実施形態の義眼部材40は、円板状の義眼本体41と、義眼本体41の一端面に設けられた虹彩42と、義眼本体41の一端部を被覆する透光性の凸レンズ体43と、凸レンズ体43の外周面から径方向へ突出する持ち手44とを備えている。そして、義眼部材40は、凸レンズ体43越しに虹彩42が見えるようになっており、この凸レンズ体43によって構成される凸状の球面が表面40aとなる。また、この表面40aと反対方向を向く面、つまり、義眼本体41の他端面によって構成される平坦面が裏面40bとなる。なお、虹彩42は、例えば義眼本体41の一端部に直接描いて形成してもよく、その一端部に貼り付けられたシールに描いて形成してもよい。
【0029】
前記義眼保持体50は、
図1及び
図3に示すように、例えば全体として略T字状をなし、虹彩42が向く方向と反対方向である後方(後頭部側)へ向かって弾性変形可能なものである。本実施形態の義眼保持体50は、嵌合穴27に嵌め込まれる軸体51と、軸体51に固定された弾性変形可能な保持アーム52とを備えている。軸体51は、断面矩形状をなし、嵌合穴27にガタなく嵌り込む形状になっている。保持アーム52は、軸体51からその軸方向と直交方向へ延びる一対のアーム部53を有している。このアーム部53は、軸体51を中心軸としてその軸体51の周方向に撓むように弾性変形する。また、各アーム部53には、それぞれ先端部に保持面50sが形成されている。この保持面50sは、凸状の球面になっている。
【0030】
そして、前記義眼保持体50は、軸体51を嵌合穴27に嵌め込むことにより、顔部材20に取り付けられる。この状態で、義眼保持体50は、顔部材20の首付け根部25から頭側へ向かって立ち上がり、保持面54を貫通孔26と間隔を空けて対向させるように配置される。したがって、保持面54と貫通孔26との間には、義眼部材40を保持するための保持スペースSが形成され、この保持スペースSは、頭側へ解放された状態となる。
【0031】
次に、人形頭100の使用方法を説明する。
【0032】
先ず、頭本体10の顔部材20から頭部材30を取り外す。これにより、顔部材20の内部へその後頭部側の開口からアクセス可能となる。そして、義眼部材40を保持スペースSに嵌め込む。具体的には、義眼部材40の表面40aを貫通孔26側に向けるとともに裏面40bを保持面50s側に向けて保持スペースSに嵌め込む。なお、保持スペースSは、頭側に向かって解放しているので、保持スペースSの手前に障害がなく義眼部材40を容易に嵌め込める。
【0033】
義眼部材40は、保持スペースSに嵌め込まれた状態において、凸球面状の表面40aが貫通孔26の内周面26sに当接するとともに平坦状の裏面40bが保持面50sに当接し、義眼保持体50によって内周面26sとの間に挟まれて保持される。この状態において、頭本体10の外部から貫通孔26を介して凸レンズ体43越しに虹彩42が見える。また、アーム部53は、義眼部材40に押されて僅かに後側へ弾性変形する。具体的には、アーム部53は、義眼部材40に押されて軸体51を中心軸としてその軸体51の周方向へ撓むように弾性変形する。これにより、義眼部材40は、アーム部53の復元力によって内周面26sに向かって押圧される。つまり、義眼部材40は、義眼保持体50によって頭本体10内面(内周面26s)に向かって付勢され不用意に動かないように保持される。
【0034】
次に、義眼部材40の左右方向の向きを変える場合は、
図5に示すように、義眼部材40を保持面50sに対して殆ど相対的に移動させずに左右へ回転させる。この時、アーム部53は、撓み度合いが変わる。具体的には、本実施形態では、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、義眼部材40を回転させると、アーム部53はより大きく撓む。なお、義眼部材40の上下方向の向きを場合は、義眼部材40を保持面50sに対して殆ど相対的に移動させずに上下へ回転させる。この時も、アーム部53は、撓み度合いが変わる。また、アーム部53は、延伸方向と直交方向へ捻じれるように弾性変形する。
【0035】
図6(a)及び
図6(b)に示す人形頭100は、本実施形態の頭本体10の目の位置のみを変更した変形例であり、その他の構造は本実施形態のものが流用されている。具体的には、
図6(a)に示す頭本体10は、本実施形態に比べて両目の位置を遠ざけたものであり、
図6(b)に示す頭本体10は、本実施形態に比べて両目の位置を近づけたものである。これらの変形例から分かるように、頭本体10の目の位置が変わった場合、義眼部材40を保持面50sに対して相対的に移動させることで貫通孔26と位置合わせができる。
【0036】
本実施形態に係る人形頭100の義眼保持構造によれば、義眼保持体50の保持面50sが凸球面であるので、義眼部材40を保持面50sに対して殆ど相対的に移動させることなく回転させることで義眼部材40の向きを簡単に変えることができる。また、義眼部材40を保持面50sに対して相対的に移動させることで頭本体10の目の位置が変わっても貫通孔との位置合わせが可能となる。その結果、目の位置が異なる頭本体であっても同じ義眼保持構造を流用でき、製造コストを抑えられる。
【0037】
また、義眼保持体50が弾性変形するので、義眼部材40を貫通孔26の内周面26sに押し付けて保持できる。これにより、義眼部材40が不用意に脱落し難くなり、また、その向きもズレ難くなる。さらに、義眼部材40の形状に合わせて保持スペースSの前後方向の間隔が調整されるので、義眼部材40の大きさがある程度変わっても保持できる。
【0038】
<その他の実施形態> 前記実施形態では、保持面を凸状の球面としたが、楕円球面としてもよい。また、例えば保持面を凸状の曲面としてもよい。具体的には、保持面を左右方向へ湾曲する凸状の曲面としてもよく、上下方向へ湾曲する凸状の曲面としてもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、義眼保持体の保持アームを弾性変形可能なものとしたが、例えば軸体が弾性変形可能なものであってもよく、義眼保持体全体が弾性変形可能なものであってもよい。また、義眼保持体は、必ずしも弾性変形可能なものでなくてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、左目及び右目に対応する保持面を一つの義眼保持体に設けたが、それぞれ別の義眼保持体に設けてもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、義眼保持体を貫通孔よりも首側から頭側へ向かって突出するように設けたが、例えば頭側から首側に向かって突出するように設けてもよい。
【0042】
また、前記実施形態では、義眼部材の裏面が平坦状をなし、義眼保持体の保持面が凸状をなすように構成したが、例えば裏面が凸状をなし、保持面が凸状又は平坦状をなすように構成してもよい。つまり、裏面又は保持面のうち、いずれか一方が凸状をなし、他方が凸状又は平坦状をなすように構成すればよい。したがって、義眼部材は、半球状のものに限定されず、例えば球体状のものであってもよく、楕円球体状のものであってもよい。つまり、義眼部材の裏面を、凸状の曲面、球面、楕円球面にしてもよい。また、この場合、頭本体や義眼保持体として、前記実施形態と同様の構成を採用することができる。
【0043】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の一部同士の組み合わせや、変形等を行っても構わない。
【符号の説明】
【0044】
100:人形頭
10 :頭本体
20 :顔部材
26 :貫通孔
26s:内周面
30 :頭部材
40 :義眼部材
40a:表面
40b:裏面
50 :義眼保持体
50s:保持面