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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184172
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】鉄筋結束機
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20231221BHJP
   B65B 13/18 20060101ALI20231221BHJP
   B65B 13/28 20060101ALI20231221BHJP
   B21F 15/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
B65B13/18 Z
B65B13/18 F
B65B13/28
B21F15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098162
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村井 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲司
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 祐太
(72)【発明者】
【氏名】トラン ドゥクトゥアン
【テーマコード(参考)】
3E052
4E070
【Fターム(参考)】
3E052AA42
3E052BA18
3E052CA18
3E052CB05
3E052CB07
3E052FA09
3E052HA09
3E052JA02
3E052LA13
4E070AA01
4E070AB06
4E070BA18
(57)【要約】
【課題】第2切断刃が破損することを抑制することができる技術を開示する。
【解決手段】鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。前記鉄筋結束機は、第1切断刃と、前記第1切断刃に対して相対的に移動することにより、前記ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。前記第2切断刃は、前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する刃部と、前記刃部の第1箇所に接続されている第1接続部と、前記刃部の前記第1箇所とは異なる第2箇所に接続されている第2接続部と、を備えている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤを用いて鉄筋を結束する鉄筋結束機であって、
第1切断刃と、
前記第1切断刃に対して相対的に移動することにより、前記ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えており、
前記第2切断刃は、
前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する刃部と、
前記刃部の第1箇所に接続されている第1接続部と、
前記刃部の前記第1箇所とは異なる第2箇所に接続されている第2接続部と、を備えている、鉄筋結束機。
【請求項2】
前記刃部の前記第1箇所は、前記刃部の一端に配置されており、
前記刃部の前記第2箇所は、前記刃部の前記一端と反対側の他端に配置されている、請求項1に記載の鉄筋結束機。
【請求項3】
前記第2切断刃は、前記刃部と前記第1接続部と前記第2接続部とにより画定されており、貫通孔を構成する切断孔をさらに備えており、
前記刃部は、前記切断孔に挿入される前記ワイヤを切断する、請求項1または2に記載の鉄筋結束機。
【請求項4】
前記切断孔の断面は、
前記刃部に形成されており、前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する第1辺と、
前記第1接続部に形成されている第2辺と、
前記第1辺と前記第2辺とを接続する第3辺と、を備えており、
前記第3辺は、湾曲している、請求項3に記載の鉄筋結束機。
【請求項5】
前記第2辺は、直線状に延びている、請求項4に記載の鉄筋結束機。
【請求項6】
前記第2辺は、前記第1辺に対して略垂直である、請求項4または5に記載の鉄筋結束機。
【請求項7】
前記第2接続部は、前記第1接続部に接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の鉄筋結束機。
【請求項8】
前記刃部と前記第1接続部と前記第2接続部は、一体的に形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の鉄筋結束機。
【請求項9】
前記第2切断刃は、前記第1切断刃に対して回転可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の鉄筋結束機。
【請求項10】
ワイヤを用いて鉄筋を結束する鉄筋結束機であって、
ハウジングと
前記ハウジングに対して回転されることで、前記ワイヤを切断する切断刃と、を備えており、
前記切断刃は、
前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する刃部と、
前記刃部の一方側を、前記ハウジングに対して回転可能に支持する第1支持部と、
前記刃部の他方側を、前記ハウジングに対して回転可能に支持する第2支持部と、を備えており、
前記ワイヤの切断時に前記ワイヤから前記刃部が受ける反力を、前記第1支持部と前記第2支持部が受ける、鉄筋結束機。
【請求項11】
ワイヤを用いて鉄筋を結束する鉄筋結束機であって、
第1切断刃と、
前記第1切断刃に対して相対的に移動することにより、前記ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えており、
前記第2切断刃は、
前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する刃部と、
前記刃部に接続される接続部と、
少なくとも1つの連結部と、を備えており、
前記刃部と前記接続部の一方は、前記刃部と前記接続部の前記一方の内部に向かって凹んでいる少なくとも1つの受入部を備えており、
前記少なくとも1つの受入部のそれぞれが、前記少なくとも1つの連結部のそれぞれを受け入れることにより、前記接続部は、前記刃部に接続されている、鉄筋結束機。
【請求項12】
前記刃部と前記接続部の他方は、前記少なくとも1つの連結部と一体的に形成されており、
前記少なくとも1つの連結部のそれぞれは、前記刃部と前記接続部の前記他方から外側に向かって突出している、請求項11に記載の鉄筋結束機。
【請求項13】
前記刃部は、前記ワイヤに当接して前記ワイヤを切断する切断面を備えており、
前記接続部は、前記切断面に接続されており、前記切断面に対して略垂直である支持面を備えている、請求項11または12に記載の鉄筋結束機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、鉄筋結束機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、鉄筋結束機が開示されている。鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、第1切断刃と、第1切断刃に対して相対的に移動することにより、ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。第2切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部の第1箇所に接続されている第1接続部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-59017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
刃部は、ワイヤを切断するときにワイヤから反力を受ける。上記の鉄筋結束機では、刃部がワイヤから反力を受けると、応力が刃部と第1接続部との近傍に集中する。これにより、第2切断刃が破損することがある。本明細書では、第2切断刃が破損することを抑制することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、第1切断刃と、第1切断刃に対して相対的に移動することにより、ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。第2切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部の第1箇所に接続されている第1接続部と、刃部の第1箇所とは異なる第2箇所に接続されている第2接続部と、を備えている。
【0006】
上記の構成によれば、刃部が第1接続部と第2接続部に接続されているため、刃部がワイヤを切断するときにワイヤから反力を受けると、応力は、刃部と第1接続部との近傍と、刃部と第2接続部との近傍と、に分散される。これにより、第2切断刃が破損することを抑制することができる。
【0007】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、ハウジングと、ハウジングに対して回転されることで、ワイヤを切断する切断刃と、を備えている。切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部の一方側を、ハウジング対して回転可能に支持する第1支持部と、刃部の他方側を、ハウジングに対して回転可能に支持する第2支持部と、を備えている。ワイヤの切断時にワイヤから刃部が受ける反力を、第1支持部と第2支持部が受ける。
【0008】
上記の構成によれば、第1支持部と第2支持部が、ワイヤの切断時にワイヤから刃部が受ける反力を受けるため、応力は、刃部と第1支持部との近傍と、刃部と第2支持部との近傍と、に分散される。これにより、第2切断刃が破損することを抑制することができる。
【0009】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、第1切断刃と、第1切断刃に対して相対的に移動することにより、ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。第2切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部に接続される接続部と、少なくとも1つの連結部と、を備えている。刃部と接続部の一方は、刃部と接続部の一方の内部に向かって凹んでいる少なくとも1つの受入部を備えている。少なくとも1つの受入部のそれぞれが、少なくとも1つの連結部のそれぞれを受け入れることにより、接続部は、刃部に接続されている。
【0010】
上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するときにワイヤから反力を受けると、応力は、連結部と受入部との境界領域に分散される。これにより、第2切断刃が破損することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施例の鉄筋結束機2を前方右方上方から見た斜視図である。
図2】第1実施例の鉄筋結束機2を後方左方上方から見た斜視図である。
図3】第1実施例の鉄筋結束機2の内部構成を示す側面図である。
図4】第1実施例の送りユニット34の斜視図である。
図5】第1実施例の鉄筋結束機2の案内部42近傍の断面図である。
図6】第1実施例の切断ユニット36がワイヤWを切断する前の切断ユニット36と捩りユニット38の側面図である。
図7】第1実施例の切断ユニット36の前端近傍における切断ユニット36の分解斜視図である。
図8】第1実施例の切断ユニット36の前端近傍における切断ユニット36の分解斜視図である。
図9】第1実施例の切断ユニット36がワイヤWを切断した後の切断ユニット36と捩りユニット38の側面図である。
図10】第1実施例の捩りユニット38の斜視図である。
図11】第1実施例の第2切断刃80の斜視図である。
図12】第1実施例の第2切断刃80の斜視図である。
図13】第1実施例の第2切断刃80の断面図である。
図14】第1実施例の第1切断刃78と第2切断刃80の断面斜視図である。
図15】第2実施例の第2切断刃80の分解斜視図である。
図16】第3実施例の第2切断刃80の斜視図である。
図17】第4実施例の第2切断刃80の斜視図である。
図18】第4実施例の第2切断刃80の分解斜視図である。
図19】第4実施例の第2切断刃80の分解斜視図である。
図20】第4実施例の第2切断刃80の断面図である。
図21】第5実施例の第2切断刃80の分解斜視図である。
図22】第6実施例の第2切断刃80の断面図である。
図23】第7実施例のベース部材74と案内部材76と第2切断刃80と変形防止壁500の斜視図である。
図24】第7実施例のベース部材74と案内部材76と第2切断刃80と変形防止壁500の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された鉄筋結束機、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0013】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0014】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0015】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、第1切断刃と、第1切断刃に対して相対的に移動することにより、ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。第2切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部の第1箇所に接続されている第1接続部と、刃部の第1箇所とは異なる第2箇所に接続されている第2接続部と、を備えている。
【0016】
1またはそれ以上の実施形態において、刃部の第1箇所は、刃部の一端に配置されていてもよい。刃部の第2箇所は、刃部の一端と反対側の他端に配置されていてもよい。
【0017】
刃部の第1箇所が刃部の一端に配置されておらず、刃部の第2箇所が刃部の他端に配置されていない構成と比較して、第2切断刃全体をコンパクトにすることができる。
【0018】
1またはそれ以上の実施形態において、第2切断刃は、刃部と第1接続部と第2接続部とにより画定されており、貫通孔を構成する切断孔をさらに備えていてもよい。刃部は、切断孔に挿入されるワイヤを切断してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するとき、応力が、第1接続部または第2接続部に集中して作用することを抑制することができる。これにより、第2切断刃が破損することをより抑制することができる。
【0020】
1またはそれ以上の実施形態において、切断孔の断面は、刃部に形成されており、ワイヤに当接してワイヤを切断する第1辺と、第1接続部に形成されている第2辺と、第1辺と第2辺とを接続する第3辺と、を備えていてもよい。第3辺は、湾曲していてもよい。
【0021】
切断孔の断面が第3辺を備えていない構成とすると、刃部がワイヤを切断するとき、応力は、第1辺と第2辺との接続箇所に集中する。上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するとき、応力は、湾曲する第3辺で分散される。これにより、第2切断刃が破損することをより抑制することができる。
【0022】
1またはそれ以上の実施形態において、第2辺は、直線状に延びていてもよい。
【0023】
第2辺が屈曲している構成とすると、刃部がワイヤを切断するとき、応力が屈曲箇所近傍に集中して作用してしまう。上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するときに、応力が第2辺の特定の箇所近傍に集中して作用することを抑制することができる。これにより、第2切断刃が破損することをより抑制することができる。
【0024】
1またはそれ以上の実施形態において、第2辺は、第1辺に対して略垂直であってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するときに、ワイヤが第1辺上を移動することを抑制することができる。
【0026】
1またはそれ以上の実施形態において、第2接続部は、第1接続部に接続されていてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するときにワイヤから反力を受けても、第2切断刃が破損することをより抑制することができる。
【0028】
1またはそれ以上の実施形態において、刃部と第1接続部と第2接続部は、一体的に形成されていてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、刃部と第1接続部と第2接続部の構成が複雑となることを抑制することができる。
【0030】
1またはそれ以上の実施形態において、第2切断刃は、第1切断刃に対して回転可能であってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、第2切断刃が第1切断刃に対して直線的にスライドする場合と比較して、第1切断刃と第2切断刃を配置する空間を小さくすることができる。
【0032】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、ハウジングと、ハウジングに対して回転されることで、ワイヤを切断する切断刃と、を備えている。切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部の一方側を、ハウジングに対して回転可能に支持する第1支持部と、刃部の他方側を、ハウジングに対して回転可能に支持する第2支持部と、を備えている。ワイヤの切断時にワイヤから刃部が受ける反力を、第1支持部と第2支持部が受ける。
【0033】
本明細書が開示する鉄筋結束機は、ワイヤを用いて鉄筋を結束する。鉄筋結束機は、第1切断刃と、第1切断刃に対して相対的に移動することにより、ワイヤを切断する第2切断刃と、を備えている。第2切断刃は、ワイヤに当接してワイヤを切断する刃部と、刃部に接続される接続部と、少なくとも1つの連結部と、を備えている。刃部と接続部の一方は、刃部と接続部の一方の内部に向かって凹んでいる少なくとも1つの受入部を備えている。少なくとも1つの受入部のそれぞれが、少なくとも1つの連結部のそれぞれを受け入れることにより、接続部は、刃部に接続されている。
【0034】
1またはそれ以上の実施形態において、刃部と接続部の他方は、少なくとも1つの連結部と一体的に形成されていてもよい。少なくとも1つの連結部のそれぞれは、刃部と接続部の他方から外側に向かって突出していてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、第2切断刃の構成が複雑となることを抑制することができる。
【0036】
1またはそれ以上の実施形態において、刃部は、ワイヤに当接してワイヤを切断する切断面を備えていてもよい。接続部は、切断面に接続されており、切断面に対して略垂直である支持面を備えていてもよい。
【0037】
上記の構成によれば、刃部がワイヤを切断するときに、ワイヤが切断面上を移動することを抑制することができる。
【0038】
(第1実施例)
図1に示すように、鉄筋結束機2は、ワイヤWを用いて複数の鉄筋Rを結束する。鉄筋結束機2では、使用される鉄筋Rの直径に応じて、様々な直径(例えば、直径0.5mmから2.5mm)のワイヤWが使用される。例えば、直径が16mm以下(例えば、直径16mm)の細径の鉄筋Rを結束するとき、1.6mm以下(例えば0.8mm)の直径を有するワイヤWが使用され、直径が16mmよりも大きい(例えば、直径25mmまたは32mm)の太径の鉄筋Rを結束するとき、1.6mm以上(例えば2.0mm)の直径を有するワイヤWが使用される。以下では、捩りユニット38(図3参照)の長手方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を上下方向と呼び、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0039】
鉄筋結束機2は、本体4と、リールホルダ6と、バッテリパックBと、を備えている。本体4は、本体4の左半面の外形形状を規定している左側本体8と、本体4の右半面の外形形状を規定している右側本体10と、右側本体10の外側に取り付けられているモータカバー12と、を備えている。左側本体8と右側本体10は、複数のねじS1により固定されている。右側本体10とモータカバー12は、複数のねじS2により固定されている。
【0040】
本体4は、本体ハウジング14と、グリップ16と、バッテリ取付部18と、を備えている。本体ハウジング14とグリップ16とバッテリ取付部18は、一体的に形成されている。グリップ16は、ユーザにより把持される。グリップ16の前面上部には、トリガ20が取り付けられている。バッテリパックBは、バッテリ取付部18に着脱可能である。
【0041】
リールホルダ6は、本体ハウジング14の前側下部に取り付けられている。図2に示すように、リールホルダ6は、リール24を収容可能である。リール24には、ワイヤWが巻回されている。リールホルダ6のカバー26が開かれた状態で、リール24は、リールホルダ6に着脱可能である。
【0042】
図3に示すように、鉄筋結束機2は、制御回路基板30を備えている。制御回路基板30は、バッテリ取付部18に収容されている。制御回路基板30は、トリガ20が押し込まれると、鉄筋RにワイヤWを結束する結束動作を実行する。
【0043】
鉄筋結束機2は、送りユニット34と、切断ユニット36と、捩りユニット38と、を備えている。送りユニット34は、送り部40と、案内部42と、を備えている。送り部40は、本体ハウジング14の前部に収容されている。案内部42は、本体ハウジング14の前部に配置されている。切断ユニット36と捩りユニット38は、本体ハウジング14に収容されている。
【0044】
図4に示すように、送り部40は、送りモータ50と、減速部52と、ベース部材54と、駆動ギヤ56と、第1送りギヤ58と、第2送りギヤ60と、リリースレバー62と、圧縮バネ64と、を備えている。送りモータ50は、右側本体10(図1参照)の右側に配置されており、モータカバー12(図1参照)に覆われている。送りモータ50は、バッテリパックB(図1参照)から供給される電力により動作する。送りモータ50は、例えば、ブラシレスモータである。送りモータ50は、制御回路基板30(図3参照)に制御される。減速部52は、送りモータ50の回転を減速して駆動ギヤ56に伝達する。
【0045】
ベース部材54は、本体ハウジング14(図1参照)に固定されている。第1送りギヤ58の外周面は、第2送りギヤ60の外周面と噛み合う。第1送りギヤ58は、ベース部材54に回転可能に支持されている。第1送りギヤ58は、駆動ギヤ56の回転により回転する。第1送りギヤ58は、外周面を回転軸周りに一周するように延びる溝58aを有する。第1送りギヤ58は、溝58a内でワイヤWと接触する。第2送りギヤ60は、リリースレバー62に回転可能に支持されている。第2送りギヤ60は、外周面を回転軸周りに一周するように延びる溝60aを有する。第2送りギヤ60は、溝60a内でワイヤWと接触する。
【0046】
リリースレバー62は、ベース部材54に揺動可能に支持されている。圧縮バネ64は、第2送りギヤ60が第1送りギヤ58に近づく方向に、リリースレバー62を付勢する。これにより、第2送りギヤ60が第1送りギヤ58に押し当てられる。この結果、ワイヤWは、第1送りギヤ58の溝58aと第2送りギヤ60の溝60aとの間に挟持される。ワイヤWが第1送りギヤ58の溝58aと第2送りギヤ60の溝60aとの間に挟持された状態で、送りモータ50が回転すると、ワイヤWが移動する。
【0047】
図5に示すように、案内部42は、上側カールガイド66と、下側カールガイド68と、を備えている。上側カールガイド66と下側カールガイド68は、本体ハウジング14の前端よりも前側に向かって突出している。上側カールガイド66は、下側に開口している。上側カールガイド66は、上側に凸な湾曲形状を有する上側ワイヤ通路70を有する。下側カールガイド68は、上側カールガイド66の下側に配置されている。下側カールガイド68は、上側に開口している。下側カールガイド68は、下側ワイヤ通路72を有する。
【0048】
第1送りギヤ58と第2送りギヤ60により送られたワイヤWは、上側ワイヤ通路70に送られる。ワイヤWが上側ワイヤ通路70を後側から前側に向かって通過するときに、ワイヤWは、上側カールガイド66により下向きの巻きぐせを付与される。上側ワイヤ通路70を通過したワイヤWは、下側ワイヤ通路72に送られる。ワイヤWは、下側ワイヤ通路72を前側から後側に向かって通過した後、後方上側に向かって送られる。これにより、ワイヤWが鉄筋Rの周りに巻回される。
【0049】
図6に示すように、切断ユニット36は、ベース部材74と、第1固定部材75(図7参照)と、案内部材76と、第1切断刃78と、第2切断刃80と、第2固定部材81(図7参照)と、第1レバー部材82と、第2レバー部材84と、第1シャフト86と、第2シャフト88と、リンク部材90と、捩りバネ92と、接続ピン98と、固定ピン100と、を備えている。
【0050】
ベース部材74は、複数のねじS3(図3参照)により本体ハウジング14(図3参照)に固定されている。ベース部材74の前端は、ねじS4とピンP1(図7参照)により下側カールガイド68に固定されている。
【0051】
図7および図8に示すように、第1固定部材75は、ベース部材74の前端近傍において、ベース部材74の右側に配置されている。ベース部材74と第1固定部材75は、ねじS4、S5とピンP1により固定されている。
【0052】
案内部材76は、ベース部材74の前端近傍において、ベース部材74の左側に配置されている。ベース部材74と案内部材76は、ねじS5、S6により固定されている。案内部材76は、案内孔76aを有する。案内孔76aの幅は、下側から上側に向かうにつれて、徐々に細くなった後一定となる。図5に示すように、案内孔76aには、第1送りギヤ58と第2送りギヤ60(図4参照)により送られたワイヤWが通過する。
【0053】
第1切断刃78と第2切断刃80は、高強度材料からなる。第1切断刃78と第2切断刃80は、金属材料からなってもよく、セラミックスからなってもよい。第1切断刃78と第2切断刃80は、例えば、合金工具鋼(SKS、SKD、SKT、SKH)や、高速度工具鋼(SKH)や、クロム鋼(SCR)や、クロムモリブデン鋼鋼材(SCM)や、ニッケルクロム鋼(SNC)ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNC)からなる。また、第1切断刃78と第2切断刃80は、超硬合金、例えば、タングステンカーバイドを主成分とする材料からなり、前記材料は、タングステンカーバイド以外の材料を微量含み得る。また、第1切断刃78と第2切断刃80は、例えば、高速度工具鋼(ハイス)からなる。
【0054】
図7および図8に示すように、第1切断刃78は、略円筒形状を有する。第1切断刃78は、右端に第1固定部78aを備えている。第1固定部78aの断面は、略矩形形状を有する。第1固定部材75には、略矩形形状を有する第1固定孔75aが形成されており、第1固定部78aは、第1固定孔75aに挿入されている。これにより、第1切断刃78は、ベース部材74の前端近傍に固定されている。第1切断刃78は、本体ハウジング14(図3参照)に対して移動不能である。第1切断刃78は、ワイヤWが通過可能な第1切断孔94を備えている。第1切断孔94は、第1切断刃78の外周面に配置されており、第1切断刃78を貫通している。第1切断孔94は、固定切断刃部94aを備えている。第2切断刃80は、第1切断刃78の周りを摺動して回動可能に、第1切断刃78に支持されている。第2切断刃80は、本体ハウジング14(図3参照)に対して回転可能である。第2切断刃80は、ワイヤWが通過可能な第2切断孔96を備えている。第2切断孔96は、可動切断刃部96aを備えている。第2切断刃80の詳細な構造については、後述する。
【0055】
図5に示すように、第1切断刃78と第2切断刃80と案内孔76aは、送り部40から上側カールガイド66に向けてワイヤWが送られる通路上に配置されている。第1送りギヤ58と第2送りギヤ60(図4参照)により送られたワイヤWは、案内孔76aに案内されて、第1切断孔94と第2切断孔96を通過する。ワイヤWが第1切断孔94と第2切断孔96を通過した状態で、第2切断刃80が、第1切断孔94を塞ぐように第1切断刃78の周りを第1方向D1に回動すると、ワイヤWは、固定切断刃部94aと可動切断刃部96aとにより切断される。
【0056】
図7および図8に示すように、第2固定部材81は、案内部材76と、第1切断刃78と、第2切断刃80の左側に配置されている。第2固定部材81は、第2固定部材81は、ねじS7により案内部材76に固定されている。第2固定部材81は、第2固定孔81aと、第3固定孔81bと、を有する。案内部材76には、固定突部76bが形成されており、固定突部76bは、第2固定孔81aに挿入されている。第1切断刃78は、左端に第2固定部78bを備えており、第2固定部78bが第3固定孔81bに挿入されている。第1切断刃78は、第1固定部材75と第2固定部材81との間に挟まれて、第1固定部材75と第2固定部材81に固定されている。
【0057】
図6に示すように、第1レバー部材82と第2レバー部材84は、第1シャフト86と第2シャフト88により固定されている。第1シャフト86と第2シャフト88は、第1レバー部材82と第2レバー部材84に挿入されている第1シャフト86は、ベース部材74に固定されており、第1レバー部材82と第2レバー部材84は、第1シャフト86の周りを回動する。第2シャフト88は、第1レバー部材82の下端と第2レバー部材84の下端に挿入されている。第1レバー部材82と第2レバー部材84が第1シャフト86の周りを回動すると、第2シャフト88は、第1レバー部材82と第2レバー部材84とともに移動する。第1レバー部材82は、捩りユニット38に操作される第1突部82aを備えている。第2レバー部材84は、捩りユニット38に操作される第2突部84aを備えている。
【0058】
リンク部材90の後端は、第2シャフト88に固定されている。リンク部材90は、第2シャフト88の周りを回動可能である。リンク部材90の前端は、接続ピン98を介して、第2切断刃80に固定されている。
【0059】
捩りバネ92は、第1シャフト86に取り付けられている。捩りバネ92の一端は、第2シャフト88に当接している。ベース部材74には、固定ピン100が固定されており、捩りバネ92の他端は、固定ピン100に当接している。捩りバネ92は、第2シャフト88を前側に向けて付勢している。
【0060】
図6に示すように、切断ユニット36がワイヤWを切断する前、第2シャフト88は、第1シャフト86よりも前側に位置している。第2突部84aが前側に向けて操作されると、図9に示すように、第2シャフト88が後側に向かって移動し、リンク部材90は、第2シャフト88の移動に伴い、後側に向かって移動する。これにより、第2切断刃80が第1方向D1(図6参照)に回動して、ワイヤWが切断される。
【0061】
図10に示すように、捩りユニット38は、捩りモータ104と、減速部106と、保持部108と、を備えている。捩りモータ104と減速部106は、本体ハウジング14(図3参照)に支持されている。捩りモータ104は、バッテリパックB(図3参照)から供給される電力により動作する。捩りモータ104は、例えば、ブラシレスモータである。捩りモータ104は、制御回路基板30(図3参照)に制御される。減速部106は、捩りモータ104の回転を減速して保持部108に伝達する。
【0062】
保持部108は、スリーブユニット110と、保持ユニット112と、を備えている。スリーブユニット110は、捩りモータ104の回転に連動して、進退し、回転する。スリーブユニット110は、後端近傍に配置されているプッシュプレート114を備えている。プッシュプレート114は、捩りモータ104の回転に連動し、進退する一方で、回転しない。図6および図9に示すように、プッシュプレート114は、スリーブユニット110が前進したときに、第2突部84aを前側に向けて操作し、スリーブユニット110が後退したときに、第1突部82aを後側に向けて操作する。
【0063】
図10に示すように、保持ユニット112は、スリーブユニット110の前側からスリーブユニット110に挿入されている。保持ユニット112は、シャフト部材116と、左側保持部材118と、右側保持部材120と、を備えている。鉄筋結束機2が鉄筋Rを結束する前の初期状態にあるとき、シャフト部材116と左側保持部材118との間には、左側ワイヤ通路122が形成されており、シャフト部材116と右側保持部材120との間には、右側ワイヤ通路124が形成されている。左側ワイヤ通路122と右側ワイヤ通路124には、ワイヤWが通過可能である。スリーブユニット110が前進すると、右側保持部材120がシャフト部材116に対して左側に移動する。これにより、右側ワイヤ通路124が狭まり、ワイヤWがシャフト部材116と右側保持部材120との間で挟持される。スリーブユニット110がさらに前進すると、左側保持部材118がシャフト部材116に対して右側に移動する。これにより、左側ワイヤ通路122が狭まり、ワイヤWがシャフト部材116と左側保持部材118との間で挟持される。ワイヤWが切断された後に、スリーブユニット110が回転すると、ワイヤWが捩られる。
【0064】
図11および図12に示すように、第2切断刃80は、基部130と、側部132と、を備えている。基部130は、平板形状を有する。基部130は、第1幅広面130aと、第1幅広面130aと反対側の第2幅広面130bと、を備えている。第1幅広面130aは、ベース部材74(図7参照)の左面と対向する。基部130は、第1切断刃78(図7参照)が挿入される第1開口134と、接続ピン98(図7参照)が挿入される第2開口136と、を有する。第1開口134と第2開口136は、基部130を厚み方向に貫通している。第2切断刃80は、第1切断刃78が第1開口134に挿入された状態で、第1切断刃78の周りを回動する。
【0065】
側部132は、基部130の周縁に配置されている。図11および図12では、基部130と側部132との境界が破線により図示されている。側部132の内面132aは、第1切断刃78が第1開口134に挿入されているときに、第1切断刃78と対向する。図7に示すように、ベース部材74には、溝137が形成されており、側部132の一部分は、溝137に配置される。第2切断刃80が第1切断刃78の周りを第1方向D1(図6参照)回動すると、側部132は、側部132の端面が溝137の一端に配置される段差部137aの手前まで溝137内を移動する。図11および図12に示すように、側部132は、第1支持部138と、刃部140と、第2支持部142と、を備えている。第1支持部138と、刃部140と、第2支持部142は、一体的に形成されている。
【0066】
第1支持部138は、支持周縁部144と、支持突部146と、を備えている。支持周縁部144は、基部130の周縁から第1幅広面130aよりも外側(右側)に延びているとともに、基部130の周縁から第2幅広面130bよりも外側(左側)に延びている。支持周縁部144は、基部130の周縁に接続されている。支持周縁部144は、第1開口134の周縁に沿って湾曲状に延びる湾曲部148と、直線状に延びる直線部150と、を備えている。湾曲部148は、直線部150と、接続箇所152で接続している。支持突部146は、接続箇所152近傍で、支持周縁部144に接続されている。支持突部146は、支持周縁部144の右端から外側(右側)に延びている。
【0067】
刃部140は、支持周縁部144の右端に接続されている。図11から図13では、刃部140と支持周縁部144との境界が一点鎖線により図示されている。刃部140は、第1箇所154で支持周縁部144に接続されている。刃部140は、第1箇所154で支持周縁部144に支持されている。刃部140の一端(左端)に配置されている。刃部140は、第1開口134の周縁に沿って湾曲状に延びている。刃部140は、第1開口134の周縁に沿う方向に、支持突部146と離れて配置されている。刃部140は、支持突部146と対向している。刃部140は、支持突部146と対向して配置される刃先156を備えている。刃先156は、可動切断刃部96aを構成している。刃先156は、鋭角に尖っている。刃先156は、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する。
【0068】
第2支持部142は、刃部140の右端と支持突部146の右端のそれぞれに接続されている。図11から図14では、第2支持部142と刃部140との境界および第2支持部142と支持突部146との境界が二点鎖線により図示されている。刃部140は、第2箇所158で第2支持部142に接続されている。刃部140は、第2箇所158で第2支持部142に支持されている。第2箇所158は、刃部140内で第1箇所154と反対側の他端(右端)に配置されている。第2支持部142は、第1開口134の周縁に沿って湾曲状に延びている。第2支持部142は、支持周縁部144と左右方向に離れて配置されている。第2支持部142は、支持周縁部144と対向している。
【0069】
第2切断孔96は、側部132に形成されている。第2切断孔96は、側部132を内面132aから外面132bまで貫通している。第2切断孔96は、刃部140の端面と、第2支持部142の左面と、支持周縁部144の右面と、支持突部146の端面と、により画定されている。刃部140の端面と、第2支持部142の左面と、支持周縁部144の右面と、支持突部146の端面は、略平面形状を有する。第2切断孔96は、刃部140と、第2支持部142と、支持周縁部144と、支持突部146に囲まれることにより形成されている。刃先156は、第2切断孔96の一部分を画定している。第2切断孔96の断面は、側部132の内面132aから外面132bに向かうにつれて大きくなる。なお、外面132bは、内面132aと反対の面である。
【0070】
図12に示すように、第2切断孔96の断面は、略長方形状を有する。第2切断孔96の断面の短辺は、左右方向に沿って延びている。第2切断孔96の断面の長辺は、左右方向に直交する方向に延びている。変形例では、第2切断孔96の断面は、略楕円形状であってもよく、円形状であってもよい。ここで、第2切断孔96の断面とは、第2切断孔96の中心軸に直交する平面に沿う第2切断孔96の断面を示し、第2切断孔96の中心軸は、側部132の内面132aから外面132bに向かう方向に延びており、内面132aと外面132bに略直交している。第2切断孔96の断面は、2つの第1辺162、164と、2つの第2辺166、168と、4つの第3辺170、172、174、176と、を備えている。第1辺162、164は、第2切断孔96の断面の短辺に対応する。第1辺162、164は、左右方向に直線状に延びている。第1辺162は、刃先156に形成されており、第1辺162、164は、支持突部146に形成されている。第1辺162、164は、対向して配置されており、互いに略平行である。第1辺162、164の長さは、側部132の内面132aから外面132bの間で略一定である。
【0071】
第2辺166、168は、第2切断孔96の断面の長辺に対応する。第2辺166、168は、直線状に延びている。第2辺166は、支持周縁部144に形成されており、第2辺168は、第2支持部142に形成されている。第2辺166、168は、対向して配置されており、互いに略平行である。第2辺166、168は、第1辺162、164に対して略垂直である。第2辺166、168の長さは、側部132の内面132aから外面132bに向かうにつれて、長くなる。
【0072】
第3辺170、172、174、176は、第2切断孔96の断面の角部に対応する。第3辺170は、第1辺162と第2辺166とを接続しており、第3辺172は、第1辺162と第2辺168とを接続しており、第3辺174は、第1辺164と第2辺166とを接続しており、第3辺176は、第1辺164と第2辺168とを接続している。第3辺170、172、174、176は、湾曲している。第3辺170、172、174、176の曲率半径は、互いに同一である。変形例では、第3辺170、172、174、176の曲率半径は、互いに異なっていてもよい。第3辺170、172、174、176の長さは、側部132の内面132aから外面132bの間で略一定である。
【0073】
ワイヤWを切断する挙動を説明する。第2切断刃80が第1切断刃78の周りを第1方向D1(図5参照)に回転すると、図14に示すように、第2切断刃80は、第1切断孔94は、第2切断刃80により徐々に塞がれる。ワイヤWは、固定切断刃部94aと可動切断刃部96aに挟まれて切断される。このとき、ワイヤWは、固定切断刃部94aに押し付けられ、固定切断刃部94aは、ワイヤWから反力F0を受ける。なお、図14では、ワイヤWの断面のみが図示されている。また、図13に示すように、ワイヤWは、第2切断刃80の可動切断刃部96aである刃先156(第1辺162)に押し付けられ、刃先156は、ワイヤWから反力F1を受ける。一般的に、この反力F1(F0)は、ワイヤWの直径が大きくなるほど、および/またはワイヤWの硬度が高くなるほど、大きくなる。反力F1は、支持突部146(第1辺164)から刃先156に向かう方向に刃先156に作用する。また、支持周縁部144と第2支持部142も刃部140を介して反力F1を受ける。反力F1は、支持周縁部144と第2支持部142に分散されて作用する。このため、刃先156が反力F1を受けても、刃部140は、刃先156が支持突部146から離れる方向に変形し難くなる。また、刃先156が反力F1を受けても、応力が、刃部140と支持周縁部144との接続箇所(第1箇所154)の近傍と、刃部140と第2支持部142との接続箇所(第2箇所158)の近傍と、に分散される。これにより、例えば、直径が1.6mm以上の太径のワイヤWが使用される場合および/または高硬度のワイヤWが使用される場合であっても、第2切断刃80が、例えば、第1箇所154や第2箇所158を起点として、破損することを抑制することができる。また、第3辺170、172が湾曲しているため、刃先156が反力F1を受けても、応力が第3辺170、172の全体に亘って略均一に分散される。これにより、第2切断刃80が破損することをより抑制することができる。
【0074】
(効果)
本実施例の鉄筋結束機2は、ワイヤWを用いて鉄筋Rを結束する。鉄筋結束機2は、第1切断刃78と、第1切断刃78に対して相対的に移動することにより、ワイヤWを切断する第2切断刃80と、を備えている。第2切断刃80は、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する刃部140と、刃部140の第1箇所154に接続されている第1支持部138(第1接続部の一例)と、刃部140の第1箇所154とは異なる第2箇所158に接続されている第2支持部142(第2接続部の一例)と、を備えている。
【0075】
上記の構成によれば、刃部140が第1支持部138と第2支持部142に接続されているため、刃部140がワイヤWを切断するときにワイヤWから反力F1を受けると、応力は、刃部140と第1支持部138との近傍と、刃部140と第2支持部142との近傍と、に分散される。これにより、第2切断刃80が破損することを抑制することができる。
【0076】
また、刃部140の第1箇所154は、刃部140の一端に配置されている。刃部140の第2箇所158は、刃部140の一端と反対側の他端に配置されている。
【0077】
刃部140の第1箇所154が刃部140の一端に配置されておらず、刃部140の第2箇所158が刃部140の他端に配置されていない構成と比較して、第2切断刃80全体をコンパクトにすることができる。
【0078】
また、第2切断刃80は、刃部140と第1支持部138と第2支持部142とにより画定されており、貫通孔を構成する第2切断孔96(切断孔の一例)をさらに備えている。刃部140は、第2切断孔96に挿入されるワイヤWを切断する。
【0079】
上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するとき、応力が、第1支持部138または第2支持部142に集中して作用することを抑制することができる。これにより、第2切断刃80が破損することをより抑制することができる。
【0080】
また、第2切断孔96の断面は、刃部140に形成されており、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する第1辺162と、第1支持部138に形成されている第2辺166と、第1辺162と第2辺166とを接続する第3辺170と、を備えている。第3辺170は、湾曲している。
【0081】
第2切断孔96の断面が第3辺170を備えていない構成とすると、刃部140がワイヤWを切断するとき、応力は、第1辺162と第2辺166との接続箇所に集中する。上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するとき、応力は、湾曲する第3辺170で分散される。これにより、第2切断刃80が破損することをより抑制することができる。
【0082】
また、第2辺166は、直線状に延びている。
【0083】
第2辺166が屈曲している構成とすると、刃部140がワイヤWを切断するとき、応力が屈曲箇所近傍に集中して作用してしまう。上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するときに、応力が第2辺166の特定の箇所近傍に集中して作用することを抑制することができる。これにより、第2切断刃80が破損することをより抑制することができる。
【0084】
また、第2辺166は、第1辺162に対して略垂直である。
【0085】
上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するときに、ワイヤWが第1辺162上を移動することを抑制することができる。
【0086】
また、第2支持部142は、第1支持部138に接続されている。
【0087】
上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するときにワイヤWから反力F1を受けても、第2切断刃80が破損することをより抑制することができる。
【0088】
また、刃部140と第1支持部138と第2支持部142は、一体的に形成されている。
【0089】
上記の構成によれば、刃部140と第1支持部138と第2支持部142の構成が複雑となることを抑制することができる。
【0090】
また、第2切断刃80は、第1切断刃78に対して回転可能である。
【0091】
上記の構成によれば、第2切断刃80が第1切断刃78に対して直線的にスライドする場合と比較して、第1切断刃78と第2切断刃80を配置する空間を小さくすることができる。
【0092】
本明細書が開示する鉄筋結束機2は、ワイヤWを用いて鉄筋Rを結束する。鉄筋結束機2は、本体ハウジング14(ハウジングの一例)と、本体ハウジング14に対して回転されることで、ワイヤWを切断する第2切断刃80(切断刃の一例)と、を備えている。第2切断刃80は、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する刃部140と、刃部140の一方側を、本体ハウジング14に対して回転可能に支持する第1支持部138と、刃部140の他方側を、本体ハウジング14に対して回転可能に支持する第2支持部142と、を備えている。ワイヤWの切断時にワイヤWから刃部140が受ける反力F1を、第1支持部138と第2支持部142が受ける。
【0093】
上記の構成によれば、第1支持部138と第2支持部142が、ワイヤWの切断時にワイヤWから刃部140が受ける反力F1を受けるため、応力は、刃部140と第1支持部138との近傍と、刃部140と第2支持部142との近傍と、に分散される。これにより、第2切断刃80が破損することを抑制することができる。
【0094】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。図15に示すように、第2実施例では、第2切断刃80の第2支持部142は、第1支持部138と刃部140と別体となっている。第2支持部142は、第1支持部138と刃部140から取り外し可能である。
【0095】
第1支持部138は、第1突出部200を備えている。第1突出部200は、支持突部146の右端から外側(右側)に向かって突出している。刃部140は、第2突出部202を備えている。第2突出部202は、刃部140の右端から外側(右側)に向かって突出している。
【0096】
第2支持部142は、第1受入部204と、第2受入部206と、を備えている。第1受入部204と第2受入部206は、第2支持部142の左面から内側(右側)に向かって凹んでいる。第2支持部142が第1支持部138と刃部140に接続しているとき、第1受入部204は、第1突出部200を受け入れることにより第1突出部200と嵌合しており、第2受入部206は、第2突出部202を受け入れることにより第2突出部202と嵌合している。
【0097】
(対応関係)
第1切断刃78と、第2切断刃80と、刃部140と、第1支持部138と、第2支持部142は、それぞれ第1切断刃と、第2切断刃と、刃部と、第1接続部と、第2接続部の一例である。第1箇所154と第2箇所158は、それぞれ第1箇所と第2箇所の一例である。第2切断孔96と、第1辺162と、第2辺166と、第3辺170は、それぞれ切断孔と、第1辺と、第2辺と、第3辺の一例である。
【0098】
(第3実施例)
第3実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。図16に示すように、第3実施例では、第2切断刃80の第2支持部142の形状が、第1実施例の第2支持部142の形状と異なり、第1支持部138は、支持突部146を備えていない。
【0099】
第2支持部142は、刃部140の右端に接続されている。第2支持部142は、リング形状を有する。第2支持部142は、第2支持部142を厚み方向(左右方向)に貫通する挿入開口300を有する。挿入開口300は、基部130の第1開口134と対向して配置されている。第2切断刃80は、第1切断刃78(図7参照)が第1開口134と挿入開口300に挿入されることにより、第1切断刃78に支持されている。
【0100】
(対応関係)
第1切断刃78と、第2切断刃80と、刃部140と、第1支持部138と、第2支持部142は、それぞれ第1切断刃と、第2切断刃と、刃部と、第1接続部と、第2接続部の一例である。第1箇所154と第2箇所158は、それぞれ第1箇所と第2箇所の一例である。第2切断孔96と、第1辺162と、第2辺166と、第3辺170は、それぞれ切断孔と、第1辺と、第2辺と、第3辺の一例である。
【0101】
(第4実施例)
第4実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。図17に示すように、第4実施例では、第2切断刃80の側部132は、第1実施例の第2支持部142を備えていない。
【0102】
図18に示すように、刃部140は、第1支持部138と別体となっている。刃部140は、第1受入部400と、第2受入部402と、を備えている。第1受入部400と第2受入部402は、刃部140の左面から内側(右側)に向かって凹んでいる。第1受入部400と第2受入部402は、第1開口134の周縁に沿って並んで配置されている。
【0103】
図19に示すように、第1支持部138は、第3受入部404と、第4受入部406と、を備えている。第3受入部404と第4受入部406は、支持周縁部144の右端から内側(左側)に向かって凹んでいる。第3受入部404は、第1受入部400と対向して配置され、第4受入部406は、第2受入部402と対向して配置される。第3受入部404と第4受入部406は、第1開口134の周縁に沿って並んで配置されている。
【0104】
側部132は、第1連結部408と、第2連結部410をさらに備えている。第1連結部408と第2連結部410は、第1支持部138と刃部140のそれぞれと別体である。第1連結部408と第2連結部410は、略円柱形状を有する。第1連結部408と第2連結部410は、例えば、連結ピンである。第1連結部408と第2連結部410は、高強度材料からなる。第1連結部408と第2連結部410は、金属材料からなってもよく、セラミックスからなってもよい。第1連結部408と第2連結部410は、例えば、合金工具鋼(SKS、SKD、SKT、SKH)や、高速度工具鋼(SKH)や、クロム鋼(SCR)や、クロムモリブデン鋼鋼材(SCM)や、ニッケルクロム鋼(SNC)ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNC)からなる。また、第1連結部408と第2連結部410は、超硬合金、例えば、タングステンカーバイドを主成分とする材料からなり、前記材料は、タングステンカーバイド以外の材料を微量含み得る。また、第1連結部408と第2連結部410は、例えば、高速度工具鋼(ハイス)からなる。第1連結部408の強度と第2連結部410の強度はともに、第1支持部138の強度と刃部140の強度のそれぞれよりも高い。
【0105】
図18および図19に示すように、第1連結部408は、第1受入部400と第3受入部404のそれぞれに受け入れられることにより、第1受入部400と第3受入部404のそれぞれと嵌合している。また、第2連結部410は、第2受入部402と第4受入部406のそれぞれに受け入れられることにより、第2受入部402と第4受入部406のそれぞれと嵌合している。これにより、刃部140は、第1連結部408と第2連結部410を介して、第1支持部138に接続(固定)されている。
【0106】
図20に示すように、第2切断孔96は、刃部140の端面と、支持周縁部144の右面と、支持突部146の端面と、に画定されている。第2切断孔96の右端は、開いている(閉じていない)。第2切断孔96の断面は、第1辺162、164と、第2辺166と、を備えている。第1辺162は、刃部140の刃先156に形成されている。第1辺164は、支持突部146に形成されている。第2辺166は、支持周縁部144に形成されている。第2辺166は、第1辺162、164のそれぞれに接続されている。第2辺166は、第1辺162、164のそれぞれに対して略垂直である。
【0107】
第2切断刃80が第1切断刃78(図5参照)の周りを第1方向D1(図5参照)に回転して、刃部140の刃先156がワイヤWを切断するとき、ワイヤWは、刃先156(第1辺162)に押し付けられる。図20に示すように、刃先156は、ワイヤWから反力F2を受ける。反力F2は、支持突部146(第1辺164)から刃先156に向かう方向に、刃先156に作用する。また、第1連結部408と、第2連結部410(図16および図17参照)と、支持周縁部144も刃部140を介して反力F2を受ける。このとき、応力が、第1連結部408と刃部140との境界と、第1連結部408と支持周縁部144との境界と、第2連結部410と刃部140との境界と、第2連結部410と支持周縁部144との境界に略均一に分散される。これにより、刃先156が反力F2を受けても、第2切断刃80、例えば、刃部140が破損することを抑制することができる。
【0108】
(効果)
本実施例の鉄筋結束機2は、ワイヤWを用いて鉄筋Rを結束する。鉄筋結束機2は、第1切断刃78と、第1切断刃78に対して相対的に移動することにより、ワイヤWを切断する第2切断刃80と、を備えている。第2切断刃80は、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する刃部140と、刃部140に接続される第1支持部138(接続部の一例)と、第1連結部408および第2連結部410(少なくとも1つの連結部の一例)と、を備えている。刃部140と第1支持部138の一方は、刃部140と第1支持部138の一方の内部に向かって凹んでおり、第1連結部408および第2連結部410を受け入れる第1受入部400および第2受入部402(第3受入部404および第4受入部406)(少なくとも1つの受入部の一例)を備えている。第1受入部400(または第3受入部404)が第1連結部408を受け入れ、第2受入部402(または第4受入部406)を受け入れることにより、第1支持部138は、刃部140に接続されている。
【0109】
上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するときにワイヤWから反力F2を受けると、応力は、第1連結部408と第1受入部400(または第3受入部404)との境界領域および第2連結部410と第2受入部402(または第4受入部406)との境界領域に分散される。これにより、第2切断刃80が破損することを抑制することができる。
【0110】
また、刃部140は、ワイヤWに当接してワイヤWを切断する第1辺162(切断面の一例)を備えている。第1支持部138は、第1辺162に接続されており、第1辺162に対して略垂直である第2辺166(支持面の一例)を備えている。
【0111】
上記の構成によれば、刃部140がワイヤWを切断するときに、ワイヤWが第1辺162上を移動することを抑制することができる。
【0112】
(第5実施例)
第5実施例では、第4実施例と異なる点のみを説明する。図21に示すように、第5実施例では、第1連結部408と第2連結部410は、第1支持部138と一体的に形成されている。第1支持部138は、第4実施例の第3受入部404と、第4受入部406と、を備えていない。
【0113】
第1連結部408と第2連結部410は、支持周縁部144の右端から外側(右側)に向かって突出している。第1連結部408は、第1受入部400に受け入れられることにより、第1受入部400と嵌合している。第2連結部410は、第2受入部402に受け入れられることにより、第2受入部402と嵌合している。これにより、刃部140は、第1支持部138に接続(固定)されている。
【0114】
変形例では、第1連結部408と第2連結部410は、刃部140と一体的に形成されており、刃部140の左面から外側(左側)に向かって突出していてもよい。このとき、刃部140は、第1受入部400と、第2受入部402と、を備えていない。
【0115】
(効果)
本実施例では、刃部140と第1支持部138の他方は、第1連結部408および第2連結部410と一体的に形成されている。第1連結部408および第2連結部410は、刃部140と第1支持部138の他方から外側に向かって突出している。
【0116】
上記の構成によれば、第2切断刃80の構成が複雑となることを抑制することができる。
【0117】
(第6実施例)
第6実施例では、第4実施例と異なる点のみを説明する。図22に示すように、第6実施例では、第2切断孔96の形状が、第4実施例の第2切断孔96の形状と異なる。また、第1支持部138と、刃部140と、第1連結部408(図18参照)と、第2連結部410(図18参照)は、一体的に形成されている。第2切断刃80は、1つの部品からなる。
【0118】
第2切断孔96の第1辺162は、第1辺164に対して傾いている。また、第1辺162は、第2辺166に対して略90度とは異なる角度A1で傾いている。第1辺162と第2辺166がなす角度A1は、鈍角である。角度A1は、90度よりも大きく、135度以下である。本実施例では、角度A1は、105度である。
【0119】
第2切断刃80が第1切断刃78(図5参照)の周りを第1方向D1(図5参照)に回転して、刃部140の刃先156がワイヤWを切断するとき、ワイヤWは、刃先156(第1辺162)に押し付けられる。図22に示すように、刃先156は、ワイヤWから、反力F3を受ける。反力F3は、支持突部146(第1辺164)から刃先156に向かう方向に、刃先156に作用する。角度A1が鈍角であるため、応力が、刃部140と支持周縁部144との連結箇所の近傍(第1辺162と第2辺166との接続箇所の近傍)に集中することが抑制される。刃先156が反力F3を受けても、刃部140は、刃先156が支持突部146から離れる方向に変形し難くなる。これにより、第2切断刃80が、例えば、刃部140と支持周縁部144との連結箇所(第1箇所154)を起点として、破損することを抑制することができる。
【0120】
変形例では、第1支持部138と、刃部140と、第1連結部408(図18参照)と、第2連結部410(図18参照)は、別体であってもよい。
【0121】
(第7実施例)
第7実施例では、第4実施例と異なる点のみを説明する。図23に示すように、第7実施例では、切断ユニット36は、変形防止壁500をさらに備えている。また、第1支持部138と、刃部140と、第1連結部408(図18参照)と、第2連結部410(図18参照)は、一体的に形成されている。第2切断刃80は、1つの部品からなる。図23および図24では、第2切断刃80と変形防止壁500の形状を理解し易くするために、第1切断刃78が図示省略されている。
【0122】
変形防止壁500は、案内部材76と一体的に形成されている。変形防止壁500は、ベース部材74の左面から離反する方向に(左側に)、案内部材76から突出している。変形防止壁500は、第2切断刃80の側部132に沿って延びている。変形防止壁500は、側部132の外面132bに沿って湾曲している。変形防止壁500は、側部132と対向している。
【0123】
図24に示すように、第2切断刃80が第1切断刃78(図5参照)の周りを第1方向D1に回転して、刃部140の刃先156がワイヤWを切断するとき、ワイヤWは、刃先156(第1辺162)に押し付けられる。図24に示すように、刃先156は、ワイヤWから、反力F4を受ける。反力F4は、支持突部146(第1辺164)から刃先156に向かう方向に、刃先156に作用する。刃先156が反力F4を受けることにより、刃部140は、変形防止壁500と当接し、支持突部146から離れる方向に変形し難くなる。これにより、第2切断刃80が、例えば、刃部140と支持周縁部144との連結箇所(第1箇所154)を起点として、破損することを抑制することができる。
【0124】
変形例では、第1支持部138と、刃部140と、第1連結部408(図18参照)と、第2連結部410(図18参照)は、別体であってもよい。
【0125】
(変形例)
一実施形態において、各実施例が組み合わされてもよい。例えば、第1実施例から第6実施例の切断ユニット36が、第7実施例の変形防止壁500を備えていてもよい。また、例えば、第1実施例から第5実施例と第7実施例では、第1辺162と第2辺166がなす角度A1は、鈍角であってもよい。さらに、例えば、第1実施例から第3実施例では、刃部140と支持周縁部144は、第4実施例の第1連結部408と第2連結部410を介して連結されていてもよく、刃部140と第2支持部142は、第4実施例の第1連結部408と第2連結部410を介して連結されていてもよい。
【0126】
一実施形態において、第2切断刃80は、第1切断刃78に対して直線状にスライドすることにより、ワイヤWを切断してもよい。
【0127】
一実施形態において、第1切断刃78は、本体ハウジング14に対して移動可能であってもよい。
【0128】
一実施形態において、第2切断刃80は、第1連結部408と第2連結部410の一方のみを備えていてもよい。また、第2切断刃80は、第1連結部408と第2連結部410の他に、1または複数の連結部をさらに備えていてもよい。
【符号の説明】
【0129】
2 :鉄筋結束機
34 :送りユニット
36 :切断ユニット
38 :捩りユニット
74 :ベース部材
78 :第1切断刃
80 :第2切断刃
94 :第1切断孔
96 :第2切断孔
130 :基部
132 :側部
138 :第1支持部
140 :刃部
142 :第2支持部
144 :支持周縁部
146 :支持突部
154 :第1箇所
156 :刃先
158 :第2箇所
162、164:第1辺
166、168:第2辺
170、172、174、176:第3辺
200 :第1突出部
202 :第2突出部
204 :第1受入部
206 :第2受入部
300 :挿入開口
400 :第1受入部
402 :第2受入部
404 :第3受入部
406 :第4受入部
408 :第1連結部
410 :第2連結部
500 :変形防止壁
B :バッテリパック
F0、F1、F2、F3、F4:反力
R :鉄筋
W :ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24