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特開2023-184191撮像装置、撮像システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184191
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20231221BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231221BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20231221BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20231221BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231221BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231221BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20231221BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
H04N5/232 939
H04N5/232 300
H04N5/232 030
H04N5/232 990
H04N7/18 E
G03B15/00 P
G03B17/00 B
G03B17/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098197
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大渡
【テーマコード(参考)】
2H105
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA12
5C054CF06
5C054CF08
5C054CG08
5C054FE16
5C054FE28
5C122DA11
5C122EA42
5C122EA63
5C122EA66
5C122FE02
5C122FH04
5C122FK34
5C122FK37
5C122FK41
5C122FL04
5C122GC07
5C122GC52
5C122GD04
5C122GD06
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】
本発明は、ユーザ操作に基づいて撮像装置の撮像方向を変更している際に映像のオートフリップが発生した場合でも、ユーザの意図した撮像方向に制御できる撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
被写体を撮像する。前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する。前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する。前記撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
撮像装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後に、前記第2画像を前記第1出力画像として出力する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後、所定の時間が経過した場合に、前記第2画像を前記第1出力画像として出力する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
いずれかの座標系に従って前記撮像方向を変更するユーザ操作に基づいて、前記撮像方向を変更する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後に、前記ユーザ操作の座標系を変更する、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記第1画像が前記第1出力画像として出力され、かつ、前記撮像方向が前記所定の範囲に近接する場合に、前記第2画像を前記第2出力画像として出力することを予告する第1表示を前記第1画像に重畳した画像を前記第1出力画像として出力する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記第1画像が前記第1出力画像として出力され、かつ、前記第2画像が前記第2出力画像として出力されている場合に、前記第2画像が前記第2出力画像として出力されていることを示す第2表示を前記第1画像に重畳した画像を前記第1出力画像として出力する、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像方向を変更する方向、又は、前記撮像方向の目標方向を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、受け付けた前記方向、又は、前記目標方向に基づいて前記撮像方向を変更する、
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記撮像方向を前記目標方向に変更している際の撮像方向が前記所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記第2画像を前記第1出力画像と前記第2出力画像としてそれぞれ出力する、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記撮像方向を前記方向に変更している際の撮像方向が前記所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記第1画像を前記第1出力画像として、前記第2画像を前記第2出力画像としてそれぞれ出力する、
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記受付手段は、前記撮像方向を変更する際の速度を更に受け付ける、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮像方向を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記撮像方向を前記記憶した前記撮像方向に変更する、
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記出力手段は、前記第1出力画像と前記第2出力画像を第1外部装置と第2外部装置にそれぞれ出力する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
ユーザ操作に基づいて前記撮像方向を制御するコントローラと、
前記第1出力画像、又は、前記第1出力画像と前記第2出力画像を表示する表示装置と、
請求項1から12のいずれか一項に記載の撮像装置と、を備える、
撮像システム。
【請求項14】
撮像装置が実行する方法であって、
前記撮像装置の撮像手段が、被写体を撮像する撮像工程と、
前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力工程と、を備え、
前記出力工程で前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
方法。
【請求項15】
コンピュータに撮像装置が実行する方法を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
前記撮像装置の撮像手段が、被写体を撮像する撮像工程と、
前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力工程と、を備え、
前記出力工程で前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パン・チルト・ズームを変更可能なPTZカメラ(以下、撮像装置)は、映像制作の現場で使用される。外部制御装置(以下、コントローラと呼ぶ)は、撮像装置とケーブルで接続される。ユーザは、コントローラのスティックを操作することで、撮像装置のPTZをリモートで操作できる。これにより、ユーザは、撮像装置の撮像方向を変更しながら被写体の撮像を行うことができる。例えば、撮像装置は、天井に設置されることがある。ここで、撮像装置は、鉛直方向から離れて所定のチルト方向で被写体を撮像した場合、撮像した映像の被写体が180°回転した状態(上下左右逆さま)で写る。そこで、撮像装置は、撮像した映像を180°回転させて出力する。撮像装置が行う上記の出力処理は「オートフリップ機能」と呼ばれる。
【0003】
例えば、ユーザがコントローラのスティックを下方向に操作することで、撮像装置は下方向へチルトする。次に、撮像装置は、鉛直方向から離れて所定のチルト方向から撮像する場合、PT座標系を変更せずに撮像した映像を180°回転させる。すると、ユーザは、スティックを下方向に操作しているのに、映像中の撮像範囲が上方向に移動することを認識する。つまり、ユーザがスティックを操作する方向(下方向)と映像中の撮像範囲が移動する方向(上方向)が反対となる。そのため、ユーザは、撮像装置をユーザの意図した撮像方向に制御しづらいと感じる。
【0004】
上記の問題点を踏まえて、特許文献1は、映像を180°回転するとともにPT座標系を反転させることで、撮像装置がユーザの意図しない撮像方向に向くことを防止している。特許文献2は、映像を180°回転させる際に、映像の回転角度が0°以上180°未満となる中間映像を用いて、ユーザに映像が回転したことを通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6165376号公報
【特許文献2】特許第5235910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、撮像装置が撮像方向の変更を停止している際に撮像した映像をオートフリップするとともに、ユーザのスティック操作方向と同じ方向となるように撮像装置のPT制御を行っている。特許文献1では、ユーザのスティック操作に基づいて撮像装置のPT制御をしている際にPT座標系を反転すると、スティック操作方向とは反対に撮像装置がPTするため、ユーザは意図した撮像方向に撮像装置を制御できない。特許文献2では、ユーザは映像の反転を認識できるが、スティック操作方向と撮像範囲が移動する方向が反対となるため、スティックを操作しづらいと感じる。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザ操作に基づいて撮像装置の撮像方向を変更している際に映像のオートフリップが発生した場合でも、ユーザの意図した撮像方向に制御できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る撮像装置は、以下の構成を備える。すなわち、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力手段と、を備え、前記出力手段は、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザ操作に基づいて撮像装置の撮像方向を変更している際に映像のオートフリップが発生した場合でも、ユーザの意図した撮像方向に制御できる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る撮像システムの概要図。
図2】第1実施形態に係る撮像装置の撮像方向を説明する図。
図3】第1実施形態に係る撮像装置の機能を説明するブロック図。
図4】撮像装置が実行するオートフリップを説明する図。
図5】撮像装置が実行するオートフリップを説明するフローチャート。
図6】第1実施形態に係る配信用映像に対するオートフリップ設定を示す図。
図7】第1実施形態に係るOSD表示処理を説明するフローチャート。
図8】第1実施形態に係るオートフリップを説明するフローチャート。
図9】第1実施形態に係る制御通信シーケンスを示す図。
図10】第1実施形態に係る制御通信に用いるパケット構造を示す図。
図11】第1実施形態に係る制御通信に用いるコマンドリストを示す図。
図12】第1実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
(第1実施形態)
撮像装置は、被写体を撮像し、撮像手段による被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する。撮像装置は、撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、撮像手段が被写体を撮像した第1画像を第1出力画像として、第1画像を回転した第2画像を第2出力画像として、それぞれ出力する。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る撮像システムの概要図である。
【0014】
撮像システム10は、被写体を撮像するシステムである。撮像システム10は、撮像装置100、表示装置200、コントローラ300、ネットワーク400、及び情報処理装置500を備える。
【0015】
撮像装置100は、被写体を撮像する装置であり、例えば、PTZカメラである。撮像装置100は、第1出力端子101、第2出力端子102、制御通信端子103、及びI/F104を備える。
【0016】
第1出力端子101及び第2出力端子102は、撮像装置100が撮像した映像を出力する端子である。第1出力端子101及び第2出力端子102は、例えば、SDI(Serial Digital Interface)、HDMI(登録商標)の規格に準拠する端子である。また、第1出力端子101及び第2出力端子102は、映像をIP(Internet Protocol)でパケット化することで映像を出力するEthernet(登録商標)端子であっても良い。
【0017】
制御通信端子103は、コントローラ300からの制御信号及び制御コマンドを受信し、コントローラ300へ応答信号を送信する通信端子である。制御通信端子103は、例えば、High/Lowの信号を伝達する接点端子である。制御通信端子103は、RS-232C等のシリアル通信規格、又は、Ethernet(登録商標)の通信規格に準拠する端子である。
【0018】
I/F104は、ネットワーク400を介して情報処理装置500と通信するための端子である。I/F104は、例えば、Ethernet(登録商標)端子及びWi-Fi(登録商標)の送受信モジュールである。
【0019】
表示装置200は、映像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイである。表示装置200は、撮像装置100からの映像を画面に表示する。
【0020】
コントローラ300(受付手段に相当)は、ユーザの操作入力に基づいて、撮像装置100のパン・チルト・ズーム(PTZ)を制御する装置である。コントローラ300は、スティック301及び制御ボタン302を備える。
【0021】
スティック301は、撮像装置100のPTZを制御する装置である。コントローラ300は、スティック301が左に傾くと左方向にパンする指示(制御コマンド)を、制御通信端子103を介して撮像装置100に送信する。コントローラ300は、スティック301が上に傾くと上方向にチルトする指示(制御コマンド)を、制御通信端子103を介して撮像装置100に送信する。なお、コントローラ300は、スティック301の傾斜角度に対応するパン及びチルトの速度を上記の制御コマンドと同時に送信する。
【0022】
また、ユーザは、スティック301を回転することで、撮像装置100のズームを変更できる。例えば、コントローラ300は、スティック301が時計回りに回転するとズームインの指示(制御コマンド)を撮像装置100に送信する。一方で、コントローラ300は、スティック301が反時計回りに回転するとズームアウトの指示(制御コマンド)を撮像装置100に送信する。
【0023】
制御ボタン302は、撮像装置100のPTZ値を登録するための、及び、登録したPTZ値に撮像装置100を制御するためのボタンを有する。撮像装置100は、PTZ値を登録する指示を受信すると、PTZ値と識別番号(例えば1番、2番)とを紐づけたプリセットを記憶する。ユーザが制御ボタン302を押下すると、コントローラ300は、撮像装置100にPTZ値を登録する、又は、登録したPTZ値に基づいて駆動する指示を撮像装置100に送信する。
【0024】
例えば、ユーザが制御ボタン302の「1番のボタン」を長押しした場合、現在の撮像装置100のPTZ値を「プリセット1番」として登録する制御コマンドを撮像装置100に送信する。ユーザが制御ボタン302の「プリセット1番」のボタンを短押しする場合、「プリセット1番」に登録済みのPTZ値に基づいて駆動する制御コマンドを撮像装置100に送信する。なお、制御ボタン302は、撮像装置100のPTZ値を登録する制御及び登録済みのPTZ値に基づいて撮像装置100を駆動する制御以外の制御を行っても良い。
【0025】
ネットワーク400は、例えば、Ethernet(登録商標)等の通信規格に準拠する複数のルータ、スイッチ、及びケーブル等を含む。撮像装置100及び情報処理装置500は、ネットワーク400を介して相互に接続される。なお、ネットワーク400は、インターネット、及び、有線又は無線LAN(Local Area Network)であっても良い。
【0026】
情報処理装置500は、例えば、表示部(画面)を備えたパーソナルコンピュータ(PC)等のクライアント装置である。情報処理装置500は、ネットワーク400を介して撮像装置100からの映像及びUI(User Interface)を画面に表示する。また、情報処理装置500は、UIを介して受け付けたユーザ操作に基づく各種制御コマンドを撮像装置100に送信する。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る撮像装置の撮像方向を説明する図である。図2(a)は、地上設置時の撮像装置を上から見た平面図である。図2(b)は、地上設置時の撮像装置の左側面図である。図2(c)は、天井設置時の撮像装置を下から見た平面図である。図2(d)は、天井設置時の撮像装置の左側面図である。
【0028】
撮像装置100の撮像方向は、パン値、チルト値及びズーム値(すなわち、PTZ値)によって定義される。ここで、パン値及びチルト値は、正立座標系と倒立座標系で表される。
【0029】
正立座標系(第1座標系)は、図2(a)~(d)に示すように、地上設置時又は天井設置時の撮像装置100が時計回りにパン又はチルトする際に用いる座標系である。地上設置とは、例えば、撮像装置100を卓上又は三脚に設置することをいう。天井設置とは、例えば、撮像装置100を天井に設置することをいう。倒立座標系(第2座標系)は、図2(a)~(d)に示すように、地上設置時又は天井設置時の撮像装置100が反時計回りにパン又はチルトする際に用いる座標系である。なお、撮像装置100は、正立座標系と倒立座標系を動的に切り替えることができる。座標系の切り替えとは、ユーザのスティック操作方向と撮像装置100のPT方向を一致させる制御のことである。座標系の切り替えの一例として、例えば、ユーザのスティック操作方向(下方向)と撮像装置100のチルト方向(下方向)を一致させることが挙げられる。
【0030】
図2(a)でパン値は、撮像装置100を上から見た時の時計回りに0°~+180°の範囲の正の値(角度)をとる。一方で、パン値は、撮像装置100を上から見た時の反時計回りに0°~-180°の範囲の負の値(角度)をとる。パン方向109は、撮像装置100のパン可能な方向である。
【0031】
図2(b)でチルト値は、撮像装置100を左側面(図2(a)の-90°の方向から撮像装置100を見た面)から見た時の時計回りに0°~+220°の範囲の正の値(角度)をとる。一方で、チルト値は、撮像装置100を左側面から見た時の反時計回りに0°~-40°の範囲の負の値(角度)をとる。チルト方向110は、撮像装置100のチルト可能な方向である。
【0032】
図2(c)でパン値は、撮像装置100を下から見た時の時計回りに0°~-180°の範囲の負の値(角度)をとる。一方で、パン値は、撮像装置100を下から見た時の反時計回りに0°~+180°の範囲の正の値(角度)をとる。パン方向109は、撮像装置100のパン可能な方向である。
【0033】
図2(d)でチルト値は、撮像装置100を左側面(図2(c)の+90°の方向から撮像装置100を見た面)から見た時の時計回りに0°~+40°の範囲の正の値(角度)をとる。一方で、チルト値は、撮像装置100を左側面から見た時の反時計回りに0°~-220°の範囲の負の値(角度)をとる。チルト方向110は、撮像装置100のチルト可能な方向である。
【0034】
なお、撮像装置100のズーム値は、レンズ105の焦点距離から算出される。
【0035】
図12は、第1実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成を示す図である。
【0036】
撮像装置100は、CPU210、RAM211、ROM212、及び記憶部213を備える。
【0037】
CPU210は、中央演算処理装置であり、撮像装置100の各部を制御する。
【0038】
RAM211は、CPU210が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶するためのメモリであり、例えば、SRAM及びDRAM等の揮発性メモリである。
【0039】
ROM212は、CPU210が撮像装置100の各部を制御するためのプログラムを記憶するメモリであり、例えば、EPROM等の不揮発性メモリである。
【0040】
記憶部213は、プログラム及び映像データを記憶する装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)を含む。
【0041】
図3は、第1実施形態に係る撮像装置の機能を説明するブロック図である。図3の撮像装置100の機能(ハードウェア構成のブロックを除く)は、CPU210がROM212のプログラムを実行することで実現される。
【0042】
撮像装置100は、画像処理部112、システム制御部113、PTZ制御部114、出力部116、制御通信部117、及びネットワーク通信部118を有する。なお、撮像装置100は、ハードウェア構成として、レンズ105、レンズ駆動部106、パン駆動部107、チルト駆動部108、撮像部111、及び記憶部213を有する。
【0043】
レンズ105の光軸上で被写体側の方向が、撮像装置100の撮像方向である。レンズ105を通過した光束は、撮像装置100の撮像部111の撮像素子に結像する。
【0044】
レンズ駆動部106は、レンズ105を駆動する要素からなり、レンズ105の焦点距離を変更する。また、レンズ駆動部106は、PTZ制御部114によって制御される。
【0045】
パン駆動部107は、機械的駆動部(例えば、ギヤ)及び駆動源(例えば、モータ)からなる。パン駆動部107は、撮像装置100の撮像方向を、図2(a)又は図2(c)のパン方向109に駆動する。また、パン駆動部107は、PTZ制御部114によって制御される。
【0046】
チルト駆動部108は、機械的駆動部(例えば、ギヤ)及び駆動源(例えば、モータ)からなる。チルト駆動部108は、撮像装置100の撮像方向を、図2(b)又は図2(d)のチルト方向110に駆動する。また、チルト駆動部108は、PTZ制御部114によって制御される。
【0047】
撮像部111は、CCD(charge coupled device)センサ及びCMOS(complementary metal oxide semiconductor)センサ等の撮像素子を備える。そして、撮像部111は、レンズ105を通って結像された被写体像を光電変換することで電気信号を生成する。
【0048】
画像処理部112は、撮像部111からの電気信号をデジタル信号へ変換する処理及び圧縮符号化処理などの画像処理を行うことで、画像データを生成する。また、画像処理部112は、システム制御部113からの指示に基づいて、映像を構成する静止画像(以下、画像)を180°回転する処理(すなわち、オートフリップ)を行う。本実施形態の画像処理部112は、画像を180°回転する処理を行うが、被写体の撮像状況に応じて、例えば、画像に対し90°回転及び270°回転等の任意の角度で回転する処理を行っても良い。画像処理部112は、文字情報を画像に重畳するOSD(On-Screen Display)処理を行う。
【0049】
システム制御部113は、撮像装置100の各部を制御する。システム制御部113は、コントローラ300又は情報処理装置500からの撮像装置100の制御コマンドを解析する。また、システム制御部113は、PTZ制御部114に対してPTZ値を含む制御コマンドを送信する。システム制御部113は、画像処理部112に対して画像データを生成する際の画質調整、画像の180°回転処理、及び画像に文字情報を重畳する処理を行う指示を送信する。
【0050】
PTZ制御部114は、システム制御部113からの指示に基づいて、パン駆動部107、チルト駆動部108及びレンズ駆動部106の制御を行うことで、撮像装置100のPTZを制御する。
【0051】
記憶部213は、例えば、画質設定パラメータ、PTZ値、撮像装置100の設置状態を記憶(保持)する。撮像装置100の設置状態は、地上設置の状態及び天井設置の状態を含む。
【0052】
出力部116は、画像処理部112からの映像を所定の映像フォーマットに変換した信号を、第1出力端子101及び第2出力端子102を介して、表示装置200及び配信先のデバイスへ出力する。本実施形態では、出力部116は、第1出力端子101から配信先のデバイスへ映像を送信し、第2出力端子102から表示装置200へ映像を送信するが、これに限られない。例えば、出力部116は、第1出力端子101から操作用映像700と配信用映像800を表示装置200へ送信しても良い。これにより、ユーザは、表示装置200の画面で操作用映像700と配信用映像800の両方を確認することができるので、オートフリップの発生をより認識しやすくなる。
【0053】
制御通信部117は、制御通信端子103を介して、コントローラ300からの各種指示をシステム制御部113へ送信する。
【0054】
ネットワーク通信部118は、I/F104を介して、情報処理装置500との通信を行う。例えば、ネットワーク通信部118は、撮像装置100が撮像した画像を、ネットワーク400を介して情報処理装置500に送信する。また、ネットワーク通信部118は、情報処理装置500から受信した撮像装置100の制御コマンドをシステム制御部113に送信する。
【0055】
図4は、撮像装置が実行するオートフリップを説明する図である。天井設置時の撮像装置100は、チルト値を0°~-220°の範囲に変更しつつ被写体を撮像する。撮像装置100は、撮像方向が所定のチルト値の範囲にある場合、操作用映像700と配信用映像800のオートフリップを行う。以下、ユーザがスティック301を操作する方向と各映像の変化について説明する。
【0056】
図4は、(a)通常駆動時、(b)オートフリップ直前、(c)オートフリップ直後、(d)停止、及び(e)再駆動の区分における撮像装置100の動作、操作用映像700、及び配信用映像800を示す。
【0057】
操作用映像700は、第2出力端子102を介して、表示装置200に表示される映像である。ユーザは、表示装置200の操作用映像700を確認しながら、スティック301を操作する。識別表示701と警告表示702は、OSD情報として操作用映像700に重畳表示される。識別表示701は、操作用映像700であることを表示するものであり、操作用映像700で「操作用映像」と表示される。警告表示702は、操作用映像700に表示するテキストメッセージのことをいう。なお、操作用映像700の右下の黒い矢印は、撮像範囲が移動する方向を表す。例えば、図4(a)の操作用映像700の右下にある下向きの黒い矢印は、撮像範囲が下方向に移動することを表す。
【0058】
配信用映像800は、第1出力端子101を介して、外部装置(不図示)に配信される映像である。なお、配信用映像800の右下の黒い矢印は、撮像範囲が移動する方向を表す。例えば、図4(a)の配信用映像800の右下にある下向きの黒い矢印は、撮像範囲が下方向に移動することを表す。
【0059】
図4(a)では、ユーザがスティック301を下方向に倒しているので、撮像装置100は矢印710の方向にチルトする。ここでは、画像処理部112は、配信用映像800に対するオートフリップ(180°回転処理)を実行しない。撮像装置100のチルト値(角度)をθtとすると、図4(a)の撮像装置100のチルト値は-80°≦θt≦0°の範囲の値を取る。
【0060】
図4(b)では、ユーザがスティック301を下方向に倒し続け、撮像装置100は鉛直方向(チルト値θt=-90°)にチルトしている。ここで、画像処理部112は、警告表示702として「間もなく配信用映像が反転します。」の予告メッセージを操作用映像700に重畳する処理を行う。そして、出力部116は、警告表示702を重畳した操作用映像700を表示装置200に出力する。なお、図4(b)の撮像装置100のチルト値は-100°<θt<-80°の範囲の値を取る。
【0061】
図4(c)では、ユーザがスティック301を下方向に倒し続け、撮像装置100は矢印710の方向に更にチルトしている。ここでは、画像処理部112は、チルト値(角度)が所定の値となった場合、配信用映像800に対してオートフリップ(180°回転処理)する。これにより、配信用映像800は180°回転しているが、操作用映像700は回転していない。なお、図4(c)の撮像装置100のチルト値はθt≦-100°の範囲の値を取る。
【0062】
また、画像処理部112は、警告表示702として「配信用映像が反転しています。」のメッセージを操作用映像700に重畳する処理を行う。そして、出力部116は、警告表示702を重畳した操作用映像700を表示装置200に出力する。ここで、配信用映像800の右下の黒い矢印は上向きであるため、ユーザがスティック301を操作する方向(下方向)と撮像範囲が移動する方向(上方向)が反対となっている。そのため、ユーザは、スティック301の操作方向と撮像範囲の移動方向が反対となることを認識しつつ、スティック301の操作を行う必要がある。例えば、ユーザは、操作用映像700ではなく配信用映像800を確認してスティック301を操作する場合、スティック301を直感的に操作しづらいと感じる。
【0063】
一方で、操作用映像700の右下の黒い矢印は下向きであるため、ユーザがスティック301を操作する方向(下方向)と撮像範囲が移動する方向(下方向)が同じである。そのため、ユーザは、撮像範囲が移動する方向を認識しなくても、操作用映像700を確認しながらスティック301を直感的に操作できる。
【0064】
図4(d)では、ユーザはスティック301の位置をホームポジション(中立状態)に戻し、撮像装置100はチルトを停止する。画像処理部112は、操作用映像700に対してオートフリップ(180°回転処理)を行う。これにより、操作用映像700と配信用映像800の被写体600は同じ構図となる。また、画像処理部112は、操作用映像700に重畳した警告表示702を表示しない制御を行う。これにより、操作用映像700に警告表示702が表示されない。さらに、システム制御部113は、座標系を倒立座標系から正立座標系に切り替える制御を行う。なお、図4(d)の撮像装置100のチルト値は、θt≦-100°の範囲の値を取る。
【0065】
図4(e)では、ユーザは再びスティック301を下方向に倒し、撮像装置100は矢印710の方向にチルトする。操作用映像700の右下の黒い矢印は下向きであるため、ユーザがスティック301を操作する方向(下方向)と撮像範囲が移動する方向(下方向)が同じである。そのため、ユーザは、撮像範囲が移動する方向を認識しなくとも、操作用映像700を確認しながらスティック301を直感的に操作できる。なお、図4(e)の撮像装置100のチルト値は、被写体600側の水平方向をチルト値θt=0°とすると、θt≦80°の範囲の値を取る。
【0066】
図5は、撮像装置が実行するオートフリップを説明するフローチャートである。図5の各ステップに記載の「PT」は、パン及びチルトのことを表す。以下、説明を容易にするために、撮像装置100のチルト方向及びチルト速度に基づくオートフリップについて説明する。なお、パン方向及びパン速度に基づくオートフリップは、チルトの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
S501でシステム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドを、コントローラ300又は情報処理装置500から受信する。
【0068】
S502でシステム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドに基づいて、チルト駆動部108の制御を開始する。ここでは、ユーザがコントローラ300のスティック301を下方向に操作した場合における撮像装置100のチルト制御について説明する。図4(a)が示すように、スティック301の操作方向(下方向)と、操作用映像700及び配信用映像800の右下の黒い矢印の方向(下方向)は同じである。
【0069】
S503でシステム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドを受信したか否かを判定する。システム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドを受信したと判定した場合(S503でYes)、処理はS504に進む。一方で、システム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドを受信していないと判定した場合(S503でNo)、処理はS505に進む。
【0070】
S504でシステム制御部113は、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドに基づいて、チルト方向及びチルト速度を変更する制御を行う。
【0071】
S505で画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理を行う。なお、配信用映像800の回転処理は、図6を用いて後述する。
【0072】
S506で画像処理部112は、警告表示702を操作用映像700に重畳する処理を行う。操作用映像700に対する警告表示702の重畳処理は、図7を用いて後述する。
【0073】
S507でシステム制御部113は、チルト停止の制御コマンドを受信したか否かを判定する。なお、チルト停止の制御コマンドは、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドと同様に、コントローラ300又は情報処理装置500から送信される。システム制御部113は、チルト停止の制御コマンドを受信したと判定した場合(S507でYes)、処理はS508に進む。一方で、システム制御部113は、チルト停止の制御コマンドを受信していないと判定した場合(S507でNo)、処理はS503に戻る。
【0074】
S508でシステム制御部113は、撮像装置100のチルトを停止する制御を行う。
【0075】
S509でシステム制御部113は、撮像装置100のチルト停止から1秒以上経過したか否かを判定する。システム制御部113は、撮像装置100のチルト停止から1秒以上経過したと判定した場合(S509でYes)、処理はS511に進む。システム制御部113は、撮像装置100のチルト停止から1秒以上経過していないと判定した場合(S509でNo)、処理はS510に進む。
【0076】
S510でシステム制御部113は、撮像装置100をチルトする制御コマンドを受信したか否かを判定する。システム制御部113は、撮像装置100をチルトする制御コマンドを受信したと判定した場合(S510でYes)、処理はS502に戻る。システム制御部113は、撮像装置100をチルトする制御コマンドを受信していないと判定した場合(S510でNo)、処理はS509に戻る。
【0077】
S509~S510の処理を行う理由を説明する。撮像装置100のチルトが停止した直後に、ユーザは撮像装置100のチルトを修正するためにスティック301を操作することがある。そこで、撮像装置100のチルトが停止した直後に、PT座標系を反転してしまうと、ユーザは180°回転した操作用映像700を見ながらスティック301を操作することになる。なお、PT座標系は、図2で説明した撮像装置100の正立座標系及び倒立座標系のことをいう。そして、ユーザによるスティック301の操作方向と操作用映像700の撮像範囲の移動方向は反対となるため、ユーザは、撮像装置100を意図した撮像方向にチルト制御しづらいと感じる。以上の通り、撮像装置100のチルトが停止した直後に、操作用映像700のオートフリップを行うのではなく、チルト停止から1秒経過してから操作用映像700をオートフリップする。これにより、撮像装置100のチルト制御を行う際のユーザビリティが向上する。なお、撮像装置100のチルト停止から操作用映像700のオートフリップを行うまでの待機時間は1秒であるが、任意の待機時間であって良い。
【0078】
S511でシステム制御部113は、配信用映像800に対する180°回転処理の設定がOFF(180°回転処理を行わない設定)であるか否かを判定する。システム制御部113は、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定した場合(S511でYes)、処理はS512に進む。一方で、システム制御部113は、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFではない(180°回転処理を行う設定)と判定した場合(S511でNo)、処理はS514に進む。
【0079】
S512でシステム制御部113は、PT座標系を正立座標系に設定する。
【0080】
S513でシステム制御部113は、操作用映像700に対する180°回転処理の設定をOFF(すなわち、180°回転処理を行わない設定)にする。
【0081】
S514でシステム制御部113は、PT座標系を倒立座標系に設定する。
【0082】
S515でシステム制御部113は、操作用映像700に対する180°回転処理の設定をON(すなわち、180°回転処理を行う設定)にする。
【0083】
S516でシステム制御部113は、操作用映像700に重畳した警告表示702を表示しない制御を行う。警告表示702の更新は、図7を用いて後述する。
【0084】
図6は、第1実施形態に係る配信用映像に対するオートフリップ設定を示す図である。
【0085】
まず、地上設置時の撮像装置100が配信用映像800に対して180°回転処理(オートフリップ)する際の設定について説明する。
【0086】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtが80°≦θtである場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をしない。
【0087】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtが80°<θt<100°の範囲にある場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をしない。なお、オートフリップを行う条件として規定したチルト値(閾値)に基づいて撮像装置100のチルト制御を行う場合、「ハンチング現象」が発生する。ハンチング現象とは、配信用映像800の180°回転(オートフリップ)が閾値付近で頻繁に発生する現象のことをいう。そこで、システム制御部113が、上記のチルト値θtの範囲に基づいて、配信用映像800の180°回転処理を行うか否かを判定することで、ハンチング現象を回避できる。
【0088】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtが100°≦θtである場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。
【0089】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-100°≦θtである場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。
【0090】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-100°<θt<-80°の範囲にある場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。システム制御部113が、上記のチルト値θtの範囲に基づいて、配信用映像800の180°回転処理を行うか否かを判定することで、ハンチング現象を回避できる。
【0091】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-80°≦θtである場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理を行わない。
【0092】
次に、天井設置時の撮像装置100が配信用映像800に対して180°回転処理(オートフリップ)する際の設定について説明する。
【0093】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtがθt≦80°である場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。
【0094】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtが80°<θt<100°の範囲にある場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。システム制御部113が、上記のチルト値θtの範囲に基づいて、配信用映像800の180°回転処理を行うか否かを判定することで、ハンチング現象を回避できる。
【0095】
システム制御部113は、正立座標系におけるチルト値θtが100°≦θtである場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理を行わない。
【0096】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-100°≦0°である場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理を行わない。
【0097】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-100°<θt<-80°の範囲にある場合、配信用映像800の180°回転処理の設定がOFFであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理を行わない。システム制御部113が、上記のチルト値θtの範囲に基づいて、配信用映像800の180°回転処理を行うか否かを判定することで、ハンチング現象を回避できる。
【0098】
システム制御部113は、倒立座標系におけるチルト値θtが-80°≦θtである場合、配信用映像800の回転処理の設定がONであると判定する。この際、画像処理部112は、配信用映像800に対して180°回転処理をする。
【0099】
図7は、第1実施形態に係るOSD表示処理を説明するフローチャートである。
【0100】
S701でシステム制御部113は、取得した映像が操作用映像700であるか否かを判定する。システム制御部113は、取得した映像が操作用映像で700であると判定した場合(S701でYes)、処理はS702に進む。システム制御部113は、取得した映像が操作用映像で700ではないと判定した場合(S701でNo)、処理は終了する。
【0101】
S702でシステム制御部113は、配信用映像800の180°回転処理の設定がONである(180°回転処理を行う設定)か否かを判定する。システム制御部113は、配信用映像800の180°回転処理の設定がONであると判定した場合(S702でYes)、処理はS703に進む。システム制御部113は、配信用映像800の180°回転処理の設定がONではないと判定した場合(S702でNo)、処理はS704に進む。
【0102】
S703でシステム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がOFFである(180°回転処理を行わない設定)か否かを判定する。システム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がOFFであると判定した場合(S703でYes)、処理はS706に進む。システム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がOFFではないと判定した場合(S703でNo)、処理はS705に進む。
【0103】
S704でシステム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がONであるか否かを判定する。システム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がONであると判定した場合(S703でYes)、処理はS706に進む。システム制御部113は、操作用映像700の180°回転処理の設定がONではないと判定した場合(S703でNo)、処理はS705に進む。
【0104】
S705でシステム制御部113は、現在のチルト値θtと、所定のチルト値(オートフリップを行う際のチルト値)との差分が、所定の閾値以下であるか否かを判定する。システム制御部113は、差分が所定の閾値以下であると判定した場合(S705でYes)、処理はS707に進む。システム制御部113は、差分が所定の閾値以下ではないと判定した場合(S705でNo)、処理はS708に進む。
【0105】
ここで、所定の閾値は10°である。例えば、地上設置時の撮像装置100では、正立座標系における所定のチルト値は100°である。そのため、システム制御部113は、現在のチルト値θtが90°~100°の間にある場合、差分(0°~10°)が所定の閾値(10°)以下であると判定する。このように、システム制御部113は、現在のチルト値θtの所定のチルト値に対する近接度合いを判定しているが、他の判定方法が用いられても良い。
【0106】
S706でシステム制御部113は、操作用映像700に警告表示702として「配信用映像が反転しています。」のメッセージを重畳する処理を行う。
【0107】
S707でシステム制御部113は、操作用映像700に警告表示702として「間もなく配信用映像が反転します。」のメッセージを重畳する処理を行う。
【0108】
S708でシステム制御部113は、操作用映像700に警告表示702を重畳する処理を行わない。
【0109】
図8は、第1実施形態に係るオートフリップを説明するフローチャートである。図8の各ステップに記載の「PT」は、パン及びチルトのことを表す。以下、説明を容易にするために、撮像装置100のチルト方向及びチルト速度に基づくオートフリップについて説明する。なお、パン方向及びパン速度に基づくオートフリップは、チルトの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0110】
撮像装置100は、チルト方向とチルト速度を指定した制御コマンドに基づいて駆動するだけではなく、目標チルト値を指定した制御コマンドに基づいて駆動することも可能である。なお、目標チルト値は、目標方向に相当する。
【0111】
例えば、撮像装置100の目標チルト値は、情報処理装置500の画面のUIを介して、直接指定されても良い。この方法は、撮像装置100に登録されたプリセットを呼び出すことにより、撮像装置100を目標チルト値に駆動させる方法に相当する。
【0112】
上記の方法では、スティック301を介して撮像装置100をチルト制御しないことから、操作用映像700が途中で反転(180°回転)した場合でもユーザビリティは低下しない。そのため、操作用映像700と配信用映像800は、同じタイミングでオートフリップ(180°回転処理)される。また、警告表示702を操作用映像700に重畳する処理は不要である。以下、スティック301を用いずに撮像装置100のチルト制御を行う方法について説明する。
【0113】
S801でシステム制御部113は、チルト値を指定する制御コマンドを受信する。チルト値を指定する制御コマンドは、チルト方向及びチルト速度を指定した制御コマンドと同様に、コントローラ300又は情報処理装置500から送信される。また、システム制御部113がプリセット呼び出しコマンドを受信する場合、プリセット呼び出しコマンドは、撮像装置100内でチルト値を指定した制御コマンドに変換される。
【0114】
S802でシステム制御部113は、受信した制御コマンドの目標チルト値に基づいて、チルト駆動部108の制御を行う。
【0115】
S803でシステム制御部113は、チルト値を指定する制御コマンドを受信したか否かを判定する。システム制御部113は、チルト値を指定する制御コマンドを受信したと判定した場合(S803でYes)、処理はS804に進む。システム制御部113は、チルト値を指定する制御コマンドを受信していないと判定した場合(S803でNo)、処理はS805に進む。
【0116】
S804でシステム制御部113は、受信した制御コマンドに基づいて目標チルト値を更新するが、必要に応じて、チルト方向及びチルト速度を変更する。
【0117】
S805でシステム制御部113は、現在のチルト値が所定のチルト値を越えたか否かに基づいて、操作用映像700及び配信用映像800に対する180°回転処理の設定(ON/OFF)を切り替える。この際、予め指定した目標チルト値に基づいて撮像装置100が駆動する場合、撮像装置100のチルトが頻繁に変更されることはない。ここで、所定のチルト値(角度)は、例えば地上設置時の正立座標系において100°であり、倒立座標系において-100°である。
【0118】
S806でシステム制御部113は、現在のチルト値が目標チルト値と同じであるか否か、又は、チルト停止コマンドを受信したか否かを判定する。システム制御部113は、現在のチルト値が目標チルト値と同じではなく、かつ、チルト停止コマンドを受信していないと判定した場合(S806でNo)、処理はS803に進む。システム制御部113は、現在のチルト値が目標チルト値と同じであり、又は、チルト停止コマンドを受信したと判定した場合(S806でYes)、処理はS807に進む。
【0119】
S808でシステム制御部113は、配信用映像800に対する180°回転処理の設定がOFFであるか否かを判定する。システム制御部113は、配信用映像800に対する180°回転処理の設定がOFFであると判定した場合(S808でYes)、処理はS809に進む。システム制御部113は、配信用映像800に対する180°回転処理の設定がOFFではないと判定した場合(S808でNo)、処理はS810に進む。
【0120】
S809でシステム制御部113は、PT座標系を正立座標系に設定し、処理は終了する。
【0121】
S810でシステム制御部113は、PT座標系を倒立座標系に設定し、処理は終了する。
【0122】
図9から図11を参照して、コントローラ300が撮像装置100のPTを制御する際の制御通信の仕組みを説明する。制御通信用コマンドは、VISCA(登録商標)のプロトコルで定義されるコマンド体系であるが、これに限定されることはない。
【0123】
図9は、第1実施形態に係る制御通信シーケンスを示す図である。
【0124】
S901でユーザは、コントローラ300のスティック301を下方向に倒す。コントローラ300は、チルト方向(下方向)を指定する制御コマンドを撮像装置100に送信する。チルト方向を指定する制御コマンドは、チルト方向(上又は下)と、スティック301の傾斜角度に応じたチルト速度のパラメータを含む。なお、コントローラ300は、スティック301が斜めに倒された場合、チルト方向を指定する制御コマンドと共にパン方向を指定する制御コマンドを撮像装置100に送信する。
【0125】
S902で撮像装置100は、受信した制御コマンドに基づいて、チルトを開始する。また、コントローラ300は、スティック301の傾斜角度が変わらない場合、一定時間ごとにチルト方向を指定する制御コマンドを、撮像装置100に対し送信する。しかし、撮像装置100は、制御コマンドを更に受信しても、既にチルトを開始しているため、追加の制御コマンドは撮像装置100のチルトに影響を及ぼさない。
【0126】
S903でスティック301の傾斜角度が変化した場合、コントローラ300は、スティック301の傾斜角度に応じたチルト速度を指定する制御コマンドを撮像装置100に送信する。
【0127】
S904で撮像装置100は、受信した制御コマンドに基づいて、現在のチルト速度から、受信した制御コマンドが指定するチルト速度に変更し、チルトを継続する。
【0128】
S905でユーザは、スティック301を上方向に倒す。コントローラ300は、チルト方向(上方向)及びチルト速度を指定した制御コマンドを撮像装置100に送信する。
【0129】
S906で撮像装置100は、受信した制御コマンドに基づいて、上方向へチルトする。
【0130】
S907でユーザは、スティック301をホームポジション(中立位置)に戻す。コントローラ300は、チルト停止コマンドを撮像装置100に送信する。
【0131】
S908で撮像装置100は、受信したチルト停止コマンドに基づき、チルトを停止する。
【0132】
S909でユーザは、コントローラ300の制御ボタン302から任意のプリセットボタンを押す。コントローラ300は、撮像装置100にプリセット呼び出しコマンドを送信する。プリセット呼び出しコマンドは、プリセット番号に紐づいたチルト方向及びチルト速度のパラメータを含む。
【0133】
S910で撮像装置100は、受信したプリセット呼び出しコマンドに基づいて、プリセット番号に対応する目標チルト値となるようにチルトを開始する。
【0134】
S911で撮像装置100は、現在のチルト値が目標チルト値と同じであると判定した場合、チルトを終了する。
【0135】
図10は、第1実施形態に係る制御通信に用いるパケット構造を示す図である。
【0136】
パケット構造は、ヘッダー、コマンド、及びパラメータからなる。
【0137】
ヘッダーは、パケットの送信元の機器を表すアドレス、送信先の機器を表すアドレス、及びパケットのサイズ(バイト数)を表すデータを含む。
【0138】
コマンドは、パケットによって制御される撮像装置100の機能を表す。
【0139】
パラメータは、コマンドの詳細な制御内容を表す。
【0140】
図11は、第1実施形態に係る制御通信に用いるコマンドリストを示す図である。
【0141】
パン方向を指定する制御コマンドのパラメータ1では、撮像装置100のパン方向(左又は右)が指定される。パン方向を指定する制御コマンドのパラメータ2では、撮像装置100のパン速度が指定される。
【0142】
チルト方向を指定する制御コマンドのパラメータ1では、撮像装置100のチルト方向(上又は下)が指定される。チルト方向を指定する制御コマンドのパラメータ2では、撮像装置100のチルト速度が指定される。
【0143】
PT値を指定する制御コマンドのパラメータ1では、撮像装置100のパン値が指定される。PT値を指定する制御コマンドのパラメータ2では、撮像装置100のチルト値が指定される。
【0144】
PT停止コマンドでは、パラメータ1及びパラメータ2は指定されない。
【0145】
プリセット登録コマンドのパラメータ1では、PTZ値の登録を行う際のプリセット番号が指定される。
【0146】
プリセット呼び出しコマンドのパラメータ1では、プリセット呼び出しを行う際のプリセット番号が指定される。
【0147】
以上の通り、第1実施形態によれば、所定の撮像方向で撮像中にオートフリップが発生しても、操作用映像と配信用映像をそれぞれ出力することで、撮像装置の撮像方向を制御する際のユーザビリティを向上できる。これにより、ユーザの意図した撮像方向に撮像装置を制御することができる。
【0148】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0149】
本明細書の開示は、以下の撮像制御装置、撮像装置、撮像制御方法、及びプログラムを含む。
(項目1)
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
撮像装置。
(項目2)
前記出力手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後に、前記第2画像を前記第1出力画像として出力する、
項目1に記載の撮像装置。
(項目3)
前記出力手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後、所定の時間が経過した場合に、前記第2画像を前記第1出力画像として出力する、
項目1に記載の撮像装置。
(項目4)
いずれかの座標系に従って前記撮像方向を変更するユーザ操作に基づいて、前記撮像方向を変更する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記撮像方向が前記所定の範囲にある間に前記撮像方向の変更を停止する指示を受信した後に、前記ユーザ操作の座標系を変更する、
項目2に記載の撮像装置。
(項目5)
前記出力手段は、前記第1画像が前記第1出力画像として出力され、かつ、前記撮像方向が前記所定の範囲に近接する場合に、前記第2画像を前記第2出力画像として出力することを予告する第1表示を前記第1画像に重畳した画像を前記第1出力画像として出力する、
項目1から4のいずれか一項目に記載の撮像装置。
(項目6)
前記出力手段は、前記第1画像が前記第1出力画像として出力され、かつ、前記第2画像が前記第2出力画像として出力されている場合に、前記第2画像が前記第2出力画像として出力されていることを示す第2表示を前記第1画像に重畳した画像を前記第1出力画像として出力する、
項目5に記載の撮像装置。
(項目7)
前記撮像方向を変更する方向、又は、前記撮像方向の目標方向を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、受け付けた前記方向、又は、前記目標方向に基づいて前記撮像方向を変更する、
項目4に記載の撮像装置。
(項目8)
前記出力手段は、前記撮像方向を前記目標方向に変更している際の撮像方向が前記所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記第2画像を前記第1出力画像と前記第2出力画像としてそれぞれ出力する、
項目7に記載の撮像装置。
(項目9)
前記出力手段は、前記撮像方向を前記方向に変更している際の撮像方向が前記所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記第1画像を前記第1出力画像として、前記第2画像を前記第2出力画像としてそれぞれ出力する、
項目8に記載の撮像装置。
(項目10)
前記受付手段は、前記撮像方向を変更する際の速度を更に受け付ける、
項目7に記載の撮像装置。
(項目11)
前記撮像方向を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記撮像方向を前記記憶した前記撮像方向に変更する、
項目4に記載の撮像装置。
(項目12)
前記出力手段は、前記第1出力画像と前記第2出力画像を第1外部装置と第2外部装置にそれぞれ出力する、
項目1から11のいずれか一項目に記載の撮像装置。
(項目13)
ユーザ操作に基づいて前記撮像方向を制御するコントローラと、
前記第1出力画像、又は、前記第1出力画像と前記第2出力画像を表示する表示装置と、
項目1から12のいずれか一項目に記載の撮像装置と、を備える、
撮像システム。
(項目14)
撮像装置が実行する方法であって、
前記撮像装置の撮像手段が、被写体を撮像する撮像工程と、
前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力工程と、を備え、
前記出力工程で前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
方法。
(項目15)
コンピュータに撮像装置が実行する方法を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
前記撮像装置の撮像手段が、被写体を撮像する撮像工程と、
前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段による前記被写体の撮像結果に基づく第1出力画像及び第2出力画像を出力する出力工程と、を備え、
前記出力工程で前記撮像装置の出力手段が、前記撮像手段の撮像方向が所定の範囲にあることを含む所定の条件を満たす場合、前記撮像手段が前記被写体を撮像した第1画像を前記第1出力画像として、前記第1画像を回転した第2画像を前記第2出力画像として、それぞれ出力する、
プログラム。
【0150】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0151】
10 :撮像システム
100:撮像装置
200:表示装置
300:コントローラ
400:ネットワーク
500:情報処理装置
600:被写体
700:操作用映像
800:配信用映像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12