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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184218
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ライトシェルフ装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 11/00 20060101AFI20231221BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20231221BHJP
   F21V 11/00 20150101ALI20231221BHJP
   F21V 14/08 20060101ALI20231221BHJP
   G02B 5/10 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
F21S11/00 310
F21V17/00 250
F21V11/00
F21V14/08
G02B5/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098251
(22)【出願日】2022-06-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】尾上 斉
(72)【発明者】
【氏名】萩原 崇史
(72)【発明者】
【氏名】江原 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】河原 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大木 知佳子
(72)【発明者】
【氏名】木村 達治
(72)【発明者】
【氏名】増村 朗人
【テーマコード(参考)】
2H042
3K011
【Fターム(参考)】
2H042DA01
2H042DD05
2H042DE03
2H042DE04
2H042DE08
3K011JA05
(57)【要約】
【課題】室内空間において、効率的に太陽光を活用できるライトシェルフ装置を提供する。
【解決手段】ライトシェルフ装置LS1は、取付部20及びライトシェルフ30を備える。ライトシェルフ30は、建物の開口部12aを介して入射する太陽光を反射する面状の反射板本体部31を有し、反射板本体部31によって太陽光の一部を、開口部12aから室内空間R1の奥側に導く。取付部20は、吊り部材16を介して、室内空間R1の上方に配置された梁11に連結されて、ライトシェルフ30を室内空間R1に吊り下げる取付支柱21を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を介して入射する光を反射する面形状の反射部材を有し、前記反射部材によって、前記光の一部を、室内空間の奥側に導くライトシェルフを備えたライトシェルフ装置であって、
前記室内空間の上方に配置された躯体に連結されて、前記ライトシェルフを前記室内空間に吊り下げる吊り下げ部材を備えたことを特徴とするライトシェルフ装置。
【請求項2】
前記ライトシェルフの前記開口部側であって、前記反射部材の上方に、前記光を遮断する上部ブラインドが取り付けられ、
前記ライトシェルフは、前記光の一部を遮断することを特徴とする請求項1に記載のライトシェルフ装置。
【請求項3】
前記建物の柱間において、前記開口部が複数、設けられ、
前記反射部材は、前記開口部に対応する形状の複数の反射面部を有し、
この反射面部を、前記開口部が並ぶ方向に連結していることを特徴とする請求項1又は2に記載のライトシェルフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内空間に導入される光を活用するライトシェルフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓等から入射される太陽光を遮蔽したり室内の奥に導入したりするために、ライトシェルフが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の技術では、窓の側壁やこの側壁に対応する室内部分にライトシェルフを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-38013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライトシェルフを室外に配置した場合、外環境により、劣化が早かった。更に、特許文献1のようにライトシェルフを側壁や室内の側面に取り付けた場合、ライトシェルフの荷重が、側壁や室内の側面に加わっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するライトシェルフ装置は、建物の開口部を介して入射する光を反射する面形状の反射部材を有し、前記反射部材によって、前記光の一部を、室内空間の奥側に導くライトシェルフを備えたライトシェルフ装置であって、前記室内空間の上方に配置された躯体に連結されて、前記ライトシェルフを前記室内空間に吊り下げる吊り下げ部材を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、室内空間において、効率的に光を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態におけるライトシェルフ装置の側面図である。
図2】実施形態におけるライトシェルフ装置の室内空間側から見た正面図である。
図3】実施形態におけるライトシェルフ装置の端部における要部の平面図である。
図4】実施形態におけるライトシェルフ装置の中央における要部の斜視図である。
図5】実施形態におけるライトシェルフ装置の要部の側面断面図である。
図6】実施形態におけるライトシェルフ装置の繋ぎフレームの近傍における要部の斜視図である。
図7】変更例におけるライトシェルフ装置の要部の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図6を用いて、ライトシェルフ装置を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、建物の開口部から入射する太陽光を反射することにより、太陽光の一部を、室内の奥の天井に導くとともに遮蔽する。
【0009】
図1に示すように、ライトシェルフ装置LS1を設ける建物は、柱10、梁11及び外壁12を有する。柱10には、梁11が設けられる。梁11の上には、上階の床スラブF1が形成される。
【0010】
外壁12には、開口部12aが形成されている。
図2に示すように、柱10間には、複数(ここでは3個)の開口部12aが外壁12に沿って形成されている。各開口部12aには、2枚のガラス戸14を備えた引き違い窓13が設置されている。
また、図1に示す開口部12aの下方には、室内に突出した腰壁が形成されている。
【0011】
梁11には、外壁12側に突出するブラケット15が固定されている。このブラケット15の外壁12側の端部には、吊り部材16の上端部が固定されている。
【0012】
吊り部材16の下端部は、野縁(図示せず)等を介して、天井板C1が配置されている。天井板C1によって建物内の空間が仕切られることにより、天井板C1の下方に室内空間R1が形成される。
【0013】
(ライトシェルフ装置LS1の構成)
吊り部材16の下端部には、ライトシェルフ装置LS1が設けられている。ライトシェルフ装置LS1は、取付部20及びライトシェルフ30を備える。取付部20は、吊り下げ部材としての取付支柱21、上部ブラインドB1、下部ブラインドB2、連結部材23、目隠し部材25、下地リブ部材28及び吊りロッド40を備える。
【0014】
天井板C1と外壁12との間には、ブラインドボックス(図示せず)が、天井板C1よりも高い位置で配置されている。そして、ブラインドボックスには、上部ブラインドB1が取り付けられている。
【0015】
更に、ブラインドボックスには、取付支柱21が上下方向に挿通されている。
取付支柱21は、角パイプで構成され、固定部材(図示せず)を用いて、吊り部材16に固定されている。取付支柱21の下部には、外壁12と反対側(室内側)に、突起部21aが固定されている。突起部21aに固定される吊りロッド40によって、ライトシェルフ30の中間部を保持する。この吊りロッド40の構成については後述する。また、取付支柱21の下面には、下部ブラインドB2の上面の両端部が固定されている。
【0016】
図2に示すように、取付支柱21は、窓13の間及び窓13と柱10との間に配置されている。更に、取付支柱21は、その下端部が、窓13の中間高さとなる位置まで延在する長さを有する。そして、上部ブラインドB1及び下部ブラインドB2は、窓13を覆うように、柱10間の距離に応じた大きさを有する。本実施形態では、水平方向D1に離間して配置された3個の窓13の上部及び下部を、それぞれ1つの上部ブラインドB1及び1つの下部ブラインドB2で覆う。
【0017】
上部ブラインドB1は、太陽光を遮蔽するために、日時に応じて自動制御される。具体的には、制御部(図示せず)は、メモリに記憶した制御パターン情報に応じて制御する。この制御パターン情報は、室内空間R1内への直射光を遮るために、年月及び時刻に対応した上部ブラインドB1の吊り下げ高さの情報である。この吊り下げ高さは、算出された年間のこの建物の設置位置における太陽高度を用いて算出されている。制御部は、現在時刻と制御情報の日時とを比較して、上部ブラインドB1を降ろす高さを調整することにより、太陽光を遮断する。
また、下部ブラインドB2は、太陽光の遮蔽を、手動によって制御する。
【0018】
図3及び図4に示すように、取付支柱21の間には、連結部材23が配置されている。連結部材23の両端部は、L字アングルの取付部材22を用いて、異なる取付支柱21に固定されている。
【0019】
図5に示すように、連結部材23は、下が開口した溝形鋼によって構成される。連結部材23には、その室内側に、取付部材24を介して、目隠し部材25が配置されている。目隠し部材25は、下部ブラインドB2のヘッドボックスが室内側から見えないように隠す部材である。目隠し部材25は、下部が窓13(外壁12)側に傾斜するとともに下端部が上方に折り返される形状となるように、板部材を折り曲げて形成される。
【0020】
各連結部材23の上面には、複数の下地リブ部材28が、離間した位置に設けられる。下地リブ部材28の下面と連結部材23の上面との間には、板形状の複数のライナー27及び取付部材24が挟み込まれている。ライナー27は、重ねる個数を調整することにより、下地リブ部材28の高さを調整する調整部材である。各ライナー27には、離間した2つの孔が形成されている。
【0021】
図3及び図4に示すように、下地リブ部材28は、板状の基板28aと、この基板28aの上面の中央に立設されたリブ部28Rとを備える。基板28aには、離間した2つの孔が形成される。基板28aの孔と重ねられた複数のライナー27の孔とが整合された状態で挿通したボルトと、これに螺合するナットとにより、下地リブ部材28は、連結部材23に固定される。
【0022】
下地リブ部材28のリブ部28Rの上面形状は、ライトシェルフ30の反射板本体部31の下側の外壁12側の端部形状に沿った形状で構成される。そして、リブ部28Rの上面に、反射板本体部31の端部が、ビス等により固定されている。
【0023】
(ライトシェルフ30の構成)
図5に示すように、ライトシェルフ30は、反射板本体部31、上部反射板32、繋ぎフレーム35及び通し下地36を備える。
図2及び図3に示すように、このライトシェルフ30は、各窓13に対応する部分を構成する反射面部30Aを、複数、水平方向D1に繋げた形状を有している。
【0024】
図5に示す反射板本体部31は、断面が略円弧形状を有する湾曲した面形状(薄く2次元に広がった形状)の板部材である。反射板本体部31の上面は、太陽光を反射するように研磨されている。
図3に示すように、反射板本体部31の外壁12側の端部の両角は、四角形状に切り欠かれた切欠き部31nが形成されている。各切欠き部31nには、柱10に近い取付支柱21がそれぞれ配置される。更に、反射板本体部31は、各取付支柱21に対応する位置に複数の溝31gが形成されている。各溝31gは、取付支柱21が挿入される大きさを有する。
反射板本体部31の室内側の上面には、上部反射板32が設けられている。上部反射板32の上面も、太陽光を反射するように研磨されている。
【0025】
図5に示すように、上部反射板32は、下に凸の2つの円弧形状を、内側端辺P3において接続した山型形状を有しており、開口部12a側の第1反射部32aと、開口部12aと反対側の第2反射部32bとを有している。第1反射部32aは、反射板本体部31の上面に曲面に続く曲面を有した形状を有し、窓13からの太陽光の一部を室外側に反射するとともに室内空間R1の奥側に導入する。第2反射部32bは、窓13から入射した太陽光や室内空間R1の天井で反射した太陽光を室内側に反射することにより、太陽光を室内の奥側に導入する。第2反射部32bは、第1反射部32aと異なる大きさの円弧の断面形状を有し、太陽光を反射することにより太陽光を遮断する。第2反射部32bの室内側の端部は、反射板本体部31の室内側の端部に沿うように設けられている。
【0026】
更に、図3に示すように、上部反射板32は、反射板本体部31の溝31g及び切欠き部31nに対応する位置にスリット32sが形成されている。このスリット32sは、外壁12側の大きい矩形と細長い矩形とが連なった片側が段付きの形状を有する。スリット32sの室内の奥側は、繋ぎフレーム35の垂直部が突出可能な幅を有する。スリット32sの開口部12a側は、受ピース45の固定作業に必要な大きさを有する。
【0027】
図6に示すように、繋ぎフレーム35は、L字アングルで構成され、その垂直部が上部反射板32のスリット32sから上方に突出するとともに、その水平部が反射板本体部31にビス等により固定されている。
【0028】
通し下地36は、反射板本体部31の長手方向に延在し、反射板本体部31の長手方向の長さと同じ長さを有する。この反射板本体部31の長手方向は、図2の窓13が並んだ水平方向D1と平行な方向である。
【0029】
図5に示すように、通し下地36は、反射板本体部31の上面と、上部反射板32の第1反射部32aの下面との間に配置される。この通し下地36は、板状部材を折り曲げて構成され、下板部36a、接続部36b及び上板部36cが、この順番で接続されている。下板部36a及び上板部36cは、それぞれ、反射板本体部31の上面及び上部反射板32の上面に沿うように配置され、ビス等により固定されている。
【0030】
(吊りロッド40の構成)
図4に示すように、吊りロッド40は、取付支柱21と整合するように配置されている。
【0031】
図6に示すように、吊りロッド40は、略直線形状を有し、パイプ型のターンバックル41と、このターンバックル41の2つのパイプの端部に固定された取付板43,44とから構成されている。取付板43は、上述した取付支柱21の突起部21aと、ボルト及びナットを用いて固定される。取付板44は、板形状の受ピース45を介して、繋ぎフレーム35に固定されている。
【0032】
(ライトシェルフ30の上面形状)
図5に示すように、反射板本体部31の外側端辺P1から、上部反射板32の外側端辺P2を通って上部反射板32の内側端辺P3までの上面の形状は、太陽光の反射についてのシミュレーションによって決められている。このシミュレーションでは、時刻毎ごとの天井面に反射する光線の割合と、天井面に当たった位置の奥行き方向のばらつき(標準偏差)とを乗算した値の平均を最大化できる形状を評価関数により算出する。更に、この場合の形状は、窓13側端(反射板本体部31の外側端辺P1)から、3箇所の制御点を上下させ、滑らかに繋いだ凹面形状とする。そして、3箇所の制御点の高さを、評価関数の変数パラメータとして用いる。
【0033】
更に、このシミュレーションは、以下の条件で行なわれた。
・窓13面から室内の奥方向に向かって万遍なく昼光が広がり、かつ年間を通して可能な限り拡散させる。
・晴天時の直達日射の反射のみを計算対象とする。
【0034】
・室内の中央断面での拡散状況を代表値として用いる。
・日射量の重み付けについては、半月毎のデータから各時刻の最大日射量を代表値として用いる。
【0035】
・ライトシェルフ30への太陽光の入射角を計算に使用する。例えば、ライトシェルフ30の法線方向に対して入射する光の角度が浅いほど、ライトシェルフ30の上面に当たる日射量が少なくなる。
【0036】
・対象期間が1月から12月の6日及び21日、8時から17時の30分毎の429方向の日射ベクトルを用いる。429方向は、12×2×18=432方向の日射ベクトルから、冬季の早い日没による3方向のベクトルを除いたものを用いる。
・遺伝的アルゴリズム(GA)による最適化計算には、GrasshopperのGalapagosコンポーネントを使用する。
【0037】
以上の条件でシミュレーションした結果、天井面に反射する光線の割合と標準偏差とを乗算した値の平均が最大化になる3箇所の制御点を特定し、これらを滑らかに繋いだ形状を特定する。そして、特定した形状となるように、反射板本体部31において外側端辺P1から上部反射板32の境界までの上面、上部反射板32の第1反射部32aの上面の形状を形成する。このように滑らかに繋いだ緩やかな凹面とすることで、窓際から室内空間R1の奥まで比較的均等に昼光を反射させることが可能である。
【0038】
(ライトシェルフ装置LS1の取付方法)
上述したライトシェルフ装置LS1は、次のようにして取り付けられる。
まず、図5に示すライトシェルフ30を予め組み立てておく。具体的には、反射板本体部31に、通し下地36の下板部36a及び繋ぎフレーム35を固定する。そして、繋ぎフレーム35の垂直部がスリット32sから突出するように上部反射板32を配置した状態で、上部反射板32と通し下地36の上板部36cとを固定する。
【0039】
次に、吊り部材16に、取付支柱21を挿通したブライドボックスを固定し、ブラインドボックスに上部ブラインドB1を固定し、取付支柱21に下部ブラインドB2を固定する。更に、隣接する2つの取付支柱21に渡るように連結部材23を取り付ける。そして、連結部材23の上に、取付部材24及び複数のライナー27を挟んで、下地リブ部材28を固定し、取付部材24に目隠し部材25を取り付ける。
【0040】
次に、下地リブ部材28のリブ部28Rの上に、組み立てたライトシェルフ30の反射板本体部31の端部を載置して固定する。更に、取付支柱21の突起部21aに、吊りロッド40の取付板43を固定し、吊りロッド40の長さを調整した後、取付板44を、受ピース45を介して、ライトシェルフ30の繋ぎフレーム35に固定する。
【0041】
(作用)
本実施形態では、梁11に取付支柱21を設けて、この取付支柱21にライトシェルフ30を設けるので、ライトシェルフ30の荷重が建物の躯体に伝達される。
【0042】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ライトシェルフ30は、建物の梁11に固定された吊り部材16や取付支柱21を介して取り付けられる。これにより、ライトシェルフ30の荷重は、建物の躯体によって支持されるので、建物の外壁12や側面等にはライトシェルフ30の荷重が加えられない。従って、ライトシェルフ装置LS1の荷重に対する補強等を行なわずに効率的に太陽光を有効活用できる。
【0043】
(2)本実施形態では、ライトシェルフ30の下面の形状に沿った形状を有するリブ部28Rを備えた下地リブ部材28の上に、ライトシェルフ30を固定する。これにより、ライトシェルフ30の形状を、所望の形状に保持することができる。
【0044】
(3)本実施形態では、ライトシェルフ30は、取付支柱21の突起部21aに固定される吊りロッド40によっても固定される。これにより、ライトシェルフ30の室内空間R1の奥側の形状や位置を保持できる。
【0045】
(4)本実施形態では、ライトシェルフ30の反射板本体部31は、この建物の設置場所における太陽光のシミュレーションにより形状を決定する。これにより、この建物に応じて、太陽光を有効活用できる。
【0046】
(5)本実施形態では、ライトシェルフ30の反射板本体部31は、柱10間の複数の窓13に渡る形状で構成されている。更に、ライトシェルフ30には、通し下地36が設けられている。これにより、ライトシェルフ30は、複数の窓13が並んだ水平方向D1において、各窓13に対応する部分の反射面部30Aを連結しているので、地震等による横揺れを抑制することができる。
【0047】
(6)本実施形態では、ライトシェルフ30は、開口部12a側の第1反射部32aと、開口部12aと反対側の第2反射部32bとを有した上部反射板32を有する。これにより、室内空間R1の奥側に、より多くの太陽光を導入できる。
【0048】
(7)本実施形態では、ライトシェルフ装置LS1は、ライトシェルフ30と窓13との間に配置され、ライトシェルフ30の上方の窓13を覆う上部ブラインドB1を備える。更に、この上部ブラインドB1を、建物の設置位置に応じた制御パターンを用いて制御する。これにより、眩しい太陽の直射光を遮断しながら、直射光を有効活用できる。更に、暑い時期には、太陽光の遮蔽により、室内空間R1の窓際における気温上昇を抑制することができる。
【0049】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、取付支柱21に固定された連結部材23の上に固定した下地リブ部材28によって、ライトシェルフ30の外壁12側を固定する。更に、取付支柱21に固定した略直線形状の吊りロッド40によって、ライトシェルフ30の室内空間R1の奥側を保持する。ライトシェルフ30は、柱や梁の躯体に支持されていれば、上記実施形態の取付方法に限られない。例えば、梁の位置が、窓から遠い場合には、ライトシェルフの外壁側にも吊りロッドを設けてもよい。
【0050】
・上記実施形態のライトシェルフ装置LS1は、反射板本体部31、上部反射板32、繋ぎフレーム35及び通し下地36を備える。ライトシェルフ30の構成や形状は、これに限定されない。例えば、図7に示すように、上部反射板及び通し下地を省略し、反射板本体部51及び繋ぎフレーム55を備えたライトシェルフ50を備えたライトシェルフ装置LS2としてもよいし、従来の形状を有するライトシェルフを用いてもよい。
【0051】
・上記実施形態では、ライトシェルフ装置LS1の上部ブラインドB1、下部ブラインドB2は、柱10間に配置された複数の窓13を覆う長さを有する。ライトシェルフ装置LS1の構造は、これに限定されず、各窓に応じた長さに分割してもよい。この場合には、分割した形状のライトシェルフを、窓が並んだ水平方向D1に連結する連結部材を設けることが好ましい。更に、ブラインド(B1,B2)の一方又は両方を省略したライトシェルフ装置としてもよい。
・上記実施形態のライトシェルフ装置LS1は、開口部12aの窓13を介して入射した太陽光を、室内空間R1の奥側に導く。ライトシェルフ装置LS1は、室内空間R1の外部からの光を有効活用できればよく、太陽光に限られず、スタジアム等の照明光を、反射して室内空間R1の奥側に導入してもよい。
【0052】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記上部ブラインドは、制御部によって日時に応じた制御が行なわれることを特徴とする請求項2又は3に記載のライトシェルフ装置。
【0053】
(b)前記反射部材は、前記柱間に設けられた複数の開口部に対応する長さを有し、前記反射部材は、両端の開口部に対応する長さを有する下地部材に連結されていることを特徴とする請求項3に記載のライトシェルフ装置。
【0054】
(c)隣接する前記吊り下げ部材の下端部を連結する連結部材を更に備え、
前記吊り下げ部材に、前記ライトシェルフの下方において入射する前記光を遮断する下部ブラインドが設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項、前記(a)又は前記(b)に記載のライトシェルフ装置。
【符号の説明】
【0055】
B1…上部ブラインド、B2…下部ブラインド、C1…天井板、D1…水平方向、F1…床スラブ、LS1,LS2…ライトシェルフ装置、P1,P2…外側端辺、P3…内側端辺、R1…室内空間、10…柱、11…梁、12…外壁、12a…開口部、13…窓、14…ガラス戸、15…ブラケット、16…吊り部材、20…取付部、21…吊り下げ部材としての取付支柱、21a…突起部、22,24…取付部材、23…連結部材、25…目隠し部材、27…ライナー、28…下地リブ部材、28a…基板、28R…リブ部、30,50…ライトシェルフ、30A…反射面部、31,51…反射板本体部、31g…溝、31n…切欠き部、32…上部反射板、32a…第1反射部、32b…第2反射部、32s…スリット、35,55…繋ぎフレーム、36…通し下地、36a…下板部、36b…接続部、36c…上板部、40…吊りロッド、41…ターンバックル、43,44…取付板、45…受ピース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7