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特開2023-18423飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018423
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20230201BHJP
   A62B 29/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B29/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122546
(22)【出願日】2021-07-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】521330286
【氏名又は名称】合同会社KEY-KILT
(71)【出願人】
【識別番号】515151354
【氏名又は名称】合同会社コノハズク
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯田 侑希
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185CC36
(57)【要約】
【課題】周囲の飛沫が飲食器の中に入るのを防ぐことができ、また、飲食器に取り付けて使用するのに適した飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具を提供することにある。
【解決手段】この発明は、シート2と、ピンチ具3と、を備える。シート2をピンチ具3に着脱可能に取り付け、ピンチ具3を飲食器5に着脱可能に挟み付けることにより、飛沫シールド1として、使用に供することができる。この結果、この発明は、周囲の飛沫が飲食器5の中に入るのを防ぐことができ、また、飲食器5に取り付けて使用するのに適している。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドであって、
下記の請求項2から4のいずれか1項に記載の飛沫シールド用のシートと、
飲食器に着脱可能に装着する、下記の請求項5から7のいずれか1項に記載の飛沫シールド用のピンチ具と、
を備え、
前記ピンチ具には、前記シートを前記ピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、
ことを特徴とする飛沫シールド。
【請求項2】
ピンチ具に着脱可能に取り付けて、前記ピンチ具を飲食器に装着して使用する飛沫シールド用のシートであって、
飛沫をシールドする本体部分と、
前記本体部分の縁に設けられていて、前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられる取付部分と、
前記本体部分のうち前記取付部分寄りの部分に設けられていて、前記ピンチ具の一部が挿通する挿通孔が開口されている挿通部分と、
を備える、
ことを特徴とする飛沫シールド用のシート。
【請求項3】
前記シートは、
通常時には、平面形状をなしていて、
前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられた時には、少なくとも前記本体部分が立体形状をなしている、
ことを特徴とする請求項2に記載の飛沫シールド用のシート。
【請求項4】
前記シートは、通常時から前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられた時まで、少なくとも前記本体部分が立体形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の飛沫シールド用のシート。
【請求項5】
シートを着脱可能に取り付けて、飲食器に着脱可能に装着して使用する飛沫シールド用のピンチ具であって、
前記ピンチ具は、一対の構成部品と、前記一対の構成部品に取り付けられている弾性部材と、から構成されていて、
前記一対の構成部品は、前記弾性部材の弾性力により、前記飲食器に着脱可能に挟み付いて、前記ピンチ具を前記飲食器に着脱可能に装着する構成部品であり、
前記一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方には、前記シートを前記ピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、
ことを特徴とする飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項6】
前記一対の構成部品は、
前記一対の構成部品を開閉可能に取り付ける軸部分と、
前記弾性部材の弾性力により、閉じて前記飲食器に着脱可能に挟み付く挟み付け部分と、
前記挟み付け部分の開操作を、前記弾性部材の弾性力に抗して、行う撮み操作部分と、
から構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項7】
前記シート取付部は、前記一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方に一体に設けられている凸部から構成されていて、
前記シート取付部を、前記シートに設けられている取付孔中に、差し込むことにより、前記シートが前記シート取付部に着脱可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項8】
前記一対の構成部品は、前記挟み付け部分が左右に閉じて前記飲食器に着脱可能に挟み付く構成部品であって、
前記挟み付け部分には、前記飲食器の開口部の上縁に載置する壁部が、設けられている、
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の飛沫シールド用のピンチ具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドに関するものである。また、この発明は、飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドであって、この飛沫シールド用のシートに関するものである。さらに、この発明は、飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドであって、この飛沫シールド用のピンチ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飛沫シールドは、一般的に、顔面に装着して、周囲の飛沫の吸引を防ぎ、一方、自分から発した飛沫が周囲に飛散するのを防ぐものである。かかる飛沫シールドとしては、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。
【0003】
特許文献1のフェイスシールドは、可撓性の透明シートの左右両側に、外側切れ目と内側切れ目とを、縦方向に形成してなるものである。特許文献1のフェイスシールドは、外側切れ目と内側切れ目とに、マスクのマスク紐又は眼鏡のテンプルを通して、マスク又は眼鏡を装着して装着者の顔の前面を覆うものである。これにより、特許文献1のフェイスシールドは、飛散する飛沫等の暴露から装着者の顔面を保護したり、装着者から周囲への飛沫等の飛散を防止したりする。
【0004】
特許文献2のフェイスシールドは、鼻と口とを覆う保護シート部材と、保護シート部材の左右の上端部を取着して顔面に装着するフレーム部材とから構成されているものである。特許文献2のフェイスシールドは、フレーム部材により顔面に装着するものである。これにより、特許文献2のフェイスシールドは、装着者自身が発する飛沫の飛散を阻止するとともに、空気中に飛散している飛沫の吸引を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3229007号公報
【特許文献2】実用新案登録第3230499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のフェイスシールドおよび特許文献2のフェイスシールドは、顔面に装着するものであるから、装着者が周囲の飛沫を吸引するのを防ぐことができるが、周囲の飛沫が飲食器の中に入るのを防ぐことができない。また、特許文献1のフェイスシールドおよび特許文献2のフェイスシールドは、顔面に装着するものであるから、飲食器に取り付けて使用するのに適していない。
【0007】
このように、飛沫シールドは、一般的に、顔面に装着して使用するものであって、飲食器に取り付けて使用するものではない。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、周囲の飛沫が飲食器の中に入るのを防ぐことができ、また、飲食器に取り付けて使用するのに適した飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の飛沫シールドは、飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドであって、この発明の飛沫シールド用のシートと、飲食器に着脱可能に装着する、この発明の飛沫シールド用のピンチ具と、を備え、ピンチ具には、シートをピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
この発明の飛沫シールド用のシートは、ピンチ具に着脱可能に取り付けて、ピンチ具を飲食器に装着して使用する飛沫シールド用のシートであって、飛沫をシールドする本体部分と、本体部分の縁に設けられていて、ピンチ具に着脱可能に取り付けられる取付部分と、本体部分のうち取付部分寄りの部分に設けられていて、ピンチ具の一部が挿通する挿通孔が開口されている挿通部分と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
この発明の飛沫シールド用のシートにおいて、シートは、通常時には、平面形状をなしていて、ピンチ具に着脱可能に取り付けられた時には、少なくとも本体部分が立体形状をなしている、ことが好ましい。
【0012】
この発明の飛沫シールド用のシートにおいて、シートは、通常時からピンチ具に着脱可能に取り付けられた時まで、少なくとも本体部分が立体形状に形成されている、ことが好ましい。
【0013】
この発明の飛沫シールド用のピンチ具は、シートを着脱可能に取り付けて、飲食器に着脱可能に装着して使用する飛沫シールド用のピンチ具であって、ピンチ具が、一対の構成部品と、一対の構成部品に取り付けられている弾性部材と、から構成されていて、一対の構成部品が、弾性部材の弾性力により、飲食器に着脱可能に挟み付いて、ピンチ具を飲食器に着脱可能に装着する構成部品であり、一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方には、シートをピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の飛沫シールド用のピンチ具において、一対の構成部品は、一対の構成部品を開閉可能に取り付ける軸部分と、弾性部材の弾性力により、閉じて飲食器に着脱可能に挟み付く挟み付け部分と、挟み付け部分の開操作を、弾性部材の弾性力に抗して、行う撮み操作部分と、から構成されている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の飛沫シールド用のピンチ具において、シート取付部は、一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方に一体に設けられている凸部から構成されていて、シート取付部を、シートに設けられている取付孔中に、差し込むことにより、シートがシート取付部に着脱可能に取り付けられる、ことが好ましい。
【0016】
この発明の飛沫シールド用のピンチ具において、一対の構成部品は、挟み付け部分が左右に閉じて飲食器に着脱可能に挟み付く構成部品であって、挟み付け部分には、飲食器の開口部の上縁に載置する壁部が、設けられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
この発明の飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具は、周囲の飛沫が飲食器の中に入るのを防ぐことができ、また、飲食器に取り付けて使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、この発明の飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具の実施形態を示す使用状態の正面図である。
図2図2は、使用状態を示す側面図(図1におけるII矢視図)である。
図3図3は、飲食器を口に付けている使用状態を示す側面図(図2に対応する側面図)である。
図4図4は、使用状態を示す平面図(図1におけるIV矢視図)である。
図5図5は、使用状態を示す一部背面図(図4におけるV矢視図)である。
図6図6は、使用状態を示す一部正面図(図4におけるVI矢視図)である。
図7図7は、使用状態を示す一部縦断面図(図4におけるVII-VII線断面図)である。
図8図8は、シートの通常時の状態(平面形状の状態)を示す正面図である。
図9図9は、ピンチ具の通常時の状態(ピンチ具の挟み付け部分が閉じている状態)を示す平面図である。
図10図10は、ピンチ具の挟み付け部分が開いている状態を示す平面図である。
図11図11は、ピンチ具の撮み操作部分がシートの挿通孔中に挿通されている状態で、かつ、シートの取付部分がシート取付部側に沿わされている状態を示す平面図である。
図12図12は、シートの取付部分がシート取付部に着脱可能に取り付けられている状態で、かつ、シートが立体形状をなしている状態を示す平面図である。
図13図13は、シートの取付部分がシート取付部側に沿わされている状態を示す縦断面図(図11におけるXIII-XIII線断面図)である。
図14図14は、シートの取付部分がシート取付部に着脱可能に取り付けられている状態を示す縦断面図(図12におけるXIV-XIV線断面図)である。
図15図15は、ボウル部(またはカップ部)の壁面が上から下に行くに従って窄まっている飲食器に使用している状態を示す一部正面図(図6に対応する一部正面図)である。
図16図16は、ボウル部(またはカップ部)の壁面が上から下に行くに従って窄まっている飲食器に使用している状態を示す一部縦断面図(図7に対応する一部縦断面図)である。
図17図17は、この発明の飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具の変形例を示す使用状態の正面図である。
図18図18は、使用状態を示す縦断面図(図17におけるXVIII-XVIII線断面図)である。
図19図19は、変形例のシートの通常時の状態(平面形状の状態)を示す正面図である。
図20図20は、シート取付部の変形例1を示し、シートの取付部分がシート取付部側に沿わされている状態を示す縦断面図(図13に対応する断面図)である。
図21図21は、シート取付部の変形例1を示し、シートの取付部分がシート取付部に着脱可能に取り付けられている状態を示す縦断面図(図14に対応する断面図)である。
図22図22は、シート取付部の変形例2を示し、シートの取付部分がシート取付部側に沿わされている状態を示す縦断面図(図13図20に対応する断面図)である。
図23図23は、シート取付部の変形例2を示し、シートの取付部分がシート取付部に着脱可能に取り付けられている状態を示す縦断面図(図14図21に対応する断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかる飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具の実施形態(実施例)の1例と変形例の1例、および、シート取付部の変形例の2例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
なお、図面においては、概略図であるため、主要部分を図示し、主要部分以外の部分の図示を省略する。また、ハッチングの一部を省略し、あるいは、断面の一部を省略する。さらに、図11から図14図20から図23中におけるシート2の厚さは、実際のシート2の厚さよりも厚く図示されている。さらにまた、ピンチ具3とシート取付部の球部40との間の距離は、実際の物よりも長く図示されている。さらにまた、図6図7図15図16において、シート2の図示は、省略されている。
【0021】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具の構成について説明する。
【0022】
この実施形態にかかる飛沫シールド1(以下、「飛沫シールド1」と称する)は、図1から図5に示すように、この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2(以下、「シート2」と称する)と、この実施形態にかかるピンチ具3(以下、「ピンチ具3」と称する)と、シート取付部4と、を備える。なお、飛沫シールド1に、抗菌、殺菌処理を施すことが好ましい。
【0023】
飛沫シールド1は、飲食器5に着脱可能に取り付けて使用するものである。飲食器5は、この例では、ボウル部(またはカップ部)の壁面が中央部分で膨らんでいるワイングラスである。この例の飲食器5は、図3に示すように、人Pが口Mを飲食器5の開口部(または、リム部)50の縁に付けて、飲食器5の中の飲み物を飲むための器である。
【0024】
なお、飲食器5としては、この例のワイングラス以外の飲食器であっても良い。たとえば、コップ、ジョッキ、カップ、筒など。また、ボウル部(またはカップ部)の壁面が真直ぐな飲食器(たとえば、コリンズグラス)、ボウル部(またはカップ部)の壁面が中央部分で凹んでいる飲食器、ボウル部(またはカップ部)の壁面が上から下に行くに従って窄まっている飲食器(たとえば、カクテルグラスなど。図15および図16を参照)など。さらに、お椀、丼、お皿(図17および図18を参照)など。さらにまた、ガラス製、木製、竹製、樹脂製、陶磁製などの材質は、特に、限定しない。
【0025】
このように、飛沫シールド1、シート2、ピンチ具3は、種々様々な飲食器5に使用することができる。
【0026】
(シート2の説明)
シート2は、図1から図5に示すように、ピンチ具3にシート取付部4を介して着脱可能に取り付けられ、ピンチ具3を飲食器5に着脱可能に装着することにより、使用されるものである。
【0027】
シート2は、この例では、厚さが約0.2mmであり、透明なPET素材から構成されている。なお、シート2は、厚さが約0.2mm以外の厚さであっても良いし、PET素材以外の素材、たとえば、バイオマスフィルムや紙などの素材から構成されていても良いし、また、不透明であっても良い。
【0028】
シート2は、この例では、図8に示すように、飛沫をシールドする本体部分20と、取付部分21、21と、挿通部分22と、を備える。なお、シート2には、任意のデザイン、意匠、キャラクター、文字などの印刷を施しても良い。印刷は、フルカラーであっても良いし、一部がカラーであっても良い。
【0029】
シート2は、保形性と柔軟性(弾性)とを有する。これにより、シート2は、通常時には、図8に示すように、平面形状をなしている(平面形状に形成されている)。また、シート2は、ピンチ具3にシート取付部4を介して着脱可能に取り付けられた時には、図1から図5に示すように、立体形状をなしている(立体形状に形成されている)ものである。なお、この例では、ピンチ具3に取り付けられた時に、シート2全体が立体形状をなしているが、シート2のうち、少なくとも本体部分20が立体形状をなしていれば良い。
【0030】
本体部分20は、人Pの顔F、少なくとも人Pの口M元を覆う部分であって、シート2の大部分から構成されている。本体部分20は、この例では、平面形状で、卵形状ないし滴形状をなしている。本体部分20は、縦最大寸法が約305mm、横最大寸法が約285mmである。これにより、本体部分20は、人Pの顔Fをほぼ全体に亘って覆うことができる。
【0031】
取付部分21、21は、本体部分20の縁、この例では、下縁(曲率が大きい縁)の左右両側に一体に設けられている。左右の取付部分21、21は、ピンチ具3にシート取付部4、4を介して着脱可能に取り付けられる部分である。左右の取付部分21、21は、この例では、平面形状で、半楕円形状(ベルト形状)をなしている。
【0032】
ここで、飲食器5の中の飲み物を飲む時は、人Pの口Mを飲食器5の開口部50の縁に付けた状態で、飲食器5を図3中の実線矢印方向に傾ける。すると、飲食器5にピンチ具3およびシート取付部4、4を介して取り付けられているシート2も、同様に、図3中の実線矢印方向に図3中の実線に示す状態から図3中の二点鎖線に示す状態に傾く。この時、図3中の二点鎖線に示す傾いた状態のシート2の人Pの顔F(少なくとも人Pの口M元)を覆う本体部分20が人Pの顔F(特に、額)に接触もしくは当たらないようにすることが好ましい。
【0033】
そこで、本体部分20と取付部分21、21とは、飲食器5を傾けて、シート2が傾いた時に、図3に示すように、人Pの顔F(少なくとも人Pの口M元)を覆う本体部分20が人Pの顔F(特に、額)に接触もしくは当たらないように、本体部分20の下縁の左右両側に取付部分21、21を一体に設ける。
【0034】
左右の取付部分21、21の先端には、小円形の取付孔210、210が、それぞれ、設けられている。この例の取付孔210、210は、2個設けられている。取付孔210、210の直径(内径)は、約4mmであって、後記のシート取付部4、4の球部40、40の外径と同等もしくは若干小さい。
【0035】
挿通部分22は、本体部分20のうち取付部分21、21寄りの部分、この例では、下部中央部に一体に設けられている。挿通部分22には、ピンチ具3の一部である撮み操作部分32が挿通する挿通孔220が、開口されている。挿通孔220は、縦寸法が約27mm、横寸法が約62mmの横長の長方形形状をなす。
【0036】
(ピンチ具3の説明)
ピンチ具3は、図4図5図9から図12に示すように、この例では、一対すなわち左右の構成部品3L、3Rと、弾性部材30と、から構成されている。
【0037】
一対の構成部品3L、3Rは、この例では、透明なABS樹脂製品から構成されていて、かつ、磨き光沢の表面処理が施されている。なお、一対の構成部品3L、3Rは、ABS樹脂製品以外の樹脂製品や樹脂製品以外の部材の製品から構成されていても良いし、また、半透明または不透明な樹脂部品から構成されていても良いし、さらに、磨き光沢以外の表面処理が施されていても良いし、さらにまた、表面処理が施されていなくとも良い。
【0038】
一対の構成部品3L、3Rは、それぞれ、挟み付け部分31L、31Rと、撮み操作部分32L、32Rと、軸部分33L、33Rと、から一体に構成されている。また、一対の構成部品3L、3Rは、図6図7に示すように、それぞれ、側壁部36と、側壁部36の両端から同一方向に一体に突設されている端壁部37、37とから一体に構成されている。
【0039】
挟み付け部分31L、31Rは、一対の構成部品3L、3Rの一端部分から中間部分にかけての部分に、設けられている。挟み付け部分31L、31Rの平面視形状は、それぞれ、湾曲形状をなしている。挟み付け部分31L、31Rは、飲食器5を左右から挟み付けることにより、ピンチ具3を飲食器5に着脱可能に装着するものである。
【0040】
この例の挟み付け部分31L、31Rは、図4図6図9から図12に示すように、先端部(撮み操作部分32L、32Rに連続して設けられている部に対して反対側の部)が内側に突出した凸部310L、310Rを有するものである。この凸部310L、310Rのそれぞれの端壁部37、37の先端が、4箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5を挟み付ける(図4図6を参照)。
【0041】
また、この例の挟み付け部分31L、31Rは、図4図9から図12に示すように、端壁部37、37のうち、挟み付け部分31L、31Rの中間部から撮み操作部分32L、32Rにかけての幅が、挟み付け部分31L、31Rの中間部から挟み付け部分31L、31Rの先端にかけての幅よりも、若干大きい。端壁部37、37の幅広と幅狭との間には、角が形成されている。この挟み付け部分31L、31Rのそれぞれの端壁部37、37の角が、4箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5を挟み付ける(図4図7を参照)。
【0042】
撮み操作部分32L、32Rは、一対の構成部品3L、3Rの他端部分に、挟み付け部分31L、31Rに連続して一体に設けられている。撮み操作部分32L、32Rは、それぞれ、直線形状をなしている。撮み操作部分32L、32Rは、シート2の挿通孔220中を挿通する。撮み操作部分32L、32Rは、挟み付け部分31L、31Rの開操作を、弾性部材30の弾性力に抗して、行う。
【0043】
軸部分33L、33Rは、撮み操作部分32L、32Rのうち、挟み付け部分31L、31R側の内側面(相互に向き合っている面)に、一体に設けられている。軸部分33L、33Rは、それぞれ、上下一対の舌片から構成されている。
【0044】
一方の軸部分33Rの一対の舌片の外面(または、内面)と、他方の軸部分33Lの一対の舌片の内面(または、外面)とは、軸凹部および軸凸部を介して、開閉可能に取り付けられている。これにより、一対の構成部品3L、3Rは、軸部分33L、33Rを中心として、回転可能に取り付けられている。
【0045】
弾性部材30は、この例では、トーションバネから構成されている。トーションバネの弾性部材30は、バネ鋼材から構成されていて、丸棒形状をなす。弾性部材30は、中間部分のコイル部分34と、左右両端部分の直線部分35L、35Rと、から構成されている。コイル部分34は、一方の軸部分33Rの一対の舌片の内面(または、他方の軸部分33Lの一対の舌片の内面)の間に配置されている。
【0046】
左右の直線部分35L、35Rの先端は、撮み操作部分32L、32Rの先端に、それぞれ、弾性部材30のバネ力で当たっている。これにより、弾性部材30は、一対の構成部品3L、3Rに取り付けられる。この結果、ピンチ具3が構成されている。なお、撮み操作部分32L、32Rの先端には、直線部分35L、35Rの先端の動きを止める止め部が、一体に設けられている。止め部は、2個の小凸部から構成されていて、2個の小凸部の間に、直線部分35L、35Rの先端が挟み込まれていて、直線部分35L、35Rの先端の動きが止められている。
【0047】
なお、弾性部材30としては、この例のトーションバネ以外のものであっても良い。たとえば、板バネ、圧縮バネ、引っ張りバネ、ゴム、樹脂などであっても良い。
【0048】
ピンチ具3は、通常時において、図9に示すように、弾性部材30のバネ力により、一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31L、31Rが閉じている状態にある。この時、挟み付け部分31L、31Rの先端の凸部310L、310Rが相互に当接していて、挟み付け部分31L、31Rの間には、楕円形状の空隙Sが形成されている。
【0049】
撮み操作部分32L、32Rを、図9中の実線矢印に示すように、弾性部材30のバネ力に抗して、開操作する。すると、挟み付け部分31L、31Rの先端の凸部310L、310Rが、図9中の実線矢印に示すように、開く。
【0050】
この結果、図10に示すように、一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31L、31Rが開いた状態にある。この時、挟み付け部分31L、31Rの間には、ほぼ円形形状の空隙Sが形成されている。このほぼ円形形状の空隙S中に、飲食器5をセットすることができる。
【0051】
(シート取付部4、4の説明)
ピンチ具3には、シート取付部4、4が、一体に設けられている。シート取付部4、4は、シート2の取付部分21、21をピンチ具3に着脱可能に取り付けるものである。この例のシート取付部4、4は、シート2の2個の取付孔210、210に合わせて、2個設けられている。
【0052】
シート取付部4、4は、一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31L、31Rの先端部分の側壁部36の外側面に一体に設けられている凸部から構成されている。シート取付部4、4の先端部分には、球部40、40が形成されている。球部40、40の外径は、シート2の取付孔210、210の内径と同等もしくは若干大きい。この結果、球部40、40を取付孔210、210中に差し込んで、取付孔210、210を球部40、40に外側から嵌め込むことにより、シート2をシート取付部4、4を介してピンチ具3に着脱可能に取り付けることができる。
【0053】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2、飛沫シールド用のピンチ具3は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0054】
まず、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの撮み操作部分32L、32Rを、シート2の挿通孔220中に挿通させる(図11中の実線矢印を参照)。
【0055】
つぎに、平面形状のシート2(図11中の二点鎖線を参照)の左右の取付部分21、21を、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31、31の外側に沿わせる(図11中の実線を参照)。これと同時に、または、これと前後して、平面形状のシート2(図11中の二点鎖線を参照)の本体部分20を、上から見て湾曲形状に立体的に形成する(図12中の実線を参照)。
【0056】
つづいて、左右のシート取付部4、4の球部40、40をシート2の左右の取付部分21、21の取付孔210、210中に差し込んで、取付孔210、210を球部40、40に外側から嵌め込む(図11から図14を参照)。これにより、シート2は、ピンチ具3に、左右のシート取付部4、4を介して、着脱可能に取り付けられる。
【0057】
それから、図9および図10に示すように、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの撮み操作部分32L、32Rを、弾性部材30のバネ力に抗して、開操作して、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31L、31Rを、左右に開く。
【0058】
撮み操作部分32L、32Rに、弾性部材30のバネ力に抗する力を、加えた状態で、左右に開いた挟み付け部分31L、31Rの間のほぼ円形形状の空隙S中に、飲食器5をセットする。
【0059】
撮み操作部分32L、32Rに加えていた力を解除すると、弾性部材30のバネ力により、左右に開いていた挟み付け部分31L、31Rが閉じて、挟み付け部分31L、31Rの凸部310L、310Rの先端の挟み付け箇所Cと、挟み付け部分31L、31Rの端壁部37、37の幅広と幅狭との間の角の挟み付け箇所Cとが飲食器5に弾性当接する。この結果、ピンチ具3は、8箇所の挟み付け箇所Cで、飲食器5に確実に装着される。
【0060】
この時、上から見て湾曲形状に立体的に形成されたシート2の本体部分20は、図4に示すように、飲食器5の開口部50の縁のうち、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31、31側を開放し、一方、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの撮み操作部分32L、32R側を覆う。
【0061】
これにより、図1から図5に示すように、ピンチ具3が飲食器5に着脱可能に装着されて、シート2は、ピンチ具3と共に、飛沫シールド1として、使用に供される。
【0062】
すなわち、シート2の本体部分20が飲食器5の開口部50を覆う。これにより、周囲の飛沫が飲食器5の開口部50から飲食器5の中に入るのを防ぐことができる。また、飲食器5を手Hで持って、飲食器5の開口部50を口Mに付けて、飲食器5の中の飲み物を飲む時に、周囲の飛沫が飲み物と一緒に口Mの中に入るのを防ぐことができる。さらに、飲食器5を手Hで持って、シート2の本体部分20で少なくとも人Pの口M元を覆うことにより、周囲の飛沫を吸引するのを防ぐことができると共に、自分が発した飛沫を周囲に飛散させることを防ぐことができる。このため、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2、飛沫シールド用のピンチ具3は、一般の飛沫シールドと同様の作用をなすことができる。
【0063】
さらにまた、飲食器5をテーブルなどの上に置いて、シート2の本体部分20で少なくとも人Pの口M元を覆うことにより、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2、飛沫シールド用のピンチ具3は、テーブルなどの上に設置したパーテンションなどとほぼ同様の作用をなすことができる。
【0064】
ここで、立体的に形成されたシート2の本体部分20は、図3および図4に示すように、飲食器5の開口部50の縁のうち、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの挟み付け部分31、31側、すなわち、口Mを付ける側を開放し、一方、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rの撮み操作部分32L、32R側を覆う。
【0065】
この結果、図2に示すように、人Pの顔Fと立体的に形成されたシート2の本体部分20との間には、空間S1が形成されている。これにより、図3中の実線矢印に示すように、飲食器5を傾けて飲食器5の中の飲み物を飲む時に、立体的に形成されたシート2の本体部分20も傾いても、立体的に形成されたシート2の本体部分20は、人Pの顔F(特に、額)に接触しない(当たらない)。もし、シート2の本体部分20が人Pの顔F(特に、額)に接触したとしても(当たったとしても)、柔軟性を有するシート2の本体部分20が変形して、人Pの顔F(特に、額)には、何ら影響を与えるようなことはない。
【0066】
使用が終了した場合は、撮み操作部分32L、32Rに、弾性部材30のバネ力に抗する力を、加えて、挟み付け部分31L、31Rを左右に開き、左右に開いた挟み付け部分31L、31Rの間のほぼ円形形状の空隙Sから、飲食器5をリセットする。
【0067】
シート2の左右の取付部分21、21の取付孔210、210を、ピンチ具3の左右のシート取付部4、4の球部40、40から取り外す。
【0068】
一方、ピンチ具3の撮み操作部分32L、32Rをシート2の挿通孔220から抜き取る。これにより、シート2とピンチ具3とをそれぞれ別個にする。シート2は、抗菌、殺菌処理が施された後破棄処分される。一方、ピンチ具3は、抗菌、殺菌処理が施されて、再利用される。なお、ピンチ具3も抗菌、殺菌処理が施された後破棄処分しても良い。
【0069】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2、飛沫シールド用のピンチ具3は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0070】
この実施形態にかかる飛沫シールド1は、シート2と、ピンチ具3と、を備え、ピンチ具3に、シート2をピンチ具3に着脱可能に取り付けるシート取付部4、4を、設けたものである。この結果、この実施形態にかかる飛沫シールド1は、シート2をシート取付部4、4を介してピンチ具3に着脱可能に取り付けることができ、ピンチ具3を飲食器5に装着することにより、飛沫シールド1として、使用に供することができる。
【0071】
この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2は、本体部分20と、取付部分21、21と、挿通部分22と、を備え、挿通部分22の挿通孔220にピンチ具3の一部である撮み操作部分32L、32Rを挿通させ、取付部分21、21をピンチ具3に着脱可能に取り付け、ピンチ具3を飲食器5に装着することにより、飛沫シールド1として、使用に供することができる。
【0072】
この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、立体的に形成されたシート2の本体部分20により、飲食器5の開口部50を覆うことができる。これにより、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、周囲の飛沫が飲食器5の開口部50から飲食器5の中に入るのを防ぐことができる。また、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、飲食器5を手Hで持って、飲食器5の開口部50を口Mに付けて、飲食器5の中の飲み物を飲む時に、周囲の飛沫が飲み物と一緒に口Mの中に入るのを防ぐことができる。さらに、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、飲食器5を手Hで持って、シート2の本体部分20で少なくとも人Pの口M元を覆うことにより、周囲の飛沫を吸引するのを防ぐことができると共に、自分が発した飛沫を周囲に飛散させることを防ぐことができる。このように、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、飲食器5に取り付けて使用するのに適している。
【0073】
この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2は、透明な素材から構成されている。この結果、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、シート2の本体部分20が人Pの顔Fを覆っていても、透明なシート2の本体部分20越しに、本体部分20の外側を見通せる。これにより、シート2が人Pの顔Fを覆うことによる不具合が無い。
【0074】
この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2は、通常時には平面形状をなしているものであるから、使用前において、嵩張らずに収納スペースを小さく収めることができる。しかも、この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2は、ピンチ具3に着脱可能に取り付けた時には、本体部分20が少なくとも人Pの口M元を覆うように、立体形状をなしているものであるから、飛沫シールド1として、使用することができる。
【0075】
この実施形態にかかる飛沫シールド用のシート2は、使用後、ピンチ具3から取り外すことができる。この結果、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2は、シート2を抗菌、殺菌処理してから破棄処分し、一方、ピンチ具3を抗菌、殺菌処理してから、再利用することができる。なお、ピンチ具3も破棄処分しても良い。
【0076】
この実施形態にかかるピンチ具3は、一対の構成部品3L、3Rと、一対の構成部品3L、3Rに取り付けられている弾性部材30と、から構成されていて、一対の構成部品3L、3Rは、弾性部材30のバネ力により、飲食器5を挟み付いて、ピンチ具3を飲食器5に着脱可能に装着するものである。この結果、この実施形態にかかるピンチ具3は、シート2を飲食器5に着脱可能に取り付けることにより、飛沫シールド1として、使用に供することができる。
【0077】
この実施形態にかかるピンチ具3は、その一対の構成部品3L、3Rが、挟み付け部分31L、31Rと、撮み操作部分32L、32Rと、軸部分33L、33Rと、から構成されているものである。この結果、この実施形態にかかるピンチ具3は、一対の構成部品3L、3Rが飲食器5に着脱可能に挟み付くことにより、簡単な操作で確実に、飲食器5に着脱可能に装着される。
【0078】
この実施形態にかかるピンチ具3は、シート取付部4、4が、ピンチ具3に一体に設けられている凸部から構成されているものである。この結果、この実施形態にかかるピンチ具3は、シート取付部4、4を、シート2に設けられている取付孔210、210中に、差し込むことにより、シート2をシート取付部4、4に、簡単な操作で確実に、着脱可能に取り付けることができる。
【0079】
この実施形態にかかる飛沫シールド1は、ピンチ具3のシート取付部4、4の先端部分に球部40、40を形成し、一方、取付孔210、210を、その内径が球部40、40の外径と同等もしくは若干小さい円形に、形成したものである。この結果、この実施形態にかかる飛沫シールド1は、シート2をシート取付部4、4を介してピンチ具3に確実に着脱可能に取り付けることができる。
【0080】
(別の飲食器5Aに使用した例の説明)
図15および図16は、この実施形態にかかる飛沫シールド1、飛沫シールド用のシート2、飛沫シールド用のピンチ具3を、前記の飲食器5と別の飲食器5Aに、使用した例を示すものである。
【0081】
前記の例の飲食器5は、ボウル部(またはカップ部)の壁面が中央部分で膨らんでいるワイングラスである。この例の飲食器5Aは、ボウル部(またはカップ部)の壁面が上から下に行くに従って窄まっている飲食器(たとえば、カクテルグラスなど)である。
【0082】
前記の例の飲食器5の場合は、図4図6図7に示すように、一対の構成部品3L、3Rのそれぞれの端壁部37、37の先端と端壁部37、37の角との計8箇所の挟み付け箇所Cにおいて、飲食器5を挟み付けるものである。
【0083】
これに対して、この例の飲食器5Aの場合は、図15に示すように、凸部310L、310Rの側壁部36、36と上側の端壁部37、37との間の内角が、2箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5Aの開口部50を挟み付け、かつ、凸部310L、310Rの下側の端壁部37、37の先端が、2箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5Aを挟み付ける。
【0084】
また、図16に示すように、挟み付け部分31L、31Rの中間部における側壁部36、36と上側の端壁部37、37との間の内角が、2箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5Aの開口部50を挟み付け、かつ、下側の端壁部37、37の角が、2箇所の挟み付け箇所Cとして飲食器5Aを挟み付ける。
【0085】
この時、図16に示すように、ピンチ具3の挟み付け部分31L、31Rの中間部における上側の端壁部37、37の下面が、この例の飲食器5Aの開口部50の上縁に載置している。この結果、飲食器がボウル部(またはカップ部)の壁面が上から下に行くに従って窄まっているこの例の飲食器5Aの場合であっても、ピンチ具3は、この例の飲食器5Aのボウル部(またはカップ部)の壁面沿って、上から下にずれ落ちることが無い。すなわち、ピンチ具3は、この例の飲食器5Aに着実に装着されていて、シート2は、ピンチ具3を介して、この例の飲食器5Aに着実に装着されている。
【0086】
このように、この例の飲食器5Aの場合は、前記の例の飲食器5の場合と同様に、計8箇所の挟み付け箇所Cにおいて、ピンチ具3により挟み付けられる。なお、この例の飲食器5Aの壁面の傾斜の度合い(勾配)により、図16中の挟み付け部分31L、31Rの中間部における側壁部36、36と上側の端壁部37、37との間の内角が、飲食器5Aの開口部50に接触しない場合がある。この場合において、ピンチ具3は、他の6箇所の挟み付け箇所Cで、この例の飲食器5Aを挟み付けているので、飛沫シールド1として使用することができる。
【0087】
(変形例の説明)
図17から図19は、この発明の飛沫シールド、飛沫シールド用のシート、飛沫シールド用のピンチ具の変形例を示す。
図中、図1から図16と同符号は、同一のものを示す。
【0088】
前記の飛沫シールド1、シート2、ピンチ具3は、カップ形状の飲食器5、5Aに装着するものである。また、前記のピンチ具3は、一対の構成部品3L、3Rを左右に使用するものである。
【0089】
これに対して、この変形例の飛沫シールド1A、シート2A、ピンチ具3Aは、皿形状の飲食器5Bに装着するものである。また、この変形例のピンチ具3Aは、一対の構成部品3U、3Dを上下に使用するものである。すなわち、上下の構成部品3U、3Dが皿形状の飲食器5Bの開口部50に上下に着脱可能に挟み付くことにより、この変形例のピンチ具3Aが皿形状の飲食器5Bに着脱可能に装着されるものである。
【0090】
この変形例のシート2Aは、図19に示すように、左右の取付部分21、21に2個の取付孔210、210を、それぞれ、上下に設ける。この例の取付孔210、210は、4個である。また、この変形例のシート2Aは、図19に示すように、挿通部分22の挿通孔220を縦長の長方形形状となすものである。
【0091】
この変形例のシート取付部4、4は、図17図18に示すように、上下の構成部品3U、3Dの左右の端壁部37、37に、それぞれ、一体に設けられている。この変形例のシート取付部4、4は、シート2Aの4個の取付孔210、210に合わせて、4個設けられている。
【0092】
シート2Aの縦長の挿通孔220中にピンチ具3Aの一部(撮み操作部分)を挿通させる。また、シート2Aの4個の取付孔210、210中に4個のシート取付部4、4を差し込む。さらに、ピンチ具3Aの上下の構成部品3U、3Dを皿形状の飲食器5Bの開口部50に上下に着脱可能に挟み付ける。これにより、飛沫シールド1Aは、皿形状の飲食器5Bに着脱可能に装着される。
【0093】
この変形例の飛沫シールド1A、シート2A、ピンチ具3Aは、以上のごとき構成、作用からなるものであるから、前記の飛沫シールド1、シート2、ピンチ具3と同様の効果を達成することができる。
【0094】
(シート取付部の4Aの変形例1の説明)
図20図21は、シート取付部4Aの変形例1を示す。図中、図1から図19と同符号は、同一のものを示す。なお、図20図21は、ピンチ具3の一対の構成部品3L、3Rのうち右の構成部品3Rのシート取付部4Aを示す。左の構成部品3Lのシート取付部4Aの構成は、右の構成部品3Rのシート取付部4Aの構成と同一であるから、左の構成部品3Lのシート取付部4Aの説明は、省略する。
【0095】
前記の実施形態のシート取付部4、4は、ピンチ具3に一体に設けられている凸部から構成されていて、凸部の先端部分に球部40、40を形成してなるものである。これに対して、変形例1のシート取付部4Aは、スナップ構造から構成されている。
【0096】
シート取付部4Aは、弾性を有する樹脂から構成されていて、メス部41と、オス部42と、から構成されている。メス部41とオス部42とは、相互に、着脱可能に、弾性嵌合する。
【0097】
メス部41は、ピンチ具3の挟み付け部分31Rの先端部分の内側面に一体に設けられている。挟み付け部分31Rには、連通孔310が、挟み付け部分31Rの外側面からメス部41にかけて設けられている。メス部41と連通孔310とは、連通している。オス部42は、外径が取付孔210の内径および連通孔310の内径と同等もしくはやや小さい円柱形状をなしている。
【0098】
取り付け方は、まず、シート取付部4Aのオス部42をメス部41から取り外す。つぎに、図20に示すように、オス部42をシート2の取付部分21の取付孔210中に差し込んで、取付孔210をオス部42に外側から嵌め込む。
【0099】
それから、オス部42を、ピンチ具3の挟み付け部分31Rの連通孔310中に通して、ピンチ具3と一体のメス部41に着脱可能に弾性嵌合させる(図21を参照)。これにより、シート2は、ピンチ具3にシート取付部4Aを介して、着脱可能に取り付けられる。
【0100】
そして、使用後、オス部42を、メス部41、挟み付け部分31Rの連通孔310およびシート2の取付孔210から取り外すことにより、使用済みのシート2をピンチ具3から取り外すことができる。
【0101】
この変形例1のシート取付部4Aは、前記の構成、作用からなるものであるから、前記の実施形態のシート取付部4と同様の効果を達成することができる。
【0102】
(シート取付部の4Bの変形例2の説明)
図22図23は、シート取付部4Bの変形例2を示す。図中、図1から図21と同符号は、同一のものを示す。
【0103】
前記の変形例1のシート取付部4Aは、メス部41をピンチ具3の挟み付け部分31Rに一体に設けたものである。これに対して、変形例2のシート取付部4Bは、メス部43をピンチ具3の挟み付け部分31Rと別体に設けたものである。変形例2のシート取付部4Bのオス部44は、変形例1のシート取付部4Aのオス部42と同一の構造をなす。
【0104】
この変形例2のシート取付部4Bは、前記の構成からなるものであるから、前記の実施形態のシート取付部4および前記の変形例1のシート取付部4Aと同様の作用、効果を達成することができる。
【0105】
(実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2において、シート2、2Aは、通常時には平面形状をなしていて、ピンチ具3、3Aに着脱可能に止められた時には立体形状をなすものである。しかしながら、この発明においては、シートとして、通常時においても、図1から図5に示すように、少なくとも本体部分が立体形状をなしているものであっても良い。すなわち、通常時からピンチ具3、3Aに着脱可能に取り付けられた時までの間、少なくとも本体部分が立体形状をなしているシートであっても良い。この場合においては、立体形状をなしているシートをピンチ具3、3Aに着脱可能に取り付けて使用するものであから、使用する時に、平面形状のシートを立体形状に形成する必要が無く、容易に使用することができる。
【0106】
また、前記の実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2において、シート2、2Aの形状、および、シート2、2Aの各部分の形状、すなわち、本体部分20、取付部分21、21および挿通部分22の形状は、図6図19に示す形状をなしている。しかしながら、この発明においては、シート2、2Aの形状、および、シート2、2Aの各部分の形状、すなわち、本体部分20、取付部分21、21および挿通部分22の形状は、図6図19に示す形状に限定されない。
【0107】
さらに、前記の実施形態、変形において、凸部から構成されているシート取付部4、4の先端部分に球部40、40を形成したものである。しかしながら、この発明においては、シート取付部4、4の先端部分に球部40、40を形成せずに、凸部から構成されているシート取付部4、4であっても良い。
【0108】
さらにまた、前記の実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2において、シート2、2Aの取付部分21、21に取付孔210、210を設けたものである。しかしながら、この発明においては、シート2、2Aの取付部分21、21に取付孔210、210を設けないものであっても良い。この場合においては、シート取付部4、4、変形例1のシート取付部4Aのオス部42、または、変形例2のシート取付部4Bのオス部44を、直接、取付部分21、21に、差し込んで、その取付部分21、21に取付孔を形成して、シート2、2Aをピンチ具3、3Aに着脱可能に取り付ける。
【0109】
さらにまた、前記の実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2において、ピンチ具3、3Aの挟み付け箇所Cが、飲食器5、5A、5Bに直接当接して飲食器5、5A、5Bを挟み付けるものである。しかしながら、この発明においては、挟み付け箇所Cにクッション材や滑り止め材などを取り付けて、挟み付け箇所Cが、クッション材や滑り止め材などを介して、飲食器5、5A、5Bを挟み付けるものであっても良い。
【0110】
さらにまた、この発明は、前記の実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2により限定されるものではない。たとえば、シート2、2A、ピンチ具3、3Aおよびシート取付部4、4A、4Bは、実施形態、変形例、シート取付部の変形例1、2により限定されない。
【0111】
また、ピンチ具3、3Aの一対の構成部品3L、3R、3U、3Dの形状は、それぞれ、湾曲形状をなしている。しかしながら、一対の構成部品3L、3R、3U、3Dの一方の形状が、湾曲形状をなしていれば良いし、あるいは、一対の構成部品3L、3R、3U、3Dの形状が、湾曲形状以外の形状をなしていても良い。湾曲形状以外の形状としては、たとえば、直線形状などである。
【0112】
さらに、シート取付部4、4A、4Bを、一対の構成部品3L、3R、3U、3Dに、それぞれ、設けている。しかしながら、シート取付部を、一対の構成部品3L、3R、3U、3Dのいずれか一方に、設けたものであっても良い。この場合、シート2、2Aの左右の取付部分21、21の取付孔210、210は、左右のいずれか一方の取付部分21に設ければ良い。
【符号の説明】
【0113】
1 飛沫シールド
1A 飛沫シールド
2 シート
2A シート
20 本体部分
21 取付部分
210 取付孔
22 挿通部分
220 挿通孔
3 ピンチ具
3A ピンチ具
3L、3R 一対の構成部品
30 弾性部材
31L、31R 挟み付け部分
310L、310R 凸部
32L、32R 撮み操作部分
33L、33R 軸部分
34 コイル部分
35L、35R 直線部分
310 連通孔
4 シート取付部
40 球部
4A シート取付部
41 メス部
42 オス部
4B シート取付部
43 メス部
44 オス部
5 飲食器
50 開口部
5A 飲食器
5B 飲食器
C 挟み付け個所
F 顔
H 手
M 口
P 人
S 空隙
S1 空間

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピンチ具に着脱可能に取り付けて、前記ピンチ具を飲食器に装着して使用する飛沫シールド用のシートであって、
飛沫をシールドする本体部分と、
前記本体部分の縁に設けられていて、前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられる取付部分と、
前記本体部分のうち前記取付部分寄りの部分に設けられていて、前記ピンチ具の一部が挿通する挿通孔が開口されている挿通部分と、
を備える、
ことを特徴とする飛沫シールド用のシート。
【請求項2】
前記シートは、
通常時には、平面形状をなしていて、
前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられた時には、少なくとも前記本体部分が立体形状をなしている、
ことを特徴とする請求項に記載の飛沫シールド用のシート。
【請求項3】
前記シートは、通常時から前記ピンチ具に着脱可能に取り付けられた時まで、少なくとも前記本体部分が立体形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項に記載の飛沫シールド用のシート。
【請求項4】
シートを着脱可能に取り付けて、飲食器に着脱可能に装着して使用する飛沫シールド用のピンチ具であって、
前記ピンチ具は、一対の構成部品と、前記一対の構成部品に取り付けられている弾性部材と、から構成されていて、
前記一対の構成部品は、前記弾性部材の弾性力により、前記飲食器に着脱可能に挟み付いて、前記ピンチ具を前記飲食器に着脱可能に装着する構成部品であり、
前記一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方には、前記シートを前記ピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、
ことを特徴とする飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項5】
前記一対の構成部品は、
前記一対の構成部品を開閉可能に取り付ける軸部分と、
前記弾性部材の弾性力により、閉じて前記飲食器に着脱可能に挟み付く挟み付け部分と、
前記挟み付け部分の開操作を、前記弾性部材の弾性力に抗して、行う撮み操作部分と、
から構成されている、
ことを特徴とする請求項に記載の飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項6】
前記シート取付部は、前記一対の構成部品のうち少なくともいずれか一方に一体に設けられている凸部から構成されていて、
前記シート取付部を、前記シートに設けられている取付孔中に、差し込むことにより、前記シートが前記シート取付部に着脱可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項またはに記載の飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項7】
前記一対の構成部品は、前記挟み付け部分が左右に閉じて前記飲食器に着脱可能に挟み付く構成部品であって、
前記挟み付け部分には、前記飲食器の開口部の上縁に載置する壁部が、設けられている、
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の飛沫シールド用のピンチ具。
【請求項8】
飲食器に着脱可能に取り付けて使用する飛沫シールドであって、
請求項1から3のいずれか1項に記載の飛沫シールド用のシートと、
飲食器に着脱可能に装着する、請求項4から7のいずれか1項に記載の飛沫シールド用のピンチ具と、
を備え、
前記ピンチ具には、前記シートを前記ピンチ具に着脱可能に取り付けるシート取付部が、設けられている、
ことを特徴とする飛沫シールド。