(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184250
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、通信方法、および通信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20231221BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20231221BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W84/18 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098294
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 康之
(72)【発明者】
【氏名】向本 将規
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF05
(57)【要約】
【課題】消費電力の抑制を図る。
【解決手段】通信システム1は、第1ノード20と第2ノード30とを備える。第1ノード20はマルチホップネットワーク2を構成する。第2ノード30はマルチホップネットワーク2を構成し、下位ネットワークNW1および移動可能なゲートウェイ40を介して、上位ネットワークNW2に接続されたサーバ装置50と通信可能である。第2ノード30の第2スケジュール管理部は、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理する。第2ノード30の第2送信制御部は、通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、サーバ装置50を宛先とする第1通信データを送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチホップネットワークを構成する複数の第1通信装置と、
前記第1通信装置と共に前記マルチホップネットワークを構成し、下位ネットワークおよび移動可能なゲートウェイを介して、上位ネットワークに接続されたサーバ装置と通信可能な第2通信装置と、を備え、
前記第2通信装置は、
前記ゲートウェイが前記下位ネットワークを介して当該第2通信装置と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理する第2スケジュール管理部と、
前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークおよび前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記サーバ装置を宛先とする第1通信データを送信する第2送信制御部と、
を備える通信システム。
【請求項2】
前記第1通信装置は、
前記スケジュール情報を管理する第1スケジュール管理部と、
前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記第2通信装置、前記下位ネットワーク、および前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記第1通信データを送信する第1送信制御部を備える、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記ゲートウェイが接続可能な前記下位ネットワークの下位NW識別情報と、前記ゲートウェイが前記下位NW識別情報によって識別される前記下位ネットワークを介して前記第2通信装置と通信可能な通信圏内に存在する前記通信可能期間を表す前記通信可能期間情報と、を対応付けた前記スケジュール情報を管理する第3スケジュール管理部と、
前記スケジュール情報における宛先とする前記第2通信装置に接続された前記下位ネットワークの前記下位NW識別情報に対応する前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記ゲートウェイおよび前記下位ネットワークを介して前記第2通信装置へ、前記第1通信装置または前記第2通信装置を宛先とする第2通信データを送信する第3送信制御部と、
を備える請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ゲートウェイは、
前記ゲートウェイが接続可能な前記下位ネットワークの下位NW識別情報と、前記ゲートウェイが前記下位NW識別情報によって識別される前記下位ネットワークを介して前記第2通信装置と通信可能な通信圏内に存在する前記通信可能期間を表す前記通信可能期間情報と、を対応付けた前記スケジュール情報を管理する第4スケジュール管理部と、
前記スケジュール情報における宛先とする前記第2通信装置に接続された前記下位ネットワークの前記下位NW識別情報に対応する前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークを介して前記第2通信装置へ、前記第1通信装置または前記第2通信装置を宛先とする第2通信データを転送する第4転送制御部と、
を備える請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記スケジュール情報は、
前記ゲートウェイまたは前記サーバ装置によって生成され予め配布される、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記マルチホップネットワークは複数の前記第2通信装置を含む、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第2スケジュール管理部は、
前記ゲートウェイが接続可能な前記下位ネットワークの下位NW識別情報と、前記ゲートウェイが前記下位NW識別情報によって識別される前記下位ネットワークを介して当該第2通信装置と通信可能な通信圏内に存在する前記通信可能期間を表す前記通信可能期間情報と、を対応付けた前記スケジュール情報を管理し、
前記第2送信制御部は、
前記スケジュール情報における、送信予定時刻に前記ゲートウェイが接続する前記下位ネットワークの前記下位NW識別情報に対応する前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、該下位ネットワークに接続された前記第2通信装置、該下位ネットワーク、および前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記第1通信データを送信する、
請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
マルチホップネットワークを構成する複数の第1通信装置と共に前記マルチホップネットワークを構成し、下位ネットワークおよび移動可能なゲートウェイを介して、上位ネットワークに接続されたサーバ装置と通信可能な通信装置であって、
前記ゲートウェイが前記下位ネットワークを介して当該通信装置と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理する第2スケジュール管理部と、
前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークおよび前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記サーバ装置を宛先とする第1通信データを送信する第2送信制御部と、
を備える通信装置。
【請求項9】
マルチホップネットワークを構成する複数の第1通信装置と共に前記マルチホップネットワークを構成し、下位ネットワークおよび移動可能なゲートウェイを介して、上位ネットワークに接続されたサーバ装置と通信可能な通信装置で実行される通信方法であって、
前記ゲートウェイが前記下位ネットワークを介して当該通信装置と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理するステップと、
前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークおよび前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記サーバ装置を宛先とする第1通信データを送信するステップと、
を含む通信方法。
【請求項10】
マルチホップネットワークを構成する複数の第1通信装置と共に前記マルチホップネットワークを構成し、下位ネットワークおよび移動可能なゲートウェイを介して、上位ネットワークに接続されたサーバ装置と通信可能なコンピュータで実行される通信プログラムであって、
前記ゲートウェイが前記下位ネットワークを介して通信装置と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理するステップと、
前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークおよび前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記サーバ装置を宛先とする第1通信データを送信するステップと、
を含む通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信システム、通信装置、通信方法、および通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチホップネットワークと上位ネットワークとを中継するゲートウェイが実空間を移動する構成が知られている。このような構成では、ゲートウェイがマルチホップネットワークと通信可能な位置に存在する期間は、マルチホップネットワークから送信された通信データはゲートウェイに到達する。一方、ゲートウェイがマルチホップネットワークと通信不可能な位置に配置されている期間は、マルチホップネットワークからゲートウェイに向かって送信された通信データはゲートウェイに到達せず、無用な電力消費が発生する場合がある。
【0003】
マルチホップネットワークに関する仕様には、マルチホップネットワークが上位ネットワークと接続している状態(Grounded)および上位ネットワークと接続していない状態(Floating)が定義されている。しかしながら従来技術はこれらの状態を考慮したマルチホップネットワークの制御内容を開示していない。すなわち、従来技術では消費電力の抑制を図ることは困難であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】RFC 6550,”RPL: IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks”, [online], Internet Engineering Task Force (IETF), [令和3年6月3日検索], インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/rfc6550>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、消費電力の抑制を図ることができる、通信システム、通信装置、通信方法、および通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の通信システムは、マルチホップネットワークを構成する複数の第1通信装置と、前記第1通信装置と共に前記マルチホップネットワークを構成し、下位ネットワークおよび移動可能なゲートウェイを介して、上位ネットワークに接続されたサーバ装置と通信可能な第2通信装置と、を備える。前記第2通信装置は、第2スケジュール管理部と、第2送信制御部と、を備える。第2スケジュール管理部は、前記ゲートウェイが前記下位ネットワークを介して当該第2通信装置と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含むスケジュール情報を管理する。第2送信制御部は、前記通信可能期間情報によって表される前記通信可能期間に、前記下位ネットワークおよび前記ゲートウェイを介して前記サーバ装置へ前記サーバ装置を宛先とする第1通信データを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】スケジュール情報のデータ構成を示す模式図。
【
図8】第2ノードが実行する情報処理の流れのフローチャート。
【
図9】第1ノードが実行する情報処理の流れのフローチャート。
【
図10】ゲートウェイが実行する情報処理の流れのフローチャート。
【
図11】サーバ装置が実行する情報処理の流れのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本実施形態の通信システム、通信装置、通信方法、および通信プログラムを詳細に説明する。
【0009】
なお、以下の各実施形態における説明において、同一の符号が付されている部分は実質的に同一の機能を有しており、重複部分については適宜説明を省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の通信システム1の一例を示す模式図である。
【0011】
通信システム1は、複数のノード10と、ゲートウェイ40と、サーバ装置50と、を備える。
【0012】
ノード10は、通信装置の一例である。複数のノード10は、マルチホップネットワーク2を構成する。
図1には、マルチホップネットワーク2を構成するノード10として、14台のノード10を一例として示す。マルチホップネットワーク2を構成する複数のノード10の数は14台に限定されない。
【0013】
マルチホップネットワーク2を構成する複数のノード10は、有線接続で構成されていてもよいし、無線接続で構成されていてもよい。マルチホップネットワーク2が有線接続で構成される場合、通信方式には、例えば、イーサネット(登録商標)、シリアル通信などが用いられる。マルチホップネットワーク2が無線接続で構成される場合、通信方式には、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、IEEE 802.15.4などが用いられる。
【0014】
通信システム1は、ノード10として第1ノード20および第2ノード30を備える。
【0015】
第1ノード20は、第1通信装置の一例である。第1ノード20は、マルチホップネットワーク2を構成するノード10である。第1ノード20は、他の第1ノード20または第2ノード30と通信する機能を有するが、下位ネットワークNW1と通信する機能を有さないノード10である。
図1には、マルチホップネットワーク2を構成する第1ノード20として、第1ノード20A~第1ノード20Mの13台の第1ノード20を一例として示す。マルチホップネットワーク2を構成する複数の第1ノード20の数は13台に限定されない。
【0016】
第2ノード30は、第2通信装置の一例である。第2ノード30は、第1ノード20と同様にマルチホップネットワーク2を構成するノード10である。第2ノード30は、第1ノード20と通信する機能を有する。第2ノード30は、更に下位ネットワークNW1を介してゲートウェイ40と通信可能である。詳細には、第2ノード30は、下位ネットワークNW1および移動可能なゲートウェイ40を介して、上位ネットワークNW2に接続されたサーバ装置50と通信可能である。
【0017】
第2ノード30は、例えば、マルチホップネットワーク2のコンセントレータとしても機能することができる。本実施形態では、マルチホップネットワーク2には、第2ノード30が1台含まれる形態を一例として説明する。すなわち、本実施形態では、マルチホップネットワーク2から下位ネットワークNW1への出入口が1つの第2ノード30によって構成される形態を一例として説明する。
【0018】
第2ノード30は、有線接続または無線接続により下位ネットワークNW1に接続可能である。第2ノード30が有線接続により下位ネットワークNW1に接続する場合、通信方式には、例えば、イーサネット、シリアル通信などが用いられる。第2ノード30が無線接続により下位ネットワークNW1に接続する場合、通信方式には、例えば、WiFi、Bluetooth、IEEE 802.15.4、ミリ波を用いた通信方式、衛星通信用の方式、可視光通信などが用いられる。
【0019】
ゲートウェイ40は、下位ネットワークNW1と上位ネットワークNW2とに接続し、サーバ装置50と第2ノード30および第1ノード20の各々との間の通信を中継する。マルチホップネットワーク2、下位ネットワークNW1、および上位ネットワークNW2の通信方式は限定されない。
【0020】
本実施形態では、ゲートウェイ40は、実空間を移動可能に構成されている。このため、ゲートウェイ40は間欠的に下位ネットワークNW1に接続可能である。
【0021】
例えば、ゲートウェイ40は、実空間内を移動する移動体に搭載されている。移動体は、例えば、車両、電車、エレベータの昇降路内を昇降する乗りかご、航空機やドローンなどの飛翔体、などである。
【0022】
ゲートウェイ40が車両に搭載されている場合を想定する。この場合、ゲートウェイ40を搭載した車両が第2ノード30の近傍に到達したときに、ゲートウェイ40は下位ネットワークNW1に接続する。また、ゲートウェイ40が電車に搭載されている場合を想定する。この場合、ゲートウェイ40を搭載した電車が第2ノード30の設置駅に停車したときに、ゲートウェイ40は下位ネットワークNW1に接続する。また、ゲートウェイ40がエレベータの乗りかごに搭載されている場合を想定する。この場合、ゲートウェイ40を搭載した乗りかごが第2ノード30の配置フロアで停止したときに、ゲートウェイ40は下位ネットワークNW1に接続する。また、ゲートウェイ40が航空機に搭載されている場面を想定する。この場合、ゲートウェイ40を搭載した航空機が第2ノード30の近傍に到達したときに、ゲートウェイ40は下位ネットワークNW1に接続する。
【0023】
このように、本実施形態では、ゲートウェイ40が実空間を移動可能に構成されている。このため、ゲートウェイ40は、第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する等の物理的条件を満たした時に下位ネットワークNW1に接続する。すなわち、本実施形態では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間、マルチホップネットワーク2を構成する第1ノード20および第2ノード30はゲートウェイ40を介してサーバ装置50と通信可能となる。
【0024】
次に、本実施形態の第2ノード30の機能構成の一例を説明する。
【0025】
図2は、第2ノード30の機能構成の一例の模式図である。
【0026】
第2ノード30は、記憶部32と、制御部38と、通信部34と、NW(ネットワーク)通信部36と、を備える。記憶部32、通信部34、NW通信部36、および制御部38はデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0027】
記憶部32は、各種のデータを記憶する。本実施形態では、記憶部32は、スケジュール情報60を記憶する。スケジュール情報60の詳細は後述する。
【0028】
通信部34は、マルチホップネットワーク2に含まれる第1ノード20の各々と通信する。
図1に示すマルチホップネットワーク2の構成の場合、第2ノード30の通信部34は、第1ノード20C、第1ノード20G、第1ノード20L、および第1ノード20Mの各々と直接、すなわちホップ数1で通信する。また、通信部34は、他のノード10の各々とは、他の1または複数のノード10を介して通信する。
【0029】
図2に戻り説明を続ける。NW通信部36は、下位ネットワークNW1に接続し、ゲートウェイ40と通信する。
【0030】
制御部38は、第2スケジュール管理部38Aと、マルチホップネットワーク管理部38Bと、第2送信制御部38Cと、を備える。第2送信制御部38Cは、アプリケーション処理部38Dと、転送制御部38Eと、を含む。
【0031】
第2スケジュール管理部38A、マルチホップネットワーク管理部38B、第2送信制御部38C、アプリケーション処理部38D、および転送制御部38Eは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、制御部38に含まれる各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0032】
第2スケジュール管理部38Aは、スケジュール情報60を管理する。
【0033】
スケジュール情報60は、スケジュール情報の一例である。
【0034】
スケジュール情報とは、通信システム1に含まれるゲートウェイ40の、下位ネットワークNW1に対する接続スケジュールを表す情報である。スケジュール情報は、通信システム1内で共有される情報である。すなわち、通信システム1に含まれるサーバ装置50、ゲートウェイ40、およびノード10が、スケジュール情報を共有する。
【0035】
スケジュール情報は、1または複数の通信可能期間情報を含む。通信可能期間情報とは、通信可能期間を表す情報である。通信可能期間とは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する期間である。すなわち、通信可能期間は、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続する期間である。言い換えると、通信可能期間とは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続することで、第2ノード30とゲートウェイ40とが通信可能となる期間である。
【0036】
通信可能期間情報は、ある時刻を表す情報であってもよいし、所定の日時から他の日時までの期間を表す情報であってもよい。本実施形態では、通信可能期間情報は、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1への接続を開始する接続日時から、下位ネットワークNW1から切断される切断日時までの期間を表す情報である形態を一例として説明する。
【0037】
図3は、スケジュール情報60のデータ構成の一例を示す模式図である。スケジュール情報60は、通信可能期間情報を含む。例えば、通信可能期間情報は、接続日時と切断日時との対によって表される。すなわち、例えば、通信可能期間情報は、接続日時から切断日時までの通信可能期間を表す情報である。
図3には、スケジュール情報60が複数の通信可能期間情報を含む形態を一例として示す。
【0038】
なお、通信可能期間情報は通信可能期間を表す情報であればよく、接続日時と切断日時との対によって表される情報に限定されない。例えば、通信可能期間情報は、電車やバスなどの時刻表のように、平日、休日、祝日、などの所定の日程区分ごとに、接続時刻および切断時刻の対を登録した情報であってもよい。また、通信可能期間情報は、年月日に関する情報を含まず、時刻によって表される期間を規定した情報であってもよい。
【0039】
図2に戻り説明を続ける。第2スケジュール管理部38Aは、スケジュール情報60を記憶部32に記憶し管理する。本実施形態では、第2スケジュール管理部38Aは、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50から予め配布されたスケジュール情報を、スケジュール情報60として予め記憶部32に記憶する形態を一例として説明する。
【0040】
マルチホップネットワーク管理部38Bは、通信部34を介して複数の第1ノード20の各々とマルチホップネットワーク2を構成する。マルチホップネットワーク2の構成には、RPL(IPv6 Routing Protocol for Low power and Lossy Network)、Bluetooth Mesh、ZigBee(登録商標)、など様々な方式の利用が挙げられる。
【0041】
マルチホップネットワーク管理部38Bは、スケジュール情報60をスケジュール情報としてマルチホップネットワーク2の管理および維持に用いられる制御メッセージに含め、該制御メッセージを第1ノード20へ送信する。マルチホップネットワーク2の構成にRPLを用いる場合、DIO(DODAG Information Object)と称される制御メッセージにスケジュール情報を含めて第1ノード20へ送信する。この送信処理により、マルチホップネットワーク管理部38Bは、サーバ装置50から配布されたスケジュール情報をマルチホップネットワーク2に含まれる複数の第1ノード20の各々へ配布する。このため、マルチホップネットワーク2内の複数のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50間でスケジュール情報が共有される。
【0042】
なお、スケジュール情報60を第1ノード20へ送信する手段として制御メッセージを使用しない方法を用いてもよい。例えば、スケジュール情報60を送信する手段として、アプリケーションメッセージの制御ヘッダを使用してもよいし、スケジュール情報60送信専用のメッセージを使用してもよい。
【0043】
なお、第2スケジュール管理部38Aは、記憶部32に記憶されているスケジュール情報60に含まれる複数の通信可能期間情報の全てをスケジュール情報として制御メッセージに含めてもよい。また、第2スケジュール管理部38Aは、記憶部32に記憶されているスケジュール情報60に含まれる複数の通信可能期間情報の内、一部の通信可能期間情報をスケジュール情報として制御メッセージに含めてもよい。スケジュール情報60に含まれる一部のスケジュール情報を制御メッセージに含める場合、スケジュール情報60に含まれる複数の通信可能期間情報の内、現在時刻に最も近い順に未来の時刻に向かって予め定めた数の通信可能期間情報を抽出し、スケジュール情報として制御メッセージに含めてもよい。
【0044】
次に、第2送信制御部38Cについて説明する。第2送信制御部38Cは、第1通信データおよび第2通信データを送信制御する。なお、送信および送信制御には、自身を起点とした送信および他から受信したデータの転送の双方の意味が含まれる。
【0045】
第1通信データとは、第1ノード20または第2ノード30を送信の起点とし、サーバ装置50を最終宛先として通信される通信データの一例である。このため、第1通信データには、最終宛先を表す情報としてサーバ装置50の識別情報が含まれる。
【0046】
第2通信データとは、サーバ装置50またはゲートウェイ40を送信の起点とし、第1ノード20または第2ノード30を最終宛先として通信される通信データの一例である。このため、第2通信データには、最終宛先を表す情報として第1ノード20または第2ノード30の識別情報が含まれる。第1ノード20を最終宛先とする第2通信データには、中継宛先として第2ノード30の識別情報が含まれ、最終宛先として第1ノード20の識別情報が含まれる。
【0047】
本実施形態では、第2送信制御部38Cは、スケジュール情報60における通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0048】
本実施形態では、第2送信制御部38Cは、アプリケーション処理部38Dと、転送制御部38Eと、を含む。
【0049】
アプリケーション処理部38Dは、第1ノード20から受信した自ノード宛てのアプリケーションデータを処理する。自ノードとは、自身のノード10を意味する。アプリケーション処理部38Dは、第1ノード20から受信したアプリケーションデータを、サーバ装置50を最終宛先とする新たな第1通信データとして生成してもよい。また、アプリケーション処理部38Dは、アプリケーションデータの受信に関係なく、自発的に第1通信データを生成してもよい。
【0050】
また、アプリケーション処理部38Dは、サーバ装置50からゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して自ノードを最終宛先とする第2通信データを受信した場合、該第2通信データを処理する。
【0051】
転送制御部38Eは、第1ノード20とサーバ装置50との間の通信データの転送を制御する。通信部34がサーバ装置50を最終宛先とする通信データである第1通信データを受信すると、転送制御部38Eは、NW通信部36を介してサーバ装置50へ該第1通信データを転送する。NW通信部36が自ノード以外を最終宛先とする第2通信データを受信すると、転送制御部38Eは、通信部34を介して第1ノード20へ第2通信データを転送する。
【0052】
アプリケーション処理部38Dおよび転送制御部38Eを含む第2送信制御部38Cは、サーバ装置50を最終宛先とする通信データである第1通信データを送信制御する場合、スケジュール情報60に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。詳細には、第2送信制御部38Cは、記憶部32からスケジュール情報60を読取る。そして、第2送信制御部38Cは、スケジュール情報60に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0053】
すなわち、第2送信制御部38Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続してない期間には第1通信データのゲートウェイ40への送信を待機する。一方、第2送信制御部38Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、第1通信データをゲートウェイ40へ送信するように送信制御する。
【0054】
第2送信制御部38Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となったときに、第1通信データをゲートウェイ40へ送信してよい。また、第2送信制御部38Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となってから所定時間待機した後に、該通信可能期間内に第1通信データをゲートウェイ40へ送信してよい。
【0055】
また、第2送信制御部38Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している接続状態にあるときに、自ノードとゲートウェイ40との間で発生する通信遅延を定期的に測定してもよい。そして、第2送信制御部38Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻から該通信遅延に相当する時間分以前の時刻となったときに、第1通信データをゲートウェイ40へ送信してもよい。
【0056】
また、第2送信制御部38Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となり、且つ、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続を確認出来たときに、第1通信データをゲートウェイ40へ送信してもよい。
【0057】
ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続の確認方法は限定されない。例えば、第2送信制御部38Cは、接続確認メッセージをゲートウェイ40宛てに送信し、該制御メッセージに対する応答を判別することで、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続を確認する。具体的には、例えば、第2送信制御部38Cは、ICMP Echo Requestメッセージを接続確認メッセージとしてゲートウェイ40宛てに送信する。そして、第2送信制御部38Cは、ゲートウェイ40からの応答としてICMP Echo Replyを受信したか否かを判別することで、接続を確認する。
【0058】
また、第2送信制御部38Cは、下位ネットワークNW1から受付けた、ゲートウェイ40の接続状態を表す通知を判別することで、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続を確認してもよい。また、第2送信制御部38Cは、NW通信部36の通信インターフェースの接続状態であるリンク状態を確認することで、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続を確認してもよい。
【0059】
次に、本実施形態の第1ノード20の機能構成の一例を説明する。
【0060】
図4は、第1ノード20の機能構成の一例の模式図である。
【0061】
第1ノード20は、記憶部22と、制御部28と、通信部24と、を備える。記憶部22、通信部24、および制御部28はデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0062】
記憶部22は、各種のデータを記憶する。本実施形態では、記憶部22は、スケジュール情報62を記憶する。
【0063】
通信部24は、マルチホップネットワーク2に含まれるノード10の各々と通信する。すなわち、通信部24は、自ノード以外の他の第1ノード20および第2ノード30の各々と、直接または他の第1ノード20を介して通信する。
【0064】
制御部28は、第1スケジュール管理部28Aと、マルチホップネットワーク管理部28Bと、第1送信制御部28Cと、を備える。第1送信制御部28Cは、アプリケーション処理部28Dと、転送制御部28Eと、を含む。第1スケジュール管理部28A、マルチホップネットワーク管理部28B、第1送信制御部28C、アプリケーション処理部28D、および転送制御部28Eは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。
【0065】
第1スケジュール管理部28Aは、スケジュール情報62を管理する。第1スケジュール管理部28Aは、スケジュール情報62を記憶部22に記憶し管理する。例えば、第1スケジュール管理部28Aは、第2ノード30から配布されたスケジュール情報をスケジュール情報62として記憶部22に記憶し管理する。詳細には、第1スケジュール管理部28Aは、第2ノード30から直接または他の第1ノード20を介して第2ノード30から受信した制御メッセージに含まれるスケジュール情報を、スケジュール情報62として記憶部22に記憶する。スケジュール情報62のデータ構成は、スケジュール情報60のデータ構成と同様である(
図3参照)。
【0066】
なお、上述したように、第2ノード30の第2スケジュール管理部38Aは、第2ノード30の記憶部32に記憶されているスケジュール情報60に含まれる複数の通信可能期間情報の内、一部の通信可能期間情報をスケジュール情報として制御メッセージに含めてもよい。この場合、第1ノード20の第1スケジュール管理部28Aは、第2ノード30で管理されているスケジュール情報60に含まれる複数の通信可能期間情報の内の一部の通信可能期間情報を、スケジュール情報62として記憶部22へ記憶し管理することとなる。
【0067】
これらの処理により、第1スケジュール管理部28Aは、マルチホップネットワーク2内の複数のノード10とスケジュール情報を共有する。すなわち、通信システム1に含まれるサーバ装置50、ゲートウェイ40、およびノード10が、同じ通信可能期間情報を含むスケジュール情報を共有する。
【0068】
マルチホップネットワーク管理部28Bは、通信部24を介して複数の第1ノード20および第2ノード30の各々とマルチホップネットワーク2を構成する。
【0069】
第1送信制御部28Cは、第1通信データおよび第2通信データを送信制御する。
【0070】
本実施形態では、第1送信制御部28Cは、スケジュール情報62における通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、第2ノード30、下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0071】
本実施形態では、第1送信制御部28Cは、アプリケーション処理部28Dと、転送制御部28Eと、を含む。
【0072】
アプリケーション処理部28Dは、他のノード10から受信した自ノード宛てのアプリケーションデータを処理する。アプリケーション処理部28Dは、他のノード10から受信したアプリケーションデータを、サーバ装置50を最終宛先とする新たな第1通信データとして生成してもよい。また、アプリケーション処理部28Dは、アプリケーションデータの受信に関係なく、自発的に第1通信データを生成してもよい。
【0073】
また、アプリケーション処理部28Dは、サーバ装置50からゲートウェイ40、下位ネットワークNW1、および第2ノード30を介して自ノードを最終宛先とする第2通信データを受信した場合、該第2通信データを処理する。
【0074】
転送制御部28Eは、他のノード10との間の通信データの転送を制御する。通信部24が他のノード10から第1通信データを受信すると、転送制御部38Eは、第2ノード30へ第1通信データを転送する。通信部24が自ノード以外を最終宛先として含む第2通信データを受信すると、転送制御部28Eは、通信部24を介して他の第1ノード20へ第2通信データを転送する。
【0075】
アプリケーション処理部28Dおよび転送制御部28Eを含む第1送信制御部28Cは、サーバ装置50を最終宛先とする通信データである第1通信データを送信する場合、スケジュール情報62に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。詳細には、アプリケーション処理部28Dは、記憶部22からスケジュール情報62を読取る。そして、第1送信制御部28Cは、スケジュール情報62に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、第2ノード30、下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0076】
すなわち、第1送信制御部28Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続してない期間には第1通信データの第2ノード30を介したゲートウェイ40への送信を待機する。一方、第1送信制御部28Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、第2ノード30を介してゲートウェイ40へ第1通信データを送信する。第1送信制御部28Cは、サーバ装置50を最終宛先とし、第2ノード30を中継宛先とする第1通信データを送信制御すればよい。
【0077】
第1送信制御部28Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となったときに、第1通信データを第2ノード30へ送信してもよい。また、第2送信制御部38Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となってから所定時間待機した後に、該通信可能期間内に第1通信データを第2ノード30へ送信してもよい。
【0078】
また、第1送信制御部28Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している接続状態にあるときに、自ノードとゲートウェイ40との間で発生する通信遅延を定期的に測定してもよい。そして、第1送信制御部28Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻から該通信遅延に相当する時間分以前の時刻となったときに、第1通信データを第2ノード30へ送信してもよい。
【0079】
また、第1送信制御部28Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となり、且つ、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続が第2ノード30によって確認されたときに、該第1通信データを第2ノード30へ送信してもよい。
【0080】
次に、本実施形態のゲートウェイ40の機能構成の一例を説明する。上述したように、ゲートウェイ40は、実空間を移動可能に構成されている。ゲートウェイ40は、通信システム1内で共有される上述したスケジュール情報に沿って実空間を移動する。例えば、ゲートウェイ40を搭載した移動体の制御部は、上述したスケジュール情報に沿って実空間を移動するように移動体の駆動部を制御する。
【0081】
図5は、ゲートウェイ40の機能構成の一例の模式図である。
【0082】
ゲートウェイ40は、記憶部42と、制御部48と、NW通信部44と、NW通信部46と、を備える。記憶部42、NW通信部44、NW通信部46、および制御部48はデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0083】
記憶部42は、各種のデータを記憶する。本実施形態では、記憶部42は、スケジュール情報64および第1管理情報70を記憶する。スケジュール情報64および第1管理情報70の詳細は後述する。
【0084】
NW通信部44は、下位ネットワークNW1に接続可能であり、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30と通信する。NW通信部44は、第2ノード30から接続確認メッセージを受信した場合、応答信号として、例えばICMP Echo Replyを第2ノード30へ送信する。NW通信部46は、上位ネットワークNW2に接続し、上位ネットワークNW2に接続されたサーバ装置50と通信する。
【0085】
制御部48は、第4スケジュール管理部48Aと、第4転送制御部48Cと、を備える。第4スケジュール管理部48Aおよび第4転送制御部48Cは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。
【0086】
第4スケジュール管理部48Aは、スケジュール情報64を記憶部42に記憶し管理する。本実施形態では、第4スケジュール管理部48Aは、サーバ装置50から配布されたスケジュール情報を、スケジュール情報64として予め記憶部32に記憶する形態を一例として説明する。
【0087】
スケジュール情報64は、ゲートウェイ40が接続可能な下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、ゲートウェイ40が下位NW識別情報によって識別される下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報と、を対応付けた情報である。通信可能期間情報は、上記と同様である。すなわち、第4スケジュール管理部48Aは、上記説明したスケジュール情報60およびスケジュール情報62に含まれる1または複数の通信可能期間情報の各々に、下位NW識別情報を更に対応付けた情報をスケジュール情報64として管理する。
【0088】
図6は、スケジュール情報64のデータ構成の一例を示す模式図である。スケジュール情報64は、通信可能期間情報と、下位NW識別情報と、を対応付けた情報である。通信可能期間情報は、上記と同様である。下位NW識別情報は、下位ネットワークNW1を識別するための識別情報である。
【0089】
図5に戻り説明を続ける。第4スケジュール管理部48Aは、サーバ装置50から配布されたスケジュール情報をスケジュール情報64として記憶部32に記憶し管理する。また、第4スケジュール管理部48Aは、サーバ装置50から受信したスケジュール情報を、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1へ接続したときに該下位ネットワークNW1に接続されている第2ノード30へ送信する。詳細には、第4スケジュール管理部48Aは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1へ接続したときに、スケジュール情報64における該下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応付けられた通信可能期間情報の群をスケジュール情報として該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30へ送信する。
【0090】
第4転送制御部48Cは、第2ノード30とサーバ装置50との間の通信データの転送を制御する。すなわち、第4転送制御部48Cは、第1通信データおよび第2通信データを転送制御する。
【0091】
NW通信部44が第2ノード30から第1通信データを受信すると、第4転送制御部48CはNW通信部46を介してサーバ装置50へ該第1通信データを転送する。
【0092】
NW通信部46がサーバ装置50から第2通信データを受信すると、第4転送制御部48Cは下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ該第2通信データを転送する。
【0093】
第4転送制御部48Cは、第1ノード20または第2ノード30を最終宛先とする通信データである第2通信データを転送制御する場合、スケジュール情報64に基づいて第2通信データの転送タイミングを調整する。詳細には、第4転送制御部48Cは、記憶部42からスケジュール情報64を読取る。また、第4転送制御部48Cは、サーバ装置50から受信した第2通信データに含まれる最終宛先または中継宛先として設定されている第2ノード30が接続している下位ネットワークNW1の下位NW識別情報を特定する。
【0094】
ゲートウェイ40の記憶部42には、下位NW識別情報と、下位NW識別情報によって識別される下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30の識別情報と、該第2ノード30を含むマルチホップネットワーク2に含まれる第1ノード20の識別情報と、を対応付けた第1管理情報70が予め記憶されている。
【0095】
第4転送制御部48Cは、サーバ装置50から受信した第2通信データに含まれる最終宛先または中継宛先として設定されている第2ノード30の識別情報に対応する下位NW識別情報を、第1管理情報70から特定する。そして、第4転送制御部48Cは、スケジュール情報64における、特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報を読取る。
【0096】
第4転送制御部48Cは、読取った通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1を介して該第2ノード30へ第2通信データを転送する転送制御を行う。
【0097】
すなわち、第4転送制御部48Cは、自身が下位ネットワークNW1に接続していない期間には該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30への第2通信データの転送を待機する。また、第4転送制御部48Cは、自身が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30へ第2通信データを転送する転送制御を行う。
【0098】
第4転送制御部48Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となったときに、第2通信データを第2ノード30へ転送してもよい。また、第4転送制御部48Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となってから所定時間待機した後に、該通信可能期間内に第2通信データを第2ノード30へ転送してもよい。
【0099】
また、第4転送制御部48Cは、自身が下位ネットワークNW1に接続している接続状態にあるときに、第2ノード30との間で発生する通信遅延を定期的に測定してもよい。そして、第4転送制御部48Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻から該通信遅延に相当する時間分以前の時刻となったときに、第2通信データを第2ノード30へ転送してもよい。
【0100】
また、第4転送制御部48Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となり、且つ、下位ネットワークNW1との接続が確認出来たときに、第2通信データを第2ノード30へ送信してもよい。下位ネットワークNW1との接続の確認方法は、上記第2送信制御部38Cと同様にして行えばよい。
【0101】
次に、本実施形態のサーバ装置50の機能構成の一例を説明する。
【0102】
図7は、サーバ装置50の機能構成の一例の模式図である。
【0103】
サーバ装置50は、記憶部52と、NW通信部56と、制御部58と、を備える。記憶部52、NW通信部56、および制御部58はデータまたは信号を授受可能に接続されている。
【0104】
記憶部52は、各種のデータを記憶する。本実施形態では、記憶部52は、スケジュール情報66および第1管理情報70を記憶する。スケジュール情報66の詳細は後述する。第1管理情報70は、上述したためここでは説明を省略する。
【0105】
NW通信部56は、上位ネットワークNW2に接続する。すなわち、NW通信部56は、上位ネットワークNW2を介してゲートウェイ40と通信する。
【0106】
制御部58は、第3スケジュール管理部58Aと、第3送信制御部58Cと、を備える。第3スケジュール管理部58Aおよび第3送信制御部58Cは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。
【0107】
第3スケジュール管理部58Aは、スケジュール情報66を管理する。スケジュール情報66のデータ構成は、スケジュール情報64と同様である(
図6参照)。
【0108】
例えば、第3スケジュール管理部58Aは、スケジュール情報66を記憶部52に記憶し管理する。
【0109】
本実施形態では、サーバ装置50の第3スケジュール管理部58Aがスケジュール情報を生成し、通信システム1に含まれるゲートウェイ40、第2ノード30、および第1ノード20の各々に配布する。
【0110】
例えば、第3スケジュール管理部58Aは、Web API(Application Programming Interface)やユーザインタフェースなどを通じて、ゲートウェイ40が何れの通信可能期間に何れの下位ネットワークNW1に接続するかを表す情報を取得する。そして、第3スケジュール管理部58Aは、取得した情報に基づいて、通信可能期間を表す通信可能期間情報と、該通信可能期間情報によって表される通信可能期間にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、を対応付けたスケジュール情報を生成する。
【0111】
第3スケジュール管理部58Aは生成したスケジュール情報をスケジュール情報66として記憶部52へ記憶する。また、第3スケジュール管理部58Aは、生成したスケジュール情報62を、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間に、該ゲートウェイ40、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30、および該第2ノード30と共にマルチホップネットワーク2を構成する第1ノード20の各々へ配布する。
【0112】
サーバ装置50の第3スケジュール管理部58Aによる上記配布処理によって、通信システム1に含まれるサーバ装置50、ゲートウェイ40、第2ノード30、およびノード10の各々で、同じ通信可能期間情報を含むスケジュール情報が共有される。
【0113】
制御部58によるスケジュール情報の配布タイミングや、配布するスケジュール情報に含まれる通信可能期間情報の単位は限定されない。例えば、第3スケジュール管理部58Aは、定期的にスケジュール情報を配布する。また、第3スケジュール管理部58Aは、新たなスケジュール情報を生成したときや、スケジュール情報を変更したときに、新たに生成したスケジュール情報または変更後のスケジュール情報を配布してもよい。
【0114】
第3送信制御部58Cは、通信データの送受信を制御する。第3送信制御部58Cは、ゲートウェイ40から受信した第1通信データを処理する。
【0115】
第3送信制御部58Cは、第1ノード20または第2ノード30を最終宛先とする通信データである第2通信データを送信制御する場合、スケジュール情報66に基づいて第2通信データの送信タイミングを調整する。詳細には、第3送信制御部58Cは、記憶部52からスケジュール情報66を読取る。また、第3送信制御部58Cは、第2通信データの最終宛先または中継宛先とする第2ノード30が接続している下位ネットワークNW1の下位NW識別情報を特定する。
【0116】
サーバ装置50の記憶部52には、下位NW識別情報と、下位NW識別情報によって識別される下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30の識別情報と、該第2ノード30を含むマルチホップネットワーク2に含まれる第1ノード20の識別情報と、を対応付けた第1管理情報70が予め記憶されている。
【0117】
第3送信制御部58Cは、第2通信データの最終宛先または中継宛先である第2ノード30の識別情報に対応する下位NW識別情報を、第1管理情報70から特定する。そして、第3送信制御部58Cは、スケジュール情報66における、特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報を読取る。
【0118】
第3送信制御部58Cは、読取った通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ第2通信データを送信する送信制御を行う。
【0119】
すなわち、第3送信制御部58Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続してない期間には第2通信データの該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30への送信を待機する。また、第3送信制御部58Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30へ第2通信データを送信する送信制御を行う。
【0120】
第3送信制御部58Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となったときに、第2通信データを第2ノード30へ送信してもよい。また、第3送信制御部58Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となってから所定時間待機した後に、該通信可能期間内に第2通信データを第2ノード30へ送信してもよい。
【0121】
また、第3送信制御部58Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している接続状態にあるときに、自身と第2ノード30との間で発生する通信遅延を定期的に測定してもよい。そして、第3送信制御部58Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻から該通信遅延に相当する時間分以前の時刻となったときに、第2通信データを第2ノード30へ送信してもよい。
【0122】
また、第3送信制御部58Cは、現在時刻が通信可能期間情報によって表される通信可能期間内の時刻となり、且つ、ゲートウェイ40と下位ネットワークNW1との接続が確認出来たときに、第2通信データを第2ノード30へ送信してもよい。下位ネットワークNW1との接続の確認方法は、上記第2送信制御部38Cと同様にして行えばよい。
【0123】
次に、本実施形態の通信システム1で実行される情報処理の流れの一例を説明する。
【0124】
図8は、第2ノード30が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0125】
第2ノード30の第2送信制御部38Cは、サーバ装置50を最終宛先とする第1通信データを送信または転送するか否かを判断する(ステップS100)。第2送信制御部38Cは、アプリケーション処理部38Dがサーバ装置50を最終宛先とする第1通信データを生成したか否かを判別することで、ステップS100の判断を行う。また、第2送信制御部38Cは、第1ノード20から受信した通信データがサーバ装置50を最終宛先とする第1通信データであるか否かを判別することで、第1通信データを転送するか否かを判断する。
【0126】
ステップS100で否定判断すると(ステップS100:No)、本ルーチンを終了する。ステップS100で肯定判断すると(ステップS100:Yes)、ステップS102へ進む。
【0127】
ステップS102では、第2送信制御部38Cは、記憶部32からスケジュール情報60を読取る(ステップS102)。そして、第2送信制御部38Cは、スケジュール情報60に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ステップS100で判断した第1通信データを下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ送信する送信制御を行う(ステップS104)。そして、本ルーチンを終了する。
【0128】
図9は、第1ノード20が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0129】
第1ノード20の第1送信制御部28Cは、サーバ装置50を最終宛先とする通信データである第1通信データを送信または転送するか否かを判断する(ステップS200)。第1送信制御部28Cは、アプリケーション処理部28Dがサーバ装置50を最終宛先とする第1通信データを生成したか否かを判別することで、ステップS200の判断を行う。また、第1送信制御部28Cは、他の第1ノード20から受信した通信データがサーバ装置50を最終宛先とする第1通信データであるか否かを判別することで、第1通信データを転送するか否かを判断する。
【0130】
ステップS200で否定判断すると(ステップS200:No)、本ルーチンを終了する。ステップS200で肯定判断すると(ステップS200:Yes)、ステップS202へ進む。
【0131】
ステップS202では、第1送信制御部28Cは、記憶部22からスケジュール情報62を読取る(ステップS202)。そして、第1送信制御部28Cは、スケジュール情報62に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ステップS200で判断した第1通信データを第2ノード30、下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ送信する送信制御を行う(ステップS204)。そして、本ルーチンを終了する。
【0132】
図10は、ゲートウェイ40が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0133】
ゲートウェイ40の第4転送制御部48Cは、第1ノード20または第2ノード30を最終宛先とする通信データである第2通信データを転送するか否かを判断する(ステップS300)。第4転送制御部48Cは、サーバ装置50から第2通信データを受信したか否かを判別することで、ステップS300の判断を行う。
【0134】
ステップS300で否定判断すると(ステップS300:No)、本ルーチンを終了する。ステップS300で肯定判断すると(ステップS300:Yes)、ステップS302へ進む。
【0135】
ステップS302では、第4転送制御部48Cは記憶部42からスケジュール情報64を読取る(ステップS302)。
【0136】
そして、第4転送制御部48Cは、ステップS300で判断した第2通信データに含まれる最終宛先または中継宛先として設定されている第2ノード30に接続された下位ネットワークNW1の下位NW識別情報を、第1管理情報70から特定する(ステップS304)。
【0137】
第4転送制御部48Cは、ステップS302で読取ったスケジュール情報64における、ステップS304で特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報を読取る(ステップS306)。
【0138】
そして、第4転送制御部48Cは、ステップS306で読取った通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1を介してステップS304で特定に用いた第2ノード30へ、第2通信データを転送する転送制御を行う(ステップS308)。そして本ルーチンを終了する。
【0139】
図11は、サーバ装置50が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0140】
サーバ装置50の第3送信制御部58Cは、第1ノード20または第2ノード30を最終宛先とする通信データである第2通信データを送信するか否かを判断する(ステップS400)。第4転送制御部48Cは、第2通信データを生成したか、または、送信対象の第2通信データの有無などを判別することで、ステップS400の判断を行う。
【0141】
ステップS400で否定判断すると(ステップS400:No)、本ルーチンを終了する。ステップS400で肯定判断すると(ステップS400:Yes)、ステップS402へ進む。
【0142】
ステップS402では、第3送信制御部58Cは記憶部52からスケジュール情報66を読取る(ステップS402)。
【0143】
そして、第3送信制御部58Cは、ステップS400で判断した第2通信データに含まれる最終宛先または中継宛先として設定されている第2ノード30に接続された下位ネットワークNW1の下位NW識別情報を、第1管理情報70から特定する(ステップS404)。
【0144】
第3送信制御部58Cは、ステップS402で読取ったスケジュール情報66における、ステップS404で特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報を読取る(ステップS406)。
【0145】
そして、第3送信制御部58Cは、ステップS406で読取った通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介してステップS404で特定に用いた第2ノード30へ、第2通信データを転送する転送制御を行う(ステップS408)。そして本ルーチンを終了する。
【0146】
以上説明したように、本実施形態の通信システム1は、第1ノード20(第1通信装置)と、第2ノード30(第2通信装置)と、を備える。第1ノード20は、マルチホップネットワーク2を構成する。第2ノード30は、第1ノード20と共にマルチホップネットワーク2を構成し、下位ネットワークNW1および移動可能なゲートウェイ40を介して、上位ネットワークNW2に接続されたサーバ装置50と通信可能である。
【0147】
第2ノード30は、第2スケジュール管理部38Aと、第2送信制御部38Cと、を備える。第2スケジュール管理部38Aは、スケジュール情報60を管理する。スケジュール情報60は、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報を含む。第2送信制御部38Cは、通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、サーバ装置50を宛先とする第1通信データを送信する。
【0148】
このように、本実施形態では、第2ノード30の第2送信制御部38Cは、移動可能なゲートウェイ40が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する。
【0149】
すなわち、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には第2ノード30からゲートウェイ40への第1通信データの送信が行われない。そして、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間に、第2ノード30からゲートウェイ40への第1通信データの送信が行われる。
【0150】
このため、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、第2ノード30から下位ネットワークNW1への第1通信データの送信を抑制することができ、無用な電力消費の発生を抑制することができる。
【0151】
従って、本実施形態の通信システム1は、消費電力の抑制を図ることができる。
【0152】
また、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間に下位ネットワークNW1に第1通信データを送信することを抑制することができるため、上記効果に加えて、無用な通信データの再送、無用な通信データの再送に伴う電力消費、およびデータ損失、を抑制することができる。
【0153】
また、本実施形態の通信システム1では、無用な通信データの再送を抑制することができるため、上記効果に加えて、データ信頼性向上および転送時間短縮を図ることができる。
【0154】
また、本実施形態の通信システム1では、第1ノード20の第1送信制御部28Cが、スケジュール情報62の通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、第2ノード30、下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する。
【0155】
このため、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間に、マルチホップネットワーク2に含まれる複数の第1ノード20の各々が第2ノード30を介して下位ネットワークNW1に第1通信データを送信することを抑制することができる。
【0156】
このため、本実施形態の通信システム1は、無用な電力消費の発生を更に抑制することができる。また、本実施形態の通信システム1は、無用な通信によるマルチホップネットワーク2の輻輳を抑制することができる。また、本実施形態の通信システム1は、転送時間短縮を図ることができる。
【0157】
また、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40の第4転送制御部48Cが、スケジュール情報64における、宛先とする第2ノード30に接続された下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ第2通信データを転送する。
【0158】
このように、本実施形態では、ゲートウェイ40の第4転送制御部48Cは、自身が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間に、該下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ第2通信データを転送する転送制御を行う。
【0159】
すなわち、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、ゲートウェイ40から第2ノード30への第2通信データの転送が行われない。そして、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間に、ゲートウェイ40から第2ノード30への第2通信データの転送が行われる。
【0160】
このため、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、ゲートウェイ40から該下位ネットワークNW1への第2通信データの送信を抑制することができ、無用な電力消費の発生を抑制することができる。
【0161】
よって、本実施形態の通信システム1は、消費電力の更なる抑制を図ることができる。
【0162】
また、本実施形態の通信システム1では、サーバ装置50の第3送信制御部58Cが、スケジュール情報66における、宛先とする第2ノード30に接続された下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ第2通信データを送信する。
【0163】
このように、本実施形態では、サーバ装置50の第3送信制御部58Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1を介して第2ノード30と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間に、該ゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して第2ノード30へ第2通信データを送信する。
【0164】
すなわち、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、サーバ装置50から該ゲートウェイ40への第2通信データの送信が行われない。そして、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間に、サーバ装置50から該ゲートウェイ40への第2通信データの送信が行われる。
【0165】
このため、本実施形態の通信システム1では、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、サーバ装置50から該ゲートウェイ40を介した該下位ネットワークNW1への第2通信データの送信を抑制することができ、無用な電力消費の発生を抑制することができる。よって、本実施形態の通信システム1は、消費電力の更なる抑制を図ることができる。
【0166】
(変形例1)
上記実施形態では、通信システム1に含まれる第1ノード20および第2ノード30の双方が、スケジュール情報(スケジュール情報60、スケジュール情報62)に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する形態を一例として説明した。すなわち、上記実施形態では、第1ノード20および第2ノード30の双方が、スケジュール情報に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する送信制御を行う形態を一例として説明した。しかし、通信システム1では、第1ノード20および第2ノード30の少なくとも一方が、スケジュール情報(スケジュール情報60、スケジュール情報62)に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する上記送信処理を実行すればよい。
【0167】
また、上記実施形態では、通信システム1に含まれるゲートウェイ40およびサーバ装置50の双方が、スケジュール情報(スケジュール情報64、スケジュール情報66)に基づいて第2通信データの送信タイミングを調整する形態を一例として説明した。すなわち、上記実施形態では、ゲートウェイ40およびサーバ装置50の双方が、スケジュール情報に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、ゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介してノード10へ第2通信データを送信する形態を一例として説明した。しかし、通信システム1では、ゲートウェイ40およびサーバ装置50の少なくとも一方が、スケジュール情報(スケジュール情報64、スケジュール情報66)に基づいて第2通信データを送信すればよい。
【0168】
(変形例2)
上記実施形態では、サーバ装置50の第3スケジュール管理部58Aがスケジュール情報を生成し、通信システム1に含まれるゲートウェイ40、第2ノード30、および第1ノード20の各々に配布する形態を一例として説明した。
【0169】
しかし、サーバ装置50がスケジュール情報を生成し配布する形態に限定されない。例えば、ゲートウェイ40の第4スケジュール管理部48Aがスケジュール情報を生成し、サーバ装置50、第2ノード30、および第1ノード20の各々に配布する構成であってもよい。
【0170】
図5を用いて説明する。この場合、ゲートウェイ40の第4スケジュール管理部48Aは、例えば、Web APIやユーザインタフェースなどを通じて、自身が何れの通信可能期間に何れの下位ネットワークNW1に接続するかを表す情報を取得する。そして、第4スケジュール管理部48Aは、取得した情報に基づいて、通信可能期間を表す通信可能期間情報と、該通信可能期間情報によって表される通信可能期間に自身が接続する下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、を対応付けたスケジュール情報を生成する。
【0171】
第4スケジュール管理部48Aは、生成したスケジュール情報をスケジュール情報64として記憶部42へ記憶する。また、第4スケジュール管理部48Aは、生成したスケジュール情報を、自身が下位ネットワークNW1に接続している期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード30、および該第2ノード30と共にマルチホップネットワーク2を構成する第1ノード20の各々へ配布する。また、第4スケジュール管理部48Aは、生成したスケジュール情報をサーバ装置50へ配布する。
【0172】
スケジュール情報を配布された第2ノード30および第1ノード20は、上記実施形態と同様に、配布されたスケジュール情報をスケジュール情報60およびスケジュール情報62の各々として記憶し管理すればよい。
【0173】
また、スケジュール情報を配布されたサーバ装置50の第3スケジュール管理部58Aは、配布されたスケジュール情報をスケジュール情報66として記憶部52に記憶し管理すればよい。
【0174】
(変形例3)
上記実施形態では、マルチホップネットワーク2が1台の第2ノード30を含む形態を一例として説明した。すなわち、上記実施形態では、マルチホップネットワーク2から下位ネットワークNW1への出入口が1つの第2ノード30によって構成される形態を一例として説明した。
【0175】
しかし、マルチホップネットワーク2に含まれる第2ノード30の数は、複数台であってもよい。すなわち、マルチホップネットワーク2から下位ネットワークNW1への出入口は、複数であってもよい。
【0176】
図12は、本変形例の通信システム1Bの一例を示す模式図である。
【0177】
通信システム1Bは、複数のノード10と、ゲートウェイ40と、サーバ装置50と、を備える。ゲートウェイ40、およびゲートウェイ40は、上記実施形態と同様である。
【0178】
本変形例では、複数のノード10はマルチホップネットワーク2Bを構成する。本変形例では、通信システム1Bは、マルチホップネットワーク2Bを構成する複数のノード10として第1ノード21および第2ノード31を備える。第1ノード21は、第1通信装置の一例である。第2ノード31は、第2通信装置の一例である。
【0179】
すなわち、本変形例では、通信システム1Bは、上記実施形態の通信システム1における第1ノード20に替えて第1ノード21を備え、第2ノード30に替えて第2ノード31を備える。
【0180】
本変形例では、マルチホップネットワーク2Bは、1つの第2ノード30に替えて、複数の第2ノード31を含む。すなわち、本変形例では、マルチホップネットワーク2Bから下位ネットワークNW1への出入口が複数の第2ノード31によって構成される形態を一例として説明する。
【0181】
図12には、マルチホップネットワーク2Bが第2ノード30A~第2ノード30Cの3台の第2ノード30を備える形態を一例として示す。マルチホップネットワーク2Bに含まれる第2ノード30の台数は複数であればよく、3台に限定されない。
【0182】
本実施形態では、複数の第2ノード31Aは、互いに異なる下位ネットワークNW1に接続されている形態を一例として説明する。例えば、第2ノード31Aは下位ネットワークNW1Aに接続され、第2ノード31Bは下位ネットワークNW1Bに接続され、第2ノード31Cは下位ネットワークNW1Cに接続された形態を一例として説明する。下位ネットワークNW1A~下位ネットワークNW1Cは、下位ネットワークNW1の一例である。
【0183】
本変形例では、ゲートウェイ40が実空間を移動することで、ゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1は変化する。また、ゲートウェイ40が実空間を移動することで、マルチホップネットワーク2Bに含まれる複数の第2ノード31の内、下位ネットワークNW1を介してゲートウェイ40に接続する第2ノード31も変化することとなる。
【0184】
本変形例の通信システム1Bに含まれるゲートウェイ40、およびサーバ装置50は、それぞれ、上記実施形態と同様の処理を実行する。
【0185】
第2ノード31および第1ノード21は、それぞれ、上記実施形態の第2ノード30および第1ノード20の各々と同様の処理を実行する。なお、第2ノード31は、ゲートウェイ40が接続している下位ネットワークNW1に接続されている他の第2ノード30へ、第1通信データを転送してもよい。また、第1ノード21は、ゲートウェイ40が接続している下位ネットワークNW1に接続されている第2ノード30へ、第1通信データを送信してもよい。
【0186】
図13は、本変形例の第2ノード31の機能構成の一例の模式図である。
【0187】
第2ノード31は、記憶部33と、制御部39と、通信部34と、NW通信部36と、を備える。記憶部33、通信部34、NW通信部36、および制御部39はデータまたは信号を授受可能に接続されている。通信部34およびNW通信部36は上記実施形態と同様である。
【0188】
記憶部33は、各種のデータを記憶する。本変形例では、記憶部33は、スケジュール情報61および第2管理情報72を記憶する。
【0189】
スケジュール情報61は、スケジュール情報の一例である。スケジュール情報61のデータ構成は、上記実施形態のスケジュール情報64およびスケジュール情報66と同様である(
図6参照)。
【0190】
すなわち、スケジュール情報61は、ゲートウェイ40が接続可能な下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、ゲートウェイ40が下位NW識別情報によって識別される下位ネットワークNW1を介して第2ノード31と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報と、を対応付けた情報である。通信可能期間情報は、上記と同様である。すなわち、第2スケジュール管理部39Aは、上記実施形態の第2スケジュール管理部38Aが管理するスケジュール情報60に含まれる1または複数の通信可能期間情報の各々に、下位NW識別情報を更に対応付けた情報を、スケジュール情報61として管理する。
【0191】
第2管理情報72は、第2ノード31が接続している下位ネットワークNW1を管理するための情報である。第2管理情報72は、第2ノード31の識別情報と、第2ノード31の識別情報によって識別される第2ノード31が接続している下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、を対応付けた情報である。
【0192】
制御部39は、第2スケジュール管理部39Aと、マルチホップネットワーク管理部38Bと、第2送信制御部39Cと、を備える。第2送信制御部39Cは、アプリケーション処理部39Dと、転送制御部39Eと、を含む。
【0193】
第2スケジュール管理部39A、マルチホップネットワーク管理部38B、第2送信制御部39C、アプリケーション処理部39D、および転送制御部39Eは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。
【0194】
第2スケジュール管理部39Aは、スケジュール情報60に替えてスケジュール情報61を管理する点以外は、上記実施形態の第2スケジュール管理部38Aと同様である。
【0195】
第2送信制御部39Cは、上記実施形態の第2送信制御部38Cと同様に、第1通信データおよび第2通信データを送信制御する。
【0196】
第2送信制御部39Cは、アプリケーション処理部39Dおよび転送制御部39Eを含む。アプリケーション処理部39Dは、上記実施形態のアプリケーション処理部38Dと同様に、第1ノード21から受信した自ノード宛てのアプリケーションデータを処理する。また、アプリケーション処理部39Dは、アプリケーションデータの受信に関係なく、自発的に第1通信データを生成してもよい。
【0197】
また、アプリケーション処理部39Dは、サーバ装置50からゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して自ノードを最終宛先とする第2通信データを受信した場合、該第2通信データを処理する。
【0198】
転送制御部39Eは、上記実施形態の転送制御部38Eと同様に、第1ノード21とサーバ装置50との間の通信データの転送を制御する。本変形例では、転送制御部39Eは、更に、第1ノード21と他の第2ノード31との間の通信データの転送を制御する。
【0199】
アプリケーション処理部39Dおよび転送制御部39Eを含む第2送信制御部39Cは、第1通信データを送信する場合、第2送信制御部38Cと同様に、スケジュール情報61に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。すなわち、第2送信制御部39Cは、スケジュール情報60に替えてスケジュール情報61に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。
【0200】
詳細には、第2送信制御部39Cは、記憶部32からスケジュール情報61を読取る。そして、第2送信制御部39Cは、スケジュール情報61に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0201】
すなわち、本変形例では、第2ノード31の第2送信制御部39Cは、上記実施形態の第2送信制御部38Cと同様に、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続してない期間には第1通信データのゲートウェイ40への送信を待機する。また、第2送信制御部39Cは、上記実施形態の第2送信制御部38Cと同様に、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、第1通信データをゲートウェイ40へ送信するように送信制御する。
【0202】
また、本変形例では、第2ノード31の第2送信制御部39Cは、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1に接続されている他の第2ノード31へ、第2通信データを更に送信制御してもよい。送信予定時刻は現在時刻であってもよいし、現在時刻より未来の任意の時刻であってもよい。
【0203】
詳細には、第2ノード31の第2送信制御部39Cは、スケジュール情報61における、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード31、該下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0204】
更に詳細には、第2送信制御部39Cは、スケジュール情報61における、第1通信データの送信予定時刻を含む通信可能期間情報に対応付けられている下位NW識別情報を特定する。そして、第2送信制御部39Cは、第2管理情報72における、特定した下位NW識別情報に対応する第2ノード30の識別情報を読取る。第2送信制御部39Cは、スケジュール情報61における特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、読取った第2ノード31の識別情報によって識別される第2ノード31へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0205】
すなわち、本変形例では、第2ノード31の第2送信制御部39Cは、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する予定の下位ネットワークNW1に接続されている他の第2ノード30へ、第1通信データを送信する送信制御を行ってもよい。
【0206】
図12を用いて説明する。例えば、ゲートウェイ40がスケジュール情報に沿って実空間を移動し、下位ネットワークNW1Aに接続した状態となった場面を想定する。また、第2ノード31Bが第1通信データを送信する場面を想定する。この場合、第2ノード31Bの第2送信制御部39Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1Aに接続している接続可能期間に、該下位ネットワークNW1Aに接続されている第2ノード31Aへ第1通信データを送信する。
【0207】
図14は、本変形例の第1ノード21の機能構成の一例の模式図である。
【0208】
第1ノード21は、記憶部23と、制御部29と、通信部24と、を備える。記憶部23、通信部24、および制御部29はデータまたは信号を授受可能に接続されている。通信部24は上記実施形態と同様である。
【0209】
記憶部23は、各種のデータを記憶する。本変形例では、記憶部23は、スケジュール情報63および第2管理情報72を記憶する。第2管理情報72は上記と同様である。
【0210】
スケジュール情報63は、スケジュール情報の一例である。スケジュール情報63のデータ構成は、上記実施形態のスケジュール情報64およびスケジュール情報66と同様である(
図6参照)。
【0211】
すなわち、スケジュール情報63は、ゲートウェイ40が接続可能な下位ネットワークNW1の下位NW識別情報と、ゲートウェイ40が下位NW識別情報によって識別される下位ネットワークNW1を介して第2ノード31と通信可能な通信圏内に存在する通信可能期間を表す通信可能期間情報と、を対応付けた情報である。通信可能期間情報は、上記と同様である。すなわち、第1スケジュール管理部29Aは、上記実施形態の第1スケジュール管理部28Aが管理するスケジュール情報62に含まれる1または複数の通信可能期間情報の各々に、下位NW識別情報を更に対応付けた情報をスケジュール情報63として管理する。
【0212】
制御部29は、第1スケジュール管理部29Aと、マルチホップネットワーク管理部38Bと、第2送信制御部39Cと、を備える。第2送信制御部39Cは、アプリケーション処理部39Dと、転送制御部39Eと、を含む。
【0213】
第1スケジュール管理部29A、マルチホップネットワーク管理部28B、および第1送信制御部29Cを備える。第1送信制御部29Cは、アプリケーション処理部29Dおよび転送制御部29Eを含む。第1スケジュール管理部29A、マルチホップネットワーク管理部28B、第1送信制御部29C、アプリケーション処理部29D、および転送制御部29Eは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。
【0214】
第1スケジュール管理部29Aは、スケジュール情報62に替えてスケジュール情報63を管理する点以外は、上記実施形態の第1スケジュール管理部29Aと同様である。
【0215】
第1送信制御部29Cは、上記実施形態の第1送信制御部28Cと同様に、第1通信データおよび第2通信データを送信制御する。
【0216】
第1送信制御部29Cは、アプリケーション処理部29Dおよび転送制御部29Eを含む。アプリケーション処理部29Dは、上記実施形態のアプリケーション処理部28Dと同様に、他の第1ノード21または第2ノード31から受信した自ノード宛てのアプリケーションデータを処理する。また、アプリケーション処理部29Dは、アプリケーションデータの受信に関係なく、自発的に第1通信データを生成してもよい。
【0217】
また、アプリケーション処理部29Dは、サーバ装置50からゲートウェイ40および下位ネットワークNW1を介して自ノードを最終宛先とする第2通信データを受信した場合、該第2通信データを処理する。
【0218】
転送制御部29Eは、上記実施形態の転送制御部28Eと同様に、他の第1ノード21とサーバ装置50との間の通信データの転送を制御する。本変形例では、転送制御部29Eは、更に、第2ノード31間の通信データの転送を制御する。
【0219】
アプリケーション処理部29Dおよび転送制御部29Eを含む第1送信制御部29Cは、第1通信データを送信する場合、第1送信制御部28Cと同様に、スケジュール情報63に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。すなわち、第1送信制御部29Cは、スケジュール情報62に替えてスケジュール情報63に基づいて第1通信データの送信タイミングを調整する。
【0220】
詳細には、第1送信制御部29Cは、記憶部32からスケジュール情報63を読取る。そして、第1送信制御部29Cは、スケジュール情報63に含まれる通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、下位ネットワークNW1およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ、第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0221】
すなわち、本変形例では、第1ノード21の第1送信制御部29Cは、上記実施形態の第1送信制御部28Cと同様に、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続してない期間には第1通信データのゲートウェイ40への送信を待機する。また、第1送信制御部29Cは、上記実施形態の第1送信制御部28Cと同様に、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続している期間である通信可能期間に、第1通信データをゲートウェイ40へ送信するように送信制御する。
【0222】
また、本変形例では、第1ノード21の第1送信制御部29Cは、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1に接続されている第2ノード31へ、第1通信データを更に送信制御してもよい。
【0223】
詳細には、第1ノード21の第1送信制御部29Cは、スケジュール情報63における、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード31、該下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0224】
更に詳細には、第1送信制御部29Cは、スケジュール情報63における、第1通信データの送信予定時刻を含む通信可能期間情報に対応付けられている下位NW識別情報を特定する。そして、第1送信制御部29Cは、第2管理情報72における、特定した下位NW識別情報に対応する第2ノード31の識別情報を読取る。第1送信制御部29Cは、スケジュール情報63における特定した下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、読取った第2ノード31の識別情報によって識別される第2ノード31へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0225】
すなわち、本変形例では、第1ノード21の第1送信制御部29Cは、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する予定の下位ネットワークNW1に接続されている第2ノード31へ、第1通信データを送信する送信制御を行ってもよい。
【0226】
図12を用いて説明する。例えば、ゲートウェイ40がスケジュール情報に沿って実空間を移動し、下位ネットワークNW1Aに接続した状態となった場面を想定する。また、第1ノード21Eがサーバ装置50を最終宛先とする第1通信データを送信する場面を想定する。この場合、第1ノード21Eの第1送信制御部29Cは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1Aに接続している接続可能期間に、下位ネットワークNW1Aに接続されている第2ノード31Aへ第1通信データを送信する。
【0227】
以上説明したように、本変形例では、マルチホップネットワーク2Bが複数の第2ノード31を含む。そして、第2ノード31の第2送信制御部39Cは、スケジュール情報61における、送信予定時刻にゲートウェイ40が接続する下位ネットワークNW1の下位NW識別情報に対応する通信可能期間情報によって表される通信可能期間に、該下位ネットワークNW1に接続された第2ノード31、該下位ネットワークNW1、およびゲートウェイ40を介してサーバ装置50へ第1通信データを送信する送信制御を行う。
【0228】
このため、本変形例の通信システム1Bでは、ゲートウェイ40が下位ネットワークNW1に接続していない期間には、第2ノード31から下位ネットワークNW1への第1通信データの送信を抑制することができ、無用な電力消費の発生を抑制することができる。
【0229】
従って、本実施形態の通信システム1Bは、消費電力の抑制を図ることができる。
【0230】
次に、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50のハードウェア構成の一例を説明する。
【0231】
図15は、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50の一例のハードウェア構成図である。
【0232】
上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50は、CPU(Central Processing Unit)90Bなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)90CやRAM(Random Access Memory)90Dなどの記憶装置と、各種機器とのインターフェースであるI/F部90Aと、各部を接続するバス90Eとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0233】
上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50では、CPU90Bが、ROM90CからプログラムをRAM90D上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現される。
【0234】
なお、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM90Cに予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0235】
また、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disc)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態および変形例のノード10、ゲートウェイ40、およびサーバ装置50で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0236】
なお、上記には、本発明の実施形態および変形例を説明したが、上記実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0237】
1、1B 通信システム
2、2B マルチホップネットワーク
10 ノード
20、21 第1ノード
30、31 第2ノード
40 ゲートウェイ
50 サーバ装置