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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184267
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】魚類の性成熟を促進するための方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 67/02 20060101AFI20231221BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20231221BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20231221BHJP
   C12N 15/63 20060101ALN20231221BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20231221BHJP
   C07K 16/26 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
A01K67/02
C12N15/09 110
C12N15/113 Z
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/26
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098322
(22)【出願日】2022-06-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】520254417
【氏名又は名称】リージョナルフィッシュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 謙太
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA75
4H045EA05
4H045FA71
4H045GA26
(57)【要約】
【課題】魚類のレプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する工程を含む、魚類の性成熟を促進するための方法。
【解決手段】本発明は、自然界或いは通常の養殖条件下よりも高い確率で、1歳齢で排卵、又は排精可能な魚類の個体を取得するため、魚類の性成熟を促進するための方法を提供することを課題とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚類のレプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する工程を含む、魚類の性成熟を促進するための方法。
【請求項2】
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の機能欠損変異の導入により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
機能欠損変異の導入が、Clustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR associated protein 9(CRISPR/Cas9)システム、CompoZr Zinc Finger Nuclease(ZFN)システム、及びTAL effector nuclease (TALEN)システムから選択される少なくとも一種のゲノム編集システムにより行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の発現抑制により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
遺伝子の発現抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のmRNAを標的とするsiRNA、shRNA及びmiRNAよりなる群から選ばれる少なくとも一種のRNA分子又は該RNA分子を発現することができるベクターよりなる群から選ばれる少なくとも一種により行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のタンパク質の機能の抑制により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
タンパク質の機能の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの一方に特異的に結合し、その結合により結合対象の機能発現を抑制する抗体よりなる群から選ばれる少なくとも一種により行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記魚類が雌個体である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書には、魚類の性成熟を促進するための方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
魚類は、天然水産資源として、或いは養殖により市場に供給されている。魚類の中でも、例えばヒラメは、性成熟した成魚となるまでに、一般的には雌個体で2年以上要することが報告されている(非特許文献1、及び2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】小澤貴和他;Nippon Suisan Gakkaishi 62(5), 733-739 (1996)
【非特許文献2】山本雅之他;香水試研報 第11号、1-15(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
魚類を養殖下で、魚体の性成熟を早めることができれば、養殖下での魚類の生産を高めることができ、養殖コストの軽減にもつながる。また、育種の律速となる世代期間の短縮を行うことができ、良質な品種を作製するための期間と開発コストの軽減にもつながる。
【0005】
しかし、非特許文献1によれば、自然界において1歳齢で排卵が可能になったヒラメの雌魚は非常に少ない。また、非特許文献2においては、ヒラメの性成熟に、雌雄ともに2歳以上のほとんどの個体が成熟しているとみなされること、最小成熟年齢は2~3歳であるとされている。
【0006】
本発明は、自然界或いは通常の養殖条件下よりも高い確率で1歳齢で排卵、又は排精可能な魚類の個体を取得するため、魚類の性成熟を促進するための方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の実施形態を含む。
項1.
魚類のレプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する工程を含む、魚類の性成熟を促進するための方法。
項2.
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の機能欠損変異の導入により行われる、項1に記載の方法。
項3.
機能欠損変異の導入が、Clustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR associated protein 9(CRISPR/Cas9)システム、CompoZr Zinc Finger Nuclease(ZFN)システム、及びTAL effector nuclease (TALEN)システムから選択される少なくとも一種のゲノム編集システムにより行われる、項2に記載の方法。
項4.
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の発現抑制により行われる、項1に記載の方法。
項5.
遺伝子の発現抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のmRNAを標的とするsiRNA、shRNA及びmiRNAよりなる群から選ばれる少なくとも一種のRNA分子又は該RNA分子を発現することができるベクターよりなる群から選ばれる少なくとも一種により行われる、項4に記載の方法。
項6.
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のタンパク質の機能の抑制により行われる、項1に記載の方法。
項7.
タンパク質の機能の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの一方に特異的に結合し、その結合により結合対象の機能発現を抑制する抗体よりなる群から選ばれる少なくとも一種により行われる、項6に記載の方法。
項8.
前記魚類が雌個体である、項1に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
自然界或いは通常の養殖条件下よりも高い確率で1歳齢で排卵或いは産卵、又は排精可能な魚類の個体を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】飼育中の温度条件を示す。
図2図2(A)に雌個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの排卵の有無、月齢5.1、10.1、12.4、15.8、16.1、16.8における体重変化を示す。図2(B)に雄個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの排精の有無、月齢5.1、10.1、12.4、15.8、16.1、16.8における体重変化を示す。
図3図3に雌個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの体重変化を示す。図3(A)は排卵が認められた群であり、図3(B)は排卵が認められなかった群である。
図4図4に雄個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの体重変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のある実施形態は、魚類の性成熟を促進するための方法の関する。
本明細書において「魚類」は特に制限されない。本明細書において、前記魚類は、海水魚、淡水魚、汽水魚、通し回遊魚等を含み得る。
前記魚類は、例えば、ヒラメ科(Paralichthys)、フグ科(Tetraodontidae:puffers)、ハコフグ科(Ostraciidae:boxfishes)、タイ科(Sparidae:sea breams and porgies)、サケ科(Salmonidae)、コイ科(Cyprinidae)、アメリカナマズ上科(Ictaluroidea)、ナマズ上科(Siluroidea)、ギギ上科(Bagroidea)、ハタ科(Serranidae:sea basses)、カワスズメ科(Cichlidae)、メダカ科(Oryziidae:medakas)、カワハギ科(Monacanthidae)、キュウリウオ科(Osmeridae)、サバ科(Scombridae)、カレイ科(Pleuronectidae)、アジ科 (Carangidae)、スズキ科(Lateolabrax)、モロネ科(Moronidae)、アカメ科(Latidae)、スギ科(Rachycentridae)、ウシノシタ科(Cynoglossidae)、ウナギ科(Anguillidae)、アナゴ科 (Congridae)等の魚類があげられる。
【0011】
前記ヒラメ科の魚類は、例えば、Paralichthys olivaceus (TEMMINCK et SCHLEGEL)、ガンゾウヒラメ属に属するヒラメ(メガレイ、ナンヨウガレイ、クシガンゾウビラメ、テンジクガレイ、タマガンゾウビラメ、ガンゾウヒラメ、タイワンガンゾウ等)、アラメガレイ属に属するヒラメ(アラメガレイ等)、セイテンビラメ属に属するヒラメ(セイテンビラメ、ウスガレイ属に属するヒラメ(ウスガレイ)、イ卜ヒキガンゾウ属に属するヒラメ(イ卜ヒキガンゾウ)等を含み得る。好ましくは、Paralichthys olivaceus (TEMMINCK et SCHLEGEL)である。
【0012】
前記フグ科の魚類は、例えば、トラフグ(Takifugu rubripes)、マフグ(Takifugu porphyreus)、クサフグ(Takifugu niphobles)等のトラフグ属(Takifugu);シロサバフグ(Lagocephalus wheeleri)等のサバフグ属(Lagocephalus;)等の魚類があげられる。
【0013】
前記ハコフグ科の魚類は、例えば、ハコフグ(Ostracion immaculatus)等のハコフグ属の魚類を含み得る。
【0014】
前記タイ科の魚類は、例えば、マダイ(Pagrus major)、ゴウシュウマダイ(Pagrus auratus)等のマダイ属(Pagrus);クロダイ(Acanthopagrus schlegelii)、キチヌ(Acanthopagrus latus)等のAcanthopagrus属;キダイ(連子鯛)(Dentex tumifrons)等のキダイ属(Dentex);ヨーロッパヘダイ(Sparus aurata)等のヘダイ属(Sparus)等の魚類を含み得る。
【0015】
前記サケ科の魚類は、例えば、ニジマス(Oncorhynchus mykiss)、キングサーモン(Oncorhynchus tshawytscha)、サクラマス(Oncorhynchus masou)、サツキマス(Oncorhynchus masou)、クニマス(Oncorhynchus kawamurae)、カラフトマス(Oncorhynchus gorbuscha)、サケ(Oncorhynchus keta)等のタイヘイヨウサケ属の魚類;ブラウントラウト(Salmo trutta)、ベニザケ(Oncorhynchus nerka)、ギンザケ(Oncorhynchus kisutch)、タイセイヨウサケ(Salmo salar)等のタイセイヨウサケ属の魚類;オショロコマ(Salvelinus malma)、ホッキョクイワナ(Salvelinus alpinus)、イワナ(Salvelinus leucomaenis)、カワマス(Salvelinus fontinalis)、レイクトラウト(Salvelinus namaycush)等のイワナ属の魚類;イトウ(Parahucho perryi)等のイトウ属の魚類等を含み得る。
【0016】
前記コイ科の魚類は、例えば、ホンモロコ(Gnathopogon caerulescens)、ハクレン(Hypophthalmichthys molitrix)、コイ(Cyprinus carpio)、ソウギョ(Ctenopharyngodon idellus)、コクレン(Hypophthalmichthys nobilis)、ヨーロッパブナ(Carassius carassius)、カトラ(Cyprinus catla)、アオウオ(Mylopharyngodon piceus)、ケンヒー(Cirrhinus molitorella)、ムリガルカープ(Cirrhinus cirrhosus)、カトラ(Catla catla)、ローフー(Labeo rohita)、ダントウボウ(Megalobrama amblycephala)等を含み得る。
【0017】
前記アメリカナマズ上科(Ictaluroidea)の魚類は、例えば、アメリカナマズ(Ictalurus punctatus)、ブルーキャットフィッシュ(Ictalurus furcatus)等を含み得る。
【0018】
前記ナマズ上科(Siluroidea)の魚類は、例えば、ナマズ(Silurus asotus)、ビワコオオナマズ(Silurus biwaensis)、イワトコナマズ(Silurus lithophilus)、ヨーロッパオオナマズ(Silurus glanis)、ヒレナマズ(Clarias fuscus)、ウォーキングキャットフィッシュ (Clarias batrachus)等を含み得る。
【0019】
前記ギギ上科(Bagroidea)の魚類は、例えば、コウライギギ(Pseudobagrus fulvidraco)、メコンオオナマズ(Pangasianodon gigas)、バサ(Pangasius bocourti)、カイヤン(Pangasianodon hypophthalmus)等を含み得る。
【0020】
前記ハタ科の魚類は、例えば、マハタ(Epinephelus septemfasciatus)、クエ(Epinephelus bruneus)、キジハタ(Epinephelus akaara)、ヤイトハタ(Epinephelus malabaricus)、ホワイトグルーパー(Epinephelus aeneus)、コクテンアオハタ(Epinephelus amblycephalus)、オオモンハタ(Epinephelus areolatus)、キテンハタ(Epinephelus bleekeri)、シラヌイハタ(Epinephelus bontoides)、(Epinephelus chlorostigma)、チャイロマルハタ(Epinephelus coiodes)、アカハタ(Epinephelus fasciatus)、アカマダラハタ(Epinephelus fuscoguttatus)、スターリーグルーパー(Epinephelus labriformis)、タマカイ(Epinephelus lanceolatus)、シロブチハタ(Epinephelus maculatus)、ヤイトハタ(Epinephelus malabricus)、ダスキーグルーパー(Epinephelus marginatus)、ナミハタ(Epinephelus ongus)、マダラハタ(Epinephelus polyphekadion)、モヨウハタ(Epinephelus quoyanus)、コクテンヒレハタ(Epinephelus sexfasciatus)、ナッソーハタ(Epinephelus striatus)、ヒトミハタ(Epinephelus tauvina)、ジャガイモハタ(Epinephelus tukula)等のマハタ属(Epinephelus)、サラサハタ(Cromileptes altivelis)等のサラサハタ属、スジアラ(Plectropomus leopardus)等のスジアラ属(Plectropomus)等の魚類、およびハタ科魚類同士交雑種を含み得る。
【0021】
前記カワスズメ科(Cichlidae)の魚類は、例えば、ナイルティラピア(Oreochromis niloticus)、カワスズメ(Oreochromis mossambicus)、ブルーティラピア(Oreochromis aureus)等のオレオクロミス属(Oreochromis)等の魚類を含み得る。
【0022】
前記メダカ科の魚類は、例えば、メダカ(Oryzias latipes、Oryzias sakaizumii)、ジャワメダカ(Oryzias javanicus)等のメダカ属(Oryzias)等の魚類を含み得る。
【0023】
前記カワハギ科の魚類は、例えば、カワハギ(Stephanolepis cirrhifer)等のカワハギ属(Stephanolepis)、ウマヅラハギ(Thamnaconus modestus)等のウマヅラハギ属(Thamnaconus)等の魚類を含み得る。
【0024】
前記アユ科の魚類は、例えば、アユ(Plecoglossus altivelis)等のアユ亜科(Plecoglossinae)、ワカサギ(Hypomesus nipponensis)、チカ(Hypomesus japonicus)等のワカサギ亜科(Hypomesinae)、キュウリウオ(Osmerus mordax dentex)シシャモ(Spirinchus lanceolatus)、シラウオ(Spirinchus lanceolatus)等のキュウリウオ亜科(Osmerinae)等の魚類を含み得る。
【0025】
前記サバ科の魚類は、例えば、マサバ(Scomber japonicus)、タイセイヨウサバ(Scomber scombrus)、ゴマサバ(Scomber australasicus)等のサバ属(Scombrini)、タイヘイヨウクロマグロ(Thunnus orientalis)、タイセイヨウクロマグロ(タイセイヨウクロマグロ)、ミナミマグロ(Thunnus maccoyii)、メバチマグロ(Thunnus obesus)、キハダマグロ(Thunnus albacares)、ビンナガマグロ(Thunnus alalunga)、コシナガ(Thunnus tonggol)等のマグロ属魚類(Thunnini)、スマ(Euthynnus affinis)、タイセイヨウヤイト(Euthynnus alletteratus)等のスマ属魚類(Euthynnus)、カツオ(Katsuwonus pelamis)等のカツオ属魚類(Katsuwonus)、サワラ属魚類(Scomberomorini)、ソウダガツオ属魚類(Auxis)、ハガツオ属魚類(Sardini)、イソマグロ属魚類(Gymnosarda)等を含み得る。
【0026】
前記カレイ科の魚類は、例えば、マガレイ(Pseudopleuronectes herzensteini)、マコガレイ(Pleuronectes yokohamae)、イシガレイ(Kareius bicoloratus)、タイヘイヨウオヒョウ(Hippoglossus stenolepis)、マツカワ(Verasper moseri)等の魚類を含み得る。
【0027】
前記アジ科 (Carangidae)の魚類は、例えば、カンパチ(Seriola dumerili)、ヒラマサ(Seriola lalandi)、ヒレナガカンパチ(Seriola rivoliana)、ブリ(Seriola quinqueradiata)等のブリ属(Seriola)、マアジ(Trachurus japonicus)、シマアジ(Pseudocaranx dentex)等のシマアジ属(Pseudocaranx)、マルコバン等のコバンアジ属(Trachinotus)等の魚類を含み得る。
【0028】
前記スズキ科(Lateolabrax)の魚類は、例えば、ヒラスズキ(Lateolabrax latus)、タイリクスズキ(Lateolabrax maculatus)、前記モロネ科(Moronidae)の魚類は、ヨーロピアンシーバス(Dicentrarchus labrax)等の魚類を含み得る。
【0029】
前記アカメ科(Latidae)の魚類は、例えば、バラマンディ(Lates calcarifer)、ナイルパーチ(Lates niloticus)等のアカメ属(Lates)等の魚類を含み得る。
前記スギ科(Rachycentridae)の魚類は、例えば、スギ(Rachycentron canadum)等の魚類を含み得る。
【0030】
前記ウシノシタ科の魚類は、例えば、アカシタビラメ(Cynoglossus joyneri)、カラアカシタビラメ(Cynoglossus semilaevis)等の魚類を含み得る。
【0031】
前記ウナギ科の魚類は、例えば、ニホンウナギ (Anguilla japonica)、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)等の魚類を含み得る。
前記アナゴ科の魚類は、例えば、マアナゴ(Conger myriaster)、クロアナゴ(Conger japonicus)等の魚類を含み得る。
本明細書において、前記魚類は、固定種でもよいし、交雑種でもよい。前記交雑種は、例えば、属間交雑に由来する雑種を含み得る。
【0032】
「魚類」として好ましくは養殖魚である。また、「養殖魚」は、例えば、食用、繁殖用、鑑賞用等の目的のために養殖される魚類を含み得る。
【0033】
本明細書において、「性成熟」とは、雌個体であれば排卵が認められることを意図し、雄個体であれば排精が認められることを意図する。
【0034】
「性成熟を促進」するとは、自然界或いは一般的な養殖下において成熟した平均的な同一種の個体の最短成熟月齢よりも早く産卵(或いは排卵)、又は排精可能になることを意図する。
【0035】
同一種の個体の最短成熟月齢を、例えばxヶ月とするとき、「最短成熟月齢よりも早い」とは、[xヶ月-1ヶ月]以下(「-」は減算を意図する)を意図する。好ましくは、[xヶ月×0.2]ヶ月~[xヶ月×0.8]ヶ月、より好ましくは[xヶ月×0.45]ヶ月~[xヶ月×0.75]ヶ月、さらに好ましくは[xヶ月×0.45]ヶ月~[xヶ月×0.6]ヶ月を意図する。
【0036】
具体的には、非特許文献1によれば、ヒラメは雌個体であれば、ごくわずかな個体を除き、月齢24ヶ月以上で排卵が可能となる。また、非特許文献1において月齢24ヶ月未満で吸水卵(卵巣卵)を有する完熟期の卵巣を有する個体と、第3次卵黄球期の卵巣を有する個体がそれぞれ1個体ずつ確認されているが、いずれも2才直前であると記載されている。また、生産可能な受精卵を得たという報告もないため、個体の最短成熟月齢を示しているとは言えない。以上のことから、これらの個体が実際に産卵する際には、月齢24ヶ月を超えているものと考えられる。したがって、本明細書において、ヒラメの場合、「性成熟を促進」するとは、雌個体の場合、具体的には、受精した日を0日とし、受精した月を0ヶ月とした月齢において、24ヶ月以下、好ましくは10ヶ月~18ヶ月、より好ましくは11ヶ月~16ヶ月さらに好ましくは11ヶ月~12ヶ月で最初の排卵が可能になることを意図する。また、ヒラメは、非同期型多回産卵魚である。したがって、最初の排卵とは、その個体が第1回目の産卵期を迎えた際の第1日目の排卵を意図する。一方、雄個体についても、「性成熟を促進」するとは、12ヶ月以下、好ましくは5ヶ月~12ヶ月、より好ましくは8ヶ月~12ヶ月で最初の排精が可能になることを意図する。ここで、月齢をカウントする際の「1ヶ月」とは、第0日目を起算日とし、第0日目から数えて第30日目を満了日とする。
【0037】
ここで、「排卵」は、卵巣から卵巣腔内に吸水卵が排出されることを意図し、腹部を圧迫すると卵を排出させることが可能である状態を意図する。「産卵」は、交尾行動に伴い雌個体が卵を排出することを意図する。
【0038】
また、魚類の月齢は、上述のとおり受精した月からカウント可能である。もし仮に、受精した月が明確でないとしても、年齢査定は1月1日を年齢基準日と仮定し、耳石の表面の不透明帯数に基づき行うことができる。すなわち、この基準で行けば、性成熟が促進された状態は、例えばヒラメの場合2歳未満である。
本明細書において、魚類の性成熟を促進するための方法は、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する工程を含む。
【0039】
各魚類のレプチン受容体又はレプチンのmRNAは、各魚類のゲノムに存在するレプチン受容体又はレプチン遺伝子から転写されるものである限り制限されない。すなわち、各魚類のレプチン受容体又はレプチンのmRNAには、レプチン受容体又はレプチン遺伝子から転写されるバリアント等を含み得る。
【0040】
例えば、Paralichthys olivaceus のレプチン受容体遺伝子は、Gene ID (NCBI):109636534として登録されている。Paralichthys olivaceus のレプチン遺伝子は、Gene ID (NCBI):109624291及び109632763として登録されている。
【0041】
Paralichthys olivaceusのレプチン受容体のmRNA配列は、NCBI Reference Sequence: XM_020098286.1として登録されている。また、Paralichthys olivaceusのレプチンのmRNA配列は、Reference Sequence: NW_017859644、及びNW_017859660として登録されている。各種魚類の具体例として、下記表1に示すレプチン受容体遺伝子、下記表2に示すレプチン遺伝子があげられる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する方法は、制限されない。例えば、機能発現の抑制は、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能欠損変異の導入、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の発現抑制、或いはレプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のタンパク質の機能の中和によって行われる。
【0045】
レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方に機能欠損変異を導入する方法は、対象の魚類のゲノムにおける対象遺伝子に対し機能欠損変異を導入できる限り制限されない。このような方法は公知である。例えば、機能欠損変異を導入する方法として、ゲノム編集法、相同組み換え法等の部位特異的突然変異誘発法;ランダム突然変異誘発法等を挙げることができる。
【0046】
ゲノム編集法は、ゲノム編集技術を構成するタンパク質及び核酸、またはこれらをコードするベクターを導入する方法を挙げることができる。前記タンパク質として、例えば、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)酵素を挙げることができる。具体的には、前記CRISPR酵素として、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4等を例示できる。前記核酸は、例えば、crRNAおよびtracrRNA、またはこれらがリンカーを介して連結された一本鎖核酸を挙げることができる。この場合、前記核酸は、例えば、crRNAにおける標的配列とアニールする塩基配列を、レプチン受容体及びレプチン遺伝子をコードする塩基配列と相補的な塩基配列に設計する。前記核酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。CRISPR酵素を使用するゲノム編集システムとして、Clustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR associated protein 9(CRISPR/Cas9)システムを挙げることができる。また、他のゲノム編集システムとして、CompoZr Zinc Finger Nuclease(ZFN)システム、及びTAL effector nuclease (TALEN)システムから選択される少なくとも一種の方法を挙げることができる。好ましくは、Cas9をmRNAもしくはタンパク質で導入し、gRNAをsgRNA或いはcrRNAとtracrRNAの状態で導入するCRISPR/Cas9システムである。また、ベクターを用いたCRISPR/Cas9システムにおいて、CRISPRをコードする核酸とCas9をコードする核酸は、異なるベクター上にあってもよく、また1つのベクター上にあってもよい。CRISPRを機能させるためのプロモーターは特に制限されないが、U6プロモーターが好ましい。Cas9を機能させるためのプロモーターは特に制限されないが、サイトメガロウイルスプロモーター等の哺乳類細胞内で発現されるプロモーターが好ましい。CRISPR/Cas9システムとして好ましくは、pX330-U6-Chimeric_BB-CBh-hSpCas9ベクター等の市販のベクターを使用することができる。
【0047】
CRISPR配列に組み込まれる、レプチン受容体遺伝子、又はレプチン遺伝子を標的とする配列(以下、“標的配列”ともいう)は、CRISPR/Cas9システムによってガイドRNA(gRNA、sgRNA、crRNAともいう)に組み込まれて転写されるか、標的配列に相補的な配列を含むガイドRNAとして細胞に導入されレプチン受容体遺伝子、又はレプチン遺伝子を組換えることができる配列である限り制限されない。一般的には、標的配列としては、レプチン受容体遺伝子、又はレプチン遺伝子内に存在する塩基配列「NGG」(PAM配列:Nは部クレイオチドA、G、T,Cのいずれか)の5’側上流域の20塩基前後の配列を選択することができるといわれている。標的配列は、Optimized CRISPR design tool (Massachusetts Institute of Technology, ZhangLabのウェブページ(http://crispr.mit.edu/))、E-CRISP(http://www.e-crisp.org/E-CRISP/ (ドイツがん研究センター))、ZiFiT Targeter(http://zifit.partners.org/ZiFit/ (Zing Finger コンソーシアム))、Cas9 design(http://cas9.cbi.pku.edu.cn (北京大学))、CRISPRdirect(http://crispr.dbcls.jp (東京大学))、CRISPR-P(http://cbi.hzau.edu.cn/crispr/ (華中農業大学))、CRISPR RGEN Tools(http://www.rgenome.net/ (ソウル大学))等において公開されている公知のデザインツールを使用してデザインすることができる。
【0048】
レプチン受容体遺伝子を標的とする配列としては、例えば5’-CAGTGCGTCCTTCGGAGACTCGG-3’(配列番号1)を挙げることができる。
また、好ましくは、PAM配列に1塩基ポリモルフィズム(SNPs)が存在場合には、そのような配列を避けることが好ましい。標的配列に関し、個体のSNPsがわかる場合には、各SNPsに合わせて配列を最適化することが好ましい。
標的配列の5’末端領域において、1、2、3、または4塩基、好ましくは、1、2、または3塩基短くてもよい。
【0049】
また、CRISPR/Cas9システムは、ベクターとして細胞に遺伝子導入してもよいが、人工合成、あるいはin vitroでの転写により合成されたgRNA、crRNA、trans-activating crRNA(tracrRNA)、およびCas9をコードするRNAを組み合わせて細胞に導入してもよい。或いは、Cas9タンパク質とガイドRNAを組み合わせて細胞に導入してもよい。
【0050】
さらに、上記ゲノム編集システムでは、一本鎖オリゴ(ssODNs)等のドナーオリゴDNAを共導入してもよい。ssODNsは、公知の方法にしたがってデザインすることができる。
【0051】
ゲノム編集システムは、受精卵、好ましくは1細胞期の受精卵の細胞質にマイクロインジェクションにより注入することができる。例えば、Cas9タンパク質を導入する場合、1受精卵あたり、5pg~100pg、好ましくは10pg~80pg、より好ましくは10pg~50pg程度の範囲で注入することができる。このときガイドRNAは、0.1pg~50pg、好ましくは0.5pg~20pg、より好ましくは1pg~5pg程度の範囲で注入することができる。
ゲノム編集技術を用いた変異の導入方法は、例えば、後述の実施例1を参照できる。
【0052】
ランダム突然変異誘発法として、例えば、α線、β線、γ線、X線等の放射線照射処理;メタンスルホン酸エチル(EMS)、エチニルニトロソウレア(ENU)等の変異誘発剤による化学物質処理;重イオンビーム処理;等を挙げることができる。
【0053】
レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の発現抑制を抑制する方法としては、レプチン受容体及びレプチンから選択される少なくとも一方のmRNAを標的とするRNA分子又は該RNA分子を発現することができるベクターよりなる群から選ばれる少なくとも一種を導入する方法を挙げることができる。「レプチン受容体及びレプチンから選択される少なくとも一方のmRNAを標的とするRNA分子」とは、レプチン受容体又はレプチンmRNAを標的とし、当該レプチン受容体又はレプチンタンパク質の発現を抑制できるものである限り、制限されない。例えば、siRNA、shRNA、dsRNA、miRNA等の標的mRNAを分解する作用を有するもの、および/または標的mRNAの翻訳を抑制するものを挙げることができる。これらのRNA分子の配列は、標的である上記遺伝子の塩基配列の情報に基づいて、当業者が公知の手法により適宜設計することができる。また、当該RNA分子は公知の手法に基づいて作製してもよく、市場に流通するものを入手して用いることもできる。上記RNA分子としては、siRNA、shRNAおよびmiRNAが好ましく、siRNAおよびshRNAが特に好ましい。上記レプチン受容体又はレプチンmRNAを標的とするRNA分子を発現できるベクターは、個体の体内、または細胞内で当該レプチン受容体又はレプチンタンパク質の発現を抑制するRNA分子を発現できる限り特に制限されない。例えば、ヘアピン型RNA発現ベクター等を挙げることができる。ヘアピン型RNA発現ベクターは、例えばU6プロモーター等の短鎖RNAの発現に適したプロモーター塩基配列の下流に、標的mRNAのセンス鎖と同じ配列(但しmRNAのウラシルはチミンに変わる)を有するセンス鎖DNA塩基配列と;転写後にループ構造を形成するループ塩基配列と;前記センス鎖DNA塩基配列と全体または一部が相補的に結合することができるアンチセンス鎖DNA塩基配列と;ターミネーター配列を少なくとも含む。ベクターは、プラスミドベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター等を例示することができる。
【0054】
siRNA、shRNAおよびmiRNAからなる群から選ばれる少なくとも1種のRNA分子は、マイクロインジェクションにより1受精卵あたり、5pg~100pg、好ましくは10pg~80pg、より好ましくは10pg~50pg程度の範囲で注入することができる。siRNA、shRNAおよびmiRNAからなる群から選ばれる少なくとも1種のRNA分子または該RNA分子を発現することができるベクターは、マイクロインジェクションにより1受精卵あたり、5pg~100pg、好ましくは10pg~80pg、より好ましくは10pg~50pg程度の範囲で注入することができる。ベクターは必要に応じて直鎖化することができる。
【0055】
タンパク質の機能の抑制は、レプチン受容体及びレプチンの一方に特異的に結合し、その結合により結合対象の機能発現を抑制する抗体よりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いて行うことができる。当該抗体はポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体のいずれであってもよい。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は、いずれも当業者が公知の方法により適宜作成することができる。また、前記抗体は、Fab、F(ab)2、ダイアボディ、scFv、ミニボディ、ぺプチボディ、ミメティボディ等の抗体フラグメントであってもよい。
抗体は、1受精卵あたり、5pg~100pg、好ましくは10pg~80pg、より好ましくは10pg~50pg程度の範囲で注入することができる。
【0056】
受精卵から孵化した仔魚及び稚魚は、1~5ヶ月間飼育し、レプチン受容体遺伝子に変異が誘導されている個体を変異解析方法、例えば、ヘテロ二本鎖移動度解析、Cel 1 アッセイ、T7エンドヌクレアーゼアッセイ シーケンス解析等によって選抜する。月齢5~16までの間、水温15.0~22.0℃程度で飼育する。日照時間は自然状態にて行うことができる。その他の飼育条件は、一般的な魚類の養殖条件で行うことができる。また、餌に関しても、一般的に養殖下において与えられるものを使用することができる。
【0057】
例えば、ヒラメの場合、受精卵から孵化した仔魚及び稚魚は、水温14.4~16.4℃程度で月齢2.6まで飼育した。レプチン受容体遺伝子に変異が誘導されている個体をヘテロ二本鎖移動度解析によって選抜する。月齢5.8まで水温16~19.3℃程度で飼育し、その後、月齢14.7まで水温14.3~20.6℃程度で飼育する。月齢14.7からは、水温15.6~22.2℃程度で飼育する。日照時間は自然状態にて行うことができる。その他の飼育条件は、一般的な魚類の養殖条件で行うことができる。また、餌に関しても、一般的に養殖下において与えられるものを使用することができる。
【実施例0058】
以下に実施例を示して、本発明の態様についてより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されるものではない。
【0059】
1.レプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの作製
レプチン受容体遺伝子の一部を欠損しているヒラメを作出し、野生型のヒラメと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0060】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のヒラメに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0061】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-CAGTGCGTCCTTCGGAGACTCGG-3’(配列番号1)であり、RNAの合成は、Fasmac社が実施した。
【0062】
前記(1)で得られた1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0063】
(3)F1世代の作製
前記(2)で得られたF0個体を性成熟させ、F1子世代のレプチン受容体遺伝子のホモ欠損個体及びヘテロ欠損個体を得た。標的遺伝子の改変配列は、前記(1)の8塩基(5’-TCGGAGAC-3’の欠失であり、レプチン受容体遺伝子の機能欠損が生じた。
【0064】
2.レプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの生成熟期間の観察
(1)飼育条件
前記(2)のF0世代の孵化仔魚を0.5t水槽にて水温14.4~16.4℃にて月齢2.6まで飼育した。月齢2.6に個体識別を行い、それぞれの個体に個体識別タグを標識し、レプチン受容体遺伝子に変異が誘導されている個体をヘテロ二本鎖移動度解析によって、34個体選抜した。月齢5.8まで1t水槽で、水温16~19.3℃にて飼育を行い、その後、月齢14.7まで3t水槽で、水温14.3~20.6℃にて飼育した。月齢14.7からは、10t水槽で、水温15.6~22.2℃にて飼育した。日照時間は自然状態にて行った。
飼育中の温度条件を図1に示す。
【0065】
(2)結果
図2(A)にF0世代の雌個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの排卵の有無、月齢5.1、10.1、12.4、15.8、16.1、16.8における体重変化を示す。16個体中半数の個体において月齢15.8~16.1において排卵が認められた。その卵が正常に受精及び発生、孵化することを確認した。
【0066】
図2(B)にF0世代の雄個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの排精の有無、月齢5.1、10.1、12.4、15.8、16.1、16.8における体重変化を示す。15個体中13個体の個体において月齢10.5において排精が認められた。その精子が正常に運動することを確認した。
【0067】
図3にF0世代の雌個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの体重変化を示す。図3(A)は排卵が認められた群であり、図3(B)は排卵が認められなかった群である。
図4にF0世代の雄個体のレプチン受容体遺伝子欠損ヒラメの体重変化を示す。
【0068】
一般的に雌個体のヒラメが性的に成熟し排卵できるようになるまで、2年かかると報告されている。また、雄個体の場合、性的に成熟し排精できるようになるまで、1年かかることが報告されている。
【0069】
レプチン受容体遺伝子の欠損により、一般的に報告されている性成熟までの期間と比較して、雌個体であっても雄個体であっても短時間での性成熟が認められた。
【0070】
このことから、ヒラメの体内においてレプチン受容体とそのリガンドであるレプチンの結合による情報伝達を阻害することにより、ヒラメにおいて性成熟の促進効果が得られることが示された。
【0071】
3.F1世代のレプチン受容体ホモ欠損個体の雄個体の性成熟
F1世代のレプチン受容体ホモ欠損個体の雄(実施例の魚の子孫の個体)の性成熟を確認した。雄6個体のうち6個体で排精を確認した。その精子が正常に運動することを確認した。期間は月齢5であり、上記1.において作製したヒラメ月齢10の排精と比較しても大幅に短縮していた。
【0072】
4.F1世代のレプチン受容体ヘテロ欠損個体の雌個体の性成熟
F1世代のレプチン受容体ヘテロ欠損個体(実施例の魚の子孫の個体)の性成熟を確認した。雌26個体のうち1個体で産卵を確認した。期間は358日齢であり、上記1.において作製したヒラメ1.4年齢の産卵と比較しても大幅に短縮していた。
【0073】
5.レプチン受容体遺伝子欠損トラフグの作製及び性成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子を欠損しているトラフグを作出し、野生型のトラフグと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0074】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のトラフグに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0075】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9 mRNAおよびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-GTAGATGGAACAGCACACAGTGG-3’(配列番号2)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、2~10 pg Cas9 RNA、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9 mRNAと、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0076】
(3)系統の作製
前記(2)で得られた個体を性成熟させ、子世代のレプチン受容体遺伝子のホモ欠損個体を得た。標的遺伝子の改変配列は、前記(1)の4塩基の欠失であり、レプチン受容体遺伝子の機能欠損が生じた。欠失配列は5’-GTAGATGGAACAG----CAGTGG-3’(配列番号3)であった。
【0077】
(4)性成熟期間の観察
前記(4)のF2世代のレプチン受容体遺伝子のホモ欠損個体を水温は自然水温で、日照時間は自然状態にて、2歳齢まで飼育した。催熟時のみ水温17℃、日照時間は14時間明期、10時間暗期にて飼育し、雌個体は2歳齢で産卵したことを確認した。
【0078】
6.レプチン受容体遺伝子欠損カワハギの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子(本遺伝子配列は公知でないためヌクレオチド配列は後述する)を欠損しているカワハギを作出し、野生型のカワハギと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0079】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のカワハギに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0080】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-CCCTCACGCAGTTCCTGAACGCG-3’(配列番号4)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0081】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0082】
7.レプチン受容体遺伝子欠損アユの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子(本遺伝子配列は公知でないためヌクレオチド配列は後述する)を欠損しているアユを作出し、野生型のトラフグと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0083】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のアユに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0084】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-AAAGTGTCCAATCAGGAAGGAGG-3’(配列番号5)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0085】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0086】
8.レプチン受容体遺伝子欠損マサバの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子(本遺伝子配列は公知でないためヌクレオチド配列は後述する)を欠損しているマサバを作出し、野生型のマサバと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0087】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のマサバに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0088】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-TTCTGGTCTGCTGAGATATGAGG-3’(配列番号6)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0089】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0090】
9.レプチン受容体遺伝子欠損ニジマスの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子を欠損しているニジマスを作出し、野生型のニジマスと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0091】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のニジマスに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0092】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNA#1又はガイドRNA#2を用いた。標的遺伝子の配列は、5’-CCCTGCTCTGCCTCACCTGTGGA-3’(配列番号7)、又は、5’-AGGGAGAGTTGATTCTGAGCTGG-3’(配列番号8)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0093】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0094】
10.レプチン受容体遺伝子欠損ティラピアの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子を欠損しているティラピアを作出し、野生型のティラピアと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0095】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のティラピアに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0096】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNA#1又はガイドRNA#2を用いた。標的遺伝子の配列は、5’-CTCTCTGCGTTCAGGTGCCGTGG-3’(配列番号9)、5’-CCTTCAGCCCACCTTGGTGTGGA-3’(配列番号10)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0097】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0098】
11.レプチン受容体遺伝子欠損キジハタの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子(本遺伝子配列は公知でないためヌクレオチド配列は後述する)を欠損しているキジハタを作出し、野生型のキジハタと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0099】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のキジハタに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0100】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNAを用いた。標的遺伝子の配列は、5’-TCCACTCCTGAGTGCACTGCAGG-3’(配列番号11)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0101】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0102】
11.レプチン受容体遺伝子欠損ホンモロコの性成熟期間の作製及び成熟期間の観察
レプチン受容体遺伝子(本遺伝子配列は公知でないためヌクレオチド配列は後述する)を欠損しているホンモロコを作出し、野生型のキジハタと比較して、性成熟が促進されているか検討した。
【0103】
(1)受精卵の作製
性成熟した雌雄のホンモロコに対して、腹部を圧迫することにより、それぞれ、卵(未受精卵)および精子を採取した。得られた卵および精子について、人工授精させ、受精卵を取得した。
【0104】
(2)変異の導入
変異の導入は、Cas9タンパク質およびガイドRNA#1又はガイドRNA#2、ガイドRNA#3を用いた。標的遺伝子の配列は、5’-GACTGAATGGCTCTGGATACTGG-3’(配列番号12)、5’-AAGATTAAGCACCAGGCCTCAGG-3’(配列番号13)、5’-ACTCGGCTTCACCTGAGGCCTGG-3’(配列番号14)である。1細胞期の受精卵の細胞質に、10~50 pg Cas9タンパク質、および1~5pg ガイドRNAに調製した溶液を、マイクロインジェクション法より導入することにより、レプチン受容体遺伝子に変異を導入した。前記Cas9タンパク質と、ガイドRNAを導入した受精卵を通常の飼育条件で飼育し孵化させF0世代を得た。
【0105】
(3)変異導入のスクリーニング及び性成熟の促進の観察
前記(2)で得られた個体について、標的配列近傍をPCR法によって増幅し、変異導入がされた個体について、性成熟が促進されていることを観察した。
【0106】
<レプチン受容体遺伝子配列>
・カワハギ(Stephanolepis cirrhifer)
tacgcccgccgcatgcgtgtcaaaggtcaaagccgtcatgtgacgaggctgttggtccctcacgcagTTCCTGAACGCGGCCCGGACTTCTGGAGGATTCTCCAAGACCATCCGAACAGACCTCAGACCAAAGTCACCCTGTTGTTCAAGgaagtcgacacgtcaggtctctcgtactgtgtggatggttttctaatccagcaccggagctccagtggctctgtgacaaccgagcggatcgagccggccgcctccttcagcttcgactggaaccagaggcccgagaatgtgactgtgatggcctacaacagtttggggaactccagcaacaacagcttcatggtgctggacagacagcccaaacgtcgctgcgtgcgCTCCTTCAGCGTGCAGGTGGTCAACCCATCCTGCGTCTCCCTGACGTGGACGCTGTTTGAGAACTGCTCCACCCCCGACTTCATGGTGGTCCAGTGGTCCTCGCGGAGGCACCAGGGCTCCGCCCACCACCGCAGGCTGCAGGGCGGACACACCTGGGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNCGAAAGAGGAGAAGCTGCCGTCTACCAGATGCTGCTGATCGTCTTCTTCCTCTCTGTCGTCCTGTTTGTCACCCTCATCATCTCGCAGCAAAAaatgaagaagtttgtgtggaaggaggtgcccgaccccagcaagtgctcctgggccaaaggagtggacTTCAGAAGGGTGGACCCTCTTGACCACATGTTCCGTCCTGCCGACGATCTCCCAGCCAGGCCGCTGCTGCTGCTGCCGCTTGAAAACATCTCCAAATTGGTCGTCATGGACAAGATAGACCTGTCAGTGCTGAACGTAGACGTGGTCCAAGACCCCGCAGATCCAGTCGACTCGGAGGCCGACTGCCCTCAGCCACTTCCTGCTTCAGAGCCTCCATTCGTCCTCGACCTGGACGCTTTGACCAGCTTCAAACCAGAACAGGAAGACCCGGCGAGGAAGGAGAACTCGGCCCAGTCTTTTGTCACCTACTCCACTGTGCTGCTGCAGGATCCGCAGCAGCAGCACCAGCAGCAGCACTACAAAGACGGCAGCAGCGGCAGTAGCAGCAGCAGCGACGAAGGAAACTTCTCGGCCAACAACTCGGACATCTCAGGGTCGTTCCAGGGCGGCTTGTGGGAGCTGGACGACCCGCGGCGCTCCTGCTCCTTCAACTCCGTGGAGCAGCTGTCGGAGGCGTCGGAGCAGGAGGACGAGAGCCGAGTCAGAGGCGAGAAGGACTTGTTCTACCTGGGGGTGGAGGGGTACCCTGGGGACGAGAGCGAGGACGAGGAGGAGAAGGATGAGACGGACACCGAGCTGCTGAAGAGTGTCCCGGGCAGGGAGGAACGTCCCGCCGAGTCGCACCCTCTGCTGGCGG(配列番号15)
【0107】
・アユ(Plecoglossus altivelis)
atgctggccttcctggtactcatcctcttcctctaccatggaactgtgtgtgtggagccagagagacacccacctgcaagggaggaagacctcccatggcagtcccatctttgctgtgacaccctgccccccctgccccccctgcccccccggctccccaggcccccccgtcccccccagcctgggagatccagagaggagctctctgattcaaagaacgtccacagctcctgcatctacttcaactcctccagcatggcatctcctccaccccccacagagagtcaagtgtgtttggatatccagtgtgtaattgacgcgagcggagagaaagtaatttgccatctgaaacctctcgatgattcttccaactccaccagcggcttcacagtaatcaccctgcagcgctctgaacgtggcgaggagagagagcgggaggaggtcgcgaacgccagcgacaccgtcggctgcgcggggacgccgcccttccggtgctccgtcgccgtcggcgccgtcgtcgcggcaaccgtgaacgtgtcgggagccgtggctcccccggtgctgctccgccttctacccgttaacggtaaaccagacccaccagtgaacgttacgcacatcctcaccccagacggagacctcctactgagttggagccccgcccccctcagctccgccccccccggctccgcctacctaagccccgccccgctccgctacgaggtccgctatgcccccagcgcctcccctgctgtttggaaggccccagctccgccccctcgcccttcctccttcctggagcgactggagccaggcttacaacttcctgttggacttgagaagaggaacaacaacaagatgaaggtccacccccccctgcccccccgtccccctgccctcagcccccctgccccccgcccctcagccctcctgccccctgccctcagcccccctgcctccccgcccctcagcccccgccccagcccccctggccctcattacgccagctacttcccagagagggtggcggtccgacgcggggaagacgtgagcctccgctgcttgttcaacgaccctgctgccaagtccagcacctccgtgtggttcctgaactggcaccctgtggaggccaccgtccaccaggtggtagaggtcagccccagggtcagccaggtcagccccagggtcagccaggtcggcaccagggtcagccaggtcagccccagggtcagccaggtcggccccagggtcagccagatcaccctgcggccccctgaggaacgactgcacagcacgctgcagtgctaccagagcagcaacactcgctactccttcaaggttccctacgctgacgtctacgtccacggagcgctcatcgatatccgctgccagaccaacggggtcatggacgccatgacctgcaggtggaacaacagccacagactggaggagctcaccttcttctacaggtcggaagctgtgacctgtgacatcatggaggaggaaggagaggaggaggaggggagcgtggaagagggtcgcagtgagatcaacgggacaaagtgtccaatcaggaaggaggaagggagtgggaggagctgtgttttccagccgctcagactgacgtactgctacaagctgtggctgcagatccagtcagaggacggacccgtgaggtcacatcctgtctacgtcacgcccaccgaaaatgtgaagcctaaccctccagcccaggtgcaggctcatgtctctcccagcagaattctgaagcttgtctggcagcctcctagactgcccttgtacgagctccagtaccaggtccgatacctccccgctgcaggtcgggccctcccagactggcaggaagtgggtccagtgagcgagccaagagcggagatccctgtacctgacgtgtgtggcgtgtacctggtccaggtgcgctgtgtacccaccaatgggactggccactggagcgactggagcaagcctgtctactccacaacccccaaccgcagtgctccccatcatggtccagacttctggaggattctggaggaagattcatccttgaacatcacctacgttactctgctcttcaagcatgtctctatggagccctcctcctgtgtagagggccttgcagttcagcaccaggtctctgggggcgctgtggtcacggagctgatcggcctagttccttcttacacgtttgaatggaaggaggaagtacacacggtgacggtgaaggcgcagaatcgcttgggatcgtcaggtcacaacgtcaacatgaccttggaccgacacgtcaaacgtccgtgtttactctggttcagagcgtccctggtcaacagcagctgtgtggagctatcctgggctctgctgccccagaacccgaccccctggtccctggtgctgcagtggtcaggagccaccagggggcgccggccagcccacgacccgacctcggggaccagcctgaagtgggccagggtgccgttcactgaccgcgttttctacctgcacggagaattctacggctctgaagagtatgagttcatcttgtaccctatatttgcagacagggaaggcgagccaatgcatgctaaagccagcagagggccccctgctgactacatgttgctgattatcatcaccttcctagccatcgtcctcatcatcactctcatgttgttccagaaccacatgaagaagctgatgtggagaaaggttcctaaccccaaccgctgctcctgggcgcaaggaagagacttccggaaggcagagaccatggaccagctgttcagacacccagacggtttccctgcctggcctctcctcctggtgtctgagaccatctctgaggtggtgatcatggagaagagcagccttccctctcctgctctctctccagctccggaccccgtccctgggcaaggccctcccagaggcctccctggccctcgcccctcctccacccccagcgaaggctctggctctgggttccccaggacatcagagacctcggcccagtcgtcggtcgcgtacgctactgttctcctctccaacaagccaagcctcctccgcaagcaagatggaggtagcagctccagcgacgaggggaacttctccgccaacaattcggacatttctggctccttccctgaggggttgtgggggctggacaccctgcggaccggagggcctgacaccagacattcacgctctttcaactccgtggaggagttctccgaaacatcggagcaggaggacgaggcgttggggggggagggagagggggagggagagggggagggggaggagaagagcctgtactatctagatatgggctgtccgcaaagggaggaggaggaggaagaggaggaggaggaggaggaggaggaggggaggttggaagaaaggaaaacactgcttctccaggaacgggaggcgttgtgggcggagcctaactctccgcttgggcggggcgaccccaggttcgagtgcagggaggcggagtcaggtgacatggttggaggcgtggctctttacctgcctcagtttaggactggccccggcagacctggtacagagggaaggccagacagcgccctccagctgtga(配列番号16)
【0108】
・マサバ(Scomber japonicus)
ATGAACACAACAATGGTTTGGTCTGTAATGTTGTCAGTCCTGATGCATATTTTCCTGGTGTCCCATGGTGCCCTGTGTTTGGAGCCCGAGGAGGTTGCCTCTCTTCAGGCAGGTGCTCTGAACCTCCCATGGCAGGATGAGCTGTGCTGTGATTCACCGTCAGCCCACCTCACTGTGAAGGTGGACGGTGTGCACGCACTGGAGACAAACCACTCTGAATCAAGCCTCCCACACTATGCTCACTGCAACTTCAGGAGCCTGACAGCCACATCACATCCTCACAAGCCCTCTGGTGGCACCTGTTTGGACATGCTGTGCAGAATTGATGAAAAGTGGGAGAGTTTGACTTGTGATCTTCAGTCTCACGACCCGCCTTCAGACACAATGAATACTGCTCTTATGGCAATTAGCTTACAGCATCTGCTCTCCAAGAAAAAGGGCTCAGAGGTGAATTATGGGAATGACGCATCTTATAACCCTGTCGTCTGTGAAGCAGAGGATTCCTTCATGTGCTCACTCCCACTTGACACTACGACAAGCTTTGTTACCATGGTGACTGTCAGCATCGCTGAAGCTGTAGCTCCGCCAATTCTGCTCAGAGTTCCTGCCCGACCTGTGAAACCCAGTCCTCCGGTCAACCTTTCACATATGCAGACTATTGAGGCAGAACTGATTTTACACTGGGACGACCCAGAAGACATTGATTCTGGTCTGCTGAGATATGAGGTCCGATACTCTTCTAACACCAATCATCCAGCCTGGCAGGTGGTTTCTGTACCCGCAGAGCCCAGGATGCTTCTGGATTTGAAGCCCAGACTGAACTACACTATCCAGGTTCGCTCCGGCTTGGATGAACCCCCACTGTGGAGTGACTGGAGTGAACCCTACCACATTTACCTGGACACGGTGAGCTACATCCCTGAGAAAGTGGTGGCGCGCCCGGGAGAGAACGTAACAGTTTATTGTGTATTCAACGACCACAGCATCAATGCCAGCACGGCCATGTGGATGCTCAACTTCCAACAGCCGCTTCATCGCAGCCAGTACCACCCAGTCAACCAGTGGGTCAGCCAGATCACAGTGCGCCCTTCAGAGACTCGAATGTATGACCTGCTGCAGTGCACGCAGGAGTGGACCATCCCCTACAGCCAGATCTATGTAGAAGGAGCATCCATTGATATAAAATGTGAAACCAACGGTGATATTGATGCTATGGACTGCAGCTGGAAGAACACACAGTGGACTAAACCCAAATTCCTATCCAGGTGGGCTGATCTGCCATGTGATGTAATGGAGGAAAGGGAGAGAGCAGGTGAGAGTGTGGGAGAGATGGGACCTGTTTGCCTCTCTCAGAAATCCTGCACCATCCAGCCCCTGAGGATGAACTGCTACAAGTTGTGGCTGGAGGTGCCATCCCGTCTGGGCCCTATCTGGTCCAAACCTGTCTACCTGTCACCCATAGATCATGTGAAACCACACACACCGACTAATGTGAGGGCAGTGAGCCGGAGCAGCGGGGTCCTGACGATCACATGGGAACCACCTTCTCTGCCAGTTGAGGGGCTCCAGTGTCAGTTTCGTCTCCACTCACTGTCCACTGTCAGAGCTCAGCCAGAGTGGAAGGTTCATAATCCAGTGCGGGTGCAATGGGCGGAGGTTGCGGTTCCAGATATGTGCCGTGTGTATGTGGTGCAAGTGCGCTGCATGCACACCAACGGCACCGGCTACTGGAGCGACTGGAGTGACTCCATTTACTCTACGCCACAAAATAGCAGAGCTCCTGATCGTGGCCCTGATTTCTGGAGAGTTCTACAGGATGATCCATACAGAAACCAAACTAATGTTACTCTGCTATTTCAGCCTCTCCTGACATCAGGGCACTCCTACTGTGTGGATGGATTTATAGTCCAGCACCAGTCCTCAAGTGGCACTGTGATAAGGGAGCGGATCGAGCTGGTGTCCTCCTACAGCTTTGAGTGGAACCAGGAGGTCCAAACTGTCACCGTGGAAGCCTACAATAGTCTGGGGAGCTCGGCTAACAACATCAATATGACACTGGGGAGACAGCCCAAACGCCGCTCTGTGCGTGCGTTCCGTGCGCTGGTTATCAACAGCACCTGTGTGTCTCTGTCCTGGAGCCTGCTAGACAACAGCTCTGTCCCTCTATTCATGGTGGTCCAGTGGTTGCCACAGAGGCAACAGGACCCTCATCATCACAAAGGCCTGAGTGGAGAACCATGGGTCAGAGTGCCTTACACTGATCGTCCTGTCTATTTAAGAGGTGATTTCTTTGGCTCTGAGGAGTATGGGTTCTATCTGTATCCTGTGTTTGTTGAAGGAGAAGGGGAGCCAGCATACACTACAGCCACCAGAGGAGACCCTGCAGCCTACATGATGCTGATGATCATCTCCTTCCTCTCCATCGTCCTGTTTGTCACCCTGGTCCTCTCCCAAAACCAGATGAAAAAGTTTATGTGGAAGGATGTGCCCAACCCAAACAAATGCTCCTGGGCTAAAGGACTGGACTTCAAAAAGGCTGACACGTTCGACCACCTTTTCCAACCGCCAGAGGGCCTGCCAGCCCGGCCACTGCTGCTCCCCTCTGAGAACATTTCCAAAGTCGTTATTATGGAAAAGACTGACCTCTCAGCGCTGACCCCGCTTGTGTCCCTAAATCCCGACACAGCAACTGCCTTAGCTATCTCCATTCCTTCAGGGTTTAACTCTGAGGTTGACCAAACCCGATCCATGGACAGTGAAGCGCTTCTGGGTGGAGCTCCCTCCTTAACCCTTGATATGGATGCTTTAACCGCCTCAAGCCTGAGGACAGATGAGTTACAGCTTGTCGACCTCCCAAGAACAGATCAGCTGCCAGGCACCAATAACAACAGTGCACAGTCCTCAGTCACTTATGCCACTGTGCTGCTCATTAATCCAAAGCAGGAGCAGCAGCCCATTCATCTCCACTACAAGGATGGTAGTGGCAGCAGCTCCAGTGATGAGGGCAATTTCTCTGCTAACAACTCAGACATTTCAGGATCTTTCCCCGGTGGCCTGTGGGAGCTGGAGAGCTGCCGAGGTGGGGAGATGGATGACCCGCGACGCTCCTGCTCCTATAACTCCGTGGAGGAGCTTTCTGAAACATCTGAGCAAGAAGATGAGGAGGAGGTGAGAGAAGGGAAACACCTGTATTATCTCGGTATGGACTATCCAGCGGAGGATGAGGAGAGTGACGAAGAAGAGGAGCAGAGAGAGGAAGATACAAAAACTGAGCTGCTCACAAGTGTTGTTTTGAACAGAGATGCCTGCTCTGTGGAGTCACACCCATTGCTTGGCCCTGTGGACTCGAGTGATAACAGTGAGATGGATTCAGCATCAACACGTGGCTTTTCCCTGCTGTACATGCCTCAGTTCAGAACTGCACCATGCACGAGGCAACTCACAGATTAA(配列番号17)
【0109】
・キジハタ(Epinephelus akaara)
ATGGACTCGGACAAAAGAAGAGCCGGACACAAAGCCAGGGGAAACTTCCAGGAGCGTTTGAGATTCACCCCAGACAAAGCCCAGCCAGGCCATGCTCACGCTATGACTACTACAATGGTTCGGTCTGTTATACTGACAGCCCTGATGCACTTGTTCCTGGTACCCCATGGTGCTCAGTGTTTGGAGCCTGAAAACGGAGCCTCTGACCATTCAGGTGCCCTGGACCTCCCGTGGCAGGATGAGCTGTGCTGTGACTCACCTTCAGCCCACCTCACTCTGGAGGGAGACGACATGCACGCACCGGAGACAAACCGCTCTGAATCAAACCTCCCACAACATCCCCTCTGCAGCTTCAGGGGCTCGACAAGCGAATCACATCCACGTGAGCCCTCTGGCGTGAAACCAAGTCCTCCAGTCAACCTGTTACATAATCAGACCATTGAGGCAGACCTGATTTTACAATGGGACGACCCGTCAGACTCTGATACCAGTCCACTGAGATACGAAGTCCGATACTCTTCTAACACCACTCATCCACAGTGGCAGGTGGTGTCTGCACCTGGAGAGCCCAGGTTGTCTCTGGAGCTGAAGCCCAGACTGAACTACACCATCCAGGTTCGCTGCTCCGGCCTGGAAAACCCGCCAGTGTGGAGCGACTGGAGCGAACCTTATCACATCTACCTGGACACGGTGAGCTACATCCCTGAGAAAGTGGTGGCACGGCCGGGGGACAACGTCACGGTGTATTGTGTGTTCAATGACCACAGCATCAACGCCAGCACGGCCATGTGGATGCGCAACTTCCAACAGCGGCTTCATAGCAGCCAGTATCACCCAGTTAACCAGTGGGTCAGCCAGATCACAGTGCGTCCTTCAGAGTCTCGGATGTACGACCTCCTGCAGTGCACTCAGGAGTGGACCATCCCGTACAGCCAGATCTATGTACAAGGAGCTTCCATAGATATTACATGCGAAACCAACGGTGACATCGACGCGATGACCTGCAGCTGGAAGAGCACACAGTGGACAAGAATCAAATTCAGATCCAGGTGGGCTGACCTGCAGTGCGACGCGATGGAGGAAAGGGAGCGAGCGGGGGAGAAAGTGGGGGAGTTGGGGCCCTCGTGCCTGCAGGTCCGATCCAAGCAGAAAACCTGCACCATCCAGCCTCTCAGGATGAACTGCTACAAGCTGTGGCTGGAGGTCCCGTCCCGACTGGGCCCCATCAGGTCTAAACCCATCTACCTGTCCCCCATCGATCATGTGAAACCCCACTCACCCACTAATGTGAAGGCAGTGAGCAGAAGCAGCGGGGTCCTGATGATCTGTGGGAGCCTCCGCTCTGCCAGTCGAAGGGCTCCAGTGTCAGTTTCGGTACCACTCACCCTCCGCTGTGAGAGCCCAGCCGGAGTGGAAGAGGATGTTCTGACATGGACTCAGCTGATCCAGAGTCCAGTGCGGGTGCCATGGGCGGAGGTCTTAGTGCCGGACATGTGCCGGGTGTATGTTGTACAAGTACGCTGCATGCACACCAACGGCACCGGCCATTGGAGCGAATGGAGCGATTCGGTCTACTCCACACCTCAGAACAGCAGAGCTCCTGAGCGAGGCCCCGATTTCTGGAGAGTCCTTCAAGATGATCCGTACAGAAACCAGACGAATGTCACTTTGCTGTTCGAGCAGCAGCATCTCCAACTATCAGGACGGTCTTACTGCATAGATGGATTTATAGTGCAGTACCAGGCGTTGAGTGGCTCTGTGACGAGGGAGCAGATCGAGCTGGCGTCCTCCTTCAGCTTTGAGTGGAACCAGGTGCCCCAAACTGTGACGGTGGAGGCCTACAATAATCTGGGGAGCTCCGCCAACAACTTCAACATGACGCTGGAGAGACAGCCTAAACGCCGCAGTGTGCGCTCGCTCAGCGTGTTGGTTATCAACAGCACCTGTGTGACTCTGTCCTGGACTCTGCTGGACAACAACTCTGTGCCTCTGTTCATGGTGGTCCAGTGGTCTCCACATAAGCAACAGGACTCAGATCATCAGAAAGGCCGGATTGGAGAAACATGGGCCAGACTGCCCTACACCGACCATCCCATCTACCTGAAAGGTGATTTCTTTGGCTCTGAGGAGTGTGGCTTCTACTTGTACCCTGTGTTTGCTGATGGAGAAGGGGAGCCGGTGTATGCTATAGCTTCCAGAGGAGACCCTGCAGCCTACATGATGCTGATGATCATCTCTTTCCTCTCCATCGTCCTGTTTGTCACCCTGATCCTCACCCAAAACCAAATGAAAAGGTTTGTGTGGAAGGATGTGCCCAACCCCAACAAGTGCTCCTGGGCCAAAGGACTAGACTTAAAAAAGGCTGACAACTTTGACCACCTGTTTCAACCTGCAGAGAGCCTGTCAGCCTGGCCGCTGCTCCTGCCAGCTGAGAACATTTCAAAAGTCGTCATAGTGGATGAAGCTGATCTCTCAGCTCTGACTACGGCTTTAATCCAAGTCCCACTTGTGTCCCTGACTCCTGACCCAGCCACTGCTTTATCTATCTCCCTTCCTCCAGGGTATGACTCGGAGGTCGACCAAGCCCAGCCCATGGAGAGTGAGGTGCTTGTCAGTGGAGCTCCATCCCAGCTCATGGAGCAGCCGCCAATTCATCTCCACTACAAAGATGGCAGTGGCAGCAGCTCCAGTGACGAGGGCAATTTCTCTGCCAACAACTCAGACATTTCTGGATCTTTCCCCGGCGGCCTGTGGGAGCTGGAGAGCTGCCGTGGTGGAGAGATAGACGACCCTCGGCGCTCCTGCTCCTACAACTCTGTGGAGGAGCTTTCTGAAACATCAGAGCAAGAGGATGAGGAAGAGGAGGCGAGAGAAGAGAAGGACTTATATTATCTAGGAATGGACTACCCAGCGGAGGATGAGGAGAGCGAGGAAGACAAGGAGCAGATAGAAGAAGAGACAGATATTGAGCTACTTAAAAATGTGGTTTTGAGCAGGGAGGACTGCTCTGTGGAGTTGCACCCTTTGCTCAGCCCTGAGGACTCGAGCGAAGTTGCTGTTAGCGTCAACACGTGGTTTTTCCTCGCTGTACCTGCCTCAGTTCAGAACTGCTCCATGCACGAGGAAACTCACAGCTCAACCGCATGA(配列番号18)
【0110】
・ホンモロコ(Gnathopogon caerulescens)
ATGATGTATTTGTTTATCTTGCTTTCGCTTCTTGCGAATTTCATTACCGTTTCACAAGGTCTTGCTGCTCTGAATCCTTCGGATGGCAGGGGAGTTTATGAAGACCTGAAGTGGAAGTCTCTGCTATGTTGTGAGCTGCCCTTTGCTCAGACAGTTGACAGTGGTCTTTCAGAACACCGACCAGTAGAACCGTGTCAGCTGCTAAATGTTACAAAACCGGAATCCTCTAGTAAATCACTTGCCTTTTCTGGAAACTGTTTGGACATCCTGTGCTGGCTTGAAGGTGAACGGACAAATTTGATTTGTAATGCAAAGAGCCACGGAGAAGCAGCCACTGCCAGTCTGTTCACTGTTAGTCCTCAACAATTAGTTCTACAGATGGATATACTTTCAGAAAAAAACCATAGTGCTCAGTGTGCTGGGGAAGATACTACCACGTGCTCCGTTTCTCTTCATGGCAATGATGCAACTGTCTCGTTGACCATCAGTATATCTGTGAATGGGACTACTGCACTGTCACCGGAGATGCAAATCAGCACATATCATCTAAGAAGACCAGACCCACCTGTCAATCTGCATTACAATGTGACGACAGAAGACGAAGTCATTTTCAGATGGAGTAGCACACAACCTGACAGTAATGACATAAACTATGAGATCCGATACTCTTCCAATTCCTCGCTTCAGCAGTGGGAGGTGGTGAAGGTCAGAGGTCATTCATGGGTACCTCTGAATGAGCTCAGTTTTGGGATCAGATACACAGTCCAAGTGCGCTGCCAAAACTACTTCCATTACTGGAGTGAATGGAGCCAACCTTTCTATACACTAGACGTCAGTTACATCCCTGCTGAAGTCTCCACAACGCCTGGGTCAGAGGTAACGGTTTATGCCGTCTTCCACAACCGCAGCTGGAGTGCGAGCAAAGCTGTGTGGATGCTAAACGGGCATGAGAAGATTCCGGAAAGCCAGTACAGGGTAATCAACGAGCAAGTTCGTGCTGTCACTATAAGGGTAGATGAACCCAGGTTTGATTCTCTGATGTGCTGCCACTTGGGAGGAGAGCGGGTCAAATGCCCCATCGCCTATGGCAAAATATACACCGAAGGGAGTTTTAATGCAGATATTACCTGCGAGAGCAAGATTTCAGAGGTGGACACCACTCTGGATTGTGAGTGGAATAAAAGCGCTTGGGCACTGGTCAGACTCCTTTACAGACAATATATATCAATATGTGAAACCATATCAAAGATGCAGGGCATTGAAGAAGCTGAAGAAAACATGCCTTTGGTAAAGGAGTACCAAAGTGGAGCAGGAGACTACAGAAAATACTCTTTAAGCAACCTTAGCCTGTACTCTTGTTACGAAATCTGGTTGGAAGTGGAAGGAGGGCGTGGCAAAGTGAGATCATTTCCTGTCTATGTTTCACCCATTGACCATGTGAAACCATCTCCTCCCTCAGTCCTTGAAGCGATCACTTTGCCGAACAAAACCTTAAGCGTAAAGTGGAAATATCCCGATTTACTTGTATACAAAATGCAGTATGAGCTGCGCTTTGTGGCTTTGCGTGGGATGGCAAATACGCAATGGAAGGTCATCGGTCCTCTATTGGAAGCACAGGCAGAGATTCCGCTTGAAGATTCCTGTGTTCAGTTTAATGTAGACGTTCGCTGTAAAAGACTGAATGGCTCTGGATACTGGAGCAAATGGAGCGGGAGTCACACTTCCATTGTTTACAACAGGAAAGCTCCTGAAATTGGACCAGACTTCTGGCGCATTATACAAGAGGATCCTGTTAGGAGCGTGACAAATGTCACACTGATCTTTAAGCAGCCTATCCTAGCAGGAGATCCATATAGTTGTGTGGAGGGTCTCAAGATTAAGCACCAGGCCTCAGGTGAAGCCGAGTGGTCAAAAGAAACGGCCTTGATTCAGTTTCACTCATTCCAGTGGAAGAAGGAAGCACACACAGTCACCGTAATGTCTCGCAACGCTTTGGGCTTCTCTACACGGAATAGCAACATGACGCTGTTACATCAACCCAAACGACGATGTGTACGGTCATTCAGCGCAGTTGCAAATGCGAGCTGTGTGCATCTCTCCTGGAGCCTGTTACCTGATCAACTGGTGCCTCAATCGTTTGTCATCGAGTGGTTAGACCTGAACAAAGATCCTGAACAGGACGGGTCTCTAACGGAGAGGCTACAGTGGGTCAGAGTTCATTCCGCATCCAGGGATATCTCTCTTTGCCGTCGTTTTTATGGCTCGGAGGAGTTCACATTGTATCCAGTGTTTGTGGATGGTGAGGGGGAGCCGGTTCGATACACAGTTACTAGGAGCGACTCTGCTGCCTACATACTGCTACTGATCATTGCGTTCCTGTCTGTGGTGCTGTTTGTCACACTCATGATGTCACAAAACCAGATGAAAAAACTTGTGTGGAAGGATGTTCCAAATCCCAACAACTGCTCCTGGGCCAAAGGAATGGACTTCAGGCAGATTGACACCATGGAGAACCTGTTCCCTCACTCAGAAGGTCTCACGGCCTGTCCACTGCTGCTGGTCTCCGAGAGCATCTGCGAGGTGGAAATCGAGAAATGTCATCCTCTCAACCTTGAACATGGAAAAGACAATGAAGTACTCCTTTATAACTCGGAAGACAAGACAACCACCGACTCTGCCCGTCTGGGAGACTCCTCTGAACCTTTATCACTGGAGGCTTCCACTGCTGCTGCTACCCCAGAAACATCAGGCCAGTCCTCGGTGACATACTCGACCGTCCTCCTCGCCGATCAGCCCGCTCTCCTTCGAAAGCAGCAGGAGAGTCTGAGCAGCTCCAGCGACGAAGGCAACTTCTCTGCTAACAACTCAGACATTTCCGGCTCCTTCCCTGGAGGACTCTGGGACCTGGAGAACCACGTGTGCTCTGACAGCACCAATCCTCGCCATTCCAGCTCCTACAACTCCGTGGAAGAGTTCTCGGAAACATCAGAACAAGATTACGAAGCATCGGAAAGCACTGGTGTAGCCAAAGACCTCTACTACCTTGATATGAATGAAGAGGAGAAGCAGGACAAAGAAGAGGATGAGGAAGCTCAGGATGGACAGGATAAGAATGAAATGGTTATGAGGGTGGATGCCAGGCCTCTTCTGGAAGGCAAAAATTCCACAGACGTCGATTCCAATAATGTATCTCACAGCGTTCCGCTTTATCTGCCTCAGTTTCGAACTGAATGCATCAATCCACCATGA(配列番号19)
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2023184267000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚類のレプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の機能発現を抑制する工程を含む、魚類の性成熟を促進するための方法であって、前記魚類は、ヒラメ科、フグ科、ハコフグ科、タイ科、ハタ科、カワスズメ科、メダカ科、カワハギ科、サバ科、カレイ科、アジ科、スズキ科、モロネ科、アカメ科、スギ科、ウシノシタ科、サケ科、アユ亜科又はキュウリウオ亜科に属する魚類であり、
機能発現の抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の機能欠損変異の導入により行われるか、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方の遺伝子の発現抑制により行われ、
前記機能欠損変異の導入が、Clustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR associated protein 9(CRISPR/Cas9)システム、CompoZr Zinc Finger Nuclease(ZFN)システム、及びTAL effector nuclease (TALEN)システムから選択される少なくとも一種のゲノム編集システムにより行われ、
前記遺伝子の発現抑制が、レプチン受容体及びレプチンの少なくとも一方のmRNAを標的とするsiRNA、shRNA及びmiRNAよりなる群から選ばれる少なくとも一種のRNA分子を発現することができるベクターにより行われる、
方法。
【請求項2】
前記魚類が雌個体である、請求項に記載の方法。