(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184275
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20231221BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04L12/28 500G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098340
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】海津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】小松 正之
(72)【発明者】
【氏名】小泉 吉秋
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA04
5K048BA12
5K048DA02
5K048EB01
5K048EB12
5K048FB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】ユーザーが必要とする機能を表示した利用しやすい機能表示画面を提供する。
【解決手段】遠隔制御される機器3に対する遠隔制御に関する機能情報を表示する表示システムは、機器3と、機器3の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部112と、推定された利用形態を記憶する利用形態記憶部122と、機器3の利用形態に応じた機器3の遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部123と、機能情報記憶部123を参照して推定された利用形態に応じた遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置2に表示する機能情報として管理する表示画面管理部113と、取得された機能情報を含む端末装置2に表示する設定画面の設定情報を端末装置2に送信する設定画面表示指示部114と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示する表示システムであって、
前記機器の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部と、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部と、
前記機能情報記憶部を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理する表示画面管理部と、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する設定画面表示指示部と、を備える、
表示システム。
【請求項2】
前記機器の稼働履歴を収集する稼働履歴収集部と、
収集された前記機器の稼働履歴を記憶する稼働履歴記憶部と、
をさらに備え、
前記利用形態推定部は、前記機器の稼働履歴から前記機器の利用形態を推定する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記機器の利用形態に関連するキーワードを取得するキーワード取得部をさらに備え、
前記利用形態推定部は、前記キーワードから前記機器の利用形態を推定する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記機器の利用形態は、前記機器が設置された場所の情報である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記キーワード取得部は、前記機器の名称を取得し、
前記利用形態推定部は、取得された前記機器の名称から前記機器の利用形態として前記機器が設置された場所を推定する、
請求項3に記載の表示システム。
【請求項6】
前記利用形態推定部は、前記機器の稼働履歴と利用形態パターンとの一致を判定し、一致した利用形態を前記機器の利用形態と推定する、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項7】
前記表示画面管理部は、前記機器の利用形態が不明であるとき、前記遠隔制御に関する全機能の機能情報を取得し、
前記設定画面表示指示部は、前記取得された全機能の機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示画面管理部は、前記機器の利用形態が不明であるとき、前記遠隔制御に関する機能の機能情報を取得せず、
前記設定画面表示指示部は、前記遠隔制御に関する機能の機能情報を表示しない前記設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項9】
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示する表示方法であって、
前記機器の使われ方である利用形態を推定するステップと、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶するステップと、
前記記憶された機能情報を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理するステップと、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信するステップと、を備える、
表示方法。
【請求項10】
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示するプログラムであって、
コンピュータを、
前記機器の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部、
前記推定された利用形態を記憶する利用形態記憶部、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部、
前記機能情報記憶部を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理する表示画面管理部、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する設定画面表示指示部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システム、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)化が進み、家電機器の機能のON/OFF、機能設定をスマートフォンから操作可能となった。さらに、IoT化により、家電機器に当初未搭載の新たに開発した便利機能をインターネット経由で追加提供可能になり、ユーザーは多数の機能の中から自分の用途に合った機能を選択可能になった。機器の動作ログの収集、分析が容易になった昨今では、ユーザーの細かいニーズに対応する機能が多数提供されている。一方で、例えばスマートフォンの設定画面に、その家電機器の全機能が表示された場合、ユーザーが使用したい機能がユーザーにとって必要のない機能に埋もれてしまい、使用したい機能を探すのに手間がかかる。例えば、寝室エアコン向けの機能をスマートフォンアプリから提供した時、リビングエアコンの操作・設定をしたいユーザーにとっては不必要であり、余計なボタン、アイコンが増えることになる。特に、初めてスマートフォンアプリから設定を行う場合、様々な設定が必要であるのに対して、余計なボタン、アイコンが多数表示されていると、誤操作が生じ得、ユーザーにストレスを与えてしまう。
【0003】
上記手間を削減するために、例えば特許文献1は、情報表示端末において、表示頻度が大きい機能のボタンを上位の階層の表示画面としてメニューボタンを再設定することで、検索頻度の大きい表示画面を短時間で表示することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術において、当該情報表示端末の領域に表示させる機能のボタンを判断するために、実際にユーザーがその機器で各機能を使用する頻度を集計する必要がある。すなわち、初めてスマートフォンアプリから設定を行う場合、各機能の利用頻度の集計がされておらず、その機器に関係しない機能を含む全機能のボタンが表示され、操作が簡単になってほしい利用初期において表示画面を改善することができない。
【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーが必要とする機能を表示した利用しやすい機能表示画面を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の表示システムは、遠隔制御される機器に対する遠隔制御に関する機能情報を表示する表示システムであって、機器と、機器の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部と、推定された利用形態を記憶する利用形態記憶部と、機器の利用形態に応じた遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部と、機能情報記憶部を参照して推定された利用形態に応じた遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理する表示画面管理部と、取得された機能情報を含む端末装置に表示する設定画面の設定情報を端末装置に送信する設定画面表示指示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、機器の利用形態を推定し、推定された機器の利用形態に応じた遠隔制御に関する機能を表示することにより、ユーザーが必要とする機能を表示した利用しやすい機能表示画面を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示システムの全体構成を示す図
【
図2】本開示の第1の実施の形態に係るクラウドサーバー及び端末装置のハードウェア構成を示す図
【
図3】本開示の第1の実施の形態に係るホーム画面を示す図
【
図4】本開示の第1の実施の形態に係るクラウドサーバーの機能的な構成を示す図
【
図5】本開示の第1の実施の形態に係る稼働履歴記憶部を示す図
【
図6】本開示の第1の実施の形態に係る利用形態記憶部を示す図
【
図7】本開示の第1の実施の形態に係る機能情報記憶部を示す図
【
図8】本開示の第1の実施の形態に係る表示処理を示すフローチャート
【
図9】本開示の第1の実施の形態に係る利用形態推定処理を示すフローチャート
【
図10】(A)は、本開示の第1の実施の形態に係る利用形態のマッチパターンを示す図、(B)は、稼働履歴を示す図
【
図11】本開示の第1の実施の形態に係る画面生成処理を示すフローチャート
【
図12】(A)は、本開示の第1の実施の形態に係るユーザーにとって必要な機能アイコンが表示されたホーム画面を示す図、(B)は、ユーザーにとって不必要な機能アイコンが表示されないホーム画面を示す図
【
図13】(A)は、本開示の第2の実施の形態に係る利用形態のマッチパターンを示す図、(B)は、利用形態記憶部を示す図、(C)は、機能情報記憶部を示す図
【
図14】本開示の第3の実施の形態に係るクラウドサーバーの機能的な構成を示す図
【
図15】本開示の第3の実施の形態に係るホーム画面を示す図
【
図16】本開示の第3の実施の形態に係るドロップダウンリストを示す図
【
図17】本開示の第3の実施の形態に係る利用形態推定処理を示すフローチャート
【
図18】本開示の第4の実施の形態に係る利用形態のマッチパターンを示す図
【
図19】本開示の第5の実施の形態に係るドロップダウンリストを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の表示システムの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1に、第1の実施の形態に係る表示システムの全体構成を示す。表示システムは、クラウドサーバー1と、端末装置2と、複数の機器3と、を備える。複数の機器3は、建物Hの内部に設置されている。建物Hは、例えば、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、商業施設、工場等である。
【0012】
クラウドサーバー1は、建物Hの内部に設置されている複数の機器3を、建物Hの外部から遠隔的に制御する。クラウドサーバー1は、機器3を制御するための設定画面を生成し、端末装置2に送信し、端末装置2の表示部に設定画面を表示させる。端末装置2は、設定画面に機器3を制御するための設定条件を入力し、クラウドサーバー1に送信する。クラウドサーバー1は、端末装置2に設定された条件にしたがって、機器3を制御する。
【0013】
複数の機器3のそれぞれは、遠隔制御対象となる機器である。複数の機器3のそれぞれは、具体的には、建物H内を空調する空調装置、建物H内を換気する換気装置等の電気機器である。複数の機器3は、それぞれ、図示を省略するが、通信アダプタを介して建物H内に構築された局所ネットワークNW2に接続されている。局所ネットワークNW2は、BBR(ブロードバンドルータ)5を介して広域ネットワークNW1に接続されている。局所ネットワークNW2は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、又は、エコーネットライト(ECHONET Lite(登録商標))によるネットワークである。広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。
【0014】
クラウドサーバー1と端末装置2とは、広域ネットワークNW1を介して互いに通信可能である。クラウドサーバー1は、広域ネットワークNW1、局所ネットワークNW2を介して複数の機器3と通信可能である。
【0015】
クラウドサーバー1は、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するサーバーであり、
図2に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部15と、を備える。
【0016】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ等とも呼び、クラウドサーバー1の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、クラウドサーバー1を統括制御する。
【0017】
記憶部12は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、ハードディスク等の不揮発性のメモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部12は、制御部11が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0018】
通信部15は、クラウドサーバー1が広域ネットワークNW1を介して外部の装置と通信するための通信インタフェースを備える。通信部15は、広域ネットワークNW1を介して、端末装置2及び複数の機器3との間で様々な情報を送受信する。
【0019】
端末装置2は、建物Hの外部に居るユーザーから操作可能な端末である。端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。端末装置2には、機器3を操作するための設定画面が表示される。
図2に示すように、端末装置2は、制御部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、通信部25と、を備える。
【0020】
制御部21は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ等とも呼び、端末装置2の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部21において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、端末装置2を統括制御する。
【0021】
記憶部22は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、制御部21が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0022】
入力部23は、キーボード、マウス、スイッチ、タッチパッド、タッチパネル等の入力デバイスを備えており、ユーザーから操作入力を受け付ける。ユーザーは、入力部23を操作することによって、様々な指示を端末装置2に入力することができる。入力部23は、ユーザーから入力された操作指示を受け付けると、受け付けた操作指示を制御部21に送信する。
【0023】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(Electro-Luminescence)等の表示デバイスを備える。表示部24は、図示しない表示駆動回路によって駆動され、制御部21による制御のもとで機器3を制御する設定画面、その他様々な画像を表示する。
【0024】
通信部25は、端末装置2が外部の装置と通信するための通信インタフェースを備える。通信部25は、広域ネットワークNW1を介して、クラウドサーバー1との間で設定画面の要求情報の送信、設定画面表示指示情報の受信等、様々な情報を送受信する。
【0025】
ここで、端末装置2の表示部24に表示される設定画面(ホーム画面)の一例を
図3に示す。ホーム画面は、機器3の制御におけるユーザーからの操作を受け付けることが可能な最初の画面である。ホーム画面241には、機器3の一覧が示されている。例として、
図3の画面上には、エアコン、給湯機、換気扇が示されている。機能の欄には、クラウドサーバー1により遠隔制御される機能として「睡眠時運転」のアイコン242が表示されている。ユーザーは、「睡眠時運転」のアイコン242にタッチして「睡眠時運転」を選択すると、「睡眠時運転」に関する詳細項目を設定するための機能設定画面が表示され、ユーザーはそれぞれの項目について入力する。設定画面の入力が完了すると、入力情報がクラウドサーバー1に送信される。
【0026】
次に、
図4を参照して、クラウドサーバー1の機能的な構成について説明する。
図4に示すように、クラウドサーバー1は、機能的に、稼働履歴収集部111と、利用形態推定部112と、表示画面管理部113と、設定画面表示指示部114と、を備える。
【0027】
これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,22に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,22に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0028】
また、クラウドサーバー1は、稼働履歴記憶部121と、利用形態記憶部122と、機能情報記憶部123と、を備える。これらは、記憶部12の適宜の記憶領域に構築される。
【0029】
稼働履歴収集部111は、機器3から稼働履歴を収集する。稼働履歴収集部111は、機器3から周期的に稼働状態のデータを収集する。例えば、稼働履歴収集部111は、機器3から5分周期で稼働状態のデータを収集する。稼働状態のデータの要求を受けた機器3は、時刻、機器ID、機種名、運転状態等のデータをクラウドサーバー1に送信する。なお、機器3は、自発的に稼働状態のデータを収集しておき、稼働履歴収集部111からデータの要求を受けたときにまとめて稼働状態のデータをクラウドサーバー1に送信してもよい。また、機器3は、稼働履歴収集部111からデータの要求を受けなくても、自発的に稼働状態のデータをクラウドサーバー1に送信してもよい。
【0030】
稼働履歴収集部111は、収集した稼働状態のデータを稼働履歴記憶部121に格納する。稼働履歴記憶部121は、機器3の稼働状態の履歴を管理するデータベースであり、記憶部12に記憶される。稼働履歴記憶部121に格納されたデータの一例を
図5に示す。稼働履歴記憶部121には、5分毎の稼働状態のデータが格納されており、現在時刻、機器ID、機種名、運転状態、設定温度、吸込み温度、その他に、図示しないが、画像センサ、熱源センサ等のセンサデータ等のデータが格納されている。
【0031】
利用形態推定部112は、機器3の使われ方である利用形態を推定する。利用形態は、稼働履歴記憶部121に記憶された稼働状態のデータである稼働履歴情報に基づき推定される。利用形態は、稼働履歴情報から、例えば、稼働時間帯、頻繁に利用する機能等に基づいて推定される。稼働時間帯、稼働時間の長さから、利用形態として、24時間運転、夜間運転、日中運転、短時間稼働等が推定される。また、利用する機能から、利用形態として、切タイマー機能より切タイマー利用、画像センサ、熱源センサ等のセンサデータより複数人利用等が推定される。
【0032】
利用形態推定部112は、推定した機器3の利用形態のデータを利用形態記憶部122に格納する。利用形態記憶部122は、機器3の利用形態のデータを管理するデータベースであり、記憶部12に記憶される。利用形態記憶部122に格納されたデータの一例を
図6に示す。利用形態記憶部122には、機器ID、機種名、推定された機器3の利用形態のデータが格納されている。
図6によれば、機器IDがID-1000であるエアコンについて推定された利用形態は、「夜間運転」、「切タイマー利用」、「短時間稼働」の3つの利用形態である。また、機器IDがID-1001であるエアコンについて推定された利用形態は、「24時間運転」である。また、機器IDがID-1002であるエアコンについて推定された利用形態は、「日中運転」である。また、機器IDがID-1003であるエアコンについて推定された利用形態は、センサデータよりエアコンが設置された部屋内に複数人が存在する「複数人」利用である。
【0033】
表示画面管理部113は、機能情報記憶部123を参照して推定された利用形態に応じた機器の機能情報を取得して、端末装置2に表示する機能情報として管理する。表示画面管理部113は、利用形態推定部112で推定されて稼働履歴記憶部121に記憶されたデータである利用形態情報を読み出すことによって機器3の利用形態を取得する。表示画面管理部113は、取得した機器3の利用形態について、機能情報記憶部123に格納された機能情報一覧を示すデータベース参照して、利用形態に合致する機能を抽出する。
【0034】
機能情報記憶部123は、
図7に示すように、クラウドサーバー1が広域ネットワークNW1を通じて機器3と連携することにより提供可能な機能の機能名、利用形態条件が格納されている。なお、
図7において、例えば、機能名として、「睡眠時運転1」、「睡眠時運転2」、「サーバー管理モード」、「自動ニオイ除去」、「自動吹き分け」が設けられている。「睡眠時運転1」は、ユーザーが寝ているときに室温が上昇して暑くなったらエアコンを自動的にONする機能である。「睡眠時運転2」は、ユーザーが就寝中において、部屋の室温を所定値以上に維持してユーザーにとって冷えすぎとなることを防止する制御を行う機能である。「サーバー管理モード」は、画像センサ、熱源センサ等により熱源を検出して、検出された熱源に集中的に空調を行うことにより、効率的な運転を行う機能である。「自動ニオイ除去」は、日中の人がいないときに除湿運転を行い、その後に暖房運転することでエアコン内部の汚れの除去と乾燥を行い、エアコン内部のニオイを除去する機能である。「自動吹き分け」は、画像センサ、熱源センサ等により在室する人を検出して、検出された人の体温が高い場合は、その人に向けて送風し、検出された人の体温が低い場合は、その人に向けて送風しない機能である。また、「スマート省エネ」機能は、室内のCO
2濃度をCO
2センサで監視して、CO
2濃度が所定値以下であれば、換気不要と判断して換気扇を停止することにより省エネ運転を行う機能である。
【0035】
図7において、機能情報記憶部123には、機能毎に当該機能を必要とする利用形態の条件が記憶されている。「睡眠時運転1」の機能については、利用形態が「夜間運転」かつ「切タイマー利用」であることが条件とされている。この場合、就寝中にタイマーが切れてエアコンの運転が停止され、室温が上昇することにより、ユーザーが寝苦しさから再度エアコンを稼働することが考えられることから、「睡眠時運転1」の機能は、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。「睡眠時運転2」の機能については、「夜間運転」の利用形態が存在し、かつ「切タイマー利用」の利用形態が存在しないことが条件とされている。この場合、切タイマーを使用しないことから、就寝中の間、エアコンは稼働し続けていると考えられるため、「睡眠時運転2」の機能は、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。「サーバー管理モード」の機能については、利用形態が「24時間運転」であることが条件とされている。この場合、連続運転を行うことから、より効率的な運転が求められると考えられるので、「サーバー管理モード」の機能は、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。「自動ニオイ除去」の機能については、利用形態が「日中運転」でないことが条件とされている。「自動ニオイ除去」の機能は、日中の人が在室していなときに行われることから、上記条件は、ユーザーにとって利用可能な機能であると判断される。「自動吹き分け」の機能については、利用形態が「複数人」であることが条件とされている。この場合、人によって最適と感じる室温に差異があることから、「自動吹き分け」の機能は、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。また、換気扇における「スマート省エネ」の機能については、利用形態が「24時間運転」であることが条件とされている。この場合、連続運転を行うことから、より効率的な運転が求められると考えられるので、「スマート省エネ」の機能は、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。
【0036】
図4に戻って、表示画面管理部113が、機能情報記憶部123に格納された機能情報一覧を示すデータベースを参照して、ユーザーの機器3の利用形態に合致する機能情報を取得すると、取得された機能情報が設定画面表示指示部114に送信される。設定画面表示指示部114は、取得された機能情報が端末装置2に表示されるホーム画面の設定情報を生成し、端末装置2に送信する。
【0037】
次に、クラウドサーバー1による表示処理の動作について、
図8を参照して説明する。まず、クラウドサーバー1は、端末装置2からホーム画面の表示を要求しているか否かを判断する(ステップS101)。端末装置2からホーム画面の表示の要求がない場合(ステップS101:No)、クラウドサーバー1は、端末装置2からホーム画面の表示の要求があるまでステップS101の処理を繰り返す。また、端末装置2からホーム画面の表示の要求がある場合(ステップS101:Yes)、クラウドサーバー1の利用形態推定部112は、利用形態記憶部122に機器3の利用形態の情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS102)。利用形態記憶部122に機器の利用形態の情報が記憶されていない場合(ステップS102:No)、利用形態推定部112は、稼働履歴収集部111が機器3から稼働履歴を収集し、稼働履歴記憶部121に記憶した機器3の稼働状態の履歴情報に基づいて機器3の利用形態を推定する利用形態推定処理を実行する。(ステップS103)。ここで、利用推定処理の詳細を、
図9に示す。
【0038】
図9において、利用形態推定部112は、稼働履歴記憶部121に機器3の稼働履歴があるか否かを判断する(ステップS201)。機器3の稼働履歴が存在しない場合(ステップS201:No)、利用形態推定部112は、利用形態推定処理を終了する。機器3の稼働履歴が存在する場合(ステップS201:Yes)、利用形態推定部112は、稼働履歴記憶部121から稼働履歴を取得する(ステップS202)。利用形態推定部112は、稼働履歴が利用形態を推定する利用形態パターンにマッチするか否かを判定する(ステップS203)。
【0039】
ここで、利用形態のマッチパターンの一例を
図10(A)に示す。機器3がエアコンである場合、稼働履歴から、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において夜間(24時-6時)に運転している日が80%以上であるとき、利用形態を「夜間運転」であると推定する。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において切タイマーでエアコンを停止した回数がエアコン稼働日以上であるとき、利用形態を「切タイマー利用」であると推定する。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、1回あたりのエアコン稼働時間が2時間以上であるとき、利用形態を「短時間稼働」であると推定する。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、24時間運転の日の割合が80%以上であるとき、利用形態を「24時間運転」であると推定する。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において日中(10時-15時)に運転している日が80%以上であるとき、利用形態を「日中運転」であると推定する。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において画像センサデータから2人以上を検知した日が稼働日以上であるとき、利用形態を「複数人」であると推定する。また、機器3が換気扇である場合、過去1か月のデータを1日毎に分割し、24時間運転の日の割合が80%以上であるとき、利用形態を「24時間運転」であると推定する。過去1か月のデータを1日毎に分割し、換気扇稼働日において夜間(24時-6時)に運転している日が80%以上であるとき、利用形態を「夜間運転」であると推定する。
【0040】
図10(B)は、利用形態が「夜間運転」であると推定される稼働履歴のデータの例を示している。
図10(B)は、夜間(24時-6時)におけるエアコンの稼働履歴を示しており、2022/8/1の同時間帯において、エアコンが稼働している。同様に、2022/8/2の同時間帯においても、エアコンが稼働している。同様にして夜間においてエアコンが稼働している日が1か月のうち80%以上であれば、利用形態が「夜間運転」であると推定される。また、
図10(B)の稼働履歴のデータにおいて切タイマーが利用されている。この切タイマーの利用回数が1か月のエアコン稼働日以上であれば、利用形態が「切タイマー利用」と推定される。
【0041】
図9に戻って、稼働履歴が、
図10に示された利用形態のパターンにマッチする場合(ステップS204:Yes)、利用形態推定部112は、該当する利用形態を該当する機器3の利用形態と推定する(ステップS205)。ステップS205の処理が終了、あるいは、利用形態のパターンにマッチする稼働履歴がない場合(ステップS204:No)、各利用形態パターンのマッチ処理を終了する(ステップS206)。そして、利用形態推定部112は、パターンマッチにより推定された利用形態を該当する機器3の利用形態として利用形態記憶部122に記憶して(ステップS207)、利用形態推定処理を終了する。
【0042】
図8に戻って、ステップS103の利用形態推定処理を実行した後、あるいは、利用形態記憶部122に機器の利用形態の情報が記憶されている場合(ステップS102:Yes)、表示画面管理部113が、利用形態推定部112で推定された利用形態及び機能情報記憶部123に記憶された機能情報から利用形態に合致した機能を抽出し、表示画面を生成する画面生成処理を実行する(ステップS104)。ここで、画面生成処理の詳細を、
図11に示す。
【0043】
図11において、表示画面管理部113は、利用形態記憶部123に機器3の利用形態があるか否かを判断する(ステップS301)。機器3の利用形態が存在しない、すなわち不明である場合(ステップS301:No)、機器3が備える全機能をホーム画面に表示する機能として記憶部12に記憶し(ステップS302)、後述するステップS307に移行する。なお、全機能をホーム画面に表示することに代えて、全機能を非表示としてもよい。一方、機器3の利用形態が存在する場合(ステップS301:Yes)、当該利用形態とマッチする機能の取得を行う(ステップS303)。利用形態とマッチする機能の取得は、機能情報記憶部123に記憶された機能情報を参照することにより実行される。機能情報記憶部123には、
図7に示すように、各機能に合致する利用形態の条件が記憶されている。表示画面管理部113は、利用形態記憶部122から取得した利用形態が、各機能に合致する利用形態の条件にマッチするか否かを判定する(ステップS304)。利用形態が利用形態の条件にマッチする場合(ステップS304:Yes)、当該利用条件に合致する機能がホーム画面に表示する機能として取得され、記憶部12に記憶される(ステップS305)。例えば、
図6の利用形態記憶部122に記憶された機器IDが「ID-1000」であるエアコンの利用形態は、「夜間運転」、「切タイマー利用」、「短時間稼働」である。ここで、
図7の機能情報記憶部123に記憶された各機能の利用形態条件のうち、「夜間運転」が利用形態条件として含まれるものは、「睡眠時運転1」、「睡眠時運転2」の2つである。また、「切タイマー利用」が利用形態条件として含まれるものは、「睡眠時運転1」のみである。また、「短時間稼働」に該当するものは、この一覧には存在しない。「睡眠時運転1」は、利用形態条件として、「夜間運転」及び「切タイマー利用」の両利用形態を備えることを要件としている。一方、「睡眠時運転2」は、利用形態条件として、「夜間運転」を備え、かつ、「切タイマー利用」を備えないことを要件としている。したがって、機器IDが「ID-1000」であるエアコンの利用形態にマッチする利用形態条件は、「睡眠時運転1」の利用形態条件のみである。よって、この「睡眠時運転1」の機能が、ホーム画面に表示する「ID-1000」の機能として取得される。なお、取得される機能は1つだけに限られず、複数の機能の利用形態条件に合致すれば、当該複数の機能が取得される。ステップS305において機器3の利用形態とマッチする機能の取得が行われ、あるいは、機器3の利用形態が利用形態の条件にマッチしない場合(ステップS304:No)、利用形態に基づきホーム画面に表示する機能を取得する機能取得処理を終了する(ステップS306)。ホーム画面に表示する機能を取得されると、設定画面表示指示部114は、端末装置2に表示されるホーム画面の設定情報を生成し(ステップS307)、画面生成処理を終了する。
【0044】
図8に戻って、ステップS104の画面生成処理を実行した後、設定画面表示指示部114は、生成されたホーム画面の設定情報を端末装置2に送信してホーム画面の表示を指示する(ステップS105)。表示の指示を受けた端末装置2は、表示部24にホーム画面を表示する。ここで表示されるホーム画面には、ユーザーの機器3の利用形態に即した機能のアイコンのみが表示され、ユーザーにとって不必要な機能のアイコンは表示されない。
図12(A)は、ユーザーの機器3の利用に即した機能のアイコン、すなわちユーザーにとって必要な機能のアイコンが表示されたホーム画面の例を示している。ここでは、「睡眠時運転1」のアイコン及び文字と「睡眠時運転1」の機能のON/OFFスイッチが表示されている。一方、
図12(B)は、ユーザーの機器3の利用に即した機能が存在しない場合、すなわちユーザーにとって必要な機能のアイコンがない場合のホーム画面の例を示しており、機能の欄には、いずれの機能も表示されず、空欄となっている。したがって、ユーザーは、操作設定の際に、機能の選択を迷うことなく行うことができ、手間がかからず、ストレスを削減することができる。また、クラウドサーバー1が新たに提供する機能に対しても、ユーザーの機器3の利用形態に即した機能であるか否か判断され、ユーザーにとって不必要な機能のアイコンは表示されない。
【0045】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、機器3の利用形態を機器3の運転状態により表した。これに対して、本実施の形態では、機器3の利用形態を機器3の設置場所(設置部屋)により表した例について説明する。第1の実施の形態と異なる点は、利用形態のマッチパターン、利用形態記憶部122のテーブルの内容、機能情報記憶部123のテーブルの内容である。
【0046】
第2の実施の形態の形態における利用形態のマッチパターンの一例を
図13(A)に示す。機器3がエアコンである場合、稼働履歴から、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において夜間(24時-6時)に運転している日が80%以上、かつ、夜間時間帯の運転時間が夜間時間帯以外の運転時間よりも長いとき、設置部屋を「寝室」であると推定する。なお、運転時間帯の比較を要件としたのは、サーバー室と区別するためである。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、エアコン稼働日において昼夕(10時-17時)に運転している日が80%以上、かつ、昼夕の運転時間が夜間時間帯の運転時間よりも長いとき、設置部屋を「リビング・ダイニング」であると推定する。なお、運転時間帯の比較を要件としたのは、サーバー室、寝室と区別するためである。また、過去1か月のデータを1日毎に分割し、24時間運転の日の割合が80%以上であるとき、設置部屋を「サーバー室」であると推定する。
【0047】
また、利用形態記憶部122のテーブルの内容の例を
図13(B)に示す。利用形態記憶部122には、機器ID、機種名、推定された機器3の利用形態として設置部屋のデータが格納されている。
図6によれば、機器IDがID-1000であるエアコンについて推定された設置部屋は、「寝室」である。また、機器IDがID-1001であるエアコンについて推定された設置部屋は、「サーバー室」である。また、機器IDがID-1002、ID-1003であるエアコンについて推定された設置部屋は、「リビング・ダイニング」である。
【0048】
また、機能情報記憶部123のテーブルの内容の例を
図13(C)に示す。機能情報記憶部123には、機能毎に当該機能を必要とする利用形態として設置部屋が記憶されている。「睡眠時運転1」、「睡眠時運転2」の機能については、設置部屋が「寝室」であることが条件とされている。また、「自動ニオイ除去」の機能については、利用形態が「日中運転」でないことが条件とされている。「自動ニオイ除去」の機能は、設置部屋が「寝室」であることが条件とされている。「自動ニオイ除去」は、日中の人が在室していなときに行われることから、上記条件は、ユーザーにとって利用可能な機能である。また、「サーバー管理モード」の機能は、設置部屋が「サーバー室」であることが条件とされている。また、「自動吹き分け」の機能は、設置部屋が「リビング・ダイニング」であることが条件とされている。「リビング・ダイニング」には、複数人が集まることから、ユーザーにとって必要な機能であると判断される。
【0049】
クラウドサーバー1の機能構成は、
図4と同様であり、表示処理も
図8、
図9、
図11と同様であるため、省略する。第2の実施の形態では、機器3の利用形態として機器3の設置場所を用いることにより、ユーザーの用途、目的にあった機能のみが表示され、ユーザーは、操作設定の際に、機能の選択を迷うことなく行うことができ、手間がかからず、ストレスを削減することができる。
【0050】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、機器3の稼働履歴から機器3の利用形態を推定した。これに対して、本実施の形態では、稼働履歴に代えて、機器3の用途、目的を表すキーワードを入力することによって、機器3の利用形態を推定する。
【0051】
本実施の形態におけるクラウドサーバー1の機能的な構成を
図14に示す。
図4と異なる点は、稼働履歴収集部111、稼働履歴記憶部121に代えて、キーワード取得部311、キーワード記憶部321を設けた点と、キーワード取得部311は端末装置2から送信されるユーザーが入力したキーワードを取得する点である。端末装置2は、クラウドサーバー1から送信されたホーム画面の設定情報に基づき表示部24にホーム画面を表示する。このホーム画面には、機器3の利用形態に関するキーワードを入力するための入力欄が設けられる。
【0052】
図15は、本実施の形態における端末装置2に表示されるホーム画面の一例を示す。
図15の画面上には、機器3の一覧として、エアコン、給湯機、換気扇が示されている。各機器の名称が表示された位置の下部には、各機器の利用形態に関するキーワードを入力するための入力欄331がそれぞれ設けられている。例えば、入力欄331は、
図16に示すように、ドロップダウンリストになっている。ドロップダウンリストには、「主に寝る時に利用」、「主に昼間に利用」、「終日利用」等の項目が記載されており、ユーザーはこれらのリストの中からユーザーの利用目的に合った項目を選択する。また、入力欄331は、ドロップダウンリストでなく、ユーザーが直接文字入力する構成であってもよい。例えば、ユーザーは、入力欄331に利用用途、目的を表すキーワードとして、「朝」、「昼」、「夜」、「タイマー」、「サーバー」等のワードを入力することができる。
【0053】
ユーザーが入力欄331に入力したキーワードは、端末装置2からクラウドサーバー1に送信され、キーワード取得部311は、受信されたキーワードを取得する。キーワード取得部311は、取得したキーワードをキーワード記憶部321に記憶する。
【0054】
第3の実施の形態における表示処理は
図8と同様であり、画面生成処理も
図11と同様であるため、省略し、利用推定処理の詳細を、
図17に示す。
図17において、利用形態推定部112は、キーワード記憶部321に機器3に関するキーワードがあるか否かを判断する(ステップS401)。機器3のキーワードが存在しない場合(ステップS401:No)、利用形態推定部112は、利用形態推定処理を終了する。機器3のキーワードが存在する場合(ステップS401:Yes)、利用形態推定部112は、キーワード記憶部321からキーワードを取得する(ステップS402)。利用形態推定部112は、キーワードが利用形態を推定する利用形態パターンにマッチするか否かを判定する(ステップS403)。キーワードが、利用形態のパターンにマッチする場合(ステップS404:Yes)、利用形態推定部112は、該当する利用形態を該当する機器3の利用形態と推定する(ステップS405)。例えば、前述したドロップダウンリストから、「主に寝る時に利用」を選択した場合、利用形態として「夜間運転」、「切タイマー利用」を推定する。また、「主に昼間に利用」を選択した場合、利用形態として「日中運転」を推定する。また、「終日利用」を選択した場合、利用形態として「24時間運転」を推定する。また、入力欄331に利用用途、目的を表すキーワードとして、「朝」を入力した場合、「朝」は短時間の運転と予想されることから、利用形態として「短時間稼働」を推定する。また、「昼」を入力した場合、利用形態として「日中運転」を推定する。また、「夜」を入力した場合、利用形態として「夜間運転」、「切タイマー利用」を推定する。また、「タイマー」を入力した場合、利用形態として「切タイマー利用」を推定する。また、「サーバー」を入力した場合、利用形態として「24時間運転」を推定する。ステップS405の処理が終了、あるいは、利用形態のパターンにマッチするキーワードがない場合(ステップS404:No)、各利用形態パターンのマッチ処理を終了する(ステップS406)。そして、利用形態推定部112は、パターンマッチにより推定された利用形態を該当する機器3の利用形態として利用形態記憶部122に記憶して(ステップS407)、利用形態推定処理を終了する。
【0055】
第3の実施の形態では、機器3の利用形態の推定のためにユーザーが入力するキーワードを用いることにより、ユーザーの用途、目的にあった機能のみが表示され、ユーザーは、操作設定の際に、機能の選択を迷うことなく行うことができ、手間がかからず、ストレスを削減することができる。また、稼働履歴のない新しく設置した機器に対しても、ユーザーの用途、目的にあった機能のみを表示することができる。
【0056】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、機器3の利用形態を機器3の設置場所(設置部屋)により表し、かつ、第3の実施の形態と同様に、機器3の利用形態としてユーザーが入力するキーワードに基づいて機器3の利用形態を推定する。クラウドサーバー1の機能構成は、
図14と同様であり、ホーム画面構成、利用形態推定処理のフローチャートも
図15、
図17と同様であるため、省略する。
【0057】
本実施形態における、ユーザーが入力するキーワードに基づいて利用形態を推定するためのマッチパターンの一例を
図18に示す。
図18は、機器3の機種と、機器3が設置されている場所である設置部屋と、ユーザーが入力するキーワードに対するマッチパターンとなるワードを示している。例えば、リビングに設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「リビング」、「Living」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「リビング」あるいは「Living」の文字があれば、設置部屋はリビングであるとして、利用形態として「リビング」を抽出する。また、寝室に設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「寝室」、「Bedroom」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「寝室」あるいは「Bedroom」の文字があれば、設置部屋は寝室であるとして、利用形態として「寝室」を抽出する。また、ダイニングに設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「ダイニング」、「Dining」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「ダイニング」あるいは「Dining」の文字があれば、設置部屋はダイニングであるとして、利用形態として「ダイニング」を抽出する。また、廊下に設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「廊下」、「Hall」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「廊下」あるいは「Hall」の文字があれば、設置部屋は廊下であるとして、利用形態として「廊下」を抽出する。また、子供部屋に設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「子供部屋」、「KidsRoom」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「子供部屋」あるいは「KidsRoom」の文字があれば、設置部屋は子供部屋であるとして、利用形態として「子供部屋」を抽出する。また、サーバー室に設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「サーバー室」、「ServerRoom」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「サーバー室」あるいは「ServerRoom」の文字があれば、設置部屋はサーバー室であるとして、利用形態として「サーバー室」を抽出する。また、客間に設置されたエアコンについて、マッチパターンとなるワードとして、「客間」、「GuestRoom」が定義されている。したがって、ユーザーが入力するキーワードの中に、「客間」あるいは「GuestRoom」の文字があれば、設置部屋は客間であるとして、利用形態として「客間」を抽出する。
【0058】
第4の実施の形態では、機器3の利用形態として機器3の設置場所を用い、ユーザーが入力するキーワードを用いて設置場所を推定することにより、ユーザーの用途、目的にあった機能のみが表示され、ユーザーは、操作設定の際に、機能の選択を迷うことなく行うことができ、手間がかからず、ストレスを削減することができる。また、稼働履歴のない新しく設置した機器に対しても、ユーザーの用途、目的にあった機能のみを表示することができる。
【0059】
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、機器3の利用形態を機器3の設置場所(設置部屋)により表し、かつ、第3の実施の形態と同様に、機器3の利用形態としてユーザーが入力するキーワードに基づいて機器3の利用形態を推定する。キーワードは、機器3の名称を用いる。入力欄331は、
図19に示すように、ドロップダウンリストになっている。ドロップダウンリストには、機器3の名称として「寝室用エアコン」、「リビング用エアコン」、「ダイニング用エアコン」等の項目が記載されており、ユーザーはこれらのリストの中からユーザーの利用目的に合った項目を選択する。なお、入力欄331は、ドロップダウンリストでなく、ユーザーが直接文字入力する構成であってもよい。第5の実施の形態では、機器3の利用形態として機器3の設置場所を用い、ユーザーが入力するキーワードとして機器の名称を用いて設置場所を推定することにより、ユーザーの用途、目的にあった機能のみが表示され、ユーザーは、操作設定の際に、機能の選択を迷うことなく行うことができ、手間がかからず、ストレスを削減することができる。また、稼働履歴のない新しく設置した機器に対しても、ユーザーの用途、目的にあった機能のみを表示することができる。
【0060】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【0061】
(付記1)
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示する表示システムであって、
前記機器の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部と、
前記推定された利用形態を記憶する利用形態記憶部と、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部と、
前記機能情報記憶部を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理する表示画面管理部と、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する設定画面表示指示部と、を備える、
表示システム。
(付記2)
前記機器の稼働履歴を収集する稼働履歴収集部と、
収集された前記機器の稼働履歴を記憶する稼働履歴記憶部と、
をさらに備え、
前記利用形態推定部は、前記機器の稼働履歴から前記機器の利用形態を推定する、
付記1に記載の表示システム。
(付記3)
前記機器の利用形態に関連するキーワードを取得するキーワード取得部をさらに備え、
前記利用形態推定部は、前記キーワードから前記機器の利用形態を推定する、
付記1に記載の表示システム。
(付記4)
前記機器の利用形態は、前記機器が設置された場所の情報である、
付記1から3のいずれか1つに記載の表示システム。
(付記5)
前記キーワード取得部は、前記機器の名称を取得し、
前記利用形態推定部は、取得された前記機器の名称から前記機器の利用形態として前記機器が設置された場所を推定する、
付記3に記載の表示システム。
(付記6)
前記利用形態推定部は、前記機器の稼働履歴と利用形態パターンとの一致を判定し、一致した利用形態を前記機器の利用形態と推定する、
付記2に記載の表示システム。
(付記7)
前記表示画面管理部は、前記機器の利用形態が不明であるとき、前記遠隔制御に関する全機能の機能情報を取得し、
前記設定画面表示指示部は、前記取得された全機能の機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する、
付記1から6のいずれか1つに記載の表示システム。
(付記8)
前記表示画面管理部は、前記機器の利用形態が不明であるとき、前記遠隔制御に関する機能情報を取得せず、
前記設定画面表示指示部は、前記遠隔制御に関する機能情報を表示しない前記設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する、
付記1から6のいずれか1つに記載の表示システム。
(付記9)
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示する表示方法であって、
前記機器の使われ方である利用形態を推定するステップと、
前記推定された利用形態を記憶するステップと、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶するステップと、
前記記憶された機能情報を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理するステップと、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信するステップと、を備える、
表示方法。
(付記10)
遠隔制御される機器に対する前記遠隔制御に関する機能情報を表示するプログラムであって、
コンピュータを、
前記機器の使われ方である利用形態を推定する利用形態推定部、
前記推定された利用形態を記憶する利用形態記憶部、
前記機器の利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を記憶する機能情報記憶部、
前記機能情報記憶部を参照して前記推定された利用形態に応じた前記遠隔制御に関する機能情報を取得して、端末装置に表示する機能情報として管理する表示画面管理部、
前記取得された機能情報を含む前記端末装置に表示する設定画面の設定情報を前記端末装置に送信する設定画面表示指示部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0062】
1 クラウドサーバー、2 端末装置、3 機器、5 BBR(ブロードバンドルータ)、11,21 制御部、12,22 記憶部、15,25 通信部、23 入力部、24 表示部、111 稼働履歴収集部、112利用形態推定部、113 表示画面管理部、114 設定画面表示指示部、121 稼働履歴記憶部、122 利用形態記憶部、123 機能情報記憶部、241 ホーム画面、242 アイコン、311 キーワード取得部、321 キーワード記憶部、331 入力欄、H 建物、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク。