IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本総合研究所の特許一覧

特開2023-184291プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
<>
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図1
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図2
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図3
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図4
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図5
  • 特開-プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184291
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/22 20060101AFI20231221BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20231221BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G10L15/22 300U
G10L15/00 200J
G10L15/10 500N
G10L15/10 200W
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098359
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】程塚 正史
(72)【発明者】
【氏名】今泉 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】長尾 一輝
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが好意的な反応を示す会話コンテンツを提供するために必要なデータを収集するプログラム、情報処理方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置と車内装置とが、互いに外部ネットワークを介して通信を行う情報処理システムにおいて、情報処理装置による処理手順は、移動体に搭乗するユーザの属性を取得する処理と、ユーザに会話コンテンツを提供する処理と、ユーザに会話コンテンツを提供した際にユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定する処理と、ユーザの属性、会話コンテンツ、会話キーワード及び評価を対応付けたデータを記憶する処理と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、
前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定し、
前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記会話コンテンツを提供した際の前記移動体の位置情報を取得し、
前記位置情報、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記移動体のナンバープレートに記載の地域を取得し、
前記地域、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記会話コンテンツを提供した際の前記移動体の位置情報を取得し、
前記移動体のナンバープレートに記載の地域を取得し、
前記位置情報、前記地域、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザに提供する前記会話コンテンツを変更し、
変更された前記会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した前記会話キーワードに対する前記評価を決定し、
前記属性、変更された前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記会話コンテンツに対応する複数の前記評価を取得し、
取得した前記評価を統計解析する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記評価は数値化されており、
前記属性、前記位置情報、前記地域、及び前記会話コンテンツに対応する複数の前記評価を取得し、
取得した複数の前記評価の平均値を含む代表値を算出し、
前記属性、前記位置情報、前記地域、及び前記会話コンテンツと前記代表値を対応付けた分析後データを記憶する
請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
移動体に搭乗するユーザの属性、前記移動体の位置情報、及び前記移動体の地域を取得し、
前記分析後データに基づき、前記属性、前記位置情報、及び前記地域に対応する前記代表値が最も高い前記会話コンテンツを、前記ユーザに提供する前記会話コンテンツに決定する
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、
前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定し、
前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する
情報処理方法。
【請求項10】
移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定する制御部と、
前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する記憶部と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザと会話を行う装置等が知られている。例えば、特許文献1に記載の対話制御装置は、直前の会話で使用した話題と関連のある話題を選択し、会話を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004―195636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の話題(会話コンテンツ)に対する反応はユーザによって異なり、会話コンテンツが提供された場合に好意的な反応を示すユーザもいれば、否定的な反応を示すユーザもいる。ユーザがストレスを感じることなく会話を行うためには、ユーザが好意的な反応を示す会話コンテンツを提供する必要がある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、どのようなユーザが、どのような会話コンテンツに好意的な反応をするか分析をするためのデータを収集することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定し、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記会話コンテンツを提供した際の前記移動体の位置情報を取得し、前記位置情報、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記移動体のナンバープレートに記載の地域を取得し、前記地域、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する。
【0009】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記会話コンテンツを提供した際の前記移動体の位置情報を取得し、前記移動体のナンバープレートに記載の地域を取得し、前記位置情報、前記地域、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する。
【0010】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記ユーザに提供する前記会話コンテンツを変更し、変更された前記会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した前記会話キーワードに対する前記評価を決定し、前記属性、変更された前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けた前記データを記憶する。
【0011】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記会話コンテンツに対応する複数の前記評価を取得し、取得した前記評価を統計解析する。
【0012】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、前記評価は数値化されており、前記属性、前記位置情報、前記地域、及び前記会話コンテンツに対応する複数の前記評価を取得し、取得した複数の前記評価の平均値を含む代表値を算出し、前記属性、前記位置情報、前記地域、及び前記会話コンテンツと前記代表値を対応付けた分析後データを記憶する。
【0013】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、移動体に搭乗するユーザの属性、前記移動体の位置情報、及び前記移動体の地域を取得し、前記分析後データに基づき、前記属性、前記位置情報、及び前記地域に対応する前記代表値が最も高い前記会話コンテンツを、前記ユーザに提供する前記会話コンテンツに決定する。
【0014】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定し、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する。
【0015】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、移動体に搭乗するユーザの属性を取得し、前記ユーザに会話コンテンツを提供した際に前記ユーザが発言した会話キーワードに対する評価を決定する制御部と、前記属性、前記会話コンテンツ、前記会話キーワード、及び前記評価を対応付けたデータを記憶する記憶部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一実施形態に係るプログラムにあっては、どのようなユーザが、どのような会話コンテンツに好意的な反応をするか分析をするためのデータを収集することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】情報処理装置等の構成例を示すブロック図である。
図3】キーワード抽出モデル及びキーワード評価モデル等を示す説明図である。
図4】反応テーブルを示す説明図である。
図5】分析後テーブルを示す説明図である。
図6】情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態)
以下、実施形態に係る本発明について、図面に基づき説明する。図1は、情報処理システムの構成例を示す模式図である。図2は、情報処理装置等の構成例を示すブロック図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、車内装置2とを含み、情報処理装置1と車内装置2は、互いに外部ネットワークNを介して通信を行う。車内装置2は、移動体(自動車)内に搭載され、情報処理装置1から受信した会話するための話題(会話コンテンツ)を該移動体に搭乗するユーザに提供する。また、車内装置2は、提供された会話コンテンツに対する反応(発言)を取得し、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、車内装置2から受信した、ユーザの発言からキーワードを抽出し、該キーワードに基づいて、会話コンテンツに対するユーザの評価を決定する。情報処理装置1は、該会話コンテンツ、該キーワード及び該評価を記憶し、該ユーザに次回提供する会話コンテンツまたは他のユーザに提供する会話コンテンツを決定する。
【0019】
情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備えたコンピュータであり、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートホン又はネットワークで接続された複数のクラウドサーバ等である。
【0020】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部12に予め記憶されたプログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理、演算処理等を行う。
【0021】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子により構成されている。記憶部12には、プログラム及び処理時に参照するデータが予め記憶されている。プログラムは、制御部11が読み取り可能に記録媒体12aに格納されているプログラム(プログラム製品)を読み出だして記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムをダウンロードし、記憶部12に記憶させたものであってもよい。また、記憶部12は、キーワード抽出モデルM1と、キーワード評価モデルM2と、反応テーブル121と、分析後テーブル122とを記憶している。キーワード抽出モデルM1、キーワード評価モデルM2、反応テーブル121、及び分析後テーブル122は、複数のクラウドサーバに分散して記憶されてもよい。キーワード抽出モデルM1、キーワード評価モデルM2、反応テーブル、及び分析後テーブル122の詳細については後述する。
【0022】
通信部13は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、LTE(登録商標)、4G、または5G通信等に対応した無線通信デバイスである。通信部13は、外部ネットワークNを介して車内装置2と通信を行う。
【0023】
車内装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入出力I/F24、及びGPSモジュール25を備えたコンピュータであり、例えば、ナビゲーション装置である。なお、車内装置2は、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、またはスマートホン等でもよい。車内装置2の制御部21,記憶部22、及び通信部23は、情報処理装置1と同様の構成によるものであってよい。
【0024】
車内装置2の記憶部22には、車内装置2が搭載される自動車のナンバープレートに記載の地域を含む情報(車両情報)、及び該自動車の所有者または利用者であるユーザの属性(例えば、年齢層、性別、及び職業)が記憶されている。なお、車両情報及びユーザの属性は、予めユーザによって、情報処理システムSを利用する会員の情報としてクラウドサーバに登録されてもよい。また、ユーザの属性は、車内装置2の制御部21によって、ユーザとの対話内容に基づいて取得されてもよい。
【0025】
入出力I/F24は、車内装置2の外部装置と通信を行うためのインターフェイス群であり、例えば、USB又はDSUB等の規格化された通信インターフェイスである。入出力I/F24には、マイク241、スピーカ242が接続され、各外部装置と、車内装置2の制御部21との通信を可能にしている。
【0026】
GPSモジュール25は、GPS衛星(図示略)からの電波を周期的に受信し、GPS衛星から周期的に取得する信号に基づき、車内装置2を搭載する自動車の緯度及び経度を含む位置情報(座標)を算出する。なお、車内装置2の制御部21は、算出した位置情報に基づき、自動車が位置する具体的な領域名(地名)を特定してもよい。この場合、車内装置2の記憶部22には、領域名に座標の範囲が対応付けられたデータが記憶されている。制御部21は、該データを参照し、GPSモジュール25が算出した座標が範囲内である領域名を特定する。
【0027】
図3は、キーワード抽出モデル及びキーワード評価モデル等を示す説明図である。情報処理装置1の制御部11は、車内装置2の制御部21がマイク241において収音し、送信したユーザの音声データを音声認識し、文字データ(テキストデータ)に変換する音声認識処理を行う音声認識部11aを含む。当該音声認識処理は、例えば、音響モデル、発音辞書及び言語モデル等の処理モジュールを用いて行われるものである。音声認識部11aは、変換した音波の周波数に基づき、発話者(音声データのユーザ) を特定するものであってもよい。制御部11は、音声データから変換した文字データ(テキストデータ)を、キーワード抽出モデルM1に出力する。
【0028】
キーワード抽出モデルM1は、文章を示す文字データが入力された場合、該文章が含む単語の内、重要な単語(キーワード)を抽出して出力する学習済みモデルであり、例えばBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)によって構成される。なお、キーワード抽出モデルM1は、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)またはTransformer等でもよい。訓練データについては、例えば、日本語話し言葉コーパス(CSJ:Corpus of Spontaneous Japanese)が用いられる。キーワード抽出モデルM1は文字データに含まれる各単語の重要度を決定し、重要度が一定値以上である単語をキーワードとして抽出する。なお、キーワード抽出モデルM1は、重要度が高い単語から順に、複数の単語をキーワードとして抽出してもよい。また、キーワード抽出モデルM1は、文章が含む重要な文節を抽出してもよい。制御部11は、キーワード抽出モデルM1が出力したキーワードをキーワード評価モデルM2に入力する。なお、制御部11は、記憶部12に予め記憶された単語が文字データ中に含まれる場合、該単語をキーワードとして抽出してもよい。
【0029】
キーワード評価モデルM2は、キーワード抽出モデルM1が抽出したキーワードが入力された場合、入力されたキーワードに対する評価を出力する学習済みモデルであり、例えばBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)によって構成される。なお、キーワード評価モデルM2は、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)またはTransformer等でもよい。訓練データについては、例えば、日本語話し言葉コーパス(CSJ:Corpus of Spontaneous Japanese)が用いられる。キーワード評価モデルM2は、例えば、入力されたキーワードが好意的か否定的かを1~5の五段階の数値(評価値)で評価し、好意的であるほど高い数値を出力する。なお、キーワード抽出モデルM1によって複数のキーワードが抽出されており、キーワード評価モデルM2に複数のキーワードが入力された場合、キーワード評価モデルM2は、総合して一つの評価値を出力してもよい。また、情報処理装置1の記憶部12が単語ごとに評価値が対応付けられたデータを記憶し、制御部11は、該データを参照することによってキーワードの評価値を出力してもよい。この際、キーワード抽出モデルM1によって複数のキーワードが抽出されている場合、制御部11は、該複数のキーワードの評価値を平均して一つの評価値を出力してもよい。
【0030】
本実施形態においては、六本木交差点において、「ジャズ」の会話コンテンツが提供された場合のユーザの反応(発言)例を示す。制御部11が音声データを取得すると、音声認識部11aによって「うわぁ。六本木でジャズとか大人になったみたい。行ってみたいなぁ」という文字データが出力される。文字データがキーワード抽出モデルM1に入力されると、「大人」及び「行ってみたい」といったキーワードが抽出される。抽出されたキーワードがキーワード評価モデルM2に入力されると、評価値が出力される。本例において、評価値は「5」である。
【0031】
図4は、反応テーブルを示す説明図である。反応テーブル121の管理項目(フィールド)は、例えば、位置情報フィールド、会話コンテンツIDフィールド、日時フィールド。車両情報フィールド、ユーザ属性フィールド、反応原文フィールド、キーワードフィールド、及び評価フィールドを含む。位置情報フィールドには、車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した際に、GPSモジュール25が取得した、車両の位置情報が格納される。会話コンテンツIDフィールドには、情報処理装置1が車内装置2を介してユーザに提供した会話コンテンツのIDが格納される。本実施形態においては、会話コンテンツID「0001」は、「ジャズ」を、会話コンテンツID「0002」は「アート」を、会話コンテンツID「0003」は「桜」を会話コンテンツとして示す。日時フィールドには、車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した日時が格納される。車両情報フィールドには、車内装置2の記憶部22に記憶されている、車両情報が格納される。ユーザ属性フィールドには、車内装置2の記憶部22に記憶されている、車両の所有者または利用者であるユーザの属性が格納されている。反応原文フィールドには、制御部11の音声認識部11aが変換した、文字データが格納される。キーワードフィールドには、制御部11がキーワード抽出モデルM1によって抽出されたキーワードが格納される。評価フィールドには、制御部11がキーワード評価モデルM2によって出力された評価値が格納される。
【0032】
図5は、分析後テーブルを示す説明図である。分析後テーブル122には、反応テーブル121に記憶されているデータを分析した結果である、分析後データが記憶される。分析後データは、反応テーブル121の各レコードを集計し、特定の位置情報、会話コンテンツ、地域、年齢層、性別、及び職業に対して格納されているキーワード及び評価値の平均値が対応付けられたデータである。分析後テーブル122の管理項目(フィールド)は、例えば、位置情報フィールド、会話コンテンツIDフィールド、地域フィールド、年齢層フィールド、性別フィールド、職業フィールド、キーワードフィールド、及び平均評価フィールドを含む。位置情報フィールドには、会話コンテンツを提供した車両の位置情報が格納される。会話コンテンツIDフィールドには、ユーザに提供した会話コンテンツのIDが格納される。地域フィールドには、車両情報に含まれる地域が格納される。年齢層フィールドには、ユーザの属性に含まれる年齢層が格納される。性別フィールドには、ユーザの属性に含まれる年齢層が格納される。職業フィールドには、ユーザの属性に含まれる職業が格納される。キーワードフィールドには、反応テーブル121のレコードのうち、特定の位置情報、会話コンテンツ、地域、年齢層、性別、及び職業の組み合わせに該当する複数のレコードのキーワードフィールドに格納されているキーワードが格納される。平均評価フィールドには、特定の位置情報、会話コンテンツ、地域、年齢層、性別、及び職業の組み合わせに該当する複数のレコードのキーワードフィールドに格納されている評価値を平均した値(平均評価値)が格納される。なお、分析後テーブル122には、評価値の平均値に代えて、または加えて評価値の中央値、または最頻値等の代表値が記憶されてもよい。
【0033】
図6は、情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部11は、例えば、ユーザが車内装置2に対し、コンテンツの提供を求める旨の発言を行うと、以下の処理を開始する。制御部11は、処理を開始すると、車内装置2から車両の位置情報、車両情報、及びユーザの属性を取得する(S1)。本実施形態においては、情報処理装置の制御部11は車内装置2の記憶部22からユーザの属性を取得するが、ユーザの属性の取得方法はこれに限られない。例えば、車内装置2が備える撮影部が撮影したユーザの画像と、予め情報処理装置1の記憶部12または車内装置2の記憶部22に記憶されたデータとに基づいて、ユーザの属性を取得してもよい。この場合、予め複数のユーザの特徴量とユーザの属性が対応付けられたデータが、情報処理装置1の記憶部12または車内装置2の記憶部22に記憶される。情報処理装置1の制御部11は、車内装置2の撮影部が撮影した画像からユーザの特徴量を抽出し、記憶されたデータを参照して抽出された特徴量に対応するユーザの属性を取得する。この場合、移動体の所有者または利用者でないユーザが移動体に搭乗した際にも、情報処理装置1の制御部11はユーザの属性を取得することが可能である。
【0034】
制御部11は、取得した車両情報及びユーザ属性に基づき、分析後テーブル122を参照して、ユーザに提供する会話コンテンツを決定する(S2)。具体的には、制御部11は、S1において取得した車両情報に含まれる地域、及びユーザの属性の属性に含まれる年齢層、性別、及び職業と合致するレコードのうち、平均評価値が一番高い会話コンテンツを、ユーザに提供する会話コンテンツに決定する。図5に示す例においては、取得した車両の位置情報が「六本木交差点」、車両情報に含まれる地域が「柏」、ユーザの属性に含まれる年齢層が「20代」、性別が「女性」、職業が「サービス業」である場合、会話コンテンツID「0001」(ジャズ)に対する平均評価値が「4.2」であり、会話コンテンツID「0002」(アート)に対する平均評価値が「3.3」であるので、評価平均値が最も高い会話コンテンツID「0001」(ジャズ)をユーザに提供する会話コンテンツに決定する。なお、制御部11は、評価値の平均値に代えて、または加えて評価値の中央値、または最頻値等の代表値に基づいてユーザに提供する会話コンテンツに決定してもよい。
【0035】
制御部11は、決定した会話コンテンツを車内装置2に送信し(S3)、車内装置2に、ユーザに対して会話コンテンツ提供させる。すなわち、情報処理装置1の制御部11は、車内装置2を介してユーザに会話コンテンツを提供する。車内装置2は、スピーカ242による発音によってユーザに会話コンテンツを提供する。なお、車内装置2は表示部を備え、表示部に会話コンテンツを表示することによって会話コンテンツを提供してもよい。
【0036】
制御部11は、車内装置2から、ユーザの音声データを取得する(S4)。制御部11は取得した音声データを音声認識部11aによって文字データ(テキストデータ)に変換し(S5)、該文字データをキーワード抽出モデルM1に入力して(S6)、キーワードを抽出する(S7)。制御部11は抽出されたキーワードをキーワード評価モデルM2に入力し(S8)、評価値を出力する(S9)。
【0037】
制御部11は、取得した位置情報、ユーザに提供した会話コンテンツ、車両情報、ユーザの属性、文字データ、出力されたキーワード、及び出力された評価値を対応させたレコードを、反応テーブル121に記憶する(S10)。制御部11は、反応テーブル121に基づき、分析後テーブル122を更新する(S11)。具体的には、S10において反応テーブル121に追加されたレコードの位置情報、会話コンテンツ、車両情報に含まれる地域、及びユーザの属性と同じレコードが分析後テーブル122にある場合、制御部11は、該レコードの平均評価値をS10において追加されたレコードの評価値に基づいて更新する。S10において反応テーブル121に追加されたレコードの位置情報、会話コンテンツ、車両情報に含まれる地域、及びユーザの属性と同じレコードが分析後テーブル122にない場合、制御部11は、S10において反応テーブル121に追加されたレコードに基づいて、新たなレコードを分析後テーブルに追加する。制御部11は、分析後テーブル122を更新後、処理をS1に戻し、再度ユーザに関する位置情報及び属性情報、または他のユーザに関する位置情報及び属性情報を取得する。
【0038】
以上の処理によれば、どのようなユーザが、どのような会話コンテンツに好意的な反応をするか分析をするためのデータを収集することが可能である。また、ユーザに対して、好意的な反応が期待できる会話コンテンツを提供することが可能である。
【0039】
(変形例)
反応テーブル121の管理項目は、移動体(自動車)の目的地を格納する目的地フィールド、移動体の経由地を格納する経由地フィールド、ユーザの移動体による移動目的を格納する移動目的フィールド、車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した時の天気を格納する天気フィールド、車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した時の季節を格納する季節フィールド、または車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した時の曜日を格納する曜日フィールド等を含んでもよい。この場合、情報処理装置1の制御部11は、会話コンテンツ、目的地、経由地、移動目的、天気、季節、または曜日ごとに評価値を集計し、分析後テーブル122を作成してもよい。また、制御部11は、反応テーブル121の一部の管理項目に基づいて集計し、分析後テーブル122を作成してもよい。この場合、制御部11は、分析後テーブル122を参照し、ユーザに会話コンテンツを提供する時の天気、季節、または曜日に基づいて、ユーザに提供する会話コンテンツを決定する。
【0040】
反応テーブル121の管理項目は、車内装置2が会話コンテンツに対するユーザの反応を取得した時に、車内に出力されていたラジオの放送内容またはカーステレオの内容を格納する車内音声フィールドを含んでもよい。この場合、情報処理装置1の制御部11は、会話コンテンツまたは車内音声の内容ごとに評価値を集計し、分析後テーブル122を作成してもよい。この場合、制御部11は、分析後テーブル122を参照し、ユーザに会話コンテンツを提供する時の車内音声の内容に基づいて、ユーザに提供する会話コンテンツを決定する。
【0041】
制御部11は抽出されたキーワードに基づき、キーワード評価モデルM2に入力によって評価値を出力するが、評価値の出力方法はこれに限られない。例えば、制御部11は、車内装置2の撮影部が撮影した画像に基づいてユーザの表情を取得し、取得したユーザの表情に基づいて評価値を出力してもよい。また、制御部11は、音声認識部11aが認識した音声に基づいて、ユーザの声の声色又は声音を取得し、取得した声色又は声音に基づいて評価値を出力してもよい。
【0042】
移動体(自動車)に複数のユーザが搭乗している場合、情報処理装置1の制御部11は、それぞれのユーザの属性を取得してもよい。この場合、制御部11は、それぞれのユーザの属性に対して平均評価値が最も高い会話コンテンツを特定し、特定した複数の会話コンテンツの内、平均評価値が最も高い会話コンテンツを、該移動体に搭乗している複数のユーザに提供してもよい。
【0043】
情報処理装置1がユーザに提供するコンテンツは、平均評価値が一番高いものに限られない。例えば、同じユーザが同じ領域を二回通過した場合、情報処理装置1の制御部11は、二回目に該地点を通過した際には、平均評価値が二番目に高い会話コンテンツを該ユーザに提供してもよい。また、情報処理装置1の制御部11は、ある領域で平均評価が一番高い会話コンテンツをユーザに提供後、移動体が一定時間以上同領域に留まっている場合、平均評価値が二番目に高い会話コンテンツを該ユーザに提供してもよい。
【0044】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 情報処理装置
11 制御部
11a 音声認識部
12 記憶部
12a 記録媒体
121 反応テーブル
122 分析後テーブル
13 通信部
2 車内装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入出力I/F
241 マイク
242 スピーカ
25 GPSモジュール
M1 キーワード抽出モデル
M2 キーワード評価モデル
N 外部ネットワーク
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6