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特開2023-184293適応状態判断装置、適応状態判断方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184293
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】適応状態判断装置、適応状態判断方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20231221BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098361
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】中村 慶樹
(72)【発明者】
【氏名】木曽 宏顕
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬が対象に適応しているか否かの判断を支援できる適応状態判断装置を提供する。
【解決手段】適応状態判断装置10は、取得部110及び判断部120を有している。取得部110は、対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する。判断部120は、第1画像を用いて、薬に対する対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する。適応状態情報は、例えば、対象がその薬を摂取しやすいと感じているか否かを示す情報、及び、対象がその薬を摂取することに対して抵抗感があるか否かを示す情報、の少なくとも一方を含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する判断手段と、
を備える適応状態判断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、前記第1画像を処理することにより前記対象が前記薬を摂取するときの表情及び感情の少なくとも一方を分析し、当該分析結果を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、前記適応状態情報として、過去に前記対象が摂取した薬の効果を示す情報を生成する、適応状態判断装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記第1画像は動画であり、
前記判断手段は、前記動画を処理することにより、前記対象が前記薬を摂取するまでに要する時間を算出し、当該時間を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記取得手段は、前記薬を摂取した後の前記対象の画像である第2画像を取得し、
前記判断手段は、さらに前記第2画像を用いて前記適応状態情報の少なくとも一部を生成する、適応状態判断装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記判断手段は、さらに、過去に前記対象が前記薬又は他の薬を摂取した時の前記第1画像又は当該第1画像の処理結果を用いて、前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記取得手段は、さらに、前記対象が前記薬を摂取するときに生成された音声情報を取得し、
前記判断手段は、さらに前記音声情報を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、さらに、前記対象が前記薬を摂取したか否かを判断し、前記対象が前記薬を摂取しなかった場合に所定の処理を実行する、適応状態判断装置。
【請求項9】
コンピュータが、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得し、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
【請求項10】
コンピュータに、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得させ、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応状態判断装置、適応状態判断方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
薬を対象に摂取させることは重要である。例えば特許文献1には、服薬支援及び服薬管理を行う服薬管理システムが、画像データを取得するとともに服薬情報提供文書に記載された特定の服薬情報を読み取り、画像データから得られた情報と情報読取部によって読み取られた特定の服薬情報とを関連付けてエビデンスとして記録することが記載されている。また特許文献1には、服薬管理システムが、介護者が行う補助動作を動画像データとして記録することも記載されている。
【0003】
なお、特許文献2には、投薬中の患者の表情を撮影し、この表情の評価結果に基づいて投薬の内容や投薬量の制御を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-058622号公報
【特許文献2】特開2001-043345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬を対象に摂取させるためには、薬がその対象に適応しているか否かを判断するのが好ましい。しかし、上述したいずれの文献にも、薬が対象に適応しているか否かの判断を支援することについては示唆がない。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、薬が対象に適応しているか否かの判断を支援できる適応状態判断装置、適応状態判断方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する判断手段と、
を備える適応状態判断装置が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、コンピュータが、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得し、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する、適応状態判断方法が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、コンピュータに、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する取得処理と、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する判断処理と、
を行わせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、薬が対象に適応しているか否かの判断を支援できる適応状態判断装置、適応状態判断方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る適応状態判断装置の概要を示す図である。
図2】適応状態判断装置の使用環境を説明するための図である。
図3】適応状態判断装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】履歴記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
図5】適応状態判断装置のハードウェア構成例を示す図である。
図6】適応状態判断装置及び端末が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図7図6のステップS40の第1例を示すフローチャートである。
図8図6のステップS40の第2例を示すフローチャートである。
図9図6の第1の変形例を示すフローチャートである。
図10図6の第2の変形例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る適応状態判断装置の機能構成の一例を示す図である。
図12】第3実施形態に係る適応状態判断装置の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る適応状態判断装置10の概要を示す図である。適応状態判断装置10は、取得部110及び判断部120を有している。取得部110は、対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する。判断部120は、第1画像を用いて、薬に対する対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する。
【0014】
上記した対象は、例えば人又は動物である。この場合、「薬を摂取する」とは、薬を飲みこむことであるが、注射や点滴等により薬を体内に取り込むことであってもよい。なお、上記した対象は、植物であってもよい。この場合、薬は、病気や害虫に対応するための農薬であってもよいし、肥料であってもよい。そして「薬を摂取する」とは、薬や肥料を散布することである。
【0015】
適応状態情報は、例えば、対象がその薬を摂取しやすいと感じているか否かを示す情報、及び、対象がその薬を摂取することに対して抵抗感があるか否かを示す情報、の少なくとも一方を含んでいる。前者の情報は、例えば人や動物がその薬を飲みやすいと感じているか否かを示している。また後者の情報は、例えば人や動物がその薬を苦いと感じているか否かを示している。適応状態情報は、対象がその薬を摂取した時の精神的な反応を示す情報を含んでいてもよい。
【0016】
このように、適応状態判断装置10は、第1画像を用いて適応状態情報を生成する。従って、適応状態判断装置10は、薬が対象に適応しているか否かの判断を支援できる。
【0017】
以下、適応状態判断装置10の詳細例について説明する。以下、上記した対象が人又は動物であり、対象が薬を飲む場合について説明する。このため、以下の説明では「対象」を「対象者」と記載する。
【0018】
図2は、適応状態判断装置10の使用環境を説明するための図である。適応状態判断装置10は、端末20と共に使用される。対象者は、例えば介護施設や病院などの施設の利用者又は在宅介護サービスの利用者であるが、これらに限定されない。端末20は、施設に勤務している人や在宅介護サービスを提供する人、例えば介護士や看護師に操作される。以下、この人を補助者と記載する。
【0019】
補助者は、対象者が飲むべき薬を準備する。薬は、予め、一回ごとに服用する量に個別の包装に分けられている。ここで、対象者が一回に複数種類の薬を服用する必要がある場合、一つの包装にこれら複数の薬が入っていてもよいし、複数の薬が個別に包装されていてもよい。
【0020】
薬の包装には識別マーカが付与されている。この識別マーカの一例はバーコードや二次元コードである。この識別マーカは、その包装に入っている薬及びその量を特定する情報、及びその薬を飲むべき対象者を特定する情報の少なくとも一方を含んでいる。また識別マーカは、対象者及び服薬タイミングの組み合わせ別に生成されていてもよい。また識別マーカは、薬のタイプを特定する情報を含んでいてもよい。ここで「薬のタイプ」は、薬が錠剤、散剤(粉薬)、顆粒剤、及び液剤のいずれであるかを示している。なお、「薬のタイプ」は、さらに、薬を飲みやすくするための工夫の有無、例えば、オブラートやゼリーの使用の有無を含んでいてもよいし、薬を飲むときに水とお湯のどちらを使用したかを示す情報を含んでいてもよい。
【0021】
補助者は、対象者に薬を飲ませる際に、端末20に第1画像を生成させる。第1画像は、対象者が薬を飲むときにこの対象者を撮影することにより生成されている。第1画像は、静止画でもよいし、動画でもよい。また、第1画像は補助者の身体の少なくとも一部を含んでいてもよい。この場合、補助者の身体は、例えば薬の飲み始め及び飲み終わりの少なくとも一方を示すサイン、例えばハンドサインを示していてもよい。
【0022】
第1画像が静止画の場合、第1画像の撮影タイミグは、補助者が対象者に薬を渡した直後、対象者が薬を口に入れる直前、対象者が薬を飲み込んでいる間、及び、対象者が薬を飲み込んだ直後、の少なくとも一つを含んでいる。
【0023】
第1画像が動画の場合、第1画像の撮影開始タイミングは、例えば、補助者が対象者に薬を渡す直前又は渡した直後であり、第1画像の撮影終了タイミングは、対象者が薬を飲み込んだ後である。第1画像の撮影終了タイミングは、対象者が薬を飲み込んだ後、対象者の口内をさらに撮影した後であってもよい。
【0024】
また、第1画像が動画の場合又は複数の静止画を含んでいる場合、動画に含まれる少なくとも一つのフレーム画像、又は少なくとも一つの静止画は、薬の包装に付与された識別マーカを含んでいてもよい。
【0025】
そして補助者は、端末20を用いて第1画像を適応状態判断装置10に送信する。適応状態判断装置10は、端末20から送信された第1画像を用いて適応状態情報を生成する。なお、適応状態判断装置10は複数の端末20と通信することができる。言い換えると、一つの適応状態判断装置10は、複数の補助者に対応することができる。
【0026】
なお、端末20は、第1画像と共に、対象者が飲んだ薬を特定可能な情報も適応状態判断装置10に送信する。以下、この情報を薬情報と記載する。薬情報は、少なくとも、薬及びそのタイプ、並びにその量を特定する情報を含んでいる。薬情報の一例は、例えば上記した識別マーカ又はこの識別マーカをデコードした情報であるが、補助者が端末20に入力した情報、例えばテキスト情報であってもよい。
【0027】
また、適応状態判断装置10は、第1画像を用いて、過去に対象者が摂取した薬の効果を示す情報、例えば前回摂取した薬の効果を示す情報を生成してもよい。
【0028】
また端末20は、第1画像と共に、又は第1画像の送信より前に、補助者を特定可能な情報も適応状態判断装置10に送信する。以下、この情報を補助者特定情報と記載する。補助者特定情報は例えば補助者の生体情報、例えば顔画像、指紋、虹彩などである。補助者特定情報が第1画像より前に送信される場合、この送信タイミングは、例えば、端末20が適応状態判断装置10にアクセスするタイミングである。例えば、端末20は、補助者の生体情報を生成して適応状態判断装置10に送信する。次いで、適応状態判断装置10は、端末20から受信した生体情報を、予め記憶されているマスター生体情報を用いて認証する。
【0029】
また端末20は、必要に応じて、第1画像と共に、対象が前記薬を摂取するときの音声情報を生成し、この音声情報を適応状態判断装置10に送信してもよい。第1画像が動画の場合、端末20は、動画データの一部として音声情報を生成してもよい。
【0030】
また、端末20は、必要に応じて、薬を摂取した後の対象者の画像である第2画像を生成してもよい。第2画像の生成タイミングは、摂取した薬の効果が出ると予想されるタイミングであり、薬によって異なる。第2画像の生成タイミングは、薬を摂取してから所定時間が経過したタイミングであるが、この所定時間は、例えば、1時間以上8時間以下である。端末20は、第1画像とともに、又は第1画像を送信した後に、第2画像を適応状態判断装置10に送信してもよい。後者の場合、端末20は、第2画像を、その第2画像に対応する第1画像を特定可能な情報と共に、適応状態判断装置10に送信する。
【0031】
図3は、適応状態判断装置10の機能構成の一例を示す図である。適応状態判断装置10は、図1に示した取得部110及び判断部120に加えて、履歴記憶部130を有している。なお、履歴記憶部130は適応状態判断装置10の外部に位置していてもよい。
【0032】
取得部110は、端末20が送信した第1画像を取得する。この際、取得部110は、端末20が送信した薬情報も取得する。端末20が適応状態判断装置10に音声情報を送信した場合、取得部110は、この音声情報も取得する。端末20が適応状態判断装置10に第2画像を送信した場合、取得部110は、この第2画像も取得する。
【0033】
また取得部110は、端末20から送信された補助者特定情報も取得する。そして取得部110は、必要に応じて、この補助者特定情報の認証処理、例えば適応状態判断装置10へのログイン処理も行う。
【0034】
そして取得部110は、取得した各情報を履歴記憶部130に記憶させる。
【0035】
判断部120は、第1画像を用いて適応状態情報を生成する。適応状態情報は、図1を用いて説明したように、薬に対する対象の適応状態を示している。判断部120は、第1画像に紐づけて、この第1画像を用いて生成された適応状態情報を履歴記憶部130に記憶させる。この際、判断部120は、第1画像の処理結果も第1画像に紐づけて履歴記憶部130に記憶させる。なお、判断部120は、顔認証により対象者を特定してもよい。この場合、第1画像の処理結果は、対象者の識別情報を含んでいてもよい。
【0036】
判断部120が行う処理の具体例は、以下の(1)~(6)の少なくとも一つである。判断部120は、これらの例の少なとも2つを併用してもよい。
【0037】
(1)判断部120は、第1画像を処理することにより対象者が薬を摂取するときの表情及び感情の少なくとも一方を分析し、当該分析結果を用いて適応状態情報を生成する。例えばこの表情又は感情が否定的な場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。「表情又は感情が否定的」とは、嫌がっている、怒っている、または悲しんでいることであるが、これらに限定されない。一方、この表情又は感情がそれ以外の場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くしない。ここで、この表情又は感情が肯定的な場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を高くしてもよい。「表情又は感情が肯定的」とは、たとえば喜んでいることであるが、これに限定されない。
【0038】
(2)第1画像が動画の場合、判断部120は、この動画を処理することにより、対象者が薬を摂取するまでに要する時間を算出し、当該時間を用いて適応状態情報を生成する。例えば判断部120は、この時間が長くなるにつれて、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。
【0039】
ここで、この時間の始点は、補助者が対象者に薬を渡したとき、対象者が薬を口に含んだとき、補助者が所定の動作を行った時、又は、顔認証が成功したフレーム画像の生成日時である。「顔認証が成功したフレーム画像の生成日時」を用いる理由は、対象者が服薬を嫌がる場合、顔を背けることがあるためである。
【0040】
また、この時間の終点は、例えば、対象者が薬を飲んだ後に口を開けたとき、又は補助者が所定の動作を行った時であるが、これらに限定されない。
【0041】
なお、第1画像が動画の場合、少なくとも2つのフレーム画像それぞれを処理することにより、これらのフレーム画像毎に表情及び感情の少なくとも一方を特定し、これらの差を適応状態情報として用いてもよい。この場合、適応状態情報は、今回対象者が摂取した薬に対する情報となる。例えば服薬後に表情や感情が悪くなった場合、判断部120は、適応状態情報として、今回の薬が対象者に合わないことを示す情報を生成する。また、服薬後に表情や感情が良くなった場合、判断部120は、適応状態情報として、今回の薬が対象者に合っていることを示す情報を生成する。
【0042】
(3)第1画像が、対象者が薬を飲み込んだ後に当該対象者の口内を撮影した画像を含んでいる場合、判断部120は、この画像を処理することにより、対象者の口内に薬が残っているか否かを判断し、この判断結果を用いて適応状態情報を生成してもよい。例えば判断部120は、対象者の口内に薬が残っていた場合、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。
【0043】
(4)判断部120は、今回取得した第1画像を処理することにより、適応状態情報の少なくとも一部として、前回の服薬の効果を示す情報を生成する。例えば判断部120は、対象者の表情、動き、及び姿勢が良かった場合、並びに、対象者の服装の乱れ及び髪の乱れが少ない場合、対象者が前回摂取した薬が有効であったと判断する。一方、判断部120は、対象者の表情、動き、及び姿勢が悪かった場合、並びに、対象者の服装の乱れ及び髪の乱れが多い場合、前回摂取した薬が対象者に合わなかったと判断する。また、第1画像が、対象者に今回の薬を渡す前の画像を含んでいた場合、適応状態判断装置10は、この画像を処理することにより、上記した判断を行ってもよい。
【0044】
なお、判断部120は、今回の対象者を特定する。この特定は、例えば、今回取得した第1画像に含まれる顔画像を用いて行われる。そして判断部120は、履歴記憶部130から、この対象者に紐づけられた情報を読み出す。判断部120が読み出した情報は、過去に同一の対象者が同じ薬又は他の薬を摂取した時の第1画像又は当該第1画像の処理結果を含んでいる。そして判断部120は、履歴記憶部130から読み出した情報を用いて適応状態情報を生成する。
【0045】
例えば判断部120は、今回取得した第1画像における対象者の表情と、履歴記憶部130に記憶されていた第1画像すなわち過去の第1画像における対象者の表情の比較結果を用いて、適応状態情報を算出してもよい。例えば今回の第1画像における対象者の表情が、過去の第1画像における対象者の表情よりも良かった場合、前回取得した薬が対象者にとって有効である可能性が高いため、適応状態情報として、今回対象者が摂取した薬が対象者に合っていることを示す情報を生成する。
【0046】
この際、判断部120は、第1画像に、薬を渡す前の対象者の顔が含まれていた場合、今回の薬を渡す前の対象者の表情と、前回の薬を渡す前の対象者の表情の比較結果を用いてもよい。今回の表情のほうが良かった場合、前回の薬が効いたと推定できるため、判断部120は、前回の薬の適応状態情報を上げる方向に更新する。
【0047】
また判断部120は、まず、今回取得した第1画像に対して、上記した(1)~(3)の少なくとも一つに示した処理を行うことにより、仮の適応状態情報を算出する。また、判断部120は、履歴記憶部130から、今回と同一の薬に対する同一の対象者の適応状態情報を読み出す。
【0048】
そして判断部120は、仮の適応状態情報と、読み出した適応状態情報が同一の傾向を示していた場合、仮の適応状態情報を正式な適応状態情報にする。このようにする理由は、例えばいずれの適応状態情報も適応状態が低いことを示していた場合、適応状態が低い原因が薬である可能性が高いことを示しているためである。
【0049】
一方、判断部120は、仮の適応状態情報と、読み出した適応状態情報が異なる傾向を示していた場合、仮の適応状態情報を、読み出した適応状態情報に近づける方向に修正するか、または、これら2つの傾向が異なったことを示す情報を適応状態情報に加える。このようにする理由は、今回の適応状態情報が示す適応状態が低い場合、適応状態が低い原因が薬以外に起因する可能性があるためである。
【0050】
また判断部120は、仮の適応状態情報を算出した後、今回とは異なる薬に対する同一の対象者の適応状態情報を読み出す。そして判断部120は、仮の適応状態情報と、読み出した適応状態情報が異なる傾向を示していた場合、仮の適応状態情報を正式な適応状態情報にする。このようにする理由は、今回の適応状態が薬に起因する可能性が高いことを示しているためである。一方、仮の適応状態情報と、読み出した適応状態情報がいずれも適応状態が低いことを示していた場合、適応状態情報が低い理由が薬以外にある可能性がある。そこで、判断部120は、仮の適応状態情報を正式な適応状態情報にした上で、この適応状態情報に、適応状態が低い理由が薬以外にある可能性があることを示す情報を含める。
【0051】
(5)端末20が適応状態判断装置10に音声情報を送信した場合、判断部120は、この音声情報を処理した結果を用いて、適応状態情報を生成する。この音声情報には、対象者が発した音声、及び補助者が発した音声の少なくとも一方が含まれる。
【0052】
例えば判断部120は、この音声をテキストデータに変換し、このテキストデータを処理することにより、対象者が発した言葉及び補助者が発した言葉をそれぞれ認識し、これらの認識結果を用いて適応状態情報を生成してもよい。例えば対象者が発した言葉が否定的な内容を含んでいた場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。また補助者が発した言葉が、薬を飲むことを対象者に頻繁に促すことを意味していた場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。
【0053】
また判断部120は、音声情報に含まれる音声のトーンを分析し、この分析結果を用いて適応状態情報を生成してもよい。また、対象者の音声のトーンが高い場合、対象者が元気である可能性が高い。この場合、前回取得した薬が対象者にとって有効である可能性が高いため、判断部120は、適応状態情報を高くする。また、補助者のトーンが高い場合、補助者が対象者に対して繰り返し服薬を促している可能性が高いため、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。
【0054】
また判断部120は、音声情報に対して感情分析を行い、この分析結果を用いて適応状態情報を生成してもよい感情と適応状態の相関は、例えば上記(1)の例で説明した通りである。
【0055】
(6)端末20が適応状態判断装置10に第2画像を送信した場合、判断部120は、第2画像を用いて適応状態情報の少なくとも一部を生成する。ここで生成される適応状態情報は、その薬が対象者の体質に合っているか否か、その薬が想定通りの効果を生んでいるか否か、及び、その薬の副反応が生じているか否か、の少なくとも一つを示している。例えば判断部120は、第2画像を処理することにより、対象者の体調、表情、及び感情の少なくとも一つを分析し、この分析結果を用いて適応状態情報を生成する。例えば対象者が負の感情を持っていたり、対象者の身だしなみ、例えば服や髪が乱れていた場合、判断部120は、対象者の体調が良くないと判断し、その薬の適応状態を低くする。また判断部120は、対象者の表情又は感情が否定的な場合、判断部120は、対象者のその薬に対する適応状態を低くする。
【0056】
そして判断部120は、生成した適応状態情報を、この適応状態情報を生成するときに用いた第1画像に紐づけて、履歴記憶部130に記憶させる。
【0057】
なお、第1画像に薬の包装に付与されたコード情報が含まれていた場合、判断部120は、このコード情報を用いて薬情報を生成してもよい。
【0058】
図4は、履歴記憶部130のデータ構成の一例を示す図である。履歴記憶部130は、対象者別に、氏名、生体情報、及び服薬履歴を記憶している。生体情報の一例は、顔情報であるが、指紋情報や静脈情報など、他の生体情報であってもよい。なお、生体情報は、履歴記憶部130とは異なる記憶部に記憶されていてもよい。履歴記憶部130は、さらに、対象者の識別情報を記憶していてもよい。
【0059】
服薬履歴は、服薬タイミング及び飲んだ薬の情報を含んでいる。ここでの服薬タイミングの一例は、日時である。飲んだ薬の情報は、薬の種類、量、及び薬のタイプを含んでいてもよい。
【0060】
また識別マーカが対象者及び服薬タイミングの組み合わせ別に生成されている場合、飲んだ薬の情報は、その薬の包装に付与されていた識別マーカ又はこれをデコード情報であってもよい。この服薬履歴を用いると、対象者が予め定められたとおりに服薬を行っているか否かを確認できる。
【0061】
服薬履歴は、さらに、適応状態情報、及び補助者を特定可能な情報を含んでいる。これらの情報は、服薬タイミング別に記憶されている。すなわち、これらの情報により、各服薬行為がどの補助者の補助によって行われたかが管理され、かつ、服薬行為別の適応状態情報も管理される。
【0062】
なお、服薬履歴は、さらに、第1画像の少なくとも一部、好ましくは全部を含んでいてもよい。例えば服薬履歴に対象者の顔画像が含まれている場合、適応状態判断装置10は、この顔画像を用いて対象者の体調管理を行うこともできる。また適応状態判断装置10は、対象者別に、その対象者の家族の連絡先を記憶している場合、対象者の状況として、この顔画像を家族の連絡先に送信してもよい。連絡先の一例は、メールアドレス又はSNSのアカウント情報である。
【0063】
また、適応状態判断装置10は、さらに、包装に取り分けられた状態の薬を施設に運んできた人、又は薬を包装した人を特定する情報を、その薬の包装の識別マーカに紐づけて記憶していてもよい。薬を施設に運んできた人の一例は薬局の従業員であり、薬を包装した人の一例は薬剤師である。適応状態判断装置10は、さらに、包装された薬を施設が受け入れる場合、薬を施設に運んできた人、又は薬を包装した人の認証処理を行ってもよい。
【0064】
図5は、適応状態判断装置10のハードウェア構成例を示す図である。適応状態判断装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0065】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0066】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0067】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0068】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置であり、記録媒体を有している。ストレージデバイス1040の記録媒体は適応状態判断装置10の各機能(例えば取得部110及び判断部120)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は履歴記憶部130としても機能する。
【0069】
入出力インタフェース1050は、適応状態判断装置10と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0070】
ネットワークインタフェース1060は、適応状態判断装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。適応状態判断装置10は、例えばネットワークインタフェース1060を介して端末20と通信する。
【0071】
図6は、適応状態判断装置10及び端末20が行う処理の一例を示すフローチャートである。本図に示す処理の前に、適応状態判断装置10及び端末20は、予め、補助者の認証処理を行っている。この処理の一例は適応状態判断装置10へのログイン処理であり、例えば、以下のように行われる。まず、端末20は、補助者の生体情報を生成して適応状態判断装置10に送信する。次いで、適応状態判断装置10は、端末20から受信した生体情報を、マスター生体情報を用いて認証する。
【0072】
その後、補助者は、対象者に薬を飲ませる。例えば補助者は、その対象者がそのタイミング、例えば朝、昼、又は夜に飲むべき薬の包装を取り出し、この包装から薬を取り出す。そして補助者は、その薬を対象者に服用させる。対象者が薬を服用する際に、補助者は、端末20を操作して第1画像を生成する(ステップS10)。そして端末20は、この第1画像を、その生成日時と共に端末20に送信する。この際、端末20は、対象者が飲んだ薬を特定可能な情報すなわち薬情報も送信する。この薬情報は、第1画像に含まれている包装のコード情報であってもよいし、補助者が端末20に入力した情報であってもよい(ステップS20)。
【0073】
適応状態判断装置10の取得部110は、この第1画像、生成日時、及び薬情報を取得する(ステップS30)。この際、適応状態判断装置10及び端末20は予め補助者の認証処理を行っているため、適応状態判断装置10は、ステップS10で送信されてきた第1画像の送信元となる端末20すなわち補助者を特定できる。次いで適応状態判断装置10の判断部120は、ステップS30で取得された第1画像を用いて、適応状態情報の生成処理を行う(ステップS40)。
【0074】
図7は、図6のステップS40の第1例を示すフローチャートである。第1画像は、対象者の顔情報を含んでいる。そして適応状態判断装置10は、この顔画像を用いて対象者を特定する。
【0075】
判断部120は、第1画像に含まれる顔情報を認識し(ステップS110)、この顔情報を用いて、薬を飲んだ対象者を特定する(ステップS120)。ここで第1画像が対象者を撮影した動画である場合、判断部120は、動画に含まれるフレーム画像のうち顔の特徴量が最も多いフレーム画像を選択し、このフレーム画像を処理することにより顔情報を生成してもよい。
【0076】
そして判断部120は、第1画像を用いて適応状態情報を生成する。適応状態情報の生成処理の具体例は、図3を用いて説明した通りである(ステップS130)。
【0077】
そして判断部120は、履歴記憶部130のうちこの対象者に関する服薬履歴を更新する。具体的には、判断部120は、服薬タイミングとして第1画像の生成日時を記憶させ、かつ、この服薬タイミングに紐づけて、少なくとも薬情報、適応状態情報、及び補助者を特定する情報を履歴記憶部130に記憶させる(ステップS140)。ここで判断部120は、薬情報を、テキスト形式で履歴記憶部130に記憶させる。判断部120は、端末20が薬情報として、薬の包装に付与されたコード情報を送信してきた場合、このコード情報をテキスト形式の情報に変換する。
【0078】
ここで判断部120は、必要に応じて、この第1画像を履歴記憶部130に記憶させてもよい。
【0079】
なお、第1画像は、端末20ではなく固定カメラ、例えば監視カメラを用いて生成されていてもよい。この場合、適応状態判断装置10は、固定カメラが生成した第1画像を、その固定カメラの識別子とともに取得する。また、履歴記憶部130は、施設別に、その施設に設置されている固定カメラの識別子及びその施設で働いている補助者の補助者情報を記憶している。さらに履歴記憶部130は、施設別にその施設を利用している対象者の対象者情報を記憶している。そして判断部120は、履歴記憶部130を用いて、第1画像が生成された施設を特定するとともに、その施設に対応する補助者及び対象者を特定する。その後に適応状態判断装置10が行う処理は、上記した通りである。
【0080】
また第1画像は、対象者が薬を飲んだ後にその対象者の口内を撮影した画像を含んでいてもよい。以下、この画像を口内画像と記載する。そして判断部120は、第1画像に含まれている顔情報を処理することにより、口内画像がどの対象者に対応するかを特定できる。なお、端末20は、口内画像を撮影する際、撮影範囲に口内が存在することを認識すると、照明を明るくしてもよい。このようにすると、端末20は、明瞭な口内画像を生成できる。
【0081】
そして判断部120は、口を開けた状態の顔画像又は口内画像を処理することにより、口内に薬が残っているか否かを検知し、残っていない場合、服薬が完了したと判断し、服薬履歴を更新する。なお、これらの処理は行われなくてもよい。
【0082】
また判断部120は、口を開けた状態の顔画像又は口内画像を履歴記憶部130に記憶させてもよい。このようにすると、対象者の口内で薬が滞留していなかったこと、すなわち対象者が口の中の薬を飲んだことを事後的に確認できる。
【0083】
口内画像が用いられる場合、判断部120は、第1画像の生成開始から、口内画像の生成までの時間差が基準時間以下であることを、服薬が完了したと判断するための必要条件にしてもよい。ここで、基準時間の一例は1分であるが、これより長くてもよいし、短くてもよい。また、判断部120は、顔画像を用いて対象者を特定した後に、端末20に、口内画像を要求してもよい。この場合、口内画像を要求してから口内画像が送られてくるまでの時間が基準時間以下であることを、服薬が完了したと判断するための必要条件にしてもよい。この基準時間の一例も1分であるが、これより長くてもよいし、短くてもよい。
【0084】
また、口内画像は動画であってもよい。この場合、判断部120は、動画を構成するフレーム画像のうち、口内であることを示す特徴量が多いフレーム画像を処理対象として選択してもよい。
【0085】
図8は、図6のステップS40の第2例を示すフローチャートである。本図に示す例は、以下の点を除いて、図7に示した第1例と同様である。
【0086】
判断部120は、対象者を特定した(ステップS120)後、対象者が薬を実際に飲んだか否かを判断する(ステップS122)。判断部120は、例えば、図7を用いて説明したように、口を開けた状態の顔画像又は口内画像を用いてこの処理を行ってもよい。また、補助者が端末20に薬を飲んだか否かを示す情報を入力し、端末20がこの情報を適応状態判断装置10に送信してもよい。この場合、判断部120は、この情報を用いて、対象者が薬を実際に飲んだか否かを判断する。
【0087】
対象者が薬を実際に飲んでいない場合(ステップS122:No)、判断部120は、所定の処理を実行する(ステップS124)。所定の処理の一例は、端末20にこのことを示す情報、例えばアラート情報を送信することである。端末20は、この情報を受信すると、対象者が薬を実際に飲んでいないことを示す出力、例えば表示を行う。
【0088】
またステップS140において、判断部120は、対象者が薬を実際に飲んだか否かを示す摂取履歴情報を、薬情報の一部として履歴記憶部130に記憶させる。なお、対象者が薬を実際に飲まなかったことは、対象者が薬を飲むことを拒絶したことを意味している。
【0089】
その後、判断部120は、対象者が同じ薬又は他の薬を新たに摂取する際、この対象者の摂取履歴情報が所定の条件を満たしたときに、当該摂取履歴情報に関する情報を出力する。出力先は、例えば端末20である。
【0090】
所定の条件は、例えば以下の(a)~(d)の少なくとも一つである。
(a)薬の種類によらず、現在から所定期間前までの間に、薬を飲まなかったことが基準回数以上生じている。基準回数は1回でもよいし複数回でもよい。
(b)薬の種類によらず、一つ前の服薬タイミングで薬を飲まなかった。
(c)今回と同じ薬を飲まなかったことが基準回数以上生じている。これは、現在から所定期間前までの間に絞ってカウントされてもよい。基準回数は1回でもよいし複数回でもよい。
(d)今回と同じ薬を与えられた服薬タイミングのうち最新の服薬タイミングにおいて、この薬を飲まなかった。
【0091】
また、出力される情報は、例えば、対象者が今回の服薬を嫌がる可能性があることを示している。このようにすると、補助者は、今回の服薬において注意が必要であることを認識できる。
【0092】
図9は、図6の第1の変形例を示すフローチャートである。本図に示す例は、以下の点を除いて、図6に示した例と同様である。
【0093】
まず端末20は第1画像の他に音声情報を生成して(ステップS12)、この音声情報を第1画像と共に適応状態判断装置10に送信する(ステップS22)。
【0094】
そして適応状態判断装置10の判断部120は、適応状態情報を生成する(ステップS40)際に、第1画像に加えてこの音声情報を用いる。ここで行われる処理の詳細は、図3を用いて説明した通りである。
【0095】
図10は、図6の第2の変形例を示すフローチャートである。本図に示す例は、以下の点を除いて、図6に示した例と同様である。
【0096】
まず端末20は第1画像の他に第2画像を生成して(ステップS12)、この第2画像を第1画像と共に適応状態判断装置10に送信する(ステップS22)。なお、第1画像及び第2画像がいずれも動画の場合、第1画像と第2画像は連続していてもよい。
【0097】
そして適応状態判断装置10の判断部120は、適応状態情報を生成する(ステップS40)際に、第1画像に加えて第2画像を用いる。ここで行われる処理の詳細は、図3を用いて説明した通りである。
【0098】
なお、本図において、図9に示した音声情報をさらに用いてもよい。
【0099】
また、端末20は、第2画像を、第1画像とは異なるタイミング、例えば第1画像よりも後のタイミングで適応状態判断装置10に送信してもよい。この場合、適応状態判断装置10は、第1画像を用いた処理とは異なるタイミングで、第2画像を用いた処理を行う。
【0100】
以上、本実施形態によれば、適応状態判断装置10の判断部120は、第1画像を処理することにより、適応状態情報を生成する。適応状態情報は、例えば、対象がその薬を摂取することに対して抵抗感があるか否かを示す情報を含んでいる。従って、適応状態判断装置10は、薬が対象者に適応しているか否かの判断を支援できる。
【0101】
そして補助者は、薬に対する適応状態情報が低かった場合、その薬のタイプを変えたり、薬そのものを他の薬に変えることができる。このようにすると、対象者が服薬を嫌がる可能性は低くなる。
【0102】
また本実施形態によれば、判断部120は、薬を摂取した後の対象者の画像である第2画像を処理することにより、適応状態情報の少なくとも一部を生成する。ここで生成される適応状態情報は、その薬が対象者の体質に合っているか否か、その薬が想定通りの効果を生んでいるか否か、及び、その薬の副反応が生じているか否か、の少なくとも一つを示している。このため、補助者は、適応状態情報を確認することにより、薬の種類を変えたほうが良いか否かを判断できる。
【0103】
(第2実施形態)
図11は、本実施形態に係る適応状態判断装置10の機能構成の一例を示す図であり、第1実施形態の図3に相当している。本実施形態に係る適応状態判断装置10は、推奨情報生成部140を有している点を除いて、第1実施形態に係る適応状態判断装置10と同様である。
【0104】
推奨情報生成部140は、適応状態情報を用いて対象が摂取すべき薬に関する情報を生成し、例えば端末20に送信する。以下、この情報を推奨情報と記載する。推奨情報は、例えば薬のタイプを含んでいる。
【0105】
一例として、推奨情報生成部140は、薬の種類別に、その薬がとり得る薬のタイプを記憶している。図2を用いて説明したように、「薬のタイプ」は、薬が錠剤、散剤(粉薬)、顆粒剤、及び液剤のいずれであるか、ということの他に、薬を飲みやすくするための工夫の有無、例えば、オブラートやゼリーの使用の有無、及び水とお湯のどちらを使用したかを示す情報も含んでいる。また推奨情報生成部140は、薬のタイプ別に飲みやすさを示す情報を記憶している。そして推奨情報生成部140は、適応状態情報が低かった場合、まず、今回の薬のタイプを特定する。そして推奨情報生成部140は、今回の薬がとり得るタイプのうち、今回のタイプよりも飲みやすいタイプがあるか否かを確認する。そして推奨情報生成部140は、今回のタイプよりも飲みやすいタイプがある場合、このタイプを推奨する情報を端末20に送信する。
【0106】
また推奨情報生成部140は、効能の面で互いに互換性のある薬がある場合、この互換性を示す情報を記憶していてもよい。この場合、推奨情報生成部140は、適応状態情報が低かった場合、今回の薬と互換性のある薬を特定し、特定した薬を示す情報を推奨情報の少なくとも一部として端末20に送信してもよい。
【0107】
本実施形態によれば、適応状態判断装置10は、適応状態情報を用いて推奨情報を出力する。従って、補助者の負担は小さくなる。
【0108】
(第3実施形態)
図12は、本実施形態に係る適応状態判断装置10の機能構成の一例を示す図であり、第2実施形態の図11に相当している。本実施形態に係る適応状態判断装置10は、データ生成部150を有している点を除いて、第2実施形態に係る適応状態判断装置10と同様である。なお、本実施形態においても、適応状態判断装置10は推奨情報生成部140を有していなくてもよい。
【0109】
データ生成部150は履歴記憶部130が記憶している情報を統計処理する。
【0110】
例えばデータ生成部150は、対象者別に、履歴記憶部130が記憶している適応状態情報の履歴を処理することにより、その対象者の状態に関する情報、及びその状態の傾向を示す情報の少なくとも一方を生成してもよい。
【0111】
例えばデータ生成部150は、所定期間(例えば1週間以上1か月以内)の適応状態情報を統計処理することにより、対象者の状態を推定してもよい。この統計処理の一例は、状態別に頻度を算出する処理である。ここで、データ生成部150は、最頻値となる状態を特定してもよい。この統計処理を行うと、精度よく対象者の状態を推定できる。
【0112】
またデータ生成部150は、所定期間(例えば1週間以上1か月以内)の適応状態情報の変化をみることにより、対象者の状態の変化を推定してもよい。この変化は、例えば対象者の状態が良くなっているか否かを示している。
【0113】
また、データ生成部150は、対象者別に、適応状態情報と補助者の相関を示す相関情報を生成する。この相関情報の一例は、対象者別かつ補助者別の、適応状態情報の統計処理結果である。統計処理結果は、例えば平均及び最頻値の少なくとも一方であるが、これらに限定されない。例えばある対象者において、薬の種類によらず、特定の補助者に補助してもらった時の適応状態情報が、他の補助者に補助してもらった時の適応状態情報よりも低かった場合、その特定の補助者とその対象者の相性が悪い、と推定される。この場合、補助者の管理者は、その対象者を担当する補助者から当該特定の補助者を外すことを検討できる。
【0114】
なお、データ生成部150は、ある対象者において、薬の種類によらず、特定の補助者に補助してもらった時の適応状態情報が低いことが基準回数以上あった場合、その特定の補助者とその対象者の相性が悪い、と推定してもよい。ここでの基準回数は、1回でもよいし、複数回であってもよい。
【0115】
またデータ生成部150は、補助者別に、適応状態情報を統計処理してもよい。この統計処理において、対象者及び薬の種類は考慮されない。統計処理結果は、例えば平均及び最頻値の少なくとも一方であるが、これらに限定されない。この統計処理において、ある補助者の平均及び最頻値が、他の補助者の平均及び最頻値よりも低かった場合、その補助者に問題がある可能性が出てくる。この場合、この補助者の管理者は、その補助者に指導を行うことを検討できる。
【0116】
なお、データ生成部150は、例えば製薬会社、病院、薬局、及び対象者が利用している施設の少なくとも一つに、履歴記憶部130が記憶している情報及びこの情報を統計処理した結果の少なくとも一方を提供してもよい。例えばデータ生成部150は、薬の種類別に適応状態情報を統計処理し、この統計処理の結果を製薬会社に提供してもよい。この際、統計処理の対象となる情報は、特定の対象者に絞られず、複数の対象者に関する情報になる。またデータ生成部150は、対象者別かつ薬別に適応状態情報を統計処理し、この統計処理の結果を、病院、薬局、及び対象者が利用している施設の少なくとも一つに提供してもよい。
【0117】
以上、本実施形態によれば、適応状態判断装置10のデータ生成部150は、履歴記憶部130が記憶している適応状態情報を処理することにより、様々な情報を生成する。従って、履歴記憶部130が記憶している情報の価値は高まる。
【0118】
(第4実施形態)
本実施形態に係る適応状態判断装置10は、以下の点を除いて、第1~第3の実施形態に係る適応状態判断装置10のいずれかと同様である。
【0119】
まず取得部110は、対象者が薬を飲む前に、対象者及び薬を特定する情報を取得する。以下、この情報を事前情報と記載する。事前情報の具体例は、第1画像と同様であるが、薬が服用される前に撮影されている点が、第1画像と異なる。例えば事前情報は、薬の包装を撮影した画像及び包装に付与された識別マーカのデコード情報の少なくとも一方、並びに対象者の生体情報を含んでいる。
【0120】
そして判断部120は、事前情報を取得してから所定時間が経過するまでに第1画像を取得することを、適応状態情報の算出処理を行うための条件とする。事前情報を取得してから第1画像を取得するまでの時間が長すぎる場合、補助者は、事前画像を送信した後、対象者に薬を飲ませるまでに他の作業を行っている可能性がある。この場合、対象者が薬の誤飲をする可能性が高まってしまう。本実施形態によれば、この誤飲が生じている可能性があることを補助者に認識させることができる。
【0121】
なお、適応状態判断装置10の取得部110は、事前情報を取得した後、端末20の位置すなわち補助者の位置を繰り返し端末20から取得してもよい。そして判断部120は、この位置が基準値以上変わっていないことを、適応状態情報の算出処理を行うための条件に加えてもよい。端末20の位置が基準値以上変わっている場合、補助者は、事前情報を送信した後、他の対象者に対応していた可能性があるためである。この場合、補助者は、薬を間違えたり、薬を飲ませるべき対象者を間違えたりする可能性が出てくる。
【0122】
なお、適応状態判断装置10の代わりに端末20が、端末20の位置が基準値以上変わっていないことの確認を行ってもよい。
【0123】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0124】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0125】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する判断手段と、
を備える適応状態判断装置。
2.上記1に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、前記第1画像を処理することにより前記対象が前記薬を摂取するときの表情及び感情の少なくとも一方を分析し、当該分析結果を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
3.上記1又は2に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、前記適応状態情報として、過去に前記対象が摂取した薬の効果を示す情報を生成する、適応状態判断装置。
4.上記1~3のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記第1画像は動画であり、
前記判断手段は、前記動画を処理することにより、前記対象が前記薬を摂取するまでに要する時間を算出し、当該時間を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
5.上記1~4のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記取得手段は、前記薬を摂取した後の前記対象の画像である第2画像を取得し、
前記判断手段は、さらに前記第2画像を用いて前記適応状態情報の少なくとも一部を生成する、適応状態判断装置。
6.上記1~5のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記薬は経口投与されており、
前記第1画像は、前記対象が前記薬を摂取した後に当該対象の口内を撮影した画像を含む、適応状態判断装置。
7.上記1~6のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記判断手段は、さらに、過去に前記対象が前記薬又は他の薬を摂取した時の前記第1画像又は当該第1画像の処理結果を用いて、前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
8.上記1~7のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記取得手段は、さらに、前記対象が前記薬を摂取するときに生成された音声情報を取得し、
前記判断手段は、さらに前記音声情報を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断装置。
9.上記1~8のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記適応状態情報を用いて前記対象が摂取すべき薬に関する情報である推奨情報を生成する推奨情報生成手段をさらに備える、適応状態判断装置。
10.上記9に記載の適応状態判断装置において、
前記推奨情報は、前記薬のタイプを含む、適応状態判断装置。
11.上記1~10のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記判断手段は、前記適応状態情報を、前記対象、及び、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者の組み合わせに紐づけて記憶手段に記憶させ、
さらに、前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記対象別に、前記適応状態情報と前記補助者の相関を示す相関情報を生成するデータ処理手段を備える、適応状態判断装置。
12.上記1~11のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記判断手段は、前記適応状態情報を、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者に紐づけて記憶手段に記憶させ、
さらに、前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記補助者別に、前記適応状態情報の統計情報を生成するデータ処理手段を備える、適応状態判断装置。
13.上記1~12のいずれか一項に記載の適応状態判断装置において、
前記対象は人又は動物であり、
前記判断手段は、さらに、前記対象が前記薬を摂取したか否かを判断し、前記対象が前記薬を摂取しなかった場合に所定の処理を実行する、適応状態判断装置。
14.上記13に記載の適応状態判断装置において、
前記判断手段は、
前記対象が前記薬を摂取したか否かを示す摂取履歴情報を記憶手段に記憶させ、
前記対象が新たに前記薬又は他の薬を摂取する際に、当該対象の前記摂取履歴情報が所定の条件を満たしたときに、当該摂取履歴情報に関する情報を出力する、適応状態判断装置。
15.コンピュータが、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得し、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
16.上記15に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータは、前記第1画像を処理することにより前記対象が前記薬を摂取するときの表情及び感情の少なくとも一方を分析し、当該分析結果を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
17.上記15又は16に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータは、前記適応状態情報として、過去に前記対象が摂取した薬の効果を示す情報を生成する、適応状態判断方法。
18.上記15~17のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記第1画像は動画であり、
前記コンピュータは、前記動画を処理することにより、前記対象が前記薬を摂取するまでに要する時間を算出し、当該時間を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
19.上記15~18のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記コンピュータは、
前記薬を摂取した後の前記対象の画像である第2画像を取得し、
さらに前記第2画像を用いて前記適応状態情報の少なくとも一部を生成する、適応状態判断方法。
20.上記15~19のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記薬は経口投与されており、
前記第1画像は、前記対象が前記薬を摂取した後に当該対象の口内を撮影した画像を含む、適応状態判断方法。
21.上記15~20のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記コンピュータは、さらに、過去に前記対象が前記薬又は他の薬を摂取した時の前記第1画像又は当該第1画像の処理結果を用いて、前記適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
22.上記15~21のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータは、
さらに、前記対象が前記薬を摂取するときに生成された音声情報を取得し、
さらに前記音声情報を用いて前記適応状態情報を生成する、適応状態判断方法。
23.上記15~22のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記コンピュータは、前記適応状態情報を用いて前記対象が摂取すべき薬に関する情報である推奨情報を生成する、適応状態判断方法。
24.上記23に記載の適応状態判断方法において、
前記推奨情報は、前記薬のタイプを含む、適応状態判断方法。
25.上記15~24のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記コンピュータは、
前記適応状態情報を、前記対象、及び、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者の組み合わせに紐づけて記憶手段に記憶させ、
さらに、前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記対象別に、前記適応状態情報と前記補助者の相関を示す相関情報を生成する、適応状態判断方法。
26.上記15~25のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記コンピュータは、
前記適応状態情報を、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者に紐づけて記憶手段に記憶させ、
さらに、前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記補助者別に、前記適応状態情報の統計情報を生成する、適応状態判断方法。
27.上記15~26のいずれか一項に記載の適応状態判断方法において、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータは、さらに、前記対象が前記薬を摂取したか否かを判断し、前記対象が前記薬を摂取しなかった場合に所定の処理を実行する、適応状態判断方法。
28.上記27に記載の適応状態判断方法において、
前記コンピュータは、
前記対象が前記薬を摂取したか否かを示す摂取履歴情報を記憶手段に記憶させ、
前記対象が新たに前記薬又は他の薬を摂取する際に、当該対象の前記摂取履歴情報が所定の条件を満たしたときに、当該摂取履歴情報に関する情報を出力する、適応状態判断方法。
29.コンピュータに、
対象が薬を摂取するときの画像である第1画像を取得させ、
前記第1画像を用いて、前記薬に対する前記対象の適応状態を示す適応状態情報を生成させるプログラム。
30.上記29に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータに、前記第1画像を処理することにより前記対象が前記薬を摂取するときの表情及び感情の少なくとも一方を分析させ、当該分析結果を用いて前記適応状態情報を生成させる、プログラム。
31.上記29又は30に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータに、前記適応状態情報として、過去に前記対象が摂取した薬の効果を示す情報を生成させる、プログラム。
32.上記29~31のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記第1画像は動画であり、
前記コンピュータに、前記動画を処理することにより、前記対象が前記薬を摂取するまでに要する時間を算出させ、当該時間を用いて前記適応状態情報を生成させる、プログラム。
33.上記29~32のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記薬を摂取した後の前記対象の画像である第2画像を取得させ、
さらに前記第2画像を用いて前記適応状態情報の少なくとも一部を生成させる、プログラム。
34.上記29~33のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記薬は経口投与されており、
前記第1画像は、前記対象が前記薬を摂取した後に当該対象の口内を撮影した画像を含む、プログラム。
35.上記29~34のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、さらに、過去に前記対象が前記薬又は他の薬を摂取した時の前記第1画像又は当該第1画像の処理結果を用いて、前記適応状態情報を生成させる、プログラム。
36.上記29~35のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータに、
さらに、前記対象が前記薬を摂取するときに生成された音声情報を取得させ、
さらに前記音声情報を用いて前記適応状態情報を生成させる、プログラム。
37.上記29~36のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記適応状態情報を用いて前記対象が摂取すべき薬に関する情報である推奨情報を生成させる、プログラム。
38.上記37に記載のプログラムにおいて、
前記推奨情報は、前記薬のタイプを含む、プログラム。
39.上記29~38のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記コンピュータに、
前記適応状態情報を、前記対象、及び、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者の組み合わせに紐づけて記憶手段に記憶させる処理を行わせ、
前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記対象別に、前記適応状態情報と前記補助者の相関を示す相関情報を生成させる、プログラム。
40.上記29~39のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象が前記薬を摂取するときには補助者が前記対象についており、
前記コンピュータに、
前記適応状態情報を、前記対象が前記薬を摂取した時の前記補助者に紐づけて記憶手段に記憶させる処理を行わせ、
前記記憶手段が記憶している情報を用いて、前記補助者別に、前記適応状態情報の統計情報を生成させる、プログラム。
41.上記29~40のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記対象は人又は動物であり、
前記コンピュータに、さらに、前記対象が前記薬を摂取したか否かを判断させ、前記対象が前記薬を摂取しなかった場合に所定の処理を実行させる、プログラム。
42.上記41に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記対象が前記薬を摂取したか否かを示す摂取履歴情報を記憶手段に記憶させる処理を行わせ、
前記対象が新たに前記薬又は他の薬を摂取する際に、当該対象の前記摂取履歴情報が所定の条件を満たしたときに、当該摂取履歴情報に関する情報を出力させる、プログラム。
43.上記29~42のいずれか一項に記載のプログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0126】
10 適応状態判断装置
20 端末
110 取得部
120 判断部
130 履歴記憶部
140 推奨情報生成部
150 データ生成部
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