(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184305
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】袖折り畳み装置とその袖折り畳み装置を有する布類折り畳み装置
(51)【国際特許分類】
D06F 89/02 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
D06F89/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098375
(22)【出願日】2022-06-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 祐介
(72)【発明者】
【氏名】小島 春生
(57)【要約】
【課題】
布類の袖部分の折り畳みを良好にする袖折り畳み装置と、その袖折り畳み装置を有する布類折り畳み装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
袖折り畳み装置は、右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、右袖搬送部によって搬送される右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、左袖搬送部によって搬送される左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖を搬送する右袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖を搬送する左袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖搬送部によって搬送される前記右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖搬送部によって搬送される前記左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有する袖折り畳み装置。
【請求項2】
右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖を搬送する右袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖を搬送する左袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖搬送部によって搬送される前記右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖搬送部によって搬送される前記左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、
前記右袖ガイド部は、当該搬送部の下方においてその右側から内方に移動する右袖ガイド補助部と、を有し、
前記左袖ガイド部は、当該搬送部の下方においてその左側から内方に移動する左袖ガイド補助部と、を有し、
前記右袖ガイド補助部は、前記右袖を折りたたみ、
前記左袖ガイド補助部は、前記左袖をおりたたむ袖折り畳み装置。
【請求項3】
右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖を搬送する右袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖を搬送する左袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、当該搬送部の右側から内方に傾斜する右傾斜部を具備する前記右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、
前記搬送部の下方に配置され、当該搬送部の左側から内方に傾斜する左傾斜部を具備する前記左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、
前記搬送部で前記布類を前方から後方に搬送したときに、
前記右袖は、前記右袖ガイド部における右傾斜部によって、前記右袖を折りたたみ、前記右袖搬送部は、当該右袖を前方から後方に搬送し、
前記左袖は、前記左袖ガイド部における左傾斜部によって、前記左袖を折りたたみ、前記左袖搬送部は、当該左袖を前方から後方に搬送する袖折り畳み装置。
【請求項4】
右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖を搬送する右袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖を搬送する左袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、当該搬送部の右側から内方に傾斜する右傾斜部を具備する前記右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、
前記搬送部の下方に配置され、当該搬送部の左側から内方に傾斜する左傾斜部を具備する前記左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、
前記右袖搬送部は、周回するベルトからなる右ベルト部と、
前記左袖搬送部は、周回するベルトからなる左ベルト部と、をさらに有し、
前記搬送部で前記布類を前方から後方に搬送したときに、
前記右袖ガイド部における右傾斜部は、前記右袖を折りたたみ、かつ、前記右ベルト部は、当該右袖を前方から後方に搬送し、
前記左袖ガイド部における左傾斜部は、前記左袖を折りたたみ、かつ、前記左ベルト部は、当該左袖を前方から後方に搬送する袖折り畳み装置。
【請求項5】
袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖を搬送する右袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖を搬送する左袖搬送部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記右袖搬送部によって搬送される前記右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、
前記搬送部の下方に配置され、前記左袖搬送部によって搬送される前記左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、
前記右袖ガイド部は、前記右袖を吹き付ける右噴射部と、
前記左袖ガイド部は、前記左袖を吹き付ける左噴射部と、を有する袖折り畳み装置。
【請求項6】
前記請求項1から5のいずれかに記載の袖折り畳み装置と、を有する布類折り畳み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の袖をおりたたむ袖折り畳み装置とその袖折り畳み装置を有する布類折り畳み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるリネンサプライ業では、ホテルや病院などで使用される衣類例えば、ガウンや浴衣を回収し、洗濯し、乾燥し、アイロン掛けした上で折りたたみ、上記ホテルや病院などの顧客先へ配送するサービスが繰り返される。
【0003】
その場合にその顧客の要望によって、その衣類が折りたたまれるが、最初にその衣類の袖部分を折りたたむ必要がある。
【0004】
このような装置として、特開2009-213554号公報が開示されている。上記公報の段落0069の記載によれば、「袖送りベルト46、46は、衣類Zの胴部Zaが滑り板31上を滑動する際(第3コンベア13の駆動時)に、袖付け根付近が滑り板31の各側縁で折り曲げられていても(滑り板側縁部での摩擦抵抗が大きい)、該各袖付け根付近も衣類胴部Zaとともに強制的に後送でき、衣類全体をスムーズに(変形しないで)移送できるようになる。」というものである。
【0005】
上記装置において、その後の衣類の袖を折りたたむ袖折装置3においては、段落0063及び0064に記載されている通り、「袖折り装置3は、
図6及び
図7に示すように、滑り板31下面の後半側に、左袖を折畳むための左袖折りベルト32と右袖を折畳むための右袖折りベルト34とを有している。尚、この実施例では、左袖折りベルト32が第3コンベア13による搬送方向の前側で右袖折りベルト34が該搬送方向の後側に位置している。右袖折りベルト34は、載せ板35の下面近傍位置において、前部側が右側から左側に後退傾斜する姿勢で設置されている。又、この右袖折りベルト34側の載せ板35の前縁部分も、該右袖折りベルト34の後退傾斜部分より僅かに後方位置で該ベルト後退傾斜部分と同傾斜で後退傾斜している。尚、右袖折りベルト34は、図示しないモータによってベルト後退傾斜部分が右から左に走行するように駆動される。」というものであり、袖部分は、載せ板35の前縁部分における後退傾斜している部分に接触することによって、内側に折りたたまれるというものである。
【0006】
しかしながら、衣類である布類の袖部分を折りたたもうとするときに、その袖部分が絞りこまれようとすることで、その袖部分がコンベアの側面と接触し、その摩擦力により袖の付け根部分がよじれるようになり、袖部分の折り畳みの品質、ひいては布類の折り畳み品質が悪化する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、布類の袖部分の折り畳みを良好にする袖折り畳み装置とその袖折り畳み装置を有する布類折り畳み装置を提供することを目的とする。
【0009】
前記の課題を解決するために、第1観点の袖折り畳み装置は、右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、右袖搬送部によって搬送される右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、左袖搬送部によって搬送される左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有するというものである。
【0010】
前記の課題を解決するために、第2観点の袖折り畳み装置は、右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、右袖搬送部によって搬送される右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、左袖搬送部によって搬送される左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、右袖ガイド部は、当該搬送部の下方においてその右側から内方に移動する右袖ガイド補助部と、を有し、左袖ガイド部は、当該搬送部の下方においてその左側から内方に移動する左袖ガイド補助部と、を有し、右袖ガイド補助部は、右袖をおりたたたみ、左袖ガイド補助部は、左袖をおりたたむというものである。
【0011】
前記の課題を解決するために、第3観点の袖折り畳み装置は、右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、当該搬送部の右側から内方に傾斜する右傾斜部を具備する右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、当該搬送部の左側から内方に傾斜する左傾斜部を具備する左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、搬送部で布類を前方から後方に搬送したときに、右袖は、前記右袖ガイド部における右傾斜部によって、右袖を折りたたみ、前記右袖搬送部は、当該右袖を前方から後方に搬送し、左袖は、左袖ガイド部における左傾斜部によって、左袖を折りたたみ、左袖搬送部は、当該左袖を前方から後方に搬送するというものである。
【0012】
前記の課題を解決するために、第4観点の袖折り畳み装置は、右袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、当該搬送部の右側から内方に傾斜する右傾斜部を具備する右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、当該搬送部の左側から内方に傾斜する左傾斜部を具備する左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、右袖搬送部は、周回するベルトからなる右ベルト部と、左袖搬送部は、周回するベルトからなる左ベルト部と、をさらに有し、搬送部で布類を前方から後方に搬送したときに、右袖ガイド部における右傾斜部は、右袖を折りたたみ、かつ、右ベルト部は、当該右袖を前方から後方に搬送し、左袖ガイド部における左傾斜部は、左袖を折りたたみ、かつ、左ベルト部は、当該左袖を前方から後方に搬送するというものである。
【0013】
前記の課題を解決するために、第5観点の袖折り畳み装置は、袖と左袖を具備する布類を搬送部によって前方から後方に搬送するときに、搬送部の下方に配置され、右袖を搬送する右袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、左袖を搬送する左袖搬送部と、搬送部の下方に配置され、右袖搬送部によって搬送される右袖を折りたたむ右袖ガイド部と、搬送部の下方に配置され、左袖搬送部によって搬送される左袖を折りたたむ左袖ガイド部と、を有し、右袖ガイド部は、右袖を吹き付ける右噴射部と、左袖ガイド部は、左袖を吹き付ける左噴射部と、を有するというものである。
【0014】
前記の課題を解決するために、第6観点の袖折り畳み装置は、第1観点から第5観点の袖折り畳み装置と、を有する布類折り畳み装置というものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、布類の袖部分の折り畳みを良好にする袖折り畳み装置と、その袖折り畳み装置を有する布類折り畳み装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】布類折り畳み装置の前方から見た側面図である。
【
図4】Aは、袖折り畳み装置の平面概念図である。Bは、袖折り畳み装置の側面概念図である。Cは、Aは、袖折り畳み装置の後方から見た側面概念図である。
【
図5】Aは、布類を投入部に配置した状態の平面概念図である。BはAの状態の側面概念図である。Cは、Aの状態の袖折り畳み装置の平面概念図である。Dは、Aの状態の袖折り畳み装置の側面概念図である。Eは、Aの状態の袖折り畳み装置を後方から見た側面概念図である。
【
図6】Aは、布類を配置した状態の平面概念図である。BはAの状態の側面概念図である。Cは、Aの状態の袖折り畳み装置を後方から見た側面概念図である。
【
図7】Aは、ヤッコ型の布類を投入部に配置した状態の平面概念図である。BはAの状態の側面概念図である。Cは、Aの状態の袖折り畳み装置の平面概念図である。Dは、Aの状態の袖折り畳み装置の側面概念図である。
【
図8】Aは、ヤッコ型の布類を配置した状態の平面概念図である。BはAの状態の側面概念図である。Cは、Aの状態の袖折り畳み装置を後方から見た側面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示の実施形態を参照して実施例について説明する。本実施例の袖折り畳み装置10は、布類Wの右袖WRおよび左袖WLあるいは、後述するいわゆるヤッコ型の布類W1の右袖WR1および左袖WL1を折りたたむためのものであり、布類折り畳み装置200に配置されている。いうなれば、布類折り畳み装置200は、袖折り畳み装置10を有するというものである。また、袖折り畳み装置10は、右袖ガイド部20と、左袖ガイド部40と、右袖搬送部60と、左袖搬送部80とを有する。なお、布類Wは、ガウン、白衣、浴衣、作業着類が好ましい。なお、以下、布類Wの右袖WRとは、布類Wに向かったときに右側の袖といい、左袖WLは、布類Wに向かったときに左側の袖をいうものとする。したがって、布類Wを着用した場合における右袖とは逆の袖を右袖WRといい、その左袖とは逆の袖を左袖WLという。
【0018】
布類折り畳み装置200は、布類Wの胸部分を露出するように折りたたむ胸だし折と背中部分を露出するように折りたたむ背だし折をすることができ、投入部201に載置した布類Wを搬送部210及び、複数のコンベアベルト230、231によって搬送することで、その布類Wを反転部250によって反転する。さらに反転した布類Wをコンベアベルト232によって搬送し長手方向に三つ折り加工(布類Wの胴の幅を3等分するように折りたたむ)をする三つ折り部300を経てさらに胴体部分を2つ折り(布類Wの長手方向を2分するように折りたたむ)するナイフ310を有する2つ折り部320を経る。さらにその布類Wを、落とし部350からスタック部360、360に積みかさねるというものであり、袖折り畳み装置10以外は従来の布類折り畳み装置と同様の構成である場合がある。
【0019】
また、搬送部210は、その搬送部210の右端の部分である右側211と、その搬送部210の左端の部分である左側215とを有する。この搬送部210に布類Wを載置すると、右側211から右袖WRが垂れ下がり、左側215から左袖WLが垂れ下がる。
【0020】
布類折り畳み装置200は、上述の通りコンベアベルトからなる搬送部210を有し、この搬送部210は、右袖WRおよび左袖WLを有する布類Wを前方F方向から後方B方向へ搬送するものである。袖折り畳み装置10は、搬送部210の下方に配置されている。すなわち、袖折り畳み装置10における右袖ガイド部20は、布類Wの右袖WRを折りたたむものであり、搬送部210の下方に配置されている。右袖ガイド部20は、平面視においてほぼ3角形状を呈し、前方F方向から後方B方向にかけて搬送部210の右側211の外方から内方に傾斜する右傾斜部21を有する。布類Wの右袖WRは、搬送部210の右側211に垂れ下がった状態でその搬送部210によって前方F方向から後方B方向へ搬送されるときに、右袖ガイド部20における右傾斜部21に接することにより折りたたまれる。すなわち、右傾斜部21は、右袖WRを折りたたむということである。
【0021】
また、右袖ガイド部20は、圧縮空気を噴射する右噴射部25を有する。右噴射部25は、複数のノズルを有し布類Wの右袖WRを搬送部210の外方から内方の方向に空気25Aを吹き付けるというものである。この右噴射部25による空気25Aの吹付によって、その右袖WRと右袖ガイド部20における右傾斜部21との摩擦を軽減するとともに、後述する右袖搬送部60にその右袖WRを押し付けるように接触させるように作用することで、その右袖搬送部60によりその右袖WRを安定して前方F方向から後方B方向に搬送することができる。
【0022】
また、右袖ガイド部20は、右袖ガイド補助部30を有する。右袖ガイド補助部30は右補助本体部31とその右補助本体部31を突出するように駆動する右駆動部35を有する。右補助本体部31は、平面視において、不使用時は右袖ガイド部20に隠れるようにその直下に配置されている。すなわち、右補助本体部31は、右袖WRと接触する右接触部32を有し、その右接触部32は右傾斜部21と重なるように配置されている。また後述するように使用時において、その右補助本体部31は、右駆動部35の作動により展開する。これにより右接触部32は、平面視搬送部210の内方に突出するように、かつ搬送部310が搬送する方向と平行になるように作動する。これについてはさらに後述するように、いわゆるヤッコ型の布類W1に適用する場合がある。
【0023】
また、袖折り畳み装置10における左袖ガイド部40は、搬送部210の下方に配置されている。すなわち、袖折り畳み装置10における左袖ガイド部40は、布類Wの左袖WLを折りたたむものであり、搬送部210の下方に配置されている。左袖ガイド部40は、平面視においてほぼ3角形状を呈し、前方F方向から後方B方向にかけて搬送部210の左側215の外方から内方に傾斜する左傾斜部41を有する。布類Wの左袖WLは、搬送部210の左側215に垂れ下がった状態でその搬送部210によって前方F方向から後方B方向へ搬送されるときに、左袖ガイド部40における左傾斜部41に接することにより折りたたまれる。すなわち、左傾斜部41は、左袖WLを折りたたむということである。
【0024】
また、左袖ガイド部40は、圧縮空気を噴射する左噴射部45を有する。左噴射部45は、複数のノズルを有し、布類Wの左袖WLを搬送部210の外方から内方の方向に空気45Aを吹き付けるというものである。この左噴射部45による空気45Aの吹付によって、その左袖WLと左袖ガイド部40における左傾斜部41との摩擦を軽減するとともに、後述する左袖搬送部80にその左袖WLを押し付けるように接触させるように作用することで、その左袖搬送部80によりその左袖WLを安定して前方F方向から後方B方向に搬送することができる。
【0025】
また、左袖ガイド部40は、左袖ガイド補助部50を有する。左袖ガイド補助部50は左補助本体部51とその左補助本体部51を突出するように駆動する左駆動部55を有する。左補助本体部51は、平面視において、不使用時は左袖ガイド部40に隠れるようにその直下に配置されている。すなわち、左補助本体部51は、左袖WLと接触する左接触部52を有し、その左接触部52は左傾斜部41と重なるように配置されている。また後述するように使用時において、その左補助本体部51は、左駆動部55の作動により展開する。これにより左接触部52は、平面視210の内方に突出するように、かつ搬送部310が搬送する方向と平行になるように作動する。これについてはさらに後述する。
【0026】
右袖搬送部60は、搬送部210の下方に配置されており、文字通り右袖WRを前方F方向から後方B方向へ搬送するものであり、上述の搬送部210と、同調するように搬送する。すなわち、右袖搬送部60は一対のプーリー61、61に掛け回され、周回するベルトである右ベルト部62と、を有し、そのプーリー61、61のうちいずれかをモータ63によって回転することで、右ベルト部62が回転する。このときの右ベルト部62の速度は、搬送部210の搬送する速度と同様である。したがって、右ベルト部62が回転し、それに接する右袖WRが後述するように搬送部210の搬送と同調するように搬送されるので、布類Wと、その右袖WRと、をほぼ同じ速度で搬送することができる。なお、右ベルト部62は、いわゆる丸ベルトが好ましく、Vベルトやブラシベルトを使用することができる。
【0027】
また、右袖搬送部60は、平面視において搬送部210の下方かつ内方に配置された状態から、搬送部210の右側211の方向に駆動する右搬送駆動部65によって、搬送部210と平行になるように移動可能に配置されている。したがって、右袖搬送部60は右搬送駆動部65によって搬送部210の右側211の方向に移動し、かつ、右ベルト部62が回転することで、それに接する右袖WRが上述の通り搬送部210の搬送と同調するように前方F方向から後方B方向で搬送することができる。なお移動した右袖搬送部60’は、
図4において示されている。この移動により布類Wの胴の幅の大きさに対応することができるので、確実に右袖WRを搬送することができる。
【0028】
左袖搬送部80は、搬送部210の下方に配置されており、文字通り左袖WLを前方F方向から後方B方向へ搬送するものであり、上述の搬送部210と、同調するように搬送する。すなわち、左袖搬送部80は、一対のプーリー81、81に掛け回され、周回するベルトであると左ベルト部82とを有し、そのプーリー81、81のうちいずれかをモータ83によって回転することで、左ベルト部82が回転する。このときの左ベルト部82の速度は、搬送部210の搬送する速度と同様である。したがって、左ベルト部82が回転し、それに接する左袖WLが後述するように搬送部210の搬送と同調するように搬送されるので、布類Wとその左袖WLと、をほぼ同じ速度で搬送することができる。なお、左ベルト部82は、いわゆる丸ベルトが好ましく、Vベルトやブラシベルトを使用することができる。
【0029】
また、左袖搬送部80は、平面視において搬送部210の下方かつ内方に配置された状態から、搬送部210の左側215の方向に駆動する左搬送駆動部85によって、搬送部210と平行になるように移動可能に配置されている。したがって、左袖搬送部80は左搬送駆動部85によって搬送部210の左側215の方向に移動し、かつ、左ベルト部82が回転することで、それに接する左袖WLが上述の通り、搬送部210の搬送と同調するように前方F方向から後方B方向で搬送することができる。なお移動した左袖搬送部80’は、
図4において示されている。この移動により布類Wの胴の幅の大きさに対応することができるので、確実に左袖WLを搬送することができる。
【0030】
このように、折りたたまれた右袖WRと、折りたたまれた左袖WLともにその布類Wが同時に搬送されるので、布類Wの右袖WRと、左袖WLとの折り畳みを良好にすることができる。
【0031】
次に、袖折り畳み装置10の動作について説明する。搬送部210上に載置された布類Wは、その搬送部210の右側211からその右袖WRが垂れ下がった状態となっている。同様に、その搬送部210の左側215から、その左袖WLが垂れ下がった状態となっている(
図5A、B参照)。
【0032】
その後、その搬送部210の右側211に垂れ下がった右袖WRの内側は、右袖搬送部60における右ベルト部62に接し、プーリー61、61が回転することで、右ベルト部62が回転し、布類Wとともにその右袖WRが、前方F方向から後方B方向に搬送される。またそのときに、搬送部210の右側211に垂れ下がった右袖WRの外側が右袖ガイド部20における右傾斜部21に接し、その搬送部210の搬送によりその右袖WRは、前方F方向から後方B方向にかけて搬送部210の右側211の外方から内方に傾斜する右傾斜部21に誘導されるように搬送部210の裏側220に徐々に折り畳まれる。なお、そのときに右袖ガイド部20における右噴射部25は、布類Wの右袖WRを搬送部210の外方から内方の方向に空気25Aを吹き付けることができる。これによって上述の右袖WRの折り畳みを加勢するというものである。
【0033】
同様に、その搬送部210の左側215に垂れ下がった左袖WLの内側は、左袖搬送部80における左ベルト部82に接し、プーリー81、81が回転することで、左ベルト部82が回転し、上述の布類Wとともその左袖WLが、前方F方向から後方B方向に搬送される。またそのときに、搬送部210の左側215に垂れ下がった左袖WLの外側が左袖ガイド部40における左傾斜部41に接し、その搬送部210の搬送によりその左袖WLは、前方F方向から後方B方向にかけて搬送部210の左側215の外方から内方に傾斜する左傾斜部41に誘導されるように搬送部210の裏側220に徐々に折り畳まれる。なお、そのときに左袖ガイド部40における左噴射部45は、布類Wの左袖WLを搬送部210の外方から内方の方向に空気45Aを吹き付けることができる。これによって上述の左袖WLの折り畳みを加勢するというものである。したがって、布類Wと、その右袖WRおよび左袖WLが同時に前方F方向から後方B方向で搬送することができるので、布類Wに対し、右袖WRおよび左袖WLがよじれたりすることなく、折り畳み不良が防止される(
図6A、B、C参照)。
【0034】
さらに、後述するヤッコ型と呼ばれる布類W1についての袖折り畳み装置10の動作について説明する。なお、ヤッコ型と呼ばれる布類W1は、袖の部分と胴の部分がT字型の正面形を有し、例えばガウン類または浴衣類、作務衣類をいう場合がある。なお、布類Wは、袖の部分が胴の部分に対して斜め下方へ向いた、なで肩状に形成しているものをいう。このようなヤッコ型の布類W1の右袖WR1および左袖WL1を折りたたむためには、搬送部に210に対して垂直方向に折りたたむことが要請されている。本実施例の袖折り畳み装置10は、ヤッコ型の布類W1についても、良好に折りたたみすることができるものである。
【0035】
投入部201上に載置された布類W1は、その投入部210の右側201aにその右袖WR1が垂れ下がった状態となっている。同様に、その投入部210の左側201bにその左袖WL1が垂れ下がった状態となっている(
図7A参照)。その後搬送部210上にその布類W1が搬送される。
【0036】
搬送部210上に載置された布類W1は、その搬送部210の右側211にその右袖WR1が垂れ下がった状態となっている。同様に、その搬送部210の左側215にその左袖WL1が垂れ下がった状態となっている(
図8A、B、C参照)。
【0037】
そのとき、その右袖WR1の内側は、右袖搬送部60における右ベルト部62に接し、プーリー61、61が回転し、右ベルト部62が回転することで、布類W1とともにその右袖WR1が、前方F方向から後方B方向で搬送される。
【0038】
また、その左袖WL1の内側は、左袖搬送部80における左ベルト部82に接し、プーリー81、81が回転し、左ベルト部82が回転することで、上述の布類W1とともに、前方F方向から後方B方向で搬送される。
【0039】
また、その搬送部210の右側211に垂れ下がった右袖WR1は、右袖ガイド部20における右傾斜部21に接しようとするときに、右袖ガイド補助部30における右駆動部35が駆動し右補助本体部31が突出するように駆動する。右補助本体部31が突出し、右接触部32が搬送部210の搬送する方向と平行になるように作動する。これによりその右袖WR1は、右側211と平行に折りたたまれる。すなわち、右袖ガイド補助部30が、右袖WR1を折りたたむのである。なお、右噴射部25は、布類Wの右袖WR1を搬送部210の外方から内方の方向に空気25Aを吹き付けることについては上述の通りである。
【0040】
また、同時に、その搬送部210の左側215に垂れ下がった左袖WL1は、左袖ガイド部40における左傾斜部41に接しようとするときに、左袖ガイド補助部50における左駆動部55が駆動し左補助本体部51が突出するように駆動する。左補助本体部51が突出し、左接触部52が搬送部210の搬送する方向と平行になるように作動する。これによりその左袖WL1は、左側215と平行に折りたたまれる。すなわち、左袖ガイド補助部50が、左袖WL1を折りたたむのである。なお、なお、左噴射部45は、布類Wの左袖WL1を搬送部210の外方から内方の方向に空気45Aを吹き付けることについては上述の通りである。
【0041】
なお、突出したときの右接触部32と左接触部52との隙間Xは、右袖WR1および左袖WL1を除いた布類W1の胴の幅よりも小とするように配置することで、右袖WR1および左袖WL1の付け根を折りたたむことができる。したがって、布類W1と、その右袖WR1および左袖WL1が同時に前方F方向から後方B方向で搬送することができるので、布類W1に対し、右袖WR1および左袖WL1がよじれたりすることによる折り畳み不良を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 袖折り畳み装置
20 右袖ガイド部
21 右傾斜部
25 右噴射部
30 右袖ガイド補助部
40 左袖ガイド部
41 左傾斜部
45 左噴射部
50 左袖ガイド補助部
60 右袖搬送部
62 右ベルト部
80 左袖搬送部
82 左ベルト部
201 投入部
210 搬送部
211 右側
215 左側
W 布類
WR 右袖
WL 左袖
200 布類折り畳み装置