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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184322
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231221BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20231221BHJP
   G05G 1/015 20080401ALI20231221BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20231221BHJP
   G05G 1/04 20060101ALI20231221BHJP
   G05G 1/08 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/02 G
G05G25/00 C
G05G1/015 A
G05G1/02 Z
G05G1/04 Z
G05G1/08 B
G05G1/015 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098393
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 泰典
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一博
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA33
3D040AA39
3D040AB01
3D040AC17
3D040AC36
3D040AC65
3D040AD04
3D040AF07
3J070AA03
3J070AA05
3J070AA14
3J070BA51
3J070CB02
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】外乱磁場を抑制することができるシフト装置を得る。
【解決手段】シフト装置20は、意匠面10Aの内側に設けられ、磁気を検知する磁気センサ72と、意匠面10Aの外側に突出して設けられ、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする操作ノブ40であって、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブ40と、を備える。意匠面10Aの外側に磁気を発生する物体4が接近した場合、この物体4と、磁気センサ72との間に操作ノブ40が配置される。そのため、この物体4から発せられる磁気Mが、操作ノブ40によって遮蔽され、磁気センサ72に影響を及ぼすことが抑制される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠面の内側に設けられ、磁気を検知する磁気センサと、
前記意匠面の外側に突出して設けられ、前記磁気センサによって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする操作ノブであって、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブと、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記操作ノブは、前記意匠面に直交する直交方向から見て、前記磁気センサを覆うように形成されている
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
前記操作ノブには、前記操作ノブの前記切替操作に連動し、前記磁気センサに対して磁気を及ぼす磁石が設けられ、
前記操作ノブは、前記意匠面に直交する直交方向から見て、前記操作ノブの前記切替操作に伴う前記磁石の移動範囲を覆うように設けられている
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項4】
前記操作ノブは、傾倒することで前記切替操作がされる
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項5】
前記操作ノブは、スライドすることで前記切替操作がされる
請求項1に記載のシフト装置。
【請求項6】
前記操作ノブは、回転することで前記切替操作がされる
請求項1に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作ノブを操作することで、シフトポジションを切り替え可能なシフトバイワイヤ式のシフト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、本体ケースと、板面上に様々な電気部品が載置される複数の回路基板と、基端部がレバー支持軸によって本体ケースに揺動自在に軸支される走行レバーとを設けたシフト装置が開示されている。走行レバーを揺動範囲内に設定された複数のポジションに変位することで、各ポジションに対応する所定のレンジに変速する。
【0004】
ところで、磁気センサが設けられたシフトバイワイヤ式のシフト装置では、外乱磁場を抑制することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-203286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、外乱磁場を抑制することができるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様のシフト装置は、意匠面の内側に設けられ、磁気を検知する磁気センサと、前記意匠面の外側に突出して設けられ、前記磁気センサによって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする操作ノブであって、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブと、を備える。
【0008】
本発明の第2態様のシフト装置では、本発明の第1態様のシフト装置において、前記操作ノブは、前記意匠面に直交する直交方向から見て、前記磁気センサを覆うように形成されている。
【0009】
本発明の第3態様のシフト装置では、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記操作ノブには、前記操作ノブの前記切替操作に連動し、前記磁気センサに対して磁気を及ぼす磁石が設けられ、前記操作ノブは、前記意匠面に直交する直交方向から見て、前記操作ノブの前記切替操作に伴う前記磁石の移動範囲を覆うように設けられている。
【0010】
本発明の第4態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第3態様のいずれか1つのシフト装置において、前記操作ノブは、傾倒することで前記切替操作がされる。
【0011】
本発明の第5態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第3態様のいずれか1つのシフト装置において、前記操作ノブは、スライドすることで前記切替操作がされる。
【0012】
本発明の第6態様のシフト装置では、本発明の第1態様から第3態様のいずれか1つのシフト装置において、前記操作ノブは、回転することで前記切替操作がされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様のシフト装置では、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブを備えることで、意匠面の外側に磁気を発生する物体が接近した場合、この物体と、磁気センサとの間に操作ノブが配置される。そのため、この物体から発せられる磁気が、操作ノブによって遮蔽され、磁気センサに影響を及ぼすことが抑制される。その結果、意匠面に外側から接近した物体からの外乱磁場を抑制することができる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、操作ノブは、意匠面に直交する直交方向から見て、磁気センサを覆うように形成されることで、操作ノブの周囲において、意匠面の外側に物体が接近した場合、この物体と磁気センサとの間に、操作ノブが配置される。そのため、この物体から発せられる磁気が、操作ノブによって遮蔽され、磁気センサに影響を及ぼすことが抑制される。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、操作ノブは、意匠面に直交する直交方向から見て、操作ノブの切替操作に伴う磁石の移動範囲を覆うように設けられることで、操作ノブの周囲において、意匠面の外側に物体が接近した場合、操作ノブの操作に伴う磁石の移動範囲において、この物体と磁石との間に、操作ノブが配置される。そのため、操作ノブが操作された場合であっても、意匠面に外側から接近した物体からの外乱磁場を抑制することができる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、操作ノブが傾倒することで切替操作がされるシフト装置に対して、意匠面に外側から接近した物体からの外乱磁場を抑制することができる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、操作ノブは、スライドすることで切替操作がされるシフト装置に対して、意匠面に外側から接近した物体からの外乱磁場を抑制することができる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、操作ノブは、回転することで切替操作がされるシフト装置に対して、意匠面に外側から接近した物体からの外乱磁場を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るシフト装置を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係るシフト装置を示す分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係るシフト装置の操作ノブがホーム位置にある状態を示す断面図であり、図1のA-A断面を示す。
図4】第1実施形態に係るシフト装置を示す断面図であり、図4(A)は、操作ノブが前方に傾倒した前方傾倒位置にある状態を示し、図4(B)は、操作ノブが後方に傾倒した後方傾倒位置にある状態を示す。
図5】第2実施形態に係るシフト装置を示す斜視図である。
図6】第2実施形態に係るシフト装置の操作ノブがホーム位置にある状態を示す断面図であり、図5のB-B断面を示す。
図7】第2実施形態に係るシフト装置を示す断面図であり、図7(A)は、操作ノブが前方に移動した前方移動位置にある状態を示し、図7(B)は、操作ノブが後方に移動した後方移動位置にある状態を示す。
図8】第3実施形態に係るシフト装置を示す斜視図である。
図9】第3実施形態に係るシフト装置を示す断面図であり、図8のC-C断面を示す。
図10】別の実施形態に係るシフト装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係るシフト装置20について、図面を参照して説明する。第1実施形態では、操作ノブを傾倒操作することでシフトポジションを切り替えるシフトバイワイヤ式のシフト装置の例について説明する。
【0021】
なお、各図において、矢印UPは、車両上方を示し、矢印RHは、車両右方を示し、矢印FRは、車両前方を示している。また、矢印Dは、シフト装置の上下方向Dを示しており、意匠面に略直交する直交方向と一致する。
【0022】
[シフト装置の構成]
図1に示すように、第1実施形態に係るシフト装置20は、運転席と助手席との間に配置され、車両前後方向に延在する内装部品としてのセンターコンソール10に配置されている。
【0023】
図2に示すように、シフト装置20は、カバー部材30と、操作ノブ40と、ケース部材50と、保持部材60と、底ケース80と、を備えている。
【0024】
(カバー部材30)
図2及び図3に示すように、カバー部材30は、例えば、樹脂製であり、矩形の板状の天板34と、天板34の外縁から下方に延在した側壁32と、で形成されている。
【0025】
天板34の上面は、センターコンソール10の意匠面10Aを構成する。天板34には、上下方向Dに貫通した貫通孔34Aが形成されている。貫通孔34Aには、操作ノブ40が挿入されている。
【0026】
(操作ノブ40)
操作ノブ40は、磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成されている。磁気遮蔽部材としては、金属(例えば、鉄)又は高透磁率材料(例えば、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、ケイ素鋼)等とすることができる。操作ノブ40は、基部44と、操作部42と、羽根部46と、を備えている。
【0027】
基部44は、意匠面10Aの内側に設けられている。基部44は、図3に示すA-A断面において、下方に向かうにつれて外形が広がるように、下方に開口した略C字状に形成されている。基部44には、保持部材60に嵌合する嵌合凸部44Bが形成されている。基部44には、車両幅方向に貫通した貫通孔44Aが形成されている。
【0028】
操作部42は、基部44から上方に向けて延在している。操作部42は、図3に示すA-A断面において、下方に向けて開口した略U字状に形成されている。操作部42と基部44の内側の空間は、保持部材60の上部と、ケース部材50の支持部54の上部とを収容する収容空間Wを構成する。操作部42は、天板34に設けられた貫通孔34Aから、上方に向けて突出するように設けられている。言い換えると、操作部42は、意匠面10Aの外側に突出して設けられている。
【0029】
羽根部46は、基部44の下端の外周縁から斜め下方に向けて真っ直ぐに延在するように形成されている。羽根部46は、図3に示すA-A断面において、下方に向かうにつれて外形が広がるように形成されている。意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、羽根部46の外縁46Aの内側に、基部44及び操作部42が配置されている。
【0030】
(ケース部材50)
図2及び図3に示すように、ケース部材50は、例えば、樹脂製であり、上方及び下方が開口した矩形の筒状に形成された側壁52を備えている。側壁52には、車両前後方向に架け渡された板状の支持部54が形成されている。支持部54は、車両前後方向の中央部が上方に突出している。支持部54の上方には、車用幅方向に貫通した貫通孔54Aが形成されている。
【0031】
(保持部材60)
保持部材60は、例えば、樹脂製であり、本体部62と、収容部64と、を備えている。
【0032】
本体部62は、上下方向Dに延在した略矩形の柱状に形成されている。本体部62の上部には、上下方向Dに延在し、操作ノブ40の嵌合凸部44Bに嵌合する嵌合凹部62Aが形成されている。保持部材60の嵌合凹部62Aに、操作ノブ40の嵌合凸部44Bが嵌合することで、操作ノブ40と保持部材60とは、一体に連結されている。
【0033】
本体部62の上部には、支持ピン66が車両幅方向に延伸して配置されている。支持ピン66は、ケース部材50の貫通孔54Aと、操作ノブ40の貫通孔44Aに挿入されている。そして、操作部42が支持ピン66を回転軸として回転することで、操作ノブ40が車両前後方向に傾倒するように構成されている。
【0034】
収容部64は、本体部62の下部に、車両幅方向に開口して形成されている。収容部64には、磁気を発生する磁石90が収容されている。すなわち、支持ピン66の上方に操作部42が配置され、支持ピン66の下方に磁石90が配置されている。磁石90は、磁気センサ72に対して磁気を及ぼす範囲に配置されている。
【0035】
操作ノブ40が車両前後方向の傾倒すると、操作ノブ40に連結された保持部材60と保持部材60に保持された磁石90が連動するようになっている。
【0036】
(底ケース80)
図2及び図3に示すように、底ケース80は、例えば、樹脂製で形成され、筒状状に形成されたケース部材50の下部を塞ぐように配置されている。底ケース80の上部には、基板70が設置されている。
【0037】
基板70には、磁気を検知する磁気センサ72が設けられている。磁気センサ72は、意匠面10Aの内側に設けられている。
【0038】
[シフト装置の動作]
(ホーム位置P1)
図3に示すように、操作ノブ40が傾倒していないホーム位置P1では、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、ホーム位置P1では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ40の羽根部46の外縁46A間の範囲S1に配置されている。
【0039】
(前方傾倒位置P2)
図4(A)に示すように、運転席に着座したドライバーの手指Fによって、操作ノブ40を前方に押すと、操作ノブ40は、支持ピン66を回転軸として回転して、ホーム位置P1から前方に傾倒した前方傾倒位置P2に移動する。また、保持部材60に保持されている磁石90も、支持ピン66を回転軸として、車両後方に回転移動する。この際、磁気センサ72が検知した磁気の変化量に基づいて、シフトポジションを変更する指示が車両制御部(図示せず)に与えられ、シフトポジションの切り替えが行われる。すなわち、操作ノブ40は、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする。
【0040】
前方傾倒位置P2では、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、前方傾倒位置P2では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ40の羽根部46の外縁46A間の範囲S2に配置されている。
【0041】
(後方傾倒位置P3)
図4(B)に示すように、運転席に着座したドライバーの手指Fによって、操作ノブ40を後方に押すと、支持ピン66を回転軸として回転して、ホーム位置P1から後方に傾倒した後方傾倒位置P3に移動する。また、保持部材60に保持されている磁石90も、支持ピン66を回転軸として、車両前方に回転移動する。この際、磁気センサ72が検知した磁気の変化量に基づいて、シフトポジションを変更する指示が車両制御部(図示せず)に与えられ、シフトポジションの切り替えが行われる。すなわち、操作ノブ40は、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする。
【0042】
後方傾倒位置P3では、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、後方傾倒位置P3では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ40の羽根部46の外縁46A間の範囲S3に配置されている。
【0043】
すなわち、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、操作ノブ40の切替操作に伴う磁石90の移動範囲を覆うように設けられている
【0044】
[第1実施形態の作用]
第1実施形態のシフト装置20は、意匠面10Aの内側に設けられ、磁気を検知する磁気センサ72と、意匠面10Aの外側に突出して設けられ、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする操作ノブ40であって、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブ40と、を備える(図3参照)。
【0045】
少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成された操作ノブ40を備えることで、図3に示すように、意匠面10Aの外側に磁気を発生する物体(例えば、磁気治療器や電子機器)4が接近した場合、この物体4と、磁気センサ72との間に操作ノブ40が配置される。そのため、この物体4から発せられる磁気Mが、操作ノブ40によって遮蔽され、磁気センサ72に影響を及ぼすことが抑制される。その結果、意匠面10Aに外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。そのため、磁気センサ72の検出精度が悪化することが抑制される。
【0046】
第1実施形態のシフト装置20では、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72を覆うように形成されている(図3参照)。
【0047】
操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72を覆うように形成されることで、意匠面10Aの外側から操作ノブ40の周囲に物体4が接近した場合、この物体4と磁気センサ72との間に、操作ノブ40が配置される。そのため、この物体4から発せられる磁気Mが、操作ノブ40によって遮蔽され、磁気センサ72に影響を及ぼすことが抑制される。その結果、意匠面10Aに外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0048】
第1実施形態のシフト装置20では、操作ノブ40には、操作ノブ40の切替操作に連動し、磁気センサ72に対して磁気を及ぼす磁石90が設けられ、操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、操作ノブ40の切替操作に伴う磁石90の移動範囲を覆うように設けられている(図4(A)及び図4(B)参照)。
【0049】
操作ノブ40は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、操作ノブ40の切替操作に伴う磁石90の移動範囲を覆うように設けられることで、意匠面10Aの外側から操作ノブ40の周囲に物体4が接近した場合、操作ノブ40の操作に伴う磁石90の移動範囲において、この物体4と磁石90との間に、操作ノブ40が配置される。そのため、操作ノブ40が操作された場合であっても、この物体4から発せられる磁気Mが、操作ノブ40によって遮蔽され、磁気センサ72に影響を及ぼすことが抑制される。その結果、操作ノブ40が操作された場合であっても、意匠面10に外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0050】
第1実施形態のシフト装置20では、操作ノブ40は、傾倒することで切替操作がされる。
【0051】
操作ノブ40が傾倒することで切替操作がされるシフト装置20に対して、意匠面10Aに外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0052】
〔第2実施形態〕
第2実施形態のシフト装置は、操作ノブの構成が異なる点で、第1実施形態のシフト装置と相違する。第2実施形態では、操作ノブをスライド操作することでシフトポジションを切り替えるシフトバイワイヤ式のシフト装置の例について説明する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同様の用語又は同様の符号を用いて説明する。
【0053】
図5及ぶ図6に示すように、第2実施形態のシフト装置120は、カバー部材130と、操作ノブ140と、ケース部材150と、保持部材160と、底ケース80と、を備えている。
【0054】
(カバー部材130)
カバー部材130は、例えば、樹脂製であり、矩形の板状の天板134に、上下方向Dに貫通した貫通孔134Aが形成されている。貫通孔134Aには、操作ノブ140の凸部142が挿入されている。天板134の上面は、センターコンソール10の意匠面10Aを構成する。
【0055】
(操作ノブ140)
操作ノブ140は、磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成されている。操作ノブ140は、略直方体に形成されている。操作ノブ140には、下方に突出した凸部142が形成されている。凸部142は、天板134に設けられた貫通孔134Aから、下方に向けて突出するように設けられている。言い換えると、操作ノブ140は、意匠面10Aの外側に突出して設けられている。
【0056】
凸部142には、保持部材の160の嵌合突起162が嵌合する嵌合穴142Aが形成されている。
【0057】
(ケース部材150)
ケース部材150は、例えば、樹脂製であり、上方及び下方が開口した矩形の筒状に形成されている。ケース部材150には、車両前後方向に延在したガイド溝152が形成されている。操作ノブ140は、操作ノブ140に設けられた突起(図示せず)がガイド溝152に挿入されており、操作ノブ140は車両前後方向に移動可能に構成されている。
【0058】
(保持部材160)
保持部材160は、例えば、樹脂製であり、嵌合突起162と、磁石90が収容される収容部164と、を備えている。操作ノブ140が車両前後方向の移動すると、操作ノブ140に連結された保持部材160と保持部材160に保持された磁石90が連動するようになっている。
【0059】
[シフト装置の動作]
(ホーム位置Q1)
図6に示すように、操作ノブ140が前後方向に移動していないホーム位置Q1では、操作ノブ140は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、ホーム位置Q1では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ140の外縁間の範囲T1に配置されている。
【0060】
(前方移動位置Q2)
図7(A)に示すように、運転席に着座したドライバーの手指Fによって、操作ノブ140を前方に押すと、操作ノブ40は、ガイド溝152に沿って前方に移動して、ホーム位置Q1から前方移動位置Q2に移動する。また、保持部材160に保持されている磁石90も前方に移動する。この際、磁気センサ72が検知した磁気の変化量に基づいて、シフトポジションを変更する指示が車両制御部(図示せず)に与えられ、シフトポジションの切り替えが行われる。すなわち、操作ノブ140は、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする。
【0061】
前方移動位置Q2では、操作ノブ140は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、前方移動位置Q2では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ140の外縁間の範囲T2に配置されている。
【0062】
(後方移動位置Q3)
図7(B)に示すように、運転席に着座したドライバーの手指Fによって、操作ノブ140を後方に押すと、操作ノブ140は、ガイド溝152に沿って後方に移動して、ホーム位置Q1から後方移動位置Q3に移動する。また、保持部材160に保持されている磁石90も後方に移動する。この際、磁気センサ72が検知した磁気の変化量に基づいて、シフトポジションを変更する指示が車両制御部(図示せず)に与えられ、シフトポジションの切り替えが行われる。すなわち、操作ノブ140は、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする。
【0063】
後方移動位置Q3では、操作ノブ140は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。言い換えると、後方移動位置Q3では、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ140の外縁間の範囲T3に配置されている。
【0064】
すなわち、操作ノブ140は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、操作ノブ140の切替操作に伴う磁石90の移動範囲を覆うように設けられている
【0065】
[第2実施形態の作用]
第2実施形態のシフト装置20では、操作ノブ140は、スライドすることで切替操作がされる。
【0066】
操作ノブ140は、スライドすることで切替操作がされるシフト装置に対して、意匠面10Aに外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0067】
なお、他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0068】
〔第3実施形態〕
第3実施形態のシフト装置は、操作ノブの構成が異なる点で、第1実施形態のシフト装置と相違する。第3実施形態では、操作ノブを回転操作することでシフトポジションを切り替えるシフトバイワイヤ式のシフト装置の例について説明する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同様の用語又は同様の符号を用いて説明する。
【0069】
図8及ぶ図9に示すように、第3実施形態のシフト装置220は、カバー部材230と、操作ノブ240と、ケース部材250と、保持部材260と、底ケース80と、を備えている。
【0070】
(カバー部材230)
カバー部材230は、例えば、樹脂製であり、矩形の板状の天板234に、上下方向Dに貫通した貫通孔234Aが形成されている。貫通孔234Aには、操作ノブ240が挿入されている。天板234の上面は、センターコンソール10の意匠面10Aを構成する。
【0071】
(操作ノブ240)
操作ノブ240は、磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成されている。操作ノブ240は、略円板状に形成されている。操作ノブ240は、意匠面10Aの外側に突出して設けられている。
【0072】
(保持部材260)
保持部材260は、例えば、樹脂製であり、操作ノブ240に連結されている。保持部材260は、軸ピン258が嵌合する嵌合穴262Aが形成された嵌合突起262と、磁石90が収容される収容部264と、を備えている。
【0073】
(ケース部材250)
ケース部材250は、例えば、樹脂製であり、上方及び下方が開口した矩形の筒状に形成されている。ケース部材250には、上下方向Dに延伸した軸ピン258を回転可能に支持する支持部254が設けられている。操作ノブ240が軸ピン258の中心軸Cを回転中心として回転移動すると、操作ノブ240に連結された保持部材260と保持部材260に保持された磁石90が連動するようになっている。
【0074】
[シフト装置の動作]
図9に示すように、操作ノブ240は、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90を覆うように配置されている。意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ240の外縁間の範囲Uに配置されている。
【0075】
運転席に着座したドライバーの手指Fによって、操作ノブ240を軸ピン258の中心軸Cを回転中心として回転移動すると、保持部材260に保持されている磁石90も移動する。この際、磁気センサ72が検知した磁気の変化量に基づいて、シフトポジションを変更する指示が車両制御部(図示せず)に与えられ、シフトポジションの切り替えが行われる。すなわち、操作ノブ240は、磁気センサ72によって検知された磁気に基づいて、シフトポジションを切り替える切替操作をする。
【0076】
操作ノブ240が回転移動した状態でも、意匠面10Aに直交する直交方向(上下方向D)から見て、磁気センサ72及び磁石90は、操作ノブ240の外縁間の範囲Uに配置されている。
【0077】
[第3実施形態の作用]
第3実施形態のシフト装置220では、操作ノブ240は、回転することで切替操作がされる。
【0078】
操作ノブ240は、回転することで切替操作がされるシフト装置220に対して、意匠面10Aに外側から接近した物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0079】
なお、他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0080】
以上、本発明のシフト装置を、第1実施形態から第3実施形態に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更などは許容される。
【0081】
図10に示すように、操作ノブ340の羽根部346は、基部44の下端の外周縁から湾曲して下方に延在して、磁石90の側方と上方を包みこむように形成されてもよい。この場合、操作ノブ240によって、物体4からの上方及び側方からの磁気が遮蔽される。例えば、センターコンソール10に設けられたカップホルダ12に、物体4が入り込んだ場合であっても、物体4からの外乱磁場を抑制することができる。
【0082】
第1実施形態から第3実施形態では、操作ノブの全体が、磁気遮蔽部材で形成される例を示した。しかし、操作ノブは、少なくとも一部が磁気を遮蔽する磁気遮蔽部材で形成されてもよい。
【0083】
第1実施形態から第3実施形態では、磁気センサ72は、磁石90の下方に設けられる例を示した。しかし、磁気センサは、磁石の上方に設けられれもよい。
【0084】
第1実施形態から第3実施形態では、操作ノブは、操作部と羽根部が一体で形成される例を示した。しかし、操作ノブは、操作部と羽根部とを別体にして形成されてもよい。
【0085】
第1実施形態から第3実施形態では、シフト装置は、センターコンソール10に設けられる例を示した。しかし、シフト装置は、インストルメントパネルやドアトリム等の他の内装部品に設けることもできる。
【符号の説明】
【0086】
10A・・・意匠面、20・・・シフト装置、40・・・操作ノブ、72・・・磁気センサ、90・・・磁石、M・・・磁気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10