(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184325
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】物干し具
(51)【国際特許分類】
D06F 57/12 20060101AFI20231221BHJP
D06F 57/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
D06F57/12 Z
D06F57/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098397
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】522245097
【氏名又は名称】株式会社アカマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤間 克郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来技術と比較して、ベランダなどの壁に布団などの天日干し物品が直接当たらないようにすることを課題とする。また従来技術と比較して、布団などの天日干し物品の通気性を高めることを課題とする。
【解決手段】物干し具1は、建築構造物の壁部材300に跨る形状に形成され、裏面とオモテ面を連通する連通孔が形成されたフレーム部100と、壁部材300とフレーム部100との間に隙間が形成されるように壁部材300にフレーム部100を保持する保持部材200と、を備えている。フレーム部100は、壁部材300の横長手方向に沿って所定の間隔で配置された複数の縦柱部材110と、複数の縦柱部材110に対して、壁部材300の横長手方向に沿って架け渡された横柱部材120とを含んでいる。連通孔は、複数の縦柱部材110と横柱部材120によって画成された孔であり、壁部材300の横長手方向に沿って複数設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物の壁部材に跨る形状に形成され、裏面とオモテ面を連通する連通孔が形成されたフレーム部と、
前記壁部材と前記フレーム部との間に隙間が形成されるように前記壁部材に前記フレーム部を保持する保持部材と、
を備え、
前記フレーム部は、前記壁部材の横長手方向に沿って所定の間隔で配置された複数の縦柱部材と、
前記複数の縦柱部材に対して、前記壁部材の横長手方向に沿って架け渡された横柱部材とを含み、
前記連通孔は、前記複数の縦柱部材と横柱部材によって画成された孔であり、前記壁部材の横長手方向に沿って複数設けられている、
物干し具。
【請求項2】
前記横柱部材は、前記複数の縦柱部材に対して、少なくとも子供が足を掛けることができない高さに架け渡されている構造である、
請求項1に記載の物干し具。
【請求項3】
前記保持部材は、前記壁部材の外側面と内側面に圧着される第1圧着部材を含んでいる、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項4】
前記保持部材は、前記壁部材の上端に設けられた手すり又は前記壁部材の上端に圧着される第2圧着部材を含んでいる、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項5】
前記第1圧着部材が前記壁部材に当接する当接面は、シリコンで構成されている、
請求項3に記載の物干し具。
【請求項6】
前記第2圧着部材が前記手すり又は前記壁部材の上端に当接する当接面は、シリコンで構成されている、
請求項4に記載の物干し具。
【請求項7】
前記フレーム部のうち前記壁部材の断面でみたときのコーナ部に、天日干し物品の滑り止めのための滑り止め部材が設けられている又は滑り止め処理が施されている、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項8】
前記滑り止め部材又は前記滑り止め処理は、シリコンで構成されている、
請求項7に記載の物干し具。
【請求項9】
前記縦柱部材は、前記壁部材の内側面側の鉛直方向の長さが、前記壁部材の外側面側の鉛直方向の長さよりも短くなるように構成されている、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項10】
前記複数の縦柱部材が、前記壁部材の横長手方向に沿って配置される前記所定の間隔は、天日干し物品が前記壁部材に当接されることがない間隔に設定されている、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項11】
前記フレーム部は、少なくともオモテ面が撥水処理又は親水処理されている、
請求項1又は2に記載の物干し具。
【請求項12】
前記フレーム部は、少なくともオモテ面がフッ素樹脂によって表面処理されている、
請求項11に記載の物干し具。
【請求項13】
前記保持部は、少なくとも前記壁部材及び/又は前記壁部材の上端に設けられた手すりに接する面が、非粘着処理されている、
請求項11に記載の物干し具。
【請求項14】
前記保持部は、少なくとも前記壁部材及び/又は前記壁部材の上端に設けられた手すりに接する面が、シリコンによって構成されている、
請求項13に記載の物干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干し具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バルコニーの壁体頂部を介してその両側にかけ渡された一対の第1の支承体と、第1の支承体に対して可撓性連結材をもって連結された一対の第2の支承体とを含み、第1の支承体と第2の支承体のそれぞれにまたがって布団をかけ渡したときにこれらの支承体により布団と壁体との間に通風用空間が形成される態様が記載されている。
【0003】
特許文献2には、丸鉄棒手すりにフック付きステン丸棒をひっかけ補強材ステン丸棒の先に、すべり止めゴムキャップを装着したもの2つを間隔調整ターンバックルで、調整、締め付けて固定し、使用する態様が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61-184588号公報
【特許文献2】実登3140232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術と比較して、ベランダなどの壁に布団などの天日干し物品が直接当たらないようにすることを課題とする。また本発明は、従来技術と比較して、布団などの天日干し物品の通気性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、建築構造物の壁部材に跨る形状に形成され、裏面とオモテ面を連通する連通孔が形成されたフレーム部と、前記壁部材と前記フレーム部との間に隙間が形成されるように前記壁部材に前記フレーム部を保持する保持部材と、を備え、前記フレーム部は、前記壁部材の横長手方向に沿って所定の間隔で配置された複数の縦柱部材と、前記複数の縦柱部材に対して、前記壁部材の横長手方向に沿って架け渡された横柱部材とを含み、前記連通孔は、前記複数の縦柱部材と横柱部材によって画成された孔であり、前記壁部材の横長手方向に沿って複数設けられている、物干し具である。
【0007】
第2の態様は、第1の態様において、前記横柱部材は、前記複数の縦柱部材に対して、少なくとも子供が足を掛けることができない高さに架け渡されている構造である、物干し具である。
【0008】
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記保持部材は、前記壁部材の外側面と内側面に圧着される第1圧着部材を含んでいる、物干し具である。
【0009】
第4の態様は、第1又は第2の態様において、前記保持部材は、前記壁部材の上端に設けられた手すり又は前記壁部材の上端に圧着される第2圧着部材を含んでいる、物干し具である。
【0010】
第5の態様は、第3の態様において、前記第1圧着部材が前記壁部材に当接する当接面は、シリコンで構成されている、物干し具である。
【0011】
第6の態様は、第4の態様において、前記第2圧着部材が前記手すり又は前記壁部材の上端に当接する当接面は、シリコンで構成されている、物干し具である。
【0012】
第7の態様は、第1又は第2の態様において、前記フレーム部のうち前記壁部材の断面でみたときのコーナ部に、天日干し物品の滑り止めのための滑り止め部材が設けられている又は滑り止め処理が施されている、物干し具である。
【0013】
第8の態様は、第7の態様において、前記滑り止め部材又は前記滑り止め処理は、シリコンで構成されている、物干し具である。
【0014】
第9の態様は、第1又は第2の態様において、前記縦柱部材は、前記壁部材の内側面側の鉛直方向の長さが、前記壁部材の外側面側の鉛直方向の長さよりも短くなるように構成されている、物干し具である。
【0015】
第10の態様は、第1又は第2の態様において、前記複数の縦柱部材が、前記壁部材の横長手方向に沿って配置される前記所定の間隔は、天日干し物品が前記壁部材に当接されることがない間隔に設定されている、物干し具である。
【0016】
第11の態様は、第1又は第2の態様において、前記フレーム部は、少なくともオモテ面が撥水処理又は親水処理されている、物干し具である。
【0017】
第12の態様は、第11の態様において、前記フレーム部は、少なくともオモテ面がフッ素樹脂によって表面処理されている、物干し具である。
【0018】
第13の態様は、第11の態様において、前記保持部は、少なくとも前記壁部材及び/又は前記壁部材の上端に設けられた手すりに接する面が、非粘着処理されている、物干し具である。
【0019】
第14の態様は、第13の態様において、前記保持部は、少なくとも前記壁部材及び/又は前記壁部材の上端に設けられた手すりに接する面が、シリコンによって構成されている、物干し具である。
【発明の効果】
【0020】
第1から第14の態様によれば、従来技術と比較して、ベランダなどの壁に布団などの天日干し物品が直接当たらないようにすることができる。また第1から第14の態様によれば、従来技術と比較して、布団などの天日干し物品の通気性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施形態の物干し具を示す斜視図である。
【
図4A】
図4Aはアジャスタボルトで構成された第1圧着部材の組立図である。
【
図4B】
図4Bは、アジャスタボルトで構成された第1圧着部材によって壁部材とフレーム部との間の距離を調整する様子を示す図である。他の実施形態を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、フレーム部のユニットを横長手方向に連結して組み立てられる物干し具の一例を説明する組立図である。
【
図5B】
図5Bは、フレーム部のユニットを横長手方向に連結して組み立てられる物干し具の一例を説明する完成状態図である。
【
図6】
図6(A)、(B)はそれぞれ、フレーム部の断面形状を例示する図である。
【
図7】
図7は、別実施形態の物干し具を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、別実施形態の物干し具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明に係る物干し具の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、実施形態の物干し具1を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す物干し具1の上面図である。
図3は、
図1に示す物干し具1の断面図である。
図1、
図2及び
図3は、物干し具1が建築構造物の壁部材300に装着された状態を示している。物干し具1は、
図3に示すように、布団などの天日干し物品400(二点鎖線にて示す)を掛けて天日干しする用途に使用される。
【0024】
(物干し具の構造)
【0025】
図1に示すように、物干し具1は、大きくは、フレーム部100と、保持部材200とを含んで構成されている。
【0026】
図2、
図3に示すように、フレーム部100は、建築構造物の壁部材300に跨る形状に形成されており、裏面100Aとオモテ面100Bを連通する連通孔101が形成されている。
【0027】
保持部材200は、壁部材300とフレーム部100との間に隙間200Aが形成されるように壁部材300にフレーム部100を保持する。
【0028】
図1、
図2に示すように、フレーム部100は、複数の縦柱部材110と、横柱部材120とを含んで構成されている。フレーム部100は例えばステンレス製あるいはアルミ製又はガルバリウム製の角パイプで構成することができる。
【0029】
複数の縦柱部材110は、壁部材300の横長手方向300Aに沿って所定の間隔110Lで配置されている。所定の間隔110Lは、天日干し物品400が壁部材300に当接されることがない間隔に設定されている。
【0030】
横柱部材120は、複数の縦柱部材110に対して、壁部材300の横長手方向300Aに沿って架け渡されている。
【0031】
連通孔101は、複数の縦柱部材110と横柱部材120によって画成された孔である。連通孔101は、壁部材300の横長手方向300Aに沿って複数N個(Nは2以上)設けられた構造となっている。
【0032】
(横柱部材の高さ)
【0033】
図3に示すように、横柱部材120は、複数の縦柱部材110に対して、少なくとも子供が足を掛けることができない高さ120Hに架け渡されている。
【0034】
(圧着部材)
【0035】
図1、
図3に示すように、保持部材200は、壁部材300の外側面300Tと内側面300Nに圧着される第1圧着部材210を含んでいる。第1圧着部材210が壁部材300に当接する当接面210Sは、シリコンで構成されている。第1圧着部材210は、後述する
図4A、
図4Bに示すように例えばアジャスタボルト210Bで構成することができる。
【0036】
また保持部材200は、壁部材300の上端に設けられた手すり310に圧着される第2圧着部材220を含んでいる。第2圧着部材220が手すり310に当接する当接面220Sは、シリコンで構成されている。なお、実施形態では、手すり310が設けられた壁部材300を想定しているが、手すり310が取り付けられていない壁部材300に使用する場合には、壁部材300の上端に直接第2圧着部材220の当接面220Sが当接するように第2圧着部材220を構成すればよい。第2圧着部材220の当接面220Sは
図3に示す断面でみて、手すり310の上端断面形状に応じた凹形状又は、壁部材300の上端に装着する場合には、壁部材300の上端断面形状に応じた凹形状に形成することができる。なお、第2圧着部材220を、壁部材300の上端に装着する場合には、第2圧着部材220を、第1圧着部材210と同様に壁部材300の上端面に圧着される圧着部材、例えばアジャスタボルト210Bで構成してもよい。
【0037】
(滑り止め部材又は滑り止め処理)
【0038】
図1、
図3に示すように、フレーム部100のうち壁部材300の断面300Cでみたときのコーナ部100Cは曲部に形成されている。
【0039】
図3に示すように、フレーム部100のうち壁部材300の断面300Cでみたときのコーナ部100Cには、天日干し物品400の滑り止めのための滑り止め部材130が設けられている。なお、滑り止め部材130の代わりに滑り止め処理131を施してもよい。滑り止め部材130又は滑り止め処理131は、シリコンで構成されている。なおフレーム部100のコーナ部100Cを含む一部又は全体に滑り止め部材130を設けるか滑り止め処理131を施してもよい。
【0040】
なおフレーム部100のコーナ部100Cは、
図6(A)に示すように直角部などの角部となるよう形成してもよい。また
図6(B)に示すようにフレーム部100の上方全体を断面円弧状に形成してもよい。
【0041】
(縦柱部材の長さ)
【0042】
図3に示すように、壁部材300の内側面300Nは、ベランダ側(部屋側)の壁面に相当する。壁部材300の外側面300T側は、屋外側に相当する。縦柱部材110は、壁部材300の内側面300N側の鉛直方向の長さ110Mが、壁部材300の外側面300T側の鉛直方向の長さ110Nよりも短くなるように構成されている。
【0043】
(フレーム部、保持部の表面処理等)
【0044】
フレーム部100は、少なくともオモテ面100Bが撥水処理又は親水処理されている。例えばフレーム部100は、少なくともオモテ面100Bがフッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標))によって表面処理されることで、撥水処理又は親水処理がなされている。
【0045】
保持部200は、少なくとも壁部材300及び壁部材300の上端に設けられた手すり310に接する当接面210S、220Sが、非粘着処理されている。例えば、保持部200は、少なくとも壁部材300及び壁部材300の上端に設けられた手すり310に接する当接面210S、220Sが、シリコンで構成されることによって非粘着処理がなされている。なお当接面210S、220Sだけに限定されることなく、この当接面210S、220Sを含む保持部200の一部又は全体を非粘着処理してもよい。
【0046】
(実施形態の物干し具の設置)
【0047】
図1、
図3に示すように第1圧着部材210を手すり310に圧着させ、物干し具1が壁部材300に跨るように仮固定する。
【0048】
図4Aは、アジャスタボルト210Bで構成された第1圧着部材210の組立図で、
図4Bは、アジャスタボルト210Bで構成された第1圧着部材210によって壁部材300とフレーム部100との間の距離200Lを調整する様子を示す図である。
【0049】
図4A、
図4Bに示すように、アジャスタボルト210Bで構成された第1圧着部材210の調整用ナット212、ロック用ナット213を回転させることによって、壁部材300とフレーム部100との間の距離200Lが調整されると共にフレーム部100が壁部材300に保持される。
【0050】
すなわちフレーム部100の縦柱部材110に形成されたネジ穴102にアジャスタボルト210Bのネジ部211がねじ込まれる。調整用ナット212を回転させることにより当接面210Sを壁部材300に当接させることができる。ロック用ナット213を回転させることによりアジャスタボルト210Bのネジ部211をフレーム部100の縦柱部材110に締結固定させることができる。
【0051】
(物干し具の連結)
【0052】
物干し具1を構成するフレーム部100は、角パイプ、丸パイプ、アングル、チャンネル、板材、丸棒、角棒等任意の規格のフレーム部材を使用して構成することができる。例えば、縦柱部材110のうち直線部に相当する長さの角パイプと縦柱部材110のうちコーナ部100Cに相当する長さの曲げ加工された角パイプを溶接して縦柱部材110を構成することができる。この縦柱部材110に、横柱部材120に相当する長さの角パイプを溶接することによりフレーム部100を組み立てることができる。フレーム部材同士を溶接、締結等により機械的に接続して物干し具1を組み立ててもよく、フレーム部100を鋳造、鍛造、ダイキャストなどによって一体のものとして製造してもよい。
【0053】
壁部材300の横長手方向300Aの長さや、天日干し物品400の横長手方向300Aの長さに応じて、フレーム部100同士を連結して所望する横長手方向長さの物干し具1を組立てることができる。
【0054】
図5A、
図5Bは、横長手方向300Aに沿って2つの連通孔101を有するユニット100U(
図2に示すフレーム部100に相当する)を横長手方向300Aに連結して組み立てられる物干し具1の一例を説明する図である。
図5Aは組立図で、
図5Bは完成状態図である。
図5A、
図5Bは、
図2と同様に物干し具1を上面からみた図である。
【0055】
ユニット100U同士は、ステー108を介してネジ109によりユニット100Uの連結部に形成されたネジ穴109Hにねじ込まれ、両ユニット100U同士が締結される。これにより所望する長さの物干し具1を市場に供給することができる。
【0056】
(実施形態の物干し具の効果)
【0057】
実施形態の物干し具1は、フレーム部100の連通孔101が壁部材300の横長手方向300Aに沿って複数設けられている。このため天日干し物品400は、壁部材300の横長手方向300Aに沿って配置された縦柱部材110によって3点以上で保持される。このため風等の影響によって天日干し物品400がフレーム部100の内側に撓んでしまい壁部材300に直接当たるような事態を回避することができる。
【0058】
また、フレーム部100により天日干し物品400が保持され内側に撓むことが回避されるため、天日干し物品400と壁部材300との隙間が確保され、天日干し物品400の通気性が確保される。
【0059】
このため実施形態によれば従来技術と比較して、ベランダなどの壁に布団などの天日干し物品400が直接当たらないようにすることができると共に、天日干し物品400の通気性を高めることができる。
【0060】
また実施形態の物干し具1は、横柱部材120が、複数の縦柱部材110に対して、少なくとも子供が足を掛けることができない高さ120Hに架け渡されている。また縦柱部材110の鉛直方向長さは、壁部材300の内側面300N側の長さ110Mが、壁部材300の外側面300T側の長さ110Nよりも短くなっている。このため子供が誤って横柱部材120に足を掛けて壁部材300を乗り越えてしまう事態を回避できる。
【0061】
また実施形態の物干し具1は、フレーム部100のコーナ部100Cに、天日干し物品400の滑り止めのための滑り止め部材130が設けられるか、滑り止め処理131が施されている。このため風等の外力によって天日干し物品400がフレーム部100から滑り落ちてしまう事態を回避できる。
【0062】
また実施形態の物干し具1は、フレーム部100のうち少なくともオモテ面100Bが撥水処理又は親水処理されている。このため人手及び天日干し物品400が直接触れる箇所に汚れが付着されることを抑制できる。
【0063】
また実施形態の物干し具1は、保持部200のうち少なくとも壁部材300及び壁部材300の上端に設けられた手すり310に接する当接面210S、220Sが、非粘着処理されている。このため壁部材300及び手すり310が、物干し具1との接触により経年劣化してしまうことを回避できる。
【0064】
特許請求の範囲で、物干し具1を任意に構成することができる。
【0065】
図7は、
図1に対応する図で、別実施形態の物干し具1を示す斜視図である。
【0066】
図7に示すように、
図1に示すフレーム部100に対して横柱部材120を追加してフレーム部100を構成する実施も可能である。
【0067】
図8は、
図1に対応する図で、別実施形態の物干し具1を示す斜視図である。
【0068】
図8に示すように、
図1に示すフレーム部100に板材125を装着する実施も可能である。板材125は、天日干し物品400を洗濯バサミ等によって把持するために用いることができる。また板材125は、フレーム部100の装飾性を高めるために用いることができる。フレーム部100の一部を覆うように板材125を装着してもよくフレーム部100の全体を覆うようにフレーム部100に板材125を装着してもよい。板材125には連通孔101に応じた連通孔を形成することができる。
【0069】
また実施形態の物干し具1に、物干し竿に装着できるアタッチメントを取り付けてよい。例えば第2圧着部材220に、物干し竿を固定保持するためのアタッチメントを取り付けることができる。物干し竿に跨るように物干し竿の間に隙間を空けてフレーム部100が装着されるため、フレーム部100にかけられた天日干し物品400が物干し竿に直接当たらず、通気性良く天日干し物品400を天日干しすることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 物干し具
100 フレーム部
100A 裏面
100B オモテ面
110 縦柱部材
110L 所定の間隔
120 横柱部材
101 連通孔
200 保持部材
200A 隙間
300 壁部材
300A 横長手方向