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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184327
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】コンピュータ
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20231221BHJP
【FI】
G06F9/445 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098401
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下東 誠
(72)【発明者】
【氏名】黒川 子門
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AC12
5B376CA68
5B376EA06
(57)【要約】
【課題】コンピュータの電源断を発生させることなくPLDの内部論理回路の構成を更新すること。
【解決手段】コンピュータ10は、メモリ32を有するPLD30と、電源供給部40とを有し、メモリ32は、コンピュータ10の電源を落とした後にコンピュータ10の電源を再投入する第一シーケンスを記憶し、電源供給部40は、第一シーケンスに基づいたPLD30からの制御に従ってコンピュータ10への電源供給を行い、PLD30は、PLD30の内部論理回路の構成が更新されるときに、コンピュータ10の電源が投入されているか否かを判定し、コンピュータ10の電源が投入されていないときは、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させる一方で、コンピュータ10の電源が投入されているときは、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの電源を落とした後に前記電源を再投入する第一シーケンスが記憶されたメモリを有するプログラマブルロジックデバイスと、
前記第一シーケンスに基づいた前記プログラマブルロジックデバイスからの制御に従って前記コンピュータへの電源供給を行う電源供給部と、
を具備し、
前記プログラマブルロジックデバイスは、
前記プログラマブルロジックデバイスの内部論理回路の構成が更新されるときに、前記電源が投入されているか否かを判定し、
前記電源が投入されていないときは、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った処理を実行させる一方で、
前記電源が投入されているときは、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った前記処理を実行させない、
コンピュータ。
【請求項2】
前記プログラマブルロジックデバイスは、前記電源が投入されているときは、前記プログラマブルロジックデバイスから前記電源供給部への出力が遮断された状態で前記プログラマブルロジックデバイス内で前記第一シーケンスの実行を完了することにより、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った前記処理を実行させない、
請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記プログラマブルロジックデバイスは、前記電源が投入されているときは、前記プログラマブルロジックデバイスから前記電源供給部への出力が遮断された状態で前記第一シーケンスの実行をスキップすることにより、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った前記処理を実行させない、
請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項4】
リセット信号に基づいて再起動するデバイス、をさらに具備し、
前記メモリは、前記リセット信号を制御する第二シーケンスをさらに記憶し、
前記プログラマブルロジックデバイスは、
前記電源が投入されていないときは、前記デバイスを再起動させる一方で、
前記電源が投入されているときは、前記デバイスを再起動させない、
請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項5】
前記プログラマブルロジックデバイスは、前記電源が投入されているときは、前記プログラマブルロジックデバイスから前記デバイスへの出力が遮断された状態で前記プログラマブルロジックデバイス内で前記第二シーケンスの実行を完了することにより、前記デバイスを再起動させない、
請求項4に記載のコンピュータ。
【請求項6】
前記プログラマブルロジックデバイスは、前記電源が投入されているときは、前記プログラマブルロジックデバイスから前記デバイスへの出力が遮断された状態で前記第二シーケンスの実行をスキップすることにより、前記デバイスを再起動させない、
請求項4に記載のコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)が搭載されたコンピュータの中には、PLDがコンピュータの電源制御を行うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-290758号公報
【特許文献2】特開2015-142361号公報
【特許文献3】特開2020-109553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PLDが電源制御を行うコンピュータでは、コンピュータの電源が投入された状態でPLDの内部論理回路の構成が更新されるとコンピュータの電源断が発生してしまうため、PLDの内部論理回路の構成が更新されるときには、コンピュータの稼働が停止してしまう。
【0005】
そこで、本開示では、コンピュータの電源断を発生させることなくPLDの内部論理回路の構成を更新できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコンピュータは、メモリを有するプログラマブルロジックデバイスと、電源供給部とを有する。前記メモリは、前記コンピュータの電源を落とした後に前記電源を再投入する第一シーケンスを記憶する。前記電源供給部は、前記第一シーケンスに基づいた前記プログラマブルロジックデバイスからの制御に従って前記コンピュータへの電源供給を行う。前記プログラマブルロジックデバイスは、前記プログラマブルロジックデバイスの内部論理回路の構成が更新されるときに、前記コンピュータの電源が投入されているか否かを判定する。そして、前記プログラマブルロジックデバイスは、前記電源が投入されていないときは、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った処理を実行させる一方で、前記電源が投入されているときは、前記電源供給部に前記第一シーケンスに従った前記処理を実行させない。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コンピュータの電源断を発生させることなくPLDの内部論理回路の構成を更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施例1のコンピュータの構成例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施例1のコンピュータにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本開示の実施例1のコンピュータにおけるタイミングチャートの一例である。
図4図4は、本開示の実施例2のコンピュータにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本開示の実施例2のコンピュータにおけるタイミングチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例において同一の構成、及び、同一の処理を行うステップには同一の符号を付す。
【0010】
[実施例1]
<コンピュータの構成>
図1は、本開示の実施例1のコンピュータの構成例を示す図である。図1において、コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)20と、PLD30と、電源供給部40と、制御対象デバイス50と、電圧V1,V2のプルアップ電源と、プルアップ抵抗R1,R2とを有する。PLD30は、制御部31と、メモリ32と、バッファ33,34とを有する。PLDの一例として、SPLD(Simple PLD)、CPLD(Complex PLD)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。
【0011】
メモリ32には、制御シーケンスが予め記憶されている。制御シーケンスは、コンピュータ10の電源を落とした後にコンピュータ10の複数の電源を再投入するシーケンス(以下では「第一シーケンス」と呼ぶことがある)を含む。制御部31は、第一シーケンスに基づいてHighレベルの電源制御信号PCS(以下では「HighレベルPCS」と呼ぶことがある)と、Lowレベルの電源制御信号PCS(以下では「LowレベルPCS」と呼ぶことがある)とを出力することにより電源供給部40を制御する。電源供給部40は、制御部31からの制御に従ってコンピュータ10への電源供給を行う。電源供給部40に入力される電源制御信号PCSがHighレベルPCSであるときは、電源供給部40はコンピュータ10へ電源を供給するためコンピュータ10の電源が投入される一方で、電源供給部40に入力される電源制御信号PCSがLowレベルPCSであるときは、電源供給部40はコンピュータ10へ電源を供給しないためコンピュータ10の電源が落とされる。第一シーケンスには、制御部31がLowレベルPCSを出力した後にHighレベルPCSを出力することが規定されており、制御部31が第一シーケンスに従って電源制御信号PCSをPLD30の外部へ出力することで、コンピュータ10の電源が一旦落とされた後に再投入される。
【0012】
コンピュータ10の電源とは別にPLD30の電源が用意され、コンピュータ10の電源が投入されていないときでも、PLD30は稼働することが可能である。
【0013】
制御対象デバイス50は、リセット信号RSに基づいて再起動する。メモリ32に記憶されている制御シーケンスは、第一シーケンスに加えて、複数のリセット信号RSを制御するシーケンス(以下では「第二シーケンス」と呼ぶことがある)をさらに含む。制御部31は、第二シーケンスに基づいてHighレベルのリセット信号RS(以下では「HighレベルRS」と呼ぶことがある)と、Lowレベルのリセット信号RS(以下では「LowレベルRS」と呼ぶことがある)とを出力することにより制御対象デバイス50を制御する。制御対象デバイス50に入力されるリセット信号RSがHighレベルRSであるときは、制御対象デバイス50は再起動せずに制御対象デバイス50の起動が維持される一方で、制御対象デバイス50に入力されるリセット信号RSがLowレベルRSであるときは、制御対象デバイス50は再起動する。第二シーケンスには、制御部31がLowレベルRSを出力した後にHighレベルRSを出力することが規定されており、制御部31が第二シーケンスに従ってリセット信号RSをPLD30の外部へ出力することで、制御対象デバイス50が再起動される。
【0014】
また、制御部31は、バッファ33,34を制御し、バッファ33,34をハイインピーダンス状態またはローインピーダンス状態の何れかに設定する。制御部31からバッファ33,34へハイインピーダンス制御信号HCSが出力されているときはバッファ33,34のハイインピーダンスが有効になるためバッファ33,34がハイインピーダンス状態となる一方で、制御部31からバッファ33,34へハイインピーダンス制御信号HCSが出力されていないときはバッファ33,34のハイインピーダンスが無効になるためバッファ33,34がローインピーダンス状態となる。
【0015】
バッファ33がローインピーダンス状態にあるときは、制御部31と電源供給部40とが導通するため、制御部31から出力される電源制御信号PCSが電源供給部40に入力される。一方で、バッファ33がハイインピーダンス状態にあるときは、制御部31から出力される電源制御信号PCSがバッファ33によって遮断されるため、PLD30の外部では、電源供給部40に入力される電源制御信号PCSが存在しなくなる。
【0016】
そこで、プルアップ電源の電圧V1がプルアップ抵抗R1を介して電源供給部40の入力に印加されることにより、バッファ33がハイインピーダンス状態にあって電源供給部40に入力される電源制御信号PCSが存在しなくなるときでも、電源供給部40の入力レベルはHighレベルに維持される。このため、バッファ33がハイインピーダンス状態にあるときは、電源供給部40からコンピュータ10への電源の供給が維持され、コンピュータ10の電源は投入されたままになる。コンピュータ10への電源供給が行われていないときは、プルアップ電源V1が投入されていないため、電源供給部40の入力レベルはLowレベルとなる。
【0017】
また、バッファ34がローインピーダンス状態にあるときは、制御部31と制御対象デバイス50とが導通するため、制御部31から出力されるリセット信号RSが制御対象デバイス50に入力される。一方で、バッファ34がハイインピーダンス状態にあるときは、制御部31から出力されるリセット信号RSがバッファ34によって遮断されるため、PLD30の外部では、制御対象デバイス50に入力されるリセット信号RSが存在しなくなる。
【0018】
そこで、プルアップ電源の電圧V2がプルアップ抵抗R2を介して制御対象デバイス50の入力に印加されることにより、バッファ34がハイインピーダンス状態にあって制御対象デバイス50に入力される制御信号RSが存在しなくなるときでも、制御対象デバイス50の入力レベルはHighレベルに維持される。このため、バッファ34がハイインピーダンス状態にあるときは、制御対象デバイス50は再起動せず、制御対象デバイス50の起動が維持される。コンピュータ10への電源供給が行われていないときは、プルアップ電源V2が投入されていないため、制御対象デバイス50の入力レベルはLowレベルとなる。
【0019】
また、CPU20は、制御部31の設定を更新することによりPLD30の内部論理回路の構成を更新する。
【0020】
電源供給部40は、電源供給部40がコンピュータ10に電源を供給している状態にあるか否か、つまり、コンピュータ10の電源が投入されているか否かを示す信号(以下では「電源状態信号」と呼ぶことがある)PSSを制御部31へ出力する。
【0021】
制御部31は、CPU20によってPLD30の内部論理回路の構成が更新されるときに、電源状態信号PSSに基づいて、コンピュータ10の電源が投入されているか否かを判定する。
【0022】
そして、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されていないときは、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させる一方で、コンピュータ10の電源が投入されているときは、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させない。また、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されていないときは、制御対象デバイス50を再起動させない一方で、コンピュータ10の電源が投入されているときは、制御対象デバイス50を再起動させる。
【0023】
<コンピュータにおける処理手順>
図2は、本開示の実施例1のコンピュータにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、CPU20によってPLD30の内部論理回路の構成が更新されるときに開始される。
【0024】
ステップS100では、制御部31は、ハイインピーダンス制御信号HCSをバッファ33,34へ出力してバッファ33,34のハイインピーダンスを有効にする。これにより、ステップS100では、バッファ33,34がハイインピーダンス状態となるため、制御部31から出力される電源制御信号PCSがバッファ33によって遮断されるとともに、制御部31から出力されるリセット信号RSがバッファ34によって遮断される。
【0025】
次いで、ステップS105では、制御部31は、電源状態信号PSSに基づいて、コンピュータ10の電源が投入されているか否かを判定する。コンピュータ10の電源が投入済みであるときは(ステップS105:Yes)、処理はステップS110へ進み、コンピュータ10の電源が投入されていないときは(ステップS105:No)、処理はステップS120へ進む。
【0026】
ステップS110では、制御部31は、メモリ32に記憶されている制御シーケンスを実行する。ここで、ステップS110で制御シーケンスが実行されるときには、バッファ33,34がハイインピーダンス状態にあるため、制御部31から電源供給部40への出力が遮断された状態でPLD30内で第一シーケンスの実行が完了するとともに、制御部31から制御対象デバイス50への出力が遮断された状態でPLD30内で第二シーケンスの実行が完了する。このように、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されているときは(ステップS105:Yes)、制御部31から電源供給部40への出力が遮断された状態で(ステップS100)PLD30内で第一シーケンスの実行を完了することにより、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させない。また、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されているときは(ステップS105:Yes)、制御部31から制御対象デバイス50への出力が遮断された状態で(ステップS100)PLD30内で第二シーケンスの実行を完了することにより、制御対象デバイス50を再起動させない。
【0027】
ステップS110の処理が完了した後、ステップS115では、制御部31は、バッファ33,34へのハイインピーダンス制御信号HCSの出力を停止してバッファ33,34のハイインピーダンスを無効にする。これにより、ステップS115では、バッファ33,34がローインピーダンス状態となるため、制御部31から出力される電源制御信号PCSが電源供給部40に入力されるようになるとともに、制御部31から出力されるリセット信号RSが制御対象デバイス50に入力されるようになる。ステップS115の処理後、図2に示すフローチャートは終了する。
【0028】
一方で、ステップS120では、制御部31は、バッファ33,34へのハイインピーダンス制御信号HCSの出力を停止してバッファ33,34のハイインピーダンスを無効にする。
【0029】
ステップS120でバッファ33,34のハイインピーダンスが無効になった後、ステップS125では、制御部31は、メモリ32に記憶されている制御シーケンスを実行する。ステップS125の処理後、図2に示すフローチャートは終了する。
【0030】
<コンピュータにおけるタイミングチャート>
図3は、本開示の実施例1のコンピュータにおけるタイミングチャートの一例である。以下、コンピュータ10の電源が投入されていないとき(電源未投入時)のタイミングチャートと、コンピュータ10の電源が投入されているとき(電源投入済時)のタイミングチャートとに分けて説明する。
【0031】
<電源未投入時>
図3の電源未投入時において、PLD30の内部論理回路の構成の更新が開始されると(PLD:設定更新開始)、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを有効にする(ステップS100)。
【0032】
次いで、時刻t11では、コンピュータ10の電源が投入されていないため(ステップS105:No)、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを無効にする(ステップS120)。バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている間は、電源制御信号PCS及びリセット信号RSはPLD30の外部に現れない。プルアップ電源V1,V2が投入されていないため、電源供給部40の入力レベル及び制御対象デバイス50の入力レベルはLowレベルとなる。
【0033】
次いで、時刻t12では、バッファ33,34のハイインピーダンスが無効になっている状態で、制御部31は、制御シーケンスの実行を開始する(ステップS125)。バッファ33,34のハイインピーダンスが無効になっている間は、制御部31から出力される電源制御信号PCS及びリセット信号RSがバッファ33,34によって遮断されずにPLD30の外部に現れるため、電源制御信号PCSが電源供給部40に入力されるとともに、リセット信号RSが制御対象デバイス50に入力される。
【0034】
PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31は、第一シーケンスに従って、時刻t12でLowレベルPCSを出力し、時刻t13でHighレベルPCSを出力する。また、PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31は、第二シーケンスに従って、時刻t12でLowレベルRSを出力し、時刻t14でHighレベルRSを出力する。
【0035】
そして、時刻t15では、バッファ33,34のハイインピーダンスが無効になっている状態で、制御部31は、制御シーケンスの実行を完了する。
【0036】
<電源投入済時>
図3の電源投入済時において、PLD30の内部論理回路の構成の更新が開始されると(PLD:設定更新開始)、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを有効にする(ステップS100)。
【0037】
次いで、時刻t21では、コンピュータ10の電源が投入されているため(ステップS105:Yes)、バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている状態で、制御部31は、制御シーケンスの実行を開始する(ステップS110)。バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている間は、制御部31からの出力はバッファ33,34によって遮断されるため、制御部31から出力される電源制御信号PCS及びリセット信号RSはPLD30の外部に現れない。
【0038】
よって、PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31が第一シーケンスに従って時刻t21で出力したLowレベルPCS、及び、PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31が第一シーケンスに従って時刻t22で出力したHighレベルPCSは、電源供給部40に入力されない。
【0039】
また、PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31が第二シーケンスに従って時刻t21で出力したLowレベルRS、及び、PLD30の内部で制御シーケンスを実行中の制御部31が第二シーケンスに従って時刻t23で出力したHighレベルRSは、制御対象デバイス50に入力されない。
【0040】
次いで、時刻t24では、バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている状態で、制御部31は、制御シーケンスの実行を完了する。
【0041】
バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている期間では、プルアップ電源V1,V2が投入されているため、電源供給部40の入力レベル及び制御対象デバイス50の入力レベルはHighレベルに維持される。
【0042】
そして、時刻t25では、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを無効にする(ステップS115)。
【0043】
以上、実施例1について説明した。
【0044】
[実施例2]
以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0045】
<コンピュータにおける処理手順>
図4は、本開示の実施例2のコンピュータにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、CPU20によってPLD30の内部論理回路の構成が更新されるときに開始される。
【0046】
ステップS100の処理後、処理はステップS105へ進む。
【0047】
ステップS105においてコンピュータ10の電源が投入済みであるときは(ステップS105:Yes)、処理はステップS200へ進み、ステップS105においてコンピュータ10の電源が投入されていないときは(ステップS105:No)、処理はステップS120へ進む。
【0048】
ステップS200では、制御部31は、メモリ32に記憶されている制御シーケンスの実行をスキップする。つまり、ステップS200では、制御シーケンスが実行されない。このように、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されているときは(ステップS105:Yes)、制御部31から電源供給部40への出力が遮断された状態で(ステップS100)第一シーケンスの実行をスキップすることにより、電源供給部40に第一シーケンスに従った処理を実行させない。また、制御部31は、コンピュータ10の電源が投入されているときは(ステップS105:Yes)、制御部31から制御対象デバイス50への出力が遮断された状態で(ステップS100)第二シーケンスの実行をスキップすることにより、制御対象デバイス50を再起動させない。
【0049】
ステップS200の処理後、処理はステップS115へ進む。
【0050】
<コンピュータにおけるタイミングチャート>
図5は、本開示の実施例2のコンピュータにおけるタイミングチャートの一例である。コンピュータ10の電源が投入されていないとき(電源未投入時)のタイミングチャートについては実施例1と同一であるため説明を省略する。以下、コンピュータ10の電源が投入されているとき(電源投入済時)のタイミングチャートについて説明する。
【0051】
<電源投入済時>
図5の電源投入済時において、PLD30の内部論理回路の構成の更新が開始されると(PLD:設定更新開始)、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを有効にする(ステップS100)。
【0052】
次いで、時刻t31では、コンピュータ10の電源が投入されているため(ステップS105:Yes)、バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている状態で、制御部31は、制御シーケンスの実行をスキップする(ステップS200)。また、時刻t31では、制御部31は、初期状態のLowレベルPCSをHighレベルPCSに変更し、初期状態のLowレベルRSをHighレベルRSに変更する。
【0053】
バッファ33,34のハイインピーダンスが有効になっている期間では、プルアップ電源V1,V2が投入されているため、電源供給部40の入力レベル及び制御対象デバイス50の入力レベルはHighレベルに維持される。
【0054】
そして、時刻t32では、制御部31はバッファ33,34のハイインピーダンスを無効にする(ステップS115)。
【0055】
以上、実施例2について説明した。
【0056】
以上のように、本開示のコンピュータ(実施例のコンピュータ10)は、メモリ(実施例のメモリ32)を有するプログラマブルロジックデバイス(実施例のPLD30)と、電源供給部(実施例の電源供給部40)とを有する。メモリは、コンピュータの電源を落とした後にコンピュータの電源を再投入する第一シーケンスを記憶する。電源供給部は、第一シーケンスに基づいたプログラマブルロジックデバイスからの制御に従ってコンピュータへの電源供給を行う。プログラマブルロジックデバイスは、プログラマブルロジックデバイスの内部論理回路の構成が更新されるときに、コンピュータの電源が投入されているか否かを判定する。そして、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されていないときは、電源供給部に第一シーケンスに従った処理を実行させる一方で、コンピュータの電源が投入されているときは、電源供給部に第一シーケンスに従った処理を実行させない。
【0057】
例えば、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されているときは、プログラマブルロジックデバイスから電源供給部への出力が遮断された状態でプログラマブルロジックデバイス内で第一シーケンスの実行を完了することにより、電源供給部に第一シーケンスに従った処理を実行させない。
【0058】
また例えば、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されているときは、プログラマブルロジックデバイスから電源供給部への出力が遮断された状態で第一シーケンスの実行をスキップすることにより、電源供給部に第一シーケンスに従った処理を実行させない。
【0059】
こうすることで、コンピュータの電源断を発生させることなくプログラマブルロジックデバイスの内部論理回路の構成を更新できる。
【0060】
また、本開示のコンピュータは、リセット信号に基づいて再起動するデバイス(実施例の制御対象デバイス50)を有する。また、メモリは、リセット信号を制御する第二シーケンスを記憶する。そして、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されていないときは、デバイスを再起動させる一方で、コンピュータの電源が投入されているときは、デバイスを再起動させない。
【0061】
例えば、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されているときは、プログラマブルロジックデバイスからデバイスへの出力が遮断された状態でプログラマブルロジックデバイス内で第二シーケンスの実行を完了することにより、デバイスを再起動させない。
【0062】
また例えば、プログラマブルロジックデバイスは、コンピュータの電源が投入されているときは、プログラマブルロジックデバイスからデバイスへの出力が遮断された状態で第二シーケンスの実行をスキップすることにより、デバイスを再起動させない。
【0063】
こうすることで、コンピュータの電源断を発生させることなくデバイスを再起動させることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 コンピュータ
20 CPU
30 PLD
31 制御部
32 メモリ
33,34 バッファ
40 電源供給部
50 制御対象デバイス
V1,V2 プルアップ電源
R1,R2 プルアップ抵抗
図1
図2
図3
図4
図5