(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184334
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20231221BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20231221BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231221BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L27/04 P
H01L21/88 Z
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L27/088 H
H01L27/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098418
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】位田 友哉
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
5F048
【Fターム(参考)】
5F033HH18
5F033HH19
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5F033JJ11
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5F048CB03
5F048CB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トランジスタの動作を高速にしつつ、抵抗素子を微細化する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置において、連続した蛇行形状を有している抵抗部材GRの両端のコンタクト領域GRc1、GRc2は、夫々ゲート抵抗素子GRESの形成領域の対角位置に配置され、夫々コンタクトCS1、CS2を介して配線層D0のコンタクト領域D0c1、D0c2に電気的に接続されている。抵抗部材GR及び配線層D0~D5において、形成領域の対角位置と中心付近とを交互に行き来して蛇行しながら配線されているゲート抵抗素子は、抵抗部材だけでなく、その上に積層された配線層も蛇行しているので、配線距離が長くなる。その結果、ゲート抵抗素子GRESは、シート抵抗の小さい材料で構成され、かつ、平面レイアウト面積が小さくても、所望の範囲の抵抗値に容易にし、配線層の数を減らし、トランジスタの動作を高速にしつつ、半導体装置を微細化する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面上方に設けられた第1金属層をゲート電極として含むトランジスタと、
前記第1金属層と同一材料で構成され前記基板の表面と略平行な面内の第1方向に延伸する第1~第3細長部材、並びに、前記第1金属層と同一材料で構成され前記第1方向に交差する第2方向に延伸し前記第1~第3細長部材の端部間を接続する第1および第2接続部材を含む第1配線層と、
前記第1金属層の上方に設けられ、前記第1または第2方向の一方に延伸する第4~第6細長部材、並びに、前記第4~第6細長部材と同一材料で構成され前記第1または第2方向の他方に延伸し前記第4~第6細長部材の端部間を接続する第3および第4接続部材を含む第2配線層と、を備え、
前記第1および第2配線層の一端部は電気的に接続されている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1接続部材は、前記第1および第2細長部材の一端同士を接続し、
前記第2接続部材は、前記第2細長部材の他端と前記第3細長部材の一端との間を接続し、
前記第3接続部材は、前記第4および第5細長部材の一端同士を接続し、
前記第4接続部材は、前記第5細長部材の他端と前記第6細長部材の一端との間を接続し、
前記第1細長部材の他端と前記第4細長部材の他端とが電気的に接続されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1細長部材の他端と前記第4細長部材の他端との間を電気的に接続するコンタクトをさらに備えている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1~第6細長部材および前記第1~第4接続部材は抵抗素子である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記基板の表面の上方からの平面視において、前記第1~第3細長部材および前記第1および第2接続部材は蛇行状または渦巻き状の形状を有しており、
前記基板の表面の上方からの平面視において、前記第4~第6細長部材および前記第3および第4接続部材も蛇行状または渦巻き状の形状を有している、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2配線層は、互いに電気的に分離された複数の配線を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2配線層の上方に設けられ、前記第1または第2方向の一方に延伸する第7~第9細長部材、並びに、前記第7~第9細長部材と同一材料で構成され前記第1または第2方向の他方に延伸し前記第7~第9細長部材の端部間を接続する第5および第6接続部材を含む第3配線層をさらに備え、
前記第2および第3配線層の端部は電気的に接続されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トランジスタのゲート電極の材料として、金属シリサイドからさらに低抵抗な金属材料が用いられる場合がある。この場合、トランジスタの動作は高速化するものの、ゲート電極と同一材料で構成される抵抗素子のレイアウト面積は増大してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-187864号公報
【特許文献2】特開2021-072365号公報
【特許文献3】米国特許第10958250号公報
【特許文献4】米国特許第9960116号公報
【特許文献5】米国特許第8093923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トランジスタの動作を高速にしつつ、抵抗素子を微細化することができる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体装置は、基板を備える。トランジスタは、基板の表面上方に設けられた第1金属層をゲート電極として含む。第1配線層は、第1金属層と同一材料で構成され基板の表面と略平行な面内の第1方向に延伸する第1~第3細長部材、並びに、第1金属層と同一材料で構成され第1方向に交差する第2方向に延伸し第1~第3細長部材の端部間を接続する第1および第2接続部材を含む。第2配線層は、第1金属層の上方に設けられ、第1または第2方向の一方に延伸する第4~第6細長部材、並びに、第4~第6細長部材と同一材料で構成され第1または第2方向の他方に延伸し第4~第6細長部材の端部間を接続する第3および第4接続部材を含む。第1および第2配線層の一端部は電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態による半導体装置の構成例を示す断面図。
【
図2】ゲート抵抗素子の構成をより詳細に示す断面図。
【
図3】ゲート抵抗素子の抵抗部材の構成を示す平面図。
【
図4】ゲート抵抗素子の配線層の構成を示す平面図。
【
図5】ゲート抵抗素子の配線層の構成を示す平面図。
【
図6】ゲート抵抗素子の全体の構成例を示す概略斜視図。
【
図7】第2実施形態による配線層の構成を示す平面図。
【
図8】ゲート抵抗素子の全体の構成例を示す概略斜視図。
【
図9】第2実施形態の変形例によるゲート抵抗素子の全体の構成例を示す概略斜視図。
【
図10】第3実施形態による半導体装置の構成例を示す断面図。
【
図11】第3実施形態による半導体装置の構成例を示す断面図。
【
図12】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図13】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図14】第2実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図22】上記実施形態のいずれかを適用した半導体装置の構成例を示すブロック図。
【
図23】メモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。以下の実施形態において、半導体基板の上下方向は、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による半導体装置の構成例を示す断面図である。本実施形態では、半導体装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。半導体装置1は、貼合面F1において互いに貼合されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を有するCMOSチップCH1とメモリセルアレイMCAを有するセルアレイチップCH2とを備える。
【0009】
CMOSチップCH1は、基板10と、超低電圧トランジスタVLVTと、低電圧トランジスタLVTと、高電圧トランジスタHVTと、拡散抵抗素子DRESと、ゲート抵抗素子GRESと、容量素子CAPと、メモリセルアレイMCAと、多層配線層30、130とを備える。
【0010】
超低電圧トランジスタVLVT、低電圧トランジスタLVTおよび高電圧トランジスタHVT(以下、まとめて、トランジスタVLVT、LVT、HVTともいう)は、基板10上に設けられた半導体素子の一例である。基板10は、例えば、シリコン基板である。基板10の表面には、素子分離部20(STI(Shallow Trench Isolation))が設けられており、アクティブエリアを区画している。トランジスタVLVT、LVT、HVTは、基板10の表面のアクティブエリアに設けられている。トランジスタVLVT、LVT、HVTは、それぞれ、基板10の表面上に設けられたゲート絶縁膜(図示せず)と、ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極Gと、ゲート電極Gの一方側の基板10に設けられたソース拡散層と、ゲート電極Gの他方側の基板10に設けられたドレイン拡散層とを有する。ゲート電極Gは、第1金属層としてのタングステン、チタン、窒化チタン等の低抵抗材料、あるいは、それらの積層膜で構成されている。ゲート電極Gにこのような低抵抗材料が用いられることによって、トランジスタVLVT、LVT、HVTの高速動作が可能になる。
【0011】
拡散抵抗素子DRESは、トランジスタVLVT、LVT、HVTのソース拡散層およびドレイン拡散層と同じ不純物拡散層で構成された抵抗素子でよい。拡散抵抗素子DRESは、基板10の表面に導入された不純物によって所定範囲の抵抗値に設定されている。勿論、拡散抵抗素子DRESは、ソース拡散層およびドレイン拡散層とは異なる不純物拡散層で構成されもよい。
【0012】
ゲート抵抗素子GRESは、ゲート電極Gと同一材料層に形成され、同一材料で構成されている抵抗部材GRを含む。この場合、抵抗部材GRは、ゲート電極Gと同様に低抵抗であるため、所定範囲の抵抗値を得るためには細長く形成する必要があり、レイアウト面積の増大に繋がる。そこで、本実施形態では、ゲート抵抗素子GRESは、抵抗部材GRだけでなく、多層配線層30の配線層も抵抗部材として含める。ゲート抵抗素子GRESのより詳細な構成については、後述する。
【0013】
容量素子CAPは、多層配線層30の配線層と同じ層に設けられた電極E1および電極E2を備える。電極E1、E2は、例えば、後述する配線層D0~D5と同一材料層に形成され、同一材料で構成されている。電極E1と電極E2との間には、絶縁層ILD0が介在しており電極E1と電極E2との間を絶縁している。
【0014】
ゲート電極Gおよび抵抗部材GRの周囲には、絶縁材料からなるスペーサまたはライナ層が設けられていてもよい。
【0015】
トランジスタVLVT、LVT、HVT、拡散抵抗素子DRES、ゲート抵抗素子GRES上には、多層配線層30が設けられている。多層配線層30は、複数の配線層D0~D5と、複数の絶縁層ILD0~ILD2と、複数のコンタクトCS、V0~V4とを備えている。
【0016】
配線層D0~D5は、基板10の表面に対して略垂直方向(Z方向)に積層されている。配線層D0~D5は、それぞれ所望のレイアウトにパターニングされており、任意の配線またはコンタクトに接続されている。配線層D0~D5には、例えば、タングステン、銅等の低抵抗金属材料が用いられている。
【0017】
配線層D0~D5間には、絶縁層ILD0~ILD2のいずれかが介在している。絶縁層ILD0には、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)が用いられている。絶縁層ILD1には、例えば、シリコン窒化膜(SiN)が用いられている。絶縁層ILD2には、例えば、シリコン炭窒化膜(SiCN)が用いられている。
【0018】
コンタクトCS、V0~V4は、絶縁層ILD0~ILD2を貫通して、基板10と配線層D0との間、あるいは、配線層D0~D5間を電気的に接続する。コンタクトCS、V0~V4には、例えば、タングステン、銅等の低抵抗金属材料が用いられている。
【0019】
セルアレイチップCH2は、基板110と、メモリセルアレイMCAと、多層配線層130と、金属層150とを備える。基板110は、例えば、シリコン基板である。メモリセルアレイMCAは、基板110上に設けられており、複数のメモリセルが立体的に配列された立体型メモリセルアレイでよい。
【0020】
多層配線層130は、多層配線層30と同様に、複数の配線層と、複数の絶縁層と、複数のコンタクトとを備えている。多層配線層130は、セルアレイチップCH2に形成されたメモリセルアレイMCA等の半導体素子とCMOSチップCH1との間を電気的に接続する。多層配線層130の貼合面F1において露出された配線層またはパッドは、CMOSチップCH1側の多層配線層30の配線層D5と接合されている。これにより、CMOSチップCH1のトランジスタVLVT、LVT、HVT、拡散抵抗素子DRES、ゲート抵抗素子GRES等の半導体素子は、セルアレイチップCH2のメモリセルアレイMCAに電気的に接続される。
【0021】
図2は、ゲート抵抗素子GRESの構成をより詳細に示す断面図である。
図3は、ゲート抵抗素子GRESの抵抗部材GRの構成を示す平面図である。ゲート抵抗素子GRESの抵抗部材GRは、素子分離部20上に設けられており、
図3に示すように、基板10の表面F1の上方からの平面視において蛇行している。尚、
図3において、複数のコンタクトCSを区別するために、コンタクトCS1、CS2としている。
【0022】
図3に示すように、抵抗部材GRは、複数の細長部材GRx1~GRx5と、複数の接続部材GRy1~GRy4と、コンタクト領域GRc1、GRc2とを含む。抵抗部材GRは、ゲート電極Gと同一材料層において同一材料で構成されている。
【0023】
細長部材GRx1~GRx5は、基板10の表面F1と略平行な面内のX方向に延伸する部材である。細長部材GRx1~GRx5は、X方向に長辺または長径を有する長方形または楕円形等でよい。
【0024】
接続部材GRy1~GRy4は、表面F1と略平行な面内においてX方向に交差するY方向に延伸し、細長部材GRx1~GRx5の端部間を接続する。例えば、接続部材GRy1は、細長部材GRx1、GRx2の一端同士を接続する。接続部材GRy2は、細長部材GRx2の他端と細長部材GRx3の一端との間を接続する。接続部材GRy3は、細長部材GRx3の他端と細長部材GRx4の一端との間を接続する。接続部材GRy4は、細長部材GRx4の他端と細長部材GRx5の一端との間を接続する。
【0025】
コンタクト領域GRc1は、細長部材GRx1の他端に接続されており、コンタクトCS1と抵抗部材GRとの間を電気的に接続する。コンタクト領域GRc2は、細長部材GRx5の他端に接続されており、他のコンタクトCS2と抵抗部材GRとの間を電気的に接続する。コンタクト領域GRc1、GRc2は、それぞれコンタクトCS1、CS2を介して、抵抗部材GRの上方にある配線層D0の端部に電気的に接続されている。
【0026】
このように、本実施形態では、X方向に長手方向を有する細長部材GRx1~GRx5がY方向に配列されており、Y方向に延伸する接続部材GRy1~GRy4が細長部材GRx1~GRx5の端部を交互に接続する。これにより、抵抗部材GRは、Z方向から見た平面視において、蛇行しているように構成される。
【0027】
図4は、ゲート抵抗素子GRESの配線層D0の構成を示す平面図である。ゲート抵抗素子GRESの配線層D0は、
図2に示すように、抵抗部材GRの上方に設けられており、抵抗部材GRの上方に重複している。
図4に示すように、配線層D0は、基板10の表面F1の上方からの平面視において蛇行しており、抵抗部材GR(例えば、Ti/TiN/Wの積層膜)と同程度の低抵抗金属材料(例えば、タングステン)で構成されている。従って、配線層D0も、抵抗部材GRと同様にゲート抵抗素子GRESの抵抗部材として機能する。
【0028】
図4に示すように、配線層D0は、複数の細長部材D0x1~D0x6と、複数の接続部材D0y1~D0y4と、コンタクト領域D0c1~D0c4とを含む。細長部材D0x1~D0x6は、X方向に延伸する部材である。細長部材D0x1~D0x6は、X方向に長辺または長径を有する長方形または楕円形等でよい。
【0029】
接続部材D0y1~D0y4は、Y方向に延伸し、細長部材D0x1~D0x5の端部間を接続する。例えば、接続部材D0y1は、細長部材D0x1、D0x2の一端同士を接続する。接続部材D0y2は、細長部材D0x2の他端と細長部材D0x3の一端との間を接続する。接続部材D0y3は、細長部材D0x4、D0x5の一端同士を接続する。接続部材D0y4は、細長部材D0x5の他端と細長部材D0x6の一端との間を接続する。
【0030】
配線層D0は、細長部材D0x1~D0x3および接続部材D0y1、D0y2で構成される配線層D0_1と、細長部材D0x4~D0x6および接続部材D0y3、D0y4で構成される配線層D0_2とを有する。これらの2つの配線層D0_1、D0_2は互いに電気的に分離されている。配線層D0_1は、コンタクト領域D0c1を介して、抵抗部材GRの一端のコンタクト領域GRc1に電気的に接続される。配線層D0_2は、コンタクト領域D0c2を介して、抵抗部材GRの他端のコンタクト領域GRc2に電気的に接続される。
【0031】
コンタクト領域D0c1は、細長部材D0x1の他端に接続されており、コンタクトCS1と配線層D0_1との間を電気的に接続する。
図2に示すように、コンタクトCSは、絶縁層ILD0を貫通して抵抗部材GRに接続されている。従って、コンタクト領域D0c1は、コンタクトCS1を介してコンタクト領域GRc1に電気的に接続されている。即ち、配線層D0_1の一端(D0c1)は、
図3の抵抗部材GRの一端(GRc1)に電気的に接続されている。
【0032】
コンタクト領域D0c2は、細長部材D0x6の他端に接続されており、コンタクトCS2と配線層D0_2との間を電気的に接続する。コンタクト領域D0c2は、コンタクトCS2を介してコンタクト領域GRc2に電気的に接続されている。即ち、配線層D0_2の他端(D0c2)は、
図3の抵抗部材GRの他端(GRc2)に電気的に接続されている。
【0033】
コンタクト領域D0c3は、細長部材D0x3の他端に接続されており、コンタクトV0_1と配線層D0_1との間を電気的に接続する。コンタクト領域D0c4は、細長部材D0x4の他端に接続されており、コンタクトV0_2と配線層D0_2との間を電気的に接続する。コンタクト領域D0c3、D0c4は、それぞれコンタクトV0_1、V0_2を介して、配線層D0の上方にある配線層D1に電気的に接続されている。
【0034】
このように、本実施形態では、X方向に長手方向を有する細長部材D0x1~D0x6がY方向に配列されており、Y方向に延伸する接続部材D0y1~D0y4が細長部材D0x1~D0x6の端部を交互に連続的に接続する。これにより、配線層D0は、Z方向から見た平面視において、蛇行しているように構成される。
【0035】
図5は、ゲート抵抗素子GRESの配線層D1の構成を示す平面図である。ゲート抵抗素子GRESの配線層D1は、
図2に示すように、抵抗部材GRおよび配線層D1の上方に設けられており、
図5に示すように、基板10の表面F1の上方からの平面視において蛇行しており、かつ、抵抗部材GRおよび配線層D1の上方に重複している。配線層D1は、配線層D0と同様に低抵抗金属材料(例えば、タングステン)で構成されている。従って、配線層D1も、抵抗部材GRおよび配線層D0と同様にゲート抵抗素子GRESの抵抗部材として機能する。
【0036】
図5に示すように、配線層D1は、複数の細長部材D1x1~D1x6と、複数の接続部材D1y1~D1y4と、コンタクト領域D1c1~D1c4とを含む。
【0037】
細長部材D1x1~D1x6は、X方向に延伸する部材である。細長部材D1x1~D1x6は、X方向に長辺または長径を有する長方形または楕円形等でよい。
【0038】
接続部材D1y1~D1y4は、Y方向に延伸し、細長部材D1x1~D1x5の端部間を接続する。例えば、接続部材D1y1は、細長部材D1x1、D1x2の一端同士を接続する。接続部材D1y2は、細長部材D1x2の他端と細長部材D1x3の一端との間を接続する。接続部材D1y3は、細長部材D1x4、D1x5の一端同士を接続する。接続部材D1y4は、細長部材D1x5の他端と細長部材D1x6の一端との間を接続する。
【0039】
配線層D1は、細長部材D1x1~D1x3および接続部材D1y1、D1y2で構成される配線層D1_1と、細長部材D1x4~D1x6および接続部材D1y3、D1y4で構成される配線層D1_2とを有し、これらの2つの配線層D1_1、D1_2に電気的に分離されている。配線層D1_1は、コンタクト領域D1c3、コンタクトV1_1および配線層D0_1を介して、抵抗部材GRの一端のコンタクト領域GRc1に電気的に接続される。配線層D1_2は、コンタクト領域D1c4、コンタクトV1_2および配線層D0_2を介して、抵抗部材GRの他端のコンタクト領域GRc2に電気的に接続される。
【0040】
コンタクト領域D1c3は、細長部材D1x3の他端に接続されており、コンタクトV0_1と配線層D1_1との間を電気的に接続する。コンタクトV0_1は、
図4の配線層D0のコンタクト領域D0c3に接続されている。従って、コンタクト領域D1c3は、コンタクトV0_1を介してコンタクト領域D0c3に電気的に接続されている。即ち、配線層D1_1の一端(D1c3)は、
図4の配線層D0_1の一端(D0c3)に電気的に接続されている。
【0041】
コンタクト領域D1c4は、細長部材D1x4の他端に接続されており、コンタクトV0と配線層D1_2との間を電気的に接続する。このコンタクトV0_2は、
図4の配線層D0_2のコンタクト領域D0c4に接続されている。従って、コンタクト領域D1c4は、コンタクトV0_2を介してコンタクト領域D0c4に電気的に接続されている。即ち、配線層D1_2の他端(D1c4)は、
図4の配線層D0_2の他端(D0c4)に電気的に接続されている。
【0042】
コンタクト領域D1c1は、細長部材D1x1の他端に接続されており、コンタクトV1_1と配線層D1_1との間を電気的に接続する。コンタクト領域D1c2は、細長部材D1x6の他端に接続されており、コンタクトV1_2と配線層D1_2との間を電気的に接続する。コンタクト領域D1c1、D1c2は、それぞれコンタクトV1_1、V1_2を介して、配線層D1の上方にある配線層D2に電気的に接続されている。
【0043】
このように、本実施形態では、X方向に長手方向を有する細長部材D1x1~D1x6がY方向に配列されており、Y方向に延伸する接続部材D1y1~D1y4が細長部材D1x1~D1x6の端部を交互に接続する。これにより、配線層D1は、Z方向から見た平面視において、蛇行しているように構成される。
【0044】
図6に示すように、配線層D2~D5も配線層D0、D1と同様の構成を有する。配線層D2は、配線層D1の上方に設けられ、蛇行する2つの配線層D2_1、D2_2を有する。配線層D3は、配線層D2の上方に設けられ、蛇行する2つの配線層D3_1、D3_2を有する。配線層D4は、配線層D3の上方に設けられ、蛇行する2つの配線層D4_1、D4_2を有する。配線層D5は、配線層D4の上方に設けられ、蛇行する2つの配線層D5_1、D5_2を有する。
【0045】
配線層D2~D5のそれぞれの一方の配線層D2_1、D3_1、D4_1、D5_1は、配線層D1_1、D0_1を介して抵抗部材GRの一端のコンタクト領域GRc1に電気的に接続される。配線層D2~D5のそれぞれの他方の配線層D2_2、D3_2、D4_2、D5_2は、配線層D1_2、D0_2を介して抵抗部材GRの他端のコンタクト領域GRc2に電気的に接続される。
【0046】
これにより、
図6に示すように、配線層D0~D5のそれぞれの一方の配線層D0_1~D5_1は、配線層D0~D5のそれぞれの他方の配線層D0_2~D5_2から電気的に分離されたまま、抵抗部材GRの一端に電気的に接続される。配線層D0~D5のそれぞれの他方の配線層D0_2~D5_2は、抵抗部材GRの他端に電気的に接続される。最上層の配線層D5の2つの配線の他端のコンタクト領域D5c1、D5cは、図示しない配線を介してCMOSチップCH1の半導体素子に電気的に接続される。
【0047】
図6は、ゲート抵抗素子GRESの全体の構成例を示す概略斜視図である。抵抗部材GRは、連続した蛇行形状を有している。抵抗部材GRの両端のコンタクト領域GRc1、GRc2は、それぞれ
図3のゲート抵抗素子GRESの形成領域Rgrの対角位置に配置される。コンタクト領域GRc1、GRc2は、それぞれコンタクトCS1、CS2を介して配線層D0のコンタクト領域D0c1、D0c2に電気的に接続されている。
【0048】
配線層D0の2つの配線層D0_1、D0_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D0_1、D0_2の一端のコンタクト領域D0c1、D0c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置され、他端のコンタクト領域D0c3、D0c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置される。コンタクト領域D0c3、D0c4は、それぞれコンタクトV0_1、V0_2を介して配線層D1のコンタクト領域D1c3、D1c4に電気的に接続されている。
【0049】
配線層D1の2つの配線層D1_1、D1_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D1_1、D1_2の一端のコンタクト領域D1c3、D1c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置され、他端のコンタクト領域D1c1、D1c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置される。コンタクト領域D1c1、D1c2は、それぞれコンタクトV1_1、V1_2を介して配線層D2のコンタクト領域D2c1、D2c2に電気的に接続されている。
【0050】
配線層D2の2つの配線層D2_1、D2_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D2_1、D2_2の一端のコンタクト領域D2c1、D2c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置され、他端のコンタクト領域D2c3、D2c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置される。コンタクト領域D2c3、D2c4は、それぞれコンタクトV2_1、V2_2を介して配線層D3のコンタクト領域D3c3、D3c4に電気的に接続されている。
【0051】
配線層D3の2つの配線層D3_1、D3_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D3_1、D3_2の一端のコンタクト領域D3c3、D3c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置され、他端のコンタクト領域D3c1、D3c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置される。コンタクト領域D3c1、D3c2は、それぞれコンタクトV3_1、V3_2を介して配線層D4のコンタクト領域D4c1、D4c2に電気的に接続されている。
【0052】
配線層D4の2つの配線層D4_1、D4_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D4_1、D4_2の一端のコンタクト領域D4c1、D4c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置され、他端のコンタクト領域D4c3、D4c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置される。コンタクト領域D4c3、D4c4は、それぞれコンタクトV4_1、V4_2を介して配線層D5のコンタクト領域D5c3、D5c4に電気的に接続されている。
【0053】
配線層D5の2つの配線層D5_1、D5_2は、ともに蛇行しており、互いに電気的に分離されている。配線層D5_1、D5_2の一端のコンタクト領域D5c3、D5c4は、形成領域Rgrの中心付近に配置され、他端のコンタクト領域D5c1、D5c2は、形成領域Rgrの対角位置に配置される。コンタクト領域D5c1、D5c2は、それぞれ図示しないCMOSチップCH1の任意の半導体素子に電気的に接続されている。
【0054】
このように、抵抗部材GRおよび配線層D0~D5の接続位置は、層が上昇するごとに、ゲート抵抗素子GRESの形成領域Rgrの対角位置と中心位置とで交互に配置される。これにより、本実施形態によるゲート抵抗素子GRESは、抵抗部材GRおよび配線層D0~D5において、形成領域Rgrの対角位置と中心付近とを交互に行き来して蛇行しながら配線されている。ゲート抵抗素子GRESは、抵抗部材GRだけでなく、その上に積層された配線層D0~D5も蛇行しているので、配線距離が長くなる。その結果、ゲート抵抗素子GRESは、シート抵抗の小さい材料で構成され、かつ、平面レイアウト面積が小さくても、所望の範囲の抵抗値に容易にすることができる。また、配線層の数を減らすこともできる。これにより、トランジスタVLVT、LVT、HVTの動作を高速にしつつ、半導体装置1を微細化することができる。
【0055】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態による配線層D0の構成を示す平面図である。第2実施形態では、配線層D0は、Z方向から見た平面視において、渦巻き状の形状を有しており、かつ、抵抗部材GRに重複している。配線層D0は、抵抗部材GR(例えば、Ti/TiN/Wの積層膜)と同程度の低抵抗金属材料(例えば、タングステン)で構成されている。従って、配線層D0も、抵抗部材GRと同様にゲート抵抗素子GRESの抵抗部材として機能する。尚、抵抗部材GRおよび他の配線層D1~D5も、配線層D0と同じ構成を有していてもよい。従って、ここでは、配線層D0の構成を説明し、抵抗部材GRおよび他の配線層D1~D5の詳細な説明は省略する。
【0056】
図7に示すように、配線層D0は、抵抗部材GRの上方に設けられた配線層D0_1、D0_2を備える。配線層D0_1は、細長部材D0x1~D0x6と、接続部材D0y1~D0y5と、コンタクト領域D0c1、D0c3とを含む。細長部材D0x1~D0x6は、X方向に延伸する部材である。細長部材D0x1~D0x6は、X方向に長辺または長径を有する長方形または楕円形等でよい。
【0057】
接続部材D0y1~D0y5は、Y方向に延伸し、細長部材D0x1~D0x6の端部間を接続する。例えば、接続部材D0y1は、細長部材D0x1、D0x2の一端同士を接続する。接続部材D0y2は、細長部材D0x2の他端と細長部材D0x3の一端との間を接続する。接続部材D0y3は、細長部材D0x3の他端と細長部材D0x4の一端との間を接続する。接続部材D0y4は、細長部材D0x4の他端と細長部材D0x5の一端との間を接続する。接続部材D0y5は、細長部材D0x5の他端と細長部材D0x6の一端との間を接続する。
【0058】
コンタクト領域D0c1は、細長部材D0x1の他端に接続されており、コンタクトCS1と細長部材D0x1との間を電気的に接続する。これにより、コンタクト領域D0c1は、コンタクトCS1を介してコンタクト領域GRc1に電気的に接続される。即ち、配線層D0_1の一端(D0c1)は、抵抗部材GRの一端に電気的に接続される。
【0059】
コンタクト領域D0c3は、細長部材D0x6の他端に接続されており、コンタクトV0_1を介して、コンタクトV0_1と細長部材D0x6との間を電気的に接続する。これにより、コンタクト領域D0c3は、コンタクトV0_1を介して、配線層D0の上方にある配線層D1に電気的に接続される。即ち、配線層D0_1の他端(D0c3)は、配線層D1の一端に電気的に接続される。
【0060】
配線層D0_2は、細長部材D0x7~D0x12と、接続部材D0y6~D0y10と、コンタクト領域D0c2、D0c4とを含む。細長部材D0x7~D0x12は、X方向に延伸する部材である。細長部材D0x7~D0x12は、X方向に長辺または長径を有する長方形または楕円形等でよい。
【0061】
接続部材D0y6~D0y10は、Y方向に延伸し、細長部材D0x7~D0x12の端部間を接続する。例えば、接続部材D0y6は、細長部材D0x7、D0x8の一端同士を接続する。接続部材D0y7は、細長部材D0x8の他端と細長部材D0x9の一端との間を接続する。接続部材D0y8は、細長部材D0x9の他端と細長部材D0x10の一端との間を接続する。接続部材D0y9は、細長部材D0x10の他端と細長部材D0x11の一端との間を接続する。接続部材D0y10は、細長部材D0x11の他端と細長部材D0x12の一端との間を接続する。
【0062】
コンタクト領域D0c2は、細長部材D0x7の他端に接続されており、コンタクトCS2と細長部材D0x7との間を電気的に接続する。これにより、コンタクト領域D0c2は、コンタクトCS2を介してコンタクト領域GRc2に電気的に接続される。即ち、配線層D0_2の一端(D0c2)は、抵抗部材GRの他端に電気的に接続される。
【0063】
コンタクト領域D0c4は、細長部材D0x12の他端に接続されており、コンタクトV0_2と細長部材D0x12との間を電気的に接続する。これにより、コンタクト領域D0c4は、コンタクトV0_2を介して、配線層D0の上方にある配線層D1に電気的に接続される。即ち、配線層D0_2の他端(D0c4)は、配線層D1の一端に電気的に接続される。
【0064】
このように、第2実施形態では、X方向に長手方向を有する細長部材D0x1~D0x6がY方向に配列されており、Y方向に延伸する接続部材D0y1~D0y5が細長部材D0x1~D0x6の端部を交互に連続的に接続する。これにより、配線層D0_1は、Z方向から見た平面視において、渦巻き状の形成を有する。同様に、X方向に長手方向を有する細長部材D0x7~D0x12がY方向に配列されており、Y方向に延伸する接続部材D0y6~D0y10が細長部材D0x7~D0x12の端部を交互に連続するように接続する。これにより、配線層D0_2は、Z方向から見た平面視において、渦巻き状の形成を有する。
【0065】
2つの配線層D0_1、D0_2は、互いに電気的に分離されている。配線層D0_1は、抵抗部材GRの一端のコンタクト領域GRc1と配線層D1の一端との間に電気的に接続される。配線層D0_2は、抵抗部材GRの他端のコンタクト領域GRc2と配線層D1の他端との間に電気的に接続される。
【0066】
抵抗部材GRおよび配線層D1~D5は、
図7の配線層D0と同様に渦巻き状に構成されてもよく、あるいは、第1実施形態のそれらと同様に蛇行状であってもよい。例えば、配線層D1は、抵抗部材GRおよび配線層D1の上方に設けられており、基板10の表面F1の上方からの平面視において渦巻き状でよく、かつ、抵抗部材GRおよび配線層D0に重複している。
【0067】
図8は、ゲート抵抗素子GRESの全体の構成例を示す概略斜視図である。抵抗部材GRは、2つの渦巻き状の配線GR_1、GR_2を有する。配線GR_1、GR_2は互いに電気的に分離している。配線GR_1、GR_2の各一端のコンタクト領域GRc1、GRc2は、それぞれ
図3のゲート抵抗素子GRESの形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置される。配線GR_1、GR_2の各他端のコンタクト領域GRc3、GRc4は、それぞれ形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置され、互いに電気的に接続されている。コンタクト領域GRc3、GRc4は、図示しない他の配線または不純物拡散層等で接続してよい。コンタクト領域GRc1、GRc2は、それぞれコンタクトCS1、CS2を介して配線層D0のコンタクト領域D0c1、D0c2に電気的に接続されている。
【0068】
配線層D0の2つの配線層D0_1、D0_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D0_1、D0_2の一端のコンタクト領域D0c1、D0c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置され、他端のコンタクト領域D0c3、D0c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置される。コンタクト領域D0c3、D0c4は、それぞれコンタクトV0_1、V0_2を介して配線層D1のコンタクト領域D1c3、D1c4に電気的に接続されている。
【0069】
配線層D1の2つの配線層D1_1、D1_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D1_1、D1_2の一端のコンタクト領域D1c3、D1c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置され、他端のコンタクト領域D1c1、D1c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置される。コンタクト領域D1c1、D1c2は、それぞれコンタクトV1_1、V1_2を介して配線層D2のコンタクト領域D2c1、D2c2に電気的に接続されている。
【0070】
配線層D2の2つの配線層D2_1、D2_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D2_1、D2_2の一端のコンタクト領域D2c1、D2c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置され、他端のコンタクト領域D2c3、D2c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置される。コンタクト領域D2c3、D2c4は、それぞれコンタクトV2_1、V2_2を介して配線層D3のコンタクト領域D3c3、D3c4に電気的に接続されている。
【0071】
配線層D3の2つの配線層D3_1、D3_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D3_1、D3_2の一端のコンタクト領域D3c3、D3c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置され、他端のコンタクト領域D3c1、D3c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置される。コンタクト領域D3c1、D3c2は、それぞれコンタクトV3_1、V3_2を介して配線層D4のコンタクト領域D4c1、D4c2に電気的に接続されている。
【0072】
配線層D4の2つの配線層D4_1、D4_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D4_1、D4_2の一端のコンタクト領域D4c1、D4c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置され、他端のコンタクト領域D4c3、D4c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置される。コンタクト領域D4c3、D4c4は、それぞれコンタクトV4_1、V4_2を介して配線層D5のコンタクト領域D5c3、D5c4に電気的に接続されている。
【0073】
配線層D5の2つの配線層D5_1、D5_2は、ともに渦巻き状であり、互いに電気的に分離されている。配線層D5_1、D5_2の一端のコンタクト領域D5c3、D5c4は、形成領域Rgrの内側(渦巻きの略中心)に配置され、他端のコンタクト領域D5c1、D5c2は、形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)に配置される。コンタクト領域D5c1、D5c2は、それぞれ図示しないCMOSチップCH1の任意の半導体素子に電気的に接続されている。
【0074】
これにより、配線層D0~D5のそれぞれの一方の配線層D0_1~D5_1は、配線層D0~D5のそれぞれの他方の配線層D0_2~D5_2から電気的に分離されたまま、抵抗部材GRの両端にそれぞれ電気的に接続される。配線層D0~D5のそれぞれの他方の配線層D0_2~D5_2は、抵抗部材GRの他端に電気的に接続される。
【0075】
抵抗部材GRおよび配線層D0~D5の接続位置は、層が上昇するごとに、ゲート抵抗素子GRESの形成領域Rgrの対角位置(渦巻きの端部)とその内側の位置(渦巻きの略中心)とで交互に配置される。これにより、本実施形態によるゲート抵抗素子GRESは、抵抗部材GRおよび配線層D0~D5において、形成領域Rgrの対角位置と中心付近とを交互に行き来して渦巻き状に配線されている。ゲート抵抗素子GRESは、抵抗部材GRだけでなく、その上に積層された配線層D0~D5も渦巻き状に形成されているので、配線距離が長くなる。その結果、ゲート抵抗素子GRESは、シート抵抗の小さい材料で構成され、かつ、平面レイアウト面積が小さくても、所望の範囲の抵抗値に容易にすることができる。
【0076】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様でよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0077】
(変形例)
図9は、第2実施形態の変形例によるゲート抵抗素子GRESの全体の構成例を示す概略斜視図である。本変形例では、抵抗部材GRは、第1実施形態のそれと同様に1つの蛇行した配線となっており、その他の配線層D0~D5は、第2実施形態のそれらと同様に渦巻き状の構成を有する。このような構成であっても、第1または第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
尚、図示しないが、抵抗部材GR、配線層D0~D5は、それぞれ蛇行状と渦巻き状のいずれに構成してもよい。
【0079】
(第3実施形態)
図10および
図11は、第3実施形態による半導体装置の構成例を示す断面図である。
図11は、ゲート抵抗素子GRESの構成例をより詳細に示す断面図である。
【0080】
第3実施形態では、ゲート抵抗素子GRESの配線層D0~D3の周囲および容量素子CAPの電極E1と電極E2との間に、シリコン窒化膜で構成された絶縁層ILD1が設けられている。
【0081】
配線層D0~D3の周囲にシリコン窒化膜で被覆されていることによって、配線層D0~D3の表面が窒化され、金属材料(例えば、タングステン)が金属材料よりも抵抗の高い金属窒化膜(例えば、窒化タングステン)160になる。金属窒化膜160は、配線層D0~D3と絶縁層ILD1との間に設けられ、配線層D0~D3の表面を被覆する。配線層D0~D3の表面が窒化されることによって、配線層D0~D3のシート抵抗が上昇する。これにより、ゲート抵抗素子GRESの抵抗値を維持しつつ、ゲート抵抗素子GRESの配線の長さを短くし、Z方向から見た平面視におけるレイアウト面積をさらに縮小することができる。
【0082】
尚、絶縁層ILD1は、配線層D0~D5の全ての表面に設けられてもよく、配線層D0~D5のうち一部の配線層の表面に設けられてもよい。即ち、金属窒化膜160は、配線層D0~D5の全ての表面に設けられてもよく、設けられていてもよい。
【0083】
また、
図10に示すように、容量素子CAPの電極E1と電極E2との間にも、シリコン窒化膜で構成された絶縁層ILD1が設けられている。シリコン窒化膜は、シリコン酸化膜よりも比誘電率において高い。従って、容量素子CAPの容量を増大することができる。あるいは、容量素子CAPの容量を維持しつつ、電極E1、E2のZ方向から見た平面視におけるレイアウト面積を縮小することができる。
【0084】
一方、トランジスタVLVT、LVT、HVTおよび拡散抵抗素子DRES上の多層配線層30の配線層D0~D5の間には、シリコン酸化膜で構成された絶縁層ILD0または、シリコン炭窒化膜(SiCN)で構成された絶縁層ILD2が設けられている。
【0085】
このように、ゲート抵抗素子GRESの配線層D0~D5および/または容量素子CAPの電極E1、E2の周囲にシリコン窒化膜を選択的に設けることによって、トランジスタVLVT、LVT、HVTの電気的特性を劣化させることなく、ゲート抵抗素子GRESおよび/または容量素子CAPのレイアウト面積を低減することができる。
【0086】
(半導体装置の製造方法)
図12および
図13は、第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図12に示すように、基板10の表面F10上に、トランジスタVLVT、LVL、HVT、拡散抵抗素子DRES、ゲート抵抗素子GRES、容量素子CAP等の半導体素子を形成する。半導体素子の上に多層配線層30を形成する。貼合面F1において、配線層D5または貼合パッド(図示せず)が露出されている。尚、絶縁層ILD1のシリコン窒化膜は、コンタクトV0~V4を形成する際のエッチングストッパとして機能する。
【0087】
一方、
図13に示すように、基板10とは別の基板110の表面F10上に、メモリセルアレイMCAを形成する。メモリセルアレイMCAの上に多層配線層130を形成する。貼合面F1において、多層配線層130の一部または貼合パッドが露出されている。
【0088】
次に、基板10と基板110とを貼合面F1において貼り合わせる。このとき、多層配線層30の配線層D5または貼合パッドとそれぞれに対応する多層配線層130の配線層または貼合パッドとが電気的に接続される。これにより、
図1に示す構造が得られる。
【0089】
その後、金属層150を基板150上に形成し、第1実施形態による半導体装置1が完成する。
【0090】
図14~
図21は、第2実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図14に示すように、基板10上にトランジスタVLVT、LVT、HVT、拡散抵抗素子DRES、抵抗部材GRの形成後、それらの上に絶縁層ILD0およびコンタクトCSを形成する。絶縁層ILD0は、例えば、シリコン酸化膜である。さらに、絶縁層ILD0上にシリコン酸化膜を堆積して絶縁層ILD0を厚くする。
【0091】
次に、
図15に示すように、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域にある絶縁層ILD0を選択的にエッチングし、ゲート抵抗素子GRESのコンタクトCSを露出させる。
【0092】
次に、
図16に示すように、絶縁層ILD0上に絶縁層ILD1を堆積し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等を用いて平坦化する。これにより、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域に絶縁層ILD1を選択的に残置させる。
【0093】
次に、
図17に示すように、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、コンタクトCS上にある絶縁層ILD0、ILD1に溝を形成し、その溝にコンタクトCS上に配線層D0を埋め込む。ゲート抵抗素子GRESの形成領域において、配線層D0を埋め込む溝は、リソグラフィ技術によって所定のパターン(例えば、蛇行状、渦巻き状)に形成される。これにより、配線層D0は、例えば、蛇行状、渦巻き状に形成され得る。このとき、配線層D0は、トランジスタVLVT、LVT、HVTおよび拡散抵抗素子DRESの上方では、絶縁層ILD0内に形成され、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域では、絶縁層ILD1内に形成される。
【0094】
次に、
図18に示すように、絶縁層ILD0、ILD1上にストッパ用の絶縁層ILD1(例えば、シリコン窒化膜)を形成し、絶縁層ILD1上に絶縁層ILD0(例えば、シリコン酸化膜)を形成する。
【0095】
次に、
図15を参照して説明したように、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域にある絶縁層ILD0を選択的にエッチングし、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域にある配線層D0を露出させる。
【0096】
次に、
図16を参照して説明したように、絶縁層ILD0上に絶縁層ILD1を堆積し、CMP法等を用いて平坦化する。これにより、
図19に示すように、ゲート抵抗素子GRESおよび容量素子CAPの形成領域に絶縁層ILD1を選択的に残置させる。
【0097】
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、配線層D0上にある絶縁層ILD0、ILD1を除去してビアホールを形成し、その中にコンタクトV0を形成する。れにより、
図20に示す構造が得られる。ビアホールの形成の際に、絶縁層ILD1は、エッチングストッパとして機能する。コンタクトV0は、配線層D0上に形成され、配線層D0に接続される。
【0098】
次に、配線層D0の形成工程と同様にして、配線層D1を形成する。これにより、
図21に示す構造が得られる。その後、同様の工程を繰り返し、コンタクトV1~V4および配線層D2~D5が形成される。これにより、
図10のCMOSチップCH1の構造が得られる。
【0099】
一方、セルアレイチップCH2の製造方法は、第1実施形態と同様でよい。このCMOSチップCH1とセルアレイチップCH2とを貼合することによって、第2実施形態による半導体装置が完成する。
【0100】
図22は、上記実施形態のいずれかを適用した半導体装置の構成例を示すブロック図である。半導体装置1は、例えば、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリ等の半導体記憶装置100aであり、外部のメモリコントローラ1002によって制御される。半導体記憶装置100aとメモリコントローラ1002との間の通信は、例えばNANDインターフェイス規格をサポートしている。
【0101】
図22に示すように、半導体記憶装置100aは、例えばメモリセルアレイMCA、コマンドレジスタ1011、アドレスレジスタ1012、シーケンサ1013、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016を備えている。
【0102】
メモリセルアレイMCAは、複数のブロックBLK(0)~BLK(n)(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイMCAには、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイMCAの詳細な構成については後述する。
【0103】
コマンドレジスタ1011は、半導体記憶装置100aがメモリコントローラ1002から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ1013に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
【0104】
アドレスレジスタ1012は、半導体記憶装置100aがメモリコントローラ1002から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0105】
シーケンサ1013は、半導体記憶装置100a全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ1013は、コマンドレジスタ1011に保持されたコマンドCMDに基づいて、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
【0106】
ドライバモジュール1014は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール1014は、例えばアドレスレジスタ1012に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0107】
ロウデコーダモジュール1015は、複数のロウデコーダを備える。ロウデコーダは、アドレスレジスタ1012に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイMCA内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダは、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0108】
センスアンプモジュール1016は、書き込み動作において、メモリコントローラ1002から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール1016は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ1002に転送する。
【0109】
以上で説明した半導体記憶装置100a及びメモリコントローラ1002は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成しても良い。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
【0110】
図23は、メモリセルアレイMCAの回路構成の一例を示す回路図である。メモリセルアレイMCAに含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKが抽出されている。
図22に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(0)~SU(k)(kは1以上の整数)を含んでいる。
【0111】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL(0)~BL(m)(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)、並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST(1)及びST(2)のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0112】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)は、直列接続される。選択トランジスタST(1)のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタST(1)のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の一端に接続される。選択トランジスタST(2)のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の他端に接続される。選択トランジスタST(2)のソースは、ソース線SLに接続される。
【0113】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の制御ゲートは、それぞれワード線WL(0)~WL(7)に共通接続される。ストリングユニットSU(0)~SU(k)内のそれぞれの選択トランジスタST(1)のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD(0)~SGD(k)に共通接続される。選択トランジスタST(2)のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
【0114】
以上で説明したメモリセルアレイMCAの回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0115】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと称される。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0116】
尚、本実施形態に係る半導体記憶装置100aが備えるメモリセルアレイMCAは、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
【0117】
図24は、半導体記憶装置100aの構成例を示す断面図である。半導体記憶装置100aは、メモリセルアレイを有するセルアレイチップCH2と、CMOS回路を有するCMOSチップCH1とを備えている。セルアレイチップCH2とCMOSチップCH1とは、貼合面B1において貼合されており、貼合面において接合された配線24、34を介して互いに電気的に接続されている。
図24では、CMOSチップCH1上にセルアレイチップCH2が搭載された状態を示している。
【0118】
セルアレイチップCH2のメモリセルアレイMCAの構成およびCMOS回路の構成は、上記実施形態のそれらの構成とそれぞれ同様でよい。
【0119】
本実施形態では、セルアレイチップCH2とCMOSチップCH1とは個別に形成され、貼合面B1で貼合されている。
【0120】
CMOSチップCH1において、トランジスタTrの上方には、ビア32、配線33、34が設けられている。配線33、34は、層間絶縁膜35内において多層配線構造を構成する。配線34は、層間絶縁膜35内に埋め込まれ、層間絶縁膜35の表面にほぼ面一に露出されている。配線33、34は、トランジスタTr等に電気的に接続される。ビア32、配線33、34には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属が用いられる。層間絶縁膜35は、トランジスタTr、ビア32、配線33、34を被覆し保護する。層間絶縁膜35には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。CMOSチップCH1は、メモリセルアレイMCAに電気的に接続されており、メモリセルアレイMCAを制御するコントローラとして機能する。
【0121】
セルアレイチップCH2において、メモリセルアレイMCAの下方には、ビア28、配線23、24が設けられている。配線23、24は、層間絶縁膜25内において多層配線構造を構成する。配線24は、層間絶縁膜25内に埋め込まれ、層間絶縁膜25の表面にほぼ面一に露出されている。配線23、24は、柱状部CLの半導体ボディ210等に電気的に接続される。ビア28、配線23、24には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属が用いられる。層間絶縁膜25は、積層体21、ビア28、配線23、24を被覆し保護する。層間絶縁膜25には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。
【0122】
層間絶縁膜25と層間絶縁膜35とは貼合面B1において貼合しており、配線24と配線34も貼合面B1において略面一で接合している。これにより、セルアレイチップCH2とCMOSチップCH1とは、配線24,34を介して電気的に接続される。
【0123】
このように、本実施形態は、セルアレイチップCH2とCMOSチップCH1とを貼合した半導体装置に適用することもできる。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0125】
1 半導体装置、10 基板、VLVT,LVT,HVT トランジスタ、DRES 拡散抵抗素子、GRES ゲート抵抗素子、CAP 容量素子、MCA メモリセルアレイ、30,130 多層配線層、D0~D5 配線層、ILD0~ILD2 絶縁層、CS、V0~V4 コンタクト