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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184335
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】コードリール
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/14 20060101AFI20231221BHJP
   B65H 75/28 20060101ALI20231221BHJP
   B65H 75/40 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65H75/14
B65H75/28
B65H75/40 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098419
(22)【出願日】2022-06-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】521150167
【氏名又は名称】システムカワバタ有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189854
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 明美
(72)【発明者】
【氏名】川端 雅夫
【テーマコード(参考)】
3F058
3F068
【Fターム(参考)】
3F058AB03
3F058AC07
3F058BA02
3F058DA05
3F058DB05
3F058DC01
3F058DC08
3F058HA02
3F058HB02
3F058HB03
3F058HB04
3F058HB08
3F068AA12
3F068BA10
3F068BA17
3F068CA02
3F068CA09
3F068DA01
(57)【要約】
【課題】コードに大きな負荷をかけることなく出し入れすることができるようにしたコードリールを提供する。
【解決手段】コードCを巻き付ける巻胴部4と、巻胴部4の外周部から半径方向に延出し、対向面間にコードCの巻き込み空間が形成された複数枚のフランジ部5、5とからなるリール本体2を備え、少なくとも一つのフランジ部5には、周方向を向く半径方向に複数の第1溝部6aと、複数の第1溝部6aの周方向の中央部と連続しフランジ部5の外周端に開口する半径方向を向く第2溝部6bとからなるコード出し入れ溝6が形成されている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードを渦巻状に巻き込んで収納するコードリールであって、
前記コードを巻き付ける巻胴部と、該巻胴部の外周部から半径方向に延出し、対向面間に前記コードの巻き込み空間が形成された複数枚のフランジ部とからなるリール本体を備え、
少なくとも一つの前記フランジ部には、周方向を向く半径方向に複数の第1溝部と、該複数の第1溝部の周方向の中央部と連続し前記フランジ部の外周端に開口する半径方向を向く第2溝部とからなるコード出し入れ溝が形成されていることを特徴とするコードリール。
【請求項2】
前記コード出し入れ溝は周方向に180°離間する2箇所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコードリール。
【請求項3】
内径側の前記第1溝部の溝幅は、最外径側の前記第1溝部の溝幅のほぼ2倍に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコードリール。
【請求項4】
前記コード出し入れ溝が形成された前記フランジ部の中央部の表面には、前記コードの端末部を挿入可能な挿入口を有する収納部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコードリール。
【請求項5】
前記コード出し入れ溝と同形のコード出し入れ溝を有するフランジ部は3枚設けられ、中央部のフランジ部とその両側のフランジ部との間に二つの巻き込み空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載のコードリール。
【請求項6】
前記中央部のフランジ部には、外周端が開口する半径方向に延びる溝部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のコードリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードを渦巻状に巻き込んで収納したり、コード使用時の長さを調整したりするコードリールに関する。
【0002】
例えばスマートフォンなどの充電用USBケーブルやイヤフォン等のコードは比較的長めに製作されているため、使用中に余長部分が邪魔になる。また不使用時に保管したり携行したりする際には、コードを複数に折り曲げて結束するなどしなければならず、体裁が悪いだけでなくハンドバックやポケット等ヘの収まりも悪い。このような問題に対処するものとして、例えば特許文献1に記載されているようなコードリールが案出されている。
【0003】
特許文献1に記載されているコードリールは、コードを巻き付ける巻筒の両端に、コードの太さに相当するコード溝が形成されるように2枚の側板を設け、両側板の一方または両方にコード溝と連続する切り欠き溝を形成して構成されている。コードの巻き始め側を切り欠き溝からコード溝に押し込むようにして巻筒に渦巻状に巻き付けることにより、コードの全長または余長部分を収納することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-163564号公報(第3頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているコードリールにおいては、側板に形成された切り欠き溝は単に半径方向を向き、しかもその溝幅はコードが抜き差しできる程度に形成されているので、コードの巻き始め側を切り欠き溝を介してコード溝に押し込む際や、巻き終わりを切り欠き溝から取り出す際にコードがクランク状に折れ曲がり、コードに大きな負荷が加わることにより損傷するおそれがある。また、コードの両端の端末部、例えばイヤフォンの場合にはプラグ部やスピーカ部、充電用USBケーブルの場合にはコネクタ部等を収納するための収納部を備えていないので、コード不使用時に端末部が不安定にぶらつき体裁が悪くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、コードに大きな負荷をかけることなく出し入れすることができるようにしたコードリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のコードリールは、
コードを渦巻状に巻き込んで収納するコードリールであって、
前記コードを巻き付ける巻胴部と、該巻胴部の外周部から半径方向に延出し、対向面間に前記コードの巻き込み空間が形成された複数枚のフランジ部とからなるリール本体を備え、
少なくとも一つの前記フランジ部には、周方向を向く半径方向に複数の第1溝部と、該複数の第1溝部の周方向の中央部と連続し前記フランジ部の外周端に開口する半径方向を向く第2溝部とからなるコード出し入れ溝が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、コードの巻き始め側を第2溝部を介して最内径側の第1溝部に差し込んで巻胴部に渦巻状に複数回巻き付け、コードの巻き終わりを最外径側の第1溝部より取り出すことにより、コードのほぼ全長をコードリールの巻き空間内に巻き込んで収納することができる。また、中間部の第1溝部よりコードの巻き終わりを取り出すことにより、コード使用時の余長部分をコードリールに巻き込んで長さを調整することができる。この際、第1溝部は周方向を向いているので、コードをなだらかに折曲するだけで第1溝部に容易に出し入れすることができ、コードに大きな負荷が加わることがないので、その損傷を防止することができる。
【0008】
前記コード出し入れ溝は周方向に180°離間する2箇所に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、コードの長さに対応して2箇所のコード出し入れ溝を選択して使用することができる。
【0009】
内径側の前記第1溝部の溝幅は、最外径側の前記第1溝部の溝幅のほぼ2倍に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、溝幅を2倍とした内径側の第1溝部から差し込んだコードを少ない回数だけ巻き付けた後、同じ内径側の第1溝部から取り出してコードの長さを調整することができる。また、最外径側の第1溝部から取り出すことができない短寸のコードも巻き込んで収納することができる。
【0010】
前記コード出し入れ溝が形成された前記フランジ部の中央部の表面には、前記コードの端末部を挿入可能な挿入口を有する収納部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、コードの端末部、例えば充電用USBケーブルの端末部のコネクタ部等を挿入口を介して収納部内に収納することができるので、コード不使用時に端末部がぶらつくのが防止されるとともに、体裁もよくなる。
【0011】
前記コード出し入れ溝と同形のコード出し入れ溝を有するフランジ部は3枚設けられ、中央部のフランジ部とその両側のフランジ部との間に二つの巻き込み空間を形成したことを特徴としている。
この特徴によれば、二つの巻き込み空間を利用して1個のコードリールに2本のコードを巻き込んで収納することができる。
【0012】
前記中央部のフランジ部には、外周端が開口する半径方向に延びる溝部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、中央部のフランジ部の溝部を介して一方の巻き込み空間に巻き込んだコードを他方の巻き込み空間に引き入れることができるので、長寸のコードでも1個のコードリールに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る実施例1のコードリールの分解斜視図である。
図2】同じく組立て後の斜視図である。
図3】同じく組立て後の平面図である。
図4】同じく分解側面図である。
図5】同じく組立て後の側面図である。
図6図5のA-A線断面図である。
図7】本発明の実施例2に係るコードリールの斜視図である。
図8】同じく側面図である。
図9】本発明の実施例3に係るコードリールの斜視図である。
図10】フランジ部の第1溝部を3個としたコードリールの変形例を示す平面図である。
図11】リール本体を一体成形した変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るコードリールを実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0015】
実施例1に係るコードリールにつき、図1から図6を参照して説明する。
【0016】
コードリール1は、主に図2図5及び図6に示すように、リール本体2と、その中央部の上面(表面)に軸方向(上方)に膨出するように設けられたコード端末部の収納部3とを備えている。リール本体2は、コードを巻き付ける円筒形の巻胴部4と、該巻胴部4の外周部から半径方向に延出し、対向面間にコードの巻き込み空間Sが形成された上下2枚の薄板状フランジ部5、5とからなっている。巻き込み空間Sの上下寸法は、リール本体2に収納されるコード、例えばスマートフォン等の充電用USBケーブルのコードC(図2参照)の太さと同等か僅かに大とされている。なお、収納部3及びフランジ部5は合成樹脂により形成されている。
【0017】
収納部3は、上面板31と円筒部32とからなり、円筒部32の180°対向する外周面には半径方向に突出する円弧状の差込部33、33が形成されている。上面板31の180°対向する外周部は円弧状に切り欠かれ、径方向と上方に開口するコード端末部の挿入口34、34が形成されている。また、円筒部32の下端部の内周面には、後述する第2組付部材8の係止溝82に係合可能な環状の内向突部35が突設されている(図6参照)。
【0018】
リール本体2は、上下のフランジ部5、5を次のように組み付けて構成されている。すなわち、ドーナツ状に形成されたフランジ部5、5における中心の円形孔の開口縁には、それぞれ短寸の筒部51、51が上向きに突設されているとともに、上下の筒部51、51の内周面には、円弧状の差込片52、52が対向状に上向きに突設されている。下部のフランジ部5の差込片52、52を、上部のフランジ部5の差込片52、52間に形成される周方向の空間部に嵌合することによりリール本体2が形成され、上下のフランジ部5、5の対向面間に上述した巻き込み空間Sが形成される(図6参照)。なお、上下のフランジ部5、5の組み付け後において下部側のフランジ部5の上向きの筒部51が上述した巻胴部4となる。
【0019】
上部のフランジ部5の筒部51、51及び差込片52、52は収納部3の組み付けに使用される。すなわち、収納部3の差込部33、33を上部のフランジ部5の差込片52、52間に形成される周方向の空間部に嵌合することにより、収納部3がリール本体2の上面の中央部、すなわち上部のフランジ部5の上面の中央部に組み付けられる(図6参照)。
【0020】
図1図3に示すように、上下のフランジ部5、5における周方向に180°離間する2箇所には、平面視略「土」形状のコード出し入れ溝6、6が形成されている。コード出し入れ溝6、6は、それぞれフランジ部5の外径側と内径側とに離間して形成された周方向を向く第1溝部6a、6aと、この第1溝部6a、6aの周方向の中央部と連続し、フランジ部5の外周端に開口する半径方向を向く第2溝部6bとからなっている。外径側の第1溝部6aの溝幅は、コードCの太さとほぼ同等に形成されている。内径側の第1溝部6aは、筒部51の外周面に連通するように形成され、またその溝幅は外径側の第1溝部6aの溝幅のほぼ2倍に形成されている。
【0021】
上部のフランジ部5のコード出し入れ溝6、6は、収納部3の挿入口34に対し周方向に90°離間して形成され、また下部のフランジ部5のコード出し入れ溝6、6は、上部のコード出し入れ溝6、6に対し周方向に90°位相をずらして形成されている。なお、下部のフランジ部5のコード出し入れ溝6は必ずしも必要ではなく省略してもよい。また、上部のフランジ部5のコード出し入れ溝6は一つであってもよい。
【0022】
フランジ部5、5からなるリール本体2と収納部3は、図1及び図4に示すような第1組付部材7と、第2組付部材8と、第3組付部材9とからなる3個の合成樹脂製の組付部材によって組み付けられている。
【0023】
第1組付部材7は、上面が開口するキャップ状をなし、下部のフランジ部5の筒部51に嵌合可能な短寸の円筒部71の180°対向する外周面には、下部のフランジ部5の差込片52、52間に下方から嵌合可能な円弧状の嵌合突部72、72が形成されている。円筒部71の上端部の内周面には、環状の内向突部73が形成されている(図6参照)。
【0024】
第2組付部材8は、上下のフランジ部5、5の筒部51、51内に嵌合可能な、円周方向の一部が切り欠かれた欠円筒形をなし、縮径方向に弾性変形可能となっている。第2組付部材8の外周面の上下方向の中央部には外向突部81が突設され、この外向突部81を挟む上下の外周面には、係止溝82、82が形成されている。
【0025】
第3組付部材9は、上面板91と、その外周端部の下面より垂下する、第2組付部材8内に嵌合可能な円筒部92とからなり、上面板91における円筒部92の上端から外向きに突出する部分は、円筒部92を第2組付部材8に嵌合したときその上端に当接する鍔部91aとなっている。円筒部92の上下寸法は第2組付部材8の上下寸法よりも若干長く形成され、円筒部92の下端部の外周縁部には、円筒部92を第2組付部材8に嵌合したときその下縁に係合される外向きの係合突部93が形成されている。また、円筒部92には、下方に開口する上下方向を向く4個のスリット94が周方向に90°おきに形成され、円筒部92は縮径方向に弾性変形可能となっている。
【0026】
上下のフランジ部5、5と収納部3は次のようにして組み付けられる。まず、上部のフランジ部5の上面に収納部3を上述した要領で組み付けた後、第3組付部材9を第2組付部材8に上方から嵌合した状態で、第2組付部材8を収納部3内に強く押し込む。すると、図6に示すように、第2組付部材8が縮径方向に弾性変形することにより、上部の係止溝82が収容部3の円筒部32の下端部に形成された内向突部35に係合し、収納部3からの脱落が防止される。また同時に、第3組付部材9の下端部の係合突部93が第2組付部材8の下縁に係合して抜け止めされる。
【0027】
次いで、上下のフランジ部5、5同士を組み付けた状態で第2組付部材8に嵌合するとともに、上部のフランジ部5に上述した要領で収納部3を嵌合する。その後、第1組付部材7を下部のフランジ部5に下方より嵌合するとともに第2組付部材8に向かって強く押し込む。すると、図6に示すように、第1組付部材7の上端部の内向突部73が第2組付部材8の下部の係止溝82に係合することにより、フランジ部5、5からなるリール本体2は第1組付部材7と収納部3との間に固定され、分解されるのが防止される。なお、第3組付部材9は、組付け後において第2組付部材8が外力により縮径方向に変形させられるのを防止するためのものであるが、第2組付部材8の縮径方向の弾性反発力が大きい場合には、第3組付部材9は省略してもよい。なお、このようにコードリール1を組み立て式とすると、分解して例えばフランジ部5を直径の異なるものと交換することができる。
【0028】
このようにして組み付けられたコードリール1には、例えば充電用USBケーブル等のコードCを次のようにして巻き付けて収納することができる。図2の2点鎖線で示すように、コードCの巻き始め側を上部のフランジ部5に形成されたコード出し入れ溝6、6のいずれか一方の外径側の第2溝部6bを介して内径側の第1溝部6aに差し込み、巻胴部4に例えば平面視時計回りに巻き付ける。
【0029】
コードCを巻胴部4に渦巻状に複数回巻き付けた後、コードCの巻き終わり側を反対側のコード出し入れ溝6の第2溝部6bを介して外径側の第1溝部6aより引き出す。なお、コードCの長さによっては、同じ側のコード出し入れ溝6の外径側の第1溝部6aより引き出し、コードCの端末部を反対側の挿入口34を介して収納部3内に収納してもよい。これにより、不使用時等にコードCのほぼ全長をコードリール1の巻き込み空間S内に巻き込んで収納することができる。コードCの両端末部のコネクタ部は、収納部3のいずれか一方の挿入口34を介して内部に収納することができる。なお、外径側の第1溝部6aの溝幅はコードCの太さとほぼ同等に形成され、巻き終わり側が外径側の第1溝部6aによって係止されるので、巻き込む空間Sに収納されたコードCが離脱するおそれはない。
【0030】
また、図3に示すように、コードCの中間部を第2溝部6bを介して内径側の幅広の第1溝部6aに差し込んで巻胴部4に1周巻き付けた後、内径側の同じ第1溝部6aから取り出すことにより、コード使用時の余長部分をコードリール1に巻き込んで長さを調整することができる。また、外径側の第1溝部6aから取り出すことができない短寸のコードCも巻き込んで収納することができる。なお、内径側の幅広の第1溝部6aを外径方向にずらして形成すれば、巻胴部4にコードCを複数回巻き付けた後、同じ第1溝部6aから取り出すことができるので、コードCの余長部分を長めに巻き込むことができる。
【0031】
以上説明したように、実施例1に係るコードリール1においては、フランジ部5に形成されたコード出し入れ溝6の第1溝部6aは周方向を向いているので、コードCを上下方向になだらかに折曲するだけで第1溝部6a、6aに容易に出し入れすることができる。従って、コードCに大きな負荷が加わることはなく、その損傷を防止することができる。
【0032】
また、リール本体2の中央部上面には、挿入口34を有する収納部3が設けられているので、充電用USBケーブル等のコードCの端末部のコネクタ部等を挿入口34を介して収納部3内に収納することができ、コード不使用時や携行時等に端末部がぶらつくのが防止されるとともに、体裁もよくなる。
【実施例0033】
次に、実施例2に係るコードリールにつき、図7及び図8を参照して説明する。尚、前記実施例1と同じ構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
実施例2に係るコードリール10のリール本体11は、実施例1と同形をなすフランジ部5を1枚付加して上下3枚のフランジ部5により構成され、中央部のフランジ部5と上下のフランジ部5、5との間には上下二つの巻き込み空間Sが形成されている。なお、下部の巻き込み空間Sの巻胴部4は、付加したフランジ部5の上向きの筒部51によって形成される。
【0035】
最下部のフランジ部5の下面の中央部には、実施例1の第1組付部材7の代わりに上部と同様の収納部3が上下反対向きに取り付けられている。なお、最下部のフランジ部5のコード出し入れ溝6は中央部のフランジ部5のコード出し入れ溝6に対し90°位相をずらしてある。
【0036】
付加された最下部のフランジ部5は、中央部のフランジ部5に実施例1と同様の嵌合形態で組み付けられている。なお、分解図や断面図等は省略するが、3枚のフランジ部5と上下の収納部3、3は、実施例1と同様に、第2組付部材8の係止溝82、82に、上下の収納部3、3の内向突部35、35を係合することにより組み付けられる(第3組付部材9は省略してもよい)。なお、この実施例の場合、第2組付部材8の上下寸法を付加したフランジ部5の上下寸法分だけ長く形成すればよい。
【0037】
実施例2のコードリール10においては、上下二つの巻き込み空間Sを有しているので、1個のコードリール10に2本のコードを巻き込んで収納することができる。また、上下に収納部3を有しているので、上部の巻き込み空間Sに巻き込んだコードの端末部は上部の収納部3内に、下部の巻き込み空間Sに巻き込んだコードの端末部は下部の収納部3内に、それぞれ体裁よく最短で収納することができる。さらに、上下いずれか一方の巻き込み空間Sに巻き込んだコードを、中央部のフランジ部5に形成されたコード出し入れ溝6を介して他方の巻き込み空間Sに引き入れることができるので、長寸のコードでも1個のコードリール10に巻き込んで収納することができる。なお、中央部のフランジ部5に形成された出し入れ溝6の形状は、単に半径方向を向く直線状の溝としてもよい。
【実施例0038】
実施例3に係るコードリールにつき、図9を参照して説明する。この実施例のコードリール12は、実施例1と同様のコードリール1の収納部3の上面に、一側面に差込溝13、13を有するソケット部材14を、接着または凹溝と突部とからなる係止手段(図示略)により取り付けたものである。
【0039】
実施例3のコードリール12においては、2点鎖線で示すように、スマートフォン等の充電用ACアダプターAのコードCを巻き込んで収納することができる。すなわち、ソケット部材14の差込溝13、13にコードCの一方の端末部の差込プラグPを差し込んで保持した状態で、コードCの巻き始め側を、実施例1と同様の要領で上部のフランジ部5に形成されたコード出し入れ溝6の内径側の第1溝部6aに差し込んで巻胴部4に複数回巻き付けた後、コードCの巻き終わり側を反対側のコード出し入れ溝6の外径側の第1溝部6aより引き出し、他方の端末部のコネクタ部を収納部3内に収納することで、不使用時においてACアダプターAのコードCを体裁よく巻き込んで収納することができる。
【0040】
以上、本発明の実施例と変形例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、コード出し入れ溝6が平面視「土」形状をなすように第1溝部6aを半径方向に2個形成しているが、図10に示すように、フランジ部5の直径が大きい場合には第1溝部6aを例えば3個形成してもよい。このようにすると、中央部の第1溝部6aからもコードCを引き出すことができるので、コードCの余長部分の収納長さが長くなり、コードCを短くして使用することができる。また、最外径の第1溝部6aから引き出すことができない短寸のコードCを巻き込んで収納することもできる。
【0042】
また、前記実施例では、2枚のフランジ部5、5を組み付けてリール本体2を形成しているが、図11に示すように、巻胴部4と上下のフランジ部5、5とからなるリール本体2を一体成形することもできる。この場合、コード出し入れ溝6は後加工で形成してもよい。また、2点鎖線で示すように、収納部3は巻胴部4内の上部に嵌合して取り付けることができる。なお、図示は省略するが、実施例2のような3枚のフランジ部5からなるリール本体11も一体成形することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 コードリール
2 リール本体
3 収納部
4 巻胴部
5 フランジ部
6 コード出し入れ溝
6a 第1溝部
6b 第2溝部
7 第1組付部材
8 第2組付部材
9 第3組付部材
10 コードリール
11 リール本体
12 コードリール
13 差込溝
14 ソケット部材
31 上面板
32 円筒部
33 差込部
34 挿入口
35 内向突部
51 筒部
52 差込片
71 円筒部
72 嵌合突部
73 内向突部
81 外向突部
82 係止溝
91 上面板
91a 鍔部
92 円筒部
93 係合突部
94 スリット
A ACアダプター
C コード
P 差込プラグ
S 巻き込み空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
前記フランジ部は3枚設けられ、
前記中央部のフランジ部には、外周端が開口する半径方向に延びる溝部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のコードリール。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
前記フランジ部は3枚設けられ、
央部のフランジ部には、外周端が開口する半径方向に延びる溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコードリール。