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特開2023-184343測定装置、測定プログラム、測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184343
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】測定装置、測定プログラム、測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/22 20060101AFI20231221BHJP
   G01R 27/26 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G01R29/22 A
G01R27/26 Z
G01R29/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098440
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100194858
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 久子
(72)【発明者】
【氏名】春原 雅志
(72)【発明者】
【氏名】成沢 二三男
(72)【発明者】
【氏名】丸山 知行
(72)【発明者】
【氏名】上原 聡
(72)【発明者】
【氏名】寺島 隆幸
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028CG02
2G028CG06
2G028CG07
2G028CG08
2G028CG13
2G028CG14
2G028CG19
2G028CG20
2G028GL07
2G028MS02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる装置を提供する。
【解決手段】圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部41と、取得したZθ周波数特性を圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部42と、特定したオフセット値R0を圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部43と、圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを補正GB周波数特性に変換する第2変換部44と、補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部45と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部と、
前記取得したZθ周波数特性を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部と、
前記圧電デバイスの高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部と、
前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する第2変換部と、
前記第2変換部において変換して得られた前記補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部と、を備える、
測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の測定装置であって、
前記圧電デバイスの等価回路として、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1との直列回路に対してキャパシタンスC0が並列接続された回路に、さらに抵抗R0が直列接続された等価回路を用いて、前記圧電デバイスにおける、前記インダクタンスL1と、前記キャパシタンスC1と、前記抵抗R1と、前記キャパシタンスC0とを含む等価回路定数を解析して算出する等価回路定数解析部をさらに備える、
測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の測定装置であって、
前記等価回路定数解析部は、前記圧電デバイスの等価回路定数に基づいて、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性であるRX周波数特性と前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの周波数特性であるGB周波数特性との少なくとも一方を算出する、
測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の測定装置であって、
前記等価回路定数解析部において算出した等価回路定数と、RX周波数特性と、GB周波数特性とのうちの少なくとも1つを表示部に表示するための表示データ生成部をさらに備える、
測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の測定装置であって、
前記表示データ生成部は、前記インピーダンス特性取得部で取得したZθ周波数特性を変換して得られる、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性であるRX周波数特性を表示部に表示するための表示データとして生成する、
測定装置。
【請求項6】
請求項4記載の測定装置であって、
前記表示データ生成部は、前記インピーダンス特性取得部で取得したZθ周波数特性に基づいて得られる、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの周波数特性であるGB周波数特性を表示部に表示するための表示データとして生成する、
測定装置。
【請求項7】
請求項4記載の測定装置であって、
前記表示データ生成部は、前記等価回路定数解析部で算出した等価回路定数に基づくRX周波数特性と前記取得したZθ周波数特性に基づくRX周波数特性とを並べて表示するための表示データを生成する、
測定装置。
【請求項8】
コンピュータを、
圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部と、
前記取得したZθ周波数特性を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部と、
前記圧電デバイスの高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部と、
前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する第2変換部と、
前記第2変換部において変換して得られた前記補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を測定するステップと、
前記Zθ周波数特性を前記圧電デバイスの等価回路にフィッティングして、前記圧電デバイスの等価回路定数を決定するステップと、を含み、
前記圧電デバイスの等価回路として、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1との直列回路に対してキャパシタンスC0が並列接続された回路に、さらに抵抗R0が直列接続された等価回路を用いる、
圧電デバイスの測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関し、例えば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスを測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水晶振動子などの圧電振動子の等価回路定数を測定する手法が記載されている。この文献に記載された手法では、インピーダンスアナライザなどを用いて動アドミタンスを測定し、アドミタンス平面上での動アドミタンスの周波数軌跡を描くことにより、描いた周波数軌跡から等価回路定数を求めている。特許文献1に記載された手法によれば、アドミタンス軌跡から、コンダクタンスGの最大となる点の周波数を機械共振周波数として求められるので、機械的な振動を測定しなくても電気的な測定で、その周波数が測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-115648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、圧電効果を利用した圧電デバイスの一つとして知られているMEMSミラーは、光の向きを高速に偏向することが可能であり、小型、低消費電力、半導体プロセスによる大量生産が可能な事など、Raidarやプロジェクタなどへの応用が増えている。MEMSミラーの製造では、MEMSの振れ角や振れ角が最大となる共振周波数を検査しており、MEMSミラーにレーザ光を照射し、偏向した光を画像センサやPSD(ポジショニングデバイス)など、光学的に検査している。
【0005】
しかしながら、MEMSミラーのミラー部はφ1mmなど小口径の場合が多く、光学的な検査を行うにあたり、MEMSミラーと光学検査装置との厳密な位置調整が必要になり、量産の検査においては検査時間がかかるといった問題がある。
【0006】
MEMSミラーの生産プロセスにおいては、半導体ウェハ上に形成される複数のMEMSミラーを切出し、パッケージングを施しデバイスとなる。生産プロセスの早い段階で不良が検出できれば、より生産性の向上が期待できる。このような検査工程において、光学検査が不要となる電気的検査で不良の検出を実施できれば、より生産性の向上が期待される。
【0007】
ところで、圧電デバイスの機械共振周波数は、インピーダンスアナライザで周波数掃引し、コンダクタンスの最大値Gmaxを解析することで求められることが一般的に知られている。しかしながら、発明者らは、圧電効果を利用する一部のMEMSミラーでは、コンダクタンスの最大値Gmaxを解析して求められた周波数と光学的検査を実施して得られた機械共振周波数とにずれが生じることを新たに発見した。
【0008】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる方法または装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な実施の形態に係る測定装置は、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部と、前記取得したZθ周波数特性を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部と、前記圧電デバイスの高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部と、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する第2変換部と、前記第2変換部において変換して得られた前記補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る測定装置によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態の測定装置における圧電デバイスの等価回路を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
図3】各周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXのそれぞれの周波数特性の一例を示す図である。
図4】補正していない抵抗Rに基づくGB周波数特性である未補正GB周波数特性を示す図である。
図5】補正した抵抗R1に基づくGB周波数特性である補正GB周波数特性を示す図である。
図6】各周波数帯域におけるRX周波数特性を示す図である。
図7】測定処理の処理流れを示すフローチャートである。
図8】圧電デバイスの等価回路定数の算出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0013】
〔1〕代表的な実施の形態に係る測定装置は、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部(41)と、前記取得したZθ周波数特性を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部(42)と、前記圧電デバイスの高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部(43)と、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する第2変換部(44)と、前記第2変換部において変換して得られた前記補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部(45)と、を備える。
【0014】
この態様によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【0015】
〔2〕上記〔1〕記載の測定装置において、前記圧電デバイスの等価回路として、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1との直列回路に対してキャパシタンスC0が並列接続された回路に、さらに抵抗R0が直列接続された等価回路を用いて、前記圧電デバイスにおける、前記インダクタンスL1と、前記キャパシタンスC1と、前記抵抗R1と、前記キャパシタンスC0とを含む等価回路定数を解析して算出する等価回路定数解析部(46)をさらに備えることとしてもよい。
【0016】
この態様によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの等価回路における等価回路定数を測定することができる。
【0017】
〔3〕上記〔2〕記載の測定装置において、前記等価回路定数解析部(46)は、前記圧電デバイスの等価回路定数に基づいて、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性であるRX周波数特性と前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの周波数特性であるGB周波数特性との少なくとも一方を算出することとしてもよい。
【0018】
この態様によれば、算出した等価回路定数に基づいてRX周波数特性やGB周波数特性をシミュレーションすることができる。
【0019】
〔4〕上記〔3〕記載の測定装置において、前記等価回路定数解析部(46)において算出した等価回路定数と、RX周波数特性と、GB周波数特性とのうちの少なくとも1つを表示部に表示するための表示データ生成部(47)をさらに備えることとしてもよい。
【0020】
この態様によれば、算出結果を等価回路定数と、RX周波数特性と、GB周波数特性とのうちの少なくとも1つとしてシミュレーション表示することができる。
【0021】
〔5〕上記〔4〕記載の測定装置において、前記表示データ生成部(47)は、前記インピーダンス特性取得部で取得したZθ周波数特性を変換して得られる、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性であるRX周波数特性を表示部に表示するための表示データとして生成することとしてもよい。
【0022】
この態様によれば、測定結果をRX周波数特性として表示することができる。
【0023】
〔6〕上記〔4〕記載の測定装置において、前記表示データ生成部(47)は、前記インピーダンス特性取得部で取得したZθ周波数特性に基づいて得られる、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの周波数特性であるGB周波数特性を表示部に表示するための表示データとして生成することとしてもよい。
【0024】
この態様によれば、測定結果をGB周波数特性として表示することができる。
【0025】
〔7〕上記〔4〕記載の測定装置において、前記表示データ生成部(47)は、前記等価回路定数解析部で算出した等価回路定数に基づくRX周波数特性と前記取得したZθ周波数特性に基づくRX周波数特性とを並べて表示するための表示データを生成することとしてもよい。
【0026】
この態様によれば、算出結果からのシミュレーションと測定結果とを比較して表示することができる。
【0027】
〔8〕代表的な実施の形態に係るプログラムは、コンピュータを、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得するインピーダンス特性取得部と、前記取得したZθ周波数特性を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する第1変換部と、前記圧電デバイスの高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、前記圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を算出して、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1を得る補正処理部と、前記圧電デバイスの周波数帯域における補正抵抗R1およびリアクタンスXを、前記圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する第2変換部と、前記第2変換部において変換して得られた前記補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大になる周波数から共振周波数を算出する共振周波数算出部として機能させるためのプログラムである。
【0028】
この態様によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【0029】
〔9〕代表的な実施の形態に係る圧電デバイスの測定方法は、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を測定するステップと、
前記Zθ周波数特性を前記圧電デバイスの等価回路にフィッティングして、前記圧電デバイスの等価回路定数を決定するステップと、を含み、
前記圧電デバイスの等価回路として、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1との直列回路に対してキャパシタンスC0が並列接続された回路に、さらに抵抗R0が直列接続された等価回路を用いる。
【0030】
この態様によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【0031】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の測定装置における圧電デバイスの等価回路を示す図である。
【0033】
第1の実施形態の測定装置では、MEMSなどの圧電デバイスを測定することができる。この測定装置において、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を測定し、測定したZθ周波数特性を圧電デバイスの等価回路にフィッティングして、圧電デバイスの等価回路定数を決定する。
【0034】
図1に示すように、第1の実施形態の測定装置で用いる圧電デバイスの等価回路は、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1との直列回路に対してキャパシタンスC0が並列接続された回路に、さらに抵抗R0が直列接続された回路である。
【0035】
この等価回路を圧電デバイスの等価回路として解析することにより、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【0036】
第1の実施形態の測定装置において、圧電デバイスの等価回路として図1の等価回路を用いた具体的な解析手法について、以下詳細に説明する。
【0037】
図2は、第1の実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
【0038】
図2に示すように、第1の実施形態の測定装置100は、測定値取得装置10と、測定値処理装置20とを備えて構成される。
【0039】
測定値取得装置10は、測定対象である圧電デバイスに対し、周波数掃引しながら交流電圧を印加したときに、得られる電圧と電流を測定することにより、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性を測定することができる。測定値取得装置10としては、例えば、インピーダンスアナライザを用いることができる。
【0040】
測定処理部20は、測定値取得装置10で測定した、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性であるZθ周波数特性を取得して、取得したZθ周波数特性を圧電デバイスの等価回路にフィッティングして、圧電デバイスの等価回路定数を決定する。
【0041】
測定処理部20としては、入出力部30と演算部40と表示部50とを有するいわゆるコンピュータなどの演算処理装置を用いることができるが、特に限定されない。表示部50は、測定処理部20とは別体に構成されていてもよい。
【0042】
演算部40は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等の各種メモリ、タイマ(カウンタ)、A/D変換回路、入出力I/F回路、およびクロック生成回路等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)によって構成されている。
【0043】
演算部40は、インピーダンス特性取得部41と、第1変換部42と、補正処理部43と、第2変換部44と、共振周波数算出部45と、等価回路定数解析部46と、表示データ生成部47とを機能部として有している。演算部40のメモリに格納されたプログラムが演算部40のプロセッサによって実行されることによって各機能部を実現している。
【0044】
インピーダンス特性取得部41は、入出力部30を介して、測定値取得装置10で測定したZθ周波数特性を取得する。
【0045】
第1変換部42は、インピーダンス特性取得部41において取得したZθ周波数特性を、圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXについての周波数特性であるRX周波数特性に変換する。第1変換部42は、具体的には、各周波数帯域におけるインピーダンスZ(Ω)および位相θに基づいて、下記(式1)および(式2)より抵抗R(Ω)およびリアクタンスX(Ω)を算出し、各周波数帯域における抵抗R(Ω)とリアクタンスX(Ω)に変換する。
R=|Z|×cosθ・・・(式1)
X=|Z|×sinθ・・・(式2)
【0046】
補正処理部43は、第1変換部から受け取ったRX周波数特性を補正して補正RX周波数特性を出力する。すなわち、補正処理部43は、周波数の十分高い領域(高周波数領域)または周波数の十分低い領域(低周波数領域)における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定し、特定したオフセット値R0を、各周波数帯域における抵抗Rの値から減算して補正抵抗R1を得る。補正処理部43は、インピーダンス特性取得部41において取得した周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θ(測定ポイント)に対応した抵抗Rの値についてオフセット値R0の特定および減算を実行する。
【0047】
補正処理部43は、高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値をオフセット値R0とすることにより、共振点から離れており、安定した値を取得できるという利点がある。高周波数領域または低周波数領域とは、RX周波数特性における抵抗Rは共振点を有しているが、この共振点における周波数から十分離れた周波数の領域であり、抵抗Rの値がほぼ一定となる領域である。
【0048】
図3は、各周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXのそれぞれの周波数特性の一例を示す図である。図3では、横軸が周波数(Hz)であり、左側の縦軸が抵抗R(Ω)であり、右側の縦軸がリアクタンスX(Ω)である。図3に示す例では、MEMSなどの圧電デバイスの周波数帯域における抵抗Rの周波数特性は100Ωのオフセット値R0を有していることが判る。補正処理部43は、この100Ωのオフセット値R0を各周波数帯域における抵抗R(Ω)の値から減算して補正抵抗R1(Ω)を算出する。
【0049】
第2変換部44は、補正RX周波数特性を圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスG(S)およびサセプタンスB(S)の補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する。第2変換部45は、具体的には、各周波数帯域における補正した抵抗R1(Ω)およびリアクタンスX(Ω)に基づいて、下記(式3)および(式4)よりコンダクタンスG(S)およびサセプタンスB(S)を算出し、補正したGB周波数特性である補正GB周波数特性に変換する。
【0050】
コンダクタンスG=R/(R×X)・・・(式3)
サセプタンスB=-X/(R×X)・・・(式4)
【0051】
共振周波数算出部45は、各周波数帯域における補正した抵抗R1(Ω)およびリアクタンスX(Ω)から変換した補正GB周波数特性において、コンダクタンスG(S)が最大になる周波数から機械的共振周波数を算出する。
【0052】
図4は、補正していない抵抗Rに基づくGB周波数特性である未補正GB周波数特性を示す図である。
【0053】
図5は、補正した抵抗R1に基づくGB周波数特性である補正GB周波数特性を示す図である。図4および図5では、横軸がコンダクタンスG(S)であり、縦軸がサセプタンスB(S)である。
【0054】
図4に示すように、補正していない抵抗Rに基づくGB周波数特性である未補正GB周波数特性では、コンダクタンスGの最小値が0となっておらず、機械的共振周波数となるコンダクタンスGの値は、コンダクタンスが最大値Gmaxとはならない。
【0055】
図5に示すように、補正した抵抗R1に基づくGB周波数特性である補正GB周波数特性では、コンダクタンスGの最小値が0となっており、コンダクタンスが最大値Gmaxときの周波数が機械的共振周波数と一致する。
【0056】
図5に示す補正した抵抗R1に基づくGB周波数特性である補正GB周波数特性は、機械的共振周波数を特定するために生成されるものであり、実際の測定対象である圧電デバイスのGB周波数特性を表すものではない。一方で、図4に示す補正していない抵抗Rに基づく各周波数帯域におけるGB周波数特性(未補正GB周波数特性)は、実際の測定対象である圧電デバイスのGB周波数特性を表すものとなる。
【0057】
等価回路定数解析部46は、図1に示す圧電デバイスの等価回路にしたがって、圧電デバイスの等価回路定数を解析して算出する。すなわち、等価回路定数解析部46は、図1に示す等価回路におけるインダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1とキャパシタンスC0と抵抗R0とを解析して算出する。
【0058】
等価回路定数解析部46は、補正処理部43で特定したオフセット値R0を抵抗R0として取得する。等価回路定数解析部46は、さらに、インダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1とキャパシタンスC0とについては、補正した抵抗R1に基づく補正GB周波数特性を用いて、従来の圧電デバイスにおける等価回路解析と同様の手法で算出することができる。従来の圧電デバイスにおける等価回路解析は、例えば特許文献1などに記載された手法を用いることができる。等価回路定数解析部46における、圧電デバイスにおける等価回路解析による、等価回路定数L1、C1、R1、C0の値の算出手法の詳細については後述する。
【0059】
等価回路定数解析部46は、取得した等価回路定数R0の値および算出した等価回路定数L1、C1、R1、C0の値から、RX周波数特性やGB周波数特性(未補正GB周波数特性)を算出することができる。
【0060】
表示データ生成部47は、表示部50に表示する表示データを生成する。表示データ生成部47は、等価回路定数解析部46において決定した圧電デバイスの等価回路定数L1、C1、R1、C0、R0の値やこれらの等価回路定数に基づいて算出された圧電デバイスの各種の周波数特性を表示するための表示データを生成することができる。表示データ生成部47は、測定値取得装置10で測定したインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性から変換して得られた各種の周波数特性を表示することもできる。
【0061】
表示データ生成部47は、例えば、各種の周波数特性として、図3に示す各周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXのそれぞれの周波数特性や、図4に示す各周波数帯域におけるGB周波数特性(未補正GB周波数特性)を表示するための表示データを生成することができる。表示データ生成部47は、第1変換部42または等価回路定数解析部46からRX周波数特性の値を受け取って、図3に示す特性を表示するための表示データを生成する。
【0062】
図4に示す各周波数帯域におけるGB周波数特性(未補正GB周波数特性)は、第2変換部44において補正RX周波数特性から変換して得られるGB周波数特性である補正GB周波数特性とは異なり、補正処理部43において補正処理されていないRX周波数特性をGB周波数特性に変換したものである。この場合、第2変換部44が、第1変換部42からRX周波数特性の値を受け取って、受け取ったRX周波数特性に対してRX周波数特性からGB周波数特性への変換もすることができる。代替的に、第1変換部42からRX周波数特性の値を受け取って、第2変換部44と同様の処理を実行する処理部(図示せず)を設けてもよい。表示データ生成部47は、この処理部からGB周波数特性(未補正GB周波数特性)の値を受け取って、図4に示す特性を表示するための表示データを生成することができる。なお、表示データ生成部47は、第1変換部42からRX周波数特性の値を受け取って、第2変換部44と同様にRX周波数特性をGB周波数特性(未補正GB周波数特性)に変換して、さらに図4に示す特性を表示するための表示データを生成することとしてもよい。
【0063】
表示データ生成部47は、等価回路定数に基づいて算出されたGB周波数特性については、等価回路定数解析部46からGB周波数特性の値を受け取って表示データを生成する。
【0064】
図6は、各周波数帯域におけるRX周波数特性を示す図である。
【0065】
表示データ生成部47は、図6に示す各周波数帯域におけるRX周波数特性を表示することもできる。表示データ生成部47は、第1変換部42または等価回路定数解析部46からRX周波数特性の値を受け取って、図6に示す特性を表示するための表示データを生成する。
【0066】
図6に示すように、RX周波数特性は、各周波数帯域における抵抗RとリアクタンスXをプロットしたものである。横軸は抵抗R(Ω)であり、縦軸はリアクタンスX(Ω)である。なお、図6のRX周波数特性は、図3の周波数特性に対応するものであり、抵抗Rは、100Ωのオフセットを有していることが判る。なお、図6のRX周波数特性は、図3に示すように抵抗Rの周波数特性とリアクタンスXの周波数特性に分解できる。
【0067】
表示データ生成部47は、さらに、測定したインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性から変換して得られた各種の周波数特性と等価回路定数L1、C1、R1、C0、R0の値から算出された各種の周波数特性とを表示部50に同時に表示させる表示データを生成することもできる。
【0068】
次に、第1の実施形態の測定装置における測定処理について説明する。
【0069】
図7は、測定処理の処理流れを示すフローチャートである。測定装置100において、測定値処理装置20の演算部40により測定処理プログラムが実行されることによって、図3の処理が実現される。
【0070】
まず、測定値処理装置20においてインピーダンス特性取得部41は、圧電デバイスの周波数帯域におけるZθ周波数特性を取得する(ステップS101)。測定装置100の測定値取得装置10において、測定対象である圧電デバイスに対し、周波数掃引しながら交流電圧を印加したときに、得られる電圧と電流を測定することにより、圧電デバイスの周波数帯域におけるインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性を測定する。測定値処理装置20のインピーダンス特性取得部41は、入出力部30を介して、測定値取得装置10から圧電デバイスの周波数帯域におけるZθ周波数特性を取得する。
【0071】
第1変換部42は、取得したZθ周波数特性を、圧電デバイスの周波数帯域における抵抗RおよびリアクタンスXの周波数特性に変換する(ステップS102)。
【0072】
補正処理部43は、高周波数領域または低周波数領域における抵抗Rの値からオフセット値R0を特定する(ステップS103)。補正処理部43は、測定ポイントに対応した抵抗Rとして、インピーダンス特性取得部41において取得したインピーダンスZおよび位相θに対応した抵抗Rの値を用いることができる。
【0073】
補補正処理部43は、全ての測定ポイントに対応した抵抗Rの値からオフセット値R0を減算して補正抵抗R1を算出する(ステップS104)。ステップS104により、補正抵抗R1とリアクタンスXとの周波数特性である補正RX周波数特性が得られる。
【0074】
第2変換部44は、補正RX周波数特性を圧電デバイスの周波数帯域におけるコンダクタンスGおよびサセプタンスBの補正した周波数特性である補正GB周波数特性に変換する(ステップS105)。第2変換部44は、具体的には、各周波数帯域における補正した抵抗R1およびリアクタンスXに基づいて、下記(式3)および(式4)よりコンダクタンスGおよびサセプタンスBを算出し、補正したGB周波数特性である補正GB周波数特性に変換する。
【0075】
コンダクタンスG=R/(R×X)・・・(式3)
サセプタンスB=-X/(R×X)・・・(式4)
【0076】
共振周波数算出部45は、補正した抵抗R1に基づくGB周波数特性である補正GB周波数特性においてコンダクタンスGが最大Gmaxになる周波数から機械的共振周波数fsを算出する(ステップS106)。共振周波数算出部45は、例えば図5に示す、補正RX周波数特性から変換されたGB周波数特性である補正GB周波数特性においてコンダクタンスの最大Gmaxを検出し、検出されたコンダクタンスの最大Gmaxのときの周波数fsを検出する。
【0077】
等価回路定数解析部46は、圧電デバイスの等価回路解析にしたがって、等価回路のインダクタンスL1とキャパシタンスC1と抵抗R1とキャパシタンスC0を算出する(ステップS107)。
【0078】
図8は、圧電デバイスの等価回路定数の算出処理を示すフローチャートである。この図に従って、等価回路定数解析部46における等価回路定数L1、C1、R1、C0の算出処理について説明する。
【0079】
まず、コンダクタンス最大値Gmaxおよび共振周波数fs取得処理を実行する(ステップS701)。すなわち、共振周波数算出部45において検出した(図7のステップS106)コンダクタンスGが最大Gmaxとそのときの周波数である共振周波数fsとを取得する。
【0080】
ステップS701の後、象限周波数f1、f2取得処理を実行する(ステップS702)。すなわち、補正RX周波数特性から変換されたGB周波数特性である補正GB周波数特性において、コンダクタンスGが最大Gmaxの半分Gmax/2となるときの周波数である象限周波数f1、f2を取得する。
【0081】
ステップS702の後、Q値算出処理を実行する(ステップS703)。すなわち、取得した共振周波数fs、象限周波数f1、f2に基づいて、Q=fs/|f2-f1|共振の鋭さであるQ値を算出する。
【0082】
ステップS703の後、極大値fp算出処理を実行する(ステップS704)。すなわち、実効抵抗の周波数特性から極大値を検索し、そのときの周波数fpを取得する。具体的には、RX周波数特性のうちのRの値を使用し、全掃引ポイントの中から、Rの値が最も大きくなる周波数を極大値fpと特定する。例えば、低周波数から高周波数まで各周波数ポイントにおけるR値を比較していき、よりRの値が大きくなるときに極大値fpの値を更新していくことで、Rが最大となる極大値fpを求めることができる。なお、このときのRX周波数特性のRの値は、補正前のRX周波数特性のRの値を用いてもよいし、補正後のRX周波数特性のRの値を用いてもよい。
【0083】
ステップ704の後、L1、C1、R1、C0値算出処理を実行する(ステップS705)。すなわち、下記の(式5)、(式6)、(式7)によりL1、C1、R1、C0値を算出する。
【0084】
C1=1/(2π・fs・R1・Q)・・・(式5)
L1=1/(4π・fs・C1)・・・(式6)
C0=(fs・C1)/(fp-fs)・・・(式7)
【0085】
図7に戻って、表示データ生成部47は、表示部50に表示する表示データを生成する(ステップS108)。表示データ生成部47は、測定値取得装置10で測定したインピーダンスZおよび位相θの各周波数特性から変換して得られた各種の周波数特性や等価回路定数解析部46において決定した等価回路定数や各種の周波数特性を表示するための表示データを生成することができる。
【0086】
表示データ生成部47は、例えば、各種の周波数特性として、図3、4、6に示すように表示部50に表示する表示データを生成する。
【0087】
このように本実施形態の測定装置によれば、圧電効果を利用したMEMSを含む圧電デバイスの機械共振周波数を電気的に測定することができる。
【0088】
(実施形態の変形例)
以上の実施形態の測定装置について具体的な例を挙げて説明したが、これに限定されず、様々な変形形態を採用することができる。例えば、図1の測定装置100は、測定値取得部10と測定値処理部20との別体に構成される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。測定値取得部10と測定値処理部20とが同じ装置として構成されていてもよい。さらに、表示部50は、図1に示すように測定値処理部20と一体に構成されていている態様に限らず、別体に構成されていてもよい。
【0089】
また、図7、8のフローチャートの処理の順番もこれに限定されない。例えば、表示データS108の生成は、S102でRX周波数特性に変換された後に、ステップS103の実行とは別に、RX周波数特性の表示データを生成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
100 測定装置、10 測定値取得装置、20 測定値処理装置、30 入出力部、40 演算部、41 インピーダンス特性取得部、42 第1変換部、43 補正処理部、44 第2変換部、45 共振周波数算出部、46 等価回路定数解析部、47 表示データ生成部、50 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8