(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184349
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098456
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橘 克晴
(72)【発明者】
【氏名】菊入 菜那
(72)【発明者】
【氏名】井上 博司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】本開示は、キー操作が可能なデバイスの変更操作後に変更失敗となってしまう可能性を低減させ、ユーザの利便性を向上できる。
【解決手段】管理装置は、車両のキー操作が可能なデバイスの変更操作を受け付ける際に、車両と通信可能であり、車両のキー操作が可能となるデバイスの候補を表示部に表示させる表示制御部を備え、表示制御部は、候補について、当該候補に対応したサーバとの通信状況が通信可能な場合に変更操作を可能とし、通信不良な場合に変更操作を不可とした表示態様で表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のキー操作が可能なデバイスの変更操作を受け付ける際に、前記車両と通信可能であり、前記車両のキー操作が可能となるデバイスの候補を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記候補について、当該候補に対応したサーバとの通信状況が通信可能な場合に前記変更操作を可能とし、通信不良な場合に前記変更操作を不可とした表示態様で表示させる、
管理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、CCC(Car Connectivity Consortium)の規格に準拠したオーナーデバイスの変更操作を受け付ける際に、前記候補として、新たな前記オーナーデバイスの候補を表示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記デバイスの候補が複数ある場合、前記表示態様において、前記候補ごとにサーバとの通信状況を表示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記車両のイグニッションがオンとなっている場合、前記表示態様において、すべての前記候補の前記変更操作が不可状態と表示させる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
変更制御部を更に含み、
前記変更制御部は、前記候補について、前記変更操作が可能なときに前記変更操作を受け付け、変更の途中で当該候補がサーバと通信できなくなった場合、前記変更操作を保留とし、通信が可能となった場合に、前記保留を再開する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
変更前の前記デバイスがサーバと通信可能な場合に、前記変更操作の要求を通知し、可否の選択を受け付ける、請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
プロセッサが、
車両のキー操作が可能なデバイスの変更操作を受け付ける際に、前記車両と通信可能であり、前記車両のキー操作が可能となるデバイスの候補を表示させ、
前記候補について、当該候補に対応したサーバとの通信状況が通信可能な場合に前記変更操作を可能とし、通信不良な場合に前記変更操作を不可とした表示態様で表示させる、
処理をコンピュータが実行する管理方法。
【請求項8】
プロセッサが、
車両のキー操作が可能なデバイスの変更操作を受け付ける際に、前記車両と通信可能であり、前記車両のキー操作が可能となるデバイスの候補を表示させ、
前記候補について、当該候補に対応したサーバとの通信状況が通信可能な場合に前記変更操作を可能とし、通信不良な場合に前記変更操作を不可とした表示態様で表示させる、
処理をコンピュータに実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は移動サービスの要素として広く普及しており、カーシェアリングを始めとしたさまざまなサービスが増加及び普及していくことが想定されている。この動きに伴い、スマートフォンを自動車の鍵として利用することで、物理的な鍵の受け渡しを不要とするワイヤレスデジタルキーシステムのニーズが高まってきている。
【0003】
ワイヤレスデジタルキーシステムに関する技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、携帯機及び車載器を備え、車載器による携帯機の認証成立によって車両のドアロックの解除等を行う車両用電子キーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の電子キーシステムに関連する規格を、CCC(Car Connectivity Consortium)が策定している。CCCが策定した規格では、車両のオーナーが使用するデバイスであるオーナーデバイスが規定されている。
【0006】
ここで、デジタルキーは買い替えなどでオーナーデバイスを変更する場合が想定される。その場合、例えば、まず登録中のオーナーデバイスの削除処理を行い、次に新たなオーナーデバイスの候補を登録する処理を行う。しかし、新たなオーナーデバイスの候補がサーバと通信できない状況では変更操作を完了できないため、利便性が低下する。
【0007】
本開示は、キー操作が可能なデバイスの変更操作後に変更失敗となってしまう可能性を低減させ、ユーザの利便性を向上できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の管理装置は、車両のキー操作が可能なデバイスの変更操作を受け付ける際に、前記車両と通信可能であり、前記車両のキー操作が可能となるデバイスの候補を表示部に表示させる表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記候補について、当該候補に対応したサーバとの通信状況が通信可能な場合に前記変更操作を可能とし、通信不良な場合に前記変更操作を不可とした表示態様で表示させる。
【0009】
請求項1に記載の制御装置によれば、デバイスの候補に対応したサーバと通信可能な状況であれば変更操作が可能とし、通信ができない状況であれば変更操作を不可とする表示態様とする。これによりキー操作が可能なデバイスの変更操作後に変更失敗となってしまう可能性を低減させ、ユーザの利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、キー操作が可能なデバイスの変更操作後に変更失敗となってしまう可能性を低減させ、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る車両のデジタルキーシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】デジタルキーシステムにおけるオーナーデバイスの変更操作の一例を示す図である。
【
図3】管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】管理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図5】通信状況に応じた表示態様の一例を示す図である。
【
図6】管理装置の管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
図1は、本実施形態に係る車両のデジタルキーシステムの概略構成を示す図である。
図1に示したデジタルキーシステムは、情報処理端末10Aと、一以上の情報処理端末10Bと、車両20と、サーバ30A、30Bとを含む。車両20には管理装置40が搭載されている。なお、説明の便宜上省略しているが、デジタルキーシステムには、車両20のオーナーの家族又は友人が使用することが想定されているデバイスであるフレンドデバイスの情報処理端末が構成として含まれ得る。
【0014】
情報処理端末10Aは、車両20のロックを解除したり、運転を可能にしたりするためのキー(デジタルキー)が格納された端末であり、CCCが策定する「Digital Key」規格におけるオーナーデバイスである(以下、単にオーナーデバイスと記載する)。情報処理端末10Aは、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイス等の携帯可能な端末でありうる。情報処理端末10Aは、車両20との間でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wide Band、超広帯域無線通信)等の近距離無線通信技術を用いて通信する。情報処理端末10Aは、これらの通信により車両20のキー操作が可能である。
【0015】
情報処理端末10Bは、オーナーデバイスへの変更が可能な端末であり、オーナーデバイスの候補となる端末である(以下、情報処理端末10Bを単に「候補」と記載する場合もある)。情報処理端末10Bは、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイス等の携帯可能な端末でありうる。
【0016】
情報処理端末10A、10Bは、例えば、車両20のデジタルキーとして機能するためのアプリケーションをダウンロード及びインストールし、車両20との間でデジタルキーに係る情報を共有することで、車両20のデジタルキーとして利用可能となる。
【0017】
車両20は、車両20のデジタルキーとして機能する情報処理端末10Aとの間で、上述した各種近距離無線通信技術による近距離無線通信を行い、デジタルキーに係る処理を実行する。車両20は、デジタルキーに係る処理として、車両20のドアの施錠処理及び解錠処理を実行する。また車両20は、車両20のデジタルキーとして動作する情報処理端末10Aからのエンジン又はモータの始動要求に基づいてエンジン又はモータを始動させる処理を実行する。
【0018】
なお、車両20は、情報処理端末10Aからのエンジンの始動要求を受信すると、情報処理端末10Aが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する。情報処理端末10Aが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する理由は、情報処理端末10Aが車室外にある状態でのエンジンの始動を防ぐためである。車両20は、情報処理端末10Aから発せられ、車室内に設けられたアンテナが受信した電波の強度を参照することで情報処理端末10Aが車両20の車室内に存在するかどうかを判断する。
【0019】
サーバ30Aは、情報処理端末10Aが車両20のデジタルキーとして機能するための情報を情報処理端末10Aへ提供するサーバである。サーバ30Aは、車両20のデジタルキーとして機能するための情報として、デジタルキーのアプリケーション、デジタルキーに係る情報等を、情報処理端末10Aからの要求に応じて情報処理端末10Aへ提供する。
【0020】
サーバ30Aは、例えば情報処理端末10Aのメーカー毎に設けられ得る。情報処理端末10Aのメーカーが同じであれば、同一のサーバからデジタルキーとして機能するための情報が提供されてもよい。
【0021】
サーバ30Bは、サーバ30Aと連携して、情報処理端末10Aが車両20のデジタルキーとして機能するための情報を情報処理端末10A、及び車両20へ提供するサーバである。サーバ30Bは、車両20のメーカー毎に設けられ得る。サーバ30Bは、車両20のデジタルキーとして機能するための情報として、デジタルキーに係る情報等を、情報処理端末10A、車両20からの要求に応じて、又は情報処理端末10A、車両20からの要求が無くても、車両20へ提供する。
【0022】
また、管理装置40はオーナーから変更操作のリクエストを受け付ける。ここでいう変更操作は、CCCの「Digital Key」規格に準拠したオーナーデバイスの変更操作である。管理装置40は、当該リクエストに応じてサーバ30A、30Bにオーナーデバイスの変更要求を送信する。サーバ30A、30Bは、変更要求を受け付けると、オーナーデバイスの候補である情報処理端末10Bと通信する。管理装置40は、情報処理端末10Bとサーバ30Aとの通信状況に応じて、候補である情報処理端末10Bを表示する。表示態様については後述する。管理装置40は情報処理端末10Bをオーナーデバイスの候補を表示し、オーナーデバイスに変更する情報処理端末10Bの選択を受け付ける。サーバ30Bは選ばれた情報処理端末10Bを、オーナーデバイスである情報処理端末10Aに変更する。
【0023】
図2は、デジタルキーシステムにおけるオーナーデバイスの変更操作の一例を示す図である。元々オーナーデバイスであった前の情報処理端末を情報処理端末10A1とし、新たなオーナーデバイスとなる情報処理端末を情報処理端末10A2とする。情報処理端末10A2は、情報処理端末10Bから選択された端末である。変更操作により、サーバ30Bでは新たにオーナーデバイスとするためのデジタルキーを発行し、サーバ30Bから情報処理端末10A2に当該デジタルキーを送信する。情報処理端末10A2は、デジタルキーを受け付け、CCCの「Digital Key」規格において必要な認証処理を行うことでオーナーデバイスとなる。情報処理端末10A1に対しては、非オーナーデバイス化の処理を行う。非オーナーデバイス化の処理では、サーバ30B(又はサーバ30A)から情報処理端末10A1にデジタルキーの消去信号を送信する。消去信号を受け付けた情報処理端末10A1はデジタルキーを消去して、非オーナーデバイスとなる。これにより変更操作が完了する。
【0024】
管理装置40は、情報処理端末10Bのオーナーデバイスへの変更操作を管理するための装置である。管理装置40の機能構成については後述する。
【0025】
続いて、管理装置40のハードウェア構成を説明する。
図3は、管理装置40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、管理装置40は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、管理処理を実行するコンピュータプログラムが格納されている。
【0028】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0029】
入力部15は、タッチパネル方式等のキーボードやボタンを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0030】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0031】
通信インタフェース17は、情報処理端末10A、サーバ30A、サーバ30B等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)、BLE、NFC、UWB等の規格が用いられる。
【0032】
なお、情報処理端末10A、10Bは管理装置40と同様のハードウェア構成とすることができる。オーナーデバイスとしての情報処理端末10Aには、車両20のデジタルキーに係るプログラムが格納される。
【0033】
上記のコンピュータプログラムを実行する際に、管理装置40は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。管理装置40が実現する機能構成について説明する。
【0034】
図4は、管理装置40の機能構成の例を示すブロック図である。
図4に示すように、管理装置40は、機能構成として、変更制御部200と、表示制御部202とを有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、実行することにより実現される。なお、変更制御部200としての機能をサーバ30A又はサーバ30Bに備えるようにしてもよい。
【0035】
変更制御部200は、入力部15からオーナーデバイスの変更操作のリクエストを受け付け、変更要求をサーバ30A、30Bに送信する。サーバ30A、30Bは、変更要求を受け付けると、オーナーデバイスの候補である情報処理端末10Bと通信する。
【0036】
また、変更制御部200は、オーナーデバイスの候補について、変更操作が可能なときに変更操作を受け付け、変更の途中で当該候補がサーバと通信できなくなった場合、変更操作を保留とする。変更制御部200は、当該候補が再び通信が可能となった場合に、保留を再開する。
【0037】
表示制御部202は、車両20の管理装置40と通信可能であり、オーナーデバイスの候補である情報処理端末10Bを表示部16に表示させる。表示制御部202は、候補について、情報処理端末10Bとサーバ30Aとの通信状況に応じた表示態様で表示させる。表示制御部202は、候補について、通信状況が通信可能な場合に変更操作を可能とし、通信不良な場合に変更操作を不可とした表示態様で表示させる。なお、当該候補に対応したサーバの一例がサーバ30Aである。また、表示制御部202による表示の制御は、管理装置40の表示部16への表示に限定されるものではなく、管理装置40以外の装置の表示部に、候補を表示させるようにしてもよい。
【0038】
図5は、通信状況に応じた表示態様の一例を示す図である。
図5の例では、車両20の管理装置40と通信可能な情報処理端末10Bが、情報処理端末10B1(B1)、情報処理端末10B2(B2)、及び情報処理端末10B3(B3)がある。B1~B3が端末名である。表示制御部202は、サーバ30Aとの通信状況の識別情報(RW)として端末ごとの通信強度を示すアンテナを表示させる。通信強度は、例えばサーバ30Aで検知した通信遅延の度合いを用いればよく、例では、アンテナが2本以上を通信可能とし、1本以下を通信不良とする。なお、識別情報をアンテナとすることは一例であり、通信状況の説明、他の通信強度を示すアイコンであってもよい。B1の通信状況はアンテナが3本であり通信可能、B2の通信状況はアンテナが2本であり通信可能、B3の通信状況はアンテナが1本であり通信状況は通信不良であることを示している。この場合、表示制御部202は、B1、B2は通信可能であるため選択可能な「オーナーデバイスに変更」ボタン(Ta)を表示させ、B3は通信不良であるため「変更不可」アイコン(Tw)を表示させる。
【0039】
なお、上記
図5の表示態様は、車両20のイグニッションがオフとなっている場合とする。表示制御部202は、車両20のイグニッションがオンとなっている場合、情報処理端末10Bの表示態様において、すべての候補の変更操作を不可状態、すなわち「変更不可」アイコン(Tw)を表示させる。なお、車両20のイグニッションの状況は車両20のECU(Electronic Control Unit)(図示省略)から取得すればよい。これにより、車両20の走行が可能となっている状態でのオーナーデバイスの変更操作を抑止できる。
【0040】
また、変更制御部200は、変更前のオーナーデバイスである情報処理端末10Aがサーバ30Aと通信可能な場合に、変更操作の要求を通知し、可否の選択を受け付けるようにしてもよい。変更操作の要求の通知は、「オーナーデバイスに変更」ボタン(Ta)の選択時や変更操作のリクエストの送信時に情報処理端末10Aに対して通知する。情報処理端末10Aには、例えば「オーナーデバイスの変更を許可しますか?」といった旨の表示と共に「許可」又は「拒否」を選択させる。変更制御部200は、変更操作の要求が許可された場合には変更操作を可能とし、変更操作の要求が拒否された場合には変更操作を許可しない。表示制御部202は、変更操作の要求が拒否された場合には、例えば「現在のオーナーデバイスで変更が拒否されました」といった表示と共に、変更操作を受け付けない表示とする。
【0041】
(制御の流れ)
本実施形態の管理処理の流れについて、
図6のフローチャートを用いて説明する。管理装置40のCPU11は、入力部15からオーナーデバイスの変更操作のリクエストを受け付けると、以下の各処理を実行する。オーナーデバイスの変更操作を受け付けるタイミングとなる。なお、CPU11が各処理を実行する場合を記載しているがこれに限定されるものではなく、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより以下のフローチャートが実現される。
【0042】
ステップS10において、CPU11は、オーナーデバイスの変更要求をサーバ30A、30Bに送信する。
【0043】
ステップS12において、CPU11は、オーナーデバイスの候補となる情報処理端末10B(以下、候補)を取得する。候補は、車両20に搭載された管理装置40と通信可能な端末である。
【0044】
ステップS14において、CPU11は、取得した候補のサーバ30Aとの通信状況を取得する。
【0045】
ステップS16において、CPU11は、車両20のイグニッションがオンであるか否かを判定する。イグニッションがオンの場合はステップS18に移行し、イグニッションがオンでない場合はステップS20に移行する。なお本ステップはステップS12の前に実行してもよく、その場合にイグニッションがオンである場合、ステップS12及びS14をスキップしてもよい。
【0046】
ステップS18において、CPU11は、候補の表示態様について、すべての候補の変更操作を不可状態に決定する。
【0047】
ステップS20において、CPU11は、候補の各々について、情報処理端末10Bとサーバ30Aとの通信状況に応じた表示態様に決定する。候補の表示態様は、候補の通信状況が通信可能な場合に変更操作を可能とし、候補の通信状況が通信不良な場合に変更操作を不可とする。
【0048】
ステップS22において、CPU11は、候補の各々について、決定した表示態様により表示部16に表示させる。
【0049】
ステップS24において、CPU11は、候補のうちオーナーデバイスに変更する端末の選択を受け付け、変更操作を完了して処理を終了する。
【0050】
本実施形態の管理装置40によれば、オーナーデバイスの変更操作後に変更失敗となってしまう可能性を低減させ、ユーザの利便性を向上できる。
【0051】
また、表示制御部202は、CCC(Car Connectivity Consortium)の「Digital Key」規格に準拠したオーナーデバイスの変更操作を受け付ける際に、候補として、新たなオーナーデバイスの候補を表示させるようにしてもよい。これにより、当該規格に準拠した変更操作において通信状況を考慮して候補を表示させることができる。
【0052】
また、表示制御部202は、デバイスの候補が複数ある場合、表示態様において、候補ごとにサーバとの通信状況を表示させるようにしてもよい。これによりユーザが通信状況を把握でき、ユーザの利便性を向上できる。
【0053】
また、変更制御部200は、候補について、変更操作が可能なときに変更操作を受け付け、変更の途中で当該候補がサーバ30Aと通信できなくなった場合、変更操作を保留とし、通信が可能となった場合に、保留を再開するようにしてもよい。これにより、変更操作の途中で通信不良となってしまった場合も、変更操作を再開することができるため、ユーザは再度、最初から変更操作のリクエストを行う必要がなく、ユーザの利便性を向上できる。
【0054】
また、変更制御部200は、変更前のオーナーデバイスである情報処理端末10がサーバ30Aと通信可能な場合に、前記変更操作の要求を通知し、可否の選択を受け付けるようにしてもよい。これにより現在のオーナーデバイスの許可の上で変更操作が行えるようになるため、誤ってオーナーデバイスが変更されてしまうことを抑止できる。
【0055】
なお、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した管理処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、管理処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0056】
また、上記実施形態では、管理処理のプログラムがROM又はストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10A、10B 情報処理端末
20 車両
30A、30B サーバ
40 管理装置