(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184361
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】システムリプレイス提案装置およびシステムリプレイス提案方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098482
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】合田 佑司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】顧客システムとそれに機能的に連携するシステムを含めた顧客システム全体の最適なリプレイスの形態とタイミングを算出し、提案する。
【解決手段】対象となる顧客システムに対するシステム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期を求め、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムに対する取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムのリプレイス期間とする。そして、対象となる顧客システムのリプレイス期間と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間との関係から、対象となる顧客システムと、対象となる顧客システムと連携する連携システムのリプレイス形態を定める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムのシステムリプレイスの形態と時期を提案するシステムリプレイス提案装置であって、
顧客システムの情報を保持する顧客システム情報管理テーブルと、
対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムの関連情報を保持する顧客システム連携管理テーブルと、
ベンダーが取扱うシステムの情報を保持する取扱いシステム情報管理テーブルと、
顧客におけるシステム導入の実績情報を保持するシステム導入情報管理テーブルとを有し、
前記取扱いシステム情報管理テーブルは、それぞれのシステムの保守期限情報を含み、
前記システム導入情報管理テーブルは、過去のシステム導入における導入検討期間と導入期間の情報を含み、
対象となる顧客システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムに対する前記システム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期を求め、
対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムのリプレイス期間とし、
対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記システム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期を求め、
対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間とし、
前記対象となる顧客システムのリプレイス期間と、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間との関係から、前記対象となる顧客システムと、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムのリプレイス形態を定めることを特徴とするシステムリプレイス提案装置。
【請求項2】
前記対象となる顧客システムに対するリプレイス期間中に、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期が来るときに、
システムリプレイス形態として、前記対象となる顧客システムと、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの同時リプレイス提案を結果を出力することを特徴とする請求項1記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項3】
前記取扱いシステム情報管理テーブルは、各々のシステムの業務範囲の情報を含み、
前記対象となる顧客システムのリプレイスされるシステムが、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの業務範囲を含むときに、
前記取扱いシステム情報管理テーブルを参照して、システムリプレイス形態として、前記対象となる顧客システムと、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの同時期統合提案の結果を出力することを特徴とする請求項2記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項4】
さらに、システムリプレイス提案の顧客におけるフィードバック情報を保持する提案結果フィードバックテーブルを有し、
前記対象となる顧客システムのリプレイスされるシステムが、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの業務範囲を含むときであっても、
前記提案結果フィードバックテーブルを参照し、前記対象となる顧客システムと、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの同時期統合提案の結果が否定的であるときには、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの同時期統合提案の結果を出力しないことを特徴とする請求項3記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項5】
前記取扱いシステム情報管理テーブルは、各々のシステムの耐用年数の情報を含み、
前記対象となる顧客システムに対するリプレイス期間中に、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期が来ないときに、
前記取扱いシステム情報管理テーブルを参照して、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの耐用年数が、既に完了したか前記対象となる顧客システムのリプレイス期間中に完了するか否かを判定し、
その判定結果に基づいて、システムリプレイス形態として、前記対象となる顧客システムと、顧客システムと連携する連携システムのシステム統合の形態を決定することを特徴とする請求項1記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項6】
さらに、システムの顧客の利用に関する情報を保持するリプレイス変数管理テーブルを有し、
前記リプレイス変数管理テーブルは、各々のシステムにおける利用ユーザ数に関する情報を保持し、
前記リプレイス変数管理テーブルを参照して、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの利用ユーザ数の情報に基づいて、システムリプレイス形態として、前記対象となる顧客システムと、顧客システムと連携する連携システムのシステム統合の形態を決定することを特徴とする請求項1記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項7】
前記取扱いシステム情報管理テーブルは、各々のシステムの業務範囲の情報を含み、
前記対象となる顧客システムのリプレイスされるシステムが、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの業務範囲を含み、
前記対象となる顧客システムと連携する連携システムの耐用年数が、既に完了しておらず、かつ、前記対象となる顧客システムのリプレイス期間中に完了しないときに、
前記取扱いシステム情報管理テーブルを参照して、システムリプレイス形態として、前記対象となる顧客システムのリプレイス後に、前記対象となる顧客システムと前記対象となる顧客システムと連携する連携システムとを統合する提案の結果を出力することを特徴とする請求項5記載のシステムリプレイス提案装置。
【請求項8】
システムリプレイス提案装置により、対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムのシステムリプレイスの形態と時期を提案するシステムリプレイス提案方法であって、
前記システムリプレイス提案装置は、
顧客システムの情報を保持する顧客システム情報管理テーブルと、
対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムの関連情報を保持する顧客システム連携管理テーブルと、
ベンダーが取扱うシステムの情報を保持する取扱いシステム情報管理テーブルと、
顧客におけるシステム導入の実績情報を保持するシステム導入情報管理テーブルとを有し、
前記取扱いシステム情報管理テーブルは、それぞれのシステムの保守期限情報を含み、
前記システム導入情報管理テーブルは、過去のシステム導入における導入検討期間と導入期間の情報を含み、
前記システムリプレイス提案装置が、対象となる顧客システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムに対する前記システム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期を求めるステップと、
前記システムリプレイス提案装置が、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムのリプレイス期間として求めるステップと、
前記システムリプレイス提案装置が、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記システム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期を求めるステップと、
前記システムリプレイス提案装置が、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する前記取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間として求めるステップと、
前記システムリプレイス提案装置が、前記対象となる顧客システムのリプレイス期間と、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間との関係から、前記対象となる顧客システムと、前記対象となる顧客システムと連携する連携システムのリプレイス形態を定めるステップとを有することを特徴とするシステムリプレイス提案装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムリプレイス提案装置およびシステムリプレイス提案方法に係り、特に、システムとそのシステムと連携するシステムについて、適切なリプレイスの形態とその時期を提案するのに好適なシステムリプレイス提案装置およびシステムリプレイス提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システムにおけるシステムのリプレイスとは、現行システムを新しいシステムに移行する作業のことである。リプレイスは、現行システムの劣化や故障などによる業務への影響を予防したり、改善したりするために必要となるものであり、また、データ処理能力の改善や、セキュリティ面を強化するためにリプレイスを行う場合もある。
【0003】
一方、企業が導入する業務システムが複数、かつ複雑になった結果、一つのシステムをリプレイスする際の影響度合いや、最適なリプレイス案を情報部門内で描くことが難しくなっている。
【0004】
情報処理システムにより、業務システムのリプレイス時期を管理して、適切なリプレイス時期とリプレイスの形態を提案する技術に関しては、例えば、特許文献1に開示がある。
【0005】
特許文献1に記載されたリプレイス管理システムにおいては、管理業務システムを基幹システムと個別システムに分類して、個別システムの処理量が当初のシステム要件の想定範囲を逸脱すると判定したときに、リプレイスすべきクリティカルタイミングと判定し、そのタイミングで個別システムを基幹システムとして再構築とするときの再構築コストを評価し、個別システムを廃棄するか、基幹システムとして再構築かの二者択一をユーザに行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のシステムリプレイスにおいては、システムを取り扱う各ベンダーも顧客からのリプレイス連絡を受けてから提案を行うのが一般的であり、各ベンダーのシステムエンジニアも、システムとそれに関連する連携システムすべてを把握しているわけではないため、そのような連携システムも含めた最適なリプレイス案を出すことができないことがあった。結果的に、非効率なリプレイス順序でシステムをリプレイスすることになり、二重のテストなどを行うなどが発生していることもあった。
【0008】
特許文献1では、個別システムのトラフック量、および基幹システム等の情報より、個別システムを基幹システムに統合させるタイミングを判別する方法を提案している。この技術では、個別システム一つに焦点を当てており、かつリプレイスタイミングを判別する特徴量は、トラフィック量のみとなるため、顧客システム全体を勘案したリプレイス提案方法については考慮されていない。
【0009】
本発明の目的は、顧客システムとそれに機能的に連携するシステムを含めた顧客システム全体の最適なリプレイスの形態とタイミングを算出し、提案することのできるシステムリプレイス提案装置およびシステムリプレイス提案方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のシステムリプレイス提案装置の構成は、好ましくは、対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムのシステムリプレイスの形態と時期を提案するシステムリプレイス提案装置であって、顧客システムの情報を保持する顧客システム情報管理テーブルと、対象となる顧客システムとそれに連携する連携システムの関連情報を保持する顧客システム連携管理テーブルと、ベンダーが取扱うシステムの情報を保持する取扱いシステム情報管理テーブルと、顧客におけるシステム導入の実績情報を保持するシステム導入情報管理テーブルとを有し、取扱いシステム情報管理テーブルは、それぞれのシステムの保守期限情報を含み、システム導入情報管理テーブルは、過去のシステム導入における導入検討期間と導入期間の情報を含み、対象となる顧客システムに対する取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムに対するシステム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期を求め、対象となる顧客システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムに対する取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムのリプレイス期間とし、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するシステム導入情報管理テーブルにおける導入検討期間と導入期間から、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期を求め、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス開始必須時期と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対する取扱いシステム情報管理テーブルの保守期限との間を、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間とし、対象となる顧客システムのリプレイス期間と、対象となる顧客システムと連携する連携システムに対するリプレイス期間との関係から、対象となる顧客システムと、対象となる顧客システムと連携する連携システムのリプレイス形態を定めるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客システムとそれに機能的に連携するシステムを含めた顧客システム全体の最適なリプレイスの形態とタイミングを算出し、提案することのできるシステムリプレイス提案装置およびシステムリプレイス提案方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】システムリプレイス提案装置の機能構成図である。
【
図2】システムリプレイス提案装置のハードウェア・ソフトウェア構成図である。
【
図3】顧客システム情報管理テーブルの一例を示す図である。
【
図4】顧客システム連携管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】取扱いシステム情報管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】顧客システム稼働状況テーブルの一例を示す図である。
【
図7】顧客システム導入情報管理テーブルの一例を示す図である。
【
図8】提案結果フィードバックテーブルの一例を示す図である。
【
図9】リプレイス変数管理テーブルの一例を示す図である。
【
図10】リプレイス提案情報テーブルの一例を示す図である。
【
図11】システムリプレイス提案装置が、システムリプレイスの提案を行う一連の処理を示すフローチャートである。
【
図12】システムリプレイス形態・時期算出処理を示すフローチャートである。
【
図13A】システムAに対するシステムリプレイス形態・時期算出詳細処理を示すフローチャートである(その一)。
【
図13B】システムAに対するシステムリプレイス形態・時期算出詳細処理を示すフローチャートである(その二)。
【
図14】システム情報入力画面の一例を示す図である。
【
図15】システムリプレイス提案画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態を、
図1ないし
図15を用いて説明する。
【0014】
先ず、
図1および
図2を用いて一実施形態に係るシステムリプレイス提案装置の構成について説明する。
【0015】
システムリプレイス提案装置100は、
図1に示されるように、機能構成として、リプレイス提案UI(User Interface)部110、システム特徴管理部120、リプレイス形態・時期算出部130、プロジェクトナレッジ管理部140、記憶部150からなる。
【0016】
リプレイス提案UI部110は、システムリプレイスのために必要な情報を入力させ、システム間連携状況を含めた顧客システムの構成を示すシステム構成図を生成し、システムリプレイスの提案する情報を出力する機能部である。システム特徴管理部120は、取り扱う情報処理システムの特徴を表す情報を管理し、入出力する機能部である。リプレイス形態・時期算出部130は、システムのリプレイスの形態とそのリプレイス時期を算出する機能部である。プロジェクトナレッジ管理部140は、システムを運用してきた実績に基づいた知識と情報を管理する機能部である。記憶部150は、システムリプレイス提案装置が取り扱うデータを記憶する機能部である。
【0017】
記憶部150には、システム構成図データ200、顧客システム情報管理テーブル300、顧客システム連携管理テーブル310、取扱いシステム情報管理テーブル320、顧客システム稼働状況テーブル330、システム導入情報管理テーブル340、提案結果フィードバックテーブル350、リプレイス変数管理テーブル360、リプレイス提案情報テーブル370が保持される。なお、各テーブルの詳細については後に説明する。
【0018】
次に、
図2を用いてシステムリプレイス提案装置100のハードウェア・ソフトウェア構成について説明する。
システムリプレイス提案装置100のハードウェア構成としては、例えば、
図2に示されるパーソナルコンピュータのような一般的な情報処理装置で実現される。
【0019】
システムリプレイス提案装置100は、CPU(Central Processing Unit)402、主記憶装置404、ネットワークI/F(InterFace)406、表示I/F408、入出力I/F410、補助記憶I/F412が、バスにより結合された形態になっている。
【0020】
CPU402は、システムリプレイス提案装置100の各部を制御し、主記憶装置404に必要なプログラムをロードして実行する。
【0021】
主記憶装置404は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU402が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
【0022】
ネットワークI/F406は、ネットワーク5と接続するためのインタフェースである。
【0023】
表示I/F408は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置240を接続するためのインタフェースである。
【0024】
入出力I/F410は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。
図2の例では、キーボード430とポインティングデバイスのマウス432が接続されている。
【0025】
補助記憶I/F412は、HDD(Hard Disk Drive)250やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0026】
HDD250は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。システムリプレイス提案装置100のHDD250には、リプレイス提案UIプログラム461、システム特徴管理プログラム462、リプレイス形態・時期算出プログラム463、プロジェクトナレッジ管理プログラム464がインストールされている。
【0027】
リプレイス提案UIプログラム461、システム特徴管理プログラム462、リプレイス形態・時期算出プログラム463、プロジェクトナレッジ管理プログラム464は、それぞれ、リプレイス提案UI部110、システム特徴管理部120、リプレイス形態・時期算出部130、プロジェクトナレッジ管理部140の機能を実現するプログラムである。
【0028】
また、HDD250は、システム構成図データ200、顧客システム情報管理テーブル300、顧客システム連携管理テーブル310、取扱いシステム情報管理テーブル320、顧客システム稼働状況テーブル330、システム導入情報管理テーブル340、提案結果フィードバックテーブル350、リプレイス変数管理テーブル360、リプレイス提案情報テーブル370が格納されている。
【0029】
次に、
図3ないし
図10を用いて本発明のシステムリプレイス提案装置で用いられるデータ構造について説明する。
【0030】
顧客システム情報管理テーブル300は、顧客のシステム情報を保持するテーブルであり、
図3に示されるように、システムID300a、システム名300b、顧客ID300c、バージョン300d、稼働日300eの各フィールドからなる。
【0031】
システムID300aには、顧客システムを一意に識別する識別子が格納される。システム名300bには、顧客システムのシステム名称が格納される。顧客ID300cには、顧客を一意に識別する識別子が格納される。詳細には、説明しなかったが、顧客テーブルとして、顧客IDに紐づいた形で、顧客の会社名、連絡先の電話番号、担当者名、担当者のEメールアドレスなどが参照できるものとする。バージョン300dには、顧客システムのバージョン情報が格納される。稼働日300eには、顧客システムの稼働の開始日が、例えば、yyyy/mm/dd形式で格納される。
【0032】
顧客システム連携管理テーブル310は、顧客システムと連携するシステムの情報を管理するテーブルであり、
図4に示されるように、システムID310a、連携システム310b、IN/OUT310c、連携方式310dの各フィールドからなる。
【0033】
システムID310aには、顧客システムを一意に識別する識別子が格納される。連携システム310bには、システムID310aに示される顧客システムと連携するシステムを一意に識別する識別子が格納される。ここで、連携システムとは、対象としているシステムと連携して顧客に機能を提供するシステムを意味する。IN/OUT310cには、システムID310aに示される顧客システムと連携システム310bに示されるシステムのデータの入出力の方向を表すフラグが格納される。例えば、その値が「IN」のときには、システムID310aに示される顧客システムに、連携システム310bに示されるシステムからデータが入力され、逆に、その値が「OUT」のときには、システムID310aに示される顧客システムから連携システム310bに示されるシステムにデータが出力されることを意味する。システムID310aに示される顧客システムと連携システム310bに示されるシステムが双方向にデータのやり取りを行うときには、「IN」と「OUT」の値を有するレコードが二つ記録される。連携方式310dには、システムID310aに示される顧客システムと連携システム310bに示されるシステムの連携の方法に関する情報が格納される。例えば、その値が「IF」のときには、データがファイル渡しであることを意味し、その値が「API」のときには、システムID310aに示される顧客システムから連携システム310bに示されるシステムが、アプリケーションインタフェース(Application Interface)により、呼び出されることを意味する。
【0034】
取扱いシステム情報管理テーブル320は、ベンダーが取り扱っているシステムの情報を格納するマスタテーブルであり、
図5に示されるように、システム名320a、バージョン320b、耐用年数320c、保守期限320d、業務範囲320eの各フィールドからなる。
【0035】
システム名320aには、システムのシステム名称が格納される。バージョン320bには、システム名320aで示されるシステムの対象としているバージョンの情報が格納される。本実施形態では、システム名320aが同じでもバージョンが違うシステムは、別のものとして扱う。耐用年数320cには、システム名320aで表されるシステムのソフトウェア資産を減価償却資産とみたときの償却年数が格納される。保守期限320dには、バージョン320bで示されるバージョンにおけるシステム名320aで示されるシステムの契約上の保守期限が、例えば、yyyy/mm/dd形式で格納される。保守期限を過ぎると、このシステムは、原則としてベンダーは、保守の義務がないことを意味する。したがって、顧客は、契約などの手段により、この保守期限の延長をするか、システムリプレイスを行う必要が生じる。
【0036】
業務範囲320eには、顧客システムの業務機能に関する情報が格納される。
図5に示される例では、業務範囲320eのサブフィールドとして、業務範囲(債権管理)、業務範囲(債務管理)、…、業務範囲(ITSM:Information Technology Service Management)のように分かれており、顧客システムがその機能をサポートしているときには、該当する旨のフラグを格納している。
【0037】
業務範囲として、選択できる対象の業務は、一例として、債権管理や債務管理、経費精算のような企業基幹システムから、ITサービスマネジメント(ITSM)のようなIT部門のツールまで対象となり、企業が導入しうるシステム範囲がすべて含まれるようにすることが好ましい。
【0038】
顧客システム稼働状況テーブル330は、顧客システムにおける稼働状況に関する情報を保持するテーブルであり、
図6に示されるように、システムID330a、現行ユーザログイン数330bの各フィールドからなる。
【0039】
システムID330aには、顧客システムを一意に識別する識別子が格納される。現行ユーザログイン数330bには、月ごとのシステムID330aに示される顧客システムにログインするユーザ数が格納される。ユーザログイン数は、例えば、そのシステムにおける直近の三ヶ月の平均をとるなどにより求めることができる。本実施形態では、顧客のユーザログイン数を示したが、その他の顧客システムの稼働状況を表す数値、例えば、システム内で使用するファイルのアップデイト回数、ファイルの増減容量、プログラムの更新頻度などを保持していてもよい。
【0040】
システム導入情報管理テーブル340は、ベンダーが取り扱っているシステムを顧客において導入したときの過去の導入実績に関する情報を保持テーブルであり、
図7に示されるように、システム名340a、リプレイスバージョン340b、アドオン本数340c、利用ユーザ数340d、導入形態340e、対象バージョン340f、顧客ID340g、現行保守有無340i、導入検討期間340j、導入工数340k、導入期間340l、業務範囲340mの各フィールドからなる。
【0041】
システム名340aには、導入されたシステムのシステム名称が格納される。顧客システムを一意に識別する識別子が格納される。リプレイスバージョン340bには、顧客システムのリプレイス後のバージョン情報が格納される。アドオン本数340cには、システム名340aで示されるシステムに対して、アドオン(標準では備えていない機能を追加)したソフトウェアの数が格納される。利用ユーザ数340dには、導入されたシステムを利用したユーザ数が格納される。導入形態340eには、導入されたシステムにおけるシステムの導入形態を表す文字列または識別子が、例えば、「バージョンアップ」、「新規導入」などのように格納される。対象バージョン340fには、導入形態340eがバージョンアップのときに、元のシステムのバージョンを表す文字列または識別子が格納される。顧客ID340gには、導入した顧客を一意に表す識別子が格納される。現行保守有無340iには、導入したシステムが現行で保守しているか否かを表すフラグが格納される。導入検討期間340jには、導入したシステムのシステム導入にあたって検討した期間が月単位で格納される。導入工数340kには、導入したシステムのシステム導入にあたっての導入した工数が、例えば、月・人単位で格納される。導入期間340lには、導入したシステムのシステム導入にあたって要した期間が月単位で格納される。業務範囲340mには、導入したシステムの業務機能に関する情報が格納されることは、
図3に示した業務範囲300fと同様である。
【0042】
提案結果フィードバックテーブル350は、顧客にシステムリプレイスを提案したときの結果をフィードバックする情報を保持するテーブルであり、
図8に示されるように、提案ID350a、提案システムID350b、連携システムID350c、判別結果350d、提案形態350e、顧客ID350f、検討期間350g、提案結果350h、否認理由350i、システム統合可能なユーザ数350jの各フィールドからなる。
【0043】
提案ID350aには、システムリプレイスの提案案件を一意に識別する識別子が格納される。提案システムID350bには、提案したシステムを一意に識別する識別子が格納される。連携システムID350cには、提案システムID350bに示されるシステムと機能上、連携するシステムを一意に識別する識別子が格納される。判別結果350dには、提案システムID350bに示されるシステムと、連携システムID350cに示されるシステムにおけるそれぞれのリプレイス時期の関係(詳細は後述)を示す文字列または識別子が格納される。提案形態350eには、システムリプレイスの提案の形態を表す文字列または識別子が、例えば、「同時期統合」、「同時期」のように格納される。なお、提案形態の具体例は、後に詳述する。顧客ID350fには、顧客を一意に識別する識別子が格納される。検討期間350gには、システムリプレイスの提案に対して顧客が検討した期間が、月単位で格納される。提案結果350hには、システムリプレイスの提案に対して、顧客が否認したか、承認したかのフラグが格納される。否認理由350iには、システムリプレイスの提案が否認した理由を表す文字列または識別子が、例えば、「利用ユーザ数」、「利便性」のように格納される。システム統合可能なユーザ数350jには、提案システムID350bに示されるシステムと、連携システムID350cに示されるシステムの統合のリプレイスが、連携システムID350cの利用ユーザ数が理由で否認したときに、顧客がこのユーザ数のときには統合可能であると答えた連携システムID350cの利用ユーザ数の上限の数が格納される。すなわち、提案ID350aが、「S002」のレコードのように、顧客にインタビューしたとき、提案システムID350bが「A001」、連携システムID「A002」を統合してリプレイスするときに、連携システムID「A002」の利用ユーザ数が、「100以下なら、A001のシステムと、A002のシステムを統合してもよい」と答えたことを意味する。なお、このように、あるシステムとそれと連携するシステムがどのような場合に、統合してリプレイスするかの判断基準については、後に詳説する。
【0044】
リプレイス変数管理テーブル360は、リプレイス時に判断の基準となる変数を管理するテーブルであり、
図9に示されるように、業務カバー範囲360a、システム統合ユーザ数360bの各フィールドからなる。
【0045】
業務カバー範囲360aには、システム統合を行うときの連携システムの業務範囲を示す文字列または識別子が格納される。システム統合ユーザ数360bには、システム統合を行うときの連携システムで、この値以下のときには、対象となるシステムとその連携システムについて、システム統合を行ってもよいと判断される上限のユーザ数が格納される。システム統合ユーザ数360bには、例えば、
図8に示したシステム導入情報管理テーブル340と、
図5に示した取扱いシステム情報管理テーブル320を参照し、同じ条件(業務範囲が、「経費精算」であるなど)のレコードのシステム統合可能なユーザ数340jの値の平均をとったものを格納する。
【0046】
本実施形態のリプレイス変数管理テーブル360は、キーとして広く連携システムの業務範囲としたが、もっと狭く、連携システムのシステム名をキーともよい。
【0047】
また、本実施形態のリプレイス変数は、システム統合時の連携システムのユーザ数としたが、その他の変数として、連携される元のシステムのユーザ数や、アドオン本数などを判定の変数とするものであってもよい。
【0048】
リプレイス提案情報テーブル370は、対象となるシステムのシステムリプレイスの提案に関連する情報を保持するテーブルであり、
図10に示されるように、提案ID370a、対象システムID370b、連携システムID370c、顧客ID370d、対象システム保守期限370e、リプレイス期間370f、対象システムリプレイス開始必須時期370g、連携システムリプレイス開始必須時期370h、リプレイス形態370iの各フィールドからなる。
【0049】
提案ID370aには、システムリプレイスの提案案件を一意に識別する識別子が格納される。対象システムID370bには、提案の対象となるシステムを一意に識別する識別子が格納される。連携システムID370cには、連携システムID370cには、対象システムID370bに示されるシステムと機能上、連携するシステムを一意に識別する識別子が格納される。顧客ID300dには、顧客を一意に識別する識別子が格納される。対象システム保守期限370eには、対象システムID370bに示されるシステムの保守期限が月単位で格納される。リプレイス期間370fには、対象システムID370bに示されるシステムのリプレイス期間が格納される。リプレイス期間とは、本実施形態では、対象システムのリプレイス開始必須時期から対象システムの保守期限までの間とする(詳細は、後述)。対象システムリプレイス開始必須時期370gには、対象システムに対して、リプレイスを開始しなければならない時期が格納される(詳細は、後述)。連携システムリプレイス開始必須時期370hには、連携システムID370cに示すリプレイスを開始しなければならない時期が格納されるリプレイス形態370iには、システムリプレイスの提案の形態を表す文字列または識別子が、例えば、
図10に示されるように、「同時期統合」、「同時期」のように格納される。なお、提案形態の具体例は、後に詳述する。
【0050】
次に、
図11ないし
図13Bを用いて一実施形態に係るシステムリプレイス提案装置が行う処理について説明する。
【0051】
先ず、
図11を用いてシステムリプレイス提案装置が、システムリプレイスの提案を行う一連の処理について説明する。
先ず、ユーザは、顧客システムの情報を入力し、システムリプレイス提案装置100は、顧客システム情報管理テーブル300、顧客システム連携管理テーブル310に値を設定する(S01)。
【0052】
なお、ユーザが、顧客システムの情報を入力する具体的なインタフェースについては、後に説明する。
【0053】
次に、システムリプレイス提案装置100は、顧客システム情報管理テーブル300、顧客システム連携管理テーブル310に設定した情報に基づいて、システム構成図を生成し(S02)、システム構成図データ200に値を設定する。
【0054】
次に、システムリプレイス提案装置100は、システムリプレイスの形態・時期を算出する処理を行う(S03)。システムリプレイスの形態・時期を算出する処理の詳細は、後に、
図12を用いて詳説する。
【0055】
次に、システムリプレイス提案装置100は、システム構成図データ200と、システムリプレイスの形態・時期を算出する処理により、値を設定したリプレイス提案情報テーブル370に基づき、システムリプレイス提案画面を出力する(S04)。
【0056】
システム提案画面の具体的なインタフェースについては、後に説明する。ユーザは、システム提案画面により、リプレイス対象とするシステムと、システムリプレイスの時期と、形態を視覚的に確認することができる。
【0057】
次に、
図12を用いてシステムリプレイスの形態・時期を算出する処理の詳細について説明する。
先ず、システムリプレイス提案装置100は、顧客システム連携管理テーブル310を参照し、顧客システムの情報を取得する(S100)。
次に、システムリプレイス提案装置100は、取扱いシステム情報管理テーブル320を参照し、ベンダーが取り扱っているシステムの情報を取得する(S101)。
次に、システムリプレイス提案装置100は、システムリプレイス提案装置100は、システム導入情報管理テーブル340を参照し、ベンダーが取り扱っているシステムを顧客において導入したときの過去の導入実績に関する情報を取得する(S102)。
次に、システムリプレイス提案装置100は、顧客システムとその顧客システムの連携システムのリプレイス開始必須時期を算出する(S103)。
【0058】
リプレイス開始必須時期は、顧客システムの保守期限(
図5の保守期限320d)から、導入検討期間(
図7の導入検討期間340i)と導入期間(導入期間340k)を足した期間分をさかのぼった時期とする。すなわち、円滑にシステムリプレイスを行うためには、顧客とシステムを取り扱うベンダーは、リプレイス開始必須時期より前に、システムリプレイスの準備を行わなければならないという意義を有する。また、リプレイス開始必須時期から保守期限の間の期間を「リプレイス期間」とする。これは、連携システムでも同様である。
【0059】
次に、システムリプレイス提案装置100は、対象システムの内で、現時点(システムリプレイスの判断時点)で、リプレイス開始必須時期を越えた未算出の顧客システムがあるか否かを判断し(S104)、リプレイス開始必須時期を越えた未算出の顧客システムがあるときには、S105に行き(S104:YES)、リプレイス開始必須時期を越えた未算出の顧客システムがないときには(S104:NO)、処理を終了する。
【0060】
S104でリプレイス開始必須時期を越えた未算出の顧客システムがあるときには、システムリプレイス提案装置100は、その未算出の顧客システム→システムAとして(S105)、システムAに対するシステムリプレイス形態・時期算出の詳細処理を行う(S106)。システムAに対するシステムリプレイス形態・時期算出の詳細処理は、次に、
図13A、
図13Bを用いて説明する。
【0061】
そして、S104に行き、未算出の顧客システムがなくなるまで、S104~S106のループを繰り返す。
【0062】
次に、
図13A、
図13Bを用いてシステムAに対するシステムリプレイス形態・時期算出の詳細処理について説明する。
【0063】
先ず、システムリプレイス提案装置100は、システムAに関する連携システムが存在するか否かを判定し(S200)、システムAに関する連携システムが存在するときには(S200:YES)、S210(
図13B)に行き、システムAに関する連携システムが存在しないときには(S200:NO)、S201に行く。
【0064】
S200において、システムリプレイス提案装置100は、システムAに関する連携システムが存在しないときには、リプレイス形態:システムAのみリプレイス提案とし(S210(
図13B))、リプレイス提案情報テーブル370に値を設定する(S211)。
【0065】
次に、ベンダーは、対象とする顧客にリプレイス形態に沿ったシステムリプレイスを顧客に提案し、その提案結果の情報を、提案結果フィードバックテーブル350にフィードバック情報としてその値を設定する(S212)。
【0066】
次に、システムリプレイス提案装置100は、提案結果フィードバックテーブル350の新たな設定により、リプレイス変数管理テーブル360の更新の必要が生じたときには、リプレイス変数管理テーブル360の値を更新し(S213)、処理を終了する。
【0067】
S200において、システムリプレイス提案装置100は、システムAに関する連携システムが存在するときには、システムAに対する連携システムの一つを取得し、取得した連携システム→システムBとする(S201)。
【0068】
次に、システムリプレイス提案装置100は、システムAのリプレイス期間中に、システムBのリプレイス開始必須時期が来るか否かを判定し(S221)、システムAのリプレイス期間中に、システムBのリプレイス開始必須時期が来るときには(S221:YES)、S222に行き、システムAのリプレイス期間中に、システムBのリプレイス開始必須時期が来ないときには(S221:NO)、S224に行く。
【0069】
S221において、システムAのリプレイス期間中に、システムBのリプレイス開始必須時期が来るときには、システムリプレイス提案装置100は、取扱いシステム情報管理テーブル320を参照し、システムAの次バージョン(リプレイスされた後のシステム)の業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれるか否かを判定し(S222)、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれるときには(S222:YES)、S223に行き、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれないときには(S222:NO)、S230(
図13B)に行く。
【0070】
S222において、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれるときには、または、S226において、システムAとシステムBを統合すべきと判定したときには(後述)、システムリプレイス提案装置100は、提案結果フィードバックテーブル350の情報を参照し、システムAとシステムBを統合すべきか否かを判定し(S223)、システムAとシステムBを統合すべきでないと判定したときには(S223:NO)、S230(
図13B)に行き、システムAとシステムBを統合すべきと判定したときには(S223:YES)、S231(
図13B)に行く。
【0071】
この判定は、例えば、提案結果フィードバックテーブル350の提案システムID350bから、システムAと同じシステム名、バージョンを有するレコード、連携システムID350cからシステムBと同じシステム名、バージョンを有するレコードをマッチングさせ、提案結果350hの「承認」のレコード数が、「否認」の「承認」以上のときには、システムAとシステムBを統合すべきと判定し、そうでないときには、システムAとシステムBを統合すべきでないと判定する。
【0072】
S221において、システムAのリプレイス期間中に、システムBのリプレイス開始必須時期が来ないときには、システムリプレイス提案装置100は、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、取扱いシステム情報管理テーブル320を参照し、システムBの業務範囲の機能が含まれるか否かを判定し(S224)、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれるときには(S224:YES)、S225に行き、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれないときには(S224:NO)、S233(
図13B)に行く。
【0073】
S224において、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれるときには、システムリプレイス提案装置100は、
図3に示す顧客システム情報管理テーブル300の稼働日300eと、
図5の取扱いシステム情報管理テーブル320の耐用年数320cを参照し、システムBの耐用年数が完了しているか、あるいは、システムAのリプレイス期間中にシステムBの耐用年数が完了するか否かを判定し(S225)、システムBの耐用年数が完了しているときには(S225:YES)、S226に行き、システムBの耐用年数が完了していないときには(S225:NO)、S232(
図13B)に行く。
【0074】
S225において、システムBの耐用年数が完了しているときには、システムリプレイス提案装置100は、システムBの機能と合致するリプレイス変数管理テーブル360の値により、システムAとシステムBを統合すべきか否かを判定し(S226)、システムAとシステムBを統合すべきと判定したときには(S226:YES)、S223に行き、システムAとシステムBを統合すべきでないと判定したときには(S226:NO)、S233(
図13B)に行く。
【0075】
例えば、
図9のリプレイス変数管理テーブル360の例では、システムBの業務範囲が、「経費精算」を含んでいるときに、
図6の顧客システム稼働状況テーブル330の現行ユーザログイン数330bが、リプレイス変数管理テーブル360のシステム統合判定ユーザ360bより大きいときには、システムAとシステムBを統合すべきでないと判定し、そうでないときには、システムAとシステムBを統合すべきと判定する。これは、現行のシステムBのユーザログイン数が、基準となるログイン数より大きいときには、統合のための不具合がでる可能性が大きくなるからである。
【0076】
S222において、システムAの次バージョンの業務範囲の機能に、システムBの業務範囲の機能が含まれないとき、S223において、システムAとシステムBを統合すべきでないと判定したとき、システムリプレイス提案装置100は、リプレイス形態:システムA、システムBの同時リプレイス提案とし(システム統合はなし)(S230)、リプレイス提案情報テーブル370に値を設定する(S240)。
【0077】
S223において、システムAとシステムBを統合すべきと判定したとき、システムリプレイス提案装置100は、リプレイス形態:システムA、システムBの同時期統合提案とし(S231)、リプレイス提案情報テーブル370に値を設定する(S240)。
【0078】
S225において、システムBの耐用年数が完了していないとき、システムリプレイス提案装置100は、リプレイス形態:システムAリプレイス後、システムBの統合提案とし(S232)、リプレイス提案情報テーブル370に値を設定する(S240)。
【0079】
S224において、システムBの業務範囲の機能が含まれないとき、または、S225において、システムBの耐用年数が完了していないとき、システムリプレイス提案装置100は、リプレイス形態:システムAのみリプレイス提案とし(S233)、リプレイス提案情報テーブル370に値を設定する(S240)。
【0080】
リプレイス提案情報テーブル370に値の設定後は、未取得の連携システムがあるか否かを判定し(S250)、未取得の連携システムがあるときには(S250:YES)、S201に戻り、未取得の連携システムがないときには(S250:NO)、S212に行く。
【0081】
以上のように、顧客システムとその連携システムのシステムリプレイスの形態は、先ず、顧客システムのリプレイス期間中に、連携システムのリプレイス開始必須時期が来るか否かを見て、顧客システムのリプレイス期間中に、連携システムのリプレイス開始必須時期が来るときには、同時期にリプレイスを行うことを提案する。これにより、顧客は、顧客システムとそのシステムリプレイスの迫った連携システムを同時にリプレイスすることを計画でき、顧客システム全体の効率的なシステムリプレイスを行うことができる。
【0082】
また、顧客システムとその連携システムが統合できる可能性があるときには、過去の顧客のフィードバック情報をも参照する。
【0083】
さらに、顧客システムのリプレイス期間中に、連携システムのリプレイス開始必須時期が来ないときでも、連携システムの耐用年数が完了しているか否かで、同時期にリプレイスを行うことを提案する。これは、顧客にとって税制上の利点が見込めるからである。
【0084】
また、顧客システムとその連携システムのシステム統合を行うべきであるか否かというのは、例えば、連携システムのログインユーザ数を判定基準にすることもできる。
【0085】
以上のように、本実施形態のシステムリプレイス提案装置によれば、顧客システムとその連携システムの特徴、運用形態に従って、顧客システム全体の最適なリプレイスの形態とタイミングを算出し、提案することができる。
【0086】
次に、
図14および
図15を用いてシステムリプレイス提案装置の提供するユーザインタフェースについて説明する。
【0087】
システム情報入力画面500は、顧客システムの情報を入力するための画面であり、
図14に示されるように、顧客システム基本情報入力欄510は、業務範囲入力欄520、連携システム入力欄530よりなる。
【0088】
顧客システム基本情報入力欄510は、顧客システムのシステム名、稼働日、バージョンなどの基本的な情報を入力する欄である。業務範囲入力欄520は、業務範囲の機能が該当することを、チェックボックスにより入力する欄である。連携システム入力欄530は、登録する顧客システムと連携するシステムの情報を入力する欄である。
【0089】
システムリプレイス提案画面600は、システムリプレイス提案装置100が算出したリプレイス形態、タイミングに関する情報を顧客に示す画面であり、
図15に示されるように、システム構成図表示欄610、対象システム情報表示欄620、連携システム情報表示欄630、リプレイス提案形態表示欄640よりなる。
【0090】
システム構成図表示欄610は、対象システムとその連携システムの関係を示すシステム構成図を表示する欄である。対象システム情報表示欄620は、対象とする顧客システムの情報を表示する欄である。連携システム情報表示欄630は、連携システムの情報を表示する欄である。リプレイス提案形態表示欄640は、システムリプレイス提案装置100が提案するリプレイス形態の情報(
図13BのS211、S230、S231、S232、S233)を表示する欄である。
【0091】
これにより、顧客は、システムリプレイス提案装置100が提案する連携システムも含めたリプレイス形態、タイミングを視覚的に分かりやすく理解することができる。
【符号の説明】
【0092】
110…リプレイス提案UI(User Interface)部、120…システム特徴管理部、130…リプレイス形態・時期算出部、140…プロジェクトナレッジ管理部、150…記憶部、
200…システム構成図データ、300…顧客システム情報管理テーブル、310…顧客システム連携管理テーブル、320…取扱いシステム情報管理テーブル、330…顧客システム稼働状況テーブル、340…システム導入情報管理テーブル、350…提案結果フィードバックテーブル、360…リプレイス変数管理テーブル、370…リプレイス提案情報テーブル