(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184370
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】陳列棚の商品仕切板
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A47F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098492
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】591134432
【氏名又は名称】株式会社セラタ
(74)【代理人】
【識別番号】100100376
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100143199
【弁理士】
【氏名又は名称】磯邉 毅
(72)【発明者】
【氏名】世良田 次朗
(72)【発明者】
【氏名】井元 章
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA32
3B118FA36
3B118FA37
(57)【要約】
【課題】化石燃料の消費を抑制できる商品仕切板を提供する。
【解決手段】 使用時には起立姿勢となる厚紙製の本体部材1と、本体部材1の起立姿勢を支持するプラスチック又は金属製の支持部材2と、を有する。支持部材2は、垂直部VTと水平部HRとで、断面L字状に形成され、垂直部VTには、上向きに開口して本体部材1を受入れる収容溝GVが設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時には起立姿勢となる本体部材と、前記本体部材の起立姿勢を支持するプラスチック又は金属製の支持部材と、を有して構成され、
前記支持部材は、垂直部と水平部とで、断面L字状に形成され、前記垂直部には、上向きに開口して前記本体部材を受入れる収容溝が設けられ、
前記本体部材及び/又は支持部材は、その材料の全部又は一部が、生物分解可能なプラスチック材料、リサイクル可能な材料、又は、鉱物由来の材料で構成されていることを特徴とする仕切板。
【請求項2】
前記収容溝を形成して対面する一対の起立面には、その一方又は双方に、対抗面に向けて隆起する突起又は突条が形成されている請求項1に記載の仕切板。
【請求項3】
前記突起に対面する正面視と、その状態の側面視において、前記突起は、ほぼ丸型の輪郭線を形成している請求項2に記載の仕切板。
【請求項4】
前記本体部材には、前記突起を受入れる嵌合穴が形成されている請求項3に記載の仕切板。
【請求項5】
前記突起に対面する正面視と、その状態の側面視において、前記突起は、角を有する輪郭線を形成しており、
前記本体部材は、前記収容溝に圧入されている請求項2に記載の仕切板。
【請求項6】
前記支持部材の底面にはマグネットシートが貼着されている請求項1~5の何れかに記載の仕切板。
【請求項7】
前記本体部材に対応して、前記支持部材が複数個配置され、
第一方向に延びる水平部を有する第一仕切板と、第二方向に延びる水平部を有する第二仕切板と、前記本体部材が保持されている請求項1又は2に記載の仕切板。
【請求項8】
前記支持部材は、生物分解可能なプラスチック材で構成されている請求項1又は2に記載の仕切板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を陳列展示する陳列棚の陳列エリアを、最適に区画できる商品仕切板に関し、特に、製造コストを抑制できると共に、処分時にも環境への影響を最小化した自立式の商品仕切板に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、陳列棚の陳列エリアを、適宜に区画可能な商品仕切板について、既に提案している(特許文献1~2)。この商品仕切板は、使用時の平面視で逆T字状の取付部材と、取付部材の嵌合穴に嵌合される一対の突部を有する本体部材と、に区分されて構成されている。
【0003】
先行文献1~2に記載の本体部材は、プラスチック平板で構成されており、一対の突部は、プラスチック平板の両面に、各々、突出形成されている。この構成に対応して、取付部材の嵌合穴も一対であり、一対の突部が、一対の嵌合穴に没入されることで、取付部材と本体部材が一体化されて、商品仕切板が完成状態となる。
【0004】
そして、使用時には、陳列棚の棚板上のレールの適宜な位置に、商品仕切板の取付部材の先端を係合させることで、陳列棚が商品仕切板によって適宜に区画される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平07-023471号公報
【特許文献2】実登3005457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この構成は、陳列棚の棚板上に、保持レールを設けることが必須であり、商品仕切板を自立させることができない不便がある。そこで、断面L字状のプラスチック板を、商品仕切板として、棚板上に配置することも考えられる。
【0007】
図4は、このような場合の構成を図示したものであり、左右一対の支柱PL,PLに保持される棚板BRDの上面に、仕切板DIVを配置した状態を示している。なお、棚板BRDは、左右の支柱PL,PLに支持される保持ブラケットBRによって、その下面が保持されている。
【0008】
しかし、この構成では、プラスチック材料の使用量が増加するという問題がある。すなわち、プラスチックは、原油の蒸留工程で得られるナフサを原料としているので、プラスチック使用の抑制は、原油を輸入に頼る日本にとって非常に重要な課題である。
【0009】
そして、プラスチックの使用量を抑制すれば、その分だけ、プラスチックの焼却量も減少するので、大気汚染の抑制や、化石燃料の消費抑制にも効果的である。
【0010】
また、仮に、プラスチック材を使用する場合でも、焼却工程を経ることなく処分できる構成、例えば、生物分解可能な材料や、リサイクル可能な材料を使用するのが望ましい。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、化石燃料の消費を抑制できる商品仕切板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明に係る仕切板は、使用時には起立姿勢となる本体部材と、前記本体部材の起立姿勢を支持するプラスチック又は金属製の支持部材と、を有して構成され、前記支持部材は、垂直部と水平部とで、断面L字状に形成され、前記垂直部には、上向きに開口して前記本体部材を受入れる収容溝が設けられ、前記本体部材及び/又は支持部材は、その材料の全部又は一部が、生物分解可能なプラスチック材料、リサイクル可能な材料、又は、鉱物由来の材料で構成されている。
【0013】
ここで、生物分解可能なプラスチック材料とは、PLA(Poly-Lactic Acid)樹脂を意味する。また、鉱物由来の材料とは、典型的には、炭酸カルシウムを意味する。何れの材料も、厚紙材などに比べ、剛性や耐久性に優れる上に、湿度や水滴に強い利点がある。なお、PLA樹脂は、生物分解可能であるので、環境を汚染することなく、廃棄することができる。また、炭酸カルシウムは、通常の焼却では、そのまま残留するが、これを廃棄しても環境を害することはない。
【0014】
なお、本発明では、本体部材の材料、又は、支持部材の材料に、生物分解可能なプラスチック材料、リサイクル可能な材料、又は、鉱物由来の材料の何れか一以上を含むが、残部の材料は、通常のプラスチック材で良い。典型的には、本体部材及び/又は支持部材は、ポリスチレンPS(polystyrene )、又は、その他のプラシック材料に、炭酸カルシウムを含有させた材料で構成される。炭酸カルシウムの含有率は、50WT%以下、好ましくは、30WT%以下である。
【0015】
本発明において、リサイクル利用可能とは、(1) 廃棄物を焼却して発生する熱エネルギーを活用するサーマルリサイクル利用、(2) 廃棄物を化学合成により他の物質に変えて活用するケミカルリサイクル利用、及び、(3) 廃棄物を新たな製品の原料として再利用するマテリアルリサイクル利用の何れも含む概念である。
【0016】
但し、好適には、環境上、問題なく焼却処分でき、且つ、同一種類の物質の原料として活用できるレベルマテリアルリサイクル品たる厚紙材(再生紙)が、本発明に好適な「リサイクル利用可能な板材」に先ず該当する。
【0017】
そして、厚紙材(再生紙)で本体部材を構成する場合には、厚紙材の板厚が1.0mm以上であるのが好適であり、より好適には、前記本体部材は、厚紙材の両面が、平坦性を有する化粧紙で覆われ、その全体厚が1.0[mm]~2.5[mm]、より好適には、1.5[mm]~2.0[mm]である。また、前記厚紙材の坪量は、500[gm2]800[gm2]であることが好適である。なお、範囲を示す~記号は、両端の数値を含んでいる。
【0018】
また、本発明の「リサイクル利用可能な板材」には、廃棄物固形燃料RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel )の原材料となり得る素材も含まれる。ここで、廃棄物固形燃料RPFとは、劣化状態の場合も含む古紙と、プラスチック材を主原料とした固形燃料を意味する。本体部材にプラスチック材を使用することで、冷凍冷蔵ケースなどの仕切りに使用する場合に、紙材に比べ、格段に湿気に強いという利点がある。
【0019】
廃棄物固形燃料の材料になり得るプラスチック材には、具体的には、ポリエチレンテレフタレートPET(polyethylene terephthalate)、高密度ポリエチレンHDPE(High-density polyethylene )、低密度ポリエチレンLDPE(Low Density Polyethylene)、ポリプロピレンPP(polypropylene )、ポリスチレンPS(polystyrene )、ABS樹脂、メタクリル樹脂PMMA(Poly Methyl Methacrylate)、ポリアセタールPOM(Polyacetal)、及び、ポリアミドPA(Polyamide )が含まれる。
【0020】
上記したプラスチック材は、本体部材だけでなく、これを支持部材に使用することもできる。そして、例えば、上記したプラスチック材で構成された支持部材と、厚紙材を使用した本体部材と、で本発明を構成した場合には、本体部材と支持部材とが一体化された状態のまま、廃棄物固形燃料の原材料とすることができ好適である。また、上記したプラスチック材で、本体部材と支持部材を構成した場合でも、紙材を追加することで、廃棄物固形燃料を製造することもできる。
【発明の効果】
【0021】
上記した本発明によれば、化石燃料の消費を抑制できる商品仕切板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】全体がプラスチックで構成された仕切板を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、第1実施例の商品仕切板DIVを説明する図面である。ここで、
図1(a)は、分解状態の商品仕切板DIVの斜視図を示し、
図1(b)は、分解状態の商品仕切板DIVの断面図を示している。
【0024】
また、
図1(c)は、完成状態の商品仕切板DIVの断面図であり、
図1(d)~(f)は、各種の組付け態様を示し、
図1(d)~(f)は、商品仕切板DIVを、陳列棚の棚板BRDに配置した状態を示している。
【0025】
図1(a)に示す通り、この商品仕切板DIVは、紙製の本体部材1と、プラスチック製の支持部材2とを組み合わせて構成されている。ここで、本体部材1は、再生紙などの厚紙材1aの表裏面が、平坦性を有する化粧紙1b,1bで覆われて構成されている。厚紙材の坪量は、例えば、600[g/m
2]であって、本体部材1の全体厚Tが1.5~2.0[mm]程度に構成されていることで、必要な剛性を確保している。なお、紙製の本体部材1については、他の実施例の場合もその組成は同じである。
【0026】
また、本体部材1は、横長の略四角形状(
図1(d),
図1(e)参照)か、或いは、四角形の前方上部、及び/又は、後方上部に傾斜面を形成した変形四角形状(
図1(f)参照)に構成されている。そして、何れの構成の場合にも、本体部材1の下端部に確保された挿入部INS(
図1(a))が、支持部材2の収容溝GVに挿入されることで、本体部材1と支持部材2が一体化され、商品仕切板DIVとして自立姿勢を実現している。
【0027】
なお、支持部材に挿入される挿入部INSは、典型的には、本体部材1の前方下端部、及び/又は、本体部材1の後方下端部に位置する(
図1(d)~(f)参照)。そして、この挿入部INSには、一個又は複数個の嵌合穴3が貫通して形成されている。
【0028】
支持部材2は、プラスチックの一体成型品であって、収容溝GVを構成する垂直部VTと、水平部HRとで、断面L字状に形成されている(
図1(a))。プラスチック材料は、特に限定されないが、典型的には、炭酸カルシウムを50WT%以下含有させたポリスチレンPS(polystyrene )樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene 共重合成樹脂)、又はPLA(Poly-Lactic Acid)樹脂が使用される。ここで、炭酸カルシウムを含有させたPS樹脂や、ABS樹脂は、機械的強度に優れ、また、加工容易性、光沢性などにおいて優れている。一方、PLA樹脂は、生物分解可能であって、環境汚染の問題が回避される。
【0029】
また、PS樹脂、ABS樹脂、PLA樹脂の何れの材料でも、前記した廃棄物固形燃料RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel )の原材料となり得る。そして、この実施例では、本体部材1が厚紙材で構成されているので、廃棄物固形燃料の材料として使用する場合に、各部材を、特に、分別する必要がない。
【0030】
何れにしても、支持部材2の収容溝GVは、
図1(b)に示す通り、第1垂直片V1と第2垂直片V2とが、本体部材1の板厚Tとほぼ同一の隙間を開けて対面することで形成される。そして、
図1(b)の構成では、第2垂直片V2の中央部分には、第1垂直片V1に向けて球面状に隆起する突起4が一個形成されている。この突起4は、嵌合穴3に対応するもので、突起4の形状及び寸法は、嵌合穴3に没入可能な構成となっている。
【0031】
図1(a)及び
図1(b)は、突起4と嵌合穴3を、各一個設ける実施例を示しているが、これらの個数は何ら限定されず、
図1(d)~
図1(f)の実施例では、本体部材1の前方下端部と、本体部材1の後方下端部に、突起4と嵌合穴3を、挿入部INSごとに各2個設けている。
【0032】
何れの構成でも、商品仕切板DIVは、本体部材1の挿入部INSが、支持部材2の収容溝GVに挿入されることで完成する。
図1(b)~(c)に示す通り、本体部材1を支持部材2に向けて降下させると、本体部材1が突起4を乗り越えた後、突起4が嵌合穴3の中に没入されることで、本体部材1と支持部材2が係合状態で一体化される。
【0033】
ここで、この係合状態は、特に限定されず、例えば、
図1(d)に示すように、二つの支持部材2の水平部HRが、同一方向に延びるよう係合させても良いし、逆に、
図1(e)に示すように、二つの支持部材2の水平部HRが反対方向に延びるよう係合させても良い。
【0034】
図1(d)の構成は、商品仕切板DIVが棚板BRDを区切る左右両側の一方側では、支持部材2の水平部HRが商品の配置を全く邪魔しないので、この商品配置領域には、全ての陳列商品を、正確な直立姿勢で陳列することができる利点がある。
【0035】
一方、
図1(e)や、
図1(f)の構成の場合は、二つの支持部材2,2の水平部HRが反対方向に延びることで、全体として断面が反転T字状となり、商品仕切板DIVの直立姿勢が、より安定化する。
【0036】
この場合、棚板BRDの上面において、支持部材2の水平部HRが商品の配置を邪魔する領域は僅かであるので、商品配置領域のほぼ全域で、陳列商品を、傾斜しない正確な直立姿勢に陳列することができる。二つの支持部材2,2は、棚板BRDの前端と後端に、大きく離間して本体部材1と係合させても良いし、また、
図1(f)に示すように、後端又は前端において、互いに近接して、二つの支持部材2,2を本体部材1と係合されても良い。
【0037】
次に、
図2は、金属製の支持部材2を説明する図面であり、この支持部材2は、ステンレス製又は鉄製の薄板を切出し、これを、適宜に折り曲げ加工して製造される。ここで、
図2(a)は、分解状態の商品仕切板DIVの斜視図を示し、
図2(b)と
図2(e)は、分解状態の商品仕切板DIVの断面図を示している。また、
図2(c)と
図2(d)は、切り起しカットラインCUTを設けて切り出された二種類の薄板を示している。
【0038】
先ず、
図2(c)に基づいて、支持部材2の製造方法1について説明する。図示の通り、この製造方法1では、切り起しカットラインCUTの基点に沿って第2折り曲げラインLN2が位置付けられ、第2折り曲げラインLN2から所定距離Tだけ、上側(V1側)に離間して、第1折り曲げラインLN1が位置付けられる。ここで、離間距離Tは、本体部材1の板厚Tに対応している。
【0039】
この二つの折り曲げラインLN1,LN2に対応して、第1垂直部VT(垂直片V1)と、第2垂直部VT(垂直片V2)とが位置付けられるが、第2垂直片V2には、図示の裏面から表面に向けて突出する、略円球状の加圧痕5、又は、変則円錐状の加圧痕5が、一又は複数個形成されている。
【0040】
そのため、折り曲げラインLN1,LN2に沿って、第1と第2の垂直片V1,V2を、互いに対面するように90度折り曲げると、垂直部VTの第1垂直片V1と第2垂直片V2が対面する完成状態となる。この完成状態では、第2垂直片V2から第1垂直片V1に向けて、適宜形状の加圧痕5が突出している。
【0041】
ここで、略円球状の加圧痕5は、
図2(a)と
図2(b)に示す仕切板DIVに対応しており、加圧痕5が、嵌合穴3に没入することで、本体部材1と、支持部材2が一体化される。なお、この加圧痕5は、これに対面する正面視と、その状態の側面視において、嵌合穴3の形状に対応する丸型の輪郭線を形成している。
【0042】
一方、変則円錐状の加圧痕5は、
図2(e)と
図2(f)に示す仕切板DIVに対応しており、詳細な形状は、
図4(g)に示す通りである。すなわち、加圧痕5を形成する加圧工程で、三角形が、その先端に向けて隆起することで、変則円錐形を形成しており、この加圧痕5は、これに対面する正面視と、その状態の側面視において角を有する輪郭線を形成している。なお、変則円錐形は、図示の姿勢から上下反転した姿勢に形成しても良い。
【0043】
何れの場合も、加圧痕5は、先端に形成される角頂点や頂上ラインが抜け止めフックとして機能するので、本体部材1に嵌合穴3などを設ける必要がなくなる。すなわち、このような構成の支持部材2を使用する場合には、嵌合穴などの無い面一の本体部材1を使用することができ(
図2(e)(f)参照)、面一の本体部材1を支持部材2に圧入することで、本体部材1と、支持部材2が一体化される(
図2(h)参照)。
【0044】
以上、支持部材2の製造方法1について説明したが、製造方法2は、
図2(d)に示す通りである。すなわち、製造方法2でも、切り起しカットラインCUTの基点に沿って第2折り曲げラインLN2が位置付けられ、第2折り曲げラインLN2から本体部材1の板厚Tに対応する所定距離Tだけに離間して、第1折り曲げラインLN1が位置付けられる。
【0045】
その結果、二つの折り曲げラインLN1,LN2に対応して、二つの垂直部VT(V1,V2)が位置付けられるが、これ以前の加圧工程において、第2垂直片V2には、紙面の表面から裏面に向けて突出する、略円球状の加圧痕5、又は、変則円錐状の加圧痕5が、一又は複数個形成されている。
【0046】
そこで、折り曲げラインLN1,LN2に沿って、第1と第2の垂直片V1,V2を、互いに対面するように90度折り曲げると、垂直部VTの第1垂直片V1と第2垂直片V2が完成される。この完成状態では、第2面から第1面に向けて、適宜形状の加圧痕5が突出している。
【0047】
以上、プラスチック製の本体部材1(
図1)と、金属製の支持部材2(
図2)について説明したが、何れの構成でも、
図1(d)~(f)に例示した各種の態様で、本体部材1に組み付けることができる。また、何れに構成でも、支持部材2の水平部HRの裏面に、マグネットシートMGを貼着することもできる。この構成は、陳列棚の棚板BRDがスチール材(鉄板)で構成されている場合に、仕切板DIVを固定的に配置できる利点がある。
【0048】
以上、本発明の実施例を具体的に説明したが、具体的な記載内容は、特に、本発明を限定するものではない。例えば、突起4,5と嵌合穴3の形状や個数は適宜であり、例えば、垂直片V1,V2の双方に、一対の突起を対面して設けても良い。また、突起と嵌合穴による係合関係に代えて、所定の長さを有する突条と、これに対応する長穴による係合関係を採用しても良い。
【0049】
また、プラスチック製の支持部材2は、必ずしも、プラスチック成型の手法で形成される必要はなく、押出成型の手法を採ることもできる。この場合には、本体部材1に嵌合穴を設けることなく、本体部材1を支持部材2に圧入することになる。
【0050】
また、支持部材2の長さも適宜であり、
図1に示す小型寸法に限ることなく、
図2(j)に示す大型寸法としても良い。
図2(j)の構成の場合、プラスチップ部材が、
図1の場合に比べ、大型化するが、PLA樹脂や、廃棄物固形燃料RPFの原材料となり得るプラスチックを使用することで環境汚染の問題を解消できる。
【0051】
ところで、上記の実施例では、本体部材1を、厚紙材で構成する場合について説明した。しかし、水滴の付着や、永続的な高湿度環境下で使用される陳列棚、例えば、冷凍冷蔵ケースなどでは、本体部材1を長期に使用することができない。そこで、そのような場合には、本体部材1の原料として、PLA樹脂を含んだ、廃棄物固形燃料RPFの材料となり得るプラスチック材が使用される。
【0052】
図3(a)は、このような場合の実施例を図示したものであり、図示の本体部材1は、ポリスチレンPS樹脂70WT%と、PLA樹脂30WT%を複合させた材料か、又は、ポリスチレンPS樹脂72WT%と、鉱物由来材料28WT%(典型的には炭酸カルシウム)を複合させた材料、で構成されている。
【0053】
支持部材2は、金属材又はプラスチック材で構成されるが、プラスチック材を使用する場合には、好適には、PS樹脂、PLA樹脂、又はABS樹脂が使用される。なお、本体部材1や支持部材2において、鉱物由来材料の含有率は、50%以下であれば特に限定されず、また、PS樹脂に代えて、他のプラスチック材料を使用しても良い。
【0054】
何れにしても、
図3(a)の実施例は、紙材に比較して、剛性に優れるので、表裏面双方又は一方から、適度な深さの切込み溝SLを設け、この切込み溝SLを分離ラインとすることで、最適な奥行寸法に設定することができる。なお、分離ラインを設ける構成は、厚紙材を使用する
図1や
図2の本体部材1にも採用されるが、この場合には、表面又は裏面から、他方面に至らない、浅いミシン目Dotを設けるのが好適である。
【0055】
図3(b)は、このような実施例を示しており、厚紙材で構成された本体部材1について、表面又は裏面の一方からミシン目Dotを設け、このミシン目Dotを分離ラインとすることで、最適な奥行寸法に設定することができる。
【符号の説明】
【0056】
DIV 商品仕切板
1 本体部材
2 支持部材
GV 収容溝
VT 垂直部
HR 水平部