(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184433
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】サンバイザーシート
(51)【国際特許分類】
A42B 1/0182 20210101AFI20231221BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20231221BHJP
A42B 1/0192 20210101ALI20231221BHJP
A42B 1/208 20210101ALI20231221BHJP
A42B 1/201 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
A42B1/0182 L
B42D15/00 331G
A42B1/0192
A42B1/208
A42B1/201 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062128
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2022097889の分割
【原出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】522056150
【氏名又は名称】不二オフセット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】横山 敏之
(72)【発明者】
【氏名】石原 啓一郎
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、切り取り線を有するサンバイザーシートが、プリンターの搬送経路で詰まることを抑制可能なサンバイザーシートを提供する。
【解決手段】紙製のシート本体10を有するサンバイザーシートにおいて、シート本体10は、2つの平行な長縁11,12と、サンバイザー15及び非製品部16と、サンバイザー15と非製品部16とを接続するトメと、を有し、切り取り線に含まれる複数の直線部分34A,34B,34Cは、2つの長縁11,12に対する傾斜角度が異なる直線部分34A,34B,34Cを含み、2つの長縁11,12に対して第1傾斜角度で配置された直線部分34B,34Cに隣り合うように配置されるトメ35同士の距離L2は、2つの長縁11,12に対して第1傾斜角度より小さい第2傾斜角度で配置された直線部分34Aに隣り合うように配置されるトメ35同士の距離L6未満に設定されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製のシート本体を有するサンバイザーシートにおいて、
前記シート本体は、
前記シート本体の表面に印刷を施すプリンターの搬送経路における搬送方向に沿った2つの平行な縁部と、
切り取り線により互いに区画されたサンバイザー及び非製品部と、
前記切り取り線上に配置され、かつ、前記サンバイザーと前記非製品部とを接続するトメと、
を有し、
前記シート本体の平面視で、前記切り取り線は、複数の直線部分を含み、
前記シート本体の平面視で、前記複数の直線部分は、2つの前記縁部に対する傾斜角度が異なる第1直線部分及び第2直線部分を含み、
前記シート本体の平面視で、2つの前記縁部に対して第1傾斜角度で配置された前記第1直線部分に隣り合うように配置される前記トメ同士の距離は、2つの前記縁部に対して前記第1傾斜角度より小さい第2傾斜角度で配置された前記第2直線部分に隣り合うように配置される前記トメ同士の距離未満に設定されている、サンバイザーシート。
【請求項2】
請求項1記載のサンバイザーシートにおいて、
前記シート本体の平面視で、前記サンバイザーは、2つの前記縁部に対して直角な仮想線を中心として左右対称の形状を有する、サンバイザーシート。
【請求項3】
請求項1記載のサンバイザーシートにおいて、
前記サンバイザーは、
利用者の前頭部から側頭部に亘って接触され、かつ、2つの差し込み口を有する本体と、
前記本体に対して補助切り取り線を隔てて配置された調整ベルトと、
前記本体に対して前記調整ベルトが配置された位置とは反対の位置に配置され、かつ、折り線を隔てて前記本体に接続されたツバと、
前記本体に接続され、かつ、前記ツバの両側に配置された2つの押え片と、
を有する、サンバイザーシート。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項記載のサンバイザーシートにおいて、
前記シート本体の表面に前記プリンターにより印刷が施されている、サンバイザーシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、紙製のサンバイザーを得るためのサンバイザーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
紙製のサンバイザーの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されているサンバイザーは、可撓性を有する板材の一隅部近傍に、被着時に頭部に差込む頭部差込孔を、両端部に切込みをそれぞれ介して開口自在に設けてある。また、頭部差込孔を境にして大きい側をひさし部とし、かつ、小さい側を係止帯部とするとともに、ひさし部の一方の切込み近傍には1個または複数個の係止孔を設けてある。さらに、ひさし部の他方の切込み近傍には、係止孔に係脱自在に係止する係止片を、切込みを介して設けてある。さらに、係止帯部の長手方向中央部には、被着時に後頭部に当接する後頭部当接片が突設されている。また、特許文献2に記載されたペーパークラフトは、サンバイザーにも利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6-13213号公報
【特許文献2】実用新案登録第3137272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、サンバイザーの形状に沿った切り取り線を有するサンバイザーシートへプリンターで印刷を施す場合、プリンターの搬送経路で切り取り線が破断されて、サンバイザーシートが搬送経路で詰まる可能性がある、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、切り取り線を有する紙製のサンバイザーシートに印刷を施す場合に、プリンターの搬送経路で詰まることを抑制可能なサンバイザーシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、紙製のシート本体を有するサンバイザーシートにおいて、前記シート本体は、前記シート本体の表面に印刷を施すプリンターの搬送経路における搬送方向に沿った2つの平行な縁部と、切り取り線により互いに区画されたサンバイザー及び非製品部と、前記切り取り線上に配置され、かつ、前記サンバイザーと前記非製品部とを接続するトメと、を有し、前記シート本体の平面視で、前記切り取り線は、複数の直線部分を含み、前記シート本体の平面視で、前記複数の直線部分は、2つの前記縁部に対する傾斜角度が異なる第1直線部分及び第2直線部分を含み、前記シート本体の平面視で、2つの前記縁部に対して第1傾斜角度で配置された前記第1直線部分に隣り合うように配置される前記トメ同士の距離は、2つの前記縁部に対して前記第1傾斜角度より小さい第2傾斜角度で配置された前記第2直線部分に隣り合うように配置される前記トメ同士の距離未満に設定されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、切り取り線を有する紙製のサンバイザーシートにプリンターで印刷を施す場合に、プリンターの搬送経路で詰まることを抑制可能なサンバイザーシートを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】切り取り線が設けられたサンバイザーシートの一例を示す平面図である。
【
図2】印刷が施されたサンバイザーシートを示す平面図である。
【
図3】切り取り線を破断して得たサンバイザーを示す平面図である。
【
図4】(A),(B)は、サンバイザーの組み立て過程を示す斜視図である。
【
図5】(A),(B)は、サンバイザーの組み立て過程を示す斜視図である。
【
図6】(A),(B)は、サンバイザーの組み立て過程を示す斜視図である。
【
図7】(A),(B)は、サンバイザーの組み立て過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(型抜きしたサンバイザーシートの説明)
本開示におけるサンバイザーシートの実施形態を、図面に基づいて説明する。本開示におけるサンバイザーシート(台紙)は、
図1に示す紙製のシート本体10を有する。シート本体10は、印刷が施される前の段階において、無地の用紙を型抜き加工して製造されたものである。用紙を型抜き加工する型抜き加工機は、プラテン式打ち抜き機、シリンダー式打ち抜き機、ロータリー式打ち抜き機、トムソン式打ち抜き機の何れでもよい。
【0010】
シート本体10は、一例として、長縁(長辺)11,12をそれぞれ440mm乃至470mmの範囲、短縁(短辺)13,14をそれぞれ280mm乃至310mmの範囲とした長方形である。長縁11,12は、例えば、455mm、短縁13,14は、例えば、303mmである。長縁11,12は互いに平行であり、かつ、同じ長さである。短縁13,14は互いに平行に、かつ、直線状に設けられている。長縁11,12は、同じ長さである。長縁11,12のそれぞれの長さは、短縁13,14のそれぞれの長さを超えている。長縁11,12は、短縁13,14に対し直角である。シート本体10の長手方向の中心に位置する仮想線A1は、短縁13,14と平行であり、かつ、長縁11,12に対して直角である。シート本体10は、少なくとも一方の面に印刷を施すことに適した白色の紙、例えば、商業美術印刷用紙全般を用いることができる。商業美術印刷用紙には、例えば、マット紙、コート(光沢)紙、ノンコート紙(ケント紙、上質紙)等が含まれる。シート本体10の厚さは、例えば、厚さ0.2mm乃至0.3mmの範囲のものを使用できる。
【0011】
シート本体10は、ペーパークラフト(製品)となるサンバイザー15の領域と、サンバイザー15を囲む非製品部16の領域と、を含む。
図1のように、シート本体10を平面視すると、サンバイザー15は、仮想線A1を中心として左右対称の形状を有する。シート本体10の平面視とは、シート本体10を厚さ方向に貫通する中心線に対して垂直な平面内でシート本体10を目視することを意味する。なお、中心線は仮想線であり、
図1では省略している。
【0012】
サンバイザー15は、複数の構成片、具体的には、本体17、接続部18、ツバ19、第1押え片20、第2押え片21、及び調整ベルト22を有する。本体17は、平面形状が帯状であり、本体17は、長縁11,12に沿った方向に延ばされている。本体17は、第1切り取り線23、第2切り取り線24、第3切り取り線25、谷折り線26、第1山折り線27、第2山折り線28で囲まれた領域である。本体17は、仮想線A1を中心として左右対称の形状を有する。
【0013】
本体17には、シート本体10へ厚さ方向に切れ目を入れた第1差し込み口29及び第2差し込み口30が設けられている。第1差し込み口29と第2差し込み口30とは、長縁11,12に沿った方向に間隔をおいて配置されている。第1差し込み口29及び第2差し込み口30は、短縁13,14に沿った方向の所定長さを有する。また、第1切り取り線23は、本体17と調整ベルト22とを区画し、かつ、直線状に設けられている。第1切り取り線23は、シート本体10に対し、厚さ方向に所定の間隔で切れ目を入れたマイクロミシン線である。
【0014】
第2切り取り線24は、本体17と非製品部16とを区画するように設けられ、かつ、直線部分24A,24B及び湾曲部分24Cを有する切れ目である。直線部分24Aは、長縁11と平行であり、直線部分24Bは、短縁13と平行である。第2切り取り線24は、シート本体10へ厚さ方向の切れ目を入れたものであり、第2切り取り線24には、所定の距離L1をおいて複数のトメ31が設けられている。トメ31は、本体17と非製品部16とをつなぐ接続部である。
【0015】
第3切り取り線25は、本体17と非製品部16とを区画するように設けられ、かつ、かつ、直線部分25A,25B及び湾曲部分25Cを有する切れ目である。直線部分25Aは、長縁11と平行であり、直線部分25Bは、短縁14と平行である。第3切り取り線25は、シート本体10へ厚さ方向に切れ目を入れたものであり、第3切り取り線25には、所定の距離L1をおいて複数のトメ32が設けられている。トメ32は、本体17と非製品部16とをつなぐ接続部である。シート本体10を平面視すると、第2切り取り線24と第3切り取り線25とは、仮想線A1を隔てて左右対称に配置されている。
【0016】
谷折り線26は、第1切り取り線23と平行に、かつ、直線状に設けられており、谷折り線26の長さは、第1切り取り線23の長さ未満である。谷折り線26は、本体17と接続部18とを区画する折り曲げ目標である。ツバ19は、接続部18に第3山折り線33を介して接続されている。第3山折り線33は折り曲げ目標である。シート本体10を平面視すると、第3山折り線33は円弧形状に湾曲されている。第3山折り線33の第1端部は、谷折り線26の第1端部に接続され、第3山折り線33の第2端部は、谷折り線26の第2端部に接続されている。つまり、接続部18は、谷折り線26及び第3山折り線33により区画された半月形状の領域である。シート本体10を平面視すると、接続部18は、仮想線A1を中心として左右対称の形状を有する。
【0017】
ツバ19と接続部18とは、第3山折り線33により区画され、ツバ19と非製品部16とは、第4切り取り線34により区画されている。第4切り取り線34は、第3山折り線33と長縁12との間に配置されている。第4切り取り線34は、長縁12と平行な直線部分34A、短縁13と平行な直線部分34B、短縁14と平行な直線部分34C、及び湾曲部分34Dを接続したものである。シート本体10を平面視すると、ツバ19は仮想線A1を中心として左右対称の形状を有し、第4切り取り線34は、仮想線A1を中心として左右対称に配置されている。
【0018】
第4切り取り線34の直線部分34Bは、谷折り線26の第1端部に接続され、第4切り取り線34の直線部分34Cは、谷折り線26の第2端部に接続されている。第4切り取り線34は、シート本体10へ厚さ方向の切れ目を入れたものであり、第4切り取り線34の直線部分34B,34Cには、所定の距離L2をおいて複数のトメ35がそれぞれ設けられている。第4切り取り線34の直線部分34Aには、所定の距離L6をおいて複数のトメ35が設けられている。距離L6は、距離L1を超えている。トメ35は、ツバ19と非製品部16とをつなぐ接続部である。
【0019】
長縁12に沿った方向で、接続部18及びツバ19の両側に、第1押え片20と第2押え片21とが配置されている。つまり、第1押え片20及び第2押え片21は、長縁12に沿った方向に間隔をおいて配置されている。また、第1押え片20と本体17が第1山折り線27により区画されている。第1山折り線27は直線状であり、第1山折り線27は、谷折り線26に対して交差するように配置されている。第1押え片20は、第1山折り線27及び第5切り取り線56により区画されている。第5切り取り線56は、第1押え片20と非製品部16とを区画するように設けられている。
【0020】
第5切り取り線56は、長縁12及び短縁13と非平行な3つの直線部分56A,56B,56C、及び湾曲部分57Dを接続したものである。第5切り取り線56は、シート本体10へ厚さ方向に切れ目を入れたものである。直線部分56Aは、第2切り取り線24の直線部分24Bにつながっている。直線部分56Cは、第4切り取り線34の直線部分34Bにつながっている。第5切り取り線56の直線部分56A,56Cには、所定の距離L3をおいて複数のトメ36がそれぞれ設けられている。第5切り取り線56の直線部分56Bには、所定の距離L7をおいて複数のトメ36が設けられている。距離L7は、距離L5未満であり、かつ、距離L6未満であり、かつ、距離L3を超えている。トメ36は、非製品部16と第1押え片20とをつなぐ接続部である。
【0021】
さらに、第2押え片21と本体17が第2山折り線28により区画されている。第2山折り線28は直線状である。第2押え片21は、第2山折り線28及び第6切り取り線37により区画されている。第6切り取り線37は、第2押え片21と非製品部16とを区画するように設けられている。第6切り取り線37は、長縁12及び短縁14と非平行な3つの直線部分37A,37B,37C、及び湾曲部分37Dを接続したものである。直線部分37Aは、第3切り取り線25の直線部分25Bにつながっている。直線部分37Cは、第4切り取り線34の直線部分34Cにつながっている。第6切り取り線37は、シート本体10へ厚さ方向に切れ目を入れたものである。
【0022】
第6切り取り線37の直線部分37A,37Cには、所定の距離L4をおいて複数のトメ38が、それぞれ設けられている。第6切り取り線37の直線部分37Bには、所定の距離L8をおいて複数のトメ38が設けられている。距離L8は距離L4を超えている。トメ38は、非製品部16と第2押え片21とをつなぐ接続部である。シート本体10の平面視で、第1押え片20と第2押え片21とは、仮想線A1を隔てて左右対称の形状を有する。
【0023】
調整ベルト22は、第1切り取り線23及び第7切り取り線39により区画された領域である。ツバ19と調整ベルト22とは、仮想線A1に沿った方向で本体17に対して、互いに反対の位置に配置されている。第7切り取り線39は、調整ベルト22と非製品部16とを区画している。第7切り取り線39は、長縁11と平行な直線部分39A、短縁13と平行な直線部分39B、短縁14と平行な直線部分39C、及び湾曲部分39Dを接続したものである。第7切り取り線39は、シート本体10へ厚さ方向に切れ目を入れたものであり、第7切り取り線39には、所定の距離L5をおいて複数のトメ40が設けられている。トメ40は、調整ベルト22と非製品部16とをつなぐ接続部である。
【0024】
第1切り取り線23、第2切り取り線24、第3切り取り線25、第4切り取り線34、第5切り取り線56、第6切り取り線37、第1差し込み口29、第2差し込み口30は、シート本体10を型抜き加工機のカッタにより打ち抜いて成形したものである。また、谷折り線26、第1山折り線27、第2山折り線28、第3山折り線33は、シート本体10に型抜き加工機の突片を押し付けることにより、癖付けを行ったものである。
【0025】
(サンバイザーシートに印刷を施す工程の説明)
図2に示すシート本体10Aは、
図1のシート本体10の一方の面に印刷を施したものである。シート本体10に印刷を施すオンデマンドプリンターは、インクジェットプリンターまたはトナープリンター(レーザープリンター)の何れでもよい。例えば、トナープリンターは、帯電ローラ、レーザー発振器、感光体ドラム、トナーボックス、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ及び加圧ローラ等を有する。
【0026】
そして、帯電ローラーにより感光体ドラムの表面が帯電され、次いで、レーザー発振器からレーザー光が感光体ドラムの表面に照射されて、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。さらに、現像ローラは、トナーボックスのトナーを感光体ドラムの表面に付着させることで、静電潜像を可視化する。一方、サンバイザーシートは、オンデマンドプリンターの給紙部から、感光体ドラムと転写ローラとの間へ搬送される。すると、感光体ドラムの表面に担持されているトナーが、転写ローラによりサンバイザーシートの表面に転写される。その後、サンバイザーシートが定着ローラと加圧ローラとの間を通過する過程で、転写されたトナーがサンバイザーシートの表面に定着され、つまり、印刷が施される。印刷が施されたサンバイザーシートは、オンデマンドプリンターの排出部から排出される。
【0027】
オンデマンドプリンターの給紙部から排出部に至る経路が、サンバイザーシートの搬送経路である。搬送経路には、ガイド部材が設けられており、ガイド部材は、サンバイザーシートの表面、裏面、縁に接触することにより、サンバイザーシートの搬送方向を決定及び変更する。
図1に示すシート本体10Aは、オンデマンドプリンターの搬送経路を通紙方向B1に沿って搬送される。通紙方向B1は、長縁11,12に沿った方向である。
【0028】
シート本体10Aに施される印刷は、本体17の表面、接続部18の表面、ツバ19の表面、第1押え片20の表面、第2押え片21の表面、調整ベルト22の表面に施された着色を含む。本体17の表面、接続部18の表面、ツバ19の表面、第1押え片20の表面、第2押え片21の表面、調整ベルト22の表面に施される印刷の色は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0029】
また、シート本体10Aに施された印刷は、本体17の全周に沿った第1印刷線41と、ツバ19の全周に沿った第2印刷線42と、第1押え片20の外周の一部に沿った第3印刷線43と、第2押え片21の外周の一部に沿った第4印刷線44と、調整ベルト22の外周の一部に沿った第5印刷線45と、を含む。第1印刷線41、第2印刷線42、第3印刷線43、第4印刷線44及び第5印刷線45の色は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0030】
第1印刷線41は、本体17の輪郭を示すものであり、第1印刷線41は、本体17の全周表面に加え、接続部18、第1押え片20、第2押え片21、調整ベルト22のそれぞれの外周表面、非製品部16の一部表面に亘って施されるような太さを有する。第2印刷線42は、ツバ19の輪郭を表すものであり、第2印刷線42は、ツバ19の全周表面に加え、接続部18の外周表面、非製品部16の一部表面に亘って施されるような太さを有する。また、第1印刷線41の一部、及び第2印刷線42の一部により、接続部18の輪郭が示されている。
【0031】
さらに、第3印刷線43、及び第1印刷線41の一部により、第1押え片20の輪郭が示されている。第3印刷線43は、第1押え片20の外周表面の一部、及び非製品部16の一部表面に亘って施されるような太さを有する。また、第4印刷線44、及び第1印刷線41の一部により、第2押え片21の輪郭が示されている。第4印刷線44は、第2押え片21の外周表面の一部、及び非製品部16の一部表面に亘って施されるような太さを有する。第5印刷線45は、調整ベルト22の外周表面の一部、及び非製品部16の一部表面に亘って施されるような太さを有する。また、第1印刷線41の一部、及び第5印刷線45により、調整ベルト22の輪郭が示されている。
【0032】
さらに、シート本体10Aに施された印刷は、第1差し込み口29を含む第6印刷線46と、第2差し込み口30を含む第7印刷線47を、を含む。さらに、シート本体10Aに施された印刷は、文字48,49,50,51,52,53、54,55を含む。文字48は、一例として「本体」であり、文字49は、一例として「▽筋押し(谷折り)」である。文字49は、サンバイザー15を谷折り線26に沿って谷折りすることを意味する。文字50は、一例として「△マイクロミシン(切り離し)」である。文字50は、サンバイザー15を第1切り取り線23に沿って破断すれば、本体17と調整ベルト22とを切り離しできることを意味する。
【0033】
文字52は、一例として「▽筋押し(山折り)」である。文字52は、サンバイザー15を第3山折り線33に沿って山折りすることを意味する。文字53は、一例として「▽筋押し(山折り)」である。文字53は、サンバイザー15を第1山折り線27に沿って山折りすることを意味する。文字54は、一例として「▽筋押し(山折り)」である。文字54は、サンバイザー15を第2山折り線28に沿って山折りすることを意味する。本開示では、シート本体10を型抜き加工してサンバイザー15を成形した後に、オンデマンドプリンターでシート本体10に印刷を施すため、小ロット印刷、つまり、少ない枚数での印刷であっても、製造コストが上昇することを抑制できる。
【0034】
(本開示の効果の説明)
本開示のシート本体10は、シート本体10がオンデマンドプリンターの搬送経路で詰まることを抑制する構成を有している。具体的には、多数のトメ31,32,35,36,38,40を設ける位置、隣り合うトメ同士の距離により、シート本体10がオンデマンドプリンターの搬送経路で詰まることを抑制するものである。シート本体10の平面視で、2つの長縁11,12に対して第1傾斜角度で配置された直線部分に隣り合うように配置されるトメ同士の距離は、2つの長縁11,12に対して第1傾斜角度より小さい第2傾斜角度で配置された直線部分に隣り合うように配置されるトメ同士の距離未満に設定されている。また、サンバイザー15は、1つの構成片に設けられている複数の直線部分について、直線部分の傾斜角度が大きくなることに伴い、隣り合うトメ同士の距離が短くなるように設定されている。
【0035】
具体的に説明すると、通紙方向B1は、シート本体10の長縁11,12に沿った方向である。長縁11,12に対する直線部分34B,34Cのそれぞれの傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分34A,39Aのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、直線部分34B,34Cにそれぞれ設けられた隣り合うトメ35同士の距離L2は、直線部分39Aに設けた隣り合うトメ40同士の距離L5未満であり、かつ、直線部分34Aに設けた隣り合うトメ35同士の距離L6未満である。
【0036】
また、長縁11,12に対する直線部分24B,25Bのそれぞれの傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分34A,39Aのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、隣り合うトメ31同士の距離L1は、隣り合うトメ40同士の距離L5未満であり、かつ、隣り合うトメ35同士の距離L6未満である。さらに、隣り合うトメ32同士の距離L1は、隣り合うトメ40同士の距離L5未満であり、かつ、隣り合うトメ35同士の距離L6未満である。
【0037】
また、長縁11,12に対する直線部分24B,25Bのそれぞれの傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分37B,56Bのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、隣り合うトメ31同士の距離L1は、隣り合うトメ36同士の距離L7未満であり、かつ、隣り合うトメ38同士の距離L8未満である。さらに、隣り合うトメ32同士の距離L1は、隣り合うトメ36同士の距離L7未満であり、かつ、隣り合うトメ38同士の距離L8未満である。
【0038】
また、長縁11,12に対する直線部分37B,56Bのそれぞれの鋭角側の傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分34A,39Aのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、直線部分37Bに設けた隣り合うトメ38同士の距離L8は、直線部分34Aに設けた隣り合うトメ35同士の距離L6未満であり、かつ、直線部分39Aに設けた隣り合うトメ40同士の距離L5未満である。さらに、直線部分56Bに設けた隣り合うトメ36同士の距離L7は、直線部分34Aに設けた隣り合うトメ35同士の距離L6未満であり、かつ、直線部分39Aに設けた隣り合うトメ40同士の距離L5未満である。
【0039】
さらに、長縁11,12に対する直線部分56A,56Cのそれぞれの鋭角側の傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分56Bの鋭角側の傾斜角度より大きい。このため、直線部分56A,56Cにそれぞれ設けられた隣り合うトメ36同士の距離L3は、直線部分56Bに設けられた隣り合うトメ36同士の距離L7未満である。また、長縁11,12に対する直線部分37A,37Cのそれぞれの鋭角側の傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分37Bの鋭角側の傾斜角度より大きい。このため、直線部分37A,37Cにそれぞれ設けられた隣り合うトメ38同士の距離L4は、直線部分37Bに設けられた隣り合うトメ38同士の距離L8未満である。
【0040】
また、長縁11,12に対する直線部分24B,25Bのそれぞれの傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分34A,39Aのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、直線部分24Bに設けた隣り合うトメ31同士の距離L1は、隣り合うトメ35同士の距離L6未満であり、かつ、隣り合うトメ40同士の距離L5未満である。さらに、直線部分25Bに設けた隣り合うトメ32同士の距離L1は、隣り合うトメ35同士の距離L6未満であり、かつ、隣り合うトメ40同士の距離L5未満である。
【0041】
さらに、長縁11,12に対する直線部分24B,25Bのそれぞれの傾斜角度は、長縁11,12に対する直線部分37B,56Bのそれぞれの傾斜角度より大きい。このため、直線部分24Bに設けた隣り合うトメ31同士の距離L1は、直線部分37Bに設けた隣り合うトメ38同士の距離L8未満であり、かつ、直線部分56Bに設けた隣り合うトメ38同士の距離L7未満である。また、直線部分25Bに設けた隣り合うトメ32同士の距離L1は、直線部分37Bに設けた隣り合うトメ38同士の距離L8未満であり、かつ、直線部分56Bに設けた隣り合うトメ38同士の距離L7未満である。
【0042】
また、直線部分34Bと直線部分56Cとが鋭角で接続される箇所にはトメが設けられておらず、直線部分34Cと直線部分37Cとが鋭角で接続される箇所にはトメが設けられていない。さらに、シート本体10の平面視で、通紙方向B1に対して直角な方向、つまり、短縁14に沿った方向において、搬送経路で引っかかるガイド部材等の要素がある位置に、各トメが設けられている。
【0043】
このため、シート本体10がオンデマンドプリンターの搬送経路を搬送される過程において、「サンバイザー15が有する構成片が、オンデマンドプリンターの搬送経路に設けられているガイド部材に引っかかり、シート本体10が搬送経路で詰まる」という不具合を抑制できる。特に、「搬送経路でシート本体10が厚さ方向に湾曲されてガイド部材、壁等に引っかかり、シート本体10が搬送経路で詰まる」という不具合を抑制できる。より具体的に説明すると、「サンバイザー15が有する何れかの構成片と、非製品部16とを接続する何れかのトメが破断され、何れかの構成片の縁がシート本体10から分離され、構成片がガイド部材に引っかかる」という不具合を抑制できる。
【0044】
(サンバイザーシートからサンバイザーを得る作業の説明)
図2に示すシート本体10から、サンバイザー15を切り取り、かつ、組み立てる作業を説明する。まず、第2切り取り線24、第3切り取り線25、第4切り取り線34、第5切り取り線56、第6切り取り線37、第7切り取り線39を手作業で破断し、サンバイザー15を非製品部16から切り離す。次に、
図3のように、第1切り取り線23を手作業で破断し、調整ベルト22を本体17から切り離す。さらに、
図4(A)のように、谷折り線26を谷折りして、接続部18及びツバ19を本体17に対して傾斜させる。また、第1山折り線27及び第2山折り線28を山折りして、
図4(B)のように、第1押え片20及び第2押え片21を、本体17に対してツバ19とは逆向きに傾斜させる。
【0045】
そして、調整ベルト22の長手方向の第1端部を、ツバ19側から第1差し込み口29へ挿入し、
図5(A)のように、調整ベルト22のうち、第1差し込み口29から出た所定位置で折り曲げて折り返し片22Aを設ける。さらに、
図5(B)に示すように、第1押え片20を折り返し片22Aに近づけ、折り返し片22Aを、本体17と第1押え片20とが協働して挟む。また、調整ベルト22の長手方向の第2端部を、ツバ19側から第2差し込み口30へ挿入し、
図6(A)のように、調整ベルト22のうち、第2差し込み口30から出た所定位置で折り曲げて折り返し片22Bを設ける。さらに、
図6(B)のように、第2押え片21を折り返し片22Bに近づけ、折り返し片22Bを、本体17と第2押え片21とが協働して挟む。
【0046】
なお、調整ベルト22を第2差し込み口30へ差し込み、かつ、折り返し片22Bを設け、かつ、本体17と第2押え片21との間に折り返し片22Bを挟んだ後、調整ベルト22を第1差し込み口29へ差し込み、かつ、折り返し片22Aを設け、かつ、本体17と第1押え片20との間に折り返し片22Aを挟んでもよい。
【0047】
そして、谷折り線26を谷折りし、
図7(A)のように、ツバ19を本体17に近づける。さらに、第3山折り線33を山折りし、
図7(B)のように、ツバ19を本体から離間させると、サンバイザー15の組み立てが完了する。サンバイザー15を頭部に装着すると、本体17は、利用者の前頭部から側頭部に亘って接触される。第1押え片20及び第2押え片21は、本体17と頭部との間に挟まれる。このため、第1押え片20及び第2押え片21が、本体17から離れることを防止できる。また、調整ベルト22を第1差し込み口29及び第2差し込み口30へ差し込む量を調整することで、サンバイザー15の内周長を、頭部の全周長に合わせることができる。なお、
図4乃至
図7においては、便宜上、各種の文字を省略している。
【0048】
一般的な紙製サンバイザーは、本体の両側に2つのベルトを接続した構成片(1ピース)である場合が多い。そして、紙製サンバイザーで頭部の全周に亘って配置し、かつ、調整ベルトを結ぶことができるようにするために、本体及び2つのベルトを含む全長が650mm以上になることがあった。このため、紙製サンバイザーを受け取る側は、持ち帰りに苦労することがあった。これに対して、本実施形態のサンバイザー15は、本体17と、調整ベルト22とが、別々に2ピースで構成されている。そして、シート10本体の短縁13,14に沿った方向に、本体17と調整ベルト22とが並べて配置されている。さらに、本体17と調整ベルト22との間に第1切り取り線23が設けられているため、利用者は、第1切り取り線23を切り離してから、本体17と調整ベルト22との接続を行える。したがって、
図2に示すサンバイザーシートを受け取る利用者は、サンバイザーシートを大きめの袋に入れてお土産として持ち帰ることが可能である。
【0049】
(補足説明)
本開示で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。シート本体10は、シート本体の一例である。長縁11,12は、2つの平行な縁部の一例である。通紙方向B1は、搬送方向の一例である。サンバイザー15は、サンバイザーの一例であり、非製品部16は、非製品部の一例である。第2切り取り線24、第3切り取り線25、第4切り取り線34、第5切り取り線56、第6切り取り線37及び第7切り取り線39は、切り取り線の一例である。トメ31,32,35,36,38,40は、トメの一例である。直線部分24B,25B,34A,34B,34C,37A,37B,37C,39Aは、直線部分の一例である。距離L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8は、距離の一例である。仮想線A1は、仮想線の一例である。第1差し込み口29及び第2差し込み口30は、2つの差し込み口の一例である。本体17は、本体の一例である。第1切り取り線23は、補助切り取り線の一例である。ツバ19は、ツバの一例である。第1押え片20及び第2押え片21は、2つの折り返し片の一例である。直線部分34B,34Cは、第1直線部分の一例であり、直線部分34Aは、第2直線部分の一例である。直線部分37A,37Cは、第1直線部分の一例であり、直線部分37Bは、第2直線部分の一例である。直線部分56A,56Cは、第1直線部分の一例であり、直線部分56Bは、第2直線部分の一例である。
【0050】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施形態において、サンバイザーシートの表面または裏面の少なくとも一方へ、プリンターにより印刷が施されてもよい。また、サンバイザーシートに施される印刷は、文字、着色、線の他、記号、絵、イラスト、写真等であってもよい。印刷として施される着色は、単数色、または複数色の何れであってもよい。絵、イラスト、写真は、帽子のデザイン、形状、模様等を表していてもよい。さらに、本実施形態において、
図2及び
図3に示されている第1印刷線41、第2印刷線42、第3印刷線43、第4印刷線44、第5印刷線45等のうちの、少なくとも1つ以上の印刷線は、シート本体10Aに印刷しない場合もある。つまり、サンバイザー15の構成片の輪郭を表す印刷線を、シート本体10Aに印刷するか、印刷しないかは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本実施形態は、切り取り線を破断してサンバイザーを得ることができる紙製のサンバイザーシートに利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
10…シート本体、11,12…長縁、15…サンバイザー、16…非製品部、17…本体、19…ツバ、20…第1押え片、21…第2押え片、23…第1切り取り線、24…第2切り取り線、24B,25B,34A,34B,34C,37A,37B,37C,39A,56A,56B,56C…直線部分、25…第3切り取り線、29…第1差し込み口、30…第2差し込み口、31,32,35,36,38,40…トメ、34…第4切り取り線、37…第6切り取り線、39…第7切り取り線、56…第5切り取り線、A1…仮想線、B1…通紙方向、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8…距離