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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184442
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】搬送台車
(51)【国際特許分類】
   B62D 61/10 20060101AFI20231221BHJP
   B60Q 1/34 20060101ALI20231221BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B62D61/10
B60Q1/34 Z
B60Q1/50 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076733
(22)【出願日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2022098060
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000149365
【氏名又は名称】株式会社大谷機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】板見 和彦
(72)【発明者】
【氏名】阪下 紫呂
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA31
3K339BA09
3K339DA05
3K339FA20
3K339GB01
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、重量物の搬送が可能な自走式の搬送台車を得ることである。
【解決手段】本発明の搬送台車100は、自走式の搬送台車であって、荷物Paを載せる載置部103を含む台車筐体110と、4つの駆動体10、10、20、20とを備え、駆動体10は、駆動ローラ11と少なくとも1つの自由ローラ12および13とを備え、駆動体20は、駆動ローラ21と少なくとも1つの自由ローラ22および23とを備え、駆動ローラ11と2つの自由ローラ12および13とは、第1ローラ軸(回転軸)1を共有し、駆動ローラ21と2つの自由ローラ22および23とは、第2ローラ軸(回転軸)
2を共有するように併設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式の搬送台車であって、
荷物を載せる載置部を含む台車筐体と、
駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとを備えた4つの駆動体と、
を備え、
前記駆動ローラと前記少なくとも1つの自由ローラとは、回転軸を共有するように併設されている、搬送台車。
【請求項2】
前記4つの駆動体は、前記台車筐体の中心に対して、それぞれ対称な位置に配置されている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項3】
前記台車筐体の略中央部には、前記4つの駆動体の駆動源が配置されている、請求項1または2に記載の搬送台車。
【請求項4】
前記4つの駆動体は、それぞれ自由ローラに比べて前記駆動ローラが前記台車筐体の外縁側に配置されている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項5】
前記4つの駆動体の内、隣接する駆動体との間に、さらに複数の自由ローラが配置されている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項6】
前記少なくとも1つの自由ローラは、2つの自由ローラを備え、
前記回転軸を共有して併設される前記駆動ローラと前記2つの自由ローラの内、少なくとも中央部に自由ローラが配置されるともに、前記中央部に配置される前記自由ローラは、クラウン形状を有する、もしくはその両側に位置する前記駆動ローラおよび前記自由ローラに比べて外径が小さいように構成されている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項7】
前記少なくとも1つの自由ローラは、2つの自由ローラを備え、
前記回転軸を共有して併設される前記駆動ローラと前記2つの自由ローラの内、少なくとも中央部に自由ローラが配置されるともに、前記中央部に配置される前記自由ローラは、クラウン形状を有する、もしくはその両側に位置する前記駆動ローラおよび前記自由ローラに比べて接地面積が小さいように構成されている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項8】
前記駆動ローラと前記自由ローラとは硬さが異なる、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項9】
前記台車筐体には、前記4つの駆動体の内、2つの駆動体を収容する第1のシャーシと、それ以外の2つの駆動体を収容する第2のシャーシとを備え、
前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシは、前記搬送台車の進行方向に平行な軸の周りで揺動可能となるように前記台車筐体に取り付けられている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項10】
前記台車筐体には、前記4つの駆動体の内、2つの駆動体を収容する第1のシャーシと、それ以外の2つの駆動体を収容する第2のシャーシとを備え、
前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシは、前記搬送台車の進行方向に対する左右方向の軸の周りで揺動可能となるように前記台車筐体に取り付けられている、請求項1または9に記載の搬送台車。
【請求項11】
前記台車筐体の外縁は略円形状であり、前記搬送台車の進行方向を示すレーザーポインタをさらに備えられている、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項12】
前記載置部は、前記台車筐体に対して回転可能に構成されている、請求項1に記載の搬送台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送台車に関し、特に、重量物の搬送を行うための自走式の搬送台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体工場などでは荷物の搬送には自走式の搬送台車が用いられているが、
現状は、搬送台車では基本的に小重量のものしか運べず、特に、重量物、例えば、約2t以上の荷物を運ぶ場合は、フォークリフトかクレーンが必要となり、搬送作業が煩雑になり、作業スペースもとられるというのであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、重量物の搬送が可能な自走式の搬送台車を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は以下の項目を提供する。
【0005】
(項目1)
自走式の搬送台車であって、
荷物を載せる載置部を含む台車筐体と、
駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとを備えた4つの駆動体と、
を備え、
前記駆動ローラと前記少なくとも1つの自由ローラとは、回転軸を共有するように併設されている、搬送台車。
【0006】
(項目2)
前記4つの駆動体は、前記台車筐体の中心に対して、それぞれ対称な位置に配置されている、項目1に記載の搬送台車。
【0007】
(項目3)
前記台車筐体の略中央部には、前記4つの駆動体の駆動源が配置されている、項目1または2に記載の搬送台車。
【0008】
(項目4)
前記4つの駆動体は、それぞれ自由ローラに比べて前記駆動ローラが前記台車筐体の外縁側に配置されている、項目1に記載の搬送台車。
【0009】
(項目5)
前記4つの駆動体の内、隣接する駆動体との間に、さらに複数の自由ローラが配置されている、項目1に記載の搬送台車。
【0010】
(項目6)
前記少なくとも1つの自由ローラは、2つの自由ローラを備え、
前記回転軸を共有して併設される前記駆動ローラと前記2つの自由ローラの内、少なくとも中央部に自由ローラが配置されるともに、前記中央部に配置される前記自由ローラは、クラウン形状を有する、もしくはその両側に位置する前記駆動ローラおよび前記自由ローラに比べて外径が小さいように構成されている、項目1に記載の搬送台車。
【0011】
(項目7)
前記少なくとも1つの自由ローラは、2つの自由ローラを備え、
前記回転軸を共有して併設される前記駆動ローラと前記2つの自由ローラの内、少なくとも中央部に自由ローラが配置されるともに、前記中央部に配置される前記自由ローラは、クラウン形状を有する、もしくはその両側に位置する前記駆動ローラおよび前記自由ローラに比べて接地面積が小さいように構成されている、項目1に記載の搬送台車。
【0012】
(項目8)
前記駆動ローラと前記自由ローラとは硬さが異なる、項目1に記載の搬送台車。
【0013】
(項目9)
前記台車筐体には、前記4つの駆動体の内、2つの駆動体を収容する第1のシャーシと、それ以外の2つの駆動体を収容する第2のシャーシとを備え、
前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシは、前記搬送台車の進行方向に平行な軸の周りで揺動可能となるように前記台車筐体に取り付けられている、項目1に記載の搬送台車。
【0014】
(項目10)
前記台車筐体には、前記4つの駆動体の内、2つの駆動体を収容する第1のシャーシと、それ以外の2つの駆動体を収容する第2のシャーシとを備え、
前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシは、前記搬送台車の進行方向に対する左右方向の軸の周りで揺動可能となるように前記台車筐体に取り付けられている、項目1または9に記載の搬送台車。
【0015】
(項目11)
前記台車筐体の外縁は略円形状であり、前記搬送台車の進行方向を示すレーザーポインタをさらに備えられている、項目1に記載の搬送台車。
【0016】
(項目12)
前記載置部は、前記台車筐体に対して回転可能に構成されている、項目1に記載の搬送台車。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、重量物の搬送が可能な自走式の搬送台車を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態1による搬送台車100を説明するための斜視図であり、その外観および内部構造を示している。
図2図2は、図1に示す搬送台車100をA方向から見た平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示すとともに、搬送台車100に含まれる第1駆動ユニット101を拡大して示している。
図3図3は、図2に示す搬送台車100をB方向およびC方向から見た構造を、搬送台車100を透視して示す側面図である。
図4図4は、図2に示す第1駆動体10の変形例として2つの駆動体10dおよび駆動体10eを示す側面図である。
図5図5は、図1に示す搬送台車100に搭載されている進行方向インジケータ111aの機能を示す斜視図である。
図6図6は、図1に示す搬送台車100の動作を示す図であり、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102が進行方向(図4の紙面に垂直な手前方向)に平行な軸の回りで揺動する様子を示している。
図7図7は、本発明の実施形態2による搬送台車200を示す平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示すとともに、搬送台車200に含まれる第1駆動ユニット201を拡大して示している。
図8図8は、図7に示す搬送台車200の動作を示す図であり、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202が進行方向に対する左右方向(図8の紙面に垂直な方向)に平行な軸の回りで揺動する様子を示している。
図9図9は、本発明の実施形態3による搬送台車300を示す平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示すとともに、搬送台車300に含まれる第1駆動ユニット301を拡大して示している。
図10図10は、本発明の実施形態4による搬送台車400を示す平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示すとともに、第1駆動ユニット401を拡大して示している。
図11図11は、上述した実施形態以外の構成を含む搬送台車500を示す平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示している。
図12図12は、搬送台車の載置部103に昇降機構105を備えた図である。
図13図13は、搬送台車の載置部103に昇降機構105を備えた場合の搬送方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0020】
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
【0021】
本明細書において、「自走式」とは、その物自体が走るための装置を持っていることを意味する。
【0022】
本発明は、重量物の搬送が可能な自走式の搬送台車を得ることを課題とし、
自走式の搬送台車であって、
荷物を載せる載置部を含む台車筐体と、
駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとを備えた4つの駆動体と、
を備え、
駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとは、回転軸を共有するように併設されている、搬送台車を提供することにより、上記の課題を解決したものである。
【0023】
つまり、本発明では、搬送台車は4つの駆動体を備えているので、1つの駆動体にかかる荷重は搬送台車にかかる荷重の1/4に削減でき、しかも、各駆動体では、駆動ローラと回転軸を共有する1以上の自由ローラが併設されているので、搬送台車の駆動体にかかる荷重が駆動ローラと自由ローラとに分散され、各駆動ローラにかかる荷重が軽減されることとなる。その結果、搬送台車に重量物を載せることが可能となる。また、搬送台車で搬送する荷物の重量の増大に応じて自由ローラの数を増やすことで、大きな重量の荷物の搬送が可能となる。
【0024】
従って、本発明の搬送台車は、4つの駆動体を備え、4つの駆動体の各々が駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラを有し、駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとが回転軸を共有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0025】
(4つの駆動体の配置)
ただし、4つの駆動体は、台車筐体の中心に対して、それぞれ対称な位置に配置されていることが好ましい。この場合、4つの駆動体の各々にかかる荷重を均等化することができ、いずれかの駆動体に対する荷重の偏りを回避でき、その結果、搬送台車で運べる荷物の最大重量を高めることができる。
【0026】
また、4つの駆動体は、このような台車筐体の中心に対して点対称な位置に配置されている場合に限定されず、例えば、4つの駆動体は、台車筐体の進行方向に沿った中心線に対して左右対称に配置されていてもよいし、あるいは4つの駆動体は、台車筐体の進行方向の左右方向に沿った中心線に対して前後対称に配置されていてもよい。
【0027】
このような4つの駆動体の線対称な配置では、中心線の両側に位置する一対の駆動体の間で荷重の均等化を図ることができる。
【0028】
また、台車筐体内に配置される4つの駆動体の駆動源の位置は必ずしも限定されるものではないが、例えば、4つの駆動体の駆動源が台車筐体の略中央部に配置されている場合は、台車筐体内でのスペースの有効利用の観点から4つの駆動体は、台車筐体の略中央部に位置する駆動源の両側に、つまり、台車筐体の周縁側に配置されることとなる。この場合、台車筐体の左右に配置される駆動体の離間距離が広くなり、搬送台車の安定な走行が可能となる。
【0029】
また、他方で台車筐体の中央部に4つの駆動体を配置した場合には、台車筐体の略中央部に位置する駆動体の両側に、つまり、台車筐体の周縁側に、駆動体の駆動源が配置されることとなる。この場合、通常、駆動体は略四角形のシャーシ部材に取り付けられるので、駆動体を円盤状の台車筐体に中央部に配置すると、円盤状の台車筐体の外周部には、円弧状に湾曲した台車筐体の側壁と四角形のシャーシの側面との間に円弧状のスペースができることから、このスペースを駆動体の駆動源であるモータの配置スペースに充てることができ、駆動体とその駆動源との占有領域の削減が可能となる。
【0030】
(進行方向に隣接する駆動体の間に従動体がある場合)
4つの駆動体のうちの進行方向に隣接する駆動体のローラの間に、さらに複数の自由ローラを配置し、これらの自由ローラが、台車筐体にかかる荷重を駆動体とともに支持する従動体の機能を有するように構成していてもよい。このようにすることで、各駆動体にかかる荷重をさらに軽減することが可能となる。
【0031】
(駆動体内でのローラの配置の構成例)
また、駆動体は駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとを含み、駆動体を構成する複数のローラ(駆動ローラおよび自由ローラ)が回転軸を共有するものであればよいが、例えば、駆動体は、1つの駆動ローラと1つの自由ローラとを有するものでもよいし、1つの駆動ローラと2つ以上の自由ローラとを有するものでもよい。
【0032】
このように駆動体では、回転軸を共有して併設される駆動ローラと2つの自由ローラのうちの1つの自由ローラが駆動体の中央部に配置されてもよい。
【0033】
この場合、中央部に配置される自由ローラは、中凸のクラウン形状を有すること、もしくは、その両側に位置する駆動ローラおよび自由ローラに比べて外径が小さいように構成されていること、あるいは、その両側に位置する駆動ローラおよび自由ローラに比べて接地面積が小さいように構成されていることが好ましい。
【0034】
このような駆動体では、駆動ローラの作業床面への接地が確実となり、駆動ローラのスリップを抑制できる。
【0035】
なお、駆動ローラと2つの自由ローラとを含む駆動体では、真中に駆動ローラが位置していてもよいが、その場合は、駆動ローラと作業床面とのスリップを軽減するためには、駆動ローラの直径あるいは設置面積は、自由ローラよりも大きいことが望ましい。
【0036】
さらに、駆動ローラと自由ローラとは硬さが異なることが好ましい。この場合、両者の硬さを調整することで、作業床面での駆動ローラのスリップを軽減する作用、あるいは駆動ローラにかかる荷重を自由ローラが軽減する作用を、硬さの違いで調整可能となるからである。例えば、ローラとしてはウレタン製のローラが用いられる。駆動ローラの硬度を硬くし過ぎるとローラの減りが速くなりすぎるし、ローラの硬度を低くしすぎるとスリップ(滑り)が多くなってしまう。
【0037】
(駆動体を構成するシャーシの構成)
台車筐体は、4つの駆動体に含まれるローラを回転可能に支持する1つ以上のシャーシを有するものであり、台車筐体におけるシャーシの数は限定されない。
【0038】
例えば、台車筐体には、4つの駆動体のうちの2つの駆動体を収容する第1のシャーシと、残りの2つの駆動体を収容する第2のシャーシとを備えていることが好ましい。
【0039】
この場合、それぞれのシャーシに、収容されている駆動体を駆動する駆動源を取り付けることにより、それぞれのシャーシを、搬送台車を自走させるための第1駆動ユニットおよび第2駆動ユニットとして用いることができる。
【0040】
さらに、第1のシャーシおよび第2のシャーシは、搬送台車の進行方向に平行な軸の回りで揺動可能となるように台車筐体に取り付けられていてもよい。なお、ここで、搬送台車の進行方向とは、搬送台車の高さ方向に垂直な面に平行で、車軸に直交する方向である。この場合、搬送台車の進行方向に沿った中心軸の両側(つまり、進行する搬送台車の左右両側)で作業床面の傾斜が異なる場合でも、駆動ローラを含めて駆動体のローラのいずれかが作業床面から浮き上がるのを回避あるいは抑制することが可能である。
【0041】
また、第1のシャーシおよび第2のシャーシは、搬送台車の進行方向に対する左右方向(車軸の方向)に平行な軸の周りで揺動可能となるように台車筐体に取り付けられていてもよい。この場合、搬送台車が進行する進行方向に沿って作業床面の傾斜が変化している場合でも、駆動ローラを含めて駆動体のローラのいずれかが作業床面から浮き上がるのを回避あるいは抑制することが可能である。
【0042】
(前進方向を示すインジケータ)
また、搬送台車は前後左右のいずれの方向に進行することも可能であるが、搬送台車のリモコンによる操作者が意図する搬送方向が搬送台車によって示されていることは好ましい。特に、台車筐体の外径が略円盤形状である場合、搬送台車の前進方向を示す方向指示器(例えば、レーザーポインタ)をさらに備えられていることが好ましい。この場合、レーザーポインタを動作させることにより、搬送台車の進行前方側にレーザー光の発光面が形成されることとなり、搬送台車が前進しようとする方向が操作者などが容易に認識可能となる。
【0043】
(載置部)
また、台車筐体は、荷物を載せる載置部を有するものであるが、この載置部は、台車筐体に回転可能に構成されていることが好ましい。この回転可能にすることにより、搬送台車の進行方向を、荷物が配置されている載置部の向きを変えずに変更することが可能となり、1つの荷物を複数の搬送台車で搬送する際に容易に行うことが可能となる。
【0044】
このように本発明の搬送台車は、4つの駆動体を備え、4つの駆動体の各々が駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラを有し、4つの駆動体の各々を構成する駆動ローラと少なくとも1つの自由ローラとが回転軸を共有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0045】
以下の実施形態1~4では、駆動ユニットの構成(シャーシ、駆動体、従動体およびモータの組み合わせ)の違いを具体的に説明し、さらに別の構成を有する搬送台車500を説明する。
【0046】
(1)実施形態1(図1図6)の搬送台車100は、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102を備え、それぞれの駆動ユニットは、1つのシャーシ131に第1駆動体10、第2駆動体20、および従動体30を収容し、1つのモータ151を取り付けた構成となっている。ここで、各駆動ユニット101、102は、搬送台車100の進行方向に対して左右方向に揺動可能に、かつモータ151が台車筐体110の中央側に位置するように、台車筐体110に取り付けられている。
【0047】
(2)実施形態2(図7図8)の搬送台車200は、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202を備え、それぞれの駆動ユニットは、1つのシャーシ231に第1駆動体10a、第2駆動体20a、第1従動体30a、および第2従動体40aを収容し、第1モータ251および第2モータ252を取り付けた構成となっている。ここで、各駆動ユニット201、202は、搬送台車200の進行方向に対して前後方向に揺動可
能に台車筐体110に取り付けられている。
【0048】
(3)実施形態3(図9)の搬送台車300は、第1~第4の4つの駆動ユニット301~304を備え、それぞれの駆動ユニットは、1つのシャーシ331に第1駆動体10b、第1従動体20b、第2従動体30b、および第3従動体40bを収容し、1つのモータ351を搭載した構成となっている。各駆動ユニット301~304は、搬送台車300の進行方向に対して前後方向にかつ左右方向に揺動可能に台車筐体110に取り付けられている。
【0049】
(4)実施形態4(図10)の搬送台車400は、第1、第2の2つの駆動ユニット401、402を備え、それぞれの駆動ユニットは、1つのシャーシ431に第1駆動体10c、第2駆動体20c、および従動体30cを収容し、モータ451を取り付けた構成となっている。各駆動ユニット401、402は、搬送台車400の進行方向に対して左右方向に揺動可能に、かつそのモータ451が台車筐体110の周壁側に位置するように、台車筐体110に取り付けられている。
【0050】
(5)その他の構成を有する搬送台車500(図11)は、第1、第2の2つの駆動ユニット501、502を備え、これらの駆動ユニットは、図9(a)に示す第1、第4の駆動ユニット301、304と同じ構成となっている。各駆動ユニット501、502は、搬送台車500の進行方向に対して前後方向に揺動可能に台車筐体110に取り付けられている。
【0051】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0052】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による搬送台車100を説明するための斜視図であり、図1(a)はその外観を示し、図1(b)は、図1(a)に示す搬送台車100の内部構造について台車筐体110を透視して示している。
【0053】
この実施形態1の搬送台車100は、リモコン100aを用いた遠隔操作により走行制御される自走式の搬送台車であり、荷物Paを載せる載置部103を含む台車筐体110と、台車筐体110を移動させる第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102とを備えている。リモコンは無線でも有線でもよいし、無線リモコンの場合は、光(例えば、赤外線)による通信でも電波による通信でもよいし、搬送台車が自律制御で走行するものであってもよい。
【0054】
ここで、第1駆動ユニット101は、2つの駆動体10、20および1つの従動体30と、これらを支持する略四角形状のシャーシ131と、これらの駆動体の駆動源であるモータ151とを有している。また、第2駆動ユニット102も、第1駆動ユニット101と同様に、駆動体10、20と、1つの従動体30と、略四角形状のシャーシ131と、モータ151とを含んでおり、第1駆動ユニット101のものとは、構成要素(駆動体10、20、従動体30と、シャーシ131、およびモータ151)の配置が、進行方向に沿った中心軸に対して対称な配置となっている点で異なっている。
【0055】
なお、台車筐体110には、搬送台車100の駆動電源としてのバッテリー(図示せず)が搭載され、さらにリモコン100aからの操作信号に基づいて第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102のモータ151を制御する制御部(図示せず)が搭載されている。
【0056】
以下具体的に説明する。
【0057】
図2は、図1に示す搬送台車100をA方向から見た平面図であり、図2(a)は、台車筐体110を透視して全体の内部構造を示し、図2(b)は、搬送台車100に含まれる第1駆動ユニット101を拡大して示している。図3は、図2に示す搬送台車100を示す側面図であり、図3(a)は、図2に示す搬送台車100をB方向から見た構造を示し、図3(b)は、図2に示す搬送台車100をC方向から見た構造を示す。
【0058】
例えば、第1駆動ユニット101では、シャーシ131の内側には、第1駆動体10と第2駆動体20とが進行方向に沿って並べて取り付けられ、さらに、第1駆動体10と第2駆動体20との間には従動体30が取り付けられている。また、シャーシ131の進行方向に沿った一方の側片には、モータ151がシャーシ131の外側に位置するように取り付けられている。ここで、搬送台車の進行方向とは、搬送台車の高さ方向に垂直な面に平行で、車軸に直交する方向である。
【0059】
第1駆動体10は、第1ローラ11、第2ローラ12、および第3ローラ13を有しており、モータ151側とは反対側からこの順に配置されており、シャーシ131に軸受け(図示せず)を介して回転可能に取り付けられている第1ローラ軸1に支持されている。ここで、第1ローラ11は駆動力を発生する駆動ローラ(ドット表示)であり、第1ローラ軸1の回転力が伝わるように第1ローラ軸1に固着されている。また、第2ローラ12および第3ローラ13は、駆動力を発生せずに第1ローラ軸1に対して自由に回転する自由ローラであり、第1ローラ軸1には回転可能に装着されている。
【0060】
第2駆動体20も第1駆動体10と同様に、第1ローラ21、第2ローラ22、および第3ローラ23を有しており、モータ151側とは反対側からこの順に配置されており、シャーシ131に軸受け(図示せず)を介して回転可能に取り付けられている第2ローラ軸2に支持されている。ここで、第1ローラ21は駆動ローラ(ドット表示)であり、第2ローラ軸2の回転力が伝わるように第2ローラ軸2に固着されている。また、第2ローラ22および第3ローラ23は自由ローラであり、第2ローラ軸2には回転可能に装着されている。
【0061】
従動体30も、上述した駆動体と同様に、3つのローラ、つまり、第1ローラ31、第2ローラ32、および第3ローラ33を有しており、モータ151側とは反対側からこの順に配置されている。ここで、第1ローラ31~33は自由ローラであり、第3ローラ軸3には回転可能に装着されている。
【0062】
ここでは、4つの駆動体、つまり、第1駆動ユニット101の第1駆動体10および第2駆動体20、および第2駆動ユニット102の第1駆動体10および第2駆動体20は、台車筐体110の中心に対して点対称な位置に配置されている。このような4つの駆動体の線対称な配置では、中心線の両側に位置する一対の駆動体の間で荷重の均等化を図ることができる。
【0063】
なお、4つの駆動体台車筐体110の中心に対して点対称な位置に配置されているに限定されず、例えば、4つの駆動体は、台車筐体の進行方向に沿った中心線に対して左右対称に配置されていてもよいし、あるいは4つの駆動体は、台車筐体の進行方向の左右方向に沿った中心線に対して前後対称に配置されていてもよい。
【0064】
このような4つの駆動体の線対称な配置でも、中心線の両側に位置する一対の駆動体の間で荷重の均等化を図ることが可能である。
【0065】
また、4つの駆動体のうちの進行方向に隣接する駆動体10および20のローラの間に自由ローラを含む従動体30が配置されている。このような構成では、従動体30の自由ローラが、台車筐体にかかる荷重を駆動体のローラとともに支持することとなり、駆動体にかかる荷重をさらに軽減することが可能となる。
【0066】
さらに、上述した4つの駆動体の駆動源であるモータ151および152が台車筐体110の略中央部に配置されている。この場合は、台車筐体内でのスペースの有効利用の観点から4つの駆動体は、台車筐体の略中央部に位置する駆動源の両側に、つまり、台車筐体の周縁側に配置されることとなる。この場合、台車筐体の左右に配置される駆動体の離間距離が広くなり、搬送台車の安定な走行が可能となる。駆動源であるモータは各駆動体それぞれに設けても良いし、一体化したものであってもよい。
【0067】
また、ここでは、ローラとしてはウレタン製のローラを用いているが、ローラの構成材料はウレタンに限定されず、硬質ゴムでもよいし、あるいは鉄、ステンレスなどの金属でもよい。
【0068】
なお、ここでは、駆動体10、20では、3つのローラとして外径および形状は同じものを用いているが、駆動ローラである第1ローラと、自由ローラである第2ローラおよび第3のローラとは、外径および形状の少なくとも一方が異なるものでもよい。
【0069】
(第1駆動体10の変形例)
図4は、図2に示す第1駆動体10の変形例である駆動体10d、10eを示す側面図であり、図4(a)は、第1駆動体10dとして、これに含まれる真中の自由ローラがその両側のローラよりも外径が小さいものを示し、図4(b)は、第1駆動体10eとして、これに含まれる真中の自由ローラが中凸のクラウン形状を有しており、その接地面がその両側のローラよりも狭いものを示している。
【0070】
例えば、この搬送台車100では、図1および図2に示す第1駆動体10および第2駆動体20に代えて、図4(a)に示す駆動体10dを用いてもよい。
【0071】
この駆動体10dでは、第1~第3の3つのローラ11d、12d、13dのうちの真ん中のローラ21dの外径が他のローラ11dおよび13dに比べて小さいものとなっている。ここで、第1ローラ11dは駆動ローラであり、第2ローラ12dおよび第3ローラ13dは自由ローラである。
【0072】
このように真中のローラの外径をその両側のローラの外径より小さくすることで、一端側の駆動ローラ11dの接地面に対するグリップ力を高めて作業床面FL上でスリップするのを抑制することができる。
【0073】
また、例えば、この搬送台車100では、図1および図2に示す第1駆動体10および第2駆動体20に代えて、図4(b)に示す駆動体10eを用いてもよい。
【0074】
この駆動体10eでは、第1~第3の3つのローラ11e、12e、13eのうち中央のローラ12eは、中凸のクラウン状を有し、これによりその接地面が他のローラ11eおよび13eに比べて小さいものとなっている。ここで、第1ローラ11eは駆動ローラであり、第2ローラ12eおよび第3ローラ13eは自由ローラである。
【0075】
このように真中のローラの接地面をその両側のローラに比べて小さくすることで、一端側の駆動ローラ11eの接地面に対するグリップ力を高めて作業床面FL上でスリップするのを抑制することができる。
【0076】
また、シャーシ131における一端側の領域、つまり、モータ151と上述した駆動体10、20および従動体30との間の領域には、ギヤ機構106が設けられている。
【0077】
ここで、ギヤ機構106は、動力ギヤ160、第1駆動ギア161、第2駆動ギア162、第1伝達ギヤ161a、および第2伝達ギヤ162aを含む。動力ギヤ160はモータ151のモータ軸151aに直結されており、第1駆動ギア161および第2駆動ギア162はそれぞれ第1ローラ軸1および第2ローラ軸2に固着されている。そして、動力ギヤ160の回転力が第1伝達ギヤ161aを介して第1駆動ギア161に伝達されて第1ローラ軸1が回転し、同様に動力ギヤ160の回転力が第2伝達ギヤ162aを介して第2駆動ギア162に伝達されるように、第1伝達ギヤ161aおよび第2伝達ギヤ162aがシャーシ131に回転可能に取り付けられている。
【0078】
第2駆動ユニット102は、上述したとおり、第1駆動ユニット101とは構成要素の配置が搬送台車100の進行方向に沿った中心軸に対して対称な配置となっている点で異なるだけである。
【0079】
この搬送台車100の台車筐体110には、その幅方向(車軸の方向)に沿った第1、第2の2つの棒状フレーム121、122が台車筐体110の前後に取り付けられており、上述した第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102は、これらの棒状フレームに進行方向に対して左右に揺動可能に取り付けられている。
【0080】
つまり、第1駆動ユニット101のシャーシ131の一端側が前支持ピン141aにより第1棒状フレーム121に回転可能に支持され、シャーシ131の他端側が後支持ピン142aにより第2棒状フレーム122に回転可能に支持されている。また、第2駆動ユニット102のシャーシ131の一端側が後支持ピン141bにより第1棒状フレーム122に回転可能に支持され、シャーシ131の他端側が後支持ピン142bにより第2棒状フレーム122に回転可能に支持されている。
【0081】
また、台車筐体110には、第1棒状フレーム121と第2棒状フレーム122との間に位置するように天板フレーム123が取り付けられており、天板フレーム123にはターンテーブル104を有する載置部103が取り付けられている。
【0082】
なお、ターンテーブル104は、図3(a)および(b)に示すように、テーブル本体104a、スラスト軸受け104bおよびラジアル軸受け104cを有し、天板フレーム123に取り付けられたスラスト軸受け104bおよびラジアル軸受け104cによりテーブル本体104aが台車筐体110に回転可能に支持されている。
【0083】
図5は、図1に示す搬送台車100に搭載されている方向指示器としての進行方向インジケータ111aの機能を説明するための斜視図である。
【0084】
搬送台車100では、方向指示器111aは、360°発光領域を有するレーザーにおいて発光領域を制限する制限部材によって所定範囲(例えば、0°を超えて90°の範囲)を指し示すようにしている。指向性のなるレーザーポインタではなく、このように発光領域が所定面積を有するレーザー光を用いることにより、搬送台車の方向がより明確に理解できるようになる。
【0085】
次に搬送台車100の動作を説明する。
【0086】
図6は、図1に示す搬送台車100の動作として、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102が進行方向に対して左右に揺動する様子を示す側面図であり、図6(a)は、作業床面FLが平坦である場合、図6(b)は作業床面FLが進行方向の左右方向に沿った谷形状となっている場合を示し、図6(c)は、作業床面FLが進行方向の左右方向に沿った山形状となっている場合を示している。
【0087】
まず、例えば、ジャッキなどの昇降装置を用いて荷物Paの下側に搬送台車100を入れるスペースを形成し、搬送台車100を荷物Paの下側に配置した状態で荷物Paを搬送台車100のターンテーブル104上に下す。これにより搬送台車100に荷物Paを載せる。なお、ジャッキの代わりにチェンブロックを用いてもよいし、さらには、クレーン、フォークリフトなどの昇降装置を用いてもよい。
【0088】
次に、操作者がリモコンの操作により搬送台車100を移動させる。このとき、搬送台車100の移動方向が第3者にもわかるように進行方向を示す進行方向インジケータ111aが点灯される。この進行方向インジケータ111aは360°レーザーの光出射方向を進行方向側の所定範囲、例えば、約120°の範囲に制限したものであり、図5に示すように、搬送台車100の進行方向側に略三角形形状の光出射面Lが形成される。
【0089】
この状態で搬送台車100の第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102のモータ151の電源が入ると、各駆動ユニットでは第1駆動体10の第1ローラ11および第2駆動体20の第1ローラ21が回転することにより搬送台車100が荷物Paを載せた状態で作業床面FL上を移動し、搬送台車100による荷物Paの搬送が行われる。
【0090】
このように搬送台車100による荷物Paの搬送が行われている状態で、搬送台車100が、図6(a)に示すように平坦な作業床面FLから、図6(b)に示すように、作業床面FLの谷型に屈曲した領域に侵入すると、第1駆動ユニット101のシャーシ131は、台車筐体110(具体的には第1棒状フレーム121および第2棒状フレーム122)に対して前支持ピン141aおよび後支持ピン142aの軸(つまり、進行方向に沿った軸)を中心として揺動することとなる。第2駆動ユニット102においても、同様にシャーシ131は、台車筐体110(具体的には第1棒状フレーム121および第2棒状フレーム122)に対して前支持ピン141bおよび後支持ピン142bの軸(つまり、進
行方向に沿った軸)を中心として揺動することとなる。
【0091】
このため、各駆動ユニット駆動体101および102では、第1駆動体10を構成する3つのローラ11~13、および第2駆動体20を構成する3つのローラ11~13と作業床面FLとの接地状態が維持される。これにより作業床面FLが谷状に屈曲している場合でも、荷物Paの荷重をすべてのローラで分散して受けることができる。
【0092】
また、逆に、搬送台車100が、図6(a)に示すように平坦な作業床面FLから、図6(c)に示すように、作業床面FLの山型に屈曲した領域に侵入しても、第1駆動ユニット101のシャーシ131は、台車筐体110(具体的には第1棒状フレーム121および第2棒状フレーム122)に対して前支持ピン141aおよび後支持ピン142aの軸(つまり、進行方向に沿った軸)を中心として揺動することとなる。第2駆動ユニット102においても、同様に、シャーシ131は、台車筐体110(具体的には第1棒状フレーム121および第2棒状フレーム122)に対して前支持ピン141bおよび後支持ピン142bの軸(つまり、進行方向に沿った軸)を中心として揺動することとなる。
【0093】
このため、各駆動ユニット駆動体101および102では、第1駆動体10を構成する3つのローラ11~13、および第2駆動体20を構成する3つのローラ11~13と作業床面FLとの接地状態が維持される。これにより作業床面FLが山状に屈曲している場合でも、荷物Paの荷重をすべてのローラで分散して受けることができる。特にこの場合は、各駆動ユニット101および102では、駆動体10、20の駆動ローラ11、21と作業床面FLとが離れることがなく、駆動ローラがスリップするのを抑制することができる。
【0094】
なお、実施形態1では、1つの搬送台車100で1つの荷物Paを運ぶ場合を示したが、複数の搬送台車100を用いて1つの荷物Paを運んでもよい。
【0095】
例えば、荷物Paの底面(略正方形、略長方形、略円形、あるいは略楕円形を有する底面)に内接する略三角形(例えば、略正三角形あるいは略二等辺三角形)の頂点にそれぞれ搬送台車100を配置して、これらの3つの搬送台車100上に荷物Paを載せ、3つの搬送台車100で1つの荷物Paを運んでもよい。
【0096】
また、実施形態1では、搬送台車100として、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102は、搬送台車100の進行方向に沿った軸の回りで揺動するものを示したが、搬送台車100は、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102が、搬送台車100の進行方向に対して左右方向に沿った軸の回りで、つまり、搬送台車100の進行方向に対して前後方向に揺動するものでもよく、このような構成の搬送台車200を以下の実施形態2で説明する。
【0097】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2による搬送台車200を示す平面図であり、図7(a)は、台車筐体110を透視して内部構造を示し、図7(b)は、搬送台車200に含まれる第1駆動ユニット201を拡大して示している。
【0098】
この実施形態2の搬送台車200は、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202が揺動する方向が実施形態1の搬送台車100とは異なっているだけでなく、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202を構成するシャーシ231内での駆動体10a、20a、従動体30a、40a、およびモータ251、252の配置が実施形態1の搬送台車100とは異なっている。ただし、この実施形態2の搬送台車200における台車筐体110、ターンテーブル104を有する載置部103、進行方向インジケータ111a、およびリモコン100aは、実施形態1の搬送台車100におけるものと同じものである。
【0099】
以下、具体的に説明する。
【0100】
第1駆動ユニット201では、略四角形状のシャーシ231の内側には、進行方向に沿った中心線の両側に第1駆動体10aと第2駆動体20aとが取り付けられ、さらに、これらの駆動体10a、20aに隣接して、進行方向に沿った中心線(以下基準線という。)の両側に位置するように、第1従動体30aと第2従動体40aとが取り付けられている。ここで、第1駆動体10aと第1従動体30aとは、台車の基準線の片側でこれに沿って配置されており、第2駆動体20aと第2従動体40aとは、台車の基準線のもう一方の片側で進行方向に沿って配置されている。
【0101】
第1駆動体10aは、第1ローラ11aおよび第2ローラ12aを有しており、第1ローラ11aはシャーシ231の中央側とは反対側に位置し、第2ローラ12aはシャーシ231の中央側に位置している。これらのローラは、シャーシ231に軸受け(図示せず)を介して回転可能に取り付けられている第1ローラ軸1aに支持されている。ここで、第1ローラ11aは駆動力を発生する駆動ローラ(ドット表示)であり、第1ローラ軸1aの回転力が伝わるように第1ローラ軸1aに固着されている。また、第2ローラ12aは、駆動力を発生せずに第1ローラ軸1aに対して自由に回転する自由ローラであり、第1ローラ軸1aには回転可能の装着されている。シャーシ231の中央には第1モータ2
51が取り付けられ、そのモータ軸が第1ローラ軸1aに接続されている。
【0102】
第2駆動体20aも第1駆動体10aと同様な構成となっており、駆動ローラである第1ローラ21aと、自由ローラである第2ローラ22aと、これらのローラを支持する第2ローラ軸2aとを有しており、シャーシ231の中央には、第1ローラ21aを駆動する第2モータ251が取り付けられている。
【0103】
第1従動体30aは、第1ローラ31aおよび第2ローラ32aを有しており、これらのローラは自由ローラであり、シャーシ231に取り付けられている第3ローラ軸3aに回転可能に支持されている。
【0104】
第2従動体40aも第1従動体30aと同様な構成となっており、第1ローラ41aおよび第2ローラ42aを有しており、これらのローラは自由ローラであり、シャーシ231に取り付けられている第4ローラ軸4aに回転可能に支持されている。
【0105】
また、第2駆動ユニット202は、上述したとおり、第1駆動ユニット201とは構成要素の配置が搬送台車200の進行方向の左右方向(幅方向)に沿った中心軸に対して対称な配置となっている点で異なるだけである。
【0106】
そして、この搬送台車200の台車筐体110には、進行方向に沿って一対の棒状フレーム(第1、第2の2つの棒状フレーム221、222)が取り付けられており、上述した第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202は、これらの棒状フレームに進行方向の前後方向に揺動可能に取り付けられている。
【0107】
つまり、第1駆動ユニット201のシャーシ231の一方側側部が支持ピン241aにより第1棒状フレーム221の前端部に回転可能に支持され、シャーシ231の他方端側部が支持ピン241bにより第2棒状フレーム222の前端部に回転可能に支持されている。また、第2駆動ユニット202のシャーシ231の他方側側部が支持ピン242aにより第1棒状フレーム221の後端部に回転可能に支持され、シャーシ231の一方側側部が支持ピン242bにより第2棒状フレーム222の後端部に回転可能に支持されている。
【0108】
また、台車筐体110には、第1棒状フレーム221と第2棒状フレーム222との間に位置するように天板フレーム223が取り付けられており、天板フレーム223にはターンテーブル104を有する載置部103が取り付けられている。
【0109】
次に搬送台車200の動作を説明する。
【0110】
図8は、図7に示す搬送台車200の動作として、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202が進行方向に対して前後方向に揺動する様子を示す側面図であり、図8(a)は、作業床面FLが平坦である場合、図8(b)は、作業床面FLが進行方向に沿って谷型に折れ曲がっている場合を示し、図8(c)は、作業床面FLが進行方向に沿って山型に折れ曲がっている場合を示している。
【0111】
実施形態2で説明したように、搬送台車300の上に荷物Paを載せた後、進行方向インジケータ111aが点灯した状態で、搬送台車200の第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202のモータ251、252の電源が入ると、各駆動ユニットでは第1駆動体10aの第1ローラ11aおよび第2駆動体20aの第1ローラ21aが回転することにより搬送台車200が荷物Paを載せた状態で作業床面FL上を移動し、搬送台車200による荷物Paの搬送が行われる。
【0112】
このように搬送台車200による荷物Paの搬送が行われている状態で、搬送台車200が、図8(a)に示すように平坦な作業床面FLを経て、図8(b)に示すように、作業床面FLの谷型に屈曲した部分に進むと、第1駆動ユニット201のシャーシ231は、搬送台車200の進行方向の前後に揺動する。つまり、台車筐体110に対して支持ピン241aおよび支持ピン241bの軸を中心として揺動する。このとき、第2駆動ユニット202においても、同様にシャーシ231は、台車筐体110に対して支持ピン242aおよび支持ピン242bの軸を中心として揺動することとなる。
【0113】
このため、各駆動ユニット駆動体201および202では、駆動体10a、および従動体20a、30a、40aを構成する8個のローラと作業床面FLとの接触状態が維持される。これにより作業床面FLが谷状に屈曲している場合でも、荷物Paの荷重をすべてのローラで分散して受けることができる。
【0114】
また、逆に、搬送台車200が、図8(a)に示すように平坦な作業床面FLを経て、図8(c)に示すように、作業床面FLの山型に屈曲した領域を進むとき、第1駆動ユニット201のシャーシ231は、台車筐体110に対して支持ピン141aおよび支持ピン141bの軸を中心として揺動することとなる。また、第2駆動ユニット202においても、同様に、シャーシ231は、台車筐体110に対して支持ピン242aおよび支持ピン242bの軸を中心として揺動することとなる。
【0115】
このため、各駆動ユニット駆動体201および202では、駆動体10a、および従動体20a、30a、40aを構成する8個のローラと作業床面FLとの接触状態が維持される。これにより作業床面FLが山状に屈曲している場合でも、荷物Paの荷重をすべてのローラで分散して受けることができる。特にこの場合は、各駆動ユニット201および202では、駆動体10a、20aの駆動ローラ11、21が作業床面FLから浮き上がるのを抑制して、駆動ローラがスリップしにくくすることができる。
【0116】
なお、実施形態1では、搬送台車100として、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102が、搬送台車100の進行方向の左右に揺動するものを示し、さらに、実施形態2では、搬送台車200として、第1駆動ユニット201および第2駆動ユニット202が、搬送台車200の進行方向の前後に揺動するものを示したが、搬送台車は、第1駆動ユニットおよび第2駆動ユニットが、搬送台車の左右にも前後にも揺動するものでもよく、このような構成の搬送台車300を以下の実施形態3で説明する。
【0117】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3による搬送台車300を示す平面図であり、図9(a)は、台車筐体110を透視して全体の内部構造を示し、図9(b)は、搬送台車300に含まれる第1駆動ユニット301を拡大して示している。
【0118】
この実施形態3の搬送台車300は、第1駆動ユニット301、第2駆動ユニット302、第3駆動ユニット303、および第4駆動ユニット304が揺動する方向が実施形態1の搬送台車100あるいは実施形態2の搬送台車200とは異なっているだけでなく、各駆動ユニットを構成するシャーシ331内での駆動体10bおよび20b、従動体30bおよび40b、並びにモータ351の配置が、実施形態1の搬送台車100および実施形態2の搬送台車200とは異なっている。ただし、この実施形態3の搬送台車300における台車筐体110、ターンテーブル104を有する載置部103、進行方向インジケータ111a、およびリモコン100aは、実施形態1の搬送台車100あるいは実施形態2の搬送台車200におけるものと同じものである。
【0119】
以下、具体的に説明する。
【0120】
この実施形態3の搬送台車300は、進行方向の左右にも前後にも揺動可能な4つの駆動ユニット301~304を備えている。
【0121】
第1駆動ユニット301は、実施形態2の第1駆動ユニット201(図7(b))において第2駆動体20aを第1従動体20bに置き換え、さらに、第2駆動体20aを駆動する駆動源としてのモータ252を取り除いたものであり、その他の構成は実施形態2の第1駆動ユニット201と同一である。
【0122】
すなわち、第1駆動ユニット301における第1駆動体10bは、実施形態2の第1駆動ユニット201における第1駆動体10aと同じものであり、対応する第1ローラ軸1b、第1ローラ(駆動ローラ)11b、および第2ローラ(自由ローラ)12bを有している。
【0123】
第1駆動ユニット301における第1従動体20bは、実施形態2(図7)の第1駆動ユニット201における第2駆動体20aに代わるものであり、第1ローラ軸2b、第1ローラ(自由ローラ)21b、および第2ローラ(自由ローラ)22bを有している。
【0124】
第1駆動ユニット301における第2駆動体30bは、実施形態2の第1駆動ユニット201における第1従動体30aと同じものであり、対応する第1ローラ軸3b、第1ローラ(自由ローラ)31b、および第2ローラ(自由ローラ)32bを有している。
【0125】
第1駆動ユニット301における第3駆動体40bは、実施形態2の第1駆動ユニット201における第2従動体40aと同じものであり、対応する第1ローラ軸4b、第1ローラ(自由ローラ)41b、および第2ローラ(自由ローラ)42bを有している。
【0126】
また、このシャーシ331には、実施形態2の第1駆動ユニット201における、第1駆動体10aを駆動するモータ251および第2駆動体20aを駆動するモータ252に代えて、第1駆動体10bを駆動する1つのモータ351が設けられている。
【0127】
この搬送台車300では、第2駆動ユニット302、第3駆動ユニット303、第4駆動ユニット304は、第1駆動ユニット301と同一の構成と有している。
【0128】
そして、この搬送台車300の台車筐体310には、進行方向の左右方向に沿って一対の棒状フレーム(第1棒状フレーム321および第2棒状フレーム322)が取り付けられている。
【0129】
これらの棒状フレーム321および322には、第1枠状フレーム330aおよび第2枠状フレーム330bが、進行方向の左右に揺動可能となるように、支持ピン371a、371b、372a、372bにより取り付けられ、さらに、第1枠状フレーム330aには、第1駆動ユニット301および第3駆動ユニット303のそれぞれのシャーシ331が進行方向の前後に揺動可能となるように支持ピン341a、342a、343a、344aにより取り付けられ、第2枠状フレーム330bには、第2駆動ユニット302および第4駆動ユニット304のそれぞれのシャーシ331が進行方向の前後に揺動可能となるように支持ピン343a、344a、343b、344bにより取り付けられている
【0130】
このような構成の搬送台車300では、第1~第4のいずれの駆動ユニット301~304も、搬送台車300の進行方向の左右にも進行方向の前後にも揺動可能に構成されているので、搬送台車300が作業床面FLの谷型に屈曲した領域を通過するときでも、山型に屈曲した領域を通過するときでも、各駆動ユニットにおける駆動体および従動体に含まれるローラが作業床面FLから浮き上がるのを防止でき、さらに、作業床面FLが複雑な傾斜となっていても、上述したような水平面に平行な直交する2軸の回りでの揺動によりすべてのローラを常に作業床面FLに接触した状態を保持することができる。
【0131】
なお、上述した実施形態では、駆動体を駆動するモータを搬送台車の台車筐体の中央側に配置しているものを示したが、モータは必ずしも台車筐体の中央側に配置する必要はなく、台車筐体の周縁部に配置してもよく、以下の実施形態4ではこのような搬送台車を説明する。
【0132】
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4による搬送台車400を示す平面図であり、図10(a)は、台車筐体110を透視して内部構造を示し、図10(b)は、第1駆動ユニット401を拡大して示している。
【0133】
この実施形態4の搬送台車400は、実施形態1の搬送台車100において、第1駆動ユニット101および第2駆動ユニット102におけるモータ151を台車筐体110の中央部から台車筐体110の周縁部に配置変更したものである。
【0134】
すなわち、この実施形態4の搬送台車400は、第1駆動ユニット401および第2駆動ユニット402を有している。ここでは、これらの駆動ユニット401および402は近接させて台車筐体110の中央部に配置され、第1駆動ユニット401の第1駆動体10cおよび第2駆動体20cを駆動するモータ451、および第2駆動ユニット402の第1駆動体10cおよび第2駆動体20cを駆動するモータ451は、台車筐体110の周縁側に配置されている。
【0135】
また、第1駆動体10cは、実施形態1の搬送台車100における第1駆動体10と同様、駆動ローラである第1ローラ11cと、自由ローラである第2ローラ12cと、自由ローラである第3ローラ13cとを有し、これらのローラは、第1ローラ軸1cにより支持されている。
【0136】
また、第2駆動体20cは、実施形態1の搬送台車100における第2駆動体20と同様、駆動ローラである第1ローラ21cと、自由ローラである第2ローラ22cと、自由ローラである第3ローラ23cとを有し、これらのローラは、第1ローラ軸2cにより支持されている。
【0137】
さらに、従動体30cは、実施形態1の搬送台車100における従動体30と同様、自由ローラとして第1ローラ31c、第2ローラ32c、第3ローラ33cを有し、これらのローラは、第3ローラ軸3cにより支持されている。
【0138】
また、この搬送台車400の第1駆動ユニット401では、実施形態1の搬送台車100のものと同様に、モータ451の回転力を第1駆動体10cおよび第2駆動体20cの第1ローラ(駆動ローラ)11c、21cに伝えるギヤ機構106が設けられているが、ここでは、各駆動体の駆動ローラがシャーシ431のモータ451側に位置しているので、ギヤ機構106もシャーシ431のモータ451側に配置されている。なお、このギヤ機構106およびモータ451の配置についても、第2駆動ユニット402では第1駆動ユニット401と同様な構成となっている。
【0139】
そして、この搬送台車400では、実施形態1と同様に、台車筐体110には、幅方向(前進方向および車高方向に直交する方向)に沿った第1、第2の2つの棒状フレーム421、422が台車筐体110の前後に取り付けられており、上述した第1駆動ユニット401および第2駆動ユニット402は、これらの棒状フレームに進行方向の左右に揺動可能に支持ピン441a、441b、442a、442bで取り付けられている。また、2つの棒状フレーム421、422には、天板フレーム423が取り付けられており、この天板フレーム423にはターンテーブル104を有する載置部103が取り付けられている。
【0140】
このような構成の実施形態4の搬送台車400では、モータ451を、略円盤状の台車筐体110に略四角形のシャーシ431を収容した場合に必然的にできる弓型状の空スペースにモータ451を配置することができ、搬送台車400の小型化が可能である。
【0141】
なお、上述した実施形態の説明では、搬送台車は4つの駆動体を有するものを示したが、搬送台車は、原理的には、台車筐体110の進行方向に沿った中心軸の両側に2つの駆動体が配置されているものであればよい。なぜなら、搬送台車がこのような2つの駆動体を有する場合、2つの駆動体の駆動ローラの回転数を調整することで、搬送台車の操舵を制御可能であるからであり、以下このような搬送台車の構成を簡単に説明する。
【0142】
図11は、2つの駆動体を有する搬送台車500を示す平面図であり、台車筐体110を透視して内部構造を示している。
【0143】
図11に示す搬送台車500は、図7(a)に示す実施形態2の搬送台車200において、それぞれ2つの駆動体10a、20aを含む第1駆動ユニット301および第2駆動ユニット302を、それぞれ1つの駆動体を含む実施形態3の第1駆動ユニット301および第4駆動ユニット304の構成に置き換えたものである。
【0144】
(その他の構成)
実施形態1~4の搬送台車に備える載置部103は、図12に示す様に、さらに昇降機構105を有していても良い。昇降機構105は任意の形態であり得る。例えば、昇降機構105は油圧、空圧などのシリンダによるスライド機構であっても良いし、電動によるスライド機構であっても良いし、リンク機構などであっても良い。例えば、載置対象物Wなどが重量物などの場合は油圧シリンダなどが用いられる。
図13に、搬送台車の載置部103に昇降機構105を備えた場合の搬送方法の一例を示す。図13(a)に示すように、まず、載置対象物Wは盤木などの上に載置されている状態である。そして、搬送台車は昇降機構105を下降させた状態で盤木などの上に載置された載置対象物Wの下側に移動させる(図13()b)。そして、載置対象物Wの重心位置を確認しながら昇降機構105を上昇させることによって、載置部103上で載置対象物Wを支持させる(図13(c))。その後、昇降機構105を上昇させ、載置部103に載置対象物Wを載置した状態で搬送を開始する。なお、移動によって盤木などが存在しない位置に移動した後には、昇降機構105を下降させた状態として移動を行う(図13(d))。昇降機構105を下降させることによって、載置対象物Wを載置した状態で搬送させる際の安定性を高めることが可能となる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、荷物を搬送する自走式の搬送台車の分野において、重量物、例えば、約2t以上の荷物を搬送することが可能な自走式の搬送台車を得ることができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0146】
100、200、300、400、500 搬送台車
103 載置部
104 ターンテーブル
104a テーブル本体
104b スラスト軸受け
104c ラジアル軸受け
105 昇降機構
110 台車筐体
111a 進行方向インジケータ
121、221、321、421 第1棒状フレーム
122、222、322、422 第2棒状フレーム
123、223、323、423 天板フレーム
330a 第1枠状フレーム
330b 第2枠状フレーム
101、201、301、401 第1駆動ユニット
102、202、302、402 第2駆動ユニット
303 第3駆動ユニット
304 第4駆動ユニット
131、231、331、431 シャーシ
141a、141b、142a、142b、241a、241b、242a、242b、341a、341b、342a、342b、343a、343b、344a、344b、441a、441b、442a、442b、541a、541b、542a、542b 支持ピン
371a、371b 前支持ピン371a、371b
372a、372b 後支持ピン372a、372b
151、351、451 モータ
151a モータ軸
251 第1モータ
252 第2モータ
106 ギヤ機構
160 動力ギヤ
161 第1駆動ギヤ
161a 第1伝達ギヤ
162 第2駆動ギヤ
162a 第2伝達ギヤ
10、10a~10c 第1駆動体
10d、10e 駆動体
1、1a~1c 第1ローラ軸
11、11a~11c、21、21a、21c 第1ローラ(駆動ローラ)
12、12a~12e、22、22a~22c、32a、32b、42a 第2ローラ(自由ローラ)
13、13c、23、23c 第3ローラ(自由ローラ)
20、20a、20c 第2駆動体
2、2a~2c 第2ローラ軸
20b、30a 第1従動体
21b、31a、31b、41a、41b 第1ローラ(自由ローラ)
30b、40a 第2従動体
3a、3b 第3ローラ軸
40b 第3従動体
4a、4b 第4ローラ軸
W 載置対象物
FL 作業床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13