(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184453
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20231221BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231221BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20231221BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20231221BHJP
H04N 5/202 20230101ALI20231221BHJP
【FI】
G09G3/20 641Q
G09G3/20 670L
G09G3/20 631V
G09G5/00 510V
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
H04N5/66 A
H04N5/202
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084870
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】111122663
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523192716
【氏名又は名称】星彩顯示股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】邱 紹偉
(72)【発明者】
【氏名】蔡 易祐
(72)【発明者】
【氏名】黄 銀政
【テーマコード(参考)】
5C058
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5C058AA05
5C058BA07
5C058BA13
5C080CC03
5C080CC07
5C080DD04
5C080DD20
5C080EE29
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080JJ07
5C182BA25
5C182BA28
5C182BA45
5C182BB01
5C182BB11
5C182CA01
5C182CA12
5C182DA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム1は、表示装置内に装着されて映像信号源を選択することで、受信された映像信号を複数個の第1YUV信号100に変換すると同時に、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データ110を獲得することにより、環境データ110の計算に基づいて表示装置の表示スクリーン20のガンマ制御パラメータ111を獲得する。なおかつ、環境データ110を計算して最大輝度電流値1220を獲得すると同時に、ガンマ制御パラメータ111を利用して計算した複数個の第1YUV信号100を複数個の第2YUV信号1200に変換し、最大輝度電流値1220及び複数個の第2YUV信号1200を表示装置へ伝送して映像を表示させるために供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置内に装着されて随時周辺情景に基づいてガンマ値を自動補正することによって調整される映像を、人間にグレースケール奥行き感を与えるように呈示するために供される環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムであって、
前記環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムには、信号受信モジュールと、情景捕捉モジュールと、奥行き感制御モジュールとが設けられ、前記信号受信モジュールは、映像信号源を選択して受信された映像信号を複数個の第1YUV信号に変換し、前記情景捕捉モジュールは、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データを獲得し、前記環境データの計算に基づいて前記表示装置の表示スクリーンのガンマ制御パラメータを獲得し、前記奥行き感制御モジュールは、前記環境データを計算して最大輝度電流値を獲得すると同時に、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算した複数個の前記第1YUV信号を複数個の第2YUV信号に変換し、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号を前記表示装置へ伝送し、前記表示スクリーンは、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号に基づいて前記映像を表示させるために供され、
前記環境データは、空気の質、気象条件及び周囲の明るさのうちの少なくとも1つを含み、前記表示スクリーンは、複数枚の表示パネルから構成され、かつ前記表示装置は、複数枚の前記表示パネルのうちの1つをマスタとし、その残余のものをスレーブとし、マスタとなる前記表示パネルは、前記奥行き感制御モジュールから伝送された複数個の前記第2YUV信号及び前記最大輝度電流値を受信した後、その残余のスレーブとなる複数枚の前記表示パネルに、付随的に複数個の前記第2YUV信号及び前記最大輝度電流値を利用して前記映像を表示させるように促し、これによって前記表示スクリーンに表示された前記映像に対して統一したグレースケール奥行き感を呈示させることを特徴とする、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項2】
前記奥行き感制御モジュールには、記憶格納組立体が設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、獲得した対応の複数個の前記第2YUV信号を前記記憶格納組立体内にキャッシュするか、あるいは前記ガンマ制御パラメータを利用してテーブル検索し、前記記憶格納組立体内に格納された複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、
前記記憶格納組立体及び前記表示装置のメモリには、それぞれ第1ガンマパラメータ変換テーブルと、第2ガンマパラメータ変換テーブルとが設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記第1ガンマパラメータ変換テーブルを介して前記第2ガンマパラメータ変換テーブルと共にテーブル検索を行い、複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、これによって前記記憶格納組立体の記憶格納容量が低い場合、依然として多選択性のガンマセットを提供し、前記奥行き感制御モジュールには、温度保護組立体と、最大輝度変換組立体とが設けられ、前記温度保護組立体は、前記表示スクリーンに電気的に接続されて前記表示スクリーンから帰還した即時動作温度を受信すると共に、獲得した前記即時動作温度が安全区間値に介在していないと判断されたときに、前記最大輝度変換組立体で前記最大輝度電流値を調整するように促し、そのほか、前記奥行き感制御モジュールは、さらに複数個の前記第2YUV信号を複数個のRGB信号に変換することを特徴とする、請求項1に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項3】
前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応オフセット補償を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に0出力を連続させないようにして、前記適応オフセット補償は、第1~8個のグレースケール層における輝度値が0である段階総数を統計し、及び第1~8個のグレースケール層における最小輝度値を読み取ると共に、第1~8個のグレースケール層における非連続数値範囲内に欠落している10進法の整数数値及びその数量をリスト表示した後、この最小輝度値を第1個のグレースケール層中に記入してから、順次にこの10進法の整数数値を利用して第0~8個のグレースケール層における少なくとも一部の輝度値を線形に調整することを特徴とする、請求項2に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項4】
前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応調節を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に4個以上の0輝度値出力を連続させないようにすることを特徴とする、請求項2に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項5】
表示装置内に装着されて随時周辺情景に基づいてガンマ値を自動補正することによって調整される映像を、人間にグレースケール奥行き感を与えるように呈示するために供される環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムであって、
前記環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムには、信号受信モジュールと、情景捕捉モジュールと、奥行き感制御モジュールとが設けられ、前記信号受信モジュールは、映像信号源を選択して受信された映像信号を複数個の第1YUV信号に変換し、前記情景捕捉モジュールは、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データを獲得し、前記環境データの計算に基づいて前記表示装置の表示スクリーンのガンマ制御パラメータを獲得し、前記奥行き感制御モジュールは、前記環境データを計算して最大輝度電流値を獲得すると同時に、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算した複数個の前記第1YUV信号を複数個の第2YUV信号に変換し、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号を前記表示装置へ伝送し、前記表示スクリーンは、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号に基づいて前記映像を表示させるために供され、
前記環境データは、空気の質、気象条件及び周囲の明るさのうちの少なくとも1つを含み、前記信号受信モジュールは、前記映像信号を分析して対応の映像グレースケール分布資料を獲得し、前記奥行き感制御モジュールは、前記映像グレースケール分布資料を解析して映像グレースケールの主要な集中分布する範囲を枠で囲んだ後、前記範囲における前記映像信号から計算された前記ガンマ制御パラメータを利用して、全グレースケールの段階数に対応する複数個の前記第2YUV信号を獲得し、これによって前記範囲におけるグレースケールに呈示する繊細さを向上させて、全体がやや暗いかやや明るい前記映像をより一層豊富な細部映像として呈示させ得て人間の眼の視覚感覚を満足させることを特徴とする、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項6】
前記奥行き感制御モジュールには、記憶格納組立体が設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、獲得した対応の複数個の前記第2YUV信号を前記記憶格納組立体内にキャッシュするか、あるいは前記ガンマ制御パラメータを利用してテーブル検索し、前記記憶格納組立体内に格納された複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、
前記記憶格納組立体及び前記表示装置のメモリには、それぞれ第1ガンマパラメータ変換テーブルと、第2ガンマパラメータ変換テーブルとが設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記第1ガンマパラメータ変換テーブルを介して前記第2ガンマパラメータ変換テーブルと共にテーブル検索を行い、複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、これによって前記記憶格納組立体の記憶格納容量が低い場合、依然として多選択性のガンマセットを提供し、前記奥行き感制御モジュールには、温度保護組立体と、最大輝度変換組立体とが設けられ、前記温度保護組立体は、前記表示スクリーンに電気的に接続されて前記表示スクリーンから帰還した即時動作温度を受信すると共に、獲得した前記即時動作温度が安全区間値に介在していないと判断されたときに、前記最大輝度変換組立体で前記最大輝度電流値を調整するように促し、そのほか、前記奥行き感制御モジュールは、さらに複数個の前記第2YUV信号を複数個のRGB信号に変換することを特徴とする、請求項5に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項7】
前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応オフセット補償を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に0出力を連続させないようにして、前記適応オフセット補償は、第1~8個のグレースケール層における輝度値が0である段階総数を統計し、及び第1~8個のグレースケール層における最小輝度値を読み取ると共に、第1~8個のグレースケール層における非連続数値範囲内に欠落している10進法の整数数値及びその数量をリスト表示した後、この最小輝度値を第1個のグレースケール層中に記入してから、順次にこの10進法の整数数値を利用して第0~8個のグレースケール層における少なくとも一部の輝度値を線形に調整することを特徴とする、請求項6に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【請求項8】
前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応調節を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に4個以上の0輝度値出力を連続させないようにすることを特徴とする、請求項6に記載の環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置のガンマ補正システムに係り、特に、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示スクリーンを用いてデジタル映像を投影するときに、もし映像をガンマ補正を経ずにパネル上に表示させたら、観賞者は、往々にして映像が白飛びすること、明るすぎること、またはやや暗いことを感じ取る。これらは、表示器の感光機能に起因する場合、画素の光強度と入力された電圧強度との関係が非線形の関係となり、及び人間の眼により輝度を捕捉する方式が比例的にならない場合、極度に暗い状態または極度に明るい状態ではないときに、人間の眼の正常な視力は、暗色調の変化に対してより鋭敏に反応することなどの要因により引き起こされる問題がある。それゆえ、市場において様々な表示装置は、バックライト輝度またはパネル駆動電流を調節することにより、映像の色効果を調整するほか、例外なくガンマ補正の精度を完璧に果たすことが積極的に行われ、画素値におけるカラーグレースケールのバランスを精密に調節することにより、全体映像を補正する視覚輝度効果の実現が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、伝統的な表示装置は、ガンマ値を調整するときに、往々にして全体装置の電気回路の末端駆動ICを用いて行い、この種の構成は、駆動ICの電気回路の設計の複雑度を増加させ、とりわけ、複数個の中小型パネルを利用して組み立てられた大きなスクリーンの表示装置について言えば、上記の中小型パネル上の駆動IC毎にいずれも信号を同期させたり、直列接続したりする設定を行うことが必要となるので、より一層設計の複雑度が劇的に増加してしまう。加えて、例えば、表示スクリーンに受信した映像入力信号がRGB信号であるときであれば、RGBの信号源毎にどれもその設定値を変える必要があるため、ソフトウェアの設計の煩雑度をさらに増加させ、実に産業発展の経済的利益において不利となる。これを感じ取った際に、如何にしてYCbCr変換技術を利用して任意の1種の映像入力信号源をYUV信号に変換すると同時に、即時に装置の周辺環境パラメータの計算またはテーブル検索に基づいて最適なガンマ値を生成し、これにより上記の従来の技術の欠陥を改善して、映像のカラーグレースケールのバランスを優良化すると共に、人間の眼による観察を最も快適にする映像表示効果を奏するかが、すなわち、本発明の探究すべき課題となっている。
【0004】
本発明の主要な目的は、環境条件に応じてガンマ値を自動補正可能な補正調整システムを提供することであり、環境パラメータに基づいて表示スクリーンの駆動電流及び映像のカラーグレースケール値を最適化することで、全体の映像品質を優良化する効果を奏する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明には、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムが開示されており、表示装置内に装着されて随時周辺情景に基づいてガンマ値を自動補正することによって調整される映像を、人間にグレースケール奥行き感を与えるように呈示するために供されるものであって、前記環境適応性を有するガンマ自動補正調整システムには、信号受信モジュールと、情景捕捉モジュールと、奥行き感制御モジュールとが設けられ、前記信号受信モジュールは、映像信号源を選択して受信された映像信号を複数個の第1YUV信号に変換し、前記情景捕捉モジュールは、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データを獲得し、前記環境データの計算に基づいて前記表示装置の表示スクリーンのガンマ制御パラメータを獲得し、前記奥行き感制御モジュールは、前記環境データを計算して最大輝度電流値を獲得すると同時に、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算した複数個の前記第1YUV信号を複数個の第2YUV信号に変換し、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号を前記表示装置へ伝送し、前記表示スクリーンは、前記最大輝度電流値及び複数個の前記第2YUV信号に基づいて前記映像を表示させるために供されることを特徴とする。
【0006】
その内、前記環境データは、空気の質を含む。前記環境データは、気象条件を含む。前記環境データは、周囲の明るさを含む。前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応オフセット補償を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に0出力を連続させないようにして、その内、前記適応オフセット補償は、第1~8個のグレースケール層における輝度値が0である段階総数を統計し、及び第1~8個のグレースケール層における最小輝度値を読み取ると共に、第1~8個のグレースケール層における非連続数値範囲内に欠落している10進法の整数数値及びその数量をリスト表示した後、この最小輝度値を第1個のグレースケール層中に記入してから、順次にこの10進法の整数数値を利用して第0~8個のグレースケール層における少なくとも一部の輝度値を線形に調整する。前記表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して前記映像を表示させて、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、複数個の前記第2YUV信号を獲得するときに、さらに適応調節を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に4個以上の0輝度値出力を連続させないようにする。
【0007】
なおかつ、前記表示スクリーンは、複数枚の表示パネルから構成され、かつ前記表示装置は、複数枚の前記表示パネルのうちの1つをマスタとし、その残余のものをスレーブとし、マスタとなる前記表示パネルは、前記奥行き感制御モジュールから伝送された複数個の前記第2YUV信号及び前記最大輝度電流値を受信した後、その残余のスレーブとなる複数枚の前記表示パネルに、付随的に複数個の前記第2YUV信号及び前記最大輝度電流値を利用して前記映像を表示させるように促し、これによって前記表示スクリーンに表示された前記映像に対して統一したグレースケール奥行き感を呈示させる。前記奥行き感制御モジュールには、記憶格納組立体が設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記ガンマ制御パラメータを利用して計算し、獲得した対応の複数個の前記第2YUV信号を前記記憶格納組立体内にキャッシュするか、あるいは前記ガンマ制御パラメータを利用してテーブル検索し、前記記憶格納組立体内に格納された複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、その内、前記記憶格納組立体及び前記表示装置のメモリには、それぞれ第1ガンマパラメータ変換テーブルと、第2ガンマパラメータ変換テーブルとが設けられ、前記奥行き感制御モジュールは、前記第1ガンマパラメータ変換テーブルを介して前記第2ガンマパラメータ変換テーブルと共にテーブル検索を行い、複数個の前記第2YUV信号を獲得するために供され、これによって前記記憶格納組立体の記憶格納容量が低い場合、依然として多選択性のガンマセットを提供し、前記奥行き感制御モジュールには、温度保護組立体と、最大輝度変換組立体とが設けられ、前記温度保護組立体は、前記表示スクリーンに電気的に接続されて前記表示スクリーンから帰還した即時動作温度を受信すると共に、獲得した前記即時動作温度が安全区間値に介在していないと判断されたときに、前記最大輝度変換組立体で前記最大輝度電流値を調整するように促し、そのほか、前記奥行き感制御モジュールは、さらに複数個の前記第2YUV信号を複数個のRGB信号に変換する。
【0008】
前記信号受信モジュールは、前記映像信号を分析して対応の映像グレースケール分布資料を獲得し、前記奥行き感制御モジュールは、前記映像グレースケール分布資料を解析して映像グレースケールの主要な集中分布する範囲を枠で囲んだ後、前記範囲における前記映像信号から計算された前記ガンマ制御パラメータを利用して、全グレースケールの段階数に対応する複数個の前記第2YUV信号を獲得し、これによって前記範囲におけるグレースケールに呈示する繊細さを向上させて、全体がやや暗いかやや明るい前記映像をより一層豊富な細部映像として呈示させ得て人間の眼の視覚感覚を満足させる。
【発明の効果】
【0009】
以上をまとめると、本発明は、奥行き感制御モジュールを利用して映像信号を予め処理してホワイトバランスを直接提供した後、最大電流パラメータ及び人間の眼の快適度に最適な複数個の第2YUV信号を表示装置へ送り、表示スクリーンは、それぞれR、G、B各信号に対してそれぞれ計算を行う必要がなくても、受信したパラメータまたはデータを運用して映像を直接投影できるために供されることから、表示装置内のICのソフトウェアの設計の複雑度及びハードウェアの規格要求レベルを低減させる。そして、人間の眼の快適度に最適な複数個の第2YUV信号を提供し、本発明者は、情景捕捉モジュールで捕捉された環境データを利用した後、ガンマ制御パラメータを計算し、これによって周辺環境の実際の状況を基に、人間の眼の感覚に最適なガンマ値を選び出す。映像が闇夜に飛来しているカラスの動きを示す映像であっても、依然として観賞者により明確に鮮明に呈示することができ、すなわち、最優化した表示品質を達成して人間の眼による目視の快適性を完璧に果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の好適な実施形態の構成図である。
【
図2】本発明の第1の好適な実施形態のフローチャートである。
【
図3】本発明の第2の好適な実施形態の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第2の好適な実施形態のフローチャートである。
【
図5】本発明の第2の好適な実施形態の応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当該分野における通常の知識を有する者が、本発明の内容を明瞭に理解できるようにするために、以下の説明を添付図面と共に参照することにより、本発明をよりよく理解することができるであろう。
【0012】
<第一実施形態>
それぞれ本発明の第1の好適な実施形態の構成図及びフローチャートである
図1、
図2を参照する。図示のように、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム1は、表示装置(未図示)内に装着されて随時周辺情景に基づいてガンマ値を自動補正することによって調整される映像を、人間にグレースケール奥行き感を与えるように呈示するために供され、それには、信号受信モジュール10と、情景捕捉モジュール11と、奥行き感制御モジュール12とが設けられ、かつガンマ自動補正調整システム1の自動補正調整方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0013】
ステップS10にて、信号受信モジュール10は、映像信号源を選択して受信された映像信号を複数個の第1YUV信号100に変換する。ステップS11にて、情景捕捉モジュール11は、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データ110を獲得し、環境データ110の計算に基づいて表示装置の表示スクリーン20のガンマ制御パラメータ111を獲得する。ステップS12にて、奥行き感制御モジュール12は、環境データ110を計算して最大輝度電流値1220を獲得すると同時に、ステップS13にて、奥行き感制御モジュール12は、ガンマ制御パラメータ111を利用して計算した複数個の第1YUV信号100を複数個の第2YUV信号1200に変換する。ステップS14にて、奥行き感制御モジュール12は、最大輝度電流値1220及び複数個の第2YUV信号1200を表示装置へ伝送し、表示スクリーン20は、最大輝度電流値1220及び複数個の第2YUV信号1200に基づいて映像を表示させるために供される。
【0014】
<第二実施形態>
それぞれ本発明の第2の好適な実施形態の構成図、フローチャート及び応用態様図である
図3~
図5を参照する。図示のように、環境適応性を有するガンマ自動補正調整システム1には、表示装置(未図示)内に装着されると共に、信号受信モジュール10と、情景捕捉モジュール11と、奥行き感制御モジュール12とが設けられ、それは、随時周辺情景に基づいてガンマ値を自動補正することによって調整される映像を、人間にグレースケール奥行き感を与えるように呈示するために供される。奥行き感制御モジュール12には、記憶格納組立体121と、最大輝度変換組立体122と、温度保護組立体123とが設けられ、温度保護組立体123は、表示スクリーン20に電気的に接続され、かつガンマ自動補正調整システム1の自動補正調整方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0015】
ステップS20にて、信号受信モジュール10は、例えば、HDMI(登録商標)、eDP/DP、DVI、LVDS、VGA、MHL、V-by-One HSやMIPI-DSIなどのような映像信号源を選択して映像信号(SigIma.)を受信し、かつ映像信号を複数個の第1YUV信号100に変換する。ステップS21にて、情景捕捉モジュール11は、周辺情景を検知して捕捉された少なくとも1つの環境データ110を獲得し、空気の質(PM)、気象条件(D)及び周囲の明るさ(A)などの諸環境データを獲得し、環境データ110の計算に基づいて表示装置の表示スクリーン20のガンマ制御パラメータ(G)111を獲得する。ステップS22にて、奥行き感制御モジュール12は、環境データ110を計算して最大輝度電流値1220を獲得すると同時に、ステップS23にて、奥行き感制御モジュール12は、ガンマ制御パラメータ111を利用して計算した複数個の第1YUV信号100を、最適な人間の眼の快適性効果を持つ複数個の第2YUV信号1200に変換すると共に、記憶格納組立体121内にキャッシュするか、あるいは奥行き感制御モジュール12は、ガンマ制御パラメータ111を利用してテーブル検索(Look-up-Table,LUT)し、記憶格納組立体121内に格納された複数個の第2YUV信号1200を獲得する。その内、記憶格納組立体121及び表示装置のメモリには、それぞれ第1ガンマパラメータ変換テーブルと、第2ガンマパラメータ変換テーブルとが設けられてもよく、奥行き感制御モジュール12は、第1ガンマパラメータ変換テーブルを介して第2ガンマパラメータ変換テーブルと共にテーブル検索を行い、複数個の第2YUV信号1200を獲得するために供され、このようにして記憶格納組立体121の記憶格納容量が低い場合であれば、内蔵のガンマテーブル検索セットに制限を課すときに、表示装置のメモリの運用に合わせてその内部に記憶されている第2ガンマパラメータ変換テーブルに基づいてさらにテーブル検索して変換し、依然として多選択性のガンマセットを奥行き感制御モジュール12へ提供することができ、映像のビデオカラー輝度を周辺環境に確実に適応させる効果が得られる。
【0016】
ステップS24にて、最大輝度電流値1220及び複数個の第2YUV信号1200を表示装置の駆動IC(Dr.IC)へ伝送し、表示スクリーン20は、周辺環境パラメータを考量した最大輝度電流値1220及び最適な人間の眼の快適性効果を持つ複数個の第2YUV信号1200に基づいて映像を表示させるために供され、これによって各グレースケールのカラー誤差を有効に減少させると共に、暗視野のグレースケールのカラーの細密度を完璧に果たし、闇夜に黒人がカラスを叩くような映像を鮮明に呈示する効果を奏することから、人間の眼による映像観賞の期待値を満足させる。ちなみに言えば、表示スクリーン20は、複数枚の表示パネルから構成されてもよく、かつ表示装置は、複数枚の表示パネルのうちの1つをマスタとし、その残余のものをスレーブとし、マスタとなる表示パネルは、奥行き感制御モジュール12から伝送された複数個の第2YUV信号1200及び最大輝度電流値1220を受信した後、その残余のスレーブとなる複数枚の表示パネルに、付随的に複数個の第2YUV信号1200及び最大輝度電流値1220を利用して映像を表示させるように促し、これによって表示スクリーン20に表示された映像に対して統一したグレースケール奥行き感を呈示させて、一致的な輝度カラーを現出させることができる。
【0017】
なおかつ、奥行き感制御モジュール12は、さらに複数個の第2YUV信号1200を複数個のRGB信号に変換することができた後、次に最大輝度電流値1220と一緒に表示スクリーン20へ伝送する。ステップS25にて、温度保護組立体123は、表示スクリーン20から帰還した即時動作温度(Temp.)を受信すると共に、即時動作温度が、例えば、55℃~80℃の範囲内の安全区間値に介在しているか否かを判断し、ない場合には、即時動作温度が安全区間値よりも高いかまたは低いと判断すると、ステップS250へ進み、温度保護組立体123は、最大輝度変換組立体122で最大輝度電流値1220を調整するように促す。本実施形態において、信号受信モジュール10は、映像信号を受信するときに、映像信号を分析して対応の映像グレースケール分布資料を獲得することができ、かつ奥行き感制御モジュール12は、映像グレースケール分布資料を解析して映像グレースケールの主要な集中分布する範囲を枠で囲んだ後、範囲における映像信号から計算されたガンマ制御パラメータ111を利用して、全グレースケールの段階数に対応する複数個の第2YUV信号1200を獲得し、これによって範囲におけるグレースケールに呈示する繊細さを向上させて、全体がやや暗いかやや明るい映像をより一層豊富な細部映像として呈示させ得て人間の眼の視覚感覚を満足させる。
【0018】
加えて、表示装置は、8ビット、13ビット、16ビットまたは24ビットのグレースケール映像を採用して映像を表示させてもよく、グレースケールの段階数が256階調よりも大きいときに、奥行き感制御モジュール12は、ガンマ制御パラメータ111を利用して計算し、複数個の第2YUV信号1200を獲得するときに、さらに適応オフセット補償を運用して暗視野における第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に0出力を連続させないようにし、あるいはさらに適応調節を運用して第0~8個のグレースケール層の輝度値を補正調整することにより、第0~8個のグレースケール層の輝度値に4個以上の0輝度値出力を連続させないようにすることができる。例を挙げて言うと、13ビットの映像を表示させるときに、本発明者より提案された複数個の第2YUV信号1200の変換公式により、下記の表1に示したYグレースケール数値を得ることができ、その内、ガンマ1.8の曲線において、暗視野のグレースケールに連続的に0となる輝度値が発見され、この時、適応オフセット補償は、第1~8個のグレースケール層における輝度値が0である段階総数を統計し、及び第1~8個のグレースケール層における最小輝度値を読み取ると共に、第1~8個のグレースケール層における非連続数値範囲内に欠落している10進法の整数数値及びその数量をリスト表示した後、この最小輝度値を第1個のグレースケール層中に記入してから、順次にこの10進法の整数数値を利用して第0~8個のグレースケール層における少なくとも一部の輝度値を線形に調整することができる。換言すれば、奥行き感制御モジュール12は、ガンマ1.8の曲線におけるグレースケール輝度値に対して適応オフセット補償を行って統計を取ると、第1~8個のグレースケール層における輝度値が0である段階総数を獲得することができる。1.第1~8個のグレースケール層における最小輝度値を読み取り、かつ第1~8個のグレースケール層における非連続数値範囲内に欠落している10進法の整数数値:3、5、7、8、10、11、13、14及び15など9つの数をリスト表示した後、輝度値1を使用して第1個のグレースケール層中に記入してから、欠落している10進法の整数数値3を利用して第0~8個のグレースケール層における輝度値を線形に調整し、これによって暗視野のグレースケールレベルの輝度分布細密化をさらに向上させることから、再び映像品質を完璧に果たすことができる。
【0019】
【0020】
その内、本発明に述べるモジュールは、ハードウェアまたはソフトウェアで実現したり、ハードウェアを補助的に使用する方式で実現したりすることが可能であり、例えば、信号受信モジュール10、情景捕捉モジュール11及び奥行き感制御モジュール12などの定義は、本質的にはCPU、超小型処理器、メモリや信号伝達器などのような各種のハードウェア設備の集積で実現すると共に、ソフトウェアプロセスを補助的に使用して実現する技術的特徴を指す。そのほか、本発明では、当然、GUIインターフェースを設けてもよく、観賞者が自発的にガンマ値や輝度を調整したり、あるいはスリープに入っている際の黒画面モードなどを切り替えたりするために供され、かつ記憶格納組立体121は、FPGA電気回路基板上に整合的に設置されてもよく、本発明から複数個の第2YUV信号1200及び最大輝度電流値1220などを出力させ、FPGA電気回路を介して表示スクリーン20の駆動ICへ整合的にエクスポートして動作を行わせる。
【符号の説明】
【0021】
1:ガンマ自動補正調整システム
10:信号受信モジュール
100:第1YUV信号
11:情景捕捉モジュール
110:環境データ
111:ガンマ制御パラメータ
12:奥行き感制御モジュール
1200:第2YUV信号
121:記憶格納組立体
122:最大輝度変換組立体
1220:最大輝度電流値
123:温度保護組立体
20:表示スクリーン
S10~S14:ステップ
S20~S250:ステップ