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特開2023-184462赤外線反射コーティングを有するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184462
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】赤外線反射コーティングを有するシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/26 20060101AFI20231221BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20231221BHJP
   C03C 17/36 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G02B5/26
B32B7/023
C03C17/36
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023091009
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/353,387
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/193,507
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーラサミ, ヴィジャエン エス.
(72)【発明者】
【氏名】マシュライン, ピーター エフ.
【テーマコード(参考)】
2H148
4F100
4G059
【Fターム(参考)】
2H148FA01
2H148FA05
2H148FA09
2H148FA12
2H148FA22
2H148FA24
4F100AA12C
4F100AA20C
4F100AA25D
4F100AA25E
4F100AA28C
4F100AB01C
4F100AB10E
4F100AB21D
4F100AB24B
4F100AG00A
4F100AR00B
4F100AR00D
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100DD11
4F100DE01C
4F100GB07
4F100JA11B
4F100JA12C
4F100JD02D
4F100JD10B
4F100JG05C
4F100JN06B
4F100YY00B
4F100YY00C
4G059AA01
4G059AA08
4G059AC06
4G059DA01
4G059EA01
4G059EA07
4G059EA12
4G059GA02
4G059GA04
4G059GA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】窓は、概して、ガラス層などの透明層を含む。ガラス層は、望ましくない量の赤外光を通過させる。
【解決手段】透明構造体は、ガラスから形成することができる内層及び外層などの構造層を有することができる。透明構造体は、湾曲していてもよい。内層及び外層のうちの少なくとも1つは、赤外線反射コーティングでコーティングされていてもよい。赤外線反射コーティングは、複数の光共振器から形成されていてもよい。共振器の各々は、誘電体層によって分離された2つのハーフミラーを含むことができる。ハーフミラーは、銀などの赤外線反射材料を含むことができる。共振器の少なくともいくつかは、ゲッタ層を更に含むことができる。ゲッタ層は、アモルファス材料、誘電材料中のナノ粒子、又は他の所望の材料から形成されていてもよく、赤外線反射コーティングが堆積されている間、赤外線反射材料を保護することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部領域を外部領域から分離するように構成された窓であって、
窓層と、
前記窓層に重なり合う赤外線反射層と、
前記赤外線反射層上のゲッタ層と、
前記ゲッタ層上のバリア層と、
前記バリア層上のシード層と、
を備える、窓。
【請求項2】
前記窓層が、ガラス層であり、前記赤外線反射層が、銀を含み、前記ゲッタ層が、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素を含み、前記シード層が、ドープされた酸化亜鉛を含み、前記窓が、
前記ガラス層と前記赤外線反射層との間に介在する追加のバリア層と、
前記追加のバリア層と前記赤外線反射層との間に介在する追加のシード層と、
前記シード層上の追加の赤外線反射層と、
前記追加の赤外線反射層に重なり合う保護層と、
更に備える、請求項1に記載の窓。
【請求項3】
前記ゲッタ層が、1~2nmの厚さを有し、前記ゲッタ層が、前記アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素中に金属ナノ粒子を含む、請求項2に記載の窓。
【請求項4】
前記金属ナノ粒子が、銀ナノ粒子を含む、請求項3に記載の窓。
【請求項5】
前記赤外線反射層中の前記銀が、15~30nmの粒径を有する多結晶銀であり、前記ドープされた酸化亜鉛が、アルミニウムでドープされている、請求項2に記載の窓。
【請求項6】
前記赤外線反射層が、前記多結晶銀の前記粒径に等しい厚さを有する、請求項5に記載の窓。
【請求項7】
前記バリア層及び前記追加のバリア層が、ZnSnOx層である、請求項6に記載の窓。
【請求項8】
前記赤外線反射層が、銀を含み、前記ゲッタ層が、アモルファス材料を含む、請求項1に記載の窓。
【請求項9】
前記アモルファス材料が、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素、及びアモルファスゲルマニウムからなる材料の群から選択される、請求項8に記載の窓。
【請求項10】
前記赤外線反射層が、銀を含み、前記ゲッタ層が、インクを含む、請求項1に記載の窓。
【請求項11】
前記赤外線反射層が、銀を含み、前記ゲッタ層が、誘電体層中に金属ナノ粒子を含む、請求項1に記載の窓。
【請求項12】
前記金属ナノ粒子が、銀ナノ粒子を含む、請求項11に記載の窓。
【請求項13】
前記窓が、第1の曲率を有する湾曲したガラス層であり、前記赤外線反射層が、前記第1の曲率に一致する第2の曲率を有する、請求項1に記載の窓。
【請求項14】
前記窓層と前記赤外線反射層との間に介在するハイブリッドコーティング層を更に備える、請求項1に記載の窓。
【請求項15】
ガラス層と、
前記ガラス層上の第1の共振器と、
前記第1の共振器に重なり合う第2の共振器と、
前記第1の共振器と前記第2の共振器との間に介在するゲッタ層と、
を備える、窓。
【請求項16】
前記ゲッタ層が、アモルファス材料を含み、前記第1の共振器及び前記第2の共振器がそれぞれ、誘電体層によって分離された2つのハーフミラーを備える、請求項15に記載の窓。
【請求項17】
前記第1及び第2の共振器内の前記2つのハーフミラーがそれぞれ、銀層を含み、前記ゲッタ層が、1~2nmの厚さを有し、前記アモルファス材料が、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素、アモルファスシリコン、及びアモルファスゲルマニウムからなる群から選択される、請求項16に記載の窓。
【請求項18】
前記ゲッタ層が、誘電体層中に金属ナノ粒子を含む、請求項15に記載の窓。
【請求項19】
前記ゲッタ層がインク層を含む、請求項15に記載の窓。
【請求項20】
ガラス層と、
前記ガラス層上の第1のバリア層であって、酸化亜鉛を含む第1のバリア層と、
前記第1のバリア層上の第1のシード層であって、ドープされた酸化亜鉛を含む第1のシード層と、
前記第1のシード層上の第1の銀層と、
前記第1の銀層上のゲッタ層であって、アモルファス材料を含むゲッタ層と、
前記ゲッタ層上の第2のシード層であって、前記ドープされた酸化亜鉛を含む第2のシード層と、
前記第2のシード層上の第2のバリア層であって、前記酸化亜鉛を含む第2のバリア層と、
前記第2のバリア層上の第3のシード層であって、前記ドープされた酸化亜鉛を含む第3のシード層と、
前記第3のシード層上の第2の銀層と、
を備える、窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年3月30日に出願された米国特許出願第18/193,507号、及び2022年6月17日に出願された米国仮特許出願第63/353,387号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
これは、概して、光を通過させる構造体に関し、より具体的には、透明構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
窓は、概して、ガラス層などの透明層を含む。注意が払われない場合、ガラス層は、望ましくない量の赤外光を通過させる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
ビークル、建物、又は電子デバイスなどのシステムは、窓を有することができる。窓は、ビークルの内部領域及び外部領域など、内部領域を外部領域から分離することができる。窓は、内層及び外層などの構造的窓層を有してもよい。内側ガラス層及び外側ガラス層は、空隙によって分離されていてもよい。
【0005】
1つ以上の赤外線反射コーティングが、内側及び/又は外側ガラス層に適用されていてもよい。赤外線反射コーティングは、複数の光共振器を含んでもよい。各光共振器は、無損失誘電体を挟む2枚のハーフミラーを含むことができる。ハーフミラーは、薄い銀層などの赤外線反射層を含むことができる。
【0006】
他の層が堆積されている間にハーフミラー内の銀層を保護し、窓を通過する高視野角光の色ずれを低減するために、光共振器の少なくともいくつかは、各金属層に隣接して、かつその上にゲッタ層を含むことができる。ゲッタ層は、アモルファス材料、誘電体中のナノ粒子、又はインクなどの損失性誘電材料から形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による、例示的な装置の概略図である。
【0008】
図2】一実施形態による、赤外線反射コーティングを有する、例示的な窓の側断面図である。
【0009】
図3】一実施形態による、例示的な赤外線反射コーティングの側断面図である。
【0010】
図4】一実施形態による、異なる赤外線反射コーティングを有する窓の例示的な透過スペクトルのグラフである。
【0011】
図5】一実施形態による、繰り返し層を有する赤外線反射コーティングを有する例示的な窓部分の概略図である。
【0012】
図6】一実施形態による、赤外線反射コーティングを有する湾曲した窓の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
システムは、窓を有することができる。窓は、赤外光を遮断するための構造体を含んでもよい。任意選択的に、反射防止層などの追加のコーティング、又は電気光学的に調整可能な構成要素を窓に組み込むこともできる。システムは、電子デバイス、建物、ビークル、又は他の好適なシステムであってもよい。窓を有するシステムがビークルである例示的な構成は、本明細書において一実施例として説明される場合がある。これは、単に例示である。窓構造体は、任意の好適なシステムに形成することができる。
【0014】
窓の電気的に調整可能な構成要素を使用して、窓の光学特性を調整することができる。例えば、電気的に調整可能な窓を調整して、光の吸収、したがって窓の光透過率を変化させることができる。調整可能な光変調器層は、例えば、ルーフトップウィンドウ用の電気的に調整可能なサンルーフとして機能してもよく、又はサイドウィンドウ、フロントウィンドウ、若しくはリアウィンドウ用の電気的に調整可能なシェードを実装するために使用されてもよい。例示的な構成では、窓の透明度は、ゲストホスト液晶光変調器などの液晶光変調器を使用して変調することができる。調整可能な光学構成要素層はまた、画像を表示するため、照明を提供するため、並びに/又は別の方法で窓の外観及び挙動を調整するために使用されてもよい。
【0015】
システムの窓は、複数のガラス層を含んでもよい。例えば、窓は、内側透明構造層(内側ガラス層と呼ばれることもある)及び外側透明構造層(外側ガラス層と呼ばれることもある)を含むことができる。窓の内層及び外層は、間隙によって分離されていてもよい。間隙は、空気で充填されてもよく、又はポリマー、液体、若しくは他の機能性誘電体で充填されてもよい。内側及び外側ガラス層が空気によって分離されている例示的な構成は、本明細書において一実施例として説明されることがある。
【0016】
窓のガラス層は、単層ガラス層(例えば、熱強化又は強化ガラスの単層)であってもよく、又はいくつかの構成では、例えば、互いに積層された第1及び第2のガラス層から形成された多層構造体であってもよい。積層ガラス層は、第1及び第2のガラス層を接合して積層ガラスのシートを形成するポリビニルブチラール(PVB)などのポリマーを有してもよい。多層ガラス構造体(介在するPVBを有する2つ以上の積層ガラス層から形成された積層ガラス層)及び単層ガラス層は、任意選択の着色剤(例えば、染料、顔料など)を含んでもよい。積層ガラス層中のポリマー層(例えば、PVB層)はまた、任意選択的に受動的に着色されていてもよい。
【0017】
ガラスの代替として、ポリマー層が、窓を形成する際に使用されてもよい。例えば、窓は、ポリカーボネート又はアクリル層などの1つ以上のポリマー層を含んでもよい。積層窓構造体は、熱可塑性ウレタン(TPU)中間層などの中間層を有する複数のポリマー層から形成することができる。概して、任意の所望の中間層を使用することができる。
【0018】
場合によっては、窓を通過する赤外光の量を低減することが望ましい場合がある。例えば、窓を通過する赤外光の量を低減することにより、電子デバイス、ビークル、又は建物などのシステムに入る熱の量を低減することができる。窓を通過する赤外光の量を低減するために、赤外光反射コーティングが、窓内のガラス層又はポリマー層などの1つ以上の層上に組み込まれていてもよい。赤外光反射コーティングがガラス窓層に結合されている実施例が、本明細書で説明されることがあるが、赤外光反射コーティングは、任意の所望の層上に適用することができる。
【0019】
赤外光反射コーティングは、窓を通過する赤外光の量を低減する1つ以上の赤外線反射層(銀層など)を含んでもよい。ベース層、シード層、及びバリア層などの追加の層が、赤外線反射層を堆積させるために、及び堆積プロセス中に赤外線反射層が外部化合物と反応するのを防止するために、窓に組み込まれていてもよく、これにより、低屈折率(例えば、550nmにおいてn<0.1)及び1.1~3.5オーム/平方メートルの低シート抵抗を有する赤外線反射層を得ることができる。ゲッタ層は、赤外線反射層と次の誘電体層との間に組み込まれていてもよい。ゲッタ層は、堆積プロセス中に赤外線反射層を更に保護することができ、高入射角でのガラスの色ずれを低減することができる。
【0020】
1つ以上の赤外光反射コーティングを有する窓を含むことができるタイプの例示的なシステムを図1に示す。システム10は、電子デバイス、ビークル、建物、又は任意の他の所望のシステムであってもよい。例えば、システム10は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、テレビ、又は任意の他の所望の電子デバイスなどの電子デバイスであってもよい。電子デバイスは、デバイス筐体と、デバイス筐体の前面上のディスプレイと、デバイス筐体内の電子構成要素とを含むことができる。他の実施例では、システム10は、車輪が取り付けられたシャーシを有する本体と、推進及びステアリングシステムと、他のビークルシステムとを有するビークルであってもよい。ビークル本体は、ドア、トランク構造体、フード、サイドボディパネル、ルーフ、及び/又は他の本体構造体を含んでもよい。シートが、本体の内部に形成されていてもよい。しかしながら、これらの実施例は単なる例示に過ぎない。概して、システム10は、任意の所望のシステムであってよい。
【0021】
特定のシステムに関係なく、システム10は、窓(単数又は複数)16などの窓を含むことができる。窓16は、システム10を取り囲む外部環境からシステム10の内部を分離することができる。例えば、窓16は、例として、電子デバイスの前面及び/又は背面上、ビークルの前面、背面、及び側面上、又は建物の側面上の窓を含んでもよい。
【0022】
入出力デバイス21は、センサ、オーディオ構成要素、ディスプレイ、及び他の構成要素を含むことができる。例えば、入出力デバイス21は、ビークルの乗員に出力を提供してもよく、ビークルを取り囲む環境の測定を行ってもよく、ビークルの乗員からの入力を収集してもよい。必要に応じて、入出力デバイスのいくつかは、窓(単数又は複数)16を通して動作してもよい。いくつかの実施例では、入出力デバイス21は、窓(単数又は複数)16を通して電波を受信及び/又は送信する無線機などの通信デバイスを含むことができる。
【0023】
制御回路23は、揮発性及び不揮発性メモリ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及びビークルなどのシステムの動作を制御するための他の回路などの記憶及び処理回路を含むことができる。動作中、制御回路23は、入出力デバイス21からの入力に基づいて、ビークルの構成要素を制御することができる。
【0024】
図1の窓16のうちの1つなどの窓の例示的な構成を図2に示す。図2に示すように、窓16は、外部領域18(例えば、ビークルの外側の領域などのシステム10の外側の領域)から内部領域14(例えば、ビークルの内側の領域などのシステム10の内側の領域)を分離することができる。窓16は、内層20及び外層22を含むことができる。層20及び22は、ガラス層、セラミック層、サファイア層、ポリマー層(ポリカーボネート層又はアクリル層など)、又は任意の他の所望の層であってもよく、透明又は部分的に透明であってもよい(例えば、一部の可視光の透過を低減するために着色されていてもよい)。層20及び22は、本明細書では(例えば、コーティングが層に適用されている場合)基材とも呼ばれることがある。
【0025】
層20及び22は、単層ガラス構造体及び/又は多層ガラス構造体から形成されていてもよい。これらの層は、(例えば、アニーリング、焼き戻し、及び/又は化学強化によって)強化されていてもよい。概して、内層20は、単層ガラス構造体(例えば、強化ガラスの単層)又は積層ガラス層であってもよく、外層22は、単層ガラス構造体(例えば、強化ガラスの単層)又は積層ガラス層であってもよい。層20及び/又は層22が積層ガラス層である実施形態では、それらは、1つ以上のポリマー層を使用して一緒に積層された複数のガラス層を含んでもよい。層20及び/又は層22が積層ポリマー層である実施形態では、それらは、1つ以上の追加のポリマー層を使用して一緒に積層された複数のポリマー層を含んでもよい。ポリマー層は、ポリビニルブチラール、熱可塑性ポリウレタン、又はガラス層を取り付けるための他の好適なポリマーの層であってもよい。
【0026】
層20及び22は、間隙25によって分離することができる。間隙25は、空隙であってもよく、又は間隙25は、任意の所望の物質で充填されてもよい。例えば、間隙25は、ポリマー、液体、又は他の誘電体で充填されてもよい。場合によっては、必要に応じて、間隙25を省略してもよい。
【0027】
光27などの光は、窓16に入射することができる。図2に示すように、光27は、外部領域18から窓16に到達して、外層22に入射することができる。光27は、可視光、赤外線、紫外線、及び他の波長を含むことができる。窓16を通る赤外光の透過を低減するために、内層20は、赤外光(例えば、光27の赤外波長)が内部領域14に到達しないように反射することができる赤外線反射コーティング24でコーティングすることができる。
【0028】
光27は外部領域18内にあるように示されているが、望ましくない赤外線成分を有する光が内部領域14内にあってもよく、同様に内層20に入射してもよい。
【0029】
赤外線反射コーティング24は、内層20の外面上にあるものとして図2に示されているが、これは単なる例示である。図2に示すように、赤外線反射コーティング24は、内層20上にある代わりに、又はそれに加えて、外層22の内面上の位置24’にあってもよい。代替的に又は追加的に、赤外線反射コーティング24は、窓16の外側(すなわち、外層22の外面又は内層20の内面上)に形成されていてもよく、又は内層20と外層22との間に形成されている追加の層上に形成されていてもよい。概して、赤外線反射コーティング24は、窓16を通過する赤外光の量を減少させるために、窓16内の任意の場所に形成されていてもよい。
【0030】
赤外線反射コーティング24がポリカーボネートの層などのポリマー層上に形成されている場合、赤外線反射コーティング24とポリマー層との間に追加のコーティング層を含むことが望ましい場合がある。例えば、赤外線反射コーティング24を適用する前に、ポリマー層上にコーティング層を(例えば、化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)によって)適用してもよい。コーティング層は、赤外線反射コーティング24が堆積されるときにポリマー上の応力を低減することができ、任意の所望の材料から形成することができる。いくつかの実施例では、コーティング層は、SiOCH又は任意のSiOxCy:H材料などのハイブリッドコーティング層であってもよい。例えば、ハイブリッドコーティング層は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)から形成されていてもよい。しかしながら、これらの材料は、単なる例示に過ぎない。概して、ハイブリッド層は、ZrOC:H又はTiOC:Hなどの任意の所望の材料から形成することができる。コーティングはまた、下にあるポリマーと同じ又は下にあるポリマーよりわずかに高い屈折率を有することができるので、反射防止層であってもよい。コーティングの屈折率は、必要に応じて、段階的であってもよい。
【0031】
赤外線反射コーティング24などの1つ以上の赤外線反射コーティングがどこに形成されているかにかかわらず、赤外線反射コーティングは、赤外光を反射する複数の層を含むことができる。赤外線反射コーティングの例示的な積層体を図3に示す。
【0032】
図3に示すように、赤外線反射コーティング24などの赤外線反射コーティングは、2つの光共振器、すなわち共振器29及び共振器31を含むことができる。共振器29は、ハーフミラー26と、誘電体層28と、ハーフミラー30とを含んでもよい。ハーフミラー26は、図2の内層20又は外層22などの窓16内の層上に形成されていてもよい。いくつかの実施例では、ハーフミラー26は、窓層上に直接形成されていてもよい。ハーフミラー26は、ハーフミラーに入射する光を反射するために、銀層などの金属層を含むことができる。
【0033】
誘電体層28は、ハーフミラー26上に形成することができる。誘電体層28は、ポリマー材料又は酸化物材料などの任意の所望の誘電材料を含むことができる。誘電体層28は、ハーフミラー26をハーフミラー30から分離することができる。ハーフミラー30は、ハーフミラーに入射する光を反射するために、銀層などの金属層であってもよい赤外線反射層を含んでもよく、所望であれば、ハーフミラー26と同じ構造を有してもよい。
【0034】
共振器29は、ハーフミラー30上にゲッタ層32を含んでもよい。ゲッタ層32は、損失性誘電材料を含むことができる。例えば、ゲッタ層32は、アモルファスSi、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素(SiNx、x<1.33))、若しくはアモルファスゲルマニウムなどのアモルファス材料を含んでもよく、インクを含んでもよく、かつ/又は金属ナノ粒子を含んでもよい。ナノ粒子は、銀又はアルミニウムナノ粒子などの金属ナノ粒子であってもよい。
【0035】
ゲッタ層32は、2nm以下、5nm以下、1nm~2nmの厚さ、又は任意の他の所望の厚さを有してもよい。概して、ゲッタ層32は、共振器31が共振器29の上に堆積されるとき、ハーフミラー30及び26内の赤外線反射層(例えば、銀層)を保護することができる。ゲッタは、酸化物ベースのラジカルと優先的に反応して、プラズマ中の更なる反応種が下にある銀膜の表面に到達するのを防ぐことができる。
【0036】
共振器31は、ハーフミラー34と、誘電体層36と、ハーフミラー38とを含むことができ、これらは、必要に応じて、ハーフミラー26、誘電体層28、及びハーフミラー30それぞれと同様又は同じであってもよい。
【0037】
2つのハーフミラー及び介在する誘電体層を有する2つの共振器を有すること(赤外線反射コーティングを有する一般的な窓の場合であり得るように)とは対照的に、共振器29内にゲッタ層32を含むことにより、ハーフミラーが窓16上に堆積されている間にハーフミラーを保護することができ、また、光が赤外線反射コーティング24を通過するときに、光、特に窓16への高入射角の光の色ずれを低減することができる。窓16を通る例示的な透過スペクトルの一例を図4に示す。
【0038】
図4に示すように、窓16などの窓は、0°で窓16に入る光に対応する透過スペクトル40を有することができる。換言すれば、軸上(窓16の外面に垂直な軸に平行)で窓16に入る光は、透過スペクトル40に従って透過することができる。
【0039】
ゲッタ層32を有さない一般的な窓(例えば、ゲッタ層を有さず、ハーフミラー及び介在する誘電体層のみを有する共振器を有する窓)では、高入射角で窓に入る光に対して高い色ずれが存在し得る。例えば、透過スペクトル42は、60°でゲッタ層を有さない一般的な窓に入る光に対応する。高角度で一般的な窓に入る光は、色ずれし(例えば、より高い波長のより多くの光が窓に入る)、低可視波長(青色又は緑色の波長など)での反射をもたらす。
【0040】
対照的に、図3の窓16などのゲッタ層32を有する窓は、高入射角で窓16に入る光に対してより小さい色ずれを示すことができる。例えば、透過スペクトル44は、60°で(ゲッタ層32を有する)窓16に入る光に対応する。図示のように、高角度で窓16に入る光は、一般的な窓に入る光よりも色ずれが少ない(すなわち、透過スペクトル44は、透過スペクトル42よりもシフトが少ない)。換言すれば、ゲッタ層32を含む赤外線反射コーティング24を有する窓16は、ゲッタ層を有さない赤外線反射コーティングを有する一般的な窓よりも、高入射角においてより無彩色の透過率を有する。このようにして、共振器29にゲッタ層32を含むことにより、高角度で窓16に入射する光の色ずれを低減することができ、共振器内のハーフミラー層を、それらが窓16上に堆積されるときに保護することができる。
【0041】
概して、介在するゲッタ層を有する複数の積層された共振器を備えた赤外線反射コーティングを有する窓は、任意の所望の方法で形成することができる。赤外線反射コーティング積層体の一実施例を図5に示す。
【0042】
図5に示すように、赤外線反射コーティング24などの赤外線反射コーティングは、基材46上に形成することができる。基材46は、図2の層20又は層22などの内側又は外側窓層であってもよい。基材46は、ソーダ石灰ガラスなどのガラスから形成されていてもよく、セラミックから形成されていてもよく、サファイアから形成されていてもよく、ポリカーボネート、アクリル、若しくは他の所望のポリマーなどのポリマーから形成されていてもよく、又は任意の他の所望の材料から形成されていてもよい。基材46は、単層ガラス構造体及び/又は多層ガラス構造体から形成されていてもよい。基材46は、必要に応じて(例えば、アニーリング、焼き戻し、及び/又は化学強化によって)強化されていてもよい。概して、基材46は、単層(単層ガラス構造体(例えば、強化ガラスの単層)など)であってもよく、又は複数の層(積層ガラス層など)を有してもよい。基材46が積層ガラス層である実施形態では、基材46は、1つ以上のポリマー層を使用して一緒に積層された複数のガラス層を含んでもよい。ポリマー層は、ポリビニルブチラール又はガラス層を取り付けるための他の好適なポリマーの層であってもよい。
【0043】
バリア層48は、基材48上に形成されていてもよい。バリア層48は、アモルファス層であってもよく、基材46及びバリア層48の上の層を、それらが堆積される間に保護するために高密度であってもよい。概して、バリア層48は、基材46に入射する光の反射を低減するために、基材46の屈折率に近い屈折率を有することができる。例えば、バリア層48は、1.2~1.7、1.2~1.5、1.5~1.7、1.7~2、又は任意の他の所望の値の屈折率を有してもよい。このようにして、バリア層48は、基材46上に反射防止コーティングを形成することができる。
【0044】
いくつかの実施例では、バリア層48は、酸化亜鉛であってもよい。例えば、ZnSnOx、SnOxを使用して、バリア層48を形成することができる。あるいは、バリア層48は、TiO、酸化ビスマス、又は任意の他の所望の材料を含んでもよい。
【0045】
基材46がポリカーボネートなどのポリマーから形成されている場合、基材46とバリア層48との間に追加のコーティング層を含むことが望ましい場合がある。例えば、バリア層48を適用する前に、基材46上にコーティング層を(例えば、化学蒸着(CVD)によって)適用してもよい。コーティング層は、積層体の残りが堆積されるときに基材46のポリマー上の応力を低減することができ、任意の所望の材料から形成することができる。いくつかの実施例では、コーティング層は、SiOCH、任意のSiOxCy:H材料(HMDSOなど)、ZrOC:H、TiOC:H、又は他の所望のハイブリッド材料などのハイブリッドコーティング層であってもよい。コーティングはまた、下にあるポリマーと同じ又は下にあるポリマーよりわずかに高い屈折率を有することができるので、反射防止層であってもよい。コーティングの屈折率は、必要に応じて、段階的であってもよい。
【0046】
シード層50は、バリア層48上に形成することができる。シード層50は、AlドープされたZnOxなどのドープされた酸化亜鉛層であってもよく、又は高度にテクスチャ化されたAgの成長を促進する任意の他の所望の層であってもよい。いくつかの実施例では、シード層50は、結晶層であってもよい。しかしながら、シード層50を形成するために任意の所望の材料を使用することができる。概して、シード層50は、高品質の(550nmで実部(n)<0.1、好ましくは実部(n)が0.07未満の)赤外線反射層52の堆積を容易にすることができる。
【0047】
赤外線反射層52は、シード層50上に形成することができる。赤外線反射層52は、銀であってもよく、又は別の所望の赤外線反射材料であってもよい。いくつかの実施例では、赤外線反射層52は、多結晶銀層であってもよい。赤外線反射層52は、30nm未満、8nm超、15~30nmの間、又は他の所望の厚さなど、任意の所望の厚さを有することができる。例示的な一実施形態では、赤外線反射層52は、赤外線反射層52を形成する多結晶銀の粒径に等しい厚さを有することができる。例えば、粒径は、15~30nmであってもよく、赤外線反射層52の厚さは、15~30nmであってもよい。換言すれば、赤外線反射層52は、1粒子の厚さの多結晶銀層であってもよい。
【0048】
所望であれば、赤外線反射層52をパターン化してもよい。例えば、銀などの赤外線反射層52内の材料は、電波などの波の透過を妨げる可能性がある。電波が窓16を通過することが望ましい場合(例えば、システム10がビークル、建物、又は電子デバイスである場合)、赤外線反射層52は、開口部を有するようにパターン化されていてもよい。その結果、電波などの波は、妨げられることなく開口部を通過することができ、一方、赤外線反射層52の残りの部分は、赤外光が窓16を通過するのを阻止する。
【0049】
ゲッタ層54は、赤外線反射層52上に形成することができる。ゲッタ層54は、損失性誘電材料を含むことができる。例えば、ゲッタ層54は、アモルファスシリコン若しくはアモルファスゲルマニウムなどのアモルファス材料を含んでもよく、インクを含んでもよく、かつ/又はナノ粒子を含んでもよい。ナノ粒子は、銀ナノ粒子などの金属ナノ粒子であってもよい。代替的又は追加的に、ゲッタ層54は、Zn、Al、AlZn、又はAlリッチAlN層を含んでもよい。
【0050】
ゲッタ層54は、2nm以下、5nm以下、1nm~2nmの厚さ、又は任意の他の所望の厚さを有してもよい。ゲッタ層54の厚さ及び材料にかかわらず、ゲッタ層は、赤外線反射層52(例えば、銀層)を、他の層が赤外線反射層52の上に堆積される際の酸化から保護することができる。例えば、赤外線反射層52の上の層の堆積中に酸素ガスが使用されることがあり、これにより、そうでなければ赤外線反射層52内の銀(又は他の材料)を酸化することになる。このようにして、ゲッタ層54は、酸素ガスが赤外線反射層52に到達して、赤外線反射層52を形成する材料を酸化することを防止するのを助けることができる。
【0051】
シード層50は、ゲッタ層54の上に形成されていてもよく、酸化亜鉛から形成されていてもよい。必要に応じて、シード層50は、下にあるシード層50と同じ材料であってもよいが、これは必須ではない。シード層50は、AlドープされたZnOxなどのドープされた酸化亜鉛層であってもよく、又は任意の他の所望の層であってもよい。いくつかの実施例では、シード層50は、結晶層であってもよい。しかしながら、シード層50を形成するために任意の所望の材料を使用することができる。
【0052】
バリア層48は、シード層50上に形成することができる。必要に応じて、バリア層48は、下にあるバリア層48と同じ材料であってもよいが、これは必須ではない。下にあるバリア層48と同様に、シード層50上のバリア層48は、アモルファス層であってもよく、それらが堆積される間に既に堆積された下にある層、及び上にある層を保護するために高密度であってもよい。バリア層48は、1.2~1.7、1.2~1.5、1.5~1.7、1.7~2.1(550nmで)、又は任意の他の所望の値の屈折率を有してもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、バリア層48は、酸化亜鉛であってもよい。例えば、ZnSnOxを使用して、バリア層48を形成することができる。あるいは、バリア層48は、TiO、ビスマス、又は任意の他の所望の材料を含んでもよい。
【0054】
別のシード層50が、バリア層48上に形成されていてもよく、酸化亜鉛から形成されていてもよい。必要に応じて、シード層50は、下にあるシード層50と同じ材料であってもよいが、これは必須ではない。シード層50は、AlZnOxなどのドープされた酸化亜鉛層であってもよく、又は任意の他の所望の層であってもよい。いくつかの実施例では、シード層50は、結晶層であってもよい。しかしながら、シード層50を形成するために任意の所望の材料を使用することができる。概して、シード層50は、上にある赤外線反射層52の堆積を容易にする材料から形成することができる。
【0055】
赤外線反射層52は、シード層50上に形成することができる。必要に応じて、赤外線反射層52は、下にある赤外線反射層52と同じ材料であってもよいが、これは必須ではない。赤外線反射層52は、銀であってもよく、又は別の所望の赤外線反射材料であってもよい。いくつかの実施例では、赤外線反射層52は、多結晶銀層であってもよい。赤外線反射層52は、30nm未満、10nm超、15~30nmの間、又は任意の他の所望の厚さなど、任意の所望の厚さを有することができる。例示的な一実施形態では、赤外線反射層52は、赤外線反射層52を形成する多結晶銀の粒径に等しい厚さを有することができる。換言すれば、赤外線反射層52は、1粒子の厚さの多結晶銀層であってもよい。
【0056】
所望であれば、赤外線反射層52をパターン化してもよい。例えば、銀などの赤外線反射層52内の材料は、電波などの波の透過を妨げる可能性がある。電波が窓16を通過することが望ましい場合(例えば、システム10がビークル、建物、又は電子デバイスである場合)、赤外線反射層52は、開口部を有するようにパターン化されていてもよい。その結果、電波などの波は、妨げられることなく開口部を通過することができ、一方、赤外線反射層52の残りの部分は、赤外光が窓16を通過するのを阻止する。いくつかの実施例では、各赤外線反射層52は、波が妨げられずに重なり合う開口部を通過することを可能にする整合パターンを有することができる。
【0057】
この層の積層体は、十分な赤外線反射率を確保するために、任意の所望の回数繰り返されてもよい。例えば、赤外線反射コーティングは、少なくとも3つの赤外線反射層、少なくとも4つの赤外線反射層、又は任意の他の所望の数の赤外線反射層を含んでもよい。
【0058】
保護層56は、赤外線反射コーティング積層体の上部に形成されていてもよい。保護層56は、ポリマー材料、誘電材料、又は酸化物材料などの任意の所望の材料から形成することができる。いくつかの実施例では、保護層56は、ZrSiOx、AlSiOx、又はSiO2層を含むことができる。
【0059】
赤外線反射コーティング24などの赤外線反射コーティングは、窓16などの任意の所望の窓上に形成することができる。いくつかの実施例では、赤外線反射コーティングは、湾曲した窓上に形成することができる。この構成の一実施例を図6に示す。
【0060】
図6に示すように、窓16は、湾曲層58を含むことができる。湾曲層58は、図2の層20又は層22などの内側又は外側窓層であってもよい。湾曲層58は、ガラス、セラミック、サファイア、又は任意の他の所望の材料から形成することができる。湾曲層58は、単層ガラス構造体及び/又は多層ガラス構造体から形成されていてもよい。湾曲層58は、必要に応じて、(例えば、アニーリング、焼き戻し、及び/又は化学強化によって)強化されていてもよい。概して、湾曲層58は、単層ガラス構造体(例えば、強化ガラスの単層)又は積層ガラス層であってもよい。湾曲層58が積層ガラス層である実施形態では、湾曲層58は、1つ以上のポリマー層を使用して一緒に積層された複数のガラス層を含んでもよい。ポリマー層は、ポリビニルブチラール又はガラス層を取り付けるための他の好適なポリマーの層であってもよい。
【0061】
窓16の側面図は、一方向に湾曲した湾曲層58のみを示しているが、これは単なる例示である。所望であれば、湾曲層58は、2つの異なる方向又は3つの異なる方向に湾曲していてもよい。換言すれば、湾曲層58は、所望であれば、複合曲率を示してもよい。
【0062】
赤外線反射コーティング60は、湾曲層58上に形成されていてもよい。赤外線反射コーティング60は、図3の赤外線反射コーティング24及び/又は図5の例示的な赤外線反射コーティング積層体と同じ組成を有することができる。赤外線反射コーティング60の組成にかかわらず、赤外線反射コーティング60は、湾曲層58の曲率に一致する曲率を有することができる。このようにして、湾曲した窓上に赤外線反射コーティングを形成することができる。
【0063】
一実施形態によれば、窓層と、窓層に重なり合う赤外線反射層と、赤外線反射層上のゲッタ層と、ゲッタ層上のバリア層と、バリア層上のシード層とを含む、内部領域を外部領域から分離するように構成された窓が提供される。
【0064】
別の実施形態によれば、窓層は、ガラス層であり、赤外線反射層は、銀を含み、ゲッタ層は、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素を含み、シード層は、ドープされた酸化亜鉛を含み、窓は、ガラス層と赤外線反射層との間に介在する追加のバリア層と、追加のバリア層と赤外線反射層との間に介在する追加のシード層と、シード層上の追加の赤外線反射層と、追加の赤外線反射層に重なり合う保護層とを更に含む。
【0065】
別の実施形態によれば、ゲッタ層は、1~2nmの厚さを有し、ゲッタ層は、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素中に金属ナノ粒子を含む。
【0066】
別の実施形態によれば、金属ナノ粒子は、銀ナノ粒子を含む。
【0067】
別の実施形態によれば、赤外線反射層中の銀は、15~30nmの粒径を有する多結晶銀であり、ドープされた酸化亜鉛は、アルミニウムでドープされている。
【0068】
別の実施形態によれば、赤外線反射層は、多結晶銀の粒径に等しい厚さを有する。
【0069】
別の実施形態によれば、バリア層及び追加のバリア層は、ZnSnOx層である。
【0070】
別の実施形態によれば、赤外線反射層は、銀を含み、ゲッタ層は、アモルファス材料を含む。
【0071】
別の実施形態によれば、アモルファス材料は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素、及びアモルファスゲルマニウムからなる材料の群から選択される。
【0072】
別の実施形態によれば、赤外線反射層は、銀を含み、ゲッタ層は、インクを含む。
【0073】
別の実施形態によれば、赤外線反射層は、銀を含み、ゲッタ層は、誘電体層中に金属ナノ粒子を含む。
【0074】
別の実施形態によれば、金属ナノ粒子は、銀ナノ粒子を含む。
【0075】
別の実施形態によれば、窓は、第1の曲率を有する湾曲したガラス層であり、赤外線反射層は、第1の曲率に一致する第2の曲率を有する。
【0076】
別の実施形態によれば、窓は、窓層と赤外線反射層との間に介在するハイブリッドコーティング層を含む。
【0077】
一実施形態によれば、ガラス層と、ガラス層上の第1の共振器と、第1の共振器に重なり合う第2の共振器と、第1の共振器と第2の共振器との間に介在するゲッタ層とを含む窓が提供される。
【0078】
別の実施形態によれば、ゲッタ層は、アモルファス材料を含み、第1の共振器及び第2の共振器はそれぞれ、誘電体層によって分離された2つのハーフミラーを含む。
【0079】
別の実施形態によれば、第1及び第2の共振器内の2つのハーフミラーはそれぞれ、銀層を含む。
【0080】
別の実施形態によれば、ゲッタ層は、1~2nmの厚さを有し、アモルファス材料は、アモルファスシリコンリッチ窒化ケイ素、アモルファスシリコン、及びアモルファスゲルマニウムからなる群から選択される。
【0081】
別の実施形態によれば、ゲッタ層は、誘電体層中に金属ナノ粒子を含む。
【0082】
別の実施形態によれば、ゲッタ層は、インク層を含む。
【0083】
一実施形態によれば、ガラス層と、ガラス層上の第1のバリア層であって、酸化亜鉛を含む第1のバリア層と、第1のバリア層上の第1のシード層であって、ドープされた酸化亜鉛を含む第1のシード層と、第1のシード層上の第1の銀層と、第1の銀層上のゲッタ層であって、アモルファス材料を含むゲッタ層と、ゲッタ層上の第2のシード層であって、ドープされた酸化亜鉛を含む第2のシード層と、第2のシード層上の第2のバリア層であって、酸化亜鉛を含む第2のバリア層と、第2のバリア層上の第3のシード層であって、ドープされた酸化亜鉛を含む第3のシード層と、第3のシード層上の第2の銀層とを含む窓が提供される。
【0084】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】