IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サステイナブルエネルギー開発株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社アイティー技研の特許一覧

特開2023-184471廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法
<>
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図1
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図2
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図3
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図4
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図5
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図6
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図7
  • 特開-廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184471
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/45 20220101AFI20231221BHJP
   B09B 3/65 20220101ALI20231221BHJP
   B09B 3/60 20220101ALI20231221BHJP
   C02F 11/04 20060101ALI20231221BHJP
   B09B 101/70 20220101ALN20231221BHJP
   B09B 101/85 20220101ALN20231221BHJP
   B09B 101/65 20220101ALN20231221BHJP
   B09B 101/75 20220101ALN20231221BHJP
【FI】
B09B3/45 ZAB
B09B3/65
B09B3/60
C02F11/04 A
B09B101:70
B09B101:85
B09B101:65
B09B101:75
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096060
(22)【出願日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2022097971
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023091915
(32)【優先日】2023-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518441966
【氏名又は名称】サステイナブルエネルギー開発株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518297260
【氏名又は名称】株式会社アイティー技研
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】光山 昌浩
【テーマコード(参考)】
4D004
4D059
【Fターム(参考)】
4D004AA04
4D004AA07
4D004AA12
4D004AA48
4D004AB10
4D004BA03
4D004CA13
4D004CA17
4D004CA18
4D004CA39
4D004CB04
4D004CB05
4D004CC01
4D004CC03
4D004CC20
4D004DA03
4D004DA10
4D059AA07
4D059BA12
4D059BA21
4D059BC01
4D059BK11
4D059CA01
4D059EB09
(57)【要約】
【課題】有機性廃棄物からバイオガスを高効率で生成するとともに、廃液を適切に処理可能な廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、廃棄物処理システムが提供される。この廃棄物処理システムは、有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得るメタン発酵装置と、メタン発酵装置から排出される廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する除去装置とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理システムであって、
有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、
前記処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得るメタン発酵装置と、
前記メタン発酵装置から排出される廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する除去装置とを備える、廃棄物処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物処理システムにおいて、
前記除去装置は、藻類を用いて、前記マイクロプラスチックを除去する培養槽である、廃棄物処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の廃棄物処理システムにおいて、
さらに、前記培養槽から排出される廃液を処理する廃液処理装置を備える、廃棄物処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の廃棄物処理システムにおいて、
さらに、前記メタン発酵装置に供給する水素を生成する水素生成装置を備える、廃棄物処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の廃棄物処理システムにおいて、
前記水素生成装置は、水の電気分解により前記水素を生成する水電解装置である、廃棄物処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の廃棄物処理システムにおいて、
さらに、前記水素生成装置の稼働に必要な電力を生成する第1の発電装置を備える、廃棄物処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の廃棄物処理システムにおいて、
さらに、前記第1の発電装置の発電に必要な燃料を製造する燃料製造装置を備える、廃棄物処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の廃棄物処理システムにおいて、
さらに、前記メタン発酵装置から排出される前記バイオガスを用いて電力を生成する第2の発電装置を備える、廃棄物処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の廃棄物処理システムにおいて、
前記バイオガスに含まれる前記メタンの濃度は、95体積%以上である、廃棄物処理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の廃棄物処理システムにおいて、
前記第2の発電装置で生成された前記電力を用いて、少なくとも前記亜臨界水処理装置、前記メタン発酵装置又は前記除去装置を稼働させる、廃棄物処理システム。
【請求項11】
廃棄物処理方法であって、
有機性廃棄物を亜臨界水処理することにより、低分子化して処理物を得る工程と、
前記処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得る工程と、
前記メタン発酵後の廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する工程とを有する、廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日まで、人類が消費するエネルギーは、そのほとんどが化石燃料を燃焼させるという方法で賄ってきた。これらの方法では、いずれも二酸化炭素や燃焼物を環境中に放出する。
わが国は、国内の温室効果ガスの排出削減及び吸収量の確保により、令和12年度に温室効果ガスの排出量を平成25年度におけるそれと比較して26.0%減という削減目標を定めた。その後、COP21においてパリ協定が採択されたことを踏まえ、平成28年5月に地球温暖化対策計画が閣議決定されたところである。
【0003】
一方、環境省は、廃棄物処理法に基づく「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」を平成28年1月21日に変更した。この方針では、廃棄物エネルギー利用の観点での目標値を設定するとともに、エネルギー源としての廃棄物の有効利用、廃棄物エネルギーの地域における利活用等の取組を進めることとしている。
しかしながら、中小規模な一般廃棄物の処理施設では、ノウハウが蓄積されていないことや、コスト高となること等の観点から、廃棄物エネルギーの利活用が十分に行われていないのが現状である。
【0004】
さらに、「人口減少」及び「少子高齢化」の影響は、自治体の廃棄物行政にも大きな影響を投げかけている。すなわち、現在の人口動態に見合った規模の廃棄物の処理施設を将来にわたって維持することは非常に困難である。
また、財政逼迫は、多くの自治体で既に顕在化している。廃棄物の処理施設の必要な更新に関わる初期費用や将来にわたる維持管理費、さらには、解体や撤去に要するコストも非常に高額である。このようなことから、老朽化した処理施設を温存して、問題の先送りを行なっている自治体も少なくない。
【0005】
上記のような産業廃棄物の処理方法は、可燃性の廃棄物を焼却する方法であるが、この焼却に変えて、有機性廃棄物を低分子化及び減容化する亜臨界水処理、及び亜臨界水処理による処理物のメタン発酵を用いた方法が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1には、有機性廃棄物を低分子化する亜臨界水処理装置と、低分子化された有機性廃棄物からメタン生成菌によりバイオガスを生成するメタン発酵装置と、メタン発酵により生成されたバイオガスから二酸化炭素を取り除くガス精製装置と、メタン発酵により生成された消化液から有害物質を加圧浮上分離させる固液分離装置とを備える有機性廃棄物処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6755057号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者の検討によれば、有機性廃棄物処理システムでは、有機性廃棄物にプラスチックが含まれる場合、メタン発酵装置から排出される廃液には、マイクロプラスチックが含まれ、そのまま廃棄することが困難であることが判明した。
本発明では上記事情に鑑み、有機性廃棄物からバイオガスを高効率で生成するとともに、廃液を適切に処理可能な廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、廃棄物処理システムが提供される。この廃棄物処理システムは、有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得るメタン発酵装置と、メタン発酵装置から排出される廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する除去装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、有機性廃棄物からバイオガスを高効率で生成するとともに、廃液を適切に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の廃棄物処理システムの実施形態の全体構成を示す概念図である。
図2】廃棄物処理システムに有機性廃棄物を供給する工程を示す概略図である。
図3】廃棄物処理システムにおけるメタン発酵装置の構成を示す概念図である。
図4】廃棄物処理システムにおける廃液処理装置の構成を示す概念図である。
図5】廃液処理装置の本処理部の構成を示す概略図である。
図6】廃棄物処理システムにおける燃料製造装置の構成を示す概念図である。
図7】廃棄物処理システムにおける脱硫装置の構成を示す概念図である。
図8】廃棄物処理システムにおける燃料製造装置の他の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の廃棄物処理システムの実施形態の全体構成を示す概念図である。図2は、廃棄物処理システムに有機性廃棄物を供給する工程を示す概略図である。
図1に示す廃棄物処理システム1は、亜臨界水処理装置2と、メタン発酵装置3と、除去装置4と、廃液処理装置5と、水素生成装置6と、第1の発電装置7と、燃料製造装置8と、第2の発電装置9とを備えている。
【0012】
図2に示すように、有機性廃棄物は、パッカー車11、アームロール車12のような収集車を利用して、受入室等に搬入される。搬入された有機性廃棄物は、一旦、ヤードに仮置きされてもよく、必要に応じてローダー13や移動コンベア14を用いて、廃棄物処理システム1の亜臨界水処理装置2に投入される。
なお、図2中のMは、モーターを示し、装置内で有機性廃棄物を移動又は攪拌するために設けられている。
【0013】
<亜臨界水処理装置2>
亜臨界水処理装置2は、有機性廃棄物を亜臨界水処理することにより、メタン発酵前に有機性廃棄物を低分子化する。これにより、処理物が得られる。かかる処理物は、性状や形状が均一であり、メタン発酵原料として適している。
このようなメタン発酵原料により、極めて短時間で有機性廃棄物からバイオガスを良好に生成することが可能となる。ここで、有機性廃棄物の低分子化とは、具体的には、炭水化物、タンパク質、脂肪等をそれぞれ糖類、アミノ酸、高級脂肪酸等に分解することである。
【0014】
また、亜臨界水処理とは、水の臨界温度以下の高温であり、かつ飽和水蒸気圧以上の高圧である高温高圧(例えば、200℃、20気圧)下で、液体状の亜臨界水を有機物に接触させて低分子化する方法である。なお、本実施形態のように、処理物(低分子化された有機性廃棄物)をメタン発酵に使用する場合、内部処理温度を140℃以上160℃以下、内部処理圧力を0.45MPa以上0.5MPa以下に設定することが好ましい。これにより、メタン発酵によるメタンを含むバイオガスの発生量を十分に高めることができる。
亜臨界水処理における保持時間は、有機性廃棄物の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.1時間以上10時間以下であることが好ましく、0.5時間以上5時間以下であることがより好ましく、1時間以上3時間以下であることがさらに好ましい。ここで、「保持時間」とは、亜臨界水処理装置2で予め設定した温度及び圧力の条件に到達してから亜臨界水処理を継続する時間の長さを示す。
【0015】
この亜臨界水は、誘電率が15以上45以下であり、低極性溶媒の誘電率と同等であるため、多くの有機物を溶解することができる。
しかも、亜臨界水は、イオン積が1×10-12mol/kg以上1×10-11mol/kg以下であり、水素イオンと水酸化物イオンとに分離する割合が大きいため、強い加水分解作用を有する。
なお、室温、大気圧下の水の誘電率は約80であり、大気温度約25℃下におけるイオン積は1×10-14mol/kgである。
【0016】
また、亜臨界水処理は、上記のような強い加水分解作用によって、ポリプロピレンやポリエチレンのようなプラスチックも分解することができるため、紙類、ビニール、プラスチック、発泡スチロール、感染性医療廃棄物、化学繊維を含む衣類、パッケージされたままの廃棄食品等も低分子化することができる。
なお、これらの廃棄物は、通常、嫌気性細菌や好気性細菌では加水分解できない。
【0017】
処理物(低分子化された有機性廃棄物)は、その可溶化率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
ここで、可溶化率とは、メタン発酵に用いられる全有機物に対する可溶性有機物の比率であり、数値が高いほど有機物の低分子化が進んでいることを示している。
【0018】
また、廃棄物処理システム1における亜臨界水処理は、その性質上バッチ処理となるが、本実施形態では、数バッチ/日の割合で実施することができる。
さらに、亜臨界水処理装置2は、高温高圧の水蒸気を供給するために、図2に示すように、高圧ボイラー15を備えていてもよい。また、この高圧ボイラー15への給水は、水道水のみならず、消化液(培養における廃液)を再利用することも可能である。
【0019】
<メタン発酵装置3>
メタン発酵装置3は、亜臨界水処理装置2で得られた処理物をメタン発酵原料とし、メタン発酵させる。これにより、メタンを含むバイオガスと消化液(廃液)とを生成する。
図3は、廃棄物処理システムにおけるメタン発酵装置の構成を示す概念図である。
図3に示すメタン発酵装置3は、処理物貯槽31と、メタン発酵槽32と、消化液受槽33とを有している。亜臨界水処理装置2から供給された処理物は、処理物貯槽31において含水率を調整した後に、必要量がメタン発酵槽32に移送される。
【0020】
なお、図3中のMは、モーターを示し、メタン発酵槽32内で処理物を穏やかに攪拌するために設けられておいる。また、Pは、ポンプを示し、各槽から混合液を移送するために設けられている。
処理物貯槽31は、亜臨界水処理装置2において低分子化された有機性廃棄物である処理物と、水道水又は以前のメタン発酵で生成された消化液(廃液)とを、含水率が90質量%以上となるように混合して混合液を調製する。
また、この処理物貯槽31には、強力な攪拌手段が備えられており、メタン発酵槽32へ供給する混合液を十分に混合することができる。
【0021】
なお、処理物は、処理物貯槽31に投入される際には、通常、含水率が20質量%以上30質量%以下である。本実施形態においては、水道水や以前のメタン発酵で生成された消化液を添加することにより、この含水率を90質量%以上に調整する。
一般的なメタン発酵には、固形分濃度6質量%以上10質量%以下(含水率90質量%以上94質量%以下)の処理物を対象とした湿式発酵と、固形分濃度25質量%以上45質量%以下(含水率55質量%以上75質量%以下)の処理物を対象とした乾式発酵がある。
実施形態では、装置のメンテナンスコストが低く、以前のメタン発酵で生成された消化液を再利用することが可能な湿式発酵を用いている。
【0022】
以前のメタン発酵で生成された消化液は、後述する除去装置4や廃液処理装置5において処理され、再利用された消化液である。そのため、消化液には、メタン生成菌や有機性廃棄物の未消化物が含まれていてもよい。
また、処理物貯槽31において混合及び攪拌された処理物と消化液との混合液は、有機性廃棄物の亜臨界水処理や収集・保管等の間に生成された有機酸によって、pHが酸性に傾く傾向にある。
さらに、食品廃棄物に含まれる塩分の濃度が処理物貯槽31において水や消化液によって希釈されるため、メタン発酵槽32におけるメタン発酵に及ぼす影響を低減することができる。
【0023】
含水率が調整された処理物は、必要に応じて、連続的にメタン発酵槽32に供給され、20日程度かけてメタン生成菌によるメタン発酵を行う。
メタン発酵装置3のメタン発酵槽32は、嫌気性細菌であるメタン生成菌を用いるため、槽内を嫌気性環境とし、槽外から酸素が入り込まないような密閉性を有した構造であることが必須である。そのため、メタン発酵槽32は、密閉式円筒形かつ鋼板製であることが好ましい。
【0024】
メタン生産菌は、嫌気性細菌であるため、メタン発酵槽32においては、メタン発酵が均一に進むように、含水率が調整された処理物を穏やかに撹拌すればよく、激しく撹拌して混合液の嫌気的環境を乱さないようにすることが好ましい。
なお、含水率が調整された処理物をメタン発酵槽32に供給した直後は、メタン発酵槽32内に酸素が存在しているため、好気性細菌により酸素が消費されて、嫌気的環境になれば、メタン発酵が開始される。
【0025】
また、メタン発酵槽32は、メタン生成菌を増殖させ、有機物をメタン発酵させる温度を維持するために温度調節手段を備え、さらに、槽内の混合液を穏やかに攪拌するための攪拌手段を備えていることが好ましい。メタン生産菌は、嫌気性細菌であるため、メタン発酵槽32内の嫌気的環境を乱さないような穏やかな撹拌が好適である。
具体的なメタン発酵槽の攪拌手段としては、ドラフトチューブ内にスクリュー式ポンプを設けたもの、ガスリフトを利用したもの(無動力メタン発酵槽)、撹拌径の大きなもの等が挙げられる。
【0026】
メタン生成菌としては、例えば、メタノバクテリウム(Methanobacterium)属細菌、メタノブレビバクター(Methanobrevibacter)属細菌、メタノスファエラ(Methanosphaera)属細菌、メタノサームス(Methanothermus)属細菌、メタノコッカス(Methanococcus)属細菌、メタノラシニア(Methanolacinia)属細菌、メタノミクロビウム(Methanomicrobium)属細菌、メタノゲニウム(Methanogenium)属細菌、メタノスピリルム(Methanospirillum)属細菌、メタノキュレウス(Methanoculleus)属細菌、メタノプラナス(Methanoplanus)属細菌、メタノサルシナ(Methanosarcina)属細菌、メタノブズ(Methanolobus)属細菌、メタノコッコイデス(Methanococcoides)属細菌、メタノレギュラ(Methanoregula)属細菌、メタロニア(Methanolinea)属細菌、メタノハロビルス(Methanohalophilus)属細菌、メタノハロビウム(Methanohalobium)属細菌、メタノコルプスキュム(Methanocorpusculum)属細菌等が挙げられる。
【0027】
本発明において利用されるメタン生成菌は、高温環境(約55℃)で分解速度が高まる高温発酵用のメタン生成菌であっても、中温環境(約35℃)で分解速度が高まる中温発酵用のメタン生成菌であってもよい。
高温発酵用メタン生成菌は、菌の種類が少なく、発酵温度にまで高めるためのエネルギーが多く必要となるものの、メタン生成時間が短く、メタン生成量が多い。このため、本発明においては、高温発酵用メタン生成菌を用いることが好ましい。
【0028】
また、メタン発酵槽32には、pH測定手段又は酸化還元電位測定手段を設けることが好ましい。この場合、含水率が調整された処理物のメタン発酵中のpH又は酸化還元電位を測定し、適切な数値に制御することができる。
pHは7以上8以下の中性が好適である。pHが低すぎると、メタン生成菌の増殖速度が低下し、バイオガスの生成量が低下するおそれがある。そのため、pHが低すぎる場合には、酸性に傾いた混合液の供給量を減らすことにより、pHを7以上8以下に調整する。ただし、これでも中性にならない場合には、混合液中に重曹を添加してpHを制御する。一方、pHが高すぎる場合には、酸性に傾いた混合液の供給量を増やすことにより、pHを7以上8以下に調整する。
また、酸化還元電位は、-0.33V以下が好適である。酸化還元電位が高すぎると、嫌気性細菌であるメタン生成菌による発酵が進み難くなる傾向がある。
【0029】
上記のようなメタン発酵により、排水処理すべき消化液を再利用しつつ、消化率85%以上という高効率で、処理物(低分子化された有機性廃棄物)からバイオガスを生成することができる。
また、処理物貯槽31において、含水率が調整された処理物を予め調製することにより、メタン発酵槽32におけるメタン発酵の終了に連動して、消化液受槽33への消化液の排出と、処理物貯槽31からの混合液の供給とを自動化してもよい。これにより、メタン発酵槽32における連続的なメタン発酵を実施することができる。
【0030】
<除去装置4>
除去装置4は、メタン発酵装置3から排出される消化液(廃液)に含まれるマイクロプラスチックを除去する。
本明細書において、「マイクロプラスチック」とは、その最大長が0.1μm以上5000μm以下の粒子を意味する。ただし、消化液は、マイクロプラスチックのみならず、0.1μm未満や5000μm超のプラスチック粒子を含んでいてもよい。
具体的には、消化液に含まれるプラスチック粒子に占めるマイクロプラスチックの割合は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
【0031】
マイクロプラスチックの最大長の下限値は、好ましくは、0.1μm以上、0.5μm以上、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、10μm以上、50μm以上、100μm以上、500μm以上、1000μm以上、2500μm以上である。
一方、下限値は、2500μm以下、1000μm以下、500μm以下、100μm以下、50μm以下、10μm以下、9μm以下、8μm以下、7μm以下、6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下である。
なお、マイクロプラスチックは、一次マイクロプラスチック(マイクロサイズで製造されたプラスチック)及び二次マイクロプラスチック(大サイズのプラスチック粒子が、亜臨界水処理によりマイクロサイズにまで分解された粒子)との双方を含む。
【0032】
除去装置4は、マイクロプラスチックをフィルタで捕捉する装置であってもよいが、藻類(微細藻類)を用いてマイクロプラスチックを除去(少なくとも一部を分解)する培養槽であることが好ましい。
本明細書において、「マイクロプラスチックの除去能を有する藻類」とは、藻類を存在させた場合における消化液に含まれるマイクロプラスチックの量が、藻類を存在させない場合における消化液に含まれるマイクロプラスチックの量と比較し、好ましくは、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上低下させ得る藻類を意味する。
【0033】
ここで、このような性質を有する藻類としては、例えば、粘着性物質を分泌するストラメノパイルに属する珪藻・褐藻、アルベオラータに属する渦べん毛藻、リザリアに属するクロララクニオン藻、アーケプラスチダに属する緑藻・紅藻、接合藻、エクスカバータに属するユーグレナ藻、真正細菌に属する藍藻、マイクロプラスチックを捕捉する物理的構造(例えば、多孔質構造、凹凸構造)を有する藻類(例えば、珪藻)、マイクロプラスチックと逆電荷に帯電した藻類等を挙げることができる。
例えば、藻類は、形状もサイズも様々であるが、その中には、表面積の大きな多孔性藻類や、糸状の群体を形成する藻類が存在する。かかる藻類に起因する構造にも、マイクロプラスチックをからめとる機能がある。
【0034】
また、本明細書において、「粘着性物質を分泌する藻類」としては、例えば、ストラメノパイルに属する珪藻・褐藻、アルベオラータに属する渦べん毛藻、リザリアに属するクロララクニオン藻、アーケプラスチダに属する緑藻・紅藻、接合藻、エクスカバータに属するユーグレナ藻、真正細菌に属する藍藻等を挙げることができる。
ここで、藻類は、細胞外に様々な粘質性物質を放出することが知られている。粘着性物質は、典型的には多糖類であり、例えば、テングサのような紅藻、接合藻類であれば、アガロースやポルフィラン、コンブのような褐藻類であれば、アルギン酸やフコース含有多糖という物質である。
【0035】
ここで、藻類の大きさ(例えば、集合した藻類の場合、集合体の大きさ)は、特に限定されないが、除去対象のマイクロプラスチックのサイズが0.1μm以上5000μm以下であることを考慮すると、5000μm以上であることが好ましい。
なお、藻類の大きさは、消化液に含まれるマイクロプラスチックの主たる大きさに応じて選択してもよい。この場合、想定される藻類の大きさの下限値は、好ましくは、0.1μm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、50μm以上、100μm以上、500μm以上、1000μm以上、2500μm以上である。一方、上限値は、好ましくは、5000μm以下、2500μm以下、1000μm以下、500μm以下、250μm以下、100μm以下、50μm以下、25μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下、1μm以下である。
ここでの「大きさ」は、最大長(例えば、棒状の藻類である場合には、長手方向の長さ)である。また、培養槽内には様々な大きさの藻類が存在するが、ここでの「大きさ」は、ランダムに取得した100個の藻類の大きさの平均値である。
【0036】
藻類が分泌する粘着性物質の量は、藻類の細胞サイズに比べて、細胞外に分泌した粘着性物質の容積が0.25倍以上であることが好ましい。
なお、容積の測定方法は、次のようにして行うことができる。すなわち、まず、スライドガラス上に培養した藻類培養液10μLを載置する。次に、5倍に希釈した墨汁10μLを添加して、墨汁と藻類培養液とを十分に混合する。その後、混合液を覆うようにカバーガラスを載置して、顕微環境下で藻類の細胞容積と粘着性物質容積とを測定する。
【0037】
細胞容積の算出は、Kishimoto et al.の手法{Kishimoto N., Ichise S., Suzuki K., Yamamoto C.: Analysis of long-term variation in phytoplankton biovolume in the northern basin of Lake Biwa. Limnology 14: 117-128(2013)}に則り、各藻類を楕円柱、楕円形、直方体及びこれらの組み合わせで近似することにより行うことができる。一方、粘着性物質容積は、墨汁で染色されなかった部分を含む容積を算出し、細胞容積を除算することにより求めることができる。
なお、培養槽内には様々な大きさの藻類が存在するが、ここでの「量」は、ランダムに取得した100個の藻類の細胞の大きさの平均値である。
【0038】
マイクロプラスチック除去時の培養槽内における好適な藻類濃度は、マイクロプラスチックの量、マイクロプラスチックの大きさ、使用する藻類の種類等により変動し、予め実施するモデル実験により決定することができる。
藻類によるマイクロプラスチック(廃液)の好適な処理時間は、マイクロプラスチックの量、マイクロプラスチックの大きさ、使用する藻類の種類、低減目標とするマイクロプラスチックの量等により変動し、予め実施するモデル実験により決定することができる。
【0039】
藻類は、藻類組成物として使用することもできる。具体的には、藻類組成物は、同種又は異種の藻類の群れである。
ここで、藻類組成物は、例えば、藻類が生存可能な状態(例えば、液体培地内)にて容器等に収納されていることが好適である。また、フリーズドライしても生存可能な藻類については、藻類組成物は、乾燥形態で取り扱うこともできる。
なお、必要に応じて、藻類組成物は、藻類以外の成分を含有してもよい。
【0040】
<廃液処理装置5>
廃液処理装置5は、培養槽(除去装置4)から排出される消化液(廃液)を処理する。
図4は、廃棄物処理システムにおける廃液処理装置の構成を示す概念図である。
この廃液処理装置5は、は、前処理部51と、本処理部52とを有している。
前処理部51では、消化液を濾材に通過させる工程Aと、消化液のpHをアルカリ性に調整する工程Bと、消化液に対して加温下にエアレーションを行う工程Cと、消化液のpHを凝集剤に適した値に調整する工程Dと、消化液に凝集剤を添加する工程Eと、消化液の上澄み液を濾材に通過させる工程Fと、上澄み液を中和する工程Gとを実施するように構成されている。
【0041】
工程Aでは、消化液を濾布(濾材)に通過させる。これにより、比較的大きいサイズの固形物を除去する。
工程Bでは、消化液にアルカリ性物質を添加して、そのpHをアルカリ性に調整する。
アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、調整すべき消化液のpHは、9以上12以下であることが好ましく、10以上11以下であることがより好ましい。
【0042】
工程Cでは、消化液を加温しつつ、消化液にエアーを吹き込むエアレーションを行う。これにより、消化液からアンモニアを除去することができる。
消化液の温度は、50℃以上90℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがより好ましい。
また、エアレーションの時間は、5時間以上10時間以下であることが好ましく、6時間以上9時間以下であることがより好ましい。
【0043】
工程Dでは、次工程で使用する凝集剤に適した値に消化液のpHを調整する。
このとき、消化液のpHは、4以上6以下であることが好ましく、4.5以上5.5以下であることがより好ましい。
pHの調整に使用可能な酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸のような無機酸、ギ酸、酢酸のような有機酸のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
工程Eでは、消化液を室温に戻した後、凝集剤を添加する。このとき、消化液を撹拌することが好ましい。これにより、不要物を凝集させる。
凝集剤としては、例えば、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸第二鉄(Fe(SO)、硝酸第二鉄(Fe(NO)、シュウ酸第二鉄(Fe(C等のうちの1種を単独で使用してもよく、種以上を併用してもよい。
凝集剤の添加量は、消化液100質量部に対して、0.01質量部以上0.5質量部以下であることが好ましく、0.07質量部以上0.1質量部以下であることがより好ましい。
【0045】
工程Fでは、消化液の上澄み液を濾布(濾材)に通過させる。これにより、濾布に凝集物を回収する。
工程Gでは、上澄み液を中和する。
上澄み液の中和に使用可能なアルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】
中和された上澄み液は、本処理部52に供給される。
図5は、廃液処理装置の本処理部の構成を示す概略図である。
図5に示す本処理部52は、上側開口5211及び下側開口5212が形成された筒状の容器521と、容器521内に充填された濾材522、物理的吸着材523及び微生物含有浄化材524とを備えている。
【0047】
濾材522には、例えば、濾布、綿、網材、砂利等のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
物理的吸着材523としては、例えば、木炭、黒ボク土(特殊土壌)等を好適に使用することができる。
微生物含有浄化材524は、オリゴ糖含有資材を含むものである。かかる微生物含有浄化材524を通過させることにより、上澄み液のCOD濃度が所定値以下となるように浄化することができる。
【0048】
微生物含有浄化材524は、例えば、オリゴ糖含有資材製造工程と、炭素源混合工程と、混合物撹拌工程とを経て製造することができる。
1.1 オリゴ糖含有資材製造工程
オリゴ糖含有資材製造工程では、オリゴ糖含有農作物を細化してオリゴ糖含有資材を得る。
細化するオリゴ糖含有農作物は、オリゴ糖を1質量%以上含む農作物であれば特に限定されない。かかるオリゴ糖含有農作物の具体例としては、例えば、ゴボウ、ダイズ、もやし、アスパラガス等が挙げられる。
オリゴ糖含有農作物は、食品加工工場やレストラン等において、廃棄物として廃棄されるものを使用すると、入手コストを抑制することができ、かつ廃棄物の有効利用にも繋がる。
【0049】
本工程における細化の方法は、オリゴ糖含有農作物の種類によっても異なるため、特に限定されない。この細化は、包丁等を用いて人手により行ってもよいが、微生物含有浄化材を大量生産する場合には、機械的に行うことが好ましい。細化に使用可能な装置としては、例えば、ミキサー、破砕機、すりおろし装置等が挙げられる。
なお、入手したオリゴ糖含有農作物が既に細化されている場合(食品加工工場等から廃棄される農作物であって、既にある程度細化された状態となっている農作物の場合)には、微生物含有浄化材の製造工場において、細化を省略することができる。
【0050】
本工程において、オリゴ糖含有農作物をどの程度の大きさまで細化するかも、オリゴ糖含有農作物の種類によっても異なり、特に限定されない。ただし、オリゴ糖含有農作物の細化片が大きすぎると、その比表面積が小さくなり、期待されるCOD濃度低下能が得られ難くなるおそれがある。
このため、オリゴ糖含有農作物は、細化後の長辺の長さが50mm以下程度にまで細化されることが好ましい。オリゴ糖含有農作物の細化後の長辺の長さは、30mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。
なお、オリゴ糖含有農作物は、細化した後にさらに粉砕等して、さらに微細化してもよい。
【0051】
1.2 炭素源混合工程
炭素源混合工程では、得られたオリゴ糖含有資材と炭素源とを混合する。オリゴ糖含有資材と炭素源との混合物は、その混合の程度にバラツキが生じないように、混合後に撹拌することが好ましい。
オリゴ糖含有資材に炭素源を混合することにより、得られる混合物(微生物含有浄化材)のC/N比を20以上50以下の範囲に調整することができる。
C/N比が低い(6以上8以下程度)場合、窒素過多となって微生物の活性が他の条件によっては鈍化する場合があるが、炭素源の混合により、これを回避することができる。
炭素源としては、例えば、バーク堆肥、腐葉土等が挙げられる。
【0052】
オリゴ糖含有資材と炭素源との混合割合は、その混合物のC/N比が20以上50以下の範囲になるのであれば、特に限定されない。
具体的な混合割合は、炭素源100容積部に対して、5容積部以上20容積部以下程度のオリゴ糖含有資材とすることが好ましい。かかる混合割合でオリゴ糖含有資材と炭素源とを混合することにより、混合物のC/N比が20以上50以下の範囲に収まることが多い。
なお、混合物のC/N比は、30以上40以下の範囲に収まるように、オリゴ糖含有資材と炭素源とを混合することがより好ましい。
【0053】
1.3 混合物撹拌工程
混合物撹拌工程では、得られた混合物(オリゴ糖含有資材と炭素源との混合物)にカビが生えてきた場合に撹拌し、以降、カビが生えてこなくなるまで、この撹拌を繰り返す。
すなわち、オリゴ糖含有資材と炭素源との混合物は、外気に接触した状態で放置しておくと、数日でカビが生えてくるところ、このカビが目立つようになる度に、そのカビが概ね視認できなくなる状態となるまで混合物を撹拌する。
なお、乾燥している場合等、混合物にカビが生え難いような場合には、適量の水を添加して、その混合物を湿らせた状態にするとよい。
【0054】
最初の撹拌からしばらくすると、再びカビが生えてくるが、カビが再び目立つようになって場合、混合物を再び撹拌し、以降、カビが生えてこなくなるまで、これの撹拌を繰り返す。
混合物撹拌工程を行うことにより、微生物含有浄化材の処理能力を高めることができる。その理由は、オリゴ糖含有資材と炭素源との混合物を混合する際に、これに含まれる微生物相が変化し、その混合物に含まれる善玉菌が凝縮されて活性化された状態になるためであると推測される。
得られる微生物含有浄化材は、COD濃度低下能が非常に優れるのみならず、繰り返し使用しても、その効果を維持し続けることができる。
【0055】
中和された上澄み液は、上側開口5211を介して、容器521に供給されると、微生物含有浄化材524、物理的吸着材523及び濾材522を順次通過する。微生物含有浄化材524を通過する際に、上澄み液のCOD濃度を低下させ、物理的吸着材523を通過する際に、病原菌を殺菌及び除去することができる。
最後に、濾材522を通過した処理水は、下側開口5212を介して、排出される。排出された処理水は、下水放流基準を満たすため、そのまま下水に排出してもよく、再度、メタン発酵装置3、除去装置4、後述する水素生成装置6で使用してもよい。
【0056】
<水素生成装置6>
水素生成装置6は、メタン発酵装置3に供給する水素を生成する。
水素生成装置6には、種々の装置を使用することができるが、二酸化炭素の排出を伴わないことから、水の電気分解により水素を生成する水電解装置が好適に使用される。
また、水電解装置の具体例としては、例えば、アルカリ型水電解装置、固体高分子(PEM)型水電解装置、固体酸化物型水電解(SOEC)装置等が挙げられる。
【0057】
<第1の発電装置7>
第1の発電装置7は、水素生成装置6の稼働に必要な電力を生成する。本実施形態では、第1の発電装置7は、軽油を主燃料とする発電機を好適に使用することができる。
<燃料製造装置8>
燃料製造装置8は、第1の発電装置7の発電に必要な燃料(軽油と略同等の物性を有する合成燃料)を製造する。
図6は、廃棄物処理システムにおける燃料製造装置の構成を示す概念図である。
【0058】
図6に示す燃料製造装置8は、水槽811と、酸素の気泡(数100nm以下の酸素の超微細気泡)を発生する気泡発生装置812と、光触媒(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等)の存在下において、酸素の気泡を含む水Wに紫外線を照射する光触媒装置82とを有している。
水槽811には、逆浸透膜等を通過させた水Wが所定量収容されている。水槽811に収容されている水Wには、二酸化炭素が溶存している。
【0059】
なお、図6には示さないが、水槽811の外部に二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源を設け、この二酸化炭素供給源から水槽811に二酸化炭素を供給する構成(水槽811内を二酸化炭素で充満させる構成)としてもよい。
また、水Wは、逆浸透膜を通過させた水に限定されず、二酸化炭素が溶存している水であればよい。ただし、水Wは、逆浸透膜を通過させてイオン又は塩類等の不純物を除去されていることが好ましい。
【0060】
気泡発生装置812は、超微細孔式の気泡発生装置である。気泡発生装置812は、酸素ボンベ等の酸素供給源813に接続され、酸素供給源813から供給される酸素を使用して、水槽811内において酸素の気泡を発生させる。
気泡発生装置812は、酸素の気層(気泡)を噴出する酸素噴出部分と、水槽811内の水Wを噴出する水噴出部分とを備えている。気泡発生装置812においては、酸素噴出部分及び水噴出部分を水槽811内に配置している。
【0061】
酸素噴出部分には、ナノレベルの微細孔を有する特殊セラミックスフィルタが設けられ、微細孔から酸素の気層(気泡)が噴出される。また、水噴射部分においては、水槽811内の水Wが特殊セラミックスフィルタに噴射されることで、特殊セラミックスフィルタの表面に水Wの流れが形成される。
気泡発生装置812においては、特殊セラミックスフィルタの微細孔の境界に水槽811中の水Wの流れを形成することにより、酸素噴出部分(微細孔)より噴出された酸素の気層(気泡)が微細に切断される。
【0062】
図6に示すように、光触媒装置82は、光触媒を内部に備える反応管821と、酸素の気泡を含む水Wに紫外線を照射するUVランプ822とを有している。
UVランプ822は、反応管821の周辺に配置され、反応管821に向けて紫外線を照射する。反応管821は、紫外線が透過可能な管体であり、その内部に酸素の気泡を含む水Wが通過可能に構成されている。
【0063】
光触媒装置82においては、光触媒を充填した反応管821の内部に酸素の気泡を含む水Wが所定の流量で供給されるとともに、反応管821内を通過する水Wに対して紫外線が照射される。そして、光触媒装置82を通過した水Wを、循環ポンプPにより、再度、光触媒装置82に戻し、所定時間循環させる。
【0064】
まず、水槽811内の二酸化炭素を含む水W中に、気泡発生装置812により酸素の気泡を発生させる。これにより、発生させた酸素の気泡が、水槽811内の水W中に滞留する(肉眼では透明である)。
そして、発生させた酸素の気泡を含む水Wを光触媒装置82に供給することで、光触媒の存在下において、紫外線を酸素の気泡を含む水Wに照射する。
【0065】
これにより、以下の反応式(1)に示すように、気泡状態の酸素からオゾンを介してスーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル等の活性酸素が生成される。
3O → 2O → 活性酸素(O ・、OH・等) (1)
この活性酸素が水Wに溶存する二酸化炭素(炭酸ガス)を一酸化炭素に還元する。
2CO ⇒ 2CO + O (反応1)
一方で、光触媒により、水が分解されて、水素と酸素とが発生する。
2HO ⇒ 2H + O (反応2)
これらの反応1及び反応2から、以下の反応式(2)に示すように、一酸化炭素と水素とが発生した、化学反応を起こし易いラジカル状態の活性化水となる。
CO+HO → CO+H+O (2)
【0066】
燃料製造装置8は、さらに、別途調製した液状炭化水素E(元油又は種油)を供給する第1供給槽83と、液状炭化水素Eと活性酸素を含む水Wとを反応させるための反応槽841と、反応後の液状炭化水素E(新油)及び水Wを静置するための静置槽86とを有している。
別途調製した液状炭化水素Eと、活性酸素を含む水Wとは、反応槽841に供給される。これにより、液状炭化水素Eと活性酸素を含む水Wとの間でミセルが形成される。また、これと同時に、二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源85より反応槽841に二酸化炭素を供給することにより、反応槽841内を二酸化炭素で充満させる。
【0067】
これにより、形成されたミセルに二酸化炭素が取り込まれる。さらに同時に、二酸化炭素で充満させた反応槽841内において液状炭化水素Eと活性酸素を含む水Wとを反応槽841の撹拌機842により撹拌する。
なお、反応槽841内の温度(雰囲気温度)は、室温以上40℃以下程度であることが好ましく、30℃程度(例えば、25℃以上28℃以下)であることがより好ましい。この場合、生成される液状炭化水素E(新油)の量を十分に増大させることができる。また、反応槽841内の圧力は、大気圧雰囲気であることが好ましい。
【0068】
このとき、以下の反応式(3)に示すような反応が進行する。これにより、炭化水素が合成される。
(2n+1)H+nCO → C2n+2+nHO (3)
この反応式(3)は、以下の反応式(4)に書き換えることができる。
nCO+(n+1)H → C2n+2+nO (4)
すなわち、気泡状態の酸素から生成した活性酸素の存在下において、二酸化炭素を還元させることにより炭化水素を合成する。
【0069】
撹拌後(反応後)、液状炭化水素Eと水Wとの混合液Mを反応槽841から静置槽86に供給し、混合液Mを所定時間(例えば、24時間)静置する。これにより、液状炭化水素Eが、静置槽86内の混合液Mの上澄み液として、混合液Mの上層に生成される。
この混合液Mの上層に生成される液状炭化水素E(新油)の量は、別途調製した液状炭化水素E(元油)の量より10%以上15%以下で増加する。すなわち、新たな液状炭化水素E(新油)が生成する。
【0070】
また、混合液Mの上層に生成された液状炭化水素E(新油)を単離し、活性酸素を含む水Wと混合して、再度、反応槽841に供給する操作を繰り返し行うことも可能である。これにより、混合液Mの上層に生成される液状炭化水素E(新油)の量は、別途調製した液状炭化水素E(元油)の量より20%以上30%以下で増加する。すなわち、反応槽841における操作を複数回繰り返し行うことにより、新たに生成される液状炭化水素E(新油)の量がさらに増加する。
【0071】
このように、別途調製した液状炭化水素E(元油)と、酸素の気泡を含む水Wとを混合することにより、二酸化炭素を還元させることから、別途調製した液状炭化水素(元油)を含まない場合と比較して、二酸化炭素の還元が促進され、炭化水素をより多く合成することができる。
すなわち、酸素の気泡を含む水Wに紫外線を照射することにより生成した活性酸素の存在下において、別途調製した液状炭化水素Eをさらに追加することで、二酸化炭素の還元が促進され、炭化水素が効率良く合成される。
【0072】
<第2の発電装置9>
第2の発電装置9は、メタン発酵装置3から排出されるバイオガスを用いて電力を生成する。
本実施形態では、メタン発酵装置3で生成されるバイオガスに含まれるメタンの濃度は、好ましくは、95体積%以上であり、より好ましは、97体積%以上である。なお、バイオガスに含まれるメタンの濃度の上限値は、100体積%であってもよい。
第2の発電装置9では、このようにメタンの濃度の高いバイオガスを燃料として使用することができる。このため、第2の発電装置9は、都市ガスを燃料として使用可能な発電機で構成することができる、
【0073】
第2の発電装置9で生成された電力を用いて、少なくとも亜臨界水処理装置2、メタン発酵装置3又は除去装置4を稼働させるように構成することが好ましい。また、かかる電力は、水素生成装置6を稼働させるのに使用することもできる。
【0074】
次に、以上のような廃棄物処理システム1の使用方法(本発明の廃棄物処理方法)について説明する。
[1] まず、有機性廃棄物を亜臨界水処理装置2に投入する。
[2] 次に、必要に応じて、高圧ボイラー15で高温かつ高圧の水蒸気を発生させ、亜臨界水処理装置2内に供給する。
亜臨界水処理装置2では、有機性廃棄物が高温かつ高圧の水蒸気(気体状の亜臨界水)と接触し、その高い加水分解作用により低分子化されて、処理物が生成する。つまり、本工程では、有機性廃棄物が亜臨界水処理される。
【0075】
[3] 工程[1]及び[2]に並行して、燃料製造装置8では、二酸化炭素及び酸素を利用して、燃料(合成燃料)を製造する。
[4] 次に、第1の発電装置7では、製造された燃料を使用して、電力が生成される。
[5] 次に、水素生成装置6では、生成された電力を使用して、水の電気分解により水素を生成する。
[6] 次に、亜臨界水処理装置2から処理物と、水素生成装置6から水素とを、メタン発酵装置3に投入する。メタン発酵装置3では、処理物をメタン生成菌の作用により、メタンを含むバイオガスと消化液とを生成する。つまり、本工程では、処理物をメタン発酵させる。
【0076】
[7] 次に、消化液を除去装置4に供給する一方、バイオガスを第2の発電装置9に供給する。
[8] 除去装置4では、藻類の作用により消化液に含まれるマイクロプラスチックを分解及び捕捉する。つまり、本工程では、メタン発酵後の消化液に含まれるマイクロプラスチックを除去する。
[9] その後、マイクロプラスチックが除去された消化液は、廃液処理装置5に供給される。
廃液処理装置5では、消化液に廃液処理が施され、処理水は、例えば、下水に排水される。少量で回収される固形残渣は、廃棄物として処理される。
[10] 第2の発電装置9では、バイオガスを使用して、電力を生成する。生成された電力は、廃棄物処理システム1の所定の装置において使用することができる。
【0077】
なお、メタン発酵装置3と第2の発電装置9との間には、バイオガスに対して脱硫処理を施す脱硫装置を配置してもよい。第2の発電装置9へ供給する前のバイオガスから硫化成分を除去することにより、第2の発電装置9における発電の効率を向上させることができる。
図7は、廃棄物処理システムにおける脱硫装置の構成を示す概念図である。
図7に示す脱硫装置10は、クーラー101と、脱硫塔102と、ガスホルダー103とを有している。
クーラー101は、メタン発酵装置3で生成されたバイオガスを常温まで冷却する。脱硫塔102では、冷却されたバイオガスから硫化成分を除去する。ガスホルダー103は、脱硫されたバイオガスを一時的に貯留する。
【0078】
燃料製造装置8は、図8に示す構成とすることもできる。
図8は、廃棄物処理システムにおける燃料製造装置の他の構成を示す概念図である。
以下、図8に示す燃料製造装置8について説明するが、図6に示す燃料製造装置8との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8に示す燃料製造装置8では、水槽(CO混合装置)811に、逆浸透膜89を通過させた水(ラジカル水)Wが所定量収容されている。
本構成例では、水槽811に収容されている水Wに、ナノレベルの微細孔を有する特殊セラミックスフィルタを介して二酸化炭素が供給され、二酸化炭素の気泡が水W中に滞留している。
【0079】
水槽811と逆浸透膜89とを接続するラインの途中には、バルブが設けられており、水槽811に供給する水Wの量を調整することができる。
水槽811には、供給ラインL1及び返還ラインL2を介して、光触媒装置82が接続されている。また、供給ラインL1の途中には、ポンプが設けられている。
光触媒装置82は、図6に示す光触媒装置82と同様の構成とすることができる。本構成例では、光触媒装置82に酸素が供給されるようになっている。そして、酸素を含む水Wを水槽811と光触媒装置82とを循環させつつ、紫外線を照射すると、酸素がオゾンに変化するとともに、オゾンが光触媒と反応して、反応性の高い活性酸素が発生する。そして、上述した反応式(2)に従って、化学反応を起こし易いラジカル状態の活性化水が得られる。
【0080】
水槽811には、混合槽80が接続され、この混合槽80には、液状炭化水素E(元油又は種油)を供給する第1供給槽83が接続されている。
また、混合槽80には、液状炭化水素Eと活性酸素を含む水Wとを反応させるための反応槽841が接続されている。混合槽80と反応槽841とを接続するラインの途中には、ポンプが設けられている。
本構成例では、反応槽841への二酸化炭素の供給は、ダイレクトエアキャプチャー(DAC)により行うことが好ましい。DACによれば、大気中の二酸化炭素を回収して利用するため、大気中の二酸化炭素の削減にも寄与することができる。
【0081】
本構成例では、反応槽841の容量は、10L以上1000L以下であることが好ましく、50L以上700L以下であることがより好ましく、100L以上500L以下であることがさらに好ましい。
また、反応槽841は、複数台設けることが好ましい。上記容量の反応槽841の設置数は、2以上50以下であることが好ましく、5以上40以下であることがより好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましい。
【0082】
反応槽841は、静置槽(油水分離槽)86に接続されている。静置槽86では、液状炭化水素(新油:合成燃料)Eが、静置槽86内の混合液Mの上澄み液として、混合液Mの上層に生成される。静置槽86は、リザーブ槽87が接続されている。
リザーブ槽87は、第1供給槽83に接続されており、生成された液状炭化水素E(新油)の一部が、第1供給槽83に供給される。そして、この液状炭化水素Eが元油又は種油として利用される。
また、リザーブ槽87は、合成燃料貯留槽88とも接続されており、液状炭化水素E(新油)の残部が貯留される。合成燃料貯留槽88は、第1の発電装置7に接続されており、液状炭化水素E(新油)が合成燃料貯留槽88から第1の発電装置7に供給されて発電に利用される。
【0083】
図8に示す燃料製造装置8で合成された液状炭化水素(新油:合成燃料)Eの分析結果を、以下の表1に示す。なお、各項目の測定は、JISに規定する試験方法に従って実施した。
【表1】
【0084】
以上、本発明の廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、本発明の廃棄物処理システムは、上述した実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
また、本発明の廃棄物処理方法は、上述した実施形態の構成において、他の任意の工程を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の工程と置換されていてよい。
【0085】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0086】
(1)廃棄物処理システムであって、有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、前記処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得るメタン発酵装置と、前記メタン発酵装置から排出される廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する除去装置とを備える、廃棄物処理システム。
【0087】
(2)上記(1)に記載の廃棄物処理システムにおいて、前記除去装置は、藻類を用いて、前記マイクロプラスチックを除去する培養槽である、廃棄物処理システム。
【0088】
(3)上記(2)に記載の廃棄物処理システムにおいて、さらに、前記培養槽から排出される廃液を処理する廃液処理装置を備える、廃棄物処理システム。
【0089】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の廃棄物処理システムにおいて、さらに、前記メタン発酵装置に供給する水素を生成する水素生成装置を備える、廃棄物処理システム。
【0090】
(5)上記(4)に記載の廃棄物処理システムにおいて、前記水素生成装置は、水の電気分解により前記水素を生成する水電解装置である、廃棄物処理システム。
【0091】
(6)上記(4)又は(5)に記載の廃棄物処理システムにおいて、さらに、前記水素生成装置の稼働に必要な電力を生成する第1の発電装置を備える、廃棄物処理システム。
【0092】
(7)上記(6)に記載の廃棄物処理システムにおいて、さらに、前記第1の発電装置の発電に必要な燃料を製造する燃料製造装置を備える、廃棄物処理システム。
【0093】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の廃棄物処理システムにおいて、さらに、前記メタン発酵装置から排出される前記バイオガスを用いて電力を生成する第2の発電装置を備える、廃棄物処理システム。
【0094】
(9)上記(8)に記載の廃棄物処理システムにおいて、前記バイオガスに含まれる前記メタンの濃度は、95体積%以上である、廃棄物処理システム。
【0095】
(10)上記(8)又は(9)に記載の廃棄物処理システムにおいて、前記第2の発電装置で生成された前記電力を用いて、少なくとも前記亜臨界水処理装置、前記メタン発酵装置又は前記除去装置を稼働させる、廃棄物処理システム。
【0096】
(11)廃棄物処理方法であって、有機性廃棄物を亜臨界水処理することにより、低分子化して処理物を得る工程と、前記処理物をメタン発酵させることにより、メタンを含むバイオガスを得る工程と、前記メタン発酵後の廃液に含まれるマイクロプラスチックを除去する工程とを有する、廃棄物処理方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0097】
1 :廃棄物処理システム
2 :亜臨界水処理装置
3 :メタン発酵装置
31 :処理物貯槽
32 :メタン発酵槽
33 :消化液受槽
4 :除去装置
5 :廃液処理装置
51 :前処理部
52 :本処理部
521 :容器
522 :濾材
523 :物理的吸着材
524 :微生物含有浄化材
5211 :上側開口
5212 :下側開口
6 :水素生成装置
7 :第1の発電装置
8 :燃料製造装置
80 :混合槽
811 :水槽
812 :気泡発生装置
813 :酸素供給源
82 :光触媒装置
821 :反応管
822 :UVランプ
83 :第1供給槽
841 :反応槽
842 :撹拌機
85 :二酸化炭素供給源
86 :静置槽
87 :リザーブ槽
88 :合成燃料貯留槽
89 :逆浸透膜
9 :第2の発電装置
10 :脱硫装置
101 :クーラー
102 :脱硫塔
103 :ガスホルダー
11 :パッカー車
12 :アームロール車
13 :ローダー
14 :移動コンベア
15 :高圧ボイラー
E :液状炭化水素
P :循環ポンプ
W :水
M :混合液
L1 :供給ライン
L2 :返還ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8