(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184472
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 63/00 20060101AFI20231221BHJP
C08G 59/50 20060101ALI20231221BHJP
C08G 59/24 20060101ALI20231221BHJP
C08L 95/00 20060101ALI20231221BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20231221BHJP
E01C 5/20 20060101ALI20231221BHJP
C08K 5/56 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
C08L63/00 C
C08G59/50
C08G59/24
C08L95/00
C08K3/013
E01C5/20
C08K5/56
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097038
(22)【出願日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】202210686958.5
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523225254
【氏名又は名称】▲東▼南大学
【氏名又は名称原語表記】Southeast University
【住所又は居所原語表記】No.2,Southeast University Road,Jiangning District,Nanjing,Jiangsu 211189,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅 桑
(72)【発明者】
【氏名】胡 靖
【テーマコード(参考)】
2D051
4J002
4J036
【Fターム(参考)】
2D051AG14
4J002AC073
4J002AG001
4J002BD123
4J002BG043
4J002BG053
4J002CC033
4J002CD052
4J002DE006
4J002DJ006
4J002FD016
4J002FD023
4J002GL00
4J002GT00
4J002HA01
4J036AA02
4J036AA05
4J036AD01
4J036AD08
4J036CB05
4J036DA01
4J036DA05
4J036DC03
4J036DC06
4J036DC08
4J036DC12
4J036DC21
4J036FB01
4J036FB03
4J036FB05
4J036FB07
4J036FB08
4J036FB21
4J036GA10
4J036GA11
4J036HA12
4J036JA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂主剤60部と、変性剤0.4~1.6部と、活性硬化剤31~36.5部と、チタネート系カップリング剤0.5~1.5部と、可逆変形添加剤1.6~6.4部と、を含むエポキシ樹脂材料を提供する。
【効果】本発明のエポキシ樹脂材料は、アスファルトとの適合性が良く、アスファルト中で十分に架橋して網目状構造を形成することができ、合成されたエポキシアスファルトは、低温環境では極めて優れた柔軟性を示し、滞留時間が長く、経済性が市販の他の高性能エポキシ樹脂系材料よりはるかに優れている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A成分としてエポキシ樹脂主剤60質量部と、B成分として変性剤0.4~1.6質量部、活性硬化剤31~36.5質量部、チタネート系カップリング剤0.5~1.5質量部、及び可逆変形添加剤1.6~6.4質量部と、を含む、ことを特徴とする経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂主剤は、ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル樹脂から選択されるいずれか1種又は2種の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項3】
前記変性剤は、1,8-ジアミノ-p-メンタン、1-ピペラジンエチルアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項4】
前記活性硬化剤は、ヤシアルキルアミン、1-アミノ-9-オクタデセン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイルアミン、ラウロイルグルタミン酸から選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項5】
前記チタネート系カップリング剤は、トリイソステアロイルチタン酸イソプロピル、イソプロピルトリラウリルチタネート、チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシド、イソプロピルイソステアリルジアクリロイルチタネートから選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項6】
前記可逆変形添加剤は、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、液状アクリルゴム、液状フェノール樹脂から選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項7】
活性硬化剤、変性剤、チタネート系カップリング剤及び可逆変形添加剤を混合して、60℃に予熱し、撹拌して混合し、B成分を得るステップ(1)と、
ステップ(1)のB成分とA成分を混合して、60±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料を得るステップ(2)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料の製造方法。
【請求項8】
ステップ(1)では、B成分を製造するときに、撹拌温度は80±5℃であり、撹拌時間は3hである、ことを特徴とする請求項7に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料の製造方法。
【請求項9】
公路路面、コンクリート橋面、鋼橋面舗装用エポキシアスファルトの製造における請求項1に記載のエポキシ樹脂材料の使用。
【請求項10】
エポキシ樹脂材料のA成分とB成分を均一に混合するステップS1と、
ステップS1で混合して得たエポキシ樹脂材料100部をマトリックスアスファルト100部に加え、160±10℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得るステップS2と、
ステップS2で得たエポキシアスファルト4~6質量%を、骨材及び鉱石粉94~96質量%と混合し、170±10℃で1~2minミキシングし、エポキシアスファルト混合物を得るステップS3と、
ステップS3で得たエポキシアスファルト混合物を路面又は橋面に敷きならし、圧延成形し、5~50℃で36~96h養生するステップS4と、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料、及びその製造の技術分野に関し、具体的には、経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年来、中国の交通分野の発展は迅速で、中国国内の交通量の大幅な増加、公路等級の普遍的な向上はアスファルト舗装に対してより高い要求を求めてきた。また、橋梁は交通をつなぐハブ施設として、交通網で果たす機能がますますかけがえのないものとなっており、そのため、橋面の舗装に対する要求も厳しくなっている。現在、アスファルト路面舗装と鋼橋面舗装に使用されている材料には、主にキャスタブルアスファルト混合物、エポキシアスファルト混合物及び砕石マスチックアスファルト混合物などがある。それらのうち、エポキシアスファルト混合物は変形抵抗力、水安定性及び耐疲労性に優れているなどの特徴から、杭州湾跨海大橋、武漢天興洲長江大橋など、多くの大スパン鋼橋に応用されている。
【0003】
しかし、エポキシアスファルトには一般的に低温柔軟性に劣るという欠点があり、鋼橋面の変形に対する追従性が悪く、低温条件では大きな温度応力が発生し、疲労亀裂が発生する。強靭化剤はエポキシアスファルトの柔軟性を改善するためによく用いられるが、効果は十分ではない。このため、亀裂はエポキシアスファルトの橋面舗装に最もよく見られる故障となり、橋の正常な使用と走行の安全に影響を与える。現在、中国国内外の発明特許では、低温柔軟性を改善するエポキシ系の製造プロセスが提案されているが、いずれも原材料の種類が多く、製造プロセスが複雑であるという欠点があり、実際の施工には適用されていない。
【0004】
エポキシアスファルトを使用する際には、エポキシアスファルトと骨材とのミックスや舗装を容易にするために、滞留時間と呼ばれる一定の施工時間を確保する必要がある。現在、中国国内外の関連技術は、系に希釈剤を添加することによって滞留時間を延ばし、過剰な希釈剤を添加することは粘度を強制的に低下させ、滞留時間を増加させることができるが、硬化系の力学性能に影響し、この方法は、好ましい方法といえない。
【0005】
そのほか、石油アスファルトとエポキシ樹脂の物理的、化学的性質の差が大きいため、従来の大部分のエポキシ樹脂硬化剤を用いて合成したエポキシ樹脂系は、アスファルトとの適合性が悪く、エポキシアスファルト中で十分に架橋して網目構造を形成することができず、明らかな二相分離が発生し、剥離現象が生じて、路面や橋面の正常な使用に影響を与える。一方、輸入エポキシ樹脂及びそれとともに用いられる硬化剤は、その優れた柔軟性により、現在中国国内のアスファルト舗装や鋼橋面舗装に広く使用されているが、その価格が高いため、舗装材料のコストが大幅に増加し、エポキシアスファルト舗装の更なる普及が制限されてしまう。
【0006】
そのため、アスファルトとの適合性が良く、コストが低く、原材料と製造技術が簡単で、滞留時間が長く、低温柔軟性が高いエポキシアスファルト材料を製造できるエポキシ樹脂系をどのように開発するかは、交通インフラ分野で解決しなければならない課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の目的
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点に対して、コストが低く、製造プロセスが簡単で、アスファルトとの適合性がよく、滞留時間が長く、低温柔軟性が高いエポキシアスファルト材料を製造できるエポキシ樹脂材料を提供し、橋面舗装における亀裂故障の発生頻度を効果的に減少させ、橋面舗装工事への資金投入を大幅に低減し、経済効果を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0009】
経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料は、
A成分としてエポキシ樹脂主剤60質量部と、B成分として変性剤0.4~1.6質量部、活性硬化剤31~36.5質量部、チタネート系カップリング剤0.5~1.5質量部、可逆変形添加剤1.6~6.4質量部と、を含む。
【0010】
B成分における変性剤、活性硬化剤、チタネート系カップリング剤、及び可逆変形添加剤は相乗作用を有する。
【0011】
前記エポキシ樹脂主剤は、中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル樹脂から選択されるいずれか1種又は2種の混合物、好ましくは中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂である。
【0012】
具体的には、前記変性剤は、1,8-ジアミノ-p-メンタン、1-ピペラジンエチルアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物、好ましくは1-ピペラジンエチルアミンである。変性剤は、分子構造中にアミン環(シクロヘキシル基、ヘテロ酸素、窒素原子六員環)を含むアミン系化合物であり、低粘度液体であり、本発明の活性硬化剤を変性するために使用され、両者はエポキシ樹脂の硬化反応に共に関与し、エポキシアスファルトの粘度を低下させることができ、その低温性能を向上させることができる。
【0013】
具体的には、前記活性硬化剤は、ヤシアルキルアミン、1-アミノ-9-オクタデセン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイルアミン、ラウロイルグルタミン酸から選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物、好ましくは1-アミノ-9-オクタデセンである。
【0014】
具体的には、前記チタネート系カップリング剤は、トリイソステアロイルチタン酸イソプロピル、イソプロピルトリラウリルチタネート、チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシド、イソプロピルイソステアリルジアクリロイルチタネートから選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物、好ましくはトリイソステアロイルチタン酸イソプロピルである。チタネート系カップリング剤は、無機官能基として1つのアルコキシしかなく、他端の有機官能基YがC=C、NH2、OH、Hで構成されている。また、ハロゲン族元素と有機水酸基により本発明の活性硬化剤の界面を変性し、両者はともにエポキシ樹脂の硬化反応に関与し、これにより、アスファルトとエポキシアスファルトを製造する際の硬化後のエポキシ樹脂の粘度を低下させ、施工の滞留時間を延ばし、作業性を向上させ、生産コストを低減することができる。
【0015】
具体的には、前記可逆変形添加剤は、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、液状アクリルゴム、液状フェノール樹脂から選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物、好ましくはアクリロニトリル-ブタジエンゴムである。本発明では、活性硬化剤とエポキシ樹脂主剤との硬化反応後に生成したエポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂であるため、強度が高いが、柔軟性が低く、特に低温条件下では硬くて脆くなるという特徴が発現する。用いられる前記可逆変形添加剤は、エポキシ樹脂と親和性を有し、ゴム粒子分散相を形成し、エポキシ樹脂相と共重合して「海島」構造を形成し、系が衝撃を受けたときに分散相として存在するエラストマー粒子がクラックの発生を止め、せん断変形を誘発することで、常温及び低温条件でのエポキシ樹脂及びエポキシアスファルトの柔軟性を向上させる。
【0016】
さらに、本発明は、
活性硬化剤、変性剤、チタネート系カップリング剤及び可逆変形添加剤を混合して、60℃に予熱し、撹拌して混合し、B成分を得るステップ(1)と、
ステップ(1)のB成分とA成分を混合し、60±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料を得るステップ(2)と、を含む、上記の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料の製造方法をさらに提供する。
【0017】
好ましくは、ステップ(1)では、B成分を製造する際には、撹拌温度は80±5℃、撹拌時間は3hである。
【0018】
さらに、本発明は、公路路面、コンクリート橋面、鋼橋面舗装用エポキシアスファルトの製造における上記のエポキシ樹脂材料の使用をさらに保護する。
【0019】
具体的には、
エポキシ樹脂材料のA成分とB成分を均一に混合するステップS1と、
ステップS1で混合して得たエポキシ樹脂材料100部をマトリックスアスファルト100部に加え、160±10℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得るステップS2と、
ステップS2で得たエポキシアスファルト4~6質量%を、骨材及び鉱石粉94~96質量%と混合し、170±10℃で1~2minミキシングし、エポキシアスファルト混合物を得るステップS3と、
ステップS3で得たエポキシアスファルト混合物を路面又は橋面に敷き均し、圧延成形し、5~50℃で36~96h養生し、経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト路面又は橋面ステップS4と、を含む。
【発明の効果】
【0020】
有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明では、エポキシ樹脂材料は、
図1に示すように、アスファルト中で十分に架橋して、均一に分散させた3次元網目構造を形成し、良好な適合性を示す。エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤との架橋硬化反応により、エポキシ樹脂を連続相とし、マトリックスアスファルトを分散相とする安定した二相系が形成され、エポキシ樹脂の不可逆的な架橋網目がアスファルト分子の流動性が著しく制限され、これにより、アスファルトの熱可塑性が徹底的に変わり、エポキシアスファルトに熱硬化性エラストマーの特徴が付与される。また、エポキシ樹脂材料に相溶化・分散効果を有する活性硬化剤を添加することにより、エポキシアスファルトの長期相安定性が高くなり、鉱石材料とミックスして得られたエポキシアスファルト混合物のマーシャル安定性は50.82kNと高く、この混合物が強度及び安定性に優れていることが示された。
【0021】
(2)本発明では、エポキシ樹脂材料には可逆変形添加剤を含有することにより、製造されたエポキシアスファルトは、非常に強い引張性能を有し、特に低温環境では非常に優れた柔軟性と引張強度を示す。引張試験の結果、本発明のエポキシ系を用いて製造されたエポキシアスファルトは、一般的な中国産エポキシアスファルトや日本産の高性なエポキシアスファルトよりも-10℃での引張強度と破断伸びが優れていることが証明された。
【0022】
(3)本発明では、エポキシ樹脂材料にチタネート系カップリング剤を含有することにより、樹脂混合物の粘度が低下し、製造されたエポキシアスファルトの滞留時間が長くなり、エポキシアスファルトと骨材とのミックスや舗装が容易になり、施工の要求が満たされる。実施例1を例として、実施例1のエポキシアスファルトを用いて160℃及び180℃の条件で粘度試験を行い、粘度曲線を
図2に示す。該エポキシアスファルトは、150min以内の粘度が常に1000mPa・s未満であり、粘度が1000mPa・sに達するまでの時間が50分を超えるという仕様要件を満たしている。
【0023】
(4)本発明では、エポキシ樹脂材料は、中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂又はビスフェノールFグリシジルエーテル樹脂を用いることにより、日本産の高性能エポキシ樹脂とそれとともに用いられる硬化剤とからなるエポキシ樹脂系及び米国産エポキシアスファルトよりもはるかに低コストで製造することができる。本発明のエポキシ樹脂材料を用いてエポキシアスファルトを製造すると、製造プロセスが簡単であり、実際の施工が容易である。
【0024】
以下、図面及び特定実施形態を参照して本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明の上記及び/又は他の態様の利点はより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明のエポキシ樹脂材料を用いて製造されるエポキシアスファルトの硬化前後の蛍光顕微鏡画像(10x)である。
【
図2】実施例1のエポキシアスファルトの160℃及び180℃の条件でのブルックフィールド粘度曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
下記実施例によれば、本発明をよりよく理解できる。
【0027】
実施例1
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)0.4部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)36.5部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)1.5部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)1.6部
【0028】
実施例1のエポキシアスファルトの製造方法は、60℃に予熱した変性剤、活性硬化剤、フタル酸エステル系カップリング剤、可逆変形添加剤をフラスコに加えて、80℃で3h撹拌し、B成分を合成したステップと、合成したB成分とA成分を混合し、60±5℃で5min撹拌し、エポキシ樹脂系を得たステップと、製造したエポキシ樹脂系を70#道路用石油アスファルトに加え、160±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得たステップとを含む。
【0029】
図1は、実施例1のエポキシ樹脂材料で製造されるエポキシアスファルトの硬化前後の蛍光顕微鏡画像である。図からわかるように、硬化前に、エポキシアスファルトの各成分は十分な高速せん断撹拌を経ても粒子間の離散性を保っているため、蛍光照射下でアスファルトは連続相、エポキシ樹脂は分散した粒子状になっている。硬化反応後、エポキシ樹脂は連続相に転化して、安定的で緻密な架橋網目構造を形成し、アスファルトは分散相として球形粒子でエポキシ樹脂と嵌合し、しきい値分割法によって蛍光部分の画像に占める面積を計算した結果、エポキシ樹脂の面積の割合は60.89%であり、この時にエポキシ樹脂が硬化して架橋し形成した立体網目は緻密で安定して、エポキシアスファルトはより堅固な力学性能を持っていることを検証した。
【0030】
図2は、実施例1のエポキシアスファルトの160℃及び180℃の条件でのブルックフィールド粘度曲線である。図に示すように、実施例1のエポキシアスファルトは、粘度が150min以内で常に1000mPa・s未満であり、粘度が1000mPa・sに達するまでの時間が50分以上であるという仕様要件を満たしている。該エポキシアスファルトは、滞留時間が長く、エポキシアスファルトと骨材とのミックスや舗装が容易であり、施工の要求を満たすことを証明した。
【0031】
実施例2
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)0.8部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)34.8部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)1.2部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)3.2部
【0032】
実施例2のエポキシアスファルトの製造方法は実施例1と同様であった。
【0033】
実施例3
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)1.2部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)33.2部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)0.8部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)4.8部
【0034】
実施例3のエポキシアスファルトの製造方法は実施例1と同様であった。
【0035】
実施例4
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)1.6部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)31.5部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)0.5部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)6.4部
【0036】
実施例4のエポキシアスファルトの製造方法は実施例1と同様であった。
【0037】
比較例1
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂50部
B成分:ポリアミン系硬化剤(山東旭光化工社製のポリエチレンポリアミン)50部
【0038】
比較例1のエポキシアスファルトの製造方法は、60℃に予熱したA成分とB成分を混合し、60±5℃で5min撹拌し、エポキシ樹脂系を得たステップと、製造したエポキシ樹脂系を70#道路用石油アスファルトに加え、160±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得たステップとを含む。
【0039】
比較例2
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂40部
B成分:ポリエーテルアミンD230硬化剤30部、m-キシリレンジアミン硬化剤30部
【0040】
比較例2のエポキシアスファルトの製造方法は、70#道路用石油アスファルト、ポリエーテルアミンD230硬化剤、及びm-キシリレンジアミン硬化剤をコロイドミルで均一に撹拌した後、A成分を加えて均一に混合し、60℃で12h硬化し、エポキシアスファルトを得たステップとを含む。
【0041】
比較例3
材料の組成は以下のとおりである。
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:日本産エポキシ樹脂KD-HDP 61部
B成分:KD-HDPとともに用いられるエポキシ樹脂硬化剤39部
【0042】
比較例3のエポキシアスファルトの製造方法は、60℃に予熱したA成分とB成分を混合し、60±5℃で5min撹拌し、エポキシ樹脂系を得たステップと、製造したエポキシ樹脂系を70#道路用石油アスファルトに加え、160±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得たステップとを含む。
【0043】
比較例4
材料の組成は以下のとおりである。
米国産エポキシアスファルトA成分:100部
米国産エポキシアスファルトB成分:416部
【0044】
比較例4のエポキシアスファルトの製造方法は、90℃に予熱したA成分と130℃に予熱したB成分を混合し、80±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得たステップを含む。
【0045】
実施例1~4は、本発明におけるエポキシ樹脂材料を用いて製造されるエポキシアスファルトであり、比較例1、2は、中国産エポキシ樹脂と一般的な硬化剤を用いて製造されるエポキシアスファルトであり、比較例3は、日本産の高性能エポキシ樹脂及びこれとともに用いられる硬化剤を用いて製造されるエポキシアスファルトであり、比較例4は、米国産の2成分エポキシアスファルトである。検討や分析を容易にするために、以下の説明では、実施例1~4におけるエポキシアスファルトは本発明のエポキシアスファルト、比較例1におけるエポキシアスファルトは一般的な中国産エポキシアスファルト-1、比較例2におけるエポキシアスファルトは一般的な中国産エポキシアスファルト-2、比較例3におけるエポキシアスファルトは日本産エポキシアスファルト、比較例4におけるエポキシアスファルトは米国産エポキシアスファルトと呼ばれる。実施例1~4及び比較例1~4の-10℃、23℃での引張強度及び破断伸びを表1に合わせて示す。
【0046】
【0047】
各エポキシアスファルトのコストを換算した結果を表2~9に示す。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
比較例5
本発明のエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料分における変性剤、活性硬化剤、フタル酸エステル系カップリング剤、可逆変形添加剤の4つが相乗作用を有することを検証するために、実施群5-1、5-2、5-3、5-4、5-5、5-6、5-7、5-8をそれぞれ使用して、上記の相乗作用について説明し、これらの成分はそれぞれ以下のとおりである。
【0057】
実施群5-1
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)40部
【0058】
実施群5-2
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)40部
【0059】
実施群5-3
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)40部
【0060】
実施群5-4
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)40部
【0061】
実施群5-5
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)0.9部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)39.1部
【0062】
実施群5-6
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)38.7部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)1.3部
【0063】
実施群5-7
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)36.6部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)3.4部
【0064】
実施群5-8
アスファルト:70#道路用石油アスファルト100部
A成分:中国産ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂60部
B成分:変性剤(済寧三石社製の1-ピペラジンエチルアミン)0.8部、活性硬化剤(湖北東曹社の1-アミノ-9-オクタデセン)34.8部、フタル酸エステル系カップリング剤(山東領創生物科技社製のトリイソステアロイルチタン酸イソプロピル)1.2部、可逆変形添加剤(湖北成豊社のアクリロニトリル-ブタジエンゴム)3.2部
【0065】
上記成分を用いて製造されたエポキシアスファルトは、それぞれ、エポキシアスファルト5-1、エポキシアスファルト5-2、エポキシアスファルト5-3、エポキシアスファルト5-4、エポキシアスファルト5-5、エポキシアスファルト5-6、エポキシアスファルト5-7、エポキシアスファルト5-8であり、これらの性能データは表10に示される。
【0066】
【0067】
以上データから以下の結論が得られる。
【0068】
(1)実施例1~4及び比較例1~4のアスファルトの10℃の条件での引張性能と23℃の条件での引張性能とを比較した結果、引張強度はわずかに強くなったが、破断伸びは大幅に低下しており、これは、エポキシアスファルトでは一般的に低温柔軟性が悪いことを反映している。
【0069】
(2)実施例1~4の本発明のエポキシアスファルトは、常温及び低温での引張強度及び破断伸びが、比較例1の一般的な中国産エポキシアスファルト-1に比べてはるかに優れており、『公路鋼橋面舗装設計及び施工技術仕様』(JTGT 3364-02-2019)に記載の引張強度が2.0MPa以上、破断伸びが100%以上の仕様要件をはるかに上回っている。
【0070】
(3)比較例2の一般的な中国産エポキシアスファルト-2は、常温及び低温での引張強度が本発明のエポキシアスファルトよりも高いが、破断伸びが劣り、仕様要件を満たしておらず、特に-10℃の条件では低温柔軟性が極めて低い。
【0071】
(4)実施例1~4の本発明のエポキシアスファルトは、23℃条件での引張強度が比較例3の日本産エポキシアスファルトに近く、破断伸びが日本産エポキシアスファルトよりわずかに低かった。しかし、低温条件(-10℃)では、本発明のエポキシアスファルトの中で、破断伸びが最も低いのは実施例2であり、39.03%であるが、日本産エポキシアスファルトの31.48%よりも高く、仕様要件を満たしており、さらに優れた低温柔軟性を示す。
【0072】
(5)常温(23℃)及び低温(-10℃)での破断伸びは、米国産エポキシアスファルトが本発明のエポキシアスファルトよりも若干大きいが、米国産エポキシアスファルトの製造過程は温間混合プロセスであり、引張強度は本発明のエポキシアスファルトに比べて大幅に低く、最も高価であり、本発明のエポキシアスファルトを用いると、米国産エポキシアスファルトよりもt当たりのコストが平均で約80%節約された。
【0073】
(6)表2~9は、本実施例1~4における本発明のエポキシアスファルトと、比較例1~4における中国産エポキシアスファルト-1、中国産エポキシアスファルト-2、日本産エポキシアスファルト及び米国産エポキシアスファルトとの経済的コスト(人件費は無視)を示したものである。本発明のエポキシアスファルトは、低温性能が日本産エポキシアスファルトより優れているだけでなく、t当たりのコストが日本産エポキシアスファルトより平均で約79%節約されていることがわかった。本発明のエポキシアスファルトは、低温柔軟性が米国産エポキシアスファルトよりもわずかに低いが、t当たりのコストが米国産エポキシアスファルトより平均で約80%節約されている。本発明のエポキシアスファルトは、中国産エポキシアスファルト-1及び中国産エポキシアスファルト-2に比べて、常温及び低温性能が著しく優れ、経済的コストが中国産エポキシアスファルト-1に近く、t当たりのコストは中国産エポキシアスファルト-2に比べて平均で約39%節約されている。本発明のエポキシアスファルトは、優れた性能に加えて、経済性に優れている。
【0074】
(7)実験群5-1~5-8は、本発明の各成分の相乗効果を特徴付けるための事例であり、性能データは表10に示す。表10から分析した結果、もしB成分が活性硬化剤のみを採用していれば、製造したエポキシアスファルト5-1は、低温性能が劣り、粘度が1000mPa・sに達するまでの時間が短すぎ、施工に適さない。もしB成分が変性剤だけを採用していれば、製造したエポキシアスファルト5-1は、低温性能がより劣り、-10℃破断伸びが15.51%しかない。もしB成分がフタル酸エステル系カップリング剤や可逆性変化添加剤のみを採用していれば、硬化反応を十分に進行することができない。もしB成分が活性硬化剤と変性剤、フタル酸エステル系カップリング剤と可逆性変化添加剤との組み合わせをそれぞれ採用していれば、製造したエポキシアスファルトは、いくつかの性能が向上したが、いずれにも欠点が存在した。もしB成分の4種類の材料をすべて採用していれば、製造したエポキシアスファルト5-8は、低温性能、柔軟性や粘度性能がすべて優れている。
【0075】
以上の結論から、本発明のエポキシ樹脂材料を用いて製造したエポキシアスファルトは、コストが低く、組成と製造プロセスが簡単で、施工の滞留時間が長く、現場施工に有利であり、製造したエポキシアスファルトは、引張性能が優れており、特に低温環境では非常に強い柔軟性を示し、道路用性能が優れており、交通分野の発展を促進し、生産コストを下げ、経済効果を高めるのに非常に重要な意義があることが分かった。
【0076】
本発明は、経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料及びその製造方法の構想及び方法を提供しており、具体的には、この技術的解決手段を実現する方法及び手段はさまざまであり、上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者にとっては、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び修正を加えることができ、これらの改良及び修正も本発明の特許範囲と見なすべきである。本実施例に明示されていない様々な構成要素は、従来技術によって実現され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A成分としてエポキシ樹脂主剤60質量部と、B成分として変性剤0.4~1.6質量部、活性硬化剤31~36.5質量部、チタネート系カップリング剤0.5~1.5質量部、及び可逆変形添加剤1.6~6.4質量部と、を含み、
前記エポキシ樹脂主剤は、ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂であり、
前記変性剤は、1-ピペラジンエチルアミンであり、
前記活性硬化剤は、1-アミノ-9-オクタデセンであり、
前記チタネート系カップリング剤は、トリイソステアロイルチタン酸イソプロピル、イソプロピルトリラウリルチタネート、チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシド、イソプロピルイソステアリルジアクリロイルチタネートから選択されるいずれか1種又は2種以上の混合物であり、
前記可逆変形添加剤は、アクリロニトリル-ブタジエンゴムである、ことを特徴とする経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料。
【請求項2】
活性硬化剤、変性剤、チタネート系カップリング剤及び可逆変形添加剤を混合して、60℃に予熱し、撹拌して混合し、B成分を得るステップ(1)と、
ステップ(1)のB成分とA成分を混合して、60±5℃で5min撹拌し、エポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料を得るステップ(2)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料の製造方法。
【請求項3】
ステップ(1)では、B成分を製造するときに、撹拌温度は80±5℃であり、撹拌時間は3hである、ことを特徴とする請求項2に記載の経済性及び高い低温柔軟性を備えたエポキシアスファルト用エポキシ樹脂材料の製造方法。
【請求項4】
公路路面、コンクリート橋面、鋼橋面舗装用エポキシアスファルトの製造における請求項1に記載のエポキシ樹脂材料の使用。
【請求項5】
エポキシ樹脂材料のA成分とB成分を均一に混合するステップS1と、
ステップS1で混合して得たエポキシ樹脂材料100部をマトリックスアスファルト100部に加え、160±10℃で5min撹拌し、エポキシアスファルトを得るステップS2と、
ステップS2で得たエポキシアスファルト4~6質量%を、骨材及び鉱石粉94~96質量%と混合し、170±10℃で1~2minミキシングし、エポキシアスファルト混合物を得るステップS3と、
ステップS3で得たエポキシアスファルト混合物を路面又は橋面に敷きならし、圧延成形し、5~50℃で36~96h養生するステップS4と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の使用。