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特開2023-184482車両用の快適ブレーキ制御システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184482
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】車両用の快適ブレーキ制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/172 20060101AFI20231221BHJP
   B60W 50/08 20200101ALI20231221BHJP
   B60W 50/06 20060101ALI20231221BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20231221BHJP
   B60W 40/107 20120101ALI20231221BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B60T8/172 Z
B60W50/08
B60W50/06
B60W40/105
B60W40/107
B60T8/17 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097496
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】202210691857.7
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ツァン,イン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チョンシー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レンルイ
【テーマコード(参考)】
3D241
3D246
【Fターム(参考)】
3D241BA51
3D241BB01
3D241BC01
3D241CC08
3D241DA38Z
3D241DA49Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D246DA01
3D246GA02
3D246GA08
3D246GC16
3D246HA44A
3D246HA51A
3D246HA52A
3D246HA53A
3D246HA84A
3D246HA86A
3D246HA94A
3D246HC02
3D246JA03
3D246JB01
3D246JB10
3D246JB47
3D246MA37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両用の快適ブレーキ制御システムおよび制御方法が提供される。
【解決手段】車両は、複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有し、各快適ブレーキレベルは、快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含む。快適ブレーキ制御システムは、一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供し、一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つの修正を受信するように構成された、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースと、修正が安全要件を満たすかどうかを決定し、修正が安全要件を満たすと決定された場合は修正を許可し、修正が安全要件を満たさないと決定された場合は修正を禁止するように構成された、快適ブレーキモジュールと、を備え、快適ブレーキモジュールは、修正が安全要件を満たすと決定された場合の修正後の車両制動の快適度を評価するようにさらに構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有する車両用の快適ブレーキ制御システムであって、各快適ブレーキレベルが、前記快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、前記快適ブレーキ制御システムが、
前記一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供し、前記一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つへの修正を受信するように構成された、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースと、
前記修正が安全要件を満たすかどうかを決定し、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合は前記修正を許可し、前記修正が前記安全要件を満たさないと決定された場合は前記修正を禁止するように構成された、快適ブレーキモジュールと、を備え、
前記快適ブレーキモジュールが、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合の前記修正後の車両制動の快適度を評価するようにさらに構成される、快適ブレーキ制御システム。
【請求項2】
前記一つ以上のブレーキパラメータが、車両の前後方向速度、前後方向加速度、前記車両の少なくとも一つのブレーキシリンダのブレーキ圧力、及び前記ブレーキ圧力の変化率のうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項3】
前記快適ブレーキモジュールが、各快適ブレーキレベルで各ブレーキパラメータの所定の変更範囲を記憶し、
前記修正が安全要件を満たすかどうかの決定が、
前記修正された少なくとも一つのブレーキパラメータが、現在の快適ブレーキレベルの所定の変更範囲内にあるかどうかを決定することと、
前記決定結果が肯定的である場合に、前記修正が前記安全要件を満たすと決定することと、
前記決定結果が否定的である場合に、前記修正が前記安全要件を満たさないと決定することと、を含む、請求項1又は2に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項4】
前記快適度を評価することが、
前記車両の制動プロセスにおいて、ブレーキ期間中に前記車両の前記快適さを特徴付けることができる快適性パラメータを取得することと、
前記ブレーキ期間中の前記快適性パラメータの最大値と谷値との間の差の絶対値を計算することと、
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価して第一の評価結果を得ることと、を含み、前記第一の評価結果が、前記差の前記絶対値が小さいほど、前記快適度が高いことを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項5】
前記快適性パラメータが、前記車両の前後方向加速度、前記車両のピッチ角、及び前記車両のサスペンションの変位量のうちの一つ以上を含む、請求項4に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項6】
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価することが、
前記差の前記絶対値が第一の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第一の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第一の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項4又は5に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項7】
前記快適ブレーキモジュールが、前記制動プロセスで予想加速度を記憶し、
前記快適度を評価することが、
前記制動プロセスにおける高速期間中の実際の加速度を取得することであって、前記高速期間が、前記車両の前記車両速度が、前記快適ブレーキを開始する瞬間の車両速度から所定の車両速度まで低下する期間を指す、取得することと、
前記実際の加速度と前記予想加速度との間の加速度差を計算することと、
前記加速度差に基づいて前記快適度を評価して、第二の評価結果を取得することであって、前記第二の評価結果が、前記加速度差がゼロに近いほど前記快適度が高いことを含む、評価することと、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項8】
前記加速度差に基づいて前記快適度を評価することが、
前記加速度差の前記絶対値が第二の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第二の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第二の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項7に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項9】
前記快適ブレーキモジュールが、前記制動プロセスで予想加速度を記憶し、
前記快適度を評価することが、
前記制動プロセスにおける高速期間中の実際の加速度を取得することであって、前記高速期間が、前記車両の前記車両速度が、前記快適ブレーキを開始する瞬間の車両速度から所定の車両速度まで低下する期間を指す、取得することと、
前記実際の加速度と前記予想加速度との間の加速度差を計算することと、
前記加速度差と前記予想加速度との間の比率を計算することと、
前記比率と前記比率の比率閾値との差の絶対値を計算することと、
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価して第三の評価結果を得ることと、を含み、前記第三の評価結果が、前記差の前記絶対値が小さいほど前記快適度が高いことを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項10】
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価することが、
前記差の前記絶対値が第三の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第三の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第三の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項9に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項11】
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、前記修正後の前記車両の制動プロセスの体験に対してユーザーが与えるユーザー体験スコアを受信するようにさらに構成され、
前記快適ブレーキモジュールが、前記ユーザー体験スコア及び前記快適度の前記評価結果に基づいて総合スコアを計算するようにさらに構成され、
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、前記総合スコアを提供するようにさらに構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項12】
総合スコアの計算が、(数1)に基づいて、前記総合スコアを計算することを含む、請求項11に記載の快適ブレーキ制御システム。
(数1) F=c*A1+(1-c)*A2
(式中、Fは前記総合スコアであり、
A1は、正規化処理後の前記ユーザー体験スコアであり、
A2は、正規化処理後の前記快適度の前記評価結果であり、
cは、A1の重み係数で、0<c<1である)
【請求項13】
前記快適ブレーキ制御システムが、前記車両内に配置され、
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、音声インタラクション・インターフェース、タッチスクリーン、及び物理キーのうちの少なくとも一つを備え、
前記快適ブレーキモジュールが、前記車両の前記ブレーキシステムの制御ユニット内に配置されるか、又は前記車両のドメインコントローラ内に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の前記快適ブレーキ制御システムによって任意選択的に実施される、車両用の快適ブレーキ制御方法であって、前記車両が複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有し、各快適ブレーキレベルが、前記快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、前記方法が、
前記一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供することと、
前記一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つに対する修正を受信することと、
前記修正が前記安全要件を満たすかどうかの決定することと、
前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合に前記修正を許可することと、
前記修正が前記安全要件を満たさないと決定された場合に前記修正を禁止することと、を含み、
前記方法が、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合に前記修正後の車両制動の快適度を評価することをさらに含む、快適ブレーキ制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、車両制動技術の分野に関し、特に、車両用の快適ブレーキ制御システム及び快適ブレーキ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、自動運転技術に関する研究が非常に活発になっている。自動運転車のユーザー体験は、自動運転車に対するユーザーの受け入れ及び信頼に直接影響を与え、自動運転車の普及にさらに影響を与える。したがって、自動運転車のユーザー体験を向上させるための解決策を探索する必要がある。
【0003】
先行技術では、ユーザー体験の過度の重視は潜在的な安全面の危険を生む可能性がある一方、ユーザー体験を無視すると自動運転車に対するユーザーの満足度が大幅に低下するため、車両制動中のユーザー体験の改善が課題となっている。さらに、ユーザー体験は人によって異なり、「すべての人の好みに対応するのは難しい」と説明される場合がある。既存の車両制動戦略に基づくと、他との差別化を図り、かつ個人に合わせたユーザー体験を満たすことは困難である。
【発明の概要】
【0004】
この文脈において、本開示は、ユーザーがブレーキパラメータを調整するためのインターフェースを提供することができ、調整が安全性を満たすかどうかを検出し、調整後の車両制動の快適度を評価することができ、それによって、「すべての人の好みに対応する」快適ブレーキを達成する、車両用の快適ブレーキ制御スキームを提供することを意図している。
【0005】
本開示の一態様によれば、複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有する車両用の快適ブレーキ制御システムが提供され、各快適ブレーキレベルは、快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、快適ブレーキ制御システムは、一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供し、一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つの修正を受信するように構成された、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースと、修正が安全要件を満たすかどうかを決定し、修正が安全要件を満たすと決定された場合は修正を許可し、修正が安全要件を満たさないと決定された場合は修正を禁止するように構成された、快適ブレーキモジュールと、を備え、快適ブレーキモジュールは、修正が安全要件を満たすと決定された場合の修正後の車両制動の快適度を評価するようにさらに構成される。
【0006】
本開示の別の態様によれば、前述の快適ブレーキ制御システムによって任意選択的に実施される、車両用の快適ブレーキ制御方法が提供され、車両は、複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有し、各快適ブレーキレベルは、快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、方法は、一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供することと、一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つに対する修正を受信することと、修正が安全要件を満たすかどうかを決定することと、修正が安全要件を満たすと決定された場合に修正を許可することと、修正が安全要件を満たさないと決定された場合に修正を禁止することと、を含み、方法は、修正が安全要件を満たすと決定された場合の修正後の車両制動の快適度を評価することをさらに含む。
【0007】
上記は、これらの態様の基本的な理解を可能にするために、本開示の主要な態様の概要を提供する。この概要は、本開示の態様のすべて又は一部の範囲を定義することを意図するものではない。この概要の目的は、後ほどの詳細な説明の前文として、これらの態様のいくつかの実施を簡略化された形式で提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の技術的な解決策は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明からより明確となる。当然のことながら、これらの添付図面は単に例示目的で使用され、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。
図1図1は、本開示の実施形態による、車両用の快適ブレーキ制御システムの概略図である。
図2図2は、本開示の実施形態による、快適ブレーキレベルの概略図である。
図3図3は、本開示の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセスのフローチャートである。
図4図4は、本開示の別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセスのフローチャートである。
図5図5は、図4の快適ブレーキ制御プロセスに使用される曲線グラフの例である。
図6図6は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセスのフローチャートである。
図7図7は、図6の快適ブレーキ制御プロセスに使用される曲線グラフの例である。
図8図8は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセスのフローチャートである。
図9図9は、図8の快適ブレーキ制御プロセスに使用される曲線グラフの例である。
図10図10は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセスのフローチャートである。
図11図11は、本開示の実施形態による、快適ブレーキ制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、ユーザーがブレーキパラメータを修正して制動プロセスを変更することができ、ユーザーが複数の次元からのブレーキパラメータを調整した後に車両制動の快適度を評価することができる、車両快適ブレーキの制御戦略を対象とする。
【0010】
本開示の実施形態によれば、ユーザーの主観的な感覚のフォローアップを具現化することができ、アルゴリズム論理によって車両の制動プロセス中の車両の挙動特性を計算することができ、それによって、ユーザー体験を統合する快適ブレーキ機能を実現する。
【0011】
以下に、添付図面を参照して、本開示の具体的な実施について説明する。
【0012】
図1は、本開示の実施形態による、車両V用の快適ブレーキ制御システム100を概略的に示す。快適ブレーキ制御システム100は、車両V上に搭載される。したがって、快適ブレーキ制御システム100はまた、車両内システムとも呼ばれうる。図1に示すように、快適ブレーキ制御システム100は、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース(HMI)10及び快適ブレーキモジュール(CST)20を含む。
【0013】
ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、快適ブレーキモジュール20に通信可能に接続され、車両Vとユーザーによる車両内インフォテインメントシステムとの間の情報交換を実施するように構成される。ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、ユーザー入力を受信し、ユーザー入力を快適ブレーキモジュール20に送信してもよい。ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、さらに車両快適ブレーキに関連する情報をユーザーに提供してもよい。例えば、ユーザーがブレーキパラメータを修正するためのグラフィカル・ユーザー・インターフェースがユーザーに提示されるか、又は快適ブレーキに関連付けられた音声がユーザーに放送される。
【0014】
ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、例えば、タッチスクリーン、音声、動作認識(例えば、ジェスチャー認識)、及び物理的ボタンのうちの一つ以上など、複数のヒューマン・マシン・インタラクション様式を使用することによって、車両内のユーザーと車両内インフォテインメントシステムとの間の情報交換を実施してもよい。
【0015】
一実施形態では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10が、車両Vの中央制御画面(例えば、ユーザーが、中央制御画面に触れることで、ユーザーの車両ブレーキ要件を表現する)と、音声制御システム(例えば、ユーザーが、音声を介して、ユーザーの車両ブレーキ要件を表現する)と、ジェスチャー認識システム(例えば、ユーザーが、あらかじめ定義されたジェスチャーを使用してユーザーの車両ブレーキ要件を表現する)と、車両内のユーザーが操作するのに都合の良い位置に配置されたボタン又はノブ(例えば、ユーザーが、ボタン又はノブを操作することで、ユーザーの車両ブレーキ要件を表現する)と、のうちの一つ以上を含む。
【0016】
快適ブレーキモジュール20は、ヒューマン・マシン・インターフェース10からの情報及び一つ以上の車載センサー(図示せず)からの情報に基づいて、例えば、ユーザーが修正したブレーキパラメータが安全要件を満たすどうかかを決定し、ユーザーがブレーキパラメータを修正した後の車両の快適度を評価するなど、快適ブレーキ機能を実施する。
【0017】
快適ブレーキモジュール20は、車両Vの自動運転システムの制御ユニット内に配置されてもよく、又は車両Vのドメインコントローラ内に配置されてもよく、又は車両Vのブレーキシステムの制御ユニット内に配置されてもよい。
【0018】
複数の快適ブレーキレベルが、快適ブレーキモジュール20に記憶されている。複数の快適ブレーキレベルは、予め定められており、車両Vの制動プロセスでの異なる快適性レベルにそれぞれ対応する。例えば、複数の快適ブレーキレベルは、快適性の高いブレーキレベル、快適性が中程度のブレーキレベル、及び快適性の低いブレーキレベルを含んでもよい。快適性の高いブレーキレベルは、制動時の快適さが最も高い(例えば、最もスムーズである)ことを示す。快適性が中程度のブレーキレベルは、制動時の快適さが中程度である(例えば、中程度のスムーズさである)ことを示す。快適性の低いブレーキレベルは、制動時の快適さが低い(例えば、制動時にわずかな揺れがある)ことを示す。
【0019】
一実施形態では、快適ブレーキレベルの数が予め定められており、例えば、6つの快適ブレーキレベルがあることが予め定められている。快適ブレーキレベルの数は、新規車両が工場から納品される前、又は車両が工場出荷時設定された後に、ユーザー要件に応じて、多かれ少なかれ調整可能である。
【0020】
各快適ブレーキレベルには、快適ブレーキレベルに対応するブレーキパラメータが含まれる。例えば、快適性の高いブレーキレベルは、快適性の高いブレーキレベルに対応するブレーキパラメータを含む。快適性が中程度のブレーキレベルは、快適性が中程度のブレーキに対応するブレーキパラメータを含む。加えて、快適性の低いブレーキレベルは、快適性の低いブレーキレベルに対応するブレーキパラメータを含む。
【0021】
ブレーキパラメータは、車両制動に直接的又は間接的に関連する一つ以上のブレーキパラメータを含む。ブレーキパラメータは、車両Vの少なくとも一つのブレーキシリンダのブレーキ圧力及びブレーキ圧力変化率を含んでもよい。ブレーキ圧力は、車両Vの複数のブレーキシリンダのいずれか一つのブレーキ圧力であってもよく、又は複数のブレーキシリンダのブレーキ圧力の合計又は平均値であってもよい。ブレーキパラメータは、制動時の車両Vの速度及び制動時の車両Vの加速度をさらに含んでもよい。
【0022】
各ブレーキパラメータは、制動プロセス全体を通して可変であってもよく、例えば、ブレーキパラメータは、制動プロセス中に時間の経過とともに変化する曲線として表されてもよい。各快適ブレーキレベルでのブレーキパラメータの変更範囲は予め定められており、快適ブレーキモジュール20に記憶されている。例えば、ブレーキ圧力は、快適性の高いブレーキレベルで第一の変更範囲、快適性が中程度のブレーキレベルで第二の変更範囲、及び快適性の低いブレーキレベルで第三の変更範囲を有する。第一~第三の変更範囲は、快適ブレーキモジュール20に記憶される。
【0023】
図2は、本開示の実施形態による、快適ブレーキレベルを概略的に示す。図2を参照すると、車両Vは、複数の任意選択の快適ブレーキレベルCST_L1、CST_L2、CST_L3、... CST_Lnを有する。各快適ブレーキレベルは、レベルに対応するブレーキパラメータを含み、すなわち、快適ブレーキレベルCST_L1は、対応するブレーキパラメータm11、m12、m13、...m1mを含む。快適ブレーキレベルCST_L2は、対応するブレーキパラメータm21、m22、m23、...m2mを含み、快適ブレーキレベルCST_Lnは、対応するブレーキパラメータmn1、mn2、mn3、... mnmを含む。
【0024】
一実施形態では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、タッチスクリーンとして実装される。複数の快適ブレーキレベル及び対応するブレーキパラメータを含むグラフィカル・ユーザー・インターフェース200が、タッチスクリーン上に表示される。グラフィカル・ユーザー・インターフェース200は、複数のボタンアイコンを含み、各ボタンアイコンは一つのブレーキパラメータに対応する。例えば、図2を参照すると、快適ブレーキレベルCST_L1のブレーキパラメータm12、m13、...、及びm1mの各々は、タッチスクリーン上に一つのボタンアイコンとして提示される。これらのボタンアイコンは、ユーザー入力を受信することができ、すなわち、ユーザーは、ボタンアイコンをクリックすることによって、そのボタンに対応するブレーキパラメータを選択し、ブレーキパラメータを修正するためにインターフェース(図示せず)に入力することができる。ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、ユーザー入力を受信し、受信したユーザー入力を快適ブレーキモジュール20に送信する。
【0025】
別の実施形態では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、ユーザーがブレーキパラメータを修正するための音声入力をユーザーから受信しうる、音声インタラクション・インターフェースとして実装される。例えば、ユーザーは、「ブレーキ圧力を増加させる」又は「ブレーキ時間を短くする」と発言することでブレーキパラメータの修正を表現する。ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、音声入力を受信し、ユーザー入力を快適ブレーキモジュール20に送信する。
【0026】
快適ブレーキモジュール20は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用することによって実施されてもよい。ハードウェアによって実装される部分は、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、データ信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、それらの機能を実行するように設計された電子ユニット、又はそれらの組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアによって実装される部分は、マイクロコード、プログラムコード、又はコードセグメントを使用することによって実装されてもよく、又は記憶コンポーネントなどの機械可読記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0027】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、メモリ及びプロセッサを含む。メモリは命令を含み、命令がプロセッサによって実行される時、プロセッサは、本開示のこの実施形態による、快適ブレーキ制御ポリシー/快適ブレーキ制御方法を実施する。
【0028】
図3は、本開示の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセス300を示す。プロセス300によれば、ユーザーは、特定のニーズ又は好みに従ってブレーキパラメータを修正してもよく、その後、快適ブレーキモジュール20は、修正が安全要件を満たすかどうかを決定し、その後、修正が安全要件を満たすと決定された場合に、修正後の車両制動の快適度を評価する。
【0029】
図3を参照すると、ブロック302で、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、ユーザーが一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供する。
【0030】
インターフェースは、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(例えば、図2に示すグラフィカル・ユーザー・インターフェース200)であってもよい。例えば、グラフィカル・ユーザー・インターフェースは、タッチスクリーン上に提示され、ユーザー入力からブレーキパラメータを受信しうるボタンアイコンを含む。グラフィカル・ユーザー・インターフェース200上で、ユーザーは、ボタンアイコンをクリックして、ブレーキパラメータのボタンアイコンを選択してもよい。インターフェースはまた、音声インタラクション・インターフェースであってもよく、例えば、音声インタラクション・インターフェースは、「調整するブレーキパラメータを選択してください。」という音声を放送する。
【0031】
ブロック304で、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、少なくとも一つのブレーキパラメータに対するユーザーの修正を受信する。
【0032】
ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10の上述の実装に対応して、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10がタッチスクリーンとして実装されている場合、ユーザーがブレーキパラメータのボタンアイコンを選択することに応答して、ブレーキパラメータを修正するためのテキストボックスが、小さなウィンドウ又は下側のインターフェースという形態でタッチスクリーン上に提示され、ユーザーは、テキストボックスにブレーキパラメータの期待値を入力することができる、すなわち、ブレーキパラメータを現在の値から期待値に調整することができる。ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10が音声インタラクション・インターフェースとして実装される場合、ユーザーは、「ブレーキ圧力を10%増加させる」又は「ブレーキ時間を1秒に短縮する」と発言する。
【0033】
ブロック306で、快適ブレーキモジュール20は、ユーザーが行った修正が安全要件を満たすかどうかを決定する。
【0034】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、ユーザーが行った修正が安全要件を満たすかどうかを、以下の方法で決定する。ブロック3061で、快適ブレーキモジュール20は、修正された少なくとも一つのブレーキパラメータが、現在の快適ブレーキレベルの所定の変更範囲内にあるかどうかを決定する。この変更範囲は、快適ブレーキモジュール20に予め記憶されている。例えば、現在の快適ブレーキレベルが中程度であり、ユーザーが修正したブレーキパラメータがブレーキ圧力である場合、快適ブレーキモジュール20は、ユーザーが修正したブレーキ圧力が、快適性が中程度のブレーキレベルでのブレーキ圧力の変更範囲内に依然としてあるかどうかを決定する。修正されたブレーキパラメータが、現在の快適ブレーキレベルで変更範囲内であると決定された場合は、ブロック3062に入る。ブロック3062で、快適ブレーキモジュール20は、修正が安全要件を満たすと決定する。修正されたブレーキパラメータが、現在の快適ブレーキレベルで変更範囲内ではないと決定された場合は、ブロック3063に入る。ブロック3063で、快適ブレーキモジュール20は、修正が安全要件を満たさないと決定する。
【0035】
修正が安全要件を満たさないと決定された場合、快適ブレーキモジュール20は修正を禁止し、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、修正が安全要件を満たしていないという情報をグラフィカル・ユーザー・インターフェース又は音声放送の形態でユーザーに提供する。修正が安全要件を満たすと決定されると、プロセス300は継続する。
【0036】
次に、ブロック308で、快適ブレーキモジュール20は、修正が安全要件を満たす場合、修正後の車両制動の快適度を評価する。快適度の評価は、車両の制動から車両の完全停止までの期間の快適度の評価、車両制動の開始から車両の速度が低速化するまでの期間の快適度の評価、及びユーザー自身の体験に基づく車両の制動プロセスのユーザーの体験評価のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0037】
当然のことながら、ユーザーのブレーキパラメータの修正は、一つ以上のブレーキパラメータへの修正を含んでもよい。ユーザーが複数のブレーキパラメータを修正することに伴って、安全性を決定する際に、快適ブレーキモジュール20は、各ブレーキパラメータへの修正について、上述の安全性に関して個別に決定する。さらに、快適度を評価する際に、快適ブレーキモジュール20は、各ブレーキパラメータへの修正を個別に評価するのではなく、複数のブレーキパラメータへの修正全体を評価する。
【0038】
図4は、本開示の別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセス400を示す。プロセス400によると、快適ブレーキモジュール20は、車両制動から車両が完全停止するまでの期間中の快適性パラメータの変化に基づいて、ブレーキの快適度を評価する。快適性パラメータは、車両制動の快適さを特徴付けることができるパラメータを指す。例えば、快適性パラメータは、車両Vの前後方向加速度、車両Vのピッチ角、及び車両Vのサスペンションの変位量のうちの一つ以上を含む。図5は、プロセス400で使用される曲線グラフの例である。図5では、横座標は時間である。縦座標は車両の前後方向加速度である。曲線は、車両制動中の経時的な車両の前後方向加速度の変化を表す。
【0039】
以下に、図4及び図5を参照して、プロセス400を説明する。
【0040】
ブロック402では、快適ブレーキモジュール20は、ブレーキ期間中の快適性パラメータを取得する。快適性パラメータは、一つ以上の車載センサーによって測定され、一つ以上の車載センサーから快適ブレーキモジュール20に送信されてもよい。一実施形態では、快適性パラメータは、車両Vの前後方向加速度であり、図5の曲線を参照されたい。
【0041】
ブレーキ期間は、車両制動から完全停止までの期間を指す。例えば、車両の快適制動中、ブレーキ期間とは、ゼロに低下する車両速度又はゼロに近づく車両速度から、車両が完全停止するまでの期間を指す。ゼロに近づく車両速度は、特定の用途シナリオ又はユーザーのニーズに従って事前設定されてもよく、調整可能であってもよい。
【0042】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、このようにしてブレーキ期間を決定してもよい。車両Vの前後方向速度を監視し、車両の前後方向速度が所定の期間にわたりゼロである期間をブレーキ期間として使用する。ブレーキ期間では、すなわち、車両Vの車両速度が所定の期間にわたりゼロに低下するが、車両Vは、例えば、車両の前後方向加速度の変化、車両のピッチ角の変化、及び車両のサスペンションの変位量の変化などの、快適性パラメータの変化という形で現れることができる、一過性の揺れを体験する。図5を参照すると、所定の期間は、二つの破線(すなわち、6秒の所定の期間)で画定された期間である。この所定の期間は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算に従って取得され、事前に快適ブレーキモジュール20に記憶される。
【0043】
ブロック404で、快適ブレーキモジュール20は、ブレーキ期間で取得された快適性パラメータの最大値と谷値との間の差の絶対値を計算する。例えば、図5を参照すると、ブレーキ期間の最大値はP1であり、谷値はP2であり、また、快適ブレーキモジュール20は、最大値P1と谷値P2との間の差の絶対値を計算する。
【0044】
ブロック406で、快適ブレーキモジュール20は、ブロック404で計算された差の絶対値に基づいて快適度を評価し、第一の評価結果(すなわち、快適性パラメータに関連付けられた評価結果)を取得する。第一の評価結果には、以下が含まれる。差の絶対値が小さいほど快適度が高く、差の絶対値が大きいほど快適度が低い。
【0045】
ブロック406で、快適度の評価結果は、様々な方法で表現されてもよい。評価結果を表す二つの例を、以下に示す。
【0046】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、差の絶対値が第一の快適性閾値(すなわち、快適性パラメータに関連付けられた快適性閾値)よりも小さいかどうかを決定する。差の絶対値が第一の快適性閾値よりも小さいと決定された場合、第一の評価結果は快適さが満足のいくものである。差の絶対値が快適性閾値よりも小さくないと決定された場合、第一の評価結果は快適さが満足のいかないものである。この実施形態では、第一の評価結果は、満足のいく快適さと満足のいかない快適さという二つのレベルを含む。
【0047】
別の実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、第一の評価結果を、スコア、例えば、快適度についての0~100点のスコアで表現し、ここで、100点は、評価が最も高い快適度(例えば、差の絶対値が第一の快適性閾値よりも小さい)であることを示し、0点は、評価が最も低い快適度(例えば、差の絶対値が第一の快適性閾値の2倍以上である)であることを示す。この実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、アルゴリズムモデル又は機械学習モデルを使用して、快適度のスコアを提供してもよい。
【0048】
第一の快適性閾値は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算に基づいて取得され、事前に快適ブレーキモジュール20に記憶されることが理解されよう。
【0049】
さらに、快適ブレーキモジュール20は、一つ以上の快適性パラメータを取得し、一つ以上の快適性パラメータに基づいて、快適度を評価してもよい。複数の快適性パラメータが得られた場合、快適ブレーキモジュール20は、上述のプロセス400に従って各快適性パラメータの快適度を評価し、その後、快適度の最終評価結果として、これらの快適性レベルの平均又は加重平均を計算して取得してもよい。
【0050】
図6は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセス600を示す。プロセス600によると、快適ブレーキモジュール20は、車両Vの実際の前後方向加速度(以下、「実際の加速度」)と予想される前後方向加速度(以下、「予想加速度」)との間の加速度の差に基づいてブレーキパラメータを調整した後、快適度を評価する。図7は、プロセス600で使用される曲線グラフの例である。図7では、横座標は制動プロセスの時間を表す。縦座標は車両の前後方向加速度である。黒色の曲線は、制動プロセスにおける車両の予想加速度(Ax_Tar)を表す。薄い灰色の曲線は、制動プロセス中の車両の実際の加速度(Ax_Act)を示す。予想加速度は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算を使用することによって、事前に取得されてもよい。図7に示すように、予想加速度は、例えば、経時的に変化する予想加速度の曲線として表され、また、快適ブレーキモジュール20に予め記憶される。
【0051】
以下に、図6及び図7を参照して、プロセス600を説明する。
【0052】
ブロック602で、快適ブレーキモジュール20は、制動プロセスの高速期間中の実際の加速度を取得する。実際の加速度は、一つ以上の車載センサーによって測定され、一つ以上の車載センサーから快適ブレーキモジュール20に送信されてもよい。例えば、図7を参照すると、この実際の加速度は、経時的に変化する実際の加速度の曲線として表される。
【0053】
「高速セグメント」はまた、車両Vの車両速度が、快適ブレーキを開始する瞬間の速度から所定の速度まで低下する期間を指す、高速期間と呼んでもよい。この期間は、快適ブレーキプロセスにおいて比較的高い車両速度セグメントである。所定の車両速度は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算を使用することによって、事前に取得されてもよい。例えば、図7に示すように、「高速期間」とは、車両が制動を開始した瞬間と瞬間Tとの間のセグメントである。快適ブレーキモジュール20は、車両Vの実際の車両速度を監視することで高速セグメントを決定してもよい。例えば、減速は、車両が制動決定を行った後に開始し、快適ブレーキモジュール20は、高速セグメント/高速期間として、快適ブレーキ瞬間が開始する瞬間での速度に低下する車両速度と、所定の速度に低下する車両速度との間のセグメントを決定する。快適ブレーキモジュール20はまた、例えば、制動プロセスの前半を高速期間として、又は制動プロセスの最初の1/3を高速期間として特定することによって、他の様式で高速期間を決定してもよいことが理解されよう。
【0054】
ブロック604で、快適ブレーキモジュール20は、実際の加速度と予想加速度との間の加速度差を計算する。例えば、図7の実際の加速度曲線が予想加速度曲線から減算されて、加速度差が得られる。加速度差は、時間変化の曲線として表されることもできる(グラフには示されていない)。また予想加速度は、高速期間中の予想加速度に対応するように選択されることが理解され、例えば、図7を参照し、計算に加えるために、加速度曲線が、快適ブレーキ瞬間の開始から瞬間Tまで取られる。
【0055】
ブロック606で、快適ブレーキモジュール20は、計算された加速度差に基づいて快適度を評価し、第二の評価結果(すなわち、加速度差に関連する評価結果)を取得する。第二の評価結果には、以下が含まれる。加速度差がゼロに近いほど、すなわち、実際の加速度が予想加速度に近いほど、快適度が高く、その逆であるほど、快適度は低い。
【0056】
ブロック406と同様に、ブロック606で、第二の評価結果は、様々な方法で表現されてもよい。第二の評価結果を表す二つの例を、以下に示す。
【0057】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、加速度差の絶対値が第二の快適性閾値(すなわち、加速度差に関連する快適性閾値)よりも小さいかどうかを決定する。第二の評価は、加速度差の絶対値が第二の快適性閾値よりも小さいと決定された時に、快適さが満足のいくものである。第二の評価は、加速度差の絶対値が第二の快適性閾値よりも小さくないと決定された場合、快適さが満足のいかないものである。この実施形態では、第二の評価結果は、満足のいくものと満足のいかないものという二つのレベルを含む。
【0058】
別の実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、第二の評価結果を、スコア、例えば、快適度についての0~100点のスコアで表現し、ここで、100点は、最も高い快適度(例えば、差の絶対値がゼロ)であることを示し、0点は、最も低い快適度(例えば、差の絶対値が第二の快適性閾値を上回る)であることを示す。この実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、アルゴリズムモデル又は機械学習モデルを使用して、快適度のスコアを与えてもよい。
【0059】
第二の快適性閾値は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算に従って取得され、事前に快適ブレーキモジュール20に記憶されることが理解されよう。
【0060】
図8は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセス800を示す。プロセス800によると、快適ブレーキモジュール20は、上述の加速度差と予想加速度との間の比率に基づいて、快適度を評価する。図9は、プロセス800に使用される曲線グラフの例である。図9は、横座標、縦座標、黒色、及び薄い灰色の曲線において図8と同一である。図9図8と違う点としては、図9は、上記の比率、すなわち、加速度差と予想加速度との間の比率を表す破線の枠で囲まれた濃い灰色の曲線(比率)を追加していることである。
【0061】
以下に、図8及び図9を参照して、プロセス800を説明する。
【0062】
ブロック802で、快適ブレーキモジュール20は、上述の加速度差と予想加速度との間の比率を計算する。例えば、図9を参照すると、実際の加速度曲線は、予想加速度曲線から減算され、予想される速度曲線で除算され、比率を表す濃い灰色の曲線が得られる。
【0063】
ブロック804で、快適ブレーキモジュール20は、ブロック802で取得された比率と比率閾値との間の差の絶対値を計算する。この比率閾値は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算に従って取得され、事前に快適ブレーキモジュール20に記憶される。比率閾値は、可変であってもよく、例えば、経時的に変化する曲線として表される(グラフには示されない)。
【0064】
ブロック806では、快適ブレーキモジュール20は、ブロック804で計算された差の絶対値に基づいて快適度を評価し、第三の評価結果(すなわち、比率に関連付けられた評価結果)を取得する。第三の評価結果には、以下が含まれる。差の絶対値が小さいほど快適度が高く、そうでなければ、差の絶対値が大きいほど快適度が低い。
ブロック406及び606と同様に、ブロック806で、第三の評価結果は、様々な方法で表現されてもよい。評価結果を表す二つの例を、以下に示す。
【0065】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、差の絶対値が第三の快適性閾値(すなわち、比率に関連付けられた快適性閾値)よりも小さいかどうかを決定する。差の絶対値が第三の快適性閾値よりも小さいと決定された場合、第三の評価結果は快適さが満足のいくものである。差の絶対値が快適性閾値よりも小さくないと決定された場合、第三の評価結果は快適さが満足のいかないものである。この実施形態では、第三の評価結果は、満足のいくものと満足のいかないものという二つのレベルを含む。
【0066】
別の実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、快適度評価結果を、スコア、例えば、快適度についての0~100点のスコアで表現し、ここで、100点は、最も高い快適度(例えば、差のゼロ絶対値)であることを示し、0点は、最も低い快適度(例えば、差の絶対値が第三の快適性閾値を上回る)であることを示す。この実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、アルゴリズムモデル又は機械学習モデルを使用して、快適度のスコアを与えてもよい。
【0067】
第三の快適性閾値は、実際の車両試験結果及び/又はモデル計算に従って取得され、事前に快適ブレーキモジュール20に記憶されることが理解されよう。
【0068】
上述の快適ブレーキ制御プロセス400、600、及び800では、ブレーキパラメータを修正した後の車両制動の快適度が、異なる次元から評価される。プロセス400によると、車両制動の終わり(すなわち、車両速度がゼロに低下し完全停止するまでのブレーキ期間)に対して、快適性評価を行うことができる。プロセス600及び800によると、車両制動の初期段階(すなわち、制動プロセス中の車両速度がより高い高速期間中)に対して、快適性評価を行うことができる。このようにして、制動プロセス全体を通して異なる段階でブレーキの快適さを最も適切な次元で評価することができ、正確かつ総合的なブレーキの快適性評価結果を得ることができる。
【0069】
図10は、本開示のさらに別の実施形態による、快適ブレーキ制御プロセス1000を示す。プロセス1000によれば、快適ブレーキモジュール20は、ユーザー体験及び上述の快適性評価結果に基づいて総合的な評価を行い、総合的な評価結果をユーザーに提供する。
【0070】
ブロック1002では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、ユーザー体験スコアを受信する。ユーザー体験スコアは、ブレーキパラメータを修正した後の車両の制動プロセスの体験に対してユーザーが提供するスコアである。ユーザー体験スコアが高いほど、ユーザー体験が良い。逆に、ユーザー体験スコアが低いほど、ユーザー体験が悪い。ユーザー体験スコアの範囲は、0~10の間であってもよく、0~100の間であってもよく、又は他の範囲又は形態で表現されてもよい。
【0071】
例えば、ユーザーがブレーキパラメータを修正し、ブレーキパラメータが修正された後に制動プロセスを体験し、その後、ユーザーが自分の体験を評価した。ユーザーは、例えば、タッチスクリーン上のグラフィカル・ユーザー・インターフェースのユーザー体験スコアのテキストボックスに「85点」を入力することによって、タッチスクリーン上で任意のスコアを入力することができる。ユーザーはまた、音声を使用して、例えば、ユーザーが 「ブレーキの体験スコアは85点です」と発言することで、任意のスコアを言うこともできる。
【0072】
ブロック1004で、快適ブレーキモジュール20は、受信したユーザー体験スコア及び上述の快適性評価結果のうちの一つ以上に基づいて、総合スコアを計算する。総合スコアが高いほど、この修正が受け入れられる程度又は確率が高くなる。
【0073】
一実施形態では、快適ブレーキモジュール20は、以下の式に基づいて総合スコアを計算する。
(数1) F=c*A1+(1-c)*A2
式中、Fは総合スコアであり、
A1は、正規化処理後のユーザー体験スコアであり、
A2は、正規化処理後の快適度の評価結果であり、
cは、A1の重み係数で、0<c<1である。
【0074】
この実施形態のパラメータA1に関して、快適ブレーキモジュール20は、ユーザー体験スコアを正規化して、0~1の間の正規化されたユーザー体験スコアA1を取得してもよい。
【0075】
この実施形態のパラメータA2に関して、快適ブレーキモジュール20は、上述のプロセス400、600、及び800で取得された第一~第三の評価結果のいずれかの評価結果を正規化して、0~1の間の正規化されたパラメータA2を取得してもよい。快適ブレーキモジュール20はまた、それぞれ上述のプロセス400、600、及び800で取得された第一~第三の評価結果を正規化して、計算された平均を取得し、0~1の間の正規化されたパラメータA2を取得してもよい。例えば、プロセス400、600、及び800で得られる結果は、それぞれ50、60、及び80点である。次に、快適ブレーキモジュール20は、最初に、それぞれ50点、60点、及び80点をそれぞれ正規化して、それぞれ0.5、0.6、及び0.8を取得し、次に、0.5、0.6、及び0.7の平均、すなわち、正規化されたパラメータA2を0.6として計算する。
【0076】
この実施形態のパラメータcは予め設定されていてもよく、例えば、ユーザー体験スコアの2つの要因と、快適度評価結果とが、総合スコアにおいて等しく重要であることを予め決定してもよく、cは事前に0.5に設定されてもよい。また、パラメータcは、用途シナリオ又はユーザー要件に応じて調整されてもよい。例えば、車両の制動プロセスがユーザー自身の感覚に従うことを要求するユーザーは、cをより大きな値、例えば、0.8に調整してもよく、それに応じて、パラメータA2の重み係数(1-c)は0.2である。
【0077】
こうした設定は有利である。ユーザー体験スコアと快適度評価結果の両方を正規化し、両方に重み係数を割り当てることによって、両方の要因を総合的な快適性スコアに同時に考慮することができ、総合的な快適性スコアを決定する際の両方の重要性の程度を、用途シナリオ及びユーザー要件に基づいて決定することができる。このようにして、総合的な快適性評価は、すなわち、ユーザーの主観的な感覚を含み、かつアルゴリズム論理を用いて計算された車両の挙動特性を含み、その結果、高度かつ人間中心主義でもある快適ブレーキ機能を達成するために、主観性と客観性を組み合わせた総合的な評価結果を得る。
【0078】
ブロック1006では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、総合スコアを提供する。例えば、総合スコアがタッチスクリーン上に表示されるか、総合スコアが音声で放送される。
【0079】
当然のことながら、プロセス1000は、ブレーキパラメータの修正が安全要件を満たす時に実施される。ブレーキパラメータの修正が安全要件を満たしていない場合、その修正は許可されず、また、快適性評価プロセスは実行されない。
【0080】
本開示の実施形態では、車両の「ユーザー」は、快適ブレーキレベルのブレーキパラメータを修正することができ、例えば、ユーザーは、ブレーキパラメータを修正する権限のある人物及び快適ブレーキシステム100の作成者を含んでもよい。ブレーキパラメータを修正する権限のある人物には、例えば、ブレーキパラメータを修正する権限のあるOEMエンジニア及び4S店のオペレーターが含まれる。
【0081】
本開示の実施形態は、自動運転車又は自動運転能力を有する車両に適用される。本明細書では、「自動運転車」又は「自動運転能力を有する車両」とは、運転手からの連続的介入(例えば、ステアリング、加速、又は制動)なしに運転を行うよう構成された車両を指す。「自動運転」には、部分自動運転(例えば、自動運転車に安全責任者が搭乗した、又は時折人間による介入を伴う自動運転)及び完全自動運転(例えば、自動運転車に安全責任者が搭乗していない、又は人間の運転手の介入を伴わない自動運転)が含まれてもよい。車両の自動運転能力は、車両上に搭載された先進運転支援システム又は自動運転システムを使用することによって実施されてもよい。
【0082】
図11は、本開示の実施形態による、快適ブレーキ制御方法1100を示す。方法1100は、前述のシステム100を使用することによって実施することができ、したがって、システム100に関する前述の説明もこの方法に適用可能である。
【0083】
図11を参照すると、ブロック1102で、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供する。
【0084】
ブロック1104では、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェース10は、一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つに対する修正を受信する。
【0085】
ブロック1106で、快適ブレーキモジュール20は、修正が安全要件を満たすかどうかを決定する。
【0086】
結果が肯定的であると決定すると、プロセス1100はブロック1110に入る。ブロック1110で、快適ブレーキモジュール20は、修正を許可する。
【0087】
結果が否定的であると決定すると、プロセス1100はブロック1108に入る。ブロック1108では、快適ブレーキモジュール20は、修正を禁止する。
【0088】
ブロック1112で、快適ブレーキモジュール20は、決定結果が肯定的である場合、修正後の車両制動の快適度を評価する。
【0089】
一部の実施は上述の通りであるが、これらの実施は例示としてのみ提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び主題内でなされるすべての修正、置換及び変更を網羅することが意図される。
【符号の説明】
【0090】
10 :インターフェース
20 :快適ブレーキモジュール
100 :快適ブレーキ制御システム
200 :インターフェース
300 :快適ブレーキ制御プロセス
400 :快適ブレーキ制御プロセス
600 :快適ブレーキ制御プロセス
800 :快適ブレーキ制御プロセス
1000 :快適ブレーキ制御プロセス
1100 :快適ブレーキ制御方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有する車両用の快適ブレーキ制御システムであって、各快適ブレーキレベルが、前記快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、前記快適ブレーキ制御システムが、
前記一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供し、前記一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つへの修正を受信するように構成された、ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースと、
前記修正が安全要件を満たすかどうかを決定し、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合は前記修正を許可し、前記修正が前記安全要件を満たさないと決定された場合は前記修正を禁止するように構成された、快適ブレーキモジュールと、を備え、
前記快適ブレーキモジュールが、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合の前記修正後の車両制動の快適度を評価するようにさらに構成される、快適ブレーキ制御システム。
【請求項2】
前記一つ以上のブレーキパラメータが、車両の前後方向速度、前後方向加速度、前記車両の少なくとも一つのブレーキシリンダのブレーキ圧力、及び前記ブレーキ圧力の変化率のうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項3】
前記快適ブレーキモジュールが、各快適ブレーキレベルで各ブレーキパラメータの所定の変更範囲を記憶し、
前記修正が安全要件を満たすかどうかの決定が、
前記修正された少なくとも一つのブレーキパラメータが、現在の快適ブレーキレベルの所定の変更範囲内にあるかどうかを決定することと、
前記決定結果が肯定的である場合に、前記修正が前記安全要件を満たすと決定することと、
前記決定結果が否定的である場合に、前記修正が前記安全要件を満たさないと決定することと、を含む、請求項1又は2に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項4】
前記快適度を評価することが、
前記車両の制動プロセスにおいて、ブレーキ期間中に前記車両の前記快適さを特徴付けることができる快適性パラメータを取得することと、
前記ブレーキ期間中の前記快適性パラメータの最大値と谷値との間の差の絶対値を計算することと、
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価して第一の評価結果を得ることと、を含み、前記第一の評価結果が、前記差の前記絶対値が小さいほど、前記快適度が高いことを含む、請求項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項5】
前記快適性パラメータが、前記車両の前後方向加速度、前記車両のピッチ角、及び前記車両のサスペンションの変位量のうちの一つ以上を含む、請求項4に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項6】
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価することが、
前記差の前記絶対値が第一の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第一の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第一の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項4又は5に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項7】
前記快適ブレーキモジュールが、前記制動プロセスで予想加速度を記憶し、
前記快適度を評価することが、
前記制動プロセスにおける高速期間中の実際の加速度を取得することであって、前記高速期間が、前記車両の前記車両速度が、前記快適ブレーキを開始する瞬間の車両速度から所定の車両速度まで低下する期間を指す、取得することと、
前記実際の加速度と前記予想加速度との間の加速度差を計算することと、
前記加速度差に基づいて前記快適度を評価して、第二の評価結果を取得することであって、前記第二の評価結果が、前記加速度差がゼロに近いほど前記快適度が高いことを含む、評価することと、を含む、請求項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項8】
前記加速度差に基づいて前記快適度を評価することが、
前記加速度差の前記絶対値が第二の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第二の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第二の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項7に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項9】
前記快適ブレーキモジュールが、前記制動プロセスで予想加速度を記憶し、
前記快適度を評価することが、
前記制動プロセスにおける高速期間中の実際の加速度を取得することであって、前記高速期間が、前記車両の前記車両速度が、前記快適ブレーキを開始する瞬間の車両速度から所定の車両速度まで低下する期間を指す、取得することと、
前記実際の加速度と前記予想加速度との間の加速度差を計算することと、
前記加速度差と前記予想加速度との間の比率を計算することと、
前記比率と前記比率の比率閾値との差の絶対値を計算することと、
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価して第三の評価結果を得ることと、を含み、前記第三の評価結果が、前記差の前記絶対値が小さいほど前記快適度が高いことを含む、請求項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項10】
前記差の前記絶対値に基づいて前記快適度を評価することが、
前記差の前記絶対値が第三の快適性閾値よりも小さいかどうかを決定することを含み、
前記決定結果が肯定的である場合、前記第三の評価結果は前記快適さが満足のいくものであり、
前記決定結果が否定的である場合、前記第三の評価結果は前記快適さが満足のいかないものである、請求項9に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項11】
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、前記修正後の前記車両の制動プロセスの体験に対してユーザーが与えるユーザー体験スコアを受信するようにさらに構成され、
前記快適ブレーキモジュールが、前記ユーザー体験スコア及び前記快適度の前記評価結果に基づいて総合スコアを計算するようにさらに構成され、
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、前記総合スコアを提供するようにさらに構成される、請求項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項12】
総合スコアの計算が、(数1)に基づいて、前記総合スコアを計算することを含む、請求項11に記載の快適ブレーキ制御システム。
(数1) F=c*A1+(1-c)*A2
(式中、Fは前記総合スコアであり、
A1は、正規化処理後の前記ユーザー体験スコアであり、
A2は、正規化処理後の前記快適度の前記評価結果であり、
cは、A1の重み係数で、0<c<1である)
【請求項13】
前記快適ブレーキ制御システムが、前記車両内に配置され、
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・インターフェースが、音声インタラクション・インターフェース、タッチスクリーン、及び物理キーのうちの少なくとも一つを備え、
前記快適ブレーキモジュールが、前記車両の前記ブレーキシステムの制御ユニット内に配置されるか、又は前記車両のドメインコントローラ内に配置される、請求項に記載の快適ブレーキ制御システム。
【請求項14】
請求項に記載の前記快適ブレーキ制御システムによって任意選択的に実施される、車両用の快適ブレーキ制御方法であって、前記車両が複数の任意選択の快適ブレーキレベルを有し、各快適ブレーキレベルが、前記快適ブレーキレベルに対応する一つ以上のブレーキパラメータを含み、前記方法が、
前記一つ以上のブレーキパラメータを修正するためのインターフェースを提供することと、
前記一つ以上のブレーキパラメータのうちの少なくとも一つに対する修正を受信することと、
前記修正が前記安全要件を満たすかどうかの決定することと、
前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合に前記修正を許可することと、
前記修正が前記安全要件を満たさないと決定された場合に前記修正を禁止することと、を含み、
前記方法が、前記修正が前記安全要件を満たすと決定された場合に前記修正後の車両制動の快適度を評価することをさらに含む、快適ブレーキ制御方法。
【外国語明細書】