(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184488
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】壁フレームと、壁フレームに対して移動可能なアプリケーションフレームとを有する装置
(51)【国際特許分類】
F16M 13/02 20060101AFI20231221BHJP
F16F 1/04 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
F16M13/02 D
F16F1/04
F16M13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098177
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2032203
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(71)【出願人】
【識別番号】512024381
【氏名又は名称】アンヒス・テクノロジー・ベスローテン・フエンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンデラウフ、パウル アウグスト マリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォジク、ヘンドリクス タデウシュ
(72)【発明者】
【氏名】シュメッツ、ロバート ヒューベルト マーセル
(72)【発明者】
【氏名】ユーリッセ、テイス
【テーマコード(参考)】
3J059
【Fターム(参考)】
3J059BA01
3J059BB04
3J059BD02
3J059CA02
3J059CB04
3J059GA50
(57)【要約】
【課題】壁フレームと、壁フレームに対して移動可能なアプリケーションフレームとを有する装置を簡略化してコストを低減し、さらに必要寸法を低減する。
【解決手段】第2のばねシステム5と調整装置6とが、互いの単一の側においてのみ互いに向かい合うことで、装置内におけるばねと調整装置6との非対称構造が設けられる。調整装置6は、単一の軌道プロファイル要素7を有するとともに、第1のヒンジ10で互いに接続される第1のアーム8と第2のアーム9とのみを有する。第1のアーム8における第1のヒンジ10から遠い端部8′は、第2のヒンジ11によってアプリケーションフレーム3に接続され、第2のアーム9における第1のヒンジ10から遠い端部9′は、第3のヒンジ12によって第2のばねシステム5に接続され、第1のヒンジ10は、単一の軌道プロファイル要素7に移動可能に接続されて案内される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁フレーム(2)とアプリケーションフレーム(3)とを備え、アプリケーションフレーム(3)が壁フレーム(2)に対して移動可能である装置(1)であり、この装置(1)は、第1のばねシステム(4)と第2のばねシステム(5)とをさらに備え、これらの2つのばねシステム(4、5)は、アプリケーションフレーム(3)に力を加えるために壁フレーム(2)とアプリケーションフレーム(3)とにそれぞれ結合され、第1のばねシステム(4)は、その一端および他端が壁フレーム(2)とアプリケーションフレーム(3)とにそれぞれ結合されており、第2のばねシステム(5)は、第1の端部(5′)において壁フレーム(2)に接続されているとともに、前記第1の端部(5′)から離れた第2の端部(5′′)において、前記アプリケーションフレーム(3)と連結された調整装置(6)に接続されており、前記調整装置(6)は、アプリケーションフレーム(3)が壁フレーム(2)に対して移動するときに、第2のばねシステム(5)の伸長を変化させるように配置された前記装置(1)において、
前記第2のばねシステム(5)と調整装置(6)とは、互いの単一の側においてのみ互いに向かい合い、第2のばねシステム(5)は、前記単一の側以外の他の側において調整装置(6)に向かい合うことはなく、これによって、装置内におけるばねと調整装置(6)との非対称構造が設けられ、調整装置(6)は、単一の軌道プロファイル要素(7)を有するとともに、第1のヒンジ(10)で互いに接続される第1のアーム(8)と第2のアーム(9)とのみを有して、これら第1のアーム(8)と第2のアーム(9)と以外は有さず、第1のアーム(8)における第1のヒンジ(10)から遠い端部(8′)は、第2のヒンジ(11)によってアプリケーションフレーム(3)に接続され、第2のアーム(9)における第1のヒンジ(10)から遠い端部(9′)は、第3のヒンジ(12)によって第2のばねシステム(5)に接続され、第1のアーム(8)と第2のアーム(9)とを結合する第1のヒンジ(10)は、単一の軌道プロファイル要素(7)に移動可能に接続されて、単一の軌道プロファイル要素(7)により案内されることを特徴とする装置。
【請求項2】
調整装置(6)が、装置(1)によって占有される空間を制限するように、装置(1)の前壁および後壁(1′、1′′)を基準にして斜めかつ非平行に配向されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
調整装置(6)は、装置(1)の前壁および後壁(1′、1′′)を基準にして約5°の角度で配置されていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
第3のヒンジ(12)に、アプリケーションフレーム(3)に設けられた第1のホイールガイド(14)内を走行する第1のガイドホイール(13)が設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
アプリケーションフレーム(3)に、壁フレーム(2)に設けられた第2のホイールガイド(16)内を走行する単数または複数の第2のガイドホイール(15)が設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁フレームと、壁フレームに対して移動可能なアプリケーションフレームとを有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記装置は、第1のばねシステムおよび第2のばねシステムをさらに有する。この2つのばねシステムは、それぞれ壁フレームおよびアプリケーションフレームと結合し、アプリケーションフレームに加えられる力を発生する。第1のばねシステムは、一端が壁フレームに接続されるとともに、他端がアプリケーションフレームに接続される。第2のばねシステムは、この第2のばねシステムの一端が壁フレームに接続されるとともに、前記第2のばねシステムの一端から離れた第2のばねシステムの他端が、アプリケーションフレームに結合される調整装置に接続される。前記調整装置は、アプリケーションフレームが壁フレームに対して移動したときに第2のばねシステムの伸長を変えるように配置されている。
【0003】
本出願人はこのような装置を市場に供給しており、この装置は、特許文献1および特許文献2よって開示された平衡機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第2223004号明細書
【特許文献2】特表2011-510228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2によって知られている装置および機構は満足に動作するが、本発明の目的の一つは、このような公知の装置を簡略化してコストを低減し、さらに公知の装置の必要寸法を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、特許請求の範囲における1つ以上の請求項の特徴を有する装置が提案される。
【0007】
本発明の第1の態様では、第2のばねシステムと調整装置とは、互いの単一の側においてのみ互いに向かい合い、第2のばねシステムは、前記単一の側以外の他の側において調整装置に向かい合うことはない。これによって、装置内におけるばねと調整装置との非対称構造が設けられる。同時に、調整装置は、単一の軌道プロファイル要素を有するとともに、第1のヒンジで互いに接続される第1のアームと第2のアームとのみ(それ以外は有さない)を有する。第1のアームにおける第1のヒンジから遠い端部は、第2のヒンジによってアプリケーションフレームに接続される。第2のアームにおける第1のヒンジから遠い端部は、第3のヒンジによって第2のばねシステムに接続される。第1のアームと第2のアームとを結合する第1のヒンジは、単一の軌道プロファイル要素に移動可能に接続されて、単一の軌道プロファイル要素により案内される。
【0008】
したがって、本発明の装置は、必要な部品点数が少なく、このため構造が簡単であり、コスト効率が高い。さらに、本発明の装置のサイズは、既知の装置と比較して顕著に縮小される。
【0009】
調整装置が斜めに配置されることで、すなわち装置の前壁および後壁に対して明らかに非平行に配置されることで、占有スペースのさらなる縮小が可能である。好ましくは、調整装置は、装置の前壁および後壁を基準として約5°の角度とされることによって、このような明らかに非平行な方向に配置される。
【0010】
本発明の装置の円滑な動作のために、第3のヒンジに、アプリケーションフレームに設けられた第1のホイールガイド内を走行する第1のガイドホイールが設けられていることが好ましい。
【0011】
アプリケーションフレームに、壁フレームに設けられた第2のホイールガイド内を走行する単数または複数の第2のガイドホイールが設けられていることが、さらに好ましい。これは、本発明の装置の円滑な動作をさらに支援する。なぜなら、特に、単一の軌道プロファイル要素に作用する力が非対称であるため、そうしなければ、壁フレームを基準としたアプリケーションフレームのアウトラインが不適切になる可能性があるためである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の装置は、必要な部品点数が少なく、したがって構造が簡単であり、コスト効率が高い。さらに、本発明の装置のサイズは、既知の装置と比較して顕著に縮小される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の装置を開いた状態で示す、側面図である。
【
図3】本発明の装置における壁フレームに対するアプリケーションフレームの位置関係を示す図である。
【
図4】本発明の装置における壁フレームに対するアプリケーションフレームの別の位置関係を示す図である。
【
図5】本発明の装置における壁フレームに対するアプリケーションフレームのさらに別の位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、特許請求の範囲に関して限定的ではない、本発明による装置の例示的な実施形態の図面を参照して、本発明をさらに解明していく。
【0015】
図中、同じ参照符号が適用されている場合、これらの符号は同じ部材を指す。
【0016】
図2では、本発明の装置1が、断面視の平面図で示されている。この図は、装置1が、固定部に取り付けられる壁フレーム2と、広告板や黒板のような特定のアプリケーションをサポートすることができるアプリケーションフレーム3とを有することを示す。
図3~
図5に示すように、アプリケーションフレーム3は、壁フレーム2に対して移動可能である。
図3ではアプリケーションフレーム3と壁フレーム2とは同じ高さにあるが、
図4と
図5とでは、アプリケーションフレーム3は、部分的に(
図4)および完全に(
図5)、下方に移動する。
【0017】
図2に戻ると、本発明の装置1が、
図1にも示されているように、第1のばねシステム4と、第2のばねシステム5とをさらに有していることが示されている。前記2つのばねシステム4、5は、それぞれ壁フレーム2およびアプリケーションフレーム3と結合され、アプリケーションフレーム3が壁フレーム2に対する移動全体にわたってバランスをとるように、アプリケーションフレーム3に加えられる力を生成する。
【0018】
第1のばねシステム4は、その一端および他端がそれぞれ壁フレーム2およびアプリケーションフレーム3に連結されている。このことは、
図3、4、5において最もよく理解される。
【0019】
第2のばねシステム5は、第1の端部5′において壁フレーム2に接続されており、また第2のばねシステム5は、第1の端部5′から離れた第2の端部5′′において、アプリケーションフレーム3と結合される調整装置6に接続されている。調整装置6は、アプリケーションフレーム3が壁フレーム2に対して移動するときに、第2のばねシステム5の伸長を変化させるように配置されている。これは、
図3、4、5を比較することによって再び最もよく理解され得る。
図3は、第2のばねシステム5が全くまたはほとんど伸長していない、スタート位置での装置1を示す。
図4では、アプリケーションフレーム3が半分ほど下方に移動した時点で、第2のスプリングシステム5の伸長が、最大伸長に向けて増加している。最後に、
図5では、アプリケーションフレーム3が最大限まで下降しており、第2のばねシステム5は、
図4に示す位置におけるよりもわずかに少なく伸長している。
【0020】
一つのことと別のこととを達成するために、これらの
図3、4、5は、調整装置6が、単一の軌道プロファイル要素7と、第1のヒンジ10で互いに接続される第1のアーム8および第2のアーム9とを有することを示す。第1のアーム8と第2のアーム9とは、これらのみで構成され、かつ、それ以上ではないものである。第1のアーム8と第2のアーム9とを結合する第1のヒンジ10は、単一の軌道プロファイル要素7に移動可能に接続され、かつ単一の軌道プロファイル要素7によって案内される。さらに、第1のアームユにおける第1のヒンジ10から離れた端部8′は、第2のヒンジ11によってアプリケーションフレーム3に接続されている。同様に、第2のアーム9における第1のヒンジ10から離れた端部9′は、第3のヒンジ12によって第2のばねシステム5に接続されている。第3のヒンジ12は、第1のガイドホイール13を備える。第1のガイドホイール13は、アプリケーションフレーム3に設けられた第1のホイールガイド14内を走行する。これは、以下のことを示す。すなわち、第2のばねシステム5と調整装置6とは互いの一側においてのみ互いに向かい合い、第2のばねシステム5は前記一側以外の他の側では向かい合わず、それによって、装置1の内部におけるばねと調整装置6との非対称で省スペースの配置が提供される。
【0021】
図2に戻ると、調整装置6が好ましくは意図的に斜め方向にも向けられていることが示されている。すなわち、調整装置6が、装置1の前壁1′および後壁1′′に対して非平行に配向されることが示されている。好ましくは、調整装置6は、装置1の前壁1′および後壁1′′を基準として約5°の角度が付与されることによって、そのような明らかに非平行な配向で配置される。
【0022】
図2は、アプリケーションフレーム3が、壁フレーム2に設けられた第2のホイールガイド16内を走行する単数または複数の第2のガイドホイール15を備えることをさらに示す。
【0023】
本発明の実施形態は、本明細書に開示される特徴のあらゆる組み合わせを互いに独立して含むことができる。本発明は、本発明の装置の例示的な実施形態を参照して上で議論されてきたが、本発明から逸脱することなく多くの方法で変化させることができ、この特定の実施形態に制限されない。したがって、説明した例示的な実施形態は、特許請求の範囲をそれに従って厳密に解釈するために使用されることはない。それどころか、この実施形態は、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定する意図はなく、単に特許請求の範囲の文言を説明するためのものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲のみに従って解釈されるものとし、特許請求の範囲の文言における起こり得る曖昧さは、この例示的な実施形態を用いて解決されるものとする。本発明の変形および修正は、当業者には明らかであり、特許請求の範囲において、そのようなすべての修正および同等物をカバーすることが意図される。上記で引用した全ての文献、出願、特許、および出版物の全開示内容は、参照によりここに組み込まれる。上記で「必須」であると特に記載されていない限り、様々な構成要素またはその相互関係は、いずれも本発明の動作にとって必須ではない。むしろ、様々な構成要素を代用し、および/またはそれらの相互の関係を再構成することによって、望ましい結果を達成することができる。