IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特開2023-184491低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ
<>
  • 特開-低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ 図1
  • 特開-低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ 図2
  • 特開-低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ 図3
  • 特開-低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184491
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】低電力構成要素を有する高電力マルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20231221BHJP
   A61N 1/32 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61B18/12
A61N1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098328
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】17/841,784
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ユーリ・シャミス
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ライラ・マージアーノ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C160
【Fターム(参考)】
4C053JJ01
4C053JJ40
4C160KK03
4C160KK23
4C160KK38
4C160KK51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パルスの列を伝送するためのスイッチアセンブリを提供すること。
【解決手段】第1の複数の第1のリレーは、並列に接続されており、第1のアセンブリ端子に接続されている第1の接点と、第2の接点と、を有する。第1のコンデンサは、第1のリレーと並列に接続されている。第2の複数の第2のリレーは、並列に接続されており、第3の接点と、第2のアセンブリ端子に接続された第4の接点と、を有する。第2のコンデンサは、第2のリレーと並列に接続されている。接続部は、第2の接点を第3の接点に接続する。第1のリレー及び第2のリレーの作動時に、第1の接点及び第2の接点が接続し、第3の接点及び第4の接点が接続し、そのため、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子が接続する。第1のリレー及び第2のリレーの停止時に、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子が接続解除する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスの列を伝送するためのスイッチアセンブリであって、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
並列に接続された第1の複数の第1のリレーであって、それによって、前記第1のリレーが、共に接続されたそれぞれの第1の接点を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第2の接点を有し、前記それぞれの第1の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数の第1のリレーと、
前記第1の複数の第1のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
並列に接続された第2の複数の第2のリレーであって、それによって、前記第2のリレーが、共に接続されたそれぞれの第3の接点を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第4の接点を有し、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数の第2のリレーと、
前記第2の複数の第2のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第2の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備え、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有し、
それによって、前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーの作動時に、前記それぞれの第1の接点及び前記それぞれの第2の接点が接続し、前記それぞれの第3の接点及び前記それぞれの第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーの停止時に、前記それぞれの第1の接点及び前記それぞれの第2の接点が接続解除し、前記それぞれの第3の接点及び前記それぞれの第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、スイッチアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のリレーのうちの少なくとも1つ、又は前記第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されており、前記単投リレーが、単極リレー又は双極リレーである、請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の複数の第1のリレーを動作させるように構成された第1の電源と、前記第2の複数の第2のリレーを動作させるように構成された第2の電源と、を備え、前記第1の電源によって前記第1の複数のリレーに送給される第1の電力が、前記第2の電源によって前記第2の複数のリレーに送給される第2の電力から電気的に絶縁されている、請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のリレー及び前記第2のリレーが、事前設定された電圧で定格され、前記パルスの前記振幅が、前記事前設定された電圧の150%よりも大きい、請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項5】
パルスの列を伝送するためのマルチプレクサであって、前記マルチプレクサが、
複数のスイッチアセンブリであって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
それぞれの第1の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第2の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第1の複数のリレーであって、前記それぞれの第2の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレーと、
前記第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
それぞれの第3の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第4の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第2の複数のリレーであって、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレーと、
前記第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数のリレー及び前記第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備える、複数のスイッチアセンブリと、
コントローラであって、前記スイッチアセンブリを独立して作動させるように構成されており、そのため、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されるように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記所与のスイッチアセンブリの停止時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続解除し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されないように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、コントローラと、を備え、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、マルチプレクサ。
【請求項6】
前記複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、前記第1のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子が、前記第2のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子に接続されている、請求項5に記載のマルチプレクサ。
【請求項7】
それぞれ前記第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、前記第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を備え、各チャネルが、前記スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、請求項5に記載のマルチプレクサ。
【請求項8】
パルスの列を伝送するための方法であって、前記方法が、
複数のスイッチアセンブリを有するマルチプレクサを提供することであって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
それぞれの第1の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第2の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第1の複数のリレーであって、前記それぞれの第2の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレーと、
前記第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
それぞれの第3の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第4の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第2の複数のリレーであって、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレーと、
前記第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数のリレー及び前記第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備える、提供することと、
前記スイッチアセンブリを独立して作動させることであって、そのため、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されるように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記所与のスイッチアセンブリの停止時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続解除し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されないように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、作動させることと、を含み、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、方法。
【請求項9】
前記複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、前記第1のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子が、前記第2のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子に接続されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それぞれ前記第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、前記第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を提供することを含み、各チャネルが、前記スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外科手術に使用されるアブレーションに関し、具体的には、不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用して実行されるアブレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
IREは、強い電界の短パルスを印加して細胞膜内に永久的、それゆえ致死的なナノ細孔を作製し、それにより細胞恒常性(内部の物理的条件及び化学的条件)を崩壊させる軟組織アブレーション技術である。IRE後の細胞死は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)に起因し、全ての他の熱又は放射線ベースのアブレーション技術におけるような壊死(細胞自体の酵素の作用を通じて細胞の破壊をもたらす細胞傷害)に起因しない。IREは一般的に、正確さ、並びに細胞外マトリックス、血流、及び神経の保全が重要な領域における腫瘍のアブレーションで使用される。IREを使用するシステムのいくつかの例を以下に提供する。
【0003】
Altmannらの米国特許出願公開第2021/0161592号は、1対又は2対以上の電極間に第1の種類及び第2の種類の信号を交互に印加すると述べられている電気信号発生器を説明している。第1の種類の信号は、電極が接触する組織内に不可逆的電気泳動を引き起こすのに十分な振幅を有する双極性パルスのシーケンスを含む。
【0004】
Viswanathanの米国特許出願公開第2021/0022794号は、使用中に1セットの電極に結合された1セットの電極チャネルを含むことができる発生器を説明している。電極チャネルのセットからの各電極チャネルは、スイッチの第1のセットからの第1のスイッチ、及びスイッチの第2のセットからの第2のスイッチを含み得る。エネルギー源のセットは、スイッチの第3のセットに結合され得る。スイッチの第3のセットは、エネルギー源のセットを電極のセットに結合するためにオフ状態からオン状態に切り替わるように構成され得る。
【0005】
SHAN CHUNYUらの中国特許出願第112336448(A)号は、エネルギー貯蔵回路、第1のDC AC変換回路、絶縁変換回路、及びAC DC変換回路を備え、これらが順に接続されている不可逆的エレクトロポレーション回路を説明している。
【0006】
Boydらの欧州特許出願第0358336(A)号は、500~3600ボルトの電圧及び5~500マイクロ秒の持続時間を有する一連の電気パルスを生成するように適合されると述べられているパルス発生器を説明している。パルスは、トラット組織に印加され得る。
【0007】
メカトロニクスに関する2017年の第12回国際会議の議事録におけるCervinkaらによる「High-Voltage Pulse Source for Cell Electroporation」と題された論文は、治療される組織に短い高電圧パルスを送給する目的のための、インパルス電源の開発及び試験プロセスを説明している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上述及び他の特徴及び利点は、添付図面に例証されるような、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明白となるであろう。
図1】IREアブレーション処置で使用されるマルチチャネルIRE(不可逆的エレクトロポレーション)システムの概略的な絵図である。
図2】IRE発生器によって発生された双極性電気パルス列の電圧対時間グラフの概略図である。
図3】マルチプレクサと、IRE発生器及び電極へのその接続部との概略図である。
図4】スイッチアセンブリの内部構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
IRE(不可逆的エレクトロポレーション)アブレーションに使用される短い電気パルスは、典型的には、1~2.5kV程度、例えば2kVの高電圧パルスであり、典型的にはおよそ1~10アンペアの範囲の高電流をアブレーションされる組織に伝送する。伝送される電流は負荷に依存し、典型的には100~200オームの範囲である。パルスは、カテーテルの1対の電極間で伝送され得、この場合、各電極は単一電極である。代替的に、一方又は両方の電極は、複数の「サブ電極」を備え得る。両方の電極は、典型的には、アブレーションされる組織に近接しているが、場合によっては、一方の電極のみが組織に近接し、対の他方の電極は、組織から離れている。例えば、アブレーションされる組織が患者の心臓内にある場合、他方の電極は患者の皮膚上にあり得る。
【0010】
両方の電極がアブレーションされる組織に近接している場合、IREアブレーション処置は、典型的には、組織の選択された標的領域を効率的にアブレーションするために、異なる物理的位置にある複数対の電極間でパルスを伝送させる必要がある。多数の電極が存在する場合、これは、レガシー状況の場合のように、IRE発生器が電極の数よりも少ないチャネルを有する場合には問題となる。その結果、パルス送給は、複数の対の間で時間的に連続して切り替えられるか、又は多重化される必要がある。理論的には可能であるが、スイッチを使用するそのような切り替えは高価である。なぜなら、スイッチは、高電力を伝送するために定格される必要がある、すなわち、損傷を受けることなく、上述の高電圧及び高電流を伝送することができる必要があるからである。典型的な低価格リレースイッチは、1.5kVまでしか定格されていない。高電力を伝送するために定格されたデバイスは、本明細書では高定格デバイスとも呼ばれる。
【0011】
本開示の実施例は、チャネル間で高電圧/高電流のIREパルスを効率的に切り替えるために使用され得るマルチプレクサを提供する。マルチプレクサは、複数のスイッチアセンブリを制御するコントローラを備え、各アセンブリは、複数のリレーからなる。アセンブリ内の各リレーは、低電力を伝送するために定格されることのみが必要であり、すなわち、IREパルス電圧及び電流の一部分である電圧及び電流に対して定格されることのみが必要である。低電力を伝送するために定格されたデバイスは、本明細書では低定格デバイスとも呼ばれる。本明細書では、低定格デバイスは、1.5kV以下で動作することができ、2アンペア以下を伝送することができると仮定する。
【0012】
しかしながら、以下に説明されるように構成された場合、各アセンブリは高定格であり、すなわち、総合すれば、アセンブリの構成要素は、損傷を受けることなく、IREパルスに関連付けられた高電圧及び高電流を伝送することができる。
【0013】
各スイッチアセンブリは、低定格構成要素のセットから形成される。以下に説明される一実施例では、2つのセットがあり、各セットは、並列に接続された1対の双極単投(double-pole single throw、DPST)低定格リレーを備える。各リレーは、それぞれ第1の接点及び第2の接点を備え、これにより各セットにおいて、全ての第1の接点が共に接続されており、全ての第2の接点が共に接続されている。各セットにおいて、コンデンサはリレーの対と並列に接続されている。
【0014】
スイッチアセンブリは、2つのセットを直列に接続することによって形成されるため、第1のセットの第2の接点が、第2のセットの第1の接点に接続されている。第1のアセンブリ端子は、第1のセットの第1の接点に接続されており、第2のアセンブリ端子は第2のセットの第2の接点に接続されている。
【0015】
以下に説明されるように、スイッチアセンブリは、高定格の単極単投(single pole single throw、SPST)リレーとして機能し、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子が、接続又は接続解除される。接続されているアセンブリ端子は、本明細書では、閉じた端子としても説明され、接続解除されるアセンブリ端子は、本明細書では、開かれた端子としても説明される。
【0016】
スイッチアセンブリ内で、第1のセット及び第2のセットは、セットのDPSTリレーを駆動するそれぞれの電源を備える。マルチプレクサコントローラは、電源を起動して、第1のセットの全ての第1の接点及び第2の接点と、第2のセットの全ての第1の接点及び第2の接点とを接続し、したがって、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続する。電源が停止すると、第1のセットの全ての第1の接点及び第2の接点、並びに第2のセットの全ての第1の接点及び第2の接点は、接続解除し、そのため、第1の端子及び第2の端子は、接続解除される。接続されているリレー接点は、本明細書では、閉じた接点としても説明され、接続解除されるリレー接点は、本明細書では、開かれた接点としても説明される。
【0017】
典型的には、スイッチアセンブリの高定格を維持するために、第1のセット及び第2のセットの構成要素の電源は、互いに絶縁される。カテーテルの電極は、電源入力からの電圧及び/又は電流の予想外のサージを回避するために、電源から絶縁される。
【0018】
動作中、第1のアセンブリ端子と第2のアセンブリ端子との間で伝送される電力は、アセンブリの全てのリレー間で分配される。分配のため、各リレー接点を通る電流はIREパルス電流の一部分であり、4つの並列電流経路のため典型的にはおよそ25%である。また、分配によりかつコンデンサにより、各リレーの第1の接点と第2の接点との間の電圧は、IREパルス電圧の一部分であり、アセンブリの各セットにわたるコンデンサが等しく、かつコンデンサのインピーダンスがリレーのインピーダンスよりも著しく小さい場合、電圧は、IREパルス電圧のおよそ50%である。
【0019】
上記の例は、DPSTリレーがスイッチアセンブリに使用されることを仮定している。代替的な実施例は、各DPSTリレーの代わりに2つの低定格SPSTリレーを使用し、当業者であれば、SPSTリレーを使用してスイッチアセンブリを形成するために、上の説明を必要な変更を加えて適合させることができる。
【0020】
マルチプレクサとして動作するために、各電極は、例えば、30個の電極を有するカテーテルに対して、それぞれのスイッチアセンブリに接続されており、アセンブリは、コントローラによって個別に制御される。
【0021】
システム概要
ここで図1を参照すると、これは、IREアブレーション処置で使用されるマルチチャネルIRE(不可逆的エレクトロポレーション)システム20の概略的な絵図である。描写された実施例では、医師22は、IREシステム20を使用して、マルチチャネルIREアブレーション処置を実行する。医師22は、本明細書では例としてバスケットカテーテル29を含むと想定される遠位端28を有するアブレーションカテーテルプローブ26を使用して、被検者24の心臓52内の組織58について処置を実行する。バスケットカテーテル29は、カテーテルのスパイン31の長さに沿って配置された複数のアブレーション電極27を含む。
【0022】
IREシステム20は、プロセッサ32及びIREモジュール34を含み、IREモジュールは、IRE発生器36及びIREコントローラ38を含む。発生器36と同様のIRE発生器が、米国特許出願第16/701,989号に説明されている。以下で詳述するように、IRE発生器36は、IRE処置を実行するために、間に電流72を発生させるように、選択された電極27に向けられる電気パルスの列を発生させる。電気パルスの列の波形(タイミング及び振幅)は、IREコントローラ38によって制御される。コントローラ38に類似したコントローラもまた、上記で参照された米国特許出願に説明されている。
【0023】
図2は、本開示の一実施例による、IRE発生器36によって発生された双極性電気パルス列の電圧対時間グラフ200の概略図である。典型的には、パルスは、マルチプレクサ80によって選択される送信電極及び戻り電極を含む電極27間で搬送され、パルスのうちの1つ又は2つ以上のバースト202の形態である。本明細書では、バーストは、個々の双極性パルス206のうちの1つ又は2つ以上の列204を含む。この図では、列204は8つの個々のパルスを含むが、列は8つ以外の個々の双極性パルスを含み得る。
【0024】
各パルス206は、およそ2000V、2500V、又はおよそ3000Vの振幅を有する。すなわち、3000Vの振幅に対して、双極性パルスの正の部分の電位V+は+3000Vであり、パルスの負の部分の電位V-は-3000Vである。一例では、IRE発生器36からのパルスは、480kHzの周波数を有し、別の例では、周波数は250kHzである。IRE発生器36からのパルスにおける、パルス振幅及び周波数の値を含むパルスパラメータの値の典型的な範囲が以下の表Iに与えられる。パルス振幅の値から、マルチプレクサ80の定格は少なくとも3000Vである必要があることが理解されるであろう。
【0025】
【表1】
【0026】
図1を参照すると、プロセッサ32及びIREコントローラ38は各々、典型的にはプログラマブルプロセッサを含み、プログラマブルプロセッサは、本明細書に説明される機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はファームウェアでプログラムされている。代替的に、又は追加的に、プロセッサ及びコントローラは、これらの機能の少なくとも一部を実行するハードワイヤード及び/又はプログラマブルハードウェア論理回路を備え得る。プロセッサ32及びIREコントローラ38は、簡略化のために、別個のモノリシックな機能ブロックとして図に示されているが、実際には、これらの機能の一部は単一の処理及び制御ユニット内で組み合わされ得る。いくつかの実施例では、IREコントローラ38は、典型的には、高速制御信号がIREコントローラからIRE発生器36に送信されるので、IREモジュール34内に常駐する。しかしながら、十分に高速の信号がプロセッサ32からIRE発生器36に送信され得る限り、IREコントローラ38は、プロセッサ内に常駐し得る。
【0027】
プロセッサ32及びIREモジュール34は典型的には、コンソール40内に常駐する。コンソール40は、医師22によって操作されるキーボード及びマウスなどの入力デバイス42を備える。ディスプレイスクリーン44は、コンソール40に近接して位置する。スクリーン44は、心臓68の画像を表示するために利用され得る。ディスプレイスクリーン44は、任意選択的にタッチスクリーンを含み得、それにより別の入力デバイスを提供することができる。
【0028】
IREシステム20は、以下のモジュール(典型的には、コンソール40内に常駐する)のうちの1つ又は2つ以上を更に含み得る。
●心電図(electrocardiogram、ECG)モジュール46は、被験者24に取り付けられたECG電極50に、ケーブル48を介して結合されている。ECGモジュール46は、被験者24の心臓52の電気活動を測定するように構成されている。
●追跡モジュール60は、バスケットカテーテル29の1つ又は2つ以上の電磁位置センサ61に結合されている。磁場発生器62によって発生された外部磁場の存在下で、電磁位置センサは、センサの位置と共に変化する信号を出力する。これらの信号に基づいて、追跡モジュール60は、心臓52内の電極27の位置を確認し得る。
【0029】
外部磁場を使用する位置追跡方法は、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)が製造するCARTO(商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に説明されている。
【0030】
代替的に、又は追加的に、モジュール60は、電極27によって伝送される電流又は電極27から見たインピーダンスに基づく追跡システムを使用することができる。そのようなシステムにおいて、モジュール60は、所与の電極27の位置を、所与の電極と被験者24の皮膚に取り付けられた複数の表面電極63との間の電流又はインピーダンスに応答して推定する。米国特許第8,456,182号に説明されているBiosense-Webster(Irvine,California)製のAdvanced Current Location(ACL)システムが、そのような追跡システムである。
【0031】
プローブ26は、図3及び図4に関してより詳細に説明される電極マルチプレクサ80を介してコンソール40に結合される。したがって、IRE信号は、マルチプレクサ80を介して、IRE発生器36とバスケットカテーテル29の電極27との間で伝送される。同様に、ECG信号などの電極27からの他の信号、及び/又は上述のACLシステムを使用してバスケットカテーテル29の電極の位置を追跡するために使用され得る信号は、マルチプレクサ80を介してプロセッサ32によって受信され得る。
【0032】
外部電極65、すなわち「リターンパッチ」は、被験者24、典型的には被験者の胴体の皮膚上、と、IRE発生器36との間の外部に追加的に結合され得る。IRE信号は、典型的にはIRE電流が電極27間を流れるように生成されるが、場合によっては、IRE電流は、1つ又は2つ以上の電極27と外部電極65との間を流れるように構成され得る。
【0033】
図3は、マルチプレクサ80と、IRE発生器36及び電極27へのその接続部との概略図である。以下の説明では、IRE発生器36は、10個のチャネル82を備えると仮定され、チャネル82の各々は、IRE信号を発生器へ送信又は発生器から受信するように構成することができる。以下に説明するように、10個のチャネルは、スパイン31上に位置する電極27に接続された30個の電極チャネルC1~C30に多重化される。以下、図中のエンティティの個々の要素は、必要に応じて、添え字を付加することによって識別される。例えば、異なるチャネル82は、付加された下付き文字82で識別され、nは、1~10の整数であり、異なる電極27は、付加された下付き文字27で識別され、mは、1~30の整数である。
【0034】
簡単かつ明確にするために、マルチプレクサ80は、IRE発生器の10個のチャネルをカテーテル29の30個の電極に多重化すると仮定されているが、当業者であれば、10より大きい若しくは小さい数のチャネル上で動作する、及び/又は30より大きい若しくは小さい数の電極に接続するマルチプレクサに対する説明を必要な変更を加えて適合させることができ、全てのそのようなマルチプレクサは、本開示の範囲内に含まれると仮定される。
【0035】
マルチプレクサ82は、30個のスイッチアセンブリ84を備え、その各々は、高定格された単極単投(SPST)リレーとして機能する。本明細書及び特許請求の範囲において、電気素子に適用される場合の高定格という用語は、素子が高電力IREパルスを伝送するように定格されていること、すなわち、損傷を受けることなく、少なくとも2kV、典型的には3kVまでの高電圧、及びIREパルスに関連付けられた10アンペアまでの電流を伝送し、動作することができることを意味すると想定される。
【0036】
各スイッチアセンブリ84は、第1の端子88及び第2の端子92の2つの端子を有し、これらの端子は、2つの端子が接続されていないときの開状態と、2つの端子が接続されているときの閉状態との間で切り替えられる。各第2の端子92は、それぞれの電極27に接続されている。例えば、スイッチアセンブリ84の端子92は、電極27に接続されている。
【0037】
図3に示される例では、3つのアセンブリ84のグループの第1の端子88が、IRE発生器36の単一のチャネル82に接続されている。したがって、端子88、88、及び88が、チャネル82に接続されており、端子88、88及び88が、チャネル82に接続されており、かつ、端子8828、8829及び8830が、チャネル8210に接続されている。
【0038】
また、マルチプレクサ80はコントローラ100も備え、コントローラ100は、処理能力を有し、典型的には専門家22によって選択されるIREアブレーションプロトコルに従ってアセンブリ84の各々を動作させるように構成されている。プロトコルは、典型的には、アセンブリに接続された電極を作動させるようにアセンブリ84を選択し、この選択は、アブレーションされる組織に従う。代替的に、又は追加的に、コントローラ100の機能の少なくともいくつかは、プロセッサ32によって実行され得る。
【0039】
通常、IRE処置の間、発生器36は、IREパルスの所与のセットに対して少なくとも2つのチャネル82を使用するように構成され、1つは送信チャネルとして、1つは受信チャネルとして使用される。チャネルは患者の組織に近接している電極27に接続されているので、この構成では、発生器からのIREパルスは、双極アブレーションを実行する。いくつかの例では、IRE発生器は、そのチャネルを送信チャネルとしてのみ使用するように構成され得、この場合のパルスの戻り経路は、発生器36の接地に接続された外部電極65を介する。この構成では、IREパルスは、単極アブレーションを実行する。
【0040】
1つのスパイン27上の3つの電極27が一緒に多重化される図3に示される例は、多重化される電極の一例に過ぎず、一緒に多重化される3つの電極の他の配置が当業者に明らかであり、本開示の範囲内に含まれることが理解されるであろう。例えば、3つの電極の各々が異なるスパイン上にあり得るか、又は電極のうちの2つが1つのスパイン上にあり、第3の電極が第2のスパイン上にあり得る。そのような配置の組み合わせ及び部分組み合わせが、本開示の範囲内に含まれることも理解されるであろう。例えば、3つの多重化された電極のうちの1つのセットが1つのスパイン上にあり得、かつ第2のセットが別のスパイン上に2つの電極を有し、更に別のスパイン上に第3の電極を有し得る。
【0041】
図3に示される例は、一緒に多重化される3つの電極のうちの10個のセットを示すが、本開示の範囲が、一緒に多重化される任意の複数の2つ又は3つ以上の電極のセットを含むことも理解されるであろう。例えば、図3に示される30個の電極は、4個の電極のうちの3つのセット、3個の電極のうちの4つのセット、及び2個の電極のうちの3つのセットにグループ化され得る。この場合、マルチプレクサ80は、各セット内の電極が、それぞれのセットの端子88を互いに接続し、発生器のチャネルに接続することによって、一緒に多重化されるように構成される。(例えば、端子88、88、88、及び88が、チャネル82に接続され得る。)
【0042】
図4は、スイッチアセンブリ84の内部構造を示す概略図である。図に示されるように、アセンブリの第1の端子88は、IRE発生器のチャネル82に外部接続されており、アセンブリの第2の端子92は、プローブ26の電極27に外部接続されている。
【0043】
アセンブリは、本明細書ではDPST110A及びDPST110Bとも呼ばれる、双極単投(DPST)リレーの第1の対110A、110Bを備える。DPST110Aは、単一のコイルによって作動される、本明細書では単にリレーと呼ばれる2つの単極単投(SPST)リレー110A1、110A2から形成される。両方のリレーは2つの接点を有する。第1のリレー110A1は、第1の接点110A1C1及び第2の接点110A1C2を備え、第2のリレー110A2もまた、第1の接点110A2C1及び第2の接点110A2C2を備える。DPST110Aの両方のリレー110A1及び110A2は、コイル114によって作動される。
【0044】
DPST110Bは、DPST110Aと実質的に同様であり、第1の接点110B1C1と第2の接点110B1C2とを備える第1のリレー110B1、及び第1の接点110B2C1と第2の接点110B2C2とを有する第2のリレー110B2を有する。DPST110Bの両方のリレー110B1及び110B2は、コイル118によって作動される。
【0045】
DPST110A及び110Bは、全ての第1の接点110A1C1、110A2C1、110B1C1、及び110B2C1が共に接続されており、全ての第2の接点110A1C2、110A2C2、110B1C2、及び110B2C2が共に接続されているように、互いに並列に接続されている。第1の接点110A1C1、110A2C1、110B1C1、及び110B2C1はまた、スイッチアセンブリの第1の端子88に接続されている。更に、コイル114及び118は、DPST110A及び110Bを動作させる共通の電源122に接続されている。電源122は、コントローラ100によって動作させることができる任意の便利な電源であり得る。本明細書では、電源122は、その電力を正電圧レールから得て、スイッチングトランジスタ124を介して接地に結合されると仮定される。トランジスタは、コントローラ100によって作動及び停止され得る。
【0046】
コンデンサC1は、DPSTリレーの第1の対110A、110Bと並列に接続されている。DPSTリレー110A、110Bは、それらの並列コンデンサC1と共に、本明細書では、アセンブリ84の構成要素の第1のセット112と呼ばれる。
【0047】
示される例では、リレー110A1、110A2、110B1、及び110B2は、全て常開である。したがって、電源122の起動時に、リレーの全ての第2の接点がリレーの第1の接点に、したがって端子88に接続されている。電源122が停止すると、端子88はリレーの第2の接点から接続解除する。
【0048】
アセンブリはまた、実質的に同様のDPSTリレーの第2の対130A、130Bを備える。DPSTリレー130A、130Bは、DPST130A及び130Bとも呼ばれる。DPST130Aは、各々が2つの接点を有する2つのリレーを有する。第1のリレー130A1は、第1の接点130A1C1及び第2の接点130A1C2を備え、第2のリレー130A2もまた、第1の接点130A2C1及び第2の接点130A2C2を備える。DPST110Aの両方のリレー130A1及び130A2は、コイル134によって作動される。
【0049】
上述したように、DPST130Bは、DPST130Aと実質的に同様であり、第1の接点130B1C1と第2の接点130B1C2とを備える第1のリレー130B1、及び第1の接点130B2C1と第2の接点130B2C2とを有する第2のリレー130B2を有する。DPST130Bの両方のリレー130B1及び130B2は、コイル138によって作動される。
【0050】
DPST110A及び110Bについては、DPST130A及び130Bは、全ての第1の接点130A1C1、130A2C1、130B1C1、及び130B2C1が共に接続されており、全ての第2の接点130A1C2、130A2C2、130B1C2、及び130B2C2が共に接続されているように、互いに並列に接続されている。第2の接点130A1C2、130A2C2、130B1C2、及び130B2C2はまた、スイッチアセンブリの第2の端子92に接続されている。更に、コイル134及び138は、共通の電源142に接続されている。電源122については、電源142は、その電力を正電圧レールから得て、スイッチングトランジスタ144を介して接地に結合されると仮定される。トランジスタ144は、コントローラ100によって作動及び停止され得る。
【0051】
電源142は、アイソレータ146、典型的には光アイソレータを介してその電力をDPST130A及び130Bに送給する。したがって、電源122によって送給される電力は、電源142によって送給される電力から電気的に絶縁され、その結果、コイル134及び138は、コイル114及び118から電気的に絶縁される。絶縁は、低定格構成要素の第1のセットと第2のセットとの間の破壊の可能性を防止し、電流又は電圧における予想外のサージへの曝露からバスケットカテーテル29を保護する。
【0052】
コンデンサC2は、DPSTリレーの第2の対130A、130Bと並列に接続されている。DPSTリレー130A、130Bは、それらの並列コンデンサC2と共に、本明細書では、アセンブリ84の構成要素の第2のセット132と呼ばれる。典型的には、C1及びC2は、等しい静電容量を有し、一例では、C1及びC2は各々、5pFである。
【0053】
第1のセット112のDPST110A及び110B、並びに第2のセット132のDPST130A及び130Bは全て、最大2AのRMS電流を搬送し、最大1.5kVのRMS電圧をサポートするように定格されている。最大5Aの電流及び最大3kVの電圧を有する、アセンブリが搬送し得るIREパルスと比較して、リレーの第1のセット及び第2のセットは、低定格である。
【0054】
リレー130A1、130A2、130B1、及び130B2は、全て常開である。したがって、電源142の起動時に、リレーの全ての第1の接点がリレーの第2の接点に、したがって端子92に接続されている。電源142が停止すると、端子92はリレーの第1の接点から接続解除する。
【0055】
DPSTリレーの第1の対110A、110Bは、接続部150、154によってDPSTリレーの第2の対130A、130Bに直列に接続されている。したがって、第1の対の接点110A1C2、110A2C2、110B1C2、及び110B2C2は、第2の対の接点130A1C1、130A2C1、130B1C1、及び130B2C1に接続されている。
【0056】
アセンブリ84において、コンデンサC1は、DPSTリレーの第1の対110A、110Bと並列に接続されており、コンデンサC2は、DPSTリレーの第2の対130A、130Bと並列に接続されている。典型的には、C1及びC2は、等しい静電容量を有し、一例では、C1及びC2は各々5pFである。
【0057】
マルチプレクサ80において、各スイッチアセンブリ84は、コントローラ100によって独立して作動及び停止される。所与のアセンブリ84の作動は、コントローラがアセンブリのPS122及びPS142に同時に給電し、それによってDPSTリレーの第1の対110A、110Bの全てのリレーの接点を閉じ、DPSTリレーの第2の対130A、130Bの全てのリレーの接点を閉じることを含む。全てのリレーを閉じることにより、アセンブリの第1の端子88がアセンブリの第2の端子92に接続されており、したがってチャネル82とアセンブリに接続された電極27とが接続されている。
【0058】
全ての接点を同時に閉じること、及びDPSTリレーの第1の対及び第2の対の各々の並列構成は、アセンブリ84を介して伝送される信号の電流が、アセンブリの全てのSPSTリレー間でほぼ均等に分配されることを意味する。したがって、各対の各DPSTリレーは、アセンブリを介して伝送される電流のおよそ50%の割合で動作するように定格され得る。
【0059】
所与のアセンブリの停止は、コントローラがアセンブリの電源122及び電源142を同時にオフにし、それによってDPSTリレーの第1の対110A、110Bの全てのリレーの接点を開き、DPSTリレーの第2の対130A、130Bの全てのリレーの接点を開くことを含む。全てのリレーを開くことは、アセンブリの第1の端子88をアセンブリの第2の端子92から接続解除し、したがってアセンブリに接続されたチャネル82をアセンブリに接続された電極27から接続解除する。
【0060】
全ての接点が同時に開き、リレーの第1の対の第2の対への直列接続により、IRE発生器のチャネル82からの信号の電圧がアセンブリ84の端子88と92との間に発生する。信号は交流(alternating current、AC)信号であるので、コンデンサC1及びC2が存在しない場合、リレーにわたる電圧分配は、リレーの開接点の容量の比に比例する。リレーの各々の開接点容量は一般に未知であるが、およそ1pF以下である。開容量静電容量が等しくない可能性は、対のうちの1つにわたる電圧が対のリレーの電圧定格を超える可能性があり、したがって、それらのリレーを破壊させることを意味する。
【0061】
コンデンサC1及びC2をそれぞれリレーの第1の対及び第2の対に並列に接続し、コンデンサの静電容量を、それらが並列である対の開接点の静電容量よりも少なくとも5倍大きくなるように選択し、静電容量をほぼ等しくすることにより、リレーの各対にわたる電圧が信号電圧のおよそ50%の割合になることが保証される。コンデンサC1及びC2を、リレーの開接点静電容量よりも著しく大きい静電容量を有するように選択することにより、コンデンサインピーダンスがリレーのインピーダンスよりも著しく小さくなることが保証される。その結果、分圧はC1とC2の容量比によって決定される。したがって、コンデンサC1及びC2は、リレーが故障するのを防止するために、リレーが信号電圧の電圧定格未満の電圧定格を有することができることを保証する。
【0062】
したがって、各対の各DPSTリレーは、アセンブリにわたって発生する電圧の一部分、少なくともおよそ50%で動作するように定格され得る。したがって、所与の定格を有するリレーの場合、アセンブリによって伝送されるパルスは、リレーの定格よりも著しく大きい、典型的には定格の少なくとも150%の振幅を有し得る。これは、パルス電圧がリレーの両方の対にわたって発生するためである。
【0063】
図4に示される例示的なスイッチアセンブリの説明は、直列に接続された2対のDPSTリレーを想定している。しかしながら、本開示の範囲が、アセンブリ内のリレーの定格が総電流及び総電圧の一部分であることができるように、アセンブリを流れる総電流及びアセンブリにわたって発生する総電圧を分配するように、同様の構成で接続された他の種類及びグループのリレーを含むことが理解されるであろう。
【0064】
第1の例として、リレーの少なくとも1つのグループは、並列に接続された2つ又は3つ以上のSPSTリレーを含み得、コンデンサは、グループと並列に接続され得る。第2の例として、リレーの少なくとも1つのグループは、並列に接続されたSPSTリレー及びDPSTリレーなどの異なる種類のリレーの組み合わせを、同様に並列に接続されたコンデンサと共に備え得る。第3の例として、リレーの3つ以上のグループが直列に接続され得る。
【0065】
上の説明は、単投リレー、すなわち、SPST及びDPSTリレーがスイッチアセンブリに使用されることを仮定している。SPDT(単極双投)リレー及びDPDT(双極双投)リレーなどの双投リレーが、単投リレーとして構成することができ、これが3つ以上の投を有するリレーにも当てはまることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は、単投リレーとして構成され得る任意のリレーを含む。
【0066】
本明細書で使用する場合、エンティティの任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、本明細書に説明される意図された目的のためにエンティティが機能することを可能にする、好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約80%」は、72%~88%の値の範囲を指し得る。
【実施例0067】
実施例1.パルスの列を伝送するためのスイッチアセンブリ(84)であって、
第1のアセンブリ端子(88)及び第2のアセンブリ端子(92)と、
並列に接続された第1の複数の第1のリレー(110A、110B)であって、それによって、第1のリレーが、共に接続されたそれぞれの第1の接点(110A1C1、110A2C1、110B1C1、110B2C1)を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第2の接点(110A1C2、110A2C2、110B1C2、110B2C2)を有し、それぞれの第1の接点が、第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数の第1のリレー(110A、110B)と、
第1の複数の第1のリレーと並列に接続された第1のコンデンサ(C1)と、
並列に接続された第2の複数の第2のリレー(130A、130B)であって、それによって、第2のリレーが、共に接続されたそれぞれの第3の接点(130A1C1、130A2C1、130B1C1、130B2C1)を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第4の接点{130A1C2、130A2C2、130B1C2、130B2C2)を有し、それぞれの第4の接点が、第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数の第2のリレー(130A、130B)と、
第2の複数の第2のリレーと並列に接続された第2のコンデンサ(C2)と、
接続部(150)であって、それぞれの第2の接点に接続された第1の終端と、それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーが、直列に接続されている、接続部(150)と、を備え、
パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有し、かつ
それによって、第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーの作動時に、それぞれの第1の接点及びそれぞれの第2の接点が接続し、それぞれの第3の接点及びそれぞれの第4の接点が接続し、それによって、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続し、かつ第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーの停止時に、それぞれの第1の接点及び第2の接点が接続解除し、それぞれの第3の接点及びそれぞれの第4の接点が接続解除し、それによって、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続解除する、スイッチアセンブリ(84)。
【0068】
実施例2.第1のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されている、実施例1に記載のスイッチアセンブリ。
【0069】
実施例3.第1のリレーのうちの少なくとも1つが、単極リレー及び双極リレーのうちの1つを備える、実施例2に記載のスイッチアセンブリ。
【0070】
実施例4.第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されている、実施例1に記載のスイッチアセンブリ。
【0071】
実施例5.第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単極リレー及び双極リレーのうちの1つを備える、実施例4に記載のスイッチアセンブリ。
【0072】
実施例6.第1の複数の第1のリレーを動作させるように構成された第1の電源と、第2の複数の第2のリレーを動作させるように構成された第2の電源と、を備え、第1の電源によって第1の複数のリレーに送給される第1の電力が、第2の電源によって第2の複数のリレーに送給される第2の電力から電気的に絶縁されている、実施例1に記載のスイッチアセンブリ。
【0073】
実施例7.第1のリレー及び第2のリレーが、事前設定された電圧で定格され、パルスの振幅が、この事前設定された電圧の150%よりも大きい、実施例1に記載のスイッチアセンブリ。
【0074】
実施例8.パルスの列を伝送するためのマルチプレクサ(80)であって、当該マルチプレクサ(80)が、
複数のスイッチアセンブリ(84)であって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子(88)及び第2のアセンブリ端子(92)と、
それぞれの第1の接点(110A1C1、110A2C1、110B1C1、110B2C1)を共に接続させ、かつそれぞれの第2の接点(110A1C2、110A2C2、110B1C2、110B2C2)を共に接続させることによって並列に接続された、第1の複数のリレー(110A、110B)であって、それぞれの第2の接点が第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレー(110A、110B)と、
第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサ(C1)と、
それぞれの第3の接点(130A1C1、130A2C1、130B1C1、130B2C1)を共に接続させ、かつそれぞれの第4の接点{130A1C2、130A2C2、130B1C2、130B2C2)を共に接続させることによって並列に接続された、第2の複数のリレー(130A、130B)であって、それぞれの第4の接点が第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレー(130A、130B)と、
第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサ(C2)と、
接続部(150)であって、それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、第1の複数のリレー及び第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部(150)と、を備える、複数のスイッチアセンブリ(84)と、
コントローラであって、スイッチアセンブリを独立して作動させるように構成されており、そのため、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その第1の接点及び第2の接点が接続し、その第3の接点及び第4の接点が接続し、それによって、第1のアセンブリ端子と第2のアセンブリ端子との間でパルスが伝送されるように、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続し、かつ所与のスイッチアセンブリの停止時に、その第1の接点及び第2の接点が接続解除し、その第3の接点及び第4の接点が接続解除し、それによって、第1のアセンブリ端子と第2のアセンブリ端子との間でパルスが伝送されないように、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続解除する、コントローラ(100)と、を備え、
パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、マルチプレクサ(80)。
【0075】
実施例9.複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、第1のスイッチアセンブリの第1のアセンブリ端子が、第2のスイッチアセンブリの第1のアセンブリ端子に接続されている、実施例8に記載のマルチプレクサ。
【0076】
実施例10.それぞれ第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を備え、各チャネルが、スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、実施例8に記載のマルチプレクサ。
【0077】
実施例11.パルスの列を伝送するための方法であって、当該方法が、
第1のアセンブリ端子(88)及び第2のアセンブリ端子(92)を有するスイッチアセンブリ(84)を提供することと、
第1の複数の第1のリレー(110A、110B)を並列に接続することであって、第1のリレーが、共に接続されたそれぞれの第1の接点(110A1C1、110A2C1、110B1C1、110B2C1)を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第2の接点(110A1C2、110A2C2、110B1C2、110B2C2)を有し、それぞれの第1の接点が、第1のアセンブリ端子に接続されている、接続することと、
第1のコンデンサ(C1)を第1の複数の第1のリレーと並列に接続することと、
第2の複数の第2のリレー(130A、130B)を並列に接続することであって、第2のリレーが、共に接続されたそれぞれの第3の接点(130A1C1、130A2C1、130B1C1、130B2C1)を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第4の接点{130A1C2、130A2C2、130B1C2、130B2C2)を有し、それぞれの第4の接点が、第2のアセンブリ端子に接続されている、接続することと、
第2のコンデンサ(C2)を第2の複数の第2のリレーと並列に接続することと、
接続部(150)を提供することであって、それぞれの第2の接点に接続された第1の終端と、それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーが、直列に接続されている、提供することと、を含み、
パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有し、
それによって、第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーの作動時に、それぞれの第1の接点及び第2の接点が接続し、それぞれの第3の接点及び第4の接点が接続し、それによって、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続し、かつ第1の複数の第1のリレー及び第2の複数の第2のリレーの停止時に、それぞれの第1の接点及び第2の接点が接続解除し、それぞれの第3の接点及び第4の接点が接続解除し、それによって、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続解除する、方法。
【0078】
実施例12.第1のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されている、実施例11に記載の方法。
【0079】
実施例13.第1のリレーのうちの少なくとも1つが、単極リレー及び双極リレーのうちの1つを備える、実施例12に記載の方法。
【0080】
実施例14.第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されている、実施例11に記載の方法。
【0081】
実施例15.第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単極リレー及び双極リレーのうちの1つを備える、実施例14に記載の方法。
【0082】
実施例16.第1の複数の第1のリレーを動作させるように第1の電源を構成し、かつ第2の複数の第2のリレーを動作させるように第2の電源を構成することを含み、第1の電源によって第1の複数のリレーに送給される第1の電力が、第2の電源によって第2の複数のリレーに送給される第2の電力から電気的に絶縁されている、実施例11に記載の方法。
【0083】
実施例17.第1のリレー及び第2のリレーが、事前設定された電圧で定格され、パルスの振幅が、この事前設定された電圧の150%よりも大きい、実施例11に記載の方法。
【0084】
実施例18.パルスの列を伝送するための方法であって、当該方法が、
複数のスイッチアセンブリ(84)を有するマルチプレクサ(80)を提供することであって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子(88)及び第2のアセンブリ端子(92)と、
それぞれの第1の接点(110A1C1、110A2C1、110B1C1、110B2C1)が共に接続されており、かつそれぞれの第2の接点(110A1C2、110A2C2、110B1C2、110B2C2)が共に接続されていることによって並列に接続された、第1の複数のリレー(110A、110B)であって、それぞれの第2の接点が、第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレー(110A、110B)と、
第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサ(C1)と、
それぞれの第3の接点(130A1C1、130A2C1、130B1C1、130B2C1)が共に接続されており、かつそれぞれの第4の接点{130A1C2、130A2C2、130B1C2、130B2C2)が共に接続されていることによって並列に接続された、第2の複数のリレー(130A、130B)であって、それぞれの第4の接点が、第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレー(130A、130B)と、
第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサ(C2)と、
接続部(150)であって、それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、第1の複数のリレー及び第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部(150)と、を備える、提供することと、
スイッチアセンブリを独立して作動させることであって、これにより、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その第1の接点及び第2の接点が接続し、その第3の接点及び第4の接点が接続し、それによって、第1のアセンブリ端子と第2のアセンブリ端子との間でパルスが伝送されるように、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続し、かつ所与のスイッチアセンブリの停止時に、その第1の接点及び第2の接点が接続解除し、その第3の接点及び第4の接点が接続解除し、それによって、第1のアセンブリ端子と第2のアセンブリ端子との間でパルスが伝送されないように、第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子を接続解除する、作動させることと、を含み、
パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、方法。
【0085】
実施例19.複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、第1のスイッチアセンブリの第1のアセンブリ端子が、第2のスイッチアセンブリの第1のアセンブリ端子に接続されている、実施例18に記載の方法。
【0086】
実施例20.それぞれ第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を提供することを含み、各チャネルが、スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、実施例18に記載の方法。
【0087】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で具体的に図示及び記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上記した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0088】
〔実施の態様〕
(1) パルスの列を伝送するためのスイッチアセンブリであって、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
並列に接続された第1の複数の第1のリレーであって、それによって、前記第1のリレーが、共に接続されたそれぞれの第1の接点を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第2の接点を有し、前記それぞれの第1の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数の第1のリレーと、
前記第1の複数の第1のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
並列に接続された第2の複数の第2のリレーであって、それによって、前記第2のリレーが、共に接続されたそれぞれの第3の接点を有し、かつ共に接続されたそれぞれの第4の接点を有し、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数の第2のリレーと、
前記第2の複数の第2のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第2の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備え、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有し、
それによって、前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーの作動時に、前記それぞれの第1の接点及び前記それぞれの第2の接点が接続し、前記それぞれの第3の接点及び前記それぞれの第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記第1の複数の第1のリレー及び前記第2の複数の第2のリレーの停止時に、前記それぞれの第1の接点及び前記それぞれの第2の接点が接続解除し、前記それぞれの第3の接点及び前記それぞれの第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、スイッチアセンブリ。
(2) 前記第1のリレーのうちの少なくとも1つ、又は前記第2のリレーのうちの少なくとも1つが、単投リレーとして構成されており、前記単投リレーが、単極リレー又は双極リレーである、実施態様1に記載のスイッチアセンブリ。
(3) 前記第1の複数の第1のリレーを動作させるように構成された第1の電源と、前記第2の複数の第2のリレーを動作させるように構成された第2の電源と、を備え、前記第1の電源によって前記第1の複数のリレーに送給される第1の電力が、前記第2の電源によって前記第2の複数のリレーに送給される第2の電力から電気的に絶縁されている、実施態様1に記載のスイッチアセンブリ。
(4) 前記第1のリレー及び前記第2のリレーが、事前設定された電圧で定格され、前記パルスの前記振幅が、前記事前設定された電圧の150%よりも大きい、実施態様1に記載のスイッチアセンブリ。
(5) パルスの列を伝送するためのマルチプレクサであって、前記マルチプレクサが、
複数のスイッチアセンブリであって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
それぞれの第1の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第2の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第1の複数のリレーであって、前記それぞれの第2の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレーと、
前記第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
それぞれの第3の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第4の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第2の複数のリレーであって、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレーと、
前記第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数のリレー及び前記第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備える、複数のスイッチアセンブリと、
コントローラであって、前記スイッチアセンブリを独立して作動させるように構成されており、そのため、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されるように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記所与のスイッチアセンブリの停止時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続解除し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されないように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、コントローラと、を備え、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、マルチプレクサ。
【0089】
(6) 前記複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、前記第1のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子が、前記第2のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子に接続されている、実施態様5に記載のマルチプレクサ。
(7) それぞれ前記第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、前記第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を備え、各チャネルが、前記スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、実施態様5に記載のマルチプレクサ。
(8) パルスの列を伝送するための方法であって、前記方法が、
複数のスイッチアセンブリを有するマルチプレクサを提供することであって、各スイッチアセンブリが、
第1のアセンブリ端子及び第2のアセンブリ端子と、
それぞれの第1の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第2の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第1の複数のリレーであって、前記それぞれの第2の接点が、前記第1のアセンブリ端子に接続されている、第1の複数のリレーと、
前記第1の複数のリレーと並列に接続された第1のコンデンサと、
それぞれの第3の接点を共に接続させ、かつそれぞれの第4の接点を共に接続させることによって並列に接続された、第2の複数のリレーであって、前記それぞれの第4の接点が、前記第2のアセンブリ端子に接続されている、第2の複数のリレーと、
前記第2の複数のリレーと並列に接続された第2のコンデンサと、
接続部であって、前記それぞれの第1の接点に接続された第1の終端と、前記それぞれの第3の接点に接続された第2の終端と、を有し、そのため、前記第1の複数のリレー及び前記第2の複数のリレーが、直列に接続されている、接続部と、を備える、提供することと、
前記スイッチアセンブリを独立して作動させることであって、そのため、所与のスイッチアセンブリの作動時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されるように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続し、かつ前記所与のスイッチアセンブリの停止時に、その前記第1の接点及び前記第2の接点が接続解除し、その前記第3の接点及び前記第4の接点が接続解除し、それによって、前記第1のアセンブリ端子と前記第2のアセンブリ端子との間で前記パルスが伝送されないように、前記第1のアセンブリ端子及び前記第2のアセンブリ端子を接続解除する、作動させることと、を含み、
前記パルスが、少なくとも2キロボルトの振幅を有する、方法。
(9) 前記複数のスイッチアセンブリが、第1のスイッチアセンブリ及び第2のスイッチアセンブリを備え、前記第1のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子が、前記第2のスイッチアセンブリの前記第1のアセンブリ端子に接続されている、実施態様8に記載の方法。
(10) それぞれ前記第1の複数のスイッチアセンブリに接続された複数の電極と、前記第1の複数のスイッチアセンブリよりも少ないチャネルを有する不可逆的エレクトロポレーション発生器と、を提供することを含み、各チャネルが、前記スイッチアセンブリのうちの1つにそれぞれ接続されている、実施態様8に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】